JP4646670B2 - 光レセプタクル及びそれを用いた光モジュール - Google Patents

光レセプタクル及びそれを用いた光モジュール Download PDF

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本発明は、光通信等に使用される光レセプタクル及びそれを用いた光モジュールに関する。
従来から光通信や光センサー等に使用されている発光デバイス30として、図7に示すような構造が知られている(特許文献1)。発光デバイス30は、高信頼性を得る為、パッケージ24内に半導体レーザ22を気密封止したものである。半導体レーザ22は光出力を安定させるために温度を一定にすることが必要である。そこで、半導体レーザ22は、ベース基板23を介してペルチェ素子26の上に半田固定され温度コントロールされている。ペルチェ素子26はパッケージ24に半田固定されており、ペルチェ素子26から発生する熱はパッケージ24によって外部に放出されている。
半導体レーザ22は、モニタ用フォトダイオード27、内部レンズ25及び光アイソレータ11と共にベース基板23上に実装されている。内部レンズ25は、レンズホルダを介して基板23の一端に固定されている。また、発光素子22およびモニタ用フォトダイオード27は、それぞれチップキャリアを介してベース基板23に実装されている。更に、これら一連の部材を装荷されたベース基板23は、ペルチェ素子26を介してパッケージ24の底面に固定されている。一方、パッケージ24の一方の端面にはハーメチックガラスで封止された封止窓21が形成されており、この封止窓の外側に、レンズホルダにより固定された外部レンズ15、フェルール29を介して支持された光ファイバ17が順次装着されている。
発光素子22で発生した光は、内部レンズ25、光アイソレータ11、封止窓21、外部レンズ15を順次通過して光ファイバ7に結合される。ここで、内部レンズ25および外部レンズ15は、発光素子6の放射光を光ファイバ7のコア部に集束させて結合効率を改善する目的で装着されている。
また、半導体レーザ22から出射された光を光ファイバ17に入射させて伝送する際に、結合系内で発生した反射光が半導体レーザ22に戻ると、半導体レーザ22が不安定に発振して出力変動が生じる。この反射戻り光による半導体レーザへの悪影響を防止するために、半導体レーザの光が入射する光ファイバ17の端面を斜めに加工し、光ファイバ17と半導体レーザ素子22間の光路上に光を一方向にしか通さない特性を持つ光アイソレータ11が挿入されている。また、モニタ用フォトダイオード27は、発光素子22の放射光の一部を受けて、その出力をモニタするために設けられている。これを利用して帰還制御を行うことにより、発光素子22の出力を安定させることができる。
一方、このような発光デバイス30は、光ファイバ17が固定されているため実装の自由度が低い。そこで光ファイバ17を着脱可能とするために、光コネクタを着脱可能な光レセプタクルを光デバイス30に取付けることが知られている。光レセプタクルとしては、例えば、短い光ファイバをフェルール内に保持して接続用のファイバスタブとした構成が知られている(特許文献2)。この光レセプタクルによって、発光デバイス30と光ファイバを自由に接続したり、取外したりできるようになる。
特開平8−106030号公報 特開平2−33115号公報
近年、インターネット等の普及に伴い、データ通信においても光伝送が一般的になっており、その収容局においての回線数が増加している。その結果、光通信用送受信器の高密度実装化が進み、光モジュールを出来るだけ小型で高結合効率とすることが求められている。しかしながら、従来のような高出力・長距離用の光モジュールを更に小型化を進めようとした場合、従来の光レセプタクルでは光学系のスペースが大きく特に光軸方向の小型化が困難であった。
例えば、図8は、特許文献2に示されるような光レセプタクル20を、特許文献1に示されるような光デバイス30に組み合わせて光モジュール40を構成した例である。光レセプタクル20では、ホルダ8の内側に、光ファイバ9をフェルール1内に接着固定したスタブ10の後端部が固定されている。スタブ10の先端部は、セラミックス等からなる割スリットの入ったスリーブ4によって把持されており、スリーブ4の抜け防止の為、カバー5がホルダ8の内側に接着や圧入により固定されている。光コネクタのプラグフェルール16の先端は、スリーブ4に挿入されて、スタブ10の先端に押し当てられる。また、光レセプタクル20の入射側には外部レンズ15が組み込まれている。発光素子22からの出射光は、内部レンズ25、光アイソレータ11、パッケージ24の封止窓21を通過して、光レセプタクル20の外部レンズ15に入射する。外部レンズ15に入射した光は、スタブ10内の光ファイバ9に集光される。
この光レセプタクルにおいて、発光デバイスの出射光を内部レンズ25によって直接スタブ10内の光ファイバ9のコアに集光させれば、外部レンズ15を省略して光レセプタクルを小型化することが可能である。しかしながら、内部レンズ25によって光ファイバ9のコアに集光させた場合、周囲温度の変動によって結合効率が低下する問題が生じる。
即ち、発光デバイスには、種々の使用環境で使用できるように、周囲温度が約0℃〜70℃の範囲において安定した光出力が求められる。ところが、周囲温度が変化するとパッケージ24の温度は周囲に合わせて変化する一方で、半導体レーザ22や内部レンズ25が設置されたベース基板23の温度はペルチェ素子26によって一定に保持されている。このため、両者に大きな温度差が生じる。しかも、ペルチェ素子26は、周囲温度の変化を補償するようにパッケージ24に対して放熱、吸熱するため、パッケージ24とベース基板23等との温度差はさらに大きくなる。その結果、パッケージ24の熱膨張、熱収縮に起因して、パッケージ24に固定された光レセプタクル20と、ベース基板23に固定された半導体レーザ22や内部レンズ25との間に、相対的な高さズレが生じてしまう。このとき、図8に示す光モジュールでは、内部レンズ25と外部レンズ15の間を結ぶコリメート光線の径が例えばφ0.5〜0.8程度と大きいため、パッケージ24の熱膨張・収縮によって内部レンズ25と外部レンズ15の高さが多少ずれても、結合効率はあまり変化しない。ところが、図8において外部レンズ15を省略し、内部レンズ25によって光ファイバ9のコアに直接集光した場合、光ファイバ9のコア径は例えばφ0.01と非常に小さいため、内部レンズ25と光ファイバ9の僅かな高さズレによって結合効率が大きく低下してしまう。
そこで本件発明は、結合効率を低下させることなく光学系の小型化が可能な新規な光レセプタクル及びそれを用いた光学モジュールを提供することを目的とする。
本件発明に係る光レセプタクルは、光コネクタを接続するための光レセプタクルであって、(a)(i)中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が下がるような屈折率分布を有するグレーテッド・インデックス・レンズロッドと透明ロッドとを直列に配列した内部ロッドであって、前記光コネクタ内の光ファイバよりも大きな外径を有する内部ロッドと、
(ii)前記内部ロッドを保持するフェルールと、を有し、前記光コネクタ内の光ファイバと接続されるスタブと、(b)前記スタブを、前記グレーテッド・インデックス・レンズロッドが前記光コネクタとの接続側になるように保持するホルダと、を具えたことを特徴とする。

本件発明の光レセプタクルによれば、ほぼ平行な光を入射させてもGIレンズロッドのレンズ作用によってプラグフェルール内の光ファイバのコアに集光することができる。従って、本件発明の光レセプタクルを光デバイスと組み合わせた場合に、光デバイス内の内部レンズはコリメート若しくは僅かに集光させるだけで良く、周囲温度の変化によって、光デバイス内の光学素子や内部レンズと光レセプタクル内のスタブとの間に多少の高さズレが生じた場合にも、結合効率の低下を抑制することができる。
また、図8の構成では、スタブ10とレンズ25の間に外部レンズ15が必要であったのに対して、本件発明によれば、光レセプタクルのスタブ内にGIレンズロッドを内蔵することにより、光学系を簡略化して光レセプタクルを小型することが可能となる。しかも、外部レンズが不要のため調整が容易である。
さらに、本件発明では、GIレンズロッドに透明ロッドを接続して内部ロッドを構成しているため、スタブの設計を光レセプタクルや光コネクタの仕様に合わせて自由に変更できる利点がある。即ち、GIレンズロッドの長さは一定に保ったまま、透明ロッドの長さだけを変化させることにより、スタブの長さを自由に変更することが可能になる。これにより、1種類のGIレンズロッドを用いて多種多様な長さのスタブを簡単に準備することができるようになる。
尚、内部ロッドにおいて、さらに第2透明ロッドを直列に配列し、透明ロッドと第2透明ロッドによってGIレンズロッドを挟むことが好ましい。これにより、入射する光のビーム径に合わせた調整が容易となり、種々の光学系の仕様に合わせたファイバスタブを簡単に用意できるようになる。即ち、GIレンズロッドは、入射する光のビーム径によって焦点位置が変化する。第2透明ロッドをGIレンズロッドのコネクタ側に接続しておけば、第2透明ロッドの長さ(又はGIレンズロッドの長さと第2透明ロッドの長さ)を変えるだけで焦点位置を調整することができる。従って、種々の光学系の仕様に合わせたスタブを簡単に用意することができる。
また、光レセプタクル内のスタブに光アイソレータを接続することが好ましい。これにより、光レセプタクルを取り付ける光デバイス内に光アイソレータを設ける必要がなくなり、光デバイスを小型化することが出来る。また、光デバイス内のペルチェ素子等も熱容量の小さなもので済むため、小型で低消費電力のものが使用できる。
内部ロッドの外径は特に限定されないが、光コネクタ内の光ファイバよりも大きな外径を有することが好ましい。これによって、光デバイスから出射した光を高い効率で光コネクタ内の光ファイバへ導入することが可能となる。また、スタブと発光デバイスの距離が短くても発光を高効率で取り込むことができるため、光レセプタクルの長さを短尺化でき、有利となる。
フェルールは、ジルコニアセラミックスから成ることが好ましい。ジルコニアセラミックスは、金属と異なり、塑性変形性を有しないため、フェルールをジルコニアセラミックスによって形成すれば、プラグフェルールから加わる圧力によってフェルールが塑性変形することを防止できる。また、ジルコニアセラミックスは、優れた耐摩耗性を有するとともに、適度に弾性変形する。従って、光コネクタのプラグフェルールと接続した際に、光コネクタ側に内蔵されたバネによる加圧に対して、スタブの接続部が好ましく変形し、確実な面接合が可能となる。また、変形の繰り返し再現性にも優れており、プラグフェルールとスタブの接続面に常に安定した圧力を与えることができる。さらに、ジルコニアセラミックスは、靭性に優れており、スタブをホルダに固定する際に、フェルールへの割れ発生等が起きにくいというメリットがある。
スタブは、光コネクタと接続する側の端面が凸曲面になっていることが好ましい。これによって、光コネクタ中のプラグフェルールの端面が押し付けられた際にスタブの端面を好ましく弾性変形させ、接続界面におけるエアギャップを低減することができる。
また、光コネクタは、光ファイバを保持するプラグフェルールを有し、スタブは、プラグフェルールと略同径であることが好ましい。スタブとプラグフェルールが同径であれば、両者をスリーブ等によって同時に把持することができるため、プラグフェルールの高精度な位置決めが可能となる。
さらに、スタブは、フェルールと同種の材料から成るスリーブに嵌合されていることが好ましい。これによって、スリーブとフェルールの硬度を同等にし、スリーブとフェルールが擦れて屑が発生するという問題を防止することができる。スリーブやフェルールの削屑が発生すると、スタブに保持された内部ロッドに付着して大きな光接続損失を発生させる場合がある。特に、スリーブとフェルールは、耐摩耗性、弾性変形性、靭性に優れたジルコニアセラミックスから成ることが好ましい。
また、本件発明に係る光モジュールは、発光又は受光機能を有する光学素子と、上記本件発明に係る光レセプタクルと、前記光学素子と前記光レセプタクルの間に形成されたレンズと、を具えた光モジュールであって、前記レンズと前記内部ロッド内のGIレンズロッドとによって、前記光学素子と光コネクタ内の光ファイバとが結合されることを特徴とする。本件発明の光レセプタクルを用いているため、結合効率の低下を抑制しながら、小型の光モジュールが実現できる。
さらに、レンズによって僅かに集光させ、内部ロッドに到達するまでの間にビーム径が小さくなるようにすれば、内部ロッドに入りきらずに蹴られる光線を減らし、結合効率を一層安定させることができる。このとき、レンズによる集光があまり強すぎると、周囲温度の変化によって光コネクタ内の光ファイバへの集光位置が変化し易くなる。そこで、レンズによる集光は、内部ロッドのレンズに近い側の端面におけるスポット径が少なくとも光コネクタ内の光ファイバのコア径よりも大きくなる程度にすることが好ましい。
また、レンズ及び光学素子は、ペルチェ素子の上に配置されることが好ましい。レンズと光学素子をペルチェ素子の上に配置することによって、周囲温度の変化による光学素子の特性変動を防止できる。しかも、本件発明では光レセプタクル内のGIレンズロッドによって集光するため、レンズはコリメート又は僅かに集光させる程度で良く、周囲温度の変化による結合効率の低下も抑制できる。
尚、本件明細書において、光学素子と光コネクタ内の光ファイバを「光学的に結合する」とは、あるレンズ系によって光学素子から出射した光を光ファイバのコア部に集光すること、又は、光ファイバから出射した光を光学素子に集光することをいう。また「スタブ」とは、長さの制限された光学部材を指しており、光コネクタ内の光ファイバと接続可能であれば円柱状に限らず種々の形状であって良い。
以上述べたように、本件発明の光レセプタクル及びそれを用いた光モジュールによれば、結合効率を高く維持しながら、光学系を簡略化し、光モジュールの小型化を達成することができる。
以下、本件発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る光レセプタクルを示す模式断面図である。
光レセプタクル20は、光コネクタのフェルール16と接続するためのスタブ10と、スタブ10の後端部を圧入固定する金属製のホルダ8と、スタブ10の先端部に嵌合されてプラグフェルール16の挿入口となるスリーブ4と、スリーブ4の飛び出し防止のためのカバー5とを有する。スタブ10は、セラミックス製の円筒状部材であるフェルール1と、フェルール1の貫通孔に保持された内部ロッド6とから成る。そして内部ロッド6として、本実施の形態では、略一様の屈折率を有する石英ガラス製の透明ロッド2と、中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が下がるような軸対称の屈折率分布を有するGIレンズロッド3とが直列に接続されている。そして、透明ロッド2が光デバイス(図示せず)との接続側に、GIレンズロッドが光コネクタのプラグフェルール16との接続側に配置されている。また、スタブ10の端面には、光アイソレータ11が接着固定されている。さらに、その周囲を囲むように環状の磁石12がホルダ8に接着固定されており、光アイソレータ11の周囲に磁界を形成している。光コネクタのプラグフェルール16の先端は、スリーブ4に挿入されて、スタブ10の先端に押し当てられる。これによって、プラグフェルール16内の光ファイバ17と、スタブ10内の内部ロッド6が同心軸となるように接続される。
図2に示すように、この光レセプタクル20は、発光デバイス30に調整固定されて光モジュール40を構成する。発光デバイス30は、パッケージ24内に半導体レーザ22を気密封止したものである。半導体レーザ22は、温度を一定にして光出力を安定させるため、ベース基板23を介してペルチェ素子26の上に半田固定されている。また、ペルチェ素子26は、パッケージ24に半田固定されており、ペルチェ素子26から発生する熱はパッケージ24によって外部に放出される。また、内部レンズ25は、ベース基板23にハンダやガラス固定、又は接着剤等で取り付けられ、半導体レーザ22からの出射光がパッケージ24の封止窓21を通過するように調整固定されている。
図3は、光レセプタクル20内における光線の進行方向を模式的に示す模式断面図である。本実施の形態では、内部レンズ25とGIレンズロッド3によって光学素子22と光ファイバ17を光学的に結合している。即ち、図2において内部レンズ25から封止窓21及び光レセプタクル11を通じて入射したほぼ平行な光は、図3に示すように、透明ロッド2を通過してGIレンズロッド3に入射し、GIレンズロッド3のレンズ作用によってプラグフェルール16内の光ファイバ17のコア17aに集光される。内部レンズ25はコリメート若しくは僅かに集光させるだけで良いため、周囲温度の変化によって半導体レーザ22や内部レンズ25と内部ロッド6との間に多少の高さズレが生じた場合にも、結合効率の低下を抑制することができる。
また、図8の構成では、スタブ10とレンズ25の間に外部レンズ15必要であったのに対して、本実施の形態によれば、スタブ10内にGIレンズロッド3を内蔵することにより、光学系を簡略化して光レセプタクルを小型することが可能となっている。しかも、図8の構成では、光モジュールを組み立てる際に外部レンズ15とスタブ10との結合の調整に時間がかかる上、スタブ10中の光ファイバ9とプラグフェルール16中の光ファイバ17のコア同士の位置が僅かにずれても損失が発生するため、接続損失も大きくなり易かった。図3に示す構成によれば、外部レンズ15が不要のため調整が容易であり、GIレンズロッド3によって十分に光線を集光すればGIレンズロッド3と光ファイバ17との接続損失も低減できる。
さらに、図3では、GIレンズロッド3に透明ロッド2を接続して内部ロッド6を構成しているため、スタブ10の設計を光レセプタクル20や光コネクタの仕様に合わせて自由に変更できる利点がある。即ち、光レセプタクル20や光コネクタの仕様によって必要とされるスタブ10の長さは変わるため、仕様に応じて種々の長さのスタブ10を製造する必要がある。ところが、GIレンズロッド3は光コネクタ内の光ファイバ17に正しく集光しなければならないところ、GIレンズロッド3による光の集光位置はロッドの長さによって決まるため、GIレンズロッド3の長さ設計には制限がある。本実施の形態のようにGIレンズロッド3と透明ロッド2を接続して内部ロッド6を構成すれば、GIレンズロッド3の長さは一定に保ったまま、透明ロッド2の長さだけを変化させることにより、スタブ10の長さを自由に変更することが可能になる。これにより、1種類のGIレンズロッド3を用いて多種多様な長さのファイバスタブ10を簡単に準備することができるようになる。
尚、内部レンズ25によって僅かに集光させ、内部ロッド6に到達するまでの間にビーム径が小さくなるようにすれば、内部ロッド6に入りきらずに蹴られる光線を減らし、結合効率を一層安定させることができる。このとき、内部レンズ25による集光があまり強すぎると、パッケージ24の温度変化によって光ファイバ17への集光位置が変化し易くなる。そこで、内部レンズ25による集光は、内部ロッド6の内部レンズ6に近い側の端面におけるスポット径が少なくとも光コネクタ内の光ファイバ17のコア径よりも大きくなる程度にすることが好ましい。さらに好ましくは、上記のスポット径が光ファイバ17のコア径の2倍以上であることが望ましい。
このように本実施の形態によれば、GIレンズロッド3と透明ロッド2を光レセプタクル20のスタブ10内に内蔵することにより、結合効率の低下を抑制しながら、小型の光モジュールが実現できる。また、GIレンズロッド3と透明ロッド2を接続しているため、透明ロッド2の長さを調整することにより、GIレンズロッド3を一定の長さにしたまま種々の光学系の仕様に対応できる利点がある。
また、図2に示すように、本実施の形態では、さらに光アイソレータ11をレンズ内蔵のスタブ10に取付けているため、光デバイス30内に光アイソレータ11を設ける必要がない。このため光デバイス30内のベース基板23を小型化することが出来る。また、ペルチェ素子26も熱容量の小さなもので済むため、小型で低消費電力のものが使用できる。従って、小型かつ低消費電力な光モジュール30が実現できる。
以下、本実施の形態に係る光レセプタクル及び光モジュールの各構成について詳細に説明する。
(a)スタブ10
スタブ10は、光コネクタのプラグフェルール16に接続する側の端面を凸曲面とすることが好ましい。この凸曲面は、例えば研磨によって形成することができる。凸曲面の曲率半径は、5〜30mmであることが好ましい。これによって、光コネクタ中のプラグフェルール16の端面が押し付けられた際にスタブ10の端面を好ましく弾性変形させ、接続界面におけるエアギャップを低減することができる。エアギャップを低減することにより、接続界面における反射や接続損失を低減させることができる。
スタブ10の他方の端面(光デバイス側の端面)は、ARコートを施すか光軸との直交面から傾斜した鏡面とすることが好ましい。傾斜した鏡面にする場合、光軸との直交面からの傾斜角は1〜10°程度であることが好ましい。これにより、スタブ10中の透明ロッド2の端面で生じた反射光が光デバイス30の特性に悪影響を与えることを効果的に防止できる。また、光デバイス30中の光学素子22が半導体レーザである場合、半導体レーザ22から出射された光が透明ロッド2の端面で反射して戻り、半導体レーザの発振特性に影響を与えることを防止できる。尚、スタブ10中の透明ロッド2の端面だけにARコートを施すか、透明ロッド2の端面だけを斜めに研磨しても良い。
(内部ロッド6)
スタブ10内の内部ロッド6は、中心から周辺に向かって屈折率を低く変化させたGIレンズロッド3と石英ガラス等から成る透明ロッド2を融着等によって接続して成る。この内部ロッド6は、フェルール1の内径に挿入されて接着固定されている。ここでGIレンズロッド3と透明ロッド2は、光ファイバ17と接続した際に反射が極力起きないよう、光ファイバ17のコアの屈折率と同等(=屈折率にして0.1以下の差)であることが望ましい。また、図1に示すように、光コネクタとの接続側(=プラグフェルール16側)にGIレンズロッド3を配置することが好ましい。
透明ロッド2とGIレンズロッド3の径は特に限定されないが、両者が同径であることが望ましい。同径であることによって、内部ロッド6のフェルール1への挿入が容易となる。また、透明ロッド2とGIレンズロッド3は、接続される光コネクタに保持された光ファイバ17の外径(=クラッドの外径)に対しては、同じか又は大きな外径を有することが好ましい。それによって、発光素子22から出射した光を高効率で光ファイバ17へ導入することが可能となる。また、GIファイバロッド3と発光デバイス30の距離が短くても発光を高効率で取り込むことができるため、光レセプタクル30の長さを短尺化でき、有利となる。一方、内部ロッド6の外径があまり大きすぎると、フェルール1の肉厚が薄くなり、フェルール1をホルダ8に圧入した際にクラックが生じたり、スタブ10全体として弾性変形し難くなるため好ましくない。そこで内部ロッド6の外径は、フェルール1の外径の2/3以下であることが好ましい。尚、透明ロッド2やGIレンズロッド3の外側に屈折率の異なる透明被覆層等が形成されていても良い。
−GIレンズロッド3
GIレンズロッド3は、いわゆる屈折率分布型のレンズであり、例えば、円柱状の石英ガラス等にゲルマニウム等をドープすることによって中心から周辺に向かって屈折率を低く変化させることで形成できる。GIレンズロッド3は、単純な屈折率分布型レンズであっても良いし、コア−クラッド構造を有するグレーテッド・インデックス・ファイバ(以下、「GIファイバ」)であっても良い。例えば、GIレンズロッド3は、中心軸から徐々に屈折率が下がるような軸対称の屈折率分布をもつロッドレンズで、ほぼ2乗の屈折率分布をもつものである。
GIレンズロッド3の半径方向の屈折率分布をn(r)とすると、次の式1が成り立つ。
(式1) n(r)=n(1−A/2r) (a≧r≧0)
:レンズ光軸上の屈折率
A:収束定数
a:レンズの半径
又、収束定数Aは、次の式2に従う。
(式2) A={α・(α―1)・Δ}/(a)α
α:屈折率分布定数 (通常は、2前後)
Δ:GIレンズの比屈折率
Δ={n―n(a)}/n
(a):GIファイバのコア外周面の屈折率
で示すことができる。
これを適切な長さZで切断することにより、所望の光学特性を有する屈折率分布型レンズとして使用することができる。図4は、GIレンズロッド3がGIファイバから成る場合の光線追跡の例を示したものである。GIファイバ3のコア直径を2a、クラッド直径をCdとしている。GIファイバ3内を伝播する光の光線14は、GIファイバ3のコア3a内でほぼサインカーブの挙動を示す。図4では、そのサインカーブの単位長さをピッチ(P)で表している。P=1は、サインカーブの1周期(2π)に相当する。その周期Pは、収束定数Aに基づいて次の式3で計算される。
(式3) P=2π/√A
また、所定のピッチ(P)に対応するレンズ長Zは、次の式4で表される。
(式4) Z=2πP/√A
例えば、平行光を点に収束するには、GIレンズロッド3をP=0.25となる長さで使用すればよい。図3は、P=0.25近傍の場合の例である。平行光としてGIレンズロッド3に入射した光は、収束光としてGIレンズロッド3から出射し、接続された光ファイバ17に結合される。
−透明ロッド2
スタブ10中の透明ロッド2は、単純な光路を形成するため、不必要な屈折や反射が起きないように略一様な屈折率を有することが好ましい。特に、少なくとも光路となる部分において略均一な屈折率を有することが好ましい。また、少なくとも光路となる部分が石英ガラス等の屈折率が光ガラスのコアに近い材料から成ることが好ましい。例えば、石英ガラスロッドや石英ガラスのコアを持つガラスロッドとする。石英ガラスは、光ファイバにも用いられるガラスで硬度が高く、レンズ等に用いられるような加工性に優れたガラスに比べ傷が付きにくいという利点がある。透明ロッド2は、単なる光路であるため円柱状に限らず、種々の形状とすることができる。例えば、透明ロッド2の光軸との直交断面における形状を、円形、矩形、多角形、楕円などの種々の形状にすることができる。但し、GIレンズロッド3と同じ断面形状とすることが望ましい。
(フェルール1)
スタブ10を構成するフェルール1は、エポキシや液晶ポリマー等のプラスチックス、ガラス、アルミナやジルコニア等のセラミックス等種々の材料で形成することができる。中でもセラミックス、特にジルコニアセラミックで形成することが好ましい。一般にセラミックスは、金属と異なり、塑性変形性を有しないため、フェルール1をセラミックスによって形成すれば、プラグフェルール16から加わる圧力によってフェルール1が塑性変形することを防止できる。ジルコニアセラミックスとしては、例えば、ZrO2を主成分とし、Y23、CaO、MgO、CeO2、Dy23などの少なくとも一種を安定化剤として含み、正方晶の結晶を主体とする部分安定化ジルコニアセラミックスを用いることが好ましい。このようなジルコニアセラミックスは、優れた耐摩耗性を有するとともに、適度に弾性変形する。従って、光コネクタのプラグフェルール16と接続した際に、光コネクタ側に内蔵されたバネによる加圧に対して、スタブ10の接続部が好ましく変形し、確実な面接合が可能となる。また、変形の繰り返し再現性にも優れており、プラグフェルール16とスタブ10の接続面に常に安定した圧力を与えることができる。また、ジルコニアセラミックスは、靭性に優れており、曲げ強さは石英ガラスの約15倍あり、圧縮強さも石英ガラスの約5倍もある。従って、スタブ10をホルダ8に固定する際に、フェルール1への割れ発生等が起きにくいというメリットがある。さらに、ジルコニアセラミックスは、耐摩耗性が高く、ビッカーズ硬度が石英ガラスの約1.4倍、SUSの約6.5倍もある。従って、フェルール1をジルコニアセラミックスとすれば、コネクタの着脱によって動く割スリーブ4によってフェルール1が摩耗するといった不具合を防止できる。
フェルール1は、種々の方法で製造することができる。例えば、フェルール1をセラミックスによって形成する場合、セラミックスの原料を射出成形、プレス成形、押出成形等の所定の成形法によって円筒状、円柱状、直方体等の生成形体を得て、その生成形体を1300〜1500℃で焼成し、所定の寸法に切削加工または研磨加工を施せばよい。また、これに代えて、セラミックスの生成形体をはじめから切削加工等によって所定の形状に加工し、その後焼成を行ってもよい。
(スタブ10の製造方法)
スタブ10は、例えば、次のようにして製造することができる。まず、長尺のGIレンズロッド3と透明ロッド2を適当な長さで切断し、切断面同士を突き合わせて、融着接続器を用いた放電加工等によって1本の内部ロッド6とする。次に、GIレンズロッド3が所定のレンズ長ZとなるようにGIロッドレンズ3を切断し、同様に透明ロッド2も所定の長さとなるように切断し、内部ロッド6とする。そして、内部ロッド6をフェルール1の貫通孔に挿入し、熱効果型接着剤等によって固定する。その後、フェルール1の両端面を研磨加工することにより、スタブ10を得ることができる。
ここでスタブ10の両端面の研磨の際に削れ量のバラツキがあると、内部ロッド6の全長にもバラツキが生じる。GIレンズロッド3だけをフェルール1内に固定してスタブ10としている場合、スタブ10の両端面の削れ量のバラツキにより、GIレンズロッド3による集光位置がずれ易くなる。このため、結合効率にバラツキが生じる場合がある。本実施の形態のようにGIレンズロッド3に透明ロッド2を接続している場合、GIレンズロッド3の端面はスタブ10の一方にしか露出していないため、GIレンズロッド3を単独でフェルール1内に固定した場合に比べて、スタブ10の削れ量のバラツキによる結合効率のバラツキを抑制することができる。
(b)光アイソレータ11
光アイソレータ11は、スタブ10の光デバイス側の端面、即ち、透明ロッド2側の端面に固定されている。固定には、透光性の接着材を用いることが好ましい。光アイソレータ11は、一般に、偏光板ガラス、ファラデー回転子、偏光板ガラスの順で光透過接着剤により一体化して構成されている。ここで偏光板ガラスは、反射による損失が生じないように、透明ロッド2の屈折率と略同等(0.1以下の差)の屈折率を有することが望ましい。光アイソレータ11は、損失を抑制できるように反射防止膜や光透過性接着剤の屈折率を調整することが望ましい。具体的には、透明ロッド2と光アイソレータ11を固定している透過性接着剤を透明ロッド2の屈折率と略同等(0.1程度の差)の屈折率に合せることで、大きな反射を抑えることができる。又、入射側のアイソレータ11の端面には反射防止膜を形成することで大きな反射を抑えることができる。光アイソレータ11による損失は0.2dB以下とすることが好ましい。
また、光アイソレータ11に磁界を加える為に、サマリウムコバルト等の環状の磁石12が光アイソレータ11を囲むように配置されている。磁石12は、ホルダ8やスタブ10に接着剤によって固定することができる。尚、光アイソレータ11が外部磁界を必要としないファラデー回転子によって構成されている場合には磁石12は必要がない。
(c)ホルダ8
スタブ10を保持するホルダ8は、金属製であることが好ましく、特に耐腐食性と溶接性に優れたステンレス製とすることが好ましい。スタブ10をホルダ8に固定する方法として、圧入、接着、圧入と接着の併用等を用いることができる。尚、ホルダ8に固定されたスタブ10には、プラグフェルール16側のバネ圧により加重が掛かり続けており、プラグフェルール16を脱着する際にも力が加わる。このためスタブ10をホルダ8に十分な強度で固定することが必要である。従って、スタブ10をホルダ8に固定する方法としては、圧入又は圧入と接着の併用が好ましい。本実施の形態では、内部ロッド6をフェルール1の貫通孔に保持してスタブ10を構成しているため、スタブ10をホルダ8に圧入した際に内部ロッド6に加わる歪みを低減できる効果がある。即ち、内部ロッド6をフェルール1に入れずに直接ホルダ8に圧入した場合、内部ロッド6に大きな応力が加わり、内部ロッド6の屈折率が変化してしまう。内部ロッド6の屈折率が変化すると、光の焦点位置がずれるなどして結合効率に悪影響が出る場合がある。特に、内部ロッド6に応力が加わって屈折率が変化した場合、低温側では金属ホルダ8との熱膨張係数差によって応力が大きくなって屈折率が上がり、高温側では応力が弱くなって屈折率がもとに戻る。従って、温度に依存して接続損失が大きくなってしまう。尚、内部ロッド6を接着剤によってフェルール1に固定すれば、接着剤が緩衝材の役割を果たし、内部ロッド6に加わる応力を一層低減することができる。また、フェルール1をホルダ8に圧入してから内部ロッド6をフェルール1内に固定すれば、内部ロッド6に加わる応力を一層低下することができる。尚、ここで説明したことは、スタブ10をホルダ8に固定する方法が圧入である場合に限らず、スタブ10に応力が加わるような全ての固定方法について当てはまる。
(d)スリーブ4
本実施の形態では、ホルダ8に固定したスタブ10のプラグフェルール16側に突き出した部分に、スリーブ4を嵌め込んでいる。スリーブ4は、径方向に可とう性を持つように割スリットを有している。本実施の形態において、スタブ10の外径は接続される光コネクタのプラグフェルール16の外径と同等にしている。また、スリーブ4の内径は、挿入されるスタブ10やプラグフェルール16の外径より若干小さめにしてあり、スタブ10とプラグフェルール16を同時に把持できるようにしている。
スリーブ4によってプラグフェルール16の把持を行えば、次のような利点がある。即ち、プラグフェルール16の固定をホルダ8のガイド穴によって行った場合、ガイド穴の内径はプラグフェルール16の外径規格の最大のものまで挿入出来るように設計しなければならず、更に、ゴミの挟み込みによりプラグフェルール16が抜けなくなるなどの問題も発生を考慮して、プラグフェルール16の外径規格に対してゆとりのあるクリアランスを持たせることが要求される。このためプラグフェルール16の位置決めを高精度に行うことが困難である。これに対し径方向に可とう性のあるスリーブ4によってプラグフェルール16を把持すれば、スリーブの内径をプラグフェルールの外径規格よりも小さくできるため、プラグフェルール16の高精度な位置決めが可能となる。プラグフェルール16を高精度に位置決めすることは、光デバイス30との光結合における損失を低減する点で有利である。
このスリーブ4の材料は特に限定されず、金属、セラミックス等の種々の材料を用いることができる。但し、スリーブ4には、プラグフェルール16やスタブ10のフェルール1と硬度が同等となるように、それらと同じ種類の材料を用いることが好ましい。例えば、ジルコニア等の硬度の高い材料でできたプラグフェルール16を使用するときに、スリーブ4を金属製とすると、硬度の違いから着脱の繰り返しによる金属屑がスリーブ4に発生し易い。これがスタブ10に保持された内部ロッド6へ付着して大きな光接続損失を発生させる場合がある。
また、スリーブ4に用いる材料の中では、セラミックス、特にジルコニアセラミックスが好ましい。ジルコニアセラミックスは、耐摩耗性と弾性に優れた材料であるため長期使用の信頼性を確保することができる。ジルコニアセラミックスをスリーブ4の形状に加工する方法は、フェルール3の形状に加工する方法と同様である。スリーブ4とフェルール3を同じジルコニアセラミックスによって形成すれば、次のような利点がある。即ち、ジルコニアセラミックスは適度な弾性変形性を有するため、フェルール3とスリーブ4がいずれもジルコニアセラミックスから成ることにより、プラグフェルール16をスタブ10に押し付けた際にスリーブ4とフェルール3が一体となって弾性変形し、プラグフェルール16内の光ファイバ7の内部ロッド6に対する当接状態を良好にできる。また、スタブ10をスリーブ4に嵌入する場合に、ジルコニアセラミックスの弾性と耐磨耗性によって屑やクラックが殆ど発生しない。
スリーブ4の内径の表面荒さは挿入性を考慮して、算術平均粗さ(Ra)を0.2μm以下にすることが望ましい。また、スリーブ4の内径公差(及びスタブ10の外径公差)は、低い接続損失を得るため±1μm以下が望ましい。さらに、スリーブ4の内径寸法は、スタブ10を確実に保持するために、スタブ10の挿入力が0.98N以上となるように設計することが望ましい。
(e)カバー5
本実施の形態では、スリーブ4の飛び出し防止のために、円筒形のカバー5をホルダ8に圧入又は接着剤などで固定している。カバー5は、耐腐食性に優れたステンレスを用いることが好ましい。また、カバー5をプラスチック、ジルコニア、アルミナなどで形成しても良い。特に、サージ対策が必要な光モジュールにおいては、絶縁体のプラスチック、ジルコニア、アルミナなどを用いることが好ましい。
実施の形態2
図5は、実施の形態2の光レセプタクル30の断面図である。本実施の形態では、内部ロッド6として、GIレンズロッド3を透明ロッド2と第2透明ロッド2’とで挟んだ構造としている。第2透明ロッド2’は、実施の形態1で説明した透明ロッド2と同様の材料や形状にすることができる。その他の点は、実施の形態1と同様である。
図6は、本実施の形態の光レセプタクル20内における光線の進行方向を模式的に示す模式断面図である。本実施の形態においても、内部レンズ25とGIレンズロッド3によって光学素子22と光ファイバ17が光学的に結合される。即ち、内部レンズ25から封止窓21及び光レセプタクル11を通じて入射したほぼ平行な光は、図6に示すように、透明ロッド2を通過してGIレンズロッド3に入射し、GIレンズロッド3のレンズ作用によって集光され、GIレンズロッド3からある集光角で出射される。そして、第2透明ロッド2’は、第1透明ロッド2と同様に略一様な屈折率分布を持つため、GIレンズロッド3を出射した光は、GIレンズロッド3の端面における集光角を維持したまま光ファイバ17に向かって直進し、第2透明レンズロッド2’の端面でプラグフェルール16内の光ファイバ17のコア17aに集光される。本実施の形態においても、外部レンズが不要となるため、光学系を簡略化して小型の光レセプタクルとすることができる。また、内部レンズ25はコリメート若しくは僅かに集光させるだけで良いため、周囲温度の変化によって半導体レーザ22や内部レンズ25とスタブ10との間に多少の高さズレが生じた場合にも、結合効率の低下を抑制することができる。
また、本実施の形態では、GIレンズロッド3に第2透明ロッド2’を接続しているため、入射する光のビーム径に合わせた調整が容易となり、種々の光学系の仕様に合わせたファイバスタブ10を簡単に用意することができる。即ち、GIレンズロッド3は、入射する光のビーム径によって焦点位置が変化する。このため、組み合わせる光デバイス30の仕様によってGIレンズロッド3に入射する光のビーム径が変化した場合、実施の形態1ではGIレンズロッド3自体の屈折率分布を設定し直す必要があった。本実施の形態によれば、その場合にも第2透明ロッド2’の長さ(又はGIレンズロッド3の長さと第2透明ロッド2’の長さ)を変えるだけで焦点位置を調整することができる。従って、種々の光学系の仕様に合わせたファイバスタブ10を簡単に用意することができる。
本実施の形態におけるスタブ10も、基本的には実施の形態1と同様にして製造できる。例えば、GIレンズロッド3の両端に同径の石英ガラスからなる透明ロッド2と第2透明ロッド2’をそれぞれ融着接続した後、フェルール1の内径に挿入して接着固定する。このときGIレンズロッド3はあらかじめ設計したレンズ効果を持つ長さとなる様に調整し、第2透明ロッド2'の長さも所望のレンズ効果を得られるように位置決めして接着し、研磨により微細な調整をすることが望ましい。
また、本実施の形態によれば、実施の形態1に比べて、スタブ10の削れ量のバラツキによる結合効率のバラツキを一層抑制することができる。即ち、GIレンズロッド3の端面はスタブ10の端面から露出していないため、スタブ10の両端面を研磨した際に、GIレンズロッド10の長さは変化しない。第2透明ロッド2’や透明ロッド2の長さも集光位置に多少影響するが、GIレンズロッド3に比べれば長さの変化による集光位置の変化は小さい。従って、本実施の形態によれば、スタブ10の両端の削れ量のバラツキによる集光位置のバラツキを効果的に抑制することができる。
尚、ここでは光学素子が半導体レーザなどの発光デバイスである場合を中心に説明したが、本件発明はこれに限定されない。光学素子が受光素子の場合にも、光線の進行方向が逆になり、光アイソレータを反転させる点を除けば、上述の発明を同様に適用できる。
図1は、実施の形態1に係る光レセプタクルを示す模式断面図である。 図2は、図1に示す光レセプタクルを用いた光モジュールを示す模式断面図である。 図3は、図1に示す光レセプタクル内の光の進行方向を示す模式図である。 図4は、GIファイバ中の光線の進行方向を示す模式図である。 図5は、実施の形態2に係る光レセプタクルを示す模式断面図である。 図6は、図1に示す光レセプタクル内の光の進行方向を示す模式図である。 図7は、従来の光デバイスの例を示す断面図である。 図8は、図7に示す光デバイスに従来の光レセプタクルを組み合わせた光モジュールを示す断面図である。
符号の説明
1:フェルール
2、2’:透明体
3:GIファイバ
4:スリーブ
5:カバー
6:内部ロッド
8:ホルダ
9:光ファイバ
10:スタブ
11:光アイソレータ
12:磁石
14:光線
15:レンズ
16:プラグフェルール
17:光ファイバ
20:光レセプタクル
21:封止窓
22:半導体レーザ
23:ベース基板
24:筐体
25:内部レンズ
26:ペルチェ素子
27:フォトダイオード
29:フェルール
30:光デバイス
40:光モジュール


Claims (10)

  1. 光コネクタを接続するための光レセプタクルであって、
    (a)(i)中心軸から外周に向かって徐々に屈折率が下がるような屈折率分布を有するグレーテッド・インデックス・レンズロッドと透明ロッドとを直列に配列した内部ロッドであって、前記光コネクタ内の光ファイバよりも大きな外径を有する内部ロッドと、
    (ii)前記内部ロッドを保持するフェルールと、
    を有し、前記光コネクタ内の光ファイバと接続されるスタブと、
    (b)前記スタブを、前記グレーテッド・インデックス・レンズロッドが前記光コネクタとの接続側になるように保持するホルダと、
    を具えた光レセプタクル。
  2. 前記内部ロッドにおいて、さらに第2透明ロッドが直列に配列され、前記透明ロッドと前記第2透明ロッドによって前記グレーテッド・インデックス・レンズロッドを挟んだことを特徴とする請求項1に記載の光レセプタクル。
  3. 前記フェルールは、ジルコニアセラミックスから成ることを特徴とする請求項に記載の光レセプタクル。
  4. 前記スタブは、前記光コネクタと接続する側の端面が凸曲面になっていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の光レセプタクル。
  5. 前記光コネクタは、前記光ファイバを保持するプラグフェルールを有し、前記スタブは、前記プラグフェルールと略同径であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の光レセプタクル。
  6. 前記スタブは、前記フェルールと同種の材料から成るスリーブに嵌合されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の光レセプタクル。
  7. 前記スリーブと前記フェルールは、ジルコニアセラミックスから成ることを特徴とする請求項に記載の光レセプタクル。
  8. 発光又は受光機能を有する光学素子と、請求項1乃至のいずれか1項に記載の光レセプタクルと、前記光学素子と前記光レセプタクルの間に形成されたレンズと、を具えた光モジュールであって、
    前記レンズと前記内部ロッド内のグレーテッド・インデックス・レンズロッドとによって、前記光学素子と光コネクタ内の光ファイバとが結合されることを特徴とする光モジュール。
  9. 前記レンズは、前記光学素子の出射又は入射光線の前記内部ロッド端面におけるスポット径が少なくとも前記光コネクタ内の光ファイバのコア径よりも大きくなる程度に集光することを特徴とする請求項に記載の光モジュール。
  10. 前記光学素子が発光機能を有し、前記レンズ及び前記光学素子が、ペルチェ素子の上に配置されたことを特徴とする請求項8又は9に記載の光モジュール。
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