JP2005226483A - 内燃機関における排気ガス浄化装置 - Google Patents

内燃機関における排気ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】不浄物質を捕集する捕集手段の再生のために行なわれる堆積状態の推定の精度を向上する。
【解決手段】捕集器25は、排気ガスに含まれる黒煙粒子(不浄物質)を捕集する。差圧検出器26は、捕集器25における上流側と下流側との圧力差を検出する。制御コンピュータ21は、差圧の情報から捕集器25における黒煙粒子の堆積量を推定すると共に、エンジン作動状態の情報(アクセル開度検出器19によって得られる踏み込み角検出情報及びクランク角度検出器20によって得られるクランク角度検出情報)から捕集器25における黒煙粒子の堆積量を推定する。制御コンピュータ21は、前記2種類の推定堆積量に基づいて、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理の一方を選択する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排気ガスに含まれる不浄物質を捕集する捕集手段を備えた内燃機関における排気ガス浄化装置に関するものである。
内燃機関で発生する排気ガス中の不浄物質(黒煙粒子等)を捕集する手段を排気通路上に設ける構成は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、黒煙粒子を捕集するフィルタの捕集機能を再生させるために、捕集した黒煙粒子を加熱して焼き切る手段が開示されている。特許文献1に開示の装置では、再生トラブル(例えば、異常高温)を回避するため、再生終了時におけるフィルタの前後の差圧を検出し、この検出結果に基づいてフィルタに堆積した黒煙粒子のうちの燃え残り量を推定している。推定した燃え残り量が多いときには、次回の再生開始までの期間を短くし、推定した燃え残り量が少ないときには、次回の再生開始までの期間を長くしている。
特開平5−231131号公報
黒煙粒子を加熱して除去する再生過程では、600°C程度の高温でフィルタを加熱するが、フィルタの周辺部から外部へ放熱が起きているために、フィルタの中心部が周辺部よりも高温になる。温度が高いほど黒煙粒子の燃焼が速くなるので、フィルタの中心部が周辺部よりも再生されやすい。その結果、フィルタの中心部ほど黒煙粒子の堆積密度が低くなるという偏堆積状態が生じる。
しかし、フィルタの前後の差圧を検出する手段では、偏堆積状態の有無を検出することはできない。つまり、偏堆積状態における堆積量と偏堆積ではない状態における堆積量とが同じである場合には、偏堆積状態における差圧が偏堆積ではない状態における差圧よりも低く検出されるが、差圧の情報のみからでは偏堆積の有無の区別はできない。これは、堆積状態の推定精度が悪いことを意味する。そのため、偏堆積のために燃え残り量が多い場合でも差圧が低く検出され、次回の再生開始までの期間が長くなってしまう。これは、再生トラブルをもたらす。
本発明は、再生のために行なわれる堆積状態の推定の精度を向上することを目的とする。
そのために本発明は、排気ガスに含まれる不浄物質を捕集する捕集手段を備えた内燃機関における排気ガス浄化装置を対象とし、請求項1の発明では、前記捕集手段における上流と下流との差圧の情報を用いて前記捕集手段における不浄物質の堆積量を推定する第1の堆積量推定手段と、エンジン作動状態の情報を用いて前記捕集手段における不浄物質の堆積量を推定する第2の堆積量推定手段と、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報とに基づいて、前記捕集手段における再生処理を制御する再生処理制御手段とを備えた排気ガス浄化装置を構成した。
不浄物質が偏堆積している状態から堆積が開始された場合における堆積量は、偏堆積ではない状態から不浄物質の堆積が開始された場合における堆積量よりも多い。エンジン作動状態の情報(例えば、回転数情報及びトルク情報)を用いて推定された堆積量と、差圧の情報を用いて推定された堆積量とは、前記した堆積量の違いを把握する情報として利用できる。推定された堆積量の違いが大きい場合には、推定された堆積量の違いが小さい場合の再生処理の能力(つまり、不浄物質を除去する能力)よりも大きい能力の再生処理を行なうといったように、再生処理を適正に選択することができる。
請求項2の発明では、請求項1において、前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値との差に基づいて、前記捕集手段における再生処理を制御するものとした。
エンジン作動状態の情報を用いて推定された堆積量の変化値と、差圧の情報を用いて推定された堆積量の変化値とは、前記した堆積量の違いを把握する情報として好適である。
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報とに基づいて、前記捕集手段の再生処理時の処理時間及び捕集手段の温度の少なくとも1つを制御するものとした。
再生処理の能力(つまり、不浄物質を除去する能力)は、捕集手段の再生処理時の処理時間あるいは捕集手段の温度を変更することによって変えられる。推定された堆積量の違いが大きい場合には、推定された堆積量の違いが小さい場合よりも再生処理時の処理時間を長くしたり、推定された堆積量の違いが小さい場合よりも捕集手段の温度を高くしたりすることにより、再生処理を適正に選択することができる。
請求項4の発明では、請求項1において、前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報とに基づいて、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理の一方を選択して前記捕集手段における再生処理を制御するものとした。
通常堆積用再生処理は、例えば、捕集手段の温度を所定の温度にして不浄物質を除去する処理であり、偏堆積用再生処理は、捕集手段の温度を前記の所定の温度よりも高い所定の温度にして不浄物質を除去する処理である。あるいは通常堆積用再生処理は、例えば、再生処理時の処理時間を所定の処理時間にして不浄物質を除去する処理であり、偏堆積用再生処理は、再生処理時の処理時間を前記の所定の処理時間よりも長い所定の処理時間にして不浄物質を除去する処理である。推定された堆積量の違いが大きい場合には偏堆積用再生処理が選択され、推定された堆積量の違いが小さい場合には通常堆積用再生処理が選択される。
請求項5の発明では、請求項4において、前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値が前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値よりも予め設定された閾値以上に大きい場合に、前記偏堆積用再生処理を選択するものとした。
再生処理制御手段は、第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値が第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値よりも前記閾値に達した場合には、偏堆積状態にあるとの判定を行なって偏堆積用再生処理を選択する。第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値が第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値よりも予め設定された閾値に達しない場合には、通常堆積用再生処理が選択される。
請求項6の発明では、請求項4及び請求項5のいずれか1項において、前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段又は前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量が予め設定された基準値に達した場合に、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理の一方を選択して前記捕集手段における再生処理を制御するものとした。
基準値は、再生処理開始に適した堆積量であってもよいし、再生処理開始に適した堆積量よりも少ない堆積量であってもよい。基準値を再生処理開始に適した堆積量よりも少ない堆積量とした場合には、推定堆積量が基準値になってから再生処理を開始するのが望ましい。
請求項7の発明では、請求項6において、前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量が前記基準値に達した場合には、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理に基づいて前記捕集手段における再生処理を遂行するものとした。
第1の堆積量推定手段は、差圧に基づいて堆積量を推定する。差圧に基づいて推定された堆積量が基準値に達したときに再生処理の選択を行なう構成は、過剰堆積を回避する上で有効である。
本発明は、再生のために行なわれる堆積状態の推定の精度を向上できるという優れた効果を奏する。
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
図1に示すように、内燃機関10は、複数の気筒12を備えており、気筒12に対応するシリンダヘッド13には気筒12毎に燃料噴射ノズル14が取り付けられている。燃料噴射ノズル14は、各気筒12内に燃料を噴射する。11は、燃料噴射ノズル14を含む燃料噴射装置を表す。
シリンダヘッド13にはインテークマニホールド15が接続されている。インテークマニホールド15は、吸気通路16に接続されている。吸気通路16は、エアクリーナ17に接続されている。吸気通路16の途中にはスロットル弁18が設けられている。スロットル弁18は、エアクリーナ17を経由して吸気通路16に吸入される空気流量を調整するためのものである。スロットル弁18は、図示しないアクセルペダルの操作に伴って開度調整される。
アクセルペダルの踏み込み角は、アクセル開度検出器19によって検出される。図示しないクランクシャフトの回転角度(クランク角度)は、クランク角度検出器20によって検出される。アクセル開度検出器19によって得られた踏み込み角検出情報、及びクランク角度検出器20によって得られたクランク角度検出情報は、制御コンピュータ21に送られる。制御コンピュータ21は、踏み込み角検出情報及びクランク角度検出情報に基づいて、燃料噴射ノズル14における噴射開始時期及び噴射終了時期を制御する。
シリンダヘッド13にはエキゾーストマニホールド22が接続されている。気筒12から排出される排気ガスは、エキゾーストマニホールド22及び排気通路23を経由して大気に放出される。
吸気通路16にはエアフローメータ24が配設されている。エアフローメータ24は、吸気通路16内における空気流量を検出する。
排気通路23上には捕集器25が介在されている。捕集器25は、排気ガスに含まれる黒煙粒子(不浄物質)を捕集する捕集手段である。排気通路23には差圧検出器26が接続されている。差圧検出器26は、捕集器25における上流側と下流側との圧力差を検出する差圧検出手段である。
エアフローメータ24によって検出された空気流量Fの情報は、制御コンピュータ21に送られる。又、差圧検出器26によって検出された差圧ΔPの情報は、制御コンピュータ21に送られる。
制御コンピュータ21は、図3にフローチャートで示す再生処理制御プログラムを実行する。以下、図3のフローチャートに基づいて再生処理制御を説明する。内燃機関10は、作動状態にあるとする。
制御コンピュータ21は、差圧ΔP及びエンジン作動状態の各情報を所定の周期で取り込んでいる(ステップS1)。本実施形態では、エンジン作動状態の情報は、アクセル開度検出器19によって得られる踏み込み角検出情報及びクランク角度検出器20によって得られるクランク角度検出情報のことである。制御コンピュータ21は、差圧ΔPの情報から捕集器25における黒煙粒子の堆積量Mxを推定すると共に、エンジン作動状態の情報から捕集器25における黒煙粒子の堆積量Myを推定する(ステップS2)。制御コンピュータ21は、エンジン回転数とトルクとを変数とするマップを用いて黒煙粒子発生量の瞬時値を求め、この瞬時値を時間積分して推定堆積量Myを求める。制御コンピュータ21は、クランク角度検出器20によって得られるクランク角度の時間変化からエンジン回転数を求め、アクセル開度検出器19によって得られる踏み込み角検出情報とエンジン回転数との積としてトルクを求める。
制御コンピュータ21は、推定堆積量Mxが予め設定された基準値Mmaxに達したか否かを判定する(ステップS3)。推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達していない場合(ステップS3においてNO)、制御コンピュータ21は、ステップS1へ移行する。推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達した場合(ステップS3においてYES)、制御コンピュータ21は、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Mxの変化値ΔMx(本実施形態では微分値)及び推定堆積量Myの変化値ΔMy(本実施形態では微分値)を算出する(ステップS4)。
制御コンピュータ21は、算出した変化値ΔMxと変化値ΔMyとの差(ΔMx−ΔMy)と、予め設定された閾値α(>0)との大小関係を判定する(ステップS5)。差(ΔMx−ΔMy)が閾値α以上である場合、制御コンピュータ21は、偏堆積用再生処理を遂行する(ステップS6)。差(ΔMx−ΔMy)が閾値αに満たない場合、制御コンピュータ21は、通常堆積用再生処理を遂行する(ステップS7)。通常堆積用再生処理は、捕集器25内を所定の温度(例えば600°C)に加熱するための制御を所定時間にわたって行なう処理である。偏堆積用再生処理は、捕集器25内を通常堆積用再生処理時の場合よりも高温に加熱するための制御を前記所定時間にわたって行なう処理である。基準値Mmaxは、再生処理開始に適した堆積量である。
通常堆積用再生処理及び偏堆積用再生処理は、燃料噴射ノズル14における燃料噴射期間を長くして燃料噴射量を増大させる等により排気ガス温度を高めて黒煙粒子(不浄物質)を除去する処理である。制御コンピュータ21は、クランク角度検出器20によって得られるクランク角度検出情報に基づいて算出したエンジン回転数情報、燃料噴射期間情報、エアフローメータ24によって得られる空気流量情報等に基づいて、排気通路23における排気ガス温度Txを推定する。
制御コンピュータ21及びエアフローメータ24は、排気ガスの温度を推定する排気ガス温度推定手段を構成する。
制御コンピュータ21は、エアフローメータ24によって検出された空気流量Fと推定された排気ガス温度Txとの積を算出する。空気流量Fと推定された排気ガス温度Txとの積F×Txは、排気ガスエネルギーの推定値を表す。空気流量検出手段としてのエアフローメータ24及び制御コンピュータ21は、排気ガス温度推定手段及び排気ガスのエネルギーを推定する排気ガスエネルギー推定手段を構成する。推定された排気ガスエネルギーは、捕集器25内の温度を反映する。
通常堆積用再生処理の場合には、制御コンピュータ21は、捕集器25に捕集された黒煙粒子を焼き切るのに必要な温度(例えば600°C)に対応する排気ガスエネルギーとなるように、燃料噴射を制御する。このような通常堆積用再生処理が前記所定時間遂行される。偏堆積用再生処理の場合には、制御コンピュータ21は、通常堆積用再生処理の場合の加熱温度(例えば600°C)よりも高い温度に対応する排気ガスエネルギーとなるように、燃料噴射を制御する。このような偏堆積用再生処理が前記所定時間遂行される。
差圧検出器26及び制御コンピュータ21は、捕集器25における上流と下流との差圧の情報を用いて捕集器25における黒煙粒子(不浄物質)の堆積量を推定する第1の堆積量推定手段を構成する。アクセル開度検出器19、クランク角度検出器20及び制御コンピュータ21は、エンジン作動状態情報を用いて捕集器25における黒煙粒子の堆積量を推定する第2の堆積量推定手段を構成する。又、制御コンピュータ21は、推定堆積量Mx,Myに基づいて、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理の一方を選択して捕集器25における再生処理を制御する再生処理制御手段である。
第1の実施形態では以下の効果が得られる。
(1−1)図2(a)のグラフにおける線D1は、黒煙粒子が偏堆積していない状態から堆積が開始された場合であって、差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxの推移の例を表す。図2(b)のグラフにおける線E1は、黒煙粒子が偏堆積していない状態から堆積が開始された場合であって、エンジン作動状態の情報(本実施形態ではエンジン回転数情報及びトルク情報)に基づいて推定された堆積量Myの推移の例を表す。図2(c)のグラフにおける線D2は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxの推移の例を表す。図2(d)のグラフにおける線E2は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、エンジン作動状態の情報に基づいて推定された堆積量Myの推移の例を表す。各グラフにおけるToは、再生開始時刻を表し、図2(c),(d)におけるT1は、推定堆積量MxがMmaxに達したときの時刻を表す。図2(c)におけるMoは、黒煙粒子の偏堆積量(残存量)を表す。なお、線D1,E1,D2,E2は、推定堆積量の推移の傾向を示すものであって、正確な推移を示すものではない。
黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の堆積量(未飽和状態での堆積量)は、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合における堆積量よりも常に多い。この堆積量の違いは、堆積開始前の偏堆積の量(残存量)程度である。エンジン作動状態の情報(本実施形態ではエンジン回転数情報及びトルク情報)を用いて推定された堆積量Myと、差圧ΔPの情報を用いて推定された堆積量Mxとは、前記した堆積量の違い(つまり、偏堆積状態から堆積開始したか否かの違い)を把握する情報として利用できる。
黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の実際の堆積量の変化(堆積速度)と、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合の実際の堆積量の変化(堆積速度)とが同じである場合を想定してみる。このような場合、黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の差圧ΔPの変化は、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合の差圧ΔPの変化よりも大きい。つまり、黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の推定堆積量の変化値ΔMxは、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合の変化値ΔMxよりも大きい。しかし、エンジン作動状態の情報(本実施形態ではエンジン回転数情報及びトルク情報)を用いて推定された堆積量Myの変化は、黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合と、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合とで殆ど違いを生じない。
従って、差圧ΔPの情報を用いて推定された堆積量Mxの変化値ΔMxと、エンジン作動状態の情報を用いて推定された堆積量Myの変化値ΔMyとの差が大きいか否かを把握すれば、前記した堆積量の違いを把握することができる。つまり、偏堆積状態から堆積開始されたか否かは、推定された堆積量Mxの変化値ΔMxと、推定された堆積量Myの変化値ΔMyとの差に基づいて、把握できる。これは、再生のために行なわれる堆積状態の推定(偏堆積状態から堆積開始したときの堆積状態か、あるいは偏堆積ではない状態から堆積開始したときの堆積状態かという推定)の精度が従来よりも向上することを意味する。
(1−2)黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合、差圧に基づく推定堆積量Mxは、同時刻におけるエンジン作動状態情報(本実施形態では、エンジン回転数情報及びトルク情報)に基づく推定堆積量Myよりも多くなると見なせる。従って、黒煙粒子が偏堆積の状態から堆積が開始された場合、差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxが予め設定された基準値Mmaxに達する時は、エンジン作動状態情報に基づいて推定された堆積量が基準値Mmaxに達する時よりも早い。再生処理開始時に過剰堆積が生じているとすると、再生処理に伴って異常高温となるおそれがある。異常高温状態は、捕集器25の捕集機能を破壊するおそれがある。差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxが予め設定された基準値Mmaxに達したときに再生処理の選択を行なう構成は、過剰堆積を回避する上で有効である。
次に、図4(a),(b),(c)及び図5の第2の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
第2の実施形態における制御コンピュータ21Aは、図5にフローチャートで示す再生処理制御プログラムを実行する。
第2の実施形態における再生処理制御プログラムでは、第1の実施形態における再生処理制御プログラムにおけるステップS4,S5の代わりに、ステップS8を遂行する点のみが第1の実施形態と異なる。以下においては、この異なるステップS8についてのみ説明する。
推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達すると、制御コンピュータ21Aは、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Myと基準値Mmaxとの差(Mmax−My)が予め設定された閾値β(>0)以上か否かを判定する。差(Mmax−My)が閾値βに達している場合(ステップS8においてYES)、制御コンピュータ21Aは、偏堆積用再生処理を遂行する。差(Mmax−My)が閾値βに満たない場合(ステップS8においてNO)、制御コンピュータ21Aは、通常堆積用再生処理を遂行する。
図4(b)のグラフにおける線D3は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxの推移の例を表す。図4(c)のグラフにおける線E3は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、エンジン作動状態の情報に基づいて推定された堆積量Myの推移の例を表す。なお、線D3,E3は、堆積量の推移の傾向を示すものであって、正確な推移を示すものではない。
図4(c)におけるMy1は、推定堆積量MxがMmaxに達したとき(時刻T1)の推定堆積量Myを表す。ステップS8は、差(Mmax−My1)が閾値βに達したか否かを判定するステップである。
黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の堆積量(未飽和状態での堆積量)は、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合における堆積量よりも常に多い。この堆積量の違いは、堆積開始前の偏堆積の量(残存量)程度である。第2の実施形態は、この堆積量の違いを差(Mmax−My1)から把握しようとするものである。つまり、差(Mmax−My1)が大きすぎる場合には、黒煙粒子が偏堆積状態から堆積開始したものとの判定が行われ、偏堆積用再生処理が選択される。
第2の実施形態においても、再生のために行なわれる堆積状態の推定(偏堆積状態から堆積開始した堆積状態か、あるいは偏堆積ではない状態から堆積開始した堆積状態かという推定)の精度が従来よりも向上する。
次に、図6(a),(b),(c)及び図7の第3の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
第3の実施形態における制御コンピュータ21Bは、図7にフローチャートで示す再生処理制御プログラムを実行する。
第3の実施形態における再生処理制御プログラムでは、第1の実施形態における再生処理制御プログラムにおけるステップS3,S4,S5の代わりに、ステップS9〜S13を遂行する点が第1の実施形態と異なる。以下においては、この異なるステップS9〜S13についてのみ説明する。
推定堆積量Mxが予め設定された基準値Md(<Mmax)に達した場合(ステップS9においてYES)、制御コンピュータ21Bは、推定堆積量Mxが基準値Mdに達したときの推定堆積量Mxの変化値ΔMxd及び推定堆積量Myの変化値ΔMyeを算出する(ステップS10)。変化値ΔMxd,ΔMyeは、微分値である。制御コンピュータ21Bは、算出した変化値ΔMxdと変化値ΔMyeとの差(ΔMxd−ΔMye)と、予め設定された閾値γ(>0)との大小関係を判定する(ステップS11)。
差(ΔMxd−ΔMye)が閾値γ以上である(ステップS11においてYES)との判定が行われたとする。制御コンピュータ21Bは、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したか否かを判定し(ステップS12)、推定堆積量Mxが予め設定された基準値Mmaxに達した場合(ステップS12においてYES)には偏堆積用再生処理を遂行する(ステップS6)。差(ΔMxd−ΔMye)が閾値γに満たない(ステップS11においてNO)との判定が行われたとする。制御コンピュータ21Bは、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したか否かを判定し(ステップS13)、推定堆積量Mxが予め設定された基準値Mmaxに達した場合(ステップS13においてYES)には通常堆積用再生処理を遂行する(ステップS7)。
図6(b)のグラフにおける線D4は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxの推移の例を表す。図6(c)のグラフにおける線E4は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、エンジン作動状態の情報に基づいて推定された堆積量Myの推移の例を表す。図6(b),(c)におけるT2は、推定堆積量Mxが基準値Mdに達したときの時刻を表し、T3は、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したときの時刻を表す。なお、線D4,E4は、堆積量の推移の傾向を示すものであって、正確な推移を示すものではない。
第3の実施形態では、偏堆積用再生処理又は通常堆積用再生処理の選択は、推定堆積量Mxが再生開始に適した基準値Mmaxよりも小さい基準値Mdに達したときに行われる。そして、再生処理は、推定堆積量Mxが再生開始に適した基準値Mmaxに達したときに開始される。
推定堆積量Mxが再生開始に適した基準値Mmaxに向けて推移する途中においても、黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の差圧ΔPの変化は、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合の差圧ΔPの変化よりも大きい。従って、黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合には、推定堆積量Mxが再生開始に適した基準値Mmaxに向けて推移する途中においても、推定堆積量Mxの変化値ΔMxと、推定堆積量Myの変化値ΔMyとに差があることを把握することができる。その結果、第3の実施形態においても、再生のために行なわれる堆積状態の推定(偏堆積状態から堆積開始した堆積状態か、あるいは偏堆積ではない状態から堆積開始した堆積状態かという推定)の精度が従来よりも向上する。
次に、図8(a),(b),(c)及び図9の第4の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
第4の実施形態における制御コンピュータ21Cは、図9にフローチャートで示す再生処理制御プログラムを実行する。
第4の実施形態における再生処理制御プログラムでは、第1の実施形態における再生処理制御プログラムにおけるステップS3,S4,S5の代わりに、ステップS14,S15を遂行する点のみが第1の実施形態と異なる。以下においては、この異なるステップS14,S15についてのみ説明する。
制御コンピュータ21Cは、推定堆積量Myが基準値Mmaxに達したか否かを判定する(ステップS14)。推定堆積量Myが基準値Mmaxに達した場合(ステップS14においてYES)、制御コンピュータ21Cは、推定堆積量Myが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Mxと基準値Mmaxとの差(Mx−Mmax)が予め設定された閾値δ(>0)に達したか否かを判定する(ステップS15)。差(Mx−Mmax)が閾値δ以上である場合(ステップS15においてYES)、制御コンピュータ21Cは、偏堆積用再生処理を遂行する(ステップS6)。差(Mx−Mmax)が閾値δに満たない場合(ステップS15においてNO)、制御コンピュータ21Cは、通常堆積用再生処理を遂行する(ステップS7)。
図8(b)のグラフにおける線D5は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、差圧ΔPに基づいて推定された堆積量Mxの推移の例を表す。図8(c)のグラフにおける線E5は、黒煙粒子が偏堆積している状態から堆積が開始された場合であって、エンジン作動状態の情報に基づいて推定された堆積量Myの推移の例を表す。図8(a)におけるMx1は、推定堆積量Myが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Mxの値を表す。図8(b),(c)におけるT4は、推定堆積量Myが基準値Mmaxに達したときの時刻を表す。ステップS15は、差(Mx1−Mmax)が閾値δに達したか否かを判定するステップである。なお、線D5,E5は、堆積量の推移の傾向を示すものであって、正確な推移を示すものではない。
第4の実施形態では、偏堆積用再生処理又は通常堆積用再生処理の選択、及び再生処理は、推定堆積量Myが再生開始に適した基準値Mmaxに達したときに行われる。
黒煙粒子が捕集器25において偏堆積している状態から黒煙粒子の堆積が開始された場合の堆積量(未飽和状態での堆積量)は、黒煙粒子が偏堆積ではない状態から堆積が開始された場合における堆積量よりも常に多い。この堆積量の違いは、堆積開始前の偏堆積の量(残存量)程度である。第4の実施形態は、この堆積量の違いを差(Mx1−Mmax)から把握しようとするものである。つまり、差(Mx1−Mmax)が大きすぎる場合には、黒煙粒子が偏堆積状態から堆積開始したものとの判定が行われ、偏堆積用再生処理が選択される。
第4の実施形態においても、再生のために行なわれる堆積状態の推定(偏堆積状態から堆積開始した堆積状態か、あるいは偏堆積ではない状態から堆積開始した堆積状態かという推定)の精度が従来よりも向上する。
次に、図10及び図11の第5の実施形態を説明する。第1の実施形態と同じ構成部には同じ符合が用いてある。
内燃機関10Dは、複数の気筒12A,12Bを備えており、複数の気筒12A,12Bは2群に分けられている。一方の群の気筒12Aに対応するシリンダヘッド13Aには気筒12A毎に燃料噴射ノズル14Aが取り付けられており、他方の群の気筒12Bに対応するシリンダヘッド13Bには気筒12B毎に燃料噴射ノズル14Bが取り付けられている。燃料噴射ノズル14A,14Bは、各気筒12A,12B内に燃料を噴射する。11Dは、燃料噴射ノズル14A,14Bを含む燃料噴射装置を表す。
シリンダヘッド13A,13Bにはインテークマニホールド15Dが接続されている。インテークマニホールド15Dは、分岐吸気通路16A,16Bに接続されている。分岐吸気通路16Aの途中には過給機27Aのコンプレッサ部271が介在されており、分岐吸気通路16Bの途中には過給機27Bのコンプレッサ部271が介在されている。過給機27A,27Bは、排気ガス流によって作動される公知の可変ノズル式ターボチャージャーである。
分岐吸気通路16A,16Bは、基幹吸気通路28に接続されている。基幹吸気通路28は、エアクリーナ17に接続されている。過給機27A,27Bとインテークマニホールド15Dとの間の分岐吸気通路16A,16Bの途中にはスロットル弁18A,18Bが設けられている。スロットル弁18A,18Bは、エアクリーナ17及び基幹吸気通路28を経由して分岐吸気通路16A,16Bに吸入される空気流量を調整するためのものである。スロットル弁18A,18Bは、図示しないアクセルペダルの操作に伴って開度調整される。
アクセルペダルの踏み込み角は、アクセル開度検出器19によって検出される。図示しないクランクシャフトの回転角度(クランク角度)は、クランク角度検出器20によって検出される。アクセル開度検出器19によって得られた踏み込み角検出情報、及びクランク角度検出器20によって得られたクランク角度検出情報は、制御コンピュータ21Dに送られる。制御コンピュータ21Dは、踏み込み角検出情報及びクランク角度検出情報に基づいて、燃料噴射装置11Dを構成する燃料噴射ノズル14A,14Bにおける噴射開始時期及び噴射終了時期を制御する。
基幹吸気通路28に吸入された空気は、分岐吸気通路16A,16Bに分流し、分岐吸気通路16A,16Bを流れる空気は、インテークマニホールド15D内で合流する。つまり、過給機27A,27Bのコンプレッサ部271から送り出される吸気は、インテークマニホールド15D内で合流して気筒12A,12Bに供給される。
シリンダヘッド13Aにはエキゾーストマニホールド22Aが接続されており、シリンダヘッド13Bにはエキゾーストマニホールド22Bが接続されている。エキゾーストマニホールド22Aは、過給機27Aのタービン部272を介して排気通路23Aに接続されている。エキゾーストマニホールド22Bは、過給機27Bのタービン部272を介して排気通路23Bに接続されている。気筒12A,12Bから排出される排気ガスは、エキゾーストマニホールド22A,22B及び排気通路23A,23Bを経由して大気に放出される。
過給機27Aのコンプレッサ部271より上流(吸気上流)の分岐吸気通路16Aにはエアフローメータ24Aが配設されている。過給機27Bのコンプレッサ部271より上流(吸気上流)の分岐吸気通路16Bにはエアフローメータ24Bが配設されている。空気流量検出手段としてのエアフローメータ24Aは、分岐吸気通路16A内における空気流量を検出し、空気流量検出手段としてのエアフローメータ24Bは、分岐吸気通路16B内における空気流量を検出する。
排気通路23A,23B上には捕集器25A,25Bが介在されている。捕集器25A,25Bは、排気ガスに含まれる黒煙粒子(不浄物質)を捕集する捕集手段である。
排気通路23Aには差圧検出器26Aが接続されており、排気通路23Bには差圧検出器26Bが接続されている。差圧検出器26Aは、捕集器25Aにおける上流側と下流側との圧力差を検出する差圧検出手段であり、差圧検出器26Bは、捕集器25Bにおける上流側と下流側との圧力差を検出する差圧検出手段である。
エアフローメータ24Aによって検出された第1の空気流量F1の情報、及びエアフローメータ24Bによって検出された第2の空気流量F2の情報は、制御コンピュータ21Dに送られる。又、差圧検出器26Aによって検出された第1の差圧ΔP1の情報、及び差圧検出器26Bによって検出された第2の差圧ΔP2の情報は、制御コンピュータ21Dに送られる。
制御コンピュータ21Dは、図11にフローチャートで示す再生処理制御プログラムを実行する。
制御コンピュータ21Dは、差圧ΔP1,ΔP2及びエンジン作動状態の各情報(本実施形態では、踏み込み角検出情報及びクランク角度検出情報)を所定の周期で取り込んでいる(ステップS16)。制御コンピュータ21Dは、差圧ΔP1の情報から捕集器25Aにおける黒煙粒子の堆積量Maxを推定すると共に、差圧ΔP2の情報から捕集器25Bにおける黒煙粒子の堆積量Mbxを推定する(ステップS17)。又、制御コンピュータ21Dは、エンジン作動状態の情報から捕集器25A,25Bにおける黒煙粒子の堆積量Myを推定する(ステップS17)。
制御コンピュータ21Dは、推定堆積量Max又は推定堆積量Mbxが予め設定された基準値Mmaxに達したか否かを判定する(ステップS18)。推定堆積量Max及び推定堆積量Mbxが基準値Mmaxに達していない場合(ステップS18においてNO)、制御コンピュータ21Dは、ステップS16へ移行する。推定堆積量Max又は推定堆積量Mbxが基準値Mmaxに達したとする(ステップS18においてYES)。この場合、制御コンピュータ21Dは、推定堆積量Max又は推定堆積量Mbxが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Max,Mbx,Myの変化値ΔMax,ΔMbx,ΔMy(本実施形態では微分値)を算出する(ステップS19)。
制御コンピュータ21Dは、算出した変化値ΔMaxと変化値ΔMyとの差(ΔMax−ΔMy)と、予め設定された閾値α(>0)との大小関係を判定する(ステップS20)。差(ΔMax−ΔMy)が閾値α以上である場合(ステップS20においてYES)、制御コンピュータ21Dは、偏堆積用再生処理を遂行する(ステップS6)。差(ΔMax−ΔMy)が閾値αに満たない場合(ステップS20においてNO)、制御コンピュータ21Dは、算出した変化値ΔMbxと変化値ΔMyとの差(ΔMbx−ΔMy)と、予め設定された閾値α(>0)との大小関係を判定する(ステップS21)。差(ΔMbx−ΔMy)が閾値α以上である場合(ステップS21においてYES)、制御コンピュータ21Dは、偏堆積用再生処理を遂行する(ステップS6)。差(ΔMbx−ΔMy)が閾値αに満たない場合(ステップS21においてNO)、制御コンピュータ21Dは、通常堆積用再生処理を遂行する(ステップS7)。
制御コンピュータ21Dは、クランク角度検出器20によって得られるクランク角度検出情報に基づいて算出したエンジン回転数情報、燃料噴射期間情報、エアフローメータ24A,24Bによって得られる空気流量情報等に基づいて、排気通路23A,23Bにおける排気ガス温度Txを推定する。制御コンピュータ21Dは、エアフローメータ24A,24Bによって検出された空気流量F1,F2の平均値(F1+F2)/2と推定された排気ガス温度Txとの積を算出する。平均値(F1+F2)/2と推定された排気ガス温度Txとの積Tx×(F1+F2)/2は、捕集器25A,25Bの排気ガスエネルギーの推定値を表す。推定された排気ガスエネルギーTx×(F1+F2)/2は、捕集器25A,25B内の温度を反映する。
通常堆積用再生処理の場合には、制御コンピュータ21Dは、捕集器25A,25Bに捕集された黒煙粒子を焼き切るのに必要な温度(例えば600°C)に対応する排気ガスエネルギーとなるように、燃料噴射を制御する。このような通常堆積用再生処理が所定時間遂行される。偏堆積用再生処理の場合には、制御コンピュータ21は、通常堆積用再生処理の場合の加熱温度(例えば600°C)よりも高い温度に対応する排気ガスエネルギーとなるように、燃料噴射を制御する。このような偏堆積用再生処理が前記所定時間遂行される。
捕集器25A,25Bを並列に備えた排気ガス浄化装置においても、再生のために行なわれる堆積状態の推定の精度を向上することができる。
本発明では以下のような実施形態も可能である。
(1)第1の実施形態における変化値ΔMxとして、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Mxの値(つまり、Mmax)と、これより所定時間前の推定堆積量Mx2との差(Mmax−Mx2)を採用してもよい。同様に、変化値ΔMyとして、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達したときの推定堆積量Myの値My2と、これより前記した所定時間前の推定堆積量My3との差(My2−My3)を採用してもよい。
(2)第1の実施形態における変化値ΔMx,ΔMyとして、推定堆積量Mxが基準値Mmaxに達するまでの途中の変化値の平均を採用してもよい。
(3)偏堆積用再生処理として、通常堆積用再生処理における加熱温度(例えば、600°C)と同じ温度で通常堆積用再生処理における加熱時間よりも長くするようにしてもよい。
(4)再生処理してすぐの差圧の変化値ΔMxとΔMyとを比較して偏堆積の状態を推定してもよい。この場合、偏堆積があると判定された場合、再生時に偏堆積用再生処理を行なうようにしたり、それ以外にも、偏堆積があると判定された場合、再生開始時を決める基準値Mmaxの値を通常時より低めの値に変更するように制御することもできる。
(5)推定堆積量Mxと推定堆積量Myとの差に基づいて通常堆積用再生処理と偏堆積用再生処理とをどちらかを選択する代わりに、推定堆積量Mxと推定堆積量Myとの差に基づいて捕集器の再生処理時の処理時間あるいは捕集器の温度等を連続可変的に制御してもよい。
前記した実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕前記捕集手段は、黒煙粒子を捕集する手段である請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置
〔2〕排気ガスに含まれる不浄物質を捕集する捕集手段を備えた内燃機関における排気ガス浄化方法において、
エンジン作動状態情報を用いて前記捕集手段における不浄物質の堆積量を推定すると共に、前記捕集手段における上流と下流との差圧の情報を用いて前記捕集手段における不浄物質の堆積量を推定し、前者又は後者の推定された堆積量が予め設定された基準値に達した場合、前者の推定された堆積量の変化値と、後者の推定された堆積量の変化値との差に基づいて、前記通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理のいずれか一方を選択すると共に、選択された再生処理に基づいて前記捕集手段における再生処理を遂行する内燃機関における排気ガス浄化方法。
第1の実施形態を示す排気ガス浄化装置の全体構成図。 (a),(b),(c),(d)は、再生処理制御を説明するためのグラフ。 再生処理制御プログラムを示すフローチャート。 第2の実施形態を示し、(a)は、排気ガス浄化装置の構成図。(b),(c)は、再生処理制御を説明するためのグラフ。 再生処理制御プログラムを示すフローチャート。 第3の実施形態を示し、(a)は、排気ガス浄化装置の構成図。(b),(c)は、再生処理制御を説明するためのグラフ。 再生処理制御プログラムを示すフローチャート。 第4の実施形態を示し、(a)は、排気ガス浄化装置の構成図。(b),(c)は、再生処理制御を説明するためのグラフ。 再生処理制御プログラムを示すフローチャート。 第5の実施形態を示す排気ガス浄化装置の構成図。 再生処理制御プログラムを示すフローチャート。
符号の説明
10,10D…内燃機関。19…第2の堆積量推定手段を構成するアクセル開度検出器。20…第2の堆積量推定手段を構成するクランク角度検出器。21,21A,21B,21C,21D…第1の堆積量推定手段、第2の堆積量推定手段及び再生処理制御手段を構成する制御コンピュータ。25,25A,25B…捕集手段としての捕集器。26,26A,26B…第1の堆積量推定手段を構成する差圧検出器。ΔP…差圧。Mx,My…推定堆積量。Mmax,Md…基準値。ΔMx,ΔMy…変化値。α…閾値。

Claims (7)

  1. 排気ガスに含まれる不浄物質を捕集する捕集手段を備えた内燃機関における排気ガス浄化装置において、
    前記捕集手段における上流と下流との差圧の情報を用いて前記捕集手段における不浄物質の堆積量を推定する第1の堆積量推定手段と、
    エンジン作動状態の情報を用いて前記捕集手段における不浄物質の堆積量を推定する第2の堆積量推定手段と、
    前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報とに基づいて、前記捕集手段における再生処理を制御する再生処理制御手段とを備えた内燃機関における排気ガス浄化装置。
  2. 前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値との差に基づいて、前記捕集手段における再生処理を制御する請求項1に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
  3. 前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報とに基づいて、前記捕集手段の再生処理時の処理時間及び捕集手段の温度の少なくとも1つを制御する請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
  4. 前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報と、前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の情報とに基づいて、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理の一方を選択して前記捕集手段における再生処理を制御する請求項1に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
  5. 前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値が前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量の変化値よりも予め設定された閾値以上に大きい場合に、前記偏堆積用再生処理を選択する請求項4に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
  6. 前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段又は前記第2の堆積量推定手段によって推定された堆積量が予め設定された基準値に達した場合に、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理の一方を選択して前記捕集手段における再生処理を制御する請求項4及び請求項5のいずれか1項に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
  7. 前記再生処理制御手段は、前記第1の堆積量推定手段によって推定された堆積量が前記基準値に達した場合には、通常堆積用再生処理又は偏堆積用再生処理に基づいて前記捕集手段における再生処理を遂行する請求項6に記載の内燃機関における排気ガス浄化装置。
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