JP4645858B2 - 環状オレフィン付加共重合体及びその製造方法、架橋用組成物、架橋体及びその製造方法 - Google Patents

環状オレフィン付加共重合体及びその製造方法、架橋用組成物、架橋体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリシロキサン構造を含む環状オレフィン付加共重合体及びその製造方法、該環状オレフィン付加共重合体を含む架橋用組成物、この組成物を硬化した架橋体及び架橋体の製造方法に関する。
近年、ポリシクロオレフィンは、優れた透明性、耐熱性、強度、ガス透過性及び良好なフィルム特性を有することから、光学材料あるいはガス分離膜材料用途の機能性プラスチックとして注目されている。一方、オルガノポリシロキサンは、耐熱性、耐水性、耐薬品性に優れた機能性ポリマーとして幅広い分野で実用化されている。かかるポリシクロオレフィン構造とポリシロキサン構造を備えた樹脂は、双方の特性を併せ持つ高機能性ポリマーとなり得る。
これまでに、優れた透明性を有する材料として、下記の環状オレフィン化合物の開環重合体及びその水素化物、あるいは環状オレフィン化合物の付加重合体が提案されている。
特許文献1〜5及び非特許文献1に記載の重合体は、環状オレフィン化合物の開環重合体及びその水素化物、あるいは環状オレフィン化合物と直鎖状オレフィン類の付加共重合体であり、そのガラス転移温度は200℃に満たない場合が多く、耐熱性の点で不十分である場合が多い。
特許文献6〜13及び非特許文献2に記載の重合体は、ノルボルネン系化合物の付加共重合体であり、透明性と耐熱性がある。特に、特許文献9〜13及び非特許文献2では、反応性シリル基を含む環状オレフィン付加共重合体及びその架橋体について記載されている。
また、特許文献14〜18には、環状オレフィン官能性ポリシロキサン化合物、その合成方法、及びそれを用いた付加反応硬化性組成物について記載されている。
しかしながら、環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合反応の単量体として用いることに関しては、その可能性を示唆するにとどまっており、実際にそれを繰り返し単位として構造中に含む環状オレフィン付加共重合体の報告例はない。
アルコキシシリル基などの反応性シリル基をもつ環状オレフィン化合物の付加重合体は、有機溶媒への溶解性や、被着体への接着・密着性がある反面、反応性が高く、重合反応中や重合体の加工時にゲル化が進行し易いため、製造・保存安定性や取扱い性に問題がある。すなわち、共重合体の溶解性や接着・密着性の向上に付与する反応性シリル基をもつ環状オレフィン化合物の、共重合体構造中における割合を高めることは、困難である場合が多い。
特開昭60−26024号公報 特許第3050196号公報 特開平1−132625号公報 特開平5−214079号公報 特開昭61−292601号公報 特開平4−63807号公報 特開平8−198919号公報 特表平9−508649号公報 特許第3476466号公報 特開平7−196736号公報 国際特許公開WO97/20871号公報 国際特許公開WO98/20394号公報 特許第3801018号公報 国際特許公開WO02/062859号公報 特開2003−252881号公報 ドイツ国特許公開DE4128932 特開2007−77252号公報 特開2007−70337号公報 Makromol. Chem. Macromol. Symp. Vol 47, 83 (1991) Am. Chem. Soc. Polymer Preprints Vol 40(2), 782 (1999)
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、環状オレフィン官能性ポリシロキサンを含み、ポリシクロオレフィン及びポリシロキサン双方の機能を併せ持つ環状オレフィン付加共重合体及びその製造方法、該環状オレフィン付加共重合体を含む架橋用組成物、この組成物を硬化した架橋体及び架橋体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、式(1)で表される環状オレフィン化合物と、式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種のポリシロキサンとを付加重合することで得られる特定構造の環状オレフィン付加共重合体が、優れた透明性、耐熱性、接着性、保存安定性及び取扱い性を有し、更に、架橋構造としてシロキサン結合を導入することで、耐溶剤性、耐薬品性、寸法安定性が改良された材料になることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は、下記に示す環状オレフィン付加共重合体及びその製造方法、架橋用組成物、架橋体及びその製造方法を提供する。
〔請求項1〕
下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と下記式(2)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合することで得られ、式(2)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
Figure 0004645858
{式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(2)中のR1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらの水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子で置換した基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
〔請求項2〕
式(2)において、sが0又は1である請求項1記載の環状オレフィン付加共重合体。
〔請求項3〕
下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と下記式(3)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合することで得られ、式(3)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
Figure 0004645858
{式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(3)中のR2は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5の整数であり、kは0又は1を示す。}
〔請求項4〕
下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と下記平均組成式(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合することで得られ、式(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
Figure 0004645858
{式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
Figure 0004645858
で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
〔請求項5〕
下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と、下記式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンから選ばれる少なくとも2種のポリシロキサンとを付加重合することで得られ、式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
Figure 0004645858
{式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(2)中のR1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらの水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子で置換した基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(3)中のR2は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5の整数であり、kは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
Figure 0004645858
で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
〔請求項6〕
ガラス転移温度が200〜380℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体。
〔請求項7〕
薄膜、シート又はフィルム形状をしている請求項1〜6のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体。
〔請求項8〕
下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と、下記式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種のポリシロキサンに、重合触媒であるニッケル、コバルト及びパラジウムから選ばれた遷移金属化合物及び/又はその超強酸との変性化合物と、ルイス酸性のアルミニウム化合物、ルイス酸性のホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物及びイオン性ホウ素化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を添加して付加重合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体の製造方法。
Figure 0004645858
{式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(2)中のR1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらの水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子で置換した基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(3)中のR2は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5の整数であり、kは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
Figure 0004645858
で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
〔請求項9〕
請求項1〜のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体に、金属化合物、酸として作用する化合物、及びアルコール類又は水の存在下で酸として作用する化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を配合した架橋用組成物。
〔請求項10〕
請求項9に記載の架橋用組成物中のシロキサン結合が、加水分解・縮合することで架橋していることを特徴とする架橋体。
〔請求項11〕
薄膜、シート又はフィルム形状をしている請求項10に記載の架橋体。
〔請求項12〕
請求項9に記載の架橋用組成物を50〜200℃に加熱して架橋させることを特徴とする架橋体の製造方法。
本発明によれば、環状オレフィン官能性ポリシロキサンを含み、優れた透明性、耐熱性、接着性、保存安定性及び取扱い性を有し、また架橋構造としてシロキサン結合を導入することで、耐溶剤性、耐薬品性、寸法安定性が改良された架橋体を得ることができる環状オレフィン付加共重合体が得られる。
本発明の環状オレフィン付加共重合体は、下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と、下記式(2)、下記式(3)及び下記平均組成式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンの少なくとも一つとを付加重合することで得られる。
Figure 0004645858
{式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又は、オキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(2)中のR1は互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(3)中のR2は互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5、好ましくは2〜4の整数であり、kは0又は1を示す。}
Figure 0004645858
{式(4)中のB1,B2は互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、y1は0〜4の整数を示し、y2は0又は1である。E1,E2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の一価炭化水素基を示し、zは0〜4の整数を示す。R3は互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、pは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0.01≦m+p<4である。xは0又は1を示す。}
上記式(1)中、A1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、炭素数1〜10のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリーロキシ基、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基から選ばれる基、又はオキセタニル基、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とは、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。
この場合、脂環構造としては炭素数4〜10のものが挙げられ、芳香環構造としては、炭素数6〜12のものが挙げられる。これらの構造を例示すると下記の通りである。
Figure 0004645858
なお、これらがノルボルネン環と結合した状態を例示すると下記の通りである。
Figure 0004645858
なお、Meはメチル基、Phはフェニル基を示す。
上記式(2)〜(4)中、R1、R2、R3は、互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの水素原子の1個又はそれ以上がフッ素、塩素、臭素原子等のハロゲン原子と置換された基などが挙げられる。
上記式(4)中、B1,B2は、互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、上記R1〜R3と同様の炭素数1〜10の一価炭化水素基が例示できる。また、E1,E2はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜10の一価炭化水素基を示し、炭素数1〜10の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基が例示できる。
上記式(4)中、y1は0〜4、好ましくは0〜2の整数を示す。y2は0又は1を示す。zは0〜4、好ましくは0〜2の整数を示す。pは0.01以上4未満の数であり、mは0以上4未満の数であり、但し0.01≦m+p<4である。
式(1)で表される環状オレフィン化合物としては、以下の化合物が例示できるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸エチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸ブチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸プロピル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸トリフロロエチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル酢酸エチル、アクリル酸2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル、メタクリル酸2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどを例示することができる。これらは、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても良い。
式(1)で表される環状オレフィン化合物は、得られる重合体の耐熱性や酸化劣化性の面からその構造中に不飽和結合を含まない方が好ましく、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの不飽和結合を含む化合物を用いて付加重合をする場合、重合体の側鎖の炭素−炭素二重結合を水素化あるいはヒドロシリル化することが、耐熱性や酸化劣化性を改良できる点で好ましい。
また、式(1)で表される環状オレフィン化合物において、エステル基などの極性基を含んでいると、得られる重合体の被着体への接着性や有機溶媒への溶解性を高める反面、吸水性の向上などにより電気特性が低下する傾向があるので、目的に応じ、適宜選択することが好ましい。
また、式(2)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンとしては、以下の化合物が例示できるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。{ここで、Meはメチル基を表す。}
Figure 0004645858
式(3)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンとしては、以下の化合物が例示できるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。{ここで、Meはメチル基を表す。}
Figure 0004645858
式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンとしては、特に下記式(5)、(6)で示される基が好ましい。
Figure 0004645858
{式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
Figure 0004645858
で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
Figure 0004645858
{式(6)中、Rは上記の通り、R''は上記R’と同様の意味を示すが、R''の少なくとも2個は上記式(i)で示される基である。n1は1〜10の整数、n2は0〜9の整数で、n1+n2=3〜10である。}
ここで、Rは、炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これらの水素原子の1個又はそれ以上がフッ素、塩素、臭素原子等のハロゲン原子と置換された基などが挙げられる。
0のアルキレン基としては、炭素数1〜4、特に1〜2のものが挙げられ、このアルキレン基は直鎖状又は分岐状のものが用いられる。R’の一価炭化水素基としては、上記Rと同様の炭素数1〜10のものが挙げられる。
m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、特に式(5)のシロキサンとして、
Figure 0004645858
が好ましい。
m4は1以上の整数であるが、R’が全て一価炭化水素基の場合(即ち、R’が上記式(i)を含まない場合)はm4は2以上の整数、好ましくは2〜80の整数、更に好ましくは2〜60の整数である。一方、R’が上記式(i)を含む場合、m4は1以上の整数、好ましくは2〜80の整数、更に好ましくは2〜40の整数である。
また、n1、n2は上記の通りであるが、n1は3〜5であることが好ましく、n2は0〜4であることが好ましく、n1+n2は3〜9であることが好ましい。
上記式(4)〜(6)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンとしては、以下の化合物が例示できるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。{ここで、Meはメチル基、Buはブチル基、Phはフェニル基を表す。}
Figure 0004645858
Figure 0004645858
平均組成式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンとしては、下記式(i)
Figure 0004645858
(式中、xは0又は1を示す。)
で示される基を複数有する多官能のものを用いることが、架橋構造を導入する上で好ましい。
式(2)〜(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンは、それぞれ1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(2)〜(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンは、下記に示す方法により、製造することができる。
第1の方法として、末端オレフィンを有するポリシロキサンとジシクロペンタジエンとのDiels−Alder反応により合成することができる。{ここで、Meはメチル基を表す。}
Figure 0004645858
第2の方法として、ノルボルナジエンと相当するSiH官能性ポリシロキサンを白金触媒存在下で付加反応させて合成することができる。{ここで、Meはメチル基、Buはブチル基を表す。}
Figure 0004645858
上記式(1)で表される環状オレフィン化合物と、上記式(2)、(3)及び/又は(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンとの仕込み比率は、得られる本発明の環状オレフィン付加共重合体の物性(透明性、耐熱性、接着性、保存安定性、取扱い性など)を考慮し、使用目的に応じて任意に調節するが、得られた共重合体中の式(2)〜(4)由来の構造は合計で0.5〜35モル%となるように使用することが好ましい。
なお、上記平均組成式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンで、2官能以上の化合物を用いる場合、その割合が3モル%以上になると、重合反応中に密な架橋構造が形成されゲル化し、取扱い性に問題が生じる場合がある。そのため、平均組成式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンは、式(2)及び式(3)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンと併用することが好ましい。
本発明の環状オレフィン付加共重合体は、式(1)で表される環状オレフィン化合物と、式(2)、(3)及び(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンの少なくとも一種とを付加重合触媒存在下、付加重合することにより製造される。付加重合触媒としては、下記の単一成分触媒(A)又は多成分系触媒(B)を用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(A)単一成分触媒としては、以下に示す(A−1)〜(A−3)の化合物が例示できる。
(A−1)下記式(a)で表される化合物
[L12ML3+[A]- (a)
{式(a)のMはニッケル(Ni)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)を表す。L1、L2、L3はMの配位子を示し、そのうち一つはσ結合を有し、すべての配位子で1〜3のπ結合を有する。Aは対アニオンを示す。L1、L2、L3は炭素数が6〜12のシクロジエン、ノルボルナジエン、炭素数が10〜20のシクロトリエン、炭素数が6〜20の芳香族化合物から選ばれる。Aの対アニオンとしては、BF4 -、PF6 -、SbF5SO3-、AsF6 -、SbF6 -、CF3CO2 -、C25CO2 -、B[C654 -、B[C63(CF324 -であることが好ましい。}
式(a)で表される化合物の具体例としては、
[(η3−クロチル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)][B(C63(CF324]、
[(η3−クロチル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)][PF6]、
[(6−メトキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−エンド−5σ,2π)Pd(シクロオクタ−1,5−ジエン)][SbF6]、
[(η3−ally)Pd][BF4]、
[(シクロオクタ−1,5−ジエン)Pd(CH3)Cl][B(C63(CF324
などが挙げられる。
(A−2)下記式(b)で表される化合物
[Pd(II)(L44][A]2 (b)
{ここで、Aは、対アニオンであり(A−1)で記載したものと同じである。L4はニトリル化合物、3級アミン化合物、トリアリールホスフィン化合物から選ばれる。}
式(b)で表される化合物の具体例としては、
[Pd(C65CN)4][BF42
[Pd(C65CN)4][SbF62
[Ph3PdCH3][B(C63(CF324
{ここで、Phはフェニル基を示す。}
などが挙げられる。
(A−3)Ni(C652又はNi(SiCl32のアーレーン錯体
この具体例としては、トルエン・Ni(C652、キシレン・Ni(C652、トルエン・Ni(SiCl32などが挙げられる。
(B)多成分系触媒としては、以下に示す(B−1)〜(B−3)が例示できる。
(B−1)遷移金属化合物
遷移金属化合物として、以下に挙げる群から選ばれた少なくとも1種の化合物
a)ニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びパラジウム(Pd)の有機カルボン酸塩、有機亜リン酸塩、有機リン酸塩、有機スルフォン酸塩、β−ジケトン化合物などから選ばれた化合物。具体的には、酢酸ニッケル、オクタン酸ニッケル、2−エチルヘキサン酸ニッケル、オレイン酸ニッケル、ステアリン酸ニッケル、ジブチルリン酸ニッケル、ジオクチル酸ニッケル、ドデシルベンゼンスルフォン酸ニッケル、ビス(アセチルアセテート)ニッケル、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、2−エチルヘキサン酸コバルト(III)、ドデカン酸コバルト(II)、トリス(アセチルアセトナート)コバルト(III)、酢酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナート)パラジウムなどが挙げられる。
b)上記のニッケル(Ni)、コバルト(Co)及びパラジウム(Pd)の有機カルボン酸塩と超強酸との変性化合物。超強酸の具体例としては、六フッ化アセトン、六フッ化アンチモン酸、四フッ化ホウ素酸、トリフロロ酢酸などが挙げられる。
c)ニッケルジエンもしくはニッケルトリエン錯体。
具体的には、
[(η3−クロチル)Ni(シクロオクタ−1,5−ジエン)][B(C63(CF324]、
[bis(ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン)Ni]、
[(シクロドデク−1,5,9−トリエン)Ni]
などが挙げられる。
d)ニッケルにリン(P)、窒素(N)、酸素(O)などの原子を有する配位子が配位した錯体。
具体的には、
(PPh32NiCl2、(PPh32NiBr2、(PPh32CoCl2
Bis[N−(3−tert−ブチルサリシリデン)フェニルアミナト]Ni、
Ni(OC(O)(C64)PPh2)(H)(PCy3)、
Ni(OC(O)(C64)PPh2)(H)(PPh3)、
Ni(COD)2とPh3P=CHC(O)Phの反応物
{ここで、Phはフェニル基、Cyはシクロヘキシル基、CODは1,5−シクロオクタジエンを示す。}
などが挙げられる。
(B−2)有機アルミニウム化合物
具体的には、メチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、トリアルキルアルミニウムが部分混合されたメチルメチルアルモキサン、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウムクロライドなどが挙げられる。
(B−3)重合活性向上のために添加する化合物
具体的には、三フッ化ホウ素あるいは三フッ化アルミニウムのエーテル、アミン、フェノールなどの錯体、トリ(ペンタフロロフェニル)ボラン、トリ(3,5−ジ−トリフロロメチルフェニル)ボラン、トリ(ペンタフロロフェニル)アルミニウムなどのルイス酸性を示すホウ素化合物やアルミニウム化合物が挙げられ、また、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフロロフェニル)アルミナート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6−トリフロロフェニル)アルミナートなどのイオン性ホウ素化合物及びイオン性アルミニウム化合物が挙げられる。
これらの中でも、ニッケル、コバルト及びパラジウムから選ばれた遷移金属化合物、及びその超強酸との変性化合物を重合触媒の一成分とし、ルイス酸性のアルミニウム化合物、ルイス酸性のホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物及びイオン性ホウ素化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を重合活性向上のために添加することが好ましい。
これらの触媒成分は、以下の範囲の使用量で用いられる。
ニッケル化合物、コバルト化合物及びパラジウム化合物などの遷移金属化合物は、単量体1モルに対して0.01〜100ミリモル原子、有機アルミニウム化合物は遷移金属化合物1モル原子に対して1〜1,000モル、またルイス酸性のホウ素化合物及びアルミニウム化合物、あるいはイオン性のホウ素化合物及びアルミニウム化合物は、ニッケル又はコバルト1モル原子に対して0.5〜100モルである。
本発明の環状オレフィン付加共重合体は、上記単一成分触媒又は多成分系触媒を用い、シクロヘキサン、シクロペンタンなどの脂環式炭化水素溶媒、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ポリシロキサン溶媒などから選ばれる1種又は2種以上の溶媒中で重合を行うことにより得ることができる。
溶媒の使用量は、溶媒(S)と上記環状オレフィンからなる単量体(上記式(1)〜(4)で表される化合物)(M)の質量比(S/M)が、1〜20の範囲、特に1〜15の範囲とすることが好ましい。溶媒の使用量が、上記質量比より少ないと溶液粘度が高く、取り扱い性が困難になる場合があり、上記質量比より多いと重合活性の点で劣る場合がある。
重合方法としては、窒素又はアルゴン雰囲気下、上述した溶媒と、上記環状オレフィンからなる単量体と、上記付加重合触媒とを反応容器中に仕込み、−20℃〜100℃の範囲の温度で重合する。
重合反応は、−20℃〜100℃、特に0〜80℃の温度範囲で行うことが好ましい。反応温度が低すぎると重合活性の点で劣る場合があり、高すぎるとゲル化を引き起こしたり、分子量の調節が困難になる場合がある。
また、必要に応じて、分子量調節剤を重合系中に添加してもよい。分子量調節剤としては、水素、エチレン、ブテン、ヘキセンなどのα−オレフィン、スチレン、3−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、トリス(トリメチルメトキシ)ビニルシラン、ジビニルジヒドロシラン、ビニルシクロテトラシロキサンなどのビニル珪素化合物が挙げられる。
なお、上述した溶媒と単量体の比率、重合温度、重合時間、分子量調節剤の量は、用いる触媒、単量体構造などに著しく影響を受けるため、一概に限定することが難しい。目的に応じて使い分ける必要がある。
重合触媒の量と分子量調節剤の添加量、単量体から重合体への転化率、あるいは重合温度によって、重合体の分子量が調節される。
重合の停止は、水、アルコール、ケトン、有機酸などから選ばれた化合物によって行われる。重合体溶液に、乳酸、リンゴ酸、シュウ酸などの酸の水とアルコール混合物を添加することで、触媒残渣を重合体溶液から分離・除去することができる。また、触媒残渣の除去には、活性炭、珪藻土、アルミナ、シリカなどを用いての吸着除去や、フィルターなどによるろ過分離除去などが適用できる。
重合体は、重合体溶液をメタノール、エタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類中に入れて、凝固し、減圧乾燥することにより得ることができる。この工程で、重合体溶液中に残存する触媒残渣や未反応モノマーも除去される。また、本発明において用いられる、長鎖ポリシロキサンを含有する未反応モノマーは、上記アルコール類やケトン類にオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどの環状ポリシロキサンを混合した溶媒を用いることで、容易に除去することができる。
このようにして得られた本発明の環状オレフィン付加共重合体は、式(1)で表される環状オレフィン化合物を単量体として付加重合することにより形成される下記式(7)で示される繰り返し単位を含む。
Figure 0004645858
{式(7)中のA1〜A4、iは式(1)と同じ。}
ここで、式(7)で示される繰り返し単位は、例えばiが0の場合、2,3付加構造単位を示すものであるが、上記式(1)で表される環状オレフィン化合物を単量体として付加重合することによる2,7付加構造単位となっているものが含まれていてもよい。
本発明の環状オレフィン付加共重合体中の式(7)で表される構造単位の割合は、通常65〜99.5モル%、好ましくは70〜90モル%である。式(7)で表される構造単位の割合が、65モル%未満では耐熱性が劣る場合があり、一方、99.5モル%を超えると有機溶媒への溶解性、被着体への接着性が劣る場合がある。
本発明の環状オレフィン付加共重合体は、式(2)〜(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを単量体として付加重合することにより形成される、下記式(8)〜(10)で示される繰り返し単位のいずれか1種あるいは2種以上を含む。
Figure 0004645858
{式(8)中のR1、s及びjは式(2)と同じ。}
Figure 0004645858
{式(9)中のR2、t及びkは式(3)と同じ。}
Figure 0004645858
{式(10)中のB1、B2、y1、y2、E1、E2、z、R3、p、m及びxは式(4)と同じ。}
本発明の環状オレフィン付加共重合体中の式(8)〜(10)で表される構造単位の合計の割合は、通常0.5〜35モル%、好ましくは5〜30モル%である。式(8)〜(10)で表される構造単位の合計の割合が、0.5モル%未満では有機溶媒への溶解性、被着体への接着性が劣る場合がある。一方、35モル%を超えると白濁する場合がある。
なお、上記平均組成式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンにおいて、ポリシロキサンの平均重合度が10以上のものを多量に添加すると、重合収率の点で劣る場合があり、平均組成式(10)で表されるその構造単位(ポリシロキサンの平均重合度が10以上のもの)の割合が環状オレフィン付加共重合体中、10モル%を超えると白濁する場合がある。
本発明の環状オレフィン付加共重合体中の式(8)〜(10)で表される構造単位は、ランダムに存在してもよく、またブロック状に偏在してもよい。
本発明の環状オレフィン付加共重合体の分子量は、トルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜500,000であり、重量平均分子量(Mw)が20,000〜2,000,000、好ましくは100,000〜1,600,000である。数平均分子量が10,000未満、あるいは重量平均分子量が20,000未満では、薄膜、フィルム及びシートとした際、脆く割れやすくなることがある。一方、数平均分子量が1,000,000を超え、あるいは重量平均分子量が2,000,000を超えると、成形加工性が低下したり、溶液粘度が高くなり取扱い性が困難となる場合がある。
本発明においては、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、2.0〜9.0の範囲である比較的分子量分布の狭い環状オレフィン付加共重合体が容易に得られる。このため、コーティング被膜、フィルムあるいはシートなどの薄膜にしたとき、割れや脆さの点で優れたものとなる。また、特に2官能以上の平均組成式(4)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを用いて得られた付加共重合体の場合、架橋構造が形成されているため、力学特性に優れたコーティング被膜、フィルムあるいはシートとなる。
本発明の環状オレフィン付加共重合体のガラス転移温度は、TMA(Thermal Mechanical Analysis)を用いて測定され、その貯蔵弾性率と損失弾性率の変化に伴う温度分散ピークにより評価される。こうして評価される本発明の環状オレフィン付加共重合体のガラス転移温度は、200〜380℃であることが好ましく、より好ましくは210〜330℃である。ガラス転移温度が200℃未満の場合、本発明の環状オレフィン付加共重合体を含む成形体の加工時あるいは使用時に、熱変形などの問題が生じる可能性がある。また、ガラス転移温度が380℃を超える場合、熱加工を行う際に、加工温度が高すぎて、本発明の環状オレフィン付加共重合体を含む成形体が熱劣化する可能性がある。
本発明の環状オレフィン付加共重合体は、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR,29Si−NMR)を用いて、その構造を確認することができる。例えば、1H−NMR(重クロロホルム中)においては、7.8〜6.5ppmの−O−Si(C65)−O−のC65による吸収、0.6〜3.0ppmの脂環式炭化水素に由来する吸収、0.0〜0.6ppmの−Si−CH2−、−Si−CH3、−O−Si−CH3の吸収、−0.1〜0.0ppmの−O−Si(CH3)−O−の吸収、また29Si−NMR(重ベンゼン中)においては、下記式(11)に記載のM単位(R4:メチル基、10.0〜5.0ppm)に由来する吸収、D単位(R4:メチル基、−15.0〜−25.0ppm、R4:フェニル基、−45.0〜−50.0ppm)に由来する吸収、T単位(R4:アルキル基、−65.0〜−70.0)に由来する吸収とその積分比から構造を確認できる。
Figure 0004645858
{式(11)中のR4は、式(2)中のR1、式(3)中のR2及び平均組成式(4)中のR3と同じ。}
以下に、本発明の環状オレフィン付加共重合体を含む架橋用組成物について説明する。
本発明の組成物には、架橋構造形成を促進する触媒として、Al、Mg、Zn、Sb、Si、Sn、Ce、Ti、Zr、Y、Smなどの金属のアルコキシ化合物、アリーロキシ化合物、チオール化合物、β−ジケトン塩、有機カルボン酸塩、酸化物、ハロゲン化物及びこれらの複合物などの金属化合物(C)を用いることができる。
具体例としては、トリイソプロポキシアルミニウム、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソプロポキシエチルアセテートアルミニウムなどのアルミニウム化合物、ジイソプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物、アセチルアセテート亜鉛などの亜鉛化合物、アンチモングルコシキド、アンチモントリアセテートなどのアンチモン化合物、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどの珪素化合物、テトラエトキシジルコンなどのジルコン化合物、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズラウレート、オクタン酸スズ、デカン酸スズなどのスズ化合物、セリウムトリイソプロポキシド、三塩化セリウムなどのセリウム化合物、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシドなどのチタニウム化合物、イットリウムイソプロポキシド、サマリウムトリイソプロポキシドなどのランタニド化合物などが挙げられる。この中でも特に、Al、Si、Ti、Zrの多官能アルコキシ化合物及びその複合物は、触媒及び架橋成分となり、取扱い性や架橋反応活性の点でバランスがよく、本発明の環状オレフィン付加共重合体を架橋体とした場合、寸法安定性や耐溶剤性・耐薬品性の向上に有効な架橋構造を得やすくなる。
本発明の組成物には、酸として作用する化合物(D)、あるいはアルコール類又は水の存在下で酸として作用する化合物(E)を配合することができる。酸として作用する化合物(D)、あるいはアルコール類又は水の存在下で酸として作用する化合物(E)としては、有機酸及び無機酸が挙げられる。有機酸としては、有機カルボン酸、有機スルフォン酸、有機リン酸、またBF4 -、PF6 -、SbF6 -、B[C654 -などの対アニオンを有する芳香族スルフォニウム、芳香族アンモニウム、芳香族ホスホニウム、更にトリアルキル亜リン酸エステル、ジアルキル亜リン酸エステル、有機カルボン酸の第2級又は第3級アルコールのエステル、有機カルボン酸のトリアルキルシリルエステルなどが挙げられる。無機酸としては、塩酸、硫酸、フッ酸、四フッ化ホウ酸、スルフォン酸、亜リン酸などが挙げられる。
上記化合物(C)、(D)、(E)は1種のみを単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。この場合、例えば、(C)の化合物の中から2種以上を組み合わせてもよいし、また(C)と(D)の化合物を組み合わせてもよい。
上記化合物(C)、(D)、(E)は、それぞれ本発明の環状オレフィン付加共重合体100質量部当たり、0.0001〜50質量部の範囲で、目的に応じて配合できる。
本発明の環状オレフィン付加共重合体を含む架橋用組成物には、公知の酸化防止剤を配合して、酸化安定性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、
1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系あるいはヒドロキノン系、
トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、
トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、
ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系、更にはチオエーテル系、ラクトン系化合物などが挙げられる。これらの化合物の中でも、その分解温度(5%の質量減少温度)が250℃以上のものが好ましい。また、これら酸化防止剤の配合量は、本発明の環状オレフィン付加共重合体100質量部に対し、0.05〜5.0質量部の範囲である。
本発明の環状オレフィン付加共重合体は、シロキサン結合を含むため、金属化合物(C)、酸として作用する化合物(D)、あるいはアルコール類又は水の存在下で、酸として作用する化合物(E)を配合することで、50〜200℃の比較的温和な温度条件で組成物中のシロキサン結合を加水分解・縮合することにより架橋させることができる。この架橋条件としては、50〜200℃、特に70〜180℃で1〜12時間、特に2〜10時間とすることが好ましい。
得られる架橋体は、環状オレフィン付加共重合体及びポリシロキサンの優れた光学特性を有し、更に、架橋構造が形成されているため、寸法安定性や耐溶剤性・耐薬品性に優れたものとなる。
本発明の環状オレフィン付加共重合体、及びこれを含む架橋用組成物は、薄膜、シートあるいはフィルム形状として用いることが好ましい。薄膜、シートあるいはフィルム形状とする方法は、特に限定されることなく、任意の方法で成形することができるが、熱履歴による重合体の劣化を抑制できる点で、本発明の共重合体もしくは架橋用組成物を溶媒に溶解させて支持体に塗工し、しかる後に溶媒を乾燥させる溶液流延法(キャスト法)により成形するのが好ましい。
溶液流延法に用いられる溶媒は、本発明の付加共重合体を溶解させる溶媒である必要がある。本発明にかかる付加共重合体の多くは、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、デカンなどの脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素溶媒に溶解し、これらの溶媒を1種単独あるいは2種以上の混合溶媒として使用することができる。本発明の環状オレフィン付加共重合体は、上記いずれの溶媒にも優れた溶解性を示すが、膜厚や塗工条件によっては、乾燥時に残留溶媒が除去できない場合がある。このため、比較的沸点の低い、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなどを主成分とした溶媒が好ましい。
なお、架橋用組成物は、加熱することが好ましく、加熱条件としては、上記架橋反応条件に準ずる。
薄膜、シートあるいはフィルム厚さとしては、特に制限されないが、通常100nm〜1mmの範囲で目的に応じて調製される。
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものではない。
分子量、全光線透過率、屈折率、ガラス転移温度、線膨張係数、接着・密着性、トルエン膨潤度、重合体組成物の溶液粘度、硬化組成物の硬度は、下記の方法で測定した。
(1)分子量(重量平均分子量、数平均分子量):
東ソー(株)製(HLC−8220GPC)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置を用い、トルエンを溶媒として、40℃で測定した。得られた分子量は、標準ポリスチレン換算値である。
(2)全光線透過率:
日立(株)製(U−3310)スペクトロフォトメーター装置を用い、所定の厚さ(100μm)のフィルム及びプレートにて、全光線透過率を測定した。
(3)屈折率:
アタゴ(株)製(DR−M2/1550)多波長アッベ屈折計を用い、25℃におけるD線(589nm)の屈折率n25 Dを測定した。
(4)ガラス転移温度、線膨張係数:
メトラー社製TMA(SDTA841)装置を用い、膜厚100〜500μm、幅5mm、長さ10mmの試料をプローブに固定し、室温から10℃/minで昇温して測定した。
(5)接着・密着性:
ガラスプレート上に、厚さ5〜10μmの試料のコーティング薄膜を形成し、この薄膜に対して、JIS K5400に準じ、カッターナイフにて1mm×1mmの碁盤目が10個×10個形成されるように切込みを入れ、セロハンテープによる剥離試験を行い、100ブロックを4つのエリアに分けた25ブロック中における剥離したブロックの数を測定した。
(6)トルエン膨潤度:
厚さ100μm、幅10mm、長さ10mmのフィルムを25℃のトルエンに3時間浸漬し、浸漬前後の質量を測定し、評価した。膨潤度は以下の式で算出した。
トルエン膨潤度(%)=(トルエン浸漬後質量/トルエン浸漬前質量)×100
(7)重合体組成物の溶液粘度:
重合体の溶液粘度は、東機産業(株)製BL型粘度計を用い、25℃にて測定した。
[実施例1]
単量体として、下記に示す化合物Aを300ミリモル、下記に示す化合物Bを200ミリモル、溶媒としてトルエン522gを1,000mlの反応容器に窒素雰囲気下で仕込んだ。そこに、ビス(アセチルアセテート)ニッケルを0.25ミリモル、トリ(ペンタフロロフェニル)ボランを1.25ミリモル仕込み、重合を行った。25℃で3時間重合を行い、メタノールで重合を停止した。
得られた共重合体溶液を3Lのアセトンと500mlのデカメチルシクロペンタシロキサンの混合溶液に入れ、共重合体を凝固し、未反応単量体と触媒残渣を除去した。凝固した共重合体を乾燥し、共重合体P−1を得た。
Figure 0004645858
共重合体中の化合物Bに由来する構造体の含有量は27.9モル%であった。測定は、1H−NMR測定により行った。図1に共重合体P−1の1H−NMRのチャートを示す。
また、共重合体P−1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は134,000、重量平均分子量(Mw)は298,000で、Mw/Mnは2.2であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−1をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−1を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例2]
単量体として、上記化合物Aを400ミリモル、上記化合物Bを100ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−2を得た。1H−NMR測定から求められた共重合体P−2中の化合物Bに由来する構造体の含有量は14.3モル%であった。図2に共重合体P−2の1H−NMRのチャートを、図3に共重合体P−2の29Si−NMRのチャートを示す。
共重合体P−2のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は266,000、重量平均分子量(Mw)は992,000で、Mw/Mnは3.7であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−2をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−2を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例3]
単量体として、上記化合物Aを400ミリモル、下記に示す化合物Cを100ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−3を得た。1H−NMR測定から求められた共重合体P−3中の化合物Cに由来する構造体の含有量は13.8モル%であった。図4に共重合体P−3の1H−NMRのチャートを、図5に共重合体P−3の29Si−NMRのチャートを示す。
Figure 0004645858
共重合体P−3のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は120,000、重量平均分子量(Mw)は271,000で、Mw/Mnは2.3であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−3をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−3を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例4]
単量体として、上記化合物Aを450ミリモル、上記化合物Cを50ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−4を得た。1H−NMR測定から求められた共重合体P−4中の化合物Cに由来する構造体の含有量は7.8モル%であった。図6に共重合体P−4の1H−NMRのチャートを示す。
共重合体P−4のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は151,000、重量平均分子量(Mw)は313,000で、Mw/Mnは2.1であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−4をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−4を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例5]
単量体として、上記化合物Aを400ミリモル、上記化合物Bを50ミリモル、上記化合物Cを50ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行って、共重合体P−5を得た。1H−NMR及び29Si−NMR測定から求められた共重合体P−5中の化合物Bに由来する構造体の含有量は8.0モル%、化合物Cに由来する構造体の含有量は5.8モル%であった。図7に共重合体P−5の1H−NMRのチャートを示し、図8に共重合体P−5の29Si−NMRのチャートを示す。
共重合体P−5のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は168,000、重量平均分子量(Mw)は406,000で、Mw/Mnは2.4であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−5をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−5を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例6]
単量体として、上記化合物Aを350ミリモル、上記化合物Bを140ミリモル、下記に示す化合物Dを10ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−6を得た。1H−NMR及び29Si−NMR測定から求められた共重合体P−6中の化合物Bに由来する構造体の含有量は15.9モル%、化合物Dに由来する構造体の含有量は1.0モル%であった。図9に共重合体P−6の1H−NMRのチャートを、図10に共重合体P−6の29Si−NMRのチャートを示す。
Figure 0004645858
共重合体P−6のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は225,000、重量平均分子量(Mw)は499,000で、Mw/Mnは2.2であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−6をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−6を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例7]
単量体として、上記化合物Aを350ミリモル、上記化合物Bを140ミリモル、下記に示す化合物Eを10ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−7を得た。1H−NMR及び29Si−NMR測定から求められた共重合体P−7中の化合物Bに由来する構造体の含有量は14.1モル%、化合物Eに由来する構造体の含有量は1.4モル%であった。図11に共重合体P−7の1H−NMRのチャートを示す。
Figure 0004645858
共重合体P−7のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は240,000、重量平均分子量(Mw)は536,000で、Mw/Mnは2.2であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−7をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−7を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例8]
単量体として、上記化合物Aを350ミリモル、上記化合物Bを140ミリモル、下記に示す化合物Fを10ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−8を得た。1H−NMR及び29Si−NMR測定から求められた共重合体P−8中の化合物Bに由来する構造体の含有量は21.9モル%、化合物Fに由来する構造体の含有量は1.1モル%であった。また、化合物Fに由来する構造体1.1モル%の約半分(0.5モル%)が架橋構造を形成していた。図12に共重合体P−8の1H−NMRのチャートを、図13に共重合体P−8の29Si−NMRのチャートを示す。
Figure 0004645858
共重合体P−8のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は179,000、重量平均分子量(Mw)は1,556,000で、Mw/Mnは8.7であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−8をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−8を作製した。このフィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
[実施例9]
実施例2で得られた共重合体P−2の10質量%トルエン溶液を用い、ガラスプレート上に厚さ5〜10μmのコーティング薄膜を作製した。この薄膜を用いて行った密着性試験の結果を表3に示す。
また、共重合体P−2の10質量%トルエン溶液、及びこれを用いて作製した厚さ100μmのフィルムF−2を、60℃の乾燥機中に1週間放置し、保存安定性を評価した。トルエン溶液の粘度は、初期と一週間後の値に変化は見られなかった。また、フィルムについては、一週間放置後もトルエンに容易に溶解した。
実施例3及び5で得られた共重合体P−3及びP−5についても同様の操作と試験を行い、評価を行った。これらの結果を表3に示す。
[比較例1]
単量体として、上記化合物Aを250ミリモル、上記化合物Bを250ミリモル用いた以外は、実施例1と同様に行い、共重合体P−9を得た。1H−NMR測定から求められた共重合体P−9中の化合物Bに由来する構造体の含有量は35.8モル%であった。
共重合体P−9のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は124,000、重量平均分子量(Mw)は301,000で、Mw/Mnは2.4であった。重合反応の結果を表1に示す。
共重合体P−9をトルエンに溶解し、10質量%の共重合体溶液を調製した。この溶液をキャストして、厚さ100μmのフィルムF−9を作製した。しかしながら、フィルムF−9は白濁しており、屈折率を測定することができなかった。フィルムの各種物性評価結果を表2に示す。
共重合体P−9の10質量%トルエン溶液を用い、ガラスプレート上に厚さ5〜10μmのコーティング薄膜を作製した。しかしながら、P−9のコーティング薄膜は、割れと剥離が見られ、密着性試験を行うことができなかった。
共重合体P−9の10質量%トルエン溶液、及びこれを用いて作製した厚さ100μmのフィルムF−9を、60℃の乾燥機中に1週間放置し、保存安定性を評価した。トルエン溶液の粘度は、初期と一週間後の値に変化は見られなかった。また、フィルムについては、一週間放置後もトルエンに容易に溶解した。これらの結果を表3に示す。
Figure 0004645858
Figure 0004645858
Figure 0004645858
[実施例10]
5gの共重合体P−2をトルエン95gに溶解した重合体溶液に、オクタン酸スズ(II)0.001g、テトラメトキシシラン0.5gを配合した。この重合体溶液をキャストし、フィルム及びガラス上のコーティング薄膜を作製した。このフィルム及びコーティング薄膜を、湿度90%の雰囲気下に25℃、2時間曝した後、150℃の減圧乾燥機中に3時間放置し、架橋された厚さ100μmのフィルムK−2及び厚さ5〜10μmのコーティング薄膜を得た。これらの試料を用いて行った各種評価結果を表4に示す。
実施例3及び5で得られた共重合体P−3及びP−5についても同様の操作を行い、試料K−3、K−5及びコーティング薄膜を得、試験を行った。これらの評価結果を表4に示す。
Figure 0004645858
本発明の環状オレフィン付加共重合体もしくは本発明の架橋用組成物を含む光学透明材料は、優れた光学透明性、耐熱性、接着・密着性、寸法安定性、耐薬品・耐溶剤性を有するので、導光板、偏光フィルム、表面保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、光ディスク、光ファイバー、レンズ、LED素子などの光学部品、電子部品、コーティング剤、封止剤、接着剤などに有用である。
実施例1で得られた共重合体P−1の1H−NMRチャートである。 実施例2で得られた共重合体P−2の1H−NMRチャートである。 実施例2で得られた共重合体P−2の29Si−NMRチャートである。 実施例3で得られた共重合体P−3の1H−NMRチャートである。 実施例3で得られた共重合体P−3の29Si−NMRチャートである。 実施例4で得られた共重合体P−4の1H−NMRチャートである。 実施例5で得られた共重合体P−5の1H−NMRチャートである。 実施例5で得られた共重合体P−5の29Si−NMRチャートである。 実施例6で得られた共重合体P−6の1H−NMRチャートである。 実施例6で得られた共重合体P−6の29Si−NMRチャートである。 実施例7で得られた共重合体P−7の1H−NMRチャートである。 実施例8で得られた共重合体P−8の1H−NMRチャートである。 実施例8で得られた共重合体P−8の29Si−NMRチャートである。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と下記式(2)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合することで得られ、式(2)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
    Figure 0004645858
    {式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(2)中のR1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらの水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子で置換した基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
  2. 式(2)において、sが0又は1である請求項1記載の環状オレフィン付加共重合体。
  3. 下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と下記式(3)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合することで得られ、式(3)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
    Figure 0004645858
    {式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(3)中のR2は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5の整数であり、kは0又は1を示す。}
  4. 下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と下記平均組成式(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンを付加重合することで得られ、式(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
    Figure 0004645858
    {式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
    Figure 0004645858
    で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
  5. 下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と、下記式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンから選ばれる少なくとも2種のポリシロキサンとを付加重合することで得られ、式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンに由来する構造単位の割合が、環状オレフィン付加共重合体中0.5〜35モル%である環状オレフィン付加共重合体。
    Figure 0004645858
    {式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(2)中のR1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらの水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子で置換した基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(3)中のR2は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5の整数であり、kは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
    Figure 0004645858
    で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
  6. ガラス転移温度が200〜380℃である請求項1〜5のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体。
  7. 薄膜、シート又はフィルム形状をしている請求項1〜6のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体。
  8. 下記式(1)で表される環状オレフィン化合物と、下記式(2)、(3)及び(5)で表される環状オレフィン官能性ポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種のポリシロキサンに、重合触媒であるニッケル、コバルト及びパラジウムから選ばれた遷移金属化合物及び/又はその超強酸との変性化合物と、ルイス酸性のアルミニウム化合物、ルイス酸性のホウ素化合物、イオン性アルミニウム化合物及びイオン性ホウ素化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物を添加して付加重合することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体の製造方法。
    Figure 0004645858
    {式(1)中のA1〜A4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基、アルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。また、A1とA2又はA1とA3とが、それぞれが結合する炭素原子とともに脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成しても良い。iは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(2)中のR1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はこれらの水素原子の1個又はそれ以上をハロゲン原子で置換した基であり、sは0〜2の整数であり、jは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(3)中のR2は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、tは2〜5の整数であり、kは0又は1を示す。}
    Figure 0004645858
    {式(5)中、Rは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基であり、R0はアルキレン基であり、R’は互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価炭化水素基又は下記式(i)
    Figure 0004645858
    で示される基である。xは0又は1を示す。m1,m2,m3,m5,m6,m7は0又は1であり、m4は1以上の整数を示す。}
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の環状オレフィン付加共重合体に、金属化合物、酸として作用する化合物、及びアルコール類又は水の存在下で酸として作用する化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物を配合した架橋用組成物。
  10. 請求項9に記載の架橋用組成物中のシロキサン結合が、加水分解・縮合することで架橋していることを特徴とする架橋体。
  11. 薄膜、シート又はフィルム形状をしている請求項10に記載の架橋体。
  12. 請求項9に記載の架橋用組成物を50〜200℃に加熱して架橋させることを特徴とする架橋体の製造方法。
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