JP4646259B2 - 液体式マッサージ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体式マッサージ装置に関するものである。
人体に対するマッサージを行うマッサージ装置の中には、噴射ノズルから噴射される液体つまり噴射液体を利用したものがある。この種の液体式マッサージ装置としては、基本的に、本体ハウジングの上方開口が支持シートによって施蓋されて、該本体ハウジング内に配設された噴射ノズルから噴射用液体を支持シートの下面に向けて噴射することにより、該支持シート上に横たわる使用者(患者と呼ばれることもある)に対して刺激を与えるものとなっている。
上記液体式マッサージ装置にあっては、使用者への刺激部位に応じて多くの噴射ノズルを固定配置したものがある。また、特許文献1に示すように、上下方向軸線回りに回転される一対の回転体に対してオフセットさせた位置でもってそれぞれ噴射ノズル(噴射用開口)を設けると共に、一対の回転体を支持シートの長手方向に移動可能として、少ない数の噴射ノズルによって広範囲に渡って刺激を与えることのできるようにしたものもある。
特開2004−180981号公報
ところで、使用者によっては、噴射用液体から受ける刺激の好みに相違がある。このため、従来の液体式マッサージ装置にあっては、噴射用液体の噴射圧力変更や噴射量変更によって刺激感を変更しているというのが実情であるが、刺激感を大きく変更させるには限界がある。
本発明は、以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、刺激感を大きく変更できるようにした液体式マッサージ装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
本体ハウジングの所定面が使用者を支承するマッサージ面とされ、該本体ハウジング内に配設された噴射ノズルから該マッサージ面に向けて噴射用液体を噴射するようにした液体式マッサージ装置において、
前記マッサージ面が略水平に伸びるように設定されて、該マッサージ面の下方に、上下方向に伸びる所定の回転軸線を中心として回転駆動される回転体が配設され、
前記回転体の上部が、第1の開口が形成された第1部材と、複数の第2の開口が該回転体の周方向に間隔をあけて形成された第2部材と、による上下方向の積層構造体として構成され、
前記第1部材と第2部材とのいずれか一方の部材が他方の部材の上側に位置されて前記回転体と常時一体回転するように設定されると共に、他方の部材が該一方の部材に対して前記所定の回転軸線を中心として相対回転可能とされ、
前記他方の部材を前記一方の部材に対して相対回転させることによって、前記第1の開口に対して前記複数の第2の開口のうち1つの第2の開口が選択的に整合することにより、互いに整合した第1の開口と第2の開口とによって前記所定の回転軸線に対して偏心した位置から噴射用液体を噴射する前記噴射ノズルが構成され、
前記複数の第2の開口の開口面積が互いに相違されると共にそれぞれ前記第1の開口の開口面積以下の開口面積とされて、該第1の開口と該第2の開口とが整合されたときの開口面積が実質的に該第1の開口に整合されている該第2の開口の開口面積とされ、
前記第1の開口と整合される前記第2の開口を変更することによって、前記噴射ノズルの開口面積が変更され、
前記回転体内に、前記第1の開口および第2の開口に向けて噴射用液体を供給するための供給経路が構成され、
前記他方の部材が、前記一方の部材に対して上下方向に動き得るように配置され、
前記他方の部材が、前記回転体内に形成される供給経路の上壁面を構成して、
該回転体内に供給される噴射用液体の圧力を受けることにより上方へ押圧されて前記一方の部材に圧接されることにより、該一方の部材の回転に伴って該一方の部材と一体回転され、
前記回転体内への噴射用液体の供給を停止をした際には、該他方の部材がその自重によって下方位置に変位して、該他方の部材が前記一方の部材に対して相対回転可能な状態とされる、
ようにしてある。上記解決手法によれば、噴射ノズルの開口面積の相違が、刺激感として大きく相違することになる。すなわち、噴射ノズルの先端の直径は、一般的に11mm〜15mmの範囲でもって選択されているが、直径の小さい(開口面積の小さい)噴射ノズルを用いた場合は突き刺すような感覚(鋭い刺激感)を与えることになり、直径の大きい(開口面積の大きい)噴射ノズルを用いた場合はずっしりとした感覚(重みのある刺激感)を与えることになる。このように、噴射ノズルの開口面積を変更可能とすることにより、刺激感を大きく変更することが可能になる。勿論、この噴射ノズルの開口面積の変更と共に、従来から行われている噴射圧力の変更等を組み合わせることによって、さらにきめこまかく刺激感を変更することが可能になる。また、回転式とされた噴射ノズルにおいて、簡単な構成によってその開口面積を変更することができる。さらに、別途アクチュエータを用いることなく、噴射用液体の圧力を有効に利用して、一方の部材と他方の部材とが一体回転する状態と相対回転できる状態とを切換えることができる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記第2部材に、前記第1部材に形成された前記第1の開口内に常時突出する係止ピンが設けられ、
前記係止ピンが前記第1の開口の内周縁部のうち前記回転体の周方向一方側の内周縁部に当接したときに前記第1の開口と第2の開口が整合され、
前記係止ピンが、前記第1の開口の内周縁部のうち前記回転体の周方向他方側の内周縁部に当接したときに前記第1の開口と第2の開口が整合される、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、第1の開口を有効に利用して、両方向への相対回転規制を行うことができる。
前記回転体が前記マッサージ面に沿って移動可能に設定され、
下側に位置する前記他方の部材に前記第2の開口が形成されると共に、上側に位置する前記一方の部材に前記第1の開口が形成され、
前記他方の部材に設けられた前記係止ピンが前記第1の開口を貫通して上方へ延出され、
前記本体ハウジングには、前記回転体が所定位置に移動したときに、前記回転体の回転に応じて前記係止ピンの上部と係合されて前記他方の部材に回転抵抗を与えるための係止部材が保持されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、噴射用液体の圧力が作用しない状態でも第1部材と第2部材(一方の部材と他方の部材)とが連れ回ってしまうようなときでも、回転体の回転に伴って得られる係止ピンと係止部材との係合によって得られる回転抵抗によって、連れ回りを防止して、第1の開口に対して所望の第2の開口を整合させることができる。
前記一方の部材に対して、前記他方の部材が正転方向に所定以上相対回転するのを規制する第1係止手段と、該他方の部材が逆転方向に所定以上相対回転するのを規制する第2係止手段と、が設けられ、
前記第1係止手段によって係止された第1の相対回転位置と前記第2係止手段によって係止された第2の相対回転位置とのそれぞれにおいて、前記第1の開口に対して前記第2の開口の1つが整合される、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、係止手段によって相対回転が規制される位置でもって所望の開口面積を得ることができ、相対回転位置の位置ずれに起因する開口面積の変動という事態を防止する上で好ましいものとなる。
それぞれ噴射用液体を噴射しない状態で、前記回転体を所定方向に回転駆動させることによって前記第1の相対回転位置とされ、該回転体を所定方向とは反対方向に回転駆動させることによって前記第2の相対回転位置とされ、
前記第1の相対回転位置あるいは前記第2の相対回転位置とした後に噴射用液体の噴射を開始させることによって、該第1の相対回転位置あるいは第2の相対回転位置が保持される、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、噴射用液体の圧力を有効に利用して、所望の相対回転位置を確実に保持させることができる。
複数設けられる前記第2の開口が、上側に位置する前記一方の部材に設けられ、
複数の前記第2の開口がそれぞれ、上方に向かうにつれて徐々に開口面積が小さくなるように設定されている、
ようにしてある(請求項対応)。この場合、噴射ノズルの吐出口となる第2の開口を利用して、第2の開口への噴射用液体の流入量を十分に確保しつつ、噴射ノズルの指向性を高めることができる。
本発明によれば、噴射ノズルの開口面積を変更して、使用者に与える刺激感を大きく変更することができる。また、回転式とされた噴射ノズルにおいて、簡単な構成によってその開口面積を変更することができる。さらに、別途アクチュエータを用いることなく、噴射用液体の圧力を有効に利用して、一方の部材と他方の部材とが一体回転する状態と相対回転できる状態とを切換えることができる。
図1、図2において、フレームF上に本体ハウジング1が固定、設置され、この本体ハウジング1は、例えば繊維強化プラスチックによって、上方が開口された細長い槽状に形成されている。この本体ハウジング1は、略水平に配設されて、その上方開口1aは支持シート2によって液密に施蓋されている。支持シート2上には、マッサージを受ける使用者(患者)Mが、例えばあお向け等の倒伏姿勢(横たわり姿勢)でもって保持(支持)される。つまり、支持シート2は、使用者Mを少なくとも仰向けの状態で支承可能なような大きさとされている。支持シート2は、適宜の材質でもって構成できるが、例えば、網目状(格子状)の繊維強化シートをゴム(例えばシリコンゴム)で被覆した構造や、ゴムシートの下面に網目状(格子状)の繊維強化シートを積層した構造とすることができる。
本体ハウジング1内には、マッサージ液体としての噴射用液体(通常は湯水が用いられる)が貯溜されている。実施形態では、本体ハウジング1内は噴射用液体で充満されて、自由表面を有しない構造が採択されている。本体ハウジング1の底壁(底部)には、その長手方向ほぼ全長に渡って、ほぼ水平に伸びる細幅の溝状の貯溜部3が形成されている。本体ハウジング1の底部には、貯溜部3の上方開口縁部において、本体ハウジング1の長手方向にほぼ水平に伸びる左右一対の走行レール4が配設、固定されている。この走行レール4上を、走行台車5が走行されるようになっており、その走行車輪が符号6で示される。
本体ハウジング1内には、走行レール4に沿って、当該走行レール4よりも若干高い位置において、駆動チェーン7が配設されている。この駆動チェーン7は、ほぼ水平に伸びていて、エンドレス式とされている。すなわち、駆動チェーン7は、本体ハウジング1内においてその長手方向端部に回転自在に保持された一対のスプロケット8、9に巻回されている。スプロケット8が駆動スプロケット、スプロケット9が従動スプロケットとされており、駆動スプロケット8が、本体ハウジング1の側方に設置した駆動モータ(図示略)によって、連動機構(図示略)を介して駆動される。走行台車5は、駆動チェーン7に連結、固定されて、モータによりスプロケット8を正逆回転させることによって、走行台車5が往復駆動される。モータの駆動を制御することにより、走行台車5の往復駆動範囲を任意に変更することができ、また任意の走行位置でもって走行台車5を停止させておくことができる。なお、走行台車5を走行駆動する駆動手段としては、実施形態で示すチェーン式の他、適宜の構造のものを採択し得る。
走行台車5には、後述するように、左右一対の噴射ノズル12A、12Bが設けられている。噴射ノズル12A、12Bからマッサージ液体を噴射させるため、本体ハウジング1の側方には、モータ(図示略)によって駆動されるポンプ14が装備される。ポンプ14は、前記貯溜部3内のマッサージ液体を汲み上げて、流量(圧力)制御弁(図示略)を介して、各噴射ノズル12A、12Bへと噴射用液体を圧送する。なお、ポンプ14から伸びる噴射用液体圧送用の配管は、上記流量制御弁の下流側において2つに分岐されて、図3に示すように、その一方の分岐配管15Aが一方の噴射ノズル12Aに接続され、他方の分岐配管15Bが他方の噴射ノズル12Bに接続される。そして、分岐配管15A、15Bは所定長さに渡って撓み可能な可撓配管(例えば合成樹脂製の蛇腹状の配管)とされて、走行台車5の走行位置の変更に対応できるようにされている。また、ポンプ14の圧送能力つまり噴射ノズル12A、12Bからの噴射圧力は、ポンプ14(のモータ)を制御(周波数制御)するインバータ(図示略)に対する制御用の印加電圧を変更することにより変更されるようになっている。
噴射ノズル12A,12Bから噴射された噴射用液体は、支持シート2の下面に衝突して、この衝突がマッサージの刺激として、支持シート2上の使用者Mに対して作用される。支持シート2に衝突した噴射用液体は、落下されて、再び噴射ノズル12A、12Bから噴射されることになる。
次に、図3を参照しつつ、噴射ノズル12A,12B付近の構成について詳述する。まず、走行台車5の上面には、上下方向に伸びる左右一対の支軸32A、32Bが固定されている。この支軸32A、32Bは管状とされて、その下部に、前述した分岐配管15Aあるいは15Bが接続されている。
上記支軸32A、32Bに対して、軸受部材34A、34Bを介して、左右一対のドラム36A、36Bが回転自在に保持されている。各ドラム36A、36Bは、その内部が密閉状とされた空間部37Aあるいは37Bとされている。また、各ドラム36A、36Bは、その外径が円形とされて、その外周面に歯形38Aあるいは38Bが形成された一種の歯車として機能されるようになっている。歯車としてのドラム36A、36Bは、その歯形38A、38B同士が噛合されて、ドラム36A、36Bの一方が回転されると、他方も回転されるようになっている。
各ドラム36A、36Bの上面に、その回転中心に対して偏心した位置において、前述の噴射ノズル12A、12Bが固定されている。この噴射ノズル12A、12Bは、ドラム36A、36B内の空間部37A、37Bに常時連通されている。これにより、配管15A、15Bから供給される噴射用液体は、支軸32A、32B内、空間部37A、37Bを通った後、噴射ノズル12A、12Bから上方に向けて噴射される。そして、ドラム36A、36Bの回転に応じて、噴射ノズル12A、12Bの位置が変更されて、使用者Mに対する噴射用液体の噴射位置が変更されることになる。
ドラム36A、36Bを回転させるために、一方のドラム36Bの下面には、ウオーム歯車42が固定されている。このウオーム歯車42は、支軸32Bに対して相対回転可能に嵌合されている。ウオーム歯車42に対して、ウオーム44が噛合されている。このウオーム44は、図示を略すブラケットを利用して、ドラム36Bに回転自在に保持されている。また、ウオーム44は、本体ハウジング1の長手方向に伸びる回転軸46に対して、一体回転するようにかつその軸線方向にスライド可能に保持されている。回転軸46は、本体ハウジング1に回転自在に保持されているものである。これにより、本体ハウジング1の外方に設けたモータ等の駆動手段によって回転軸46を回転させると、ウオーム44も回転され、これによりウオーム歯車42つまりドラム36Bが回転され、このドラム36Bの回転に応じて他方のドラム36Aも回転される。走行台車5が移動したとき、ウオーム44は回転軸46に対してスライドされるので、走行台車5の位置を問わず、ドラム36A、36Bが回転可能とされる。
次に、噴射ノズル12A、12Bの詳細について、図4〜図12を参照しつつ説明するが、左右一対の噴射ノズル12A、12B(ドラム36A、36B)は左右対称構造に形成されているので、一方の噴射ノズル12Aに着目して説明することとする。まず、回転体としてのドラム36Aは、上方に向けて開口された本体部材50Aと、第1部材51Aと、第1部材51Aの下方に配置された第2部材52Aとの分割構造とされている。第1部材51Aは、固定具53によって本体部材50Aに一体化されて、本体部材50Aの上方開口を覆っている。そして、第1部材51A(つまりドラム36A)が、支軸32Aの上面に固定具54によって固定された係止板55によって上方への移動が規制されている。
第2部材52Aは、本体部材50Aおよび第1部材51Aに対して相対回転可能で、かつ上下方向に若干(数mm)上下方向に変位可能とされている。そして、通常は、自重によって下方に位置される一方、空間部37A内に噴射用液体が供給されたときは、その圧力を受けて上昇されて、第1部材51Aに対して圧接されて、第1部材51Aと一体となって回転されるようになっている。
第1部材51Aには、1つの第1の開口61Aが形成される。また、第2部材52Aには、その周方向に小間隔をあけて、2つの第2の開口62A、63Aが形成されている。第2の開口62A、63Aの開口面積(直径)は、互いに異なるように設定されると共に、それぞれ第1の開口61Aの開口面積(直径)よりも小さくされている。より具体的には、例えば第2の開口のうち62Aの直径が12mmとされ、63Aの直径が14mmとされ、第1の開口61Aの直径が18mmとされている。なお、回転中心となる支軸32Aを中心とする同一円弧状に、各開口61A、62A、63Aの中心が位置するように設定されている。
下側の第2部材52Aを、上側の第1部材51Aに対して周方向所定方向に相対回転させたとき、図9に示すように、第1の開口61Aが開口面積の小さい方の第2の開口62Aに整合される(開口面積の大きい方の第2の開口63Aは、第1部材51Aによって閉塞された状態)。この整合された開口61Aと62Aとによって実質的に噴射ノズル12Aが形成され、その開口面積は実質的に第2の開口62Aの開口面積となる(噴射ノズル12Aの開口面積が小の状態)。
下側の第2部材52Aを、上側の第1部材51Aに対して周方向所定方向とは反対方向に相対回転させたとき、図10に示すように、第1の開口61Aが開口面積の大きい方の第2の開口63Aに整合される(開口面積の小さい方の第2の開口62Aは、第1部材51Aによって閉塞された状態)。この整合された開口61Aと63Aとによって実質的に噴射ノズル12Aが形成され、その開口面積は実質的に第2の開口63Aの開口面積となる(噴射ノズル12Aの開口面積が大の状態)。
第2部材52Aには、2つの第2の開口62Aと63Aとの間において、上方に突出する係止ピン70Aが一体化されている。この係止ピン70Aは、第1部材51Aに形成された第1の開口61A内に常時突出とされている。すなわち、図9に示す第1の相対回転位置では、係止ピン70Aが第1の開口61Aの周方向一方側の内周縁部に当接して、それ以上の相対回転が規制される。また、図10に示す第2の相対回転位置では、係止ピン70Aが第1の開口61Aの周方向他方側の内周縁部に当接して、それ以上の相対回転が規制される。
空間部37A内に噴射用液体が供給されているときは、その圧力を受けて、第2部材52Aが第1部材51Aに圧接されて、上記各相対回転位置(図9または図10の相対回転位置)が保持されることになる。空間部37A内に噴射用液体の圧力が作用しないときは、第2部材52Aの第1部材51Aに対する圧接作用が解放されて、第2部材52Aは、第1部材51Aに対して容易に相対回転可能とされる。この相対回転可能な状態で、ウォーム44を介してドラム36A(の本体部50Aおよび第1部材51A)を所定方向(例えば正転方向)に回転させると、第2部材52Aは慣性によってその場にとどまろうとするため、第1部材51Aと第2部材52Aとが相対回転されることとなって、例えば図9に示す第1の相対回転位置とされる。この第1の相対回転位置となった後に空間部37Aに噴射用液体を供給することにより、第1の相対回転位置が保持され続けることになる(噴射ノズル12Aが小さな開口面積とされた状態で噴射用液体を噴射)。
逆に、第1部材51Aと第2部材52Aとが相対回転可能な状態で、ウォーム44を介してドラム36A(の本体部50A)を上記所定方向とは反対方向(逆転方向)によって回転させると、第2部材52Aは慣性によってその場にとどまろうとするため、第1部材51Aと第2部材52Aとが相対回転されることとなって、例えば図10に示す第2の相対回転位置とされる。この第2の相対回転位置となった後に空間部37Aに噴射用液体を供給することにより、第2の相対回転位置が保持され続けることになる(噴射ノズル12Aが大きな開口面積とされた状態で噴射用液体を噴射)。
なお、ドラム36A、36Bの回転や位置変更等を制御するコントローラCB(図1参照)には、噴射ノズル12A、12Bの開口面積の大きさを選択するためのマニュアルスイッチS1が接続されて、このマニュアルスイッチS1の操作に応じた開口面積となるように、前述した第1の相対回転位置あるいは第2の相対回転位置が選択(設定)され、その後に、噴射用液体の噴射が実行されることになる。
なお、図3〜図12に示す実施形態では、第1部材51Aの厚さ(噴射ノズル12A部分を構成する部分の厚さ)は薄く設定されているため、第1の開口51A(の内径)は、その軸線方向全長に渡って同一径とされている。これに対して、第2部材52Aの厚さ(噴射ノズル12A部分を構成する部分の厚さ)は厚く設定されているため、第2の開口62A、63A(の内径)は、上方に向かうにつれて徐々に小さくなるように設定されて(ラッパ状で、断面テーパ状)、噴射ノズル12Aの指向性を高めるようになっている。実施形態では、小さい開口面積とされた第2の開口62Aの最小直径(上端位置での直径)が12mmとされて、例えば25度の角度(図8に示す角度θ1が25度)でもって下広がりに設定されている。また、大きい開口面積とされた第2の開口63Aの最小直径(上端位置での直径)が14mmとされて、例えば13度の角度(図7に示す角度θ2が25度)でもって下広がりに設定されている。このような設定により、第2の開口62A、63Aへの噴射用液体の流入量を十分に確保しつつ、そこから噴射される噴射用液体の指向性を高める上で好ましいものとなる。なお、上記角度θ1θ2は、第2の開口62A、63Aの直径が小さいほど大きく設定するのが、流入量を十分に確保する上で好ましいものとなるが、例えばθ1、θ2がそれぞれ90度というように極めて大きな角度をもたせるようにすることもできる。
なお、図3において、ドラム36Bのうちドラム36Aに対応する構成要素については、「A」の符合に代えて「B」の符合を用いて示してある。ただし、ドラム36Aと36Bとは互いに回転方向が逆の関係となるため、平面視において、ドラム36Aにおいては、大きな開口面積とされた第2の開口63Aの反時計方向に小さい開口面積とされた第2の開口62Aが位置されるが、ドラム36Bにおいては、大きな開口面積とされた第2の開口63Bの時計方向に小さい開口面積とされた第2の開口62Bが位置される。つまり、第1の開口61Aに第2の開口62Aが整合されたときには、第1の開口61Bに第2の開口62Bが整合され、同様に、第1の開口61Aに第2の開口63Aが整合されたときには、第1の開口61Bに第2の開口63Bが整合される。
図13〜図18は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する(このことは以下の実施形態についても同じ)。また、以下の説明では、一方のドラム36Aに着目して説明することとする。まず、本実施形態では、第1の開口61Aを有する第1部材51Aが下側に位置される一方、第2の開口62A、63Aを有する第2部材52Aが上側に位置される。そして、上側の第2部材52Aが、本体部材50Aに一体化されている。なお、下側に位置する第1部材51Aが、上側に位置する第2部材52Aに対して、上下方向に若干相対変位可能とされると共に相対回転可能とされている。
図16に、第1の開口61Aが、大きい開口面積とされた第2の開口63Aに整合された第1の相対回転位置が示される。また、図17に、第1の開口61Aが、小さい開口面積とされた第2の開口62Aに整合された第2の相対回転位置が示される。
本実施形態では、図18に示すように、係止ピン71A(前記実施形態における70Aに対応)を、第2部材52Aから下方に突出させて一体化してある。また、第1の開口61Aの周方向各端部を周方向に延長して、係止ピン71Aが挿入される逃げ溝73、74を形成してある。また、本実施形態では、上側に位置する第2部材52Aの厚さが厚くされているため、これに形成された第2の開口62A63Aをそれぞれ、上方に向かうにつれて徐々に小径となるラッパ状(断面テーパ状)に形成してある。
図19〜図21は、本発明の第3の実施形態を示すものである。本実施形態では、第1の実施形態と同様に、下側に位置する第2部材52Aに、第2の開口62A、63Aを形成すると共に、係止ピン70A(70B)を設けたものとなっている。そして、本実施形態では、各係止ピン70A、70Bを、第1部材51Aに形成された第1の開口61Aを貫通させて第1部材51Aよりもさらに上方へ延長してある。
第1部材51A、51Bの上方に位置するようにして、板状の係止部材75が略水平に伸ばして配設されている。この係止部材75は、その一端部において、本体ハウジング1に固定、保持されている。係止部材75は、台車5がその移動方向一方側のストローク端に位置された原点位置に設けられている。この原点位置は、実施形態では、使用者Mへのマッサージ(噴射用液体の噴射)を行うことのない位置に設定されている。そして、係止部材75の下面には、台車5が上記原点位置にあるときに、係止ピン70Aに対応して係止部76Aが突出形成され、係止ピン70Bに対応して係止部76Bが突出形成されている。各係止部76A、76Bは、それぞれ半球面状の凸部とされ、これに対応して、各係止ピン70A、70Bの上面は、半球面状の凹部となるように形成されている。
台車5が原点位置にあって、ドラム36A、36Bが回転されると、ある回転位置において、係止ピン70Aが係止部76Aにわずかに球面嵌合して係止作用を受け、同様に、係止ピン70Bが係止部76Bにわずかに球面嵌合して係止作用を受ける。この係止作用は、第2部材52A、52Bの回転抵抗として作用する。ただし、ある程度以上の回転力が作用すると、係止ピン70A(70B)と係止部76A(76B)との球面嵌合が容易に外れるように設定されている。なお、図21では、係止部76Aと係止ピン70Aとの境界を明確にするために互いに離間しているように描かれているが、実際には接触されるものである。
いま、台車5が原点位置となった状態で、ドラム36A、36Bを所定方向に回転駆動したとき、第2部材52Aが第1部材51Aと連れ回ってしまったとしても、係止ピン70A(70B)が係止部76A(76B)に係止されることによって第2部材52Aが第1部材51Aに対して連れ回るのが防止され、この結果、例えば図9のような第2の開口62Aが選択された状態を確実に確保できる。ドラム36A、36Bを上記所定方向とは反対方向に回転駆動することにより、例えば図10に示すような第2の開口63Aが選択された状態が確実に確保されることになる。したがって、この後は、ドラム36A、36Bの回転駆動を続けつつ、台車5を原点位置から移動させて、マッサージを行う部位を変更すればよい。なお、係止ピン70A(70B)と係止部76A(76B)とは、第2部材52Aに回転方向の抵抗を与えることができれば、その接触部位の形状は、凹凸関係を実施形態で示す場合とは逆の関係にする等、適宜の設定を選択できるものである(摩擦抵抗であってよい)。
図22は、本発明の第4の実施形態を示すものである。本実施形態では、上側に位置する第2部材52A(52Bについても同じ)に第2の開口62A、63Aを設けた場合において、第2の開口62A、63Aの好ましい断面形状の設定例を示してある。すなわち、第2の開口62Aは、その下端部が大きく下広がりとなるようにラッパ状(断面テーパ状)とされて、その角度θ3が極力大きくなるように(実施形態では90度)とされている。第2の開口62Aは、その軸線方向において2段階にラッパ状となるように形成されている。すなわち、上端となる最小開口面積(符合β1で示す位置での直径)が例えば12mmとされて、その下端となる最大開口面積(符合β3で示す位置での直径)が30mmとされ、中間開口面積(符合β2で示す位置での直径)が20mmとされている。そして、上端から中間位置までは前述したのと同様に、比較的小さい角度(例えば13度〜25度程度)の下広がりとされているが、中間位置から下端位置にかけては、例えば90度(θ3=90度)というように大きな角度でもって下広がりとされている。
上述のような設定によって、第2の開口62Aへの噴射用液体の流入量が多く確保されると共に、第2の開口62Aから噴射される噴射用液体の指向性を十分に高めることができる。このことは、別の第2の開口63Aについても同様であり、別のドラム36Bにおける第2の開口62B、63Bについても同じである。また、図示を略すが、下側に位置する第1の開口61Aの直径は、第2の開口62A、63Aの下端の開口面積よりも大きな開口面積を有するように設定されている。なお、図22に示すように第2の開口62A、63Aを2段階のラッパ形状に設定することによって、第2部材52Aが薄く設定される一方、第2の開口62A、63Aの流入側の開口角度θ3を例えば90度というように大きく確保する上で好ましいものとなる。なお、図22に示すようなラッパ状の開口の設定は、第1の開口61A(61B)についても同様に適用し得るものである。
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。本発明による液体式マッサージ装置は、本体ハウジング1内が噴射用液体で充満されることなく、自由表面を有する形式であってもよい(自由表面を有する場合は、噴射ノズル12A、12Bは、噴射用液体中に浸漬された状態でもよく、あるいは噴射用液体(の自由表面)から上方へ露出した状態でもよい)。走行台車5つまり噴射ノズル12の駆動は、チェーンではなくて、例えばねじ棒とこれに螺合されたナットとを利用する方式等、適宜の方式を採択できる。
第1部材51Aと第2部材52との相対回転位置を変更する係止手段は、開口(61A、62A、63A)に対して、各部材51A、52Aの径方向反対側に位置させて設ける等、適宜の位置に設定することができる。また、係止ピン70A(71A)は、一方向への相対回転規制用と、他方向への相対回転規制用とで別個独立して設けることもできる。
本発明の一実施形態を示す全体平面図。 図1の側面断面図。 噴射ノズル付近を詳細に示す断面図。 第1の開口が形成された第1部材の一例を示す平面図。 図4のX5−X5線相当断面図。 複数の第2の開口が形成された第2部材の一例を示す平面図。 図6のA−C線相当断面図。 図6のA−B線相当断面図。 第1の開口が小さい開口面積とされた第2の開口と整合された相対回転位置を示す一部断面平面図。 第1の開口が大きい開口面積とされた第2の開口と整合された相対回転位置を示す一部断面平面図。 図9のX11−X11線相当断面図。 図9のX12−X12線相当断面図。 本発明の第2の実施形態を示す要部断面図。 第2の実施形態において、第2の開口が形成された第2部材の一例を示す平面図。 第2の実施形態において、第1の開口が形成された第1部材の一例を示す平面図。 第2の実施形態において、第1の開口が大きき開口面積とされた第2の開口と整合された相対回転位置を示す一部断面平面図。 第2の実施形態において、第1の開口が小さい開口面積とされた第2の開口と整合された相対回転位置を示す一部断面平面図。 図17のX18−X18線相当断面図。 本発明の第3の実施形態を示す要部断面図。 図19に示す係止部材を上方から見た要部平面図。 係止部材と係止ピンとの係合状態を拡大して示す要部拡大側面図。 本発明の第4の実施形態を示す要部断面図。
M:使用者
CB:コントローラ
1:本体ハウジング
2:支持シート
7:駆動チェーン(走行駆動用)
12A、12B:噴射ノズル
14:ポンプ(噴射用液体圧送用)
32A、32B:支軸(回転中心)
36A、36B:ドラム
37A、37B:空間部(噴射用液体の経路)
38A:38B:歯形(回転用)
42:ウォーム(回転用)
46:回転軸
50A:本体部材
51A:第1部材
52A:第2部材
61A:第1の開口
62A:第2の開口
63A:第2の開口
70A:係止ピン
71A:係止ピン
80:噴射ノズル(図19)
81:切換部材
85,86,87:開口(開口面積相違)
88:アクチュエータ
90:噴射ノズル(図20)
90A、90B、90C:分割噴射ノズル
92A、92B、92C:分割経路
93A、93B、93C:開閉弁

Claims (6)

  1. 本体ハウジングの所定面が使用者を支承するマッサージ面とされ、該本体ハウジング内に配設された噴射ノズルから該マッサージ面に向けて噴射用液体を噴射するようにした液体式マッサージ装置において、
    前記マッサージ面が略水平に伸びるように設定されて、該マッサージ面の下方に、上下方向に伸びる所定の回転軸線を中心として回転駆動される回転体が配設され、
    前記回転体の上部が、第1の開口が形成された第1部材と、複数の第2の開口が該回転体の周方向に間隔をあけて形成された第2部材と、による上下方向の積層構造体として構成され、
    前記第1部材と第2部材とのいずれか一方の部材が他方の部材の上側に位置されて前記回転体と常時一体回転するように設定されると共に、他方の部材が該一方の部材に対して前記所定の回転軸線を中心として相対回転可能とされ、
    前記他方の部材を前記一方の部材に対して相対回転させることによって、前記第1の開口に対して前記複数の第2の開口のうち1つの第2の開口が選択的に整合することにより、互いに整合した第1の開口と第2の開口とによって前記所定の回転軸線に対して偏心した位置から噴射用液体を噴射する前記噴射ノズルが構成され、
    前記複数の第2の開口の開口面積が互いに相違されると共にそれぞれ前記第1の開口の開口面積以下の開口面積とされて、該第1の開口と該第2の開口とが整合されたときの開口面積が実質的に該第1の開口に整合されている該第2の開口の開口面積とされ、
    前記第1の開口と整合される前記第2の開口を変更することによって、前記噴射ノズルの開口面積が変更され、
    前記回転体内に、前記第1の開口および第2の開口に向けて噴射用液体を供給するための供給経路が構成され、
    前記他方の部材が、前記一方の部材に対して上下方向に動き得るように配置され、
    前記他方の部材が、前記回転体内に形成される供給経路の上壁面を構成して、
    該回転体内に供給される噴射用液体の圧力を受けることにより上方へ押圧されて前記一方の部材に圧接されることにより、該一方の部材の回転に伴って該一方の部材と一体回転され、
    前記回転体内への噴射用液体の供給を停止をした際には、該他方の部材がその自重によって下方位置に変位して、該他方の部材が前記一方の部材に対して相対回転可能な状態とされる、
    ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
  2. 請求項において、
    前記第2部材に、前記第1部材に形成された前記第1の開口内に常時突出する係止ピンが設けられ、
    前記係止ピンが前記第1の開口の内周縁部のうち前記回転体の周方向一方側の内周縁部に当接したときに前記第1の開口と第2の開口が整合され、
    前記係止ピンが、前記第1の開口の内周縁部のうち前記回転体の周方向他方側の内周縁部に当接したときに前記第1の開口と第2の開口が整合される、
    ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
  3. 請求項において、
    前記回転体が前記マッサージ面に沿って移動可能に設定され、
    下側に位置する前記他方の部材に前記第2の開口が形成されると共に、上側に位置する前記一方の部材に前記第1の開口が形成され、
    前記他方の部材に設けられた前記係止ピンが前記第1の開口を貫通して上方へ延出され、
    前記本体ハウジングには、前記回転体が所定位置に移動したときに、前記回転体の回転に応じて前記係止ピンの上部と係合されて前記他方の部材に回転抵抗を与えるための係止部材が保持されている、
    ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
  4. 請求項において、
    前記一方の部材に対して、前記他方の部材が正転方向に所定以上相対回転するのを規制する第1係止手段と、該他方の部材が逆転方向に所定以上相対回転するのを規制する第2係止手段と、が設けられ、
    前記第1係止手段によって係止された第1の相対回転位置と前記第2係止手段によって係止された第2の相対回転位置とのそれぞれにおいて、前記第1の開口に対して前記第2の開口の1つが整合される、
    ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
  5. 請求項4において、
    それぞれ噴射用液体を噴射しない状態で、前記回転体を所定方向に回転駆動させることによって前記第1の相対回転位置とされ、該回転体を所定方向とは反対方向に回転駆動させることによって前記第2の相対回転位置とされ、
    前記第1の相対回転位置あるいは前記第2の相対回転位置とした後に噴射用液体の噴射を開始させることによって、該第1の相対回転位置あるいは第2の相対回転位置が保持される、
    ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
  6. 請求項1において、
    複数設けられる前記第2の開口が、上側に位置する前記一方の部材に設けられ、
    複数の前記第2の開口がそれぞれ、上方に向かうにつれて徐々に開口面積が小さくなるように設定されている、
    ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
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