JP4506978B2 - 排気浄化装置 - Google Patents

排気浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4506978B2
JP4506978B2 JP2005364836A JP2005364836A JP4506978B2 JP 4506978 B2 JP4506978 B2 JP 4506978B2 JP 2005364836 A JP2005364836 A JP 2005364836A JP 2005364836 A JP2005364836 A JP 2005364836A JP 4506978 B2 JP4506978 B2 JP 4506978B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
amount
pores
differential pressure
exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005364836A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007170194A (ja
Inventor
功次 佐竹
哲朗 石田
裕樹 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2005364836A priority Critical patent/JP4506978B2/ja
Publication of JP2007170194A publication Critical patent/JP2007170194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4506978B2 publication Critical patent/JP4506978B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)

Description

本発明はエンジンの排気浄化装置に関し、より詳しくはエンジンの排気中に含まれるパティキュレートを捕集するためのパティキュレートフィルタを備えた排気浄化装置に関する。
従来より、ディーゼルエンジン等のエンジンの排気通路にパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)を設け、エンジンから排出される排気中に含まれるパティキュレート(以下PMという)をフィルタで捕集し、PMが大気中に放出されないようにした排気浄化装置が知られている。
図7は、このような排気浄化装置に使用されるPM補修用のフィルタの例としてその一部を示した模式図であり、図8は図7のフィルタの一部を拡大した図である。図7に示すようにフィルタ102は、上流側と下流側とを連通する通路102aが多数並設されると共に通路102aの上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されたセラミック担体102bからなり、図8に示すようにセラミック担体102bには内部に多数の細孔102cが形成されている。
このようなフィルタ102の上流側からエンジンの排気104が通路102a内に供給され、セラミック担体102b内の細孔102c内を流通して下流側に排出されることにより、排気中のPMがフィルタ102に堆積していく(図7中の符号106)。
フィルタにより排気中のPMの捕集を継続して行うことによって、捕集したPMがフィルタ内に次第に堆積していくと、これに伴って徐々に排気抵抗が増大する。フィルタへのPM堆積量が相当量に達すると、フィルタが目詰まりを起こしてフィルタの圧損によるエンジンの出力低下を無視することができなくなり、更にこれを放置すると最終的には排気流路が閉塞されてしまうことになるため、堆積したPMを何らかの方法で適宜焼却除去してフィルタの再生を行う必要があるが、フィルタの再生方法には連続再生と強制再生とがある。
フィルタの連続再生は、フィルタの上流側に配設した酸化触媒によって排気中のNO(一酸化窒素)を酸化させることによりNO(二酸化窒素)を生成し、このNOや排気中に含まれるO(酸素)を酸化剤として用いることにより、フィルタに堆積したPMを酸化させて連続的に除去するものである。
また、上述のような連続再生はエンジンの運転状態によって影響を受けるため、連続再生だけではフィルタに堆積したPMを十分に除去することができない。そこで、フィルタに堆積したPMを強制的に焼却して除去するために強制再生が行われる。強制再生の方法としては、排気通路に設けた燃料添加弁から排気中にHCを供給したり、エンジンの膨張行程や排気行程で気筒内に追加燃料を噴射することにより排気通路にHCを供給したりして、PMが燃焼可能な温度まで排気温度を上昇させることが知られている。
このような強制再生は、フィルタへのPM堆積量が所定量を超えたと推定されるときに実施するようにしているが、PM堆積量の推定が精度よく行われないと、必要以上にフィルタの強制再生が実施されることにより燃料が過剰に消費されて燃費の悪化を招いたり、不十分な強制再生によりフィルタが目詰まりを起こしたりするといった問題が生じる可能性がある。
フィルタへのPM堆積量の推定は、フィルタ前後の排気の差圧に基づいて行うのが一般的であるが、より正確なPM堆積量の推定を行うため、エンジンによるPM生成量とフィルタにおけるPM燃焼速度とに基づき、フィルタに堆積しているPM量を推定するようにした排気浄化装置が特許文献1により提案されている。
特許文献1の排気浄化装置によれば、フィルタにおけるPM燃焼速度はフィルタ温度やフィルタに流入する排気中のNOx濃度やO濃度によって変化するため、これらフィルタ温度、NOx濃度及びO濃度によって補正した燃焼速度を用いてPM堆積量の推定が行われる。
特開2002−97930号公報
フィルタにおけるPMの堆積は、フィルタに形成されている細孔内への堆積とフィルタ表面への堆積とがあり、細孔内への堆積が先に行われ、細孔内へのPM堆積が飽和した後にフィルタ表面への堆積が行われる。また、PMの燃焼は細孔内のPMから先に行われ、細孔内のPMが完全に燃焼してからフィルタ表面のPMが燃焼し、フィルタ表面のPMが完全に燃焼した後でなければ細孔内へのPM堆積が再び行われない。
このように、フィルタにおけるPMの堆積及び燃焼の形態は、細孔内とフィルタ表面とで相違しており、上記特許文献1の排気浄化装置のように、単にフィルタ温度、NOx濃度及びO濃度によって補正したPMの燃焼速度を用いるだけでは、細孔内のPM燃焼量を推定できずPM堆積量を正確に推定することが困難である。
また、従来の一般的な手法であるフィルタ前後の差圧に基づくPM堆積量の推定においても、このようなフィルタにおけるPMの堆積及び燃焼の形態の相違があるため、単に差圧を用いた一義的なPM堆積量の推定を行うだけでは正確なPM堆積量を得ることができない。
具体的に図5を用いて説明する。図5はフィルタ前後の差圧とフィルタの全PM推定量との関係を示す。実線は細孔内にPMが飽和した状態で、一点鎖線は細孔内にPMが堆積していない状態のものである。例えば差圧がPdであった場合、細孔内にPMが飽和した状態ではPM堆積量はi点に対応したPM3となるが、細孔内のPMが完全に燃焼した状態ではPM堆積量はh点に対応したPM2となり、同じ差圧でも細孔内のPM堆積量に応じて、PMの推定堆積量に極めて大きな誤差が生じてしまうことになる。
このように、細孔内及びフィルタ表面の両方にPMが堆積している状態では、細孔内のPM堆積量を正確に把握しないと、フィルタの全PM堆積量を正確に求めることができないという問題がある。
また、細孔内のPM堆積量を求める上で必要となる細孔内でのPM燃焼量は細孔内のPM燃焼速度によって変化するが、PM燃焼速度はフィルタのPM堆積量によって変動するため、予め定めた特定のPM燃焼速度を用いて細孔内のPM堆積量を推定したのでは、依然としてフィルタへの全PM堆積量を正確に求めることができないという問題がある。
なお、フィルタ表面にPMが堆積した状態で細孔内に再びPMが堆積することはないため、細孔内のPMが完全に燃焼した後は、フィルタ表面のPMの堆積及び燃焼によるPM堆積量の変化に伴い、図5中のa点とf点とを結ぶ一点鎖線上で差圧が変化することになる。従って、この状態ではフィルタ前後の差圧に基づきPM堆積量を正確に推定することが可能となる。
以上のように、一般的な差圧に基づくPM堆積量の推定においても、フィルタの表面と細孔におけるPMの堆積及び燃焼の形態の相違により、必ずしも正確にPM堆積量を推定することができない。
このため、必要以上にフィルタの強制再生が実施されることにより燃料が過剰に消費されて燃費の悪化を招いたり、不十分な強制再生によりフィルタが目詰まりを起こしたりするといった問題が依然として生じる可能性がある。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィルタへのPM堆積量を正確に推定して、フィルタの再生を効率良く的確に行うことができる排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の排気浄化装置は、エンジンの排気通路に配設されたフィルタにより捕集されて堆積しているパティキュレートの全堆積量を繰り返し推定する排気浄化装置において、排気を細孔内に流通させることにより細孔内及び表面に排気中のパティキュレートを捕集して堆積させるフィルタと、上記フィルタの温度を検出するフィルタ温度検出手段と、上記フィルタ温度検出手段によって検出された上記フィルタの温度に基づく上記細孔内におけるパティキュレートの基本燃焼量を、前回推定した上記フィルタの全パティキュレート堆積量に基づき補正して上記細孔内のパティキュレート燃焼量を求める燃焼量演算手段と、上記燃焼量演算手段によって求められた上記パティキュレート燃焼量に基づき、上記フィルタへの全パティキュレート堆積量を推定する堆積量推定手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。
このように構成された本発明の排気浄化装置によれば、フィルタにより捕集されて堆積しているパティキュレートの全堆積量を繰り返し推定する際に、フィルタの温度に基づくフィルタの細孔内におけるパティキュレートの基本燃焼量を、前回推定したフィルタの全パティキュレート堆積量に基づき補正して細孔内のパティキュレート燃焼量を求める。そして、このようにして求められた細孔内のパティキュレート燃焼量に基づき、フィルタへのパティキュレート堆積量を推定する。
また、上記排気浄化装置において、上記フィルタの前後の差圧を検出する差圧検出手段を更に備え、上記堆積量推定手段は、予め設定された上記差圧と上記フィルタへのパティキュレート堆積量との関係と、上記差圧検出手段によって検出された上記差圧とに基づき、上記フィルタへの全パティキュレート堆積量を推定するものであって、上記燃焼量演算手段によって求められた上記細孔内での上記パティキュレート燃焼量に応じて上記差圧と上記フィルタへのパティキュレート堆積量との関係を補正することを特徴とする(請求項2)。
このように構成された排気浄化装置によれば、予め設定されたフィルタ前後の差圧とフィルタへのパティキュレート堆積量との関係を、細孔内でのパティキュレート燃焼量に応じて補正し、補正後の上記関係とフィルタ前後の差圧とに基づきフィルタへの全パティキュレート堆積量を推定する。
更に、上記排気浄化装置において、上記堆積量推定手段は、上記フィルタの表面と上記細孔内の両方にパティキュレートが堆積しているときにのみ上記細孔内での上記パティキュレート燃焼量に基づく上記差圧と上記フィルタへのパティキュレート堆積量との関係の補正を行うことを特徴とする(請求項3)。
このように構成された排気浄化装置によれば、フィルタの細孔内におけるパティキュレートの燃焼量に基づく差圧とフィルタへのパティキュレート堆積量との関係の補正は、フィルタの表面と細孔内の両方にパティキュレートが堆積しているときにのみ行われる。
本発明の排気浄化装置によれば、フィルタにより捕集されて堆積しているパティキュレートの全堆積量を繰り返し推定する際に、フィルタの温度に基づくフィルタの細孔内におけるパティキュレートの基本燃焼量を、前回推定したフィルタの全パティキュレート堆積量に基づき補正することにより細孔内でのパティキュレート燃焼量を求めるようにしたので、細孔内におけるパティキュレートの燃焼量を正確に推定することができ、その結果として細孔内に堆積したパティキュレートの量を正確に推定することが可能となる。
また、フィルタ前後の差圧に基づきフィルタへのパティキュレート堆積量を推定する場合、パティキュレートの推定量に大きな影響を及ぼす細孔内のパティキュレート堆積量が正確に得られているため、フィルタへの全パティキュレート堆積量も正確に推定することが可能となる。
また、このようにフィルタへの全パティキュレート堆積量を正確に推定することによって、フィルタの強制再生を適切な時期に行うことが可能となり、必要以上に強制再生を行って燃費が悪化したり、不十分な強制再生の実施によりフィルタに目詰まりが発生したりするといった不具合も防止することが可能となる。
また、前述したようにフィルタ前後の差圧に基づくパティキュレート堆積量の推定は、フィルタの表面と細孔内の両方にパティキュレートが堆積しているときに大きな誤差が生じやすく、それ以外の場合には細孔内でのパティキュレート燃焼量に基づく補正を行わずに正確な堆積量の推定が可能であるが、フィルタの表面と細孔内の両方にパティキュレートが堆積しているときにのみ、フィルタの細孔内におけるパティキュレート燃焼量に基づく全パティキュレート堆積量の推定を行うようにすれば、必要以上に余分な処理が行われることがなく、パティキュレート堆積量を推定するための処理を迅速に行うことが可能となる。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る排気浄化装置が適用された4気筒のディーゼルエンジン(以下、エンジンという)の全体構成図を示しており、図1に基づき本発明に係る排気浄化装置の構成を説明する。
エンジン1は各気筒に共通の高圧蓄圧室(以下コモンレールという)2を備えており、図示しない燃料噴射ポンプから供給されてコモンレール2に蓄えられた高圧の燃料である軽油を各気筒に設けられたインジェクタ4に供給し、各インジェクタ4からそれぞれの気筒の燃焼室6内に燃料が噴射される。
エアクリーナ8から吸入された吸気は、吸気通路10に装備されたターボチャージャ12のコンプレッサ12aへと流入し、コンプレッサ12aで過給された吸気はインタークーラ14及び吸気制御弁16を介して吸気マニホールド18に導入される。インタークーラ14はエンジン1の吸気効率を向上させるために吸気を冷却するものである。また、吸気制御弁16はエンジン1への吸入空気量を制御するためのものであり、エンジン1の排気温度を上昇させる必要があるときなどに閉弁方向に制御され、通常は全開位置に制御される。
吸気マニホールド18に導入された吸気は、図示しないカムによって開閉駆動される吸気弁20の開弁時に燃焼室6内に導入される。なお、エアクリーナ8とコンプレッサ12aとの間の吸気通路10には、エンジン1への吸入空気量を検出するためのエアフローセンサ22が設けられている。
インジェクタ4から噴射された燃料は燃焼室6内に導入された吸気と混合し、上昇するピストン24によって圧縮されることにより圧縮着火し、そのときの爆発力によってピストン24を押し下げクランク軸26を回転させる。
燃焼室6内での燃料の燃焼によって生じた排気は、図示しないカムによって開閉駆動される排気弁28の開弁時に燃焼室6から排気マニホールド30へと排出され、ターボチャージャ12のタービン12bを経て排気管32に流入する。タービン12bの回転軸はコンプレッサ12aの回転軸と連結されており、タービン12bが排気マニホールド30から流入する排気を受けてコンプレッサ12aを駆動する。なお、排気マニホールド30と吸気マニホールド18との間には、EGR弁34を介して排気マニホールド30と吸気マニホールド18とを連通するEGR通路36が設けられている。
排気管32は排気後処理装置38に接続されており、エンジン1から排出された排気が排気後処理装置38に流入し、排気後処理装置38によって浄化された排気が図示しない消音装置を経た後に大気中に排出されるようになっている。
排気後処理装置38は、上流側ケーシング40と、上流側ケーシング40の下流側に連通路42で連通された下流側ケーシング44とで構成される。上流側ケーシング40内には酸化触媒46が収容され、下流側ケーシング44内には、排気中のパティキュレート(以下PMという)を捕集するパティキュレートフィルタ(以下フィルタという)48が収容されている。
酸化触媒46は、排気中のNOを酸化させてNOを生成し、このNOを酸化剤としてフィルタ48に供給するものである。また、フィルタ48は、内部に細孔が多数形成されているセラミック担体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されている。
このように酸化触媒46とフィルタ48とを配置することにより、フィルタ48に捕集され堆積しているPMは、酸化触媒46から供給されたNOや排気中のOと反応して酸化し、フィルタ48の連続再生が行われるようになっている。
排気後処理装置38の入口近傍には排気後処理装置38に流入する排気、即ち酸化触媒46に流入する排気の温度を検出する入口側排気温度センサ50が設けられており、排気後処理装置38の出口側には排気後処理装置38から流出する排気、即ちフィルタ48から流出する排気の温度を検出する出口側排気温度センサ(フィルタ温度検出手段)52が設けられている。
更に、フィルタ48の上流側となる連通路42で分岐した上流側分岐通路54と、フィルタ48の下流側で分岐した下流側分岐通路56とが差圧センサ(差圧検出手段)58に接続されており、差圧センサ58によりフィルタ48前後の差圧が検出される。
ECU60は、エンジン1の運転制御をはじめとして総合的な制御を行うための制御装置であり、CPU、メモリ、タイマカウンタなどから構成され、様々な制御量の演算を行うと共に、その制御量に基づき各種デバイスの制御を行っている。
ECU60の入力側には、各種制御に必要な情報を収集するために、上述したエアフローセンサ22、入口側排気温度センサ50、出口側排気温度センサ52、及び差圧センサ58のほか、エンジン回転数を検出する回転数センサ62、及びアクセルペダルの踏込量を検出するアクセル開度センサ64などの各種センサ類が接続されており、出力側には演算した制御量に基づき制御が行われる各気筒のインジェクタ4、吸気制御弁16及びEGR弁34などの各種デバイス類が接続されている。
エンジン1の各気筒への燃料供給量の演算、及び演算した燃料供給量に基づくインジェクタ4からの燃料供給制御もECU60によって行われる。エンジン1の運転に必要な燃料供給量(主噴射量)、即ちエンジン1によるトルクの発生に必要な燃料供給量は、回転数センサ62によって検出されたエンジン回転数とアクセル開度センサ64によって検出されたアクセルペダル踏込量とに基づき、予め記憶しているマップから読み出して決定する。各気筒に供給される燃料の量は、インジェクタ4の開弁時間によって調整され、決定された燃料量に対応した駆動時間で各インジェクタ4が開弁駆動され、各気筒の燃焼室6内に主噴射が行われることにより、エンジン1の運転に必要な燃料量が供給される。
このように構成されたエンジン1の排気浄化装置では、酸化触媒46から供給されるNOや排気中のOを酸化剤として用いた連続再生により、フィルタ48に堆積したPMの除去が行われるが、エンジン1の排気温度が低い運転状態、例えば低速、低負荷運転などでは排気温度が酸化触媒46の活性化温度まで上昇せず、排気中のNOが酸化されずに連続再生が行われない場合がある。このような状態が継続すると、フィルタ48内にPMが過剰に堆積し、フィルタ48が目詰まりを起こすおそれがあるため、フィルタ48におけるPMの堆積状況に応じて、適宜強制再生が行われる。
フィルタ48を強制再生するための強制再生制御は、図2のフローチャートに従い、ECU60によって所定の制御周期で行われる。
まず、図2のステップS2において、強制再生フラグF1の値が1であるか否かを判定する。強制再生フラグF1は強制再生が必要であるか否かを示すものであり、値が1であると強制再生が必要であり、値が0であると強制再生が不要であることを示す。強制再生フラグF1の初期設定値は0となっており、最初の制御周期ではステップS2からステップS4へと進む。
ステップS4ではフィルタ48の強制再生が必要であるか否かの判定を行う。具体的には、後述する堆積量推定制御によって推定したフィルタ48の全PM堆積量が、予め設定された強制再生開始判定値以上である場合に、強制再生が必要であると判断している。
PMの推定堆積量が強制再生開始判定値未満である場合は、現時点での強制再生が不要であると判定し、この制御周期を終了し、次の制御周期において再びステップS2から処理を行う。
一方、強制再生が必要と判断した場合にはステップS6に進み、強制再生フラグF1の値を1とすることにより強制再生が必要であることを示すように変更し、次のステップS8に進む。
ステップS8では、入口側排気温度センサ50によって検出された酸化触媒46に流入する排気の温度Tinが250℃以上であるか否かを判定することにより、酸化触媒46が活性化しているか否かを判定する。
酸化触媒46に流入する排気の温度Tinが250℃未満である場合には、酸化触媒46が活性化していないものとしてステップS10に進み、酸化触媒46の昇温制御が行われる。この昇温制御は、酸化触媒46に高温の排気を供給することにより、酸化触媒46の温度を活性化温度(例えば250℃)まで昇温するものであり、吸気制御弁16を閉方向に制御して排気温度を上昇させると共に、必要に応じ各気筒の膨張行程においてインジェクタ4から燃焼室6内に第1の追加燃料噴射を行う。第1の追加燃料の噴射タイミングは、膨張行程終期よりも比較的早期であって、このようなタイミングで追加燃料を燃焼室6内に噴射することにより、追加燃料は燃焼室6内の高温の燃焼ガスと混合して、排気ポートや排気マニホールド30内で燃焼し、高温の排気が酸化触媒46に供給されることにより、酸化触媒46の温度が上昇する。
次にステップS18に進むと、ステップS4の時と同様に、後述の堆積量推定制御によって推定したフィルタ48の全PM堆積量が、予め設定された強制再生終了判定値以下であるか否かの判定を行う。
上述のように酸化触媒46はまだ十分活性化していない状況であるためPMの焼却は行われておらず、PMの推定堆積量は強制再生終了判定値より大であると判定されて今回の制御周期を終えるので、次の制御周期で再びステップS2から強制再生制御が行われる。
この場合、既に強制再生フラグF1の値は1となっているので、ECU60による処理はステップS2からステップS8へ進むことになる。
ステップS8で、酸化触媒46に流入する排気の温度Tinが250℃未満で酸化触媒46が依然として活性化していないと判定した場合には、再びステップS10で吸気制御弁16の閉方向への制御と第1追加燃料の噴射による触媒昇温制御が行われる。従って、酸化触媒46に流入する排気の温度Tinが250℃未満で、酸化触媒46が活性化していない間は、制御周期ごとにステップS10による触媒昇温制御が繰り返し行われる。
このようにして触媒昇温制御が繰り返され、酸化触媒46に流入する排気の温度Tinが250℃以上になって酸化触媒46が活性化したと判定すると、ECU60による処理はステップS8からステップS12へ進むようになる。
ステップS12では、出口側排気温度センサ52によって検出されたフィルタ48出口側の排気温度Toutに基づき、フィルタ48の温度が所定温度以上であるか否かが判定される。この所定温度は、フィルタ48でPMが最も効率よく燃焼する温度であり、本実施形態では600℃を所定温度とし、出口側排気温度センサ52によって検出されたフィルタ48出口側の排気温度Toutをフィルタ48の温度と見なしている。
ステップS12でフィルタ48出口側の排気温度Toutが600℃以上であると判定するとステップS14に進み、排気温度Toutが600℃未満であると判定するとステップS16に進む。
ステップS14及びS16は、フィルタ48の温度を600℃に維持するように、インジェクタ4から第2の追加燃料を各気筒の燃焼室6内に噴射するものであって、第2の追加燃料は排気行程で噴射されるようになっている。このような噴射タイミングで第2の追加燃料が燃焼室6内に噴射されることにより、第2の追加燃料は燃焼室6内や排気マニホールド30内で燃焼することなく酸化触媒46に達し、活性化温度にある酸化触媒46で燃料のHCが酸化される。このHCの酸化による排気温度の上昇によってフィルタ48の温度が600℃まで上昇し、フィルタ48に堆積したPMが焼却される。
第2の追加燃料の噴射量は、回転数センサ62によって検出されたエンジン回転数とECU60で決定される主噴射量とをパラメータとするマップに記憶されており、このマップは第2の追加燃料噴射量が比較的多めに設定された増量マップと、比較的少なめに設定された減量マップの2種類が用意されている。そして、ステップS14ではフィルタ48出口側の排気温度Toutが600℃以上であるため、減量マップを用いて比較的少なめの第2の追加燃料を噴射し、ステップS16ではフィルタ48出口側の排気温度Toutが600℃未満であるため、増量マップを用いて比較的多めの第2の追加燃料を噴射するようにしている。これによってフィルタ48の温度が600℃前後に維持され、フィルタ48に堆積したPMが良好に焼却除去される。
ステップS14又はS16で第2の追加燃料を噴射するとステップS18に進み、前述したように、PMの推定堆積量が強制再生終了判定値以下であるか否かを判定する。PMの推定堆積量が強制再生終了判定値より大である場合には、依然としてフィルタ48の強制再生が必要であると判断し、この制御周期を終えて、次の制御周期で再びステップS2から制御を行う。従って、PMの推定堆積量が強制再生終了判定値より大である限り、ステップS14又はS16によるフィルタ48の昇温により、フィルタ48に堆積しているPMの焼却除去が行われることになる。
一方、フィルタ48に堆積していたPMが焼却除去され、PMの全推定堆積量が強制再生終了判定値以下となり、ステップS18でフィルタ48の強制再生が完了したと判断されると、ステップS20に進み強制再生フラグF1の値を0として、今回の制御周期を終了する。
ステップS20により強制再生フラグF1の値が0になると、次の制御周期ではステップS2からステップS4へと処理が進むので、再びフィルタ48の強制再生が必要となるまでは、ステップS2からステップS4の処理が繰り返され、制御周期毎に強制再生の要否が判断される。
次に、上述した強制再生制御のステップS4における強制再生の要否判定やステップS18における強制再生の完了判定で使用するフィルタ48の全PM堆積量を推定するための堆積量推定制御について以下に説明する。
堆積量推定制御は、図3のフローチャートに従い、ECU60によって所定の制御周期で行われる。なお、ここではフィルタ48にPMが全く堆積していない状態から制御が開始されたものとする。
まず、ステップS102では表面堆積フラグF2の値が1であるか否かを判定する。フィルタ48へのPMの堆積は、図8に基づいて前述したようにフィルタ48表面への堆積(図8中の符号106aの部分に相当)と、フィルタ48の細孔内への堆積(図8中の符号106bの部分に相当)とがあり、表面堆積フラグF2はその値が1であることによって、フィルタ48の表面にPMが堆積していることを示すものである。表面堆積フラグF2の初期値は0となっており、処理はステップS102からステップS104へと進む。
ステップS104では、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧に基づき、フィルタ48の表面へのPM堆積があるか否かを判定する。
前述したように、フィルタ48へのPMの堆積はまず細孔内で行われ、細孔内へのPM堆積が飽和するとフィルタ48表面への堆積が始まる。このときのフィルタ48への全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係は図5に示すとおりであって、フィルタ48にPMが堆積していない状態から徐々にPMの堆積が行われると、細孔内へのPMの堆積に伴い、図5のa点から実線に沿って差圧が上昇していく。そして、b点で細孔内へのPMの堆積が飽和すると、その後はフィルタ48表面へのPMの堆積に伴い、それまでよりも緩やかにc点に向け実線に沿って差圧が上昇していく。従って、b点に対応する差圧を予め実験等で把握して記憶しておけば、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧がb点に対応した差圧に達したか否かでフィルタ48の表面へのPM堆積が開始されたか否かを判定することができる。
フィルタ48にPMが堆積していない状態から制御が開始されたことを前提としているので、当初はフィルタ48前後の差圧も図5のb点に相当する値まで上昇しておらず、ステップS104ではフィルタ48表面へのPM堆積がないものと判断してステップS106に進むことになる。
ステップS106では、予め記憶した図5の実線で示されるフィルタ48内の全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係から、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧に基づき、フィルタ48への全PM堆積量の推定を行う。フィルタ48では、エンジンから排出された排気がフィルタ48を通過することにより細孔内にPMが堆積していくが、それと並行して酸化触媒46から供給されるNOや排気中のOによる連続再生によりPMの除去も行われる。この時はまだ細孔内のみでPMの堆積及び除去が行われているので、PMの堆積及び除去に伴って生じるPM堆積量の変化に対し、差圧は図5のa点とb点との間の実線上を変化することになる。従って、ここでは図5に実線で示されるPM堆積量と差圧との関係を補正することなくそのまま使用することで、そのときに差圧センサ58で検出された差圧からフィルタ48への全PM堆積量を正確に推定することができる。
こうしてステップS106でPM堆積量を推定してその制御周期を終了すると、次の制御で再びステップS102から処理が開始されるが、表面堆積フラグF2の値は0のままであるため、再びステップS104に進んでフィルタ48表面へのPMの堆積があるか否かを判定する。従って、細孔内へのPM堆積が飽和して差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧が図5のb点に対応した値に達するまでは、ステップS106において図5の実線で示されるPM堆積量と差圧との関係に基づき、フィルタ48への全PM堆積量の推定が行われる。
PMの堆積が進み、細孔内へのPM堆積が飽和すると、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧が図5のb点に対応した値を超えることにより、ステップS104でフィルタ48表面へのPM堆積があると判定される。この場合、処理はステップS104からステップS108に進み、表面堆積フラグF2の値を1として、フィルタ48表面へのPM堆積があることを示すようにする。
次にステップS110に進むと、フィルタ48の細孔内にPMが堆積しているか否かを判定する。細孔内にPM堆積がないことは、後述するステップS112の処理において推定される細孔内のPM堆積量が実質的になくなることによって判定される。ステップS112の処理が1度も行われずにステップS110に進んだ場合には、細孔内へのPM堆積が飽和して最初の制御周期であることから、細孔内へのPM堆積があるものとしてステップS112に進む。
ステップS112では、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧に基づき、フィルタ48の全PM堆積量の推定を行う。但し、ここではステップS106におけるPM堆積量の推定とは異なり、図5に実線で示されるPM堆積量と差圧との関係を補正した上でPM堆積量の推定を行う。
即ち、細孔内へのPM堆積が飽和してフィルタ48の表面にPMが堆積している場合、細孔内のPM堆積が飽和したままであれば、フィルタ48表面へのPM堆積に伴いフィルタ48前後の差圧は図5のb点とc点との間の実線上で変化する。しかしながら、実際にはフィルタ48の連続再生や強制再生によって細孔内のPMが燃焼するため、この細孔内でのPMの燃焼に伴い、PM堆積量と差圧との関係は、図5のb点とc点との間の実線部分が、同じ傾きのままb点の部分をa点とb点との間の実線に沿ってa点側に向けて移動するように変化し、例えばa点からd点を経てe点へと至るような関係となる。そして細孔内のPMが完全に燃焼すると図5のa点とf点とを結ぶ一点鎖線に示すような関係となる。
このため、フィルタ48の表面にPMが堆積した状態では、図5のb点とc点との間の実線部分がどれだけa点とf点とを結ぶ一点鎖線に向けて平行移動したか、即ちd点がa点とb点との間のどの位置にあるかを正確に把握しなければ、全PM堆積量と差圧との関係を正確に補正して求めることができない。このd点のb点からのずれ量は細孔内のPM燃焼量に相当し、a点からのずれ量はそのときの細孔内のPM堆積量に対応したものである。
そこで、ステップS112ではこのような考えに基づき細孔内のPM堆積量に応じて図5に実線で示されるPM堆積量と差圧との関係を補正しながらフィルタ48の全PM堆積量を推定するのである。ステップS112における全PM堆積量の推定は、具体的には図4に示すフローチャートに従って行われる。
最初のステップS202では、出口側排気温度センサ52によって検出されたフィルタ48の出口側の排気温度をフィルタ48の温度として読み込みステップS204に進む。なお、本実施形態のように出口側排気温度センサ52の検出値をそのままフィルタ48の温度として用いずに、出口側排気温度センサ52の検出値に1次遅れフィルタなどを適用してフィルタ48の温度を推定するようにしてもよい。
ステップS204では、前回の制御周期で推定された細孔内のPM堆積量を読み込む。なお、初めてステップS204に進んだ場合には、細孔内のPM堆積が飽和してから最初の制御周期であるため、予め実験等によって把握されECU60内に記憶している細孔内の飽和PM堆積量を前回の細孔内推定堆積量として使用する。
次にステップS206に進むと、前回の制御周期で推定されたフィルタ48の全PM堆積量Qoldを読み込む。なお、初めてステップS206に進んだ場合には、細孔内へのPM堆積が飽和してから最初の制御周期であることから、細孔内に堆積したPMは燃焼していないものとして、図5の実線によって示されるフィルタ48内の全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係(a点〜b点〜c点)を用い、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧に対応して読み出したPM堆積量を前回の全PM堆積量Qoldとする。
次のステップS208では、ステップS206で読み込んだ前回の全PM推定堆積量Qoldと予め設定された基準PM堆積量Qrefとの偏差ΔQpmを算出して次のステップS210に進む。
ステップS210では、ステップS202で読み込んだフィルタ48の温度に基づき細孔内におけるPMの基本燃焼量を演算する。具体的には、フィルタ48の仕様などに応じて予め設定されて記憶しているフィルタ48の温度と細孔内におけるPMの基本燃焼速度との関係から、ステップS202で読み込んだフィルタ48の温度に対応するPMの基本燃焼速度を読み出す。次に、この基本燃焼速度に1回の制御周期に相当する時間を乗算することにより、1回の制御周期の間の細孔内におけるPMの基本燃焼量が求められる。
ステップS210で用いられるフィルタ温度とPMの基本燃焼速度との関係は図6に示すようになっており、フィルタ温度の上昇と共に細孔内におけるPMの燃焼速度も増大する。フィルタ48の細孔内に堆積したPMの燃焼速度は、フィルタ48の全PM堆積量によって影響を受け、同じフィルタ温度の場合には全PM堆積量が増大するほど細孔内のPM燃焼速度が増大する。図6に示す関係は、フィルタ48の全PM堆積量がある特定の量であるときに対応したものであり、このときの全PM堆積量がステップS208で用いた基準PM堆積量Qrefに対応している。
そこで、次のステップS212では、ステップS208で求めた基準PM堆積量Qrefからの偏差ΔQpmに所定の補正ゲインを乗算したものを、ステップS210で求めた細孔内におけるPM基本燃焼量に加えることによりPM基本燃焼量を補正し、1回の制御周期の間の細孔内における実際のPM燃焼量を求める(燃焼量演算手段)。この所定補正ゲインは、図6におけるフィルタ温度とPM基本燃焼速度との関係の前提となっている基準PM堆積量Qrefからの全PM堆積量のずれに対し、実際のPM燃焼速度がどの程度異なるかを予め実験等により確認して求められたものである。
次にステップS214に進むと、ステップS204で読み込んだ前回の細孔内PM推定堆積量から、ステップS212で求めた今回の細孔内におけるPM燃焼量を減じることにより、今回の細孔内PM推定堆積量を求め、次回の制御周期におけるステップS204で使用するためにこれを記憶した後、次のステップS216に進む。
ステップS214の処理により、図5におけるa点からのd点のずれ量である細孔内PM推定堆積量が判ったので、ステップS216では、ステップS214で求められた細孔内PM推定堆積量に対応するd点の位置まで図5のb点とc点との間の実線部分を平行移動して補正したフィルタ48内の全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係(例えば図5のa点〜d点〜e点)を用い、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧に対応するフィルタ48内の全PM堆積量を読み出し、これをフィルタ48における全PM堆積量とすると共に(堆積量推定手段)、次回の制御周期におけるステップS206で使用するために記憶し、今回の制御周期でのPM堆積量の推定を終了する。
こうして図3のステップS112によるフィルタ48の全PM堆積量の推定を行って、図3に示す堆積量推定制御でその制御周期を終了すると、次の制御周期で再びステップS102から処理を開始する。
このとき表面堆積フラグF2の値は既に1となっているため、処理はステップS102からステップS110に進むことになる。
ステップS110では、前回の制御周期においてステップS112で求めた細孔内のPM堆積量に基づき、細孔内へのPM堆積があるか否かを判定する。そして、細孔内へのPM堆積が依然としてあると判定した場合には、再びステップS112に進み、前述したように前回推定したフィルタ48への全PM堆積量に応じて得られた細孔内のPM堆積量に基づき、図5に示すフィルタ48内の全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係を補正しながらフィルタ48の全PM堆積量を推定し、その制御周期を終了する。従って、ステップS112で推定された細孔内のPM堆積量に基づき、細孔内のPM堆積が実質的になくなったとステップS110で判定するまでは、制御周期ごとに繰り返しステップS112によるフィルタ48の全PM堆積量の推定が行われることになる。
フィルタ48表面にPMが堆積している状態では細孔内に更にPMが堆積することはなく、フィルタ48の連続再生や強制再生によって細孔内のPMが燃焼除去され、ステップS112で推定した細孔内のPM堆積量に基づき、ステップS110で細孔内に実質的にPMが堆積していないと判定した場合には、ステップS114に進んでフィルタ48表面へのPM堆積があるか否かを判定する。
ステップS114におけるこの判定は、ステップS104で行った表面堆積の有無の判定とは判定方法が異なり、以下のような考えに基づいて行われる。
ステップS114に進んだときには細孔内のPMが全て燃焼した状態にあることから、フィルタ48内の全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係は、図5のa点とf点との間を結ぶ一点鎖線で示されることになる。また、フィルタ48の表面にPMが堆積している状態では細孔内へのPM堆積は生じないため、フィルタ48表面に堆積しているPMが全て燃焼しない限り、フィルタ48内のPM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係は一点鎖線で表されることになる。
即ち、フィルタ48表面に堆積したPMは細孔内のPMが全て燃焼した後で燃焼を開始し、フィルタ48表面のPM燃焼に伴い、フィルタ48前後の差圧は図5の一点鎖線上をa点に向けて移動する一方、エンジン1から排出された排気中に含まれるPMがフィルタ48表面に堆積するのに伴い、フィルタ48前後の差圧は図5の一点鎖線上をf点に向けて移動する。
フィルタ48の連続再生や強制再生によりフィルタ48表面のPMが燃焼し、実質的にフィルタ48表面のPM堆積がなくなるとフィルタ48前後の差圧は図5のa点に対応する値となる。
従って、ステップS114では差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧が図5のa点に対応した値に達したことをもって、フィルタ48表面にPM堆積がなくなったと判定する。a点に対応するフィルタ48前後の差圧はフィルタ48固有のものであって、フィルタ48の仕様によって定まるものであるため、ECU60は予め実験等によって求められたa点に対応する差圧を記憶している。
ステップS114でフィルタ48表面にPM堆積が依然としてあると判定した場合にはステップS116に進む。
上述したようにフィルタ48内のPM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係は図5の一点鎖線で表され、この一点鎖線の傾きはb点とc点とを結ぶ実線の傾きと同じであることから、図5の実線で表される関係に基づき、一点鎖線で表される関係についても予め求めることができる。ECU60はこの一点鎖線で表されるPM堆積量と差圧との関係についても予め記憶しており、ステップS116ではこの関係に基づき、差圧センサ58によって検出されたフィルタ48前後の差圧に対応するPM堆積量を読み出し、これをフィルタ48の全PM堆積量としてその制御周期を終了する。
また、ステップS114でフィルタ48表面にはPMが堆積していないと判定した場合にはステップS118に進む。ステップS118では、表面堆積フラグF2の値を0としてフィルタ48表面へのPM堆積がないことを表すようにし、その制御周期を終了する。
こうしてフィルタ48の強制再生や連続再生によってフィルタ48表面及び細孔内へのPM堆積が全くなくなった状態になると表面堆積フラグF2の値も0となるので、次の制御周期で再びステップS102から処理が開始されると、これまでに述べたものと同様にしてフィルタ48への全PM堆積量の推定が行われることになる。
以上のように本実施形態においては、フィルタ48の温度に基づき求められたフィルタ48の細孔内におけるPM基本燃焼量を、PMの燃焼速度に寄与するフィルタ48の全PM堆積量に基づき補正することにより、細孔内でのPM燃焼量を求めるようにしたので、この細孔内のPM燃焼量から細孔内のPM堆積量を正確に推定することが可能となる。そして、このようにして求めた細孔内のPM堆積量を用いて補正したフィルタ48内の全PM堆積量とフィルタ48前後の差圧との関係に基づき、フィルタ48の全PM堆積量を推定するようにしたので、フィルタ48の全PM堆積量を正確に推定することができる。
従って、図2のフローチャートによるフィルタ48の強制再生制御を行う場合に、フィルタ48の全PM堆積量に基づく強制再生の要否及び終了判定を正確に行うことができ、必要以上に強制再生を行って燃費が悪化したり、十分に強制再生が行われずにフィルタ48が目詰まりを起こしたりするようなことがなくなる。
以上で本発明の一実施形態に係る排気浄化装置についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、HCを供給してフィルタ48を強制再生するための手段としてインジェクタ4を用い、第1追加燃料噴射や第2追加燃料噴射を行うようにしたが、これに代えてフィルタ48よりも上流側の排気中に燃料を噴射してフィルタ48にHCを供給する燃料添加弁を設けるようにしてもよい。
更に、上記実施形態では、エンジンとして4気筒ディーゼルエンジンを用いたが、エンジンの気筒数及び種類はこれに限られるものではなく、排気中のPMを捕集するためのフィルタを必要とするものであればよい。
本発明の実施形態に係る排気浄化装置が適用されたエンジンの全体構成図である。 図1の排気浄化装置で行われるフィルタの強制再生制御のフローチャートである。 図1の排気浄化装置で行われる堆積量推定制御のフローチャートである。 図3の堆積量推定制御における、細孔内PM堆積量に基づく補正ありの場合の全PM堆積量推定の詳細を示すフローチャートである。 図4で用いられるフィルタ前後の差圧とフィルタ内の全PM堆積量との関係を示す図である。 図4で用いられる細孔内PMの基本燃焼速度とフィルタ温度との関係を示す図である。 フィルタにおけるPMの堆積状態を示す模式図である。 図7の一部を拡大して示す図である。
符号の説明
1 エンジン
48 フィルタ
52 出口側排気温度センサ(フィルタ温度検出手段)
58 差圧センサ(差圧検出手段)
60 ECU

Claims (3)

  1. エンジンの排気通路に配設されたフィルタにより捕集されて堆積しているパティキュレートの全堆積量を繰り返し推定する排気浄化装置において、
    排気を細孔内に流通させることにより細孔内及び表面に排気中のパティキュレートを捕集して堆積させるフィルタと、
    上記フィルタの温度を検出するフィルタ温度検出手段と、
    上記フィルタ温度検出手段によって検出された上記フィルタの温度に基づく上記細孔内におけるパティキュレートの基本燃焼量を、前回推定した上記フィルタの全パティキュレート堆積量に基づき補正して上記細孔内のパティキュレート燃焼量を求める燃焼量演算手段と、
    上記燃焼量演算手段によって求められた上記パティキュレート燃焼量に基づき、上記フィルタへの全パティキュレート堆積量を推定する堆積量推定手段
    とを備えたことを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記フィルタの前後の差圧を検出する差圧検出手段を更に備え、
    上記堆積量推定手段は、予め設定された上記差圧と上記フィルタへのパティキュレート堆積量との関係と、上記差圧検出手段によって検出された上記差圧とに基づき、上記フィルタの全パティキュレート堆積量を推定するものであって、上記燃焼量演算手段によって求められた上記細孔内での上記パティキュレート燃焼量に応じて上記差圧と上記フィルタへのパティキュレート堆積量との関係を補正することを特徴とする請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記堆積量推定手段は、上記フィルタの表面と上記細孔内の両方にパティキュレートが堆積しているときにのみ上記細孔内での上記パティキュレート燃焼量に基づく上記差圧と上記フィルタへのパティキュレート堆積量との関係の補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の排気浄化装置。
JP2005364836A 2005-12-19 2005-12-19 排気浄化装置 Active JP4506978B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005364836A JP4506978B2 (ja) 2005-12-19 2005-12-19 排気浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005364836A JP4506978B2 (ja) 2005-12-19 2005-12-19 排気浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007170194A JP2007170194A (ja) 2007-07-05
JP4506978B2 true JP4506978B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=38297082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005364836A Active JP4506978B2 (ja) 2005-12-19 2005-12-19 排気浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4506978B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5493268B2 (ja) * 2007-12-27 2014-05-14 いすゞ自動車株式会社 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
SE537854C2 (sv) * 2011-01-31 2015-11-03 Scania Cv Ab Förfarande och system för avgasrening

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001336414A (ja) * 2000-02-16 2001-12-07 Toyota Motor Corp 排気ガス浄化方法および排気ガス浄化装置
JP2004286019A (ja) * 2003-03-03 2004-10-14 Denso Corp 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP2005090358A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Nissan Motor Co Ltd ディーゼルエンジンのフィルタ再生制御装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0713452B2 (ja) * 1987-09-17 1995-02-15 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気粒子捕集器の粒子捕集量検出装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001336414A (ja) * 2000-02-16 2001-12-07 Toyota Motor Corp 排気ガス浄化方法および排気ガス浄化装置
JP2004286019A (ja) * 2003-03-03 2004-10-14 Denso Corp 内燃機関の排気ガス浄化装置
JP2005090358A (ja) * 2003-09-17 2005-04-07 Nissan Motor Co Ltd ディーゼルエンジンのフィルタ再生制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007170194A (ja) 2007-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4521824B2 (ja) 排気浄化装置
JP4592504B2 (ja) 排気浄化装置
JP3979437B1 (ja) 排気ガス浄化システムの制御方法及び排気ガス浄化システム
EP2216521B1 (en) Internal combustion engine exhaust gas control apparatus
EP2559876B1 (en) Exhaust gas purification device, and control method for exhaust gas purification device
JP2007040221A (ja) 排気浄化装置
JP2008031854A (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置
KR100721321B1 (ko) 내연기관의 배기정화장치
US10125652B2 (en) Control system for internal combustion engine and control method
JP2010265844A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4702557B2 (ja) 排気浄化装置
JP2006274906A (ja) 排気浄化装置
JP5370252B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4506978B2 (ja) 排気浄化装置
WO2013061860A1 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
EP2216531B1 (en) Internal combustion engine exhaust gas control apparatus
JP2006274907A (ja) 排気浄化装置
JP2010169052A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4333230B2 (ja) 内燃機関の排気浄化システム
JP2006242072A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP2006274980A (ja) 排気浄化装置
JP2006002672A (ja) パティキュレート堆積量推定方法及びパティキュレートフィルタ再生処理装置
JP2007170193A (ja) 排気浄化装置
JP2006274978A (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4107017B2 (ja) エンジン制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100407

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100420

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4506978

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350