JP4645851B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Description
排気通路に設けられ、排気中のパティキュレート(以下、PMという)を捕集する。また、DPFに捕集されて堆積したPMを除去するために、DPFの上流に酸化触媒を備え、この酸化触媒に未燃燃料を流入させて排気温度を上昇させることにより、DPFに捕集されたPMの主成分であるすすを燃焼させる強制再生が知られている。
更に、差圧により演算されたPMの堆積量はDPFに堆積したパティキュレートの偏在状態によって相違することから、パティキュレートの偏在状態(偏堆積度合)に応じてPMの堆積量を補正する補正装置も知られている(特許文献1)。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、DPFの前後の排気の差圧に基づいて強制再生を行う内燃機関の排気浄化装置において、DPFにパティキュレートが偏在して堆積しても適切に強制再生を実施できる排気浄化装置を提供することにある。
また、請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、パティキュレート排出量推定手段は、内燃機関の回転速度及び負荷に基づいてパティキュレートの排出量を推定することを特徴とする。
また、請求項3に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、内燃機関の回転速度及び負荷に基づいてパティキュレートの排出量を正確かつ迅速に演算することができる。
また、請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置によれば、パティキュレートの排出量と内燃機関の排気流量とに基づいてフィルタにおけるパティキュレートの単位時間当たりの偏堆積度合を演算し、この単位時間当たりの偏堆積度合を積算して偏堆積指標を演算することから、エンジンの運転状態が変動する場合でも正確に偏堆積指標を演算することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジン(内燃機関)1の全体構成図を示している。
エンジン1は、例えばコモンレール式直列多気筒のディーゼルエンジンである。エンジン1のシリンダヘッド2には、燃焼室3に臨んで電磁式の燃料噴射ノズル4が気筒毎に設けられている。各燃料噴射ノズル4は高圧パイプ5によりコモンレール6に接続されるとともに、コモンレール6は高圧パイプ7を介して高圧ポンプ8に接続されている。高圧ポンプ8は燃料タンク9に貯留された燃料(軽油)をコモンレール6に供給する機能を有しており、コモンレール6に供給された燃料は高圧の状態で蓄えられ、各燃料噴射ノズル4から燃焼室3内に噴射される。
吸気管12には、吸入空気量を調節する電磁式の吸気絞り弁16と、その上流側に吸気流量を検出するエアフローセンサ17が設けられている。
排気管13には、上流側から順番に、触媒ユニット20、DPF(本発明のフィルタに該当する)21が介装されている。触媒ユニット20は、筒状のケースの中に第1の酸化触媒22及び第2の酸化触媒23が収容されて形成されている。第1の酸化触媒22は排気上流側に設けられ、第2の酸化触媒23は第1の酸化触媒22と間隔をおいて下流側に設けられている。第1の酸化触媒22及び第2の酸化触媒23は、通路を形成する多孔質の壁にプラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒貴金属を担持して形成されており、排気中のCO及びHCを酸化させてCO2及びH2Oに変換させるとともに、排気中のNOを酸化させてNO2を生成する機能を有する。
ECU30の入力側には、上述したエアフローセンサ17、第1の温度センサ24、第2の温度センサ25、第3の温度センサ26及び差圧センサ27の他に、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ31、アクセルペダルの踏込量を検出するアクセルポジションセンサ32、及び車速を検出する車速センサ33等が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。
図2は、ECU30におけるPMの偏堆積指標Idの演算手順を示すブロック図である。偏堆積指標Idの演算は、エンジン1が運転状態であるときに実施され、単位時間t1(例えば、エンジン1の1燃焼サイクル)毎に繰り返される。
積算部53では、乗算部52において演算された単位時間t1当たりの偏堆積指標Id1を前回の強制再生終了から積算し、偏堆積指標Idを演算する。なお、偏堆積係数演算部51、乗算部52及び積算部53において偏堆積指標Idを演算する一連の制御が、本発明の偏堆積指標演算手段に該当する。
補正量演算部60では、積算部53において演算された偏堆積指標Idに基づいて、DPF21に堆積可能なPMの許容量Qpを補正する補正量Qdを演算する。この補正量Qdの演算は、あらかじめ実験等により確認され記憶装置に記憶された図6に示すようなグラフから読み出して行われる。図6は偏堆積指標Idと補正量Qdとの関係を示すグラフである。図6に示されるように、補正量Qdは、偏堆積指標Idの増加とともに上限値に向かって増加する傾向にある。
そして、ECU30は、差圧センサ27により検出された差圧Pdと排気流量Qdとに基づいてDPF21におけるPMの堆積量Qaを演算し、この堆積量Qaが補正部61において演算された再生開始堆積量Qrに達したときに強制再生を開始させる。なお、ECU30において、PMの堆積量Qaを演算する制御が本発明の堆積量推定手段に該当するとともに、補正量演算部60及び補正部61において再生開始堆積量Qrを演算し、この再生開始堆積量QrとPMの堆積量Qaとに基づいて強制再生を開始させる制御が本発明の補正手段に該当する。
3 燃料噴射ノズル
21 DPF
30 ECU
50 PM排出量演算部
51 偏堆積係数演算部
52 乗算部
53 積算部
60 補正量演算部
61 補正部
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中のパティキュレートを捕集するフィルタと、
前記内燃機関からのパティキュレートの排出量を推定するパティキュレート排出量推定手段と、
前記フィルタの前後の排気の差圧に基づいて、該フィルタに捕集されるパティキュレートの堆積量を推定する堆積量推定手段と、
前記堆積量推定手段により推定されたパティキュレートの堆積量に基づいた時期に作動し、前記フィルタに堆積したパティキュレートを燃焼させて、前記フィルタを強制再生させる強制再生手段と、
前記パティキュレート排出量推定手段により推定されたパティキュレートの排出量と前記内燃機関の排気流量とに基づいて前記フィルタに堆積するパティキュレートの偏堆積度合に相関する偏堆積指標を演算する偏堆積指標演算手段と、
前記偏堆積指標演算手段により演算されたパティキュレートの偏堆積指標に基づき前記強制再生手段の作動時期を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記補正手段は、前記偏堆積指標が大きいときは、小さいときに比べて、前記強制再生手段の作動時期を早めるよう補正することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記パティキュレート排出量推定手段は、前記内燃機関の回転速度及び負荷に基づいてパティキュレートの排出量を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記偏堆積指標演算手段は、前記パティキュレート排出量推定手段により推定されたパティキュレートの排出量と前記内燃機関の排気流量とに基づいて前記フィルタにおけるパティキュレートの単位時間当たりの偏堆積度合を演算し、該単位時間当たりの偏堆積度合を積算して前記偏堆積指標を演算することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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