JP4645801B2 - めっき方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント回路板の最終表面処理後の外観及び半田付け性に優れ、しかも生産工程で好適に用いることが可能なソフトエッチング液を用いためっき方法に関する。
プリント配線基板において、チップを実装する基板の導体回路表面としては、外観が良好で、かつ半田付け性にも優れた状態となっていることが望まれる。このような表面状態を得る方法としては金属材料や有機材料を用いた様々な方法があり、例えば、半田レベラー法(HASL法)、耐熱プリフラックス法(OSP法)、無電解ニッケルめっき−無電解金めっき法、といった方法が挙げられる。
HASL法は加熱して溶融させた半田浴中にプリント回路板を浸漬し引き上げ、余剰の半田を熱風で吹き飛ばすことにより、プリント回路部分(銅部分)を半田で覆う方法である。当該方法には、被覆される半田の厚さを均一にすることが難しいこと、パターン回路の高密度化により複雑かつスペースの微細化が進んでいるためブリッジ発生問題の多発が予想されること、鉛フリー半田を使用する場合には半田浴温度が高くなるためプリント回路板に従来以上の熱負荷がかかること、といったことが問題視されている。
OSP法は、プリント回路板の銅回路を有機膜で保護する方法である。処理が簡便である上、微細な回路パターンに対しても適用可能であるため広く普及しているが、複数回の実装工程では銅回路上に形成された有機膜が酸化してしまうため、回路外観や半田付け性を維持することが困難であることが問題視されている。今後、鉛フリー半田実装が一般化して実装温度が上昇すれば、この問題はより深刻になる可能性がある。
一方、無電解ニッケルめっき−無電解金めっき法は、上記2つの方法に比してプリント回路板に対する熱負荷が穏やかである点で優れた方法と云えるが、最終的な無電解金めっきを行なう前に予め無電解ニッケルめっきを施す工程が含まれるため処理工程が複雑で長くなる傾向となり、また、高価な薬剤が必要となる場合があるため製造工程が高コストになる傾向となる。しかも、安定して良好な無電解金めっき皮膜を実現するためには無電解ニッケルめっき−無電解金めっきの全工程について工程管理を比較的厳密に行なう必要がある点で、なお改善の余地を有する方法であった。
ここで、無電解ニッケルめっき−無電解金めっき法を採用する場合には、無電解ニッケルめっき工程の前にプリント回路板を予めソフトエッチングする工程が導入されることがある。
このようなソフトエッチング工程は、プリント回路(銅)表面の汚れや酸化皮膜を除去し、銅表面と無電解ニッケルめっき皮膜との密着性を向上させることを目的として行われるものであり、用いられるエッチング液としては、例えばリン酸やホウ素化合物を用いた過酸化水素系エッチング液(特許文献1:特開平3−193886号公報参照)、フッ素化合物を用いたエッチング液(引用文献2:特開平9−184081号公報参照)、グリコールエーテル類を用いたエッチング液(引用文献3:特公平4−027306号公報参照)、クエン酸を用いたエッチング液(引用文献4:特許3387529号公報参照)、ジカルボン酸とアルコールを用いたエッチング液(引用文献5:特公昭55−030073号公報参照)、カルボン酸と安定剤を用いたエッチング液(引用文献6:特開平7−018472号公報参照)、鉄の溶解を目的としてエチレングリコールとグルタル酸を用いたエッチング液(引用文献7:特開平11−350170号公報参照)、グリコールエーテルを用いたエッチング液(引用文献8:特公昭50−037159号公報参照)、等が挙げられる。また、本発明者は先に、ヒドラジド誘導体を用いたソフトエッチング液を開示(特願2003−302997号)している。
しかしながら、上記ソフトエッチング液にてプリント回路板をエッチング処理し、直接に無電解金めっきを行なった場合に得られるめっき皮膜については、外観や半田付け特性といった観点から十分に満足し得る皮膜であるとは云い難かった。従って、めっき法により外観が良好でかつ半田付け性にも優れたプリント回路板の表面状態を実現するためには、最終表面層となる置換めっき皮膜を形成する前に予め下地となるめっき皮膜層を形成することが必要とされていた。
プリント回路板の表面状態を整える方法として、プリント回路板への熱負荷の観点から優れる方法であるめっき法を採用するに際し、簡便且つ低コストにめっきを行ない得る技術の開発が望まれていた。
特開平3−193886号公報 特開平9−184081号公報 特公平4−027306号公報 特許3387529号公報 特公昭55−030073号公報 特開平7−018472号公報 特開平11−350170号公報 特公昭50−037159号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、銅又は銅合金表面の置換めっき前処理用のソフトエッチング液であって、置換めっき後の外観及び半田付け性に優れるソフトエッチング液を用いためっき方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、過酸化水素又は過硫酸塩と、無機酸と、グルタル酸、フタル酸、クエン酸及びグルタミン酸よりなる群から選択された1種又は2種以上の有機酸と、を含むことを特徴とするソフトエッチング液が、プリント回路を形成する銅又は銅合金表面を良好にエッチングすることができるため、当該エッチング後にプリント回路板上に直接に置換金めっき皮膜又は置換銀めっき皮膜を形成する場合であっても、外観が良好でかつ半田付け性にも優れた置換金めっき皮膜又は置換銀めっき皮膜を形成し得ることを見出し、更に、プリント回路板の表面状態を整える方法としてめっき法を採用するに際し、当該ソフトエッチング液を用いることにより簡便で低コストなめっき方法を実現し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記のめっき方法を提供するものである。
請求項1:
過酸化水素又は過硫酸塩と、無機酸と、グルタル酸、フタル酸、クエン酸及びグルタミン酸よりなる群から選択された1種又は2種以上の有機酸と、を含むソフトエッチング液にて、プリント回路を形成する銅又は銅合金表面をソフトエッチングした後、直接に置換金めっき皮膜又は置換銀めっき皮膜を形成することを特徴とするめっき方法。
請求項
前記ソフトエッチング液が、更に、浴安定剤としてエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルプロピレンジグリコール、及びメチルプロピレングリコールよりなる群から選択された1種又は2種以上を含む請求項1記載のめっき方法。
請求項
前記浴安定剤が、エチレングリコールモノエチルエーテル、及び/又はジエチレングリコールジエチルエーテルである請求項記載のめっき方法。
置換めっき皮膜は、素地である銅又は銅合金と金属成分が置換することにより素地表面に置換金属層が形成されるものである。本発明者は、素地である銅又は銅合金の表面状態が置換めっき皮膜形成後にもそのまま維持される傾向にある点に着目し、置換めっき皮膜表面に求められる表面状態(外観や半田付け性に優れた表面状態)を素地表面に実現させるべく検討を重ねた結果、過酸化水素又は過硫酸塩と無機酸とカルボキシル基を2個以上有する有機酸とを含む本発明のソフトエッチング液にて銅又は銅合金素地の表面を処理することにより、該素地表面を外観や半田付け性に優れた表面状態に調整することが可能であることを見出した。従って、本発明のソフトエッチング液を用いて調整した銅又は銅合金素地表面に対して置換めっき皮膜を形成すれば、外観と半田付け性に優れた置換めっき皮膜が得られることとなる。
よって、本発明のソフトエッチング液を用いれば、最終的な置換めっき皮膜を形成する前に予め下地めっき皮膜層を形成しておく必要がなくなるため、従来めっき法が有していた処理工程の複雑化、高コスト化といった問題点を解決し得るめっき法が実現される。
なお、本発明のソフトエッチング液が銅又は銅合金素地表面を外観及びめっき特性に優れた状態に調整し得るメカニズムは定かではないが、従来のエッチング液は銅粒界面の溶解の進行が早いことから素地表面の凹凸を解消し得なかったものと考えられる。
本発明においては銅と錯体を形成しやすいジカルボン酸若しくは3つ以上カルボキシル基を有する有機化合物を用いるため、これが銅粒界面若しくは表面全体に吸着することにより、通常の溶解速度よりも銅粒界面部分の溶解速度を遅くさせる、乃至、全体的に均一に溶解させる傾向となるものと考えられる。このような作用により、表面処理後に光沢に寄与する平滑性と、半田付け性に寄与する微細な凹凸性を両立した表面を実現し得ると考えられる。
本発明のソフトエッチング液は、銅又は銅合金表面の置換めっき前処理用のソフトエッチング液であり、置換めっき後の外観及び半田付け性に優れるソフトエッチング液である。また、本発明のめっき方法は、プリント回路板の表面状態を簡便且つ低コストに調整し得るめっき方法である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のソフトエッチング液は、銅又は銅合金(以下、「銅基材」と略記することがある)表面の置換めっき前処理用ソフトエッチング液であって、以下の(A)〜(C)の各成分、
(A)過酸化水素又は過硫酸塩、
(B)無機酸、
(C)カルボキシル基を2個以上有する有機酸、
を含有することを特徴とするソフトエッチング液であり、
より好ましくは更に以下の(D)成分、
(D)浴安定剤、
を含有することを特徴とするエッチング液である。
上記(A)成分として過酸化水素を用いる場合、本発明のソフトエッチング液における過酸化水素の配合量としては、35%過酸化水素水の配合量として通常5〜100ml/L、好ましくは10〜80ml/Lである。過酸化水素の配合量が少なすぎるとエッチング不足となる場合があり、一方、多すぎると過剰エッチングかつ外観不良(光沢度低下)となる場合がある。
上記(A)成分の過硫酸塩としては、従来公知の過硫酸塩を用いることができ、特に制限されるものではないが、例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
上記(A)成分として過硫酸塩を用いる場合、本発明のソフトエッチング液における過硫酸塩の配合量としては通常10〜500g/L、好ましくは50〜200g/Lである。過硫酸塩の配合量が少なすぎるとエッチング不足となる場合があり、一方、多すぎると過剰エッチングかつ外観不良(光沢度低下)となる場合がある。
上記(B)成分としては、従来公知の無機酸を用いることができ、特に制限されるものではないが、例えば硝酸、塩酸、硫酸等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用してもよい。
本発明のソフトエッチング液における上記(B)成分の配合量としては、(B)成分として62.5%硫酸を用いる場合には通常10〜500ml/L、好ましくは20〜100ml/Lである。(B)成分の配合量が少なすぎるとエッチング不足や外観不良が生じる場合がある。
上記(C)成分としては、グルタル酸、フタル酸、クエン酸、グルタミン酸が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
記(C)成分としてクエン酸、グルタル酸、グルタミン酸、フタル酸を用いた場合には、エッチング後の置換めっき皮膜の外観に優れるのみならず、半田付け特性に優れることとなるため好適である。
このような(C)成分が本発明のソフトエッチング液に占める濃度としては、通常0.001〜1M、好ましくは0.005〜0.1Mである。(C)成分の濃度が0.001M未満であると光沢度が低下する場合があり、一方、1Mを超えると溶解しなくなる場合や不経済になる場合がある。
本発明における上記(D)成分としては、公知のメタノールやエタノール等のアルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類やフェノール類を使用することができる。
グリコール類としては、例えばエチレングリコール、ジメチルグリコール、ジメチルジグリコール、エチレングリコールモノフェニルエーテル、イソブチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルプロピレンジグリコール、メチルプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用しても良い。
中でも、上記(D)成分としてエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルプロピレンジグリコール、及びメチルプロピレングリコールよりなる群から選択された1種又は2種以上を用いた場合には、エッチング液中の銅(エッチング液により基材である積層銅箔が溶解された銅)の濃度が上昇してしまった後(いわゆる、「浴老化」後)であっても、エッチングされた基材表面の外観が良好であり、エッチング速度低下も比較的小さいため好適である。
ここで、エッチング液中の安定剤濃度を分析する方法としてはガスクロマトグラフィー法等が挙げられるが、多くの場合特殊な機器を必要とするものであって簡便な方法とは云い難い。従って、エッチング液中の安定剤濃度が変動してもエッチング速度が大幅に変動しないという特性は、浴管理の観点からも、安定したエッチングを連続して行なう観点からも非常に重要な特性である。安定剤の多くは、エッチング液中の安定剤濃度の微細な変動がエッチング速度の大幅な変動を引き起こす傾向にある。
上記(D)成分としてエチレングリコールモノエチルエーテル及び/又はジエチレングリコールジエチルエーテルを用いた場合には、エッチング速度に対する(D)成分配合量の寄与が比較的小さく、浴管理の観点から好適であり、基材のエッチング膜厚を厳密に管理することも可能である。エッチング膜厚を厳密に管理することは銅基材を確実に残存させることにつながり、その後の置換めっき工程を良好に行なうことが可能となる。
エッチング液中の浴安定剤濃度が変動してもエッチング速度が大幅に変動しないという特性の指標として、より具体的な指標を示すために、35%過酸化水素水 50ml/L、62.5%硫酸 50ml/L、カルボキシル基を2個以上有する有機酸 0.02Mに対して浴安定剤を0.001M,0.005M,0.01M,0.05Mの濃度となるように配合してエッチング液を調製し、整面研磨を行なっていないFR−4銅張り積層板を処理温度30℃、処理時間2分間の条件下でエッチングした場合に、上記0.001〜0.05M濃度の中で最もエッチング量の大きかったエッチング液のエッチング量を最大エッチング量Emax(μm)とし、最もエッチング量の小さかったエッチング液のエッチング量を最小エッチング量Emin(μm)として、これらEmax値及びEmin値から溶解量変動率R(%)=100×(Emax−Emin)/Eminを定義する。本発明のソフトエッチング液の有する上記R(%)の値としては、通常20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
なお、このような(D)成分が本発明のソフトエッチング液に占める濃度としては、通常0.001〜0.1M、好ましくは0.005〜0.01Mである。(D)成分の濃度が0.001M未満であると過酸化水素の消耗量が増大する場合があり、一方、0.1Mを超えると効果が変らず不経済となったり、溶解しなくなったりする場合がある。
本発明のソフトエッチング液には、更に必要に応じ、メタノールやエタノール等のアルコール類、EDTA、HEDTA、TETA、EDA、DETA、TEA、DEA、MEA等のアミン化合物を添加することも可能である。アミン化合物の添加は、エッチング液の銅溶解許容量向上につながり、エッチング液寿命の延長につながるため好適である。
本発明のソフトエッチング液を用いてエッチングを行なう場合、エッチング液の温度としては通常25〜50℃、エッチング処理時間としては通常30秒〜3分程度であるが、特に限定されるものではない。浸漬または水平装置などによる噴霧エッチングも可能である。
本発明のソフトエッチング液により銅基材をエッチングする場合、エッチング処理後の銅基材表面の光沢度としては通常15〜40、好ましくは25〜35である。ここで、本発明において光沢度とは、JIS Z 8741に準拠し、光沢度計Gloss Meter VG2000(日本電色工業社製)を用い、光源(ハロゲンランプ)の入射角が20度の条件で測定する光沢度を意味する。
また、本発明のソフトエッチング液により銅基材をエッチングする場合、エッチング処理後の銅基材表面の半田ボイド発生率(半田付け特性の指標、(%))としては通常0〜20%、好ましくは0〜10%である。ここで、本発明において半田ボイド発生率とは、シリーズ4000(Dage社製)を用い、ボールシェア試験により評価した値を意味する。半田ボールをBGAパターンに実装し、シェア試験を行ない、破断した断面にボイドが発生しているかどうかを確認した。試験条件は、ホットプレート:230℃×60秒、フラックス:非活性ロジンフラックス、半田ボール:Sn/Pb=63/37、直径0.75mm、シェア速度:170μm/sec、ツール高:50μmとした。
本発明のソフトエッチング液のエッチング速度としては、通常1〜5μm/min、好ましくは1〜3μm/min、より好ましくは1.5〜2μm/minである。エッチング速度が大きすぎても小さすぎても、特にソフトエッチングを行なう場合に作業性が悪化する場合がある。
本発明のめっき方法は、上述した本発明のソフトエッチング液にて銅又は銅合金表面をソフトエッチングした後、直接に置換めっき皮膜を形成することを特徴とするめっき方法である。
本発明のめっき方法の具体的なプロセスを例示すると、例えば、
(i)クリーナー処理→水洗→本発明のソフトエッチング液を用いたエッチング処理→水洗→酸洗浄→水洗→置換めっき、という工程
挙げることができる。
なお、本発明のめっき方法において形成される置換めっき皮膜の金属材料としては、金銀が好適である。特に置換めっき皮膜の金属材料が金や銀の場合には、(C)成分としてクエン酸、グルタル酸、グルタミン酸、又はフタル酸を用いることが好適である。
また、上記置換めっき皮膜の膜厚としても、特に限定されないが、置換銀めっきを行なう場合の膜厚としては通常0.05〜1μm、置換金めっきを行なう場合の膜厚としては通常0.01〜0.5μmである。
以下、実施例比較例、実験例及び比較実験例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1〜6、比較例1〜5]
本発明の(A)〜(C)成分、及びジエチレングリコールジエチルエーテル 0.01Mを下表1に示す濃度で配合してエッチング液を調製した。整面研磨を行なっていないFR−4銅張り積層板を処理温度30℃、エッチング膜厚が2μmとなるような処理時間にて当該エッチング液に浸漬した。その後水洗、酸洗浄、水洗を行ない、乾燥させて光沢度を測定した。その後、更に置換めっき皮膜を形成し、めっき後の光沢度、外観、及び半田ボイド発生率を観察した。結果を表1に示す。
Figure 0004645801
置換銀めっき
無電解銀めっき浴RGA−14(上村工業社製)に50℃×1分間浸漬し、0.2μm膜厚の置換めっき皮膜を形成した。
置換金めっき
無電解金めっき浴TCU−36(上村工業社製)に85℃×20分間浸漬し、0.06μm膜厚の置換めっき皮膜を形成した。
無電解Ni−無電解Auめっき
プレディップ液MSR−28P(上村工業社製)に室温で1分間浸漬し、アクチベーター液MSR−28(上村工業社製)に30℃で2分間浸漬し、無電解ニッケルめっき浴NPR−4(上村工業社製)に80℃×30分間浸漬し、更に無電解金めっき浴TSB−71(上村工業社製)に85℃×10分間浸漬して、0.05μm膜厚の置換めっき皮膜を形成した。
過酸化水素
35%過酸化水素水。
硫酸
62.5%硫酸。
光沢度
JIS Z 8741に準拠し、光沢度計Gloss Meter VG2000(日本電色工業社製)を用い、光源(ハロゲンランプ)の入射角が20度の条件で光沢度を測定した。
めっき後外観
目視観察を行ない、下記基準にて評価した。
○:光沢があり、ムラがない。
×:光沢がない、若しくはムラがある。
半田ボイド発生率(%)
シリーズ4000(Dage社製)を用い、ボールシェア試験により評価した値を意味する。半田ボールをBGAパターンに実装し、シェア試験を行ない、破断した断面にボイドが発生しているかどうかを確認した。試験条件は、ホットプレート:230℃×60秒、フラックス:非活性ロジンフラックス、半田ボール:Sn/Pb=63/37、直径0.75mm、シェア速度:170μm/sec、ツール高:50μmとした。
表1の結果から、本発明のめっき方法により得られた置換めっき皮膜は、従来の無電解ニッケル−無電解金めっき法(比較例5)により得られた置換めっき皮膜と同等の半田付け性、外観を示すものである。
また、実施例(カルボキシル基を2つ以上有する有機酸を使用する場合)と、比較例1(カルボキシル基を有しない有機酸を使用する場合)、比較例2(カルボキシル基を1つ有する有機酸を使用する場合)、比較例3,4(有機酸を使用しない場合)とを比較すると、実施例により得られる置換めっき皮膜は外観良好で、半田付け特性も格段に改善されていることが明らかである。
なお、ボールシェア強度(シリーズ4000(Dage社製)にて測定)については、全ての実施例及び比較例において1500g以上あり、結果に有意差はなかった。
実験
35%過酸化水素水 50ml/L、62.5%硫酸 50ml/L、グルタミン酸 0.01M、及び下表2に示したグリコール類 0.005Mを配合してエッチング液を調製した。これを「建浴初期エッチング液」とする。整面研磨を行なっていないFR−4銅張り積層板を処理温度30℃、処理時間2分間の条件下にて当該エッチング液に浸漬し、エッチング処理後の銅表面の外観及び銅表面の溶解量を観察した。
また、上記と同様に調製した「建浴初期エッチング液」にさらに銅を20g/Lの濃度となるように溶解させ、いわゆる浴老化状態のエッチング液を仮想(当該エッチング液を「浴老化後エッチング液」とする)して、上記と同様に整面研磨を行なっていないFR−4銅張り積層板を処理温度30℃、処理時間2分間の条件下で浸漬し、エッチング処理後の銅表面の外観、銅表面の溶解量を観察した。結果を表2に示す。
Figure 0004645801
溶解量(μm)
処理前後の重量差から算出した。
外観
目視観察を行ない、下記基準にて評価した。
○:光沢があり、ムラがない。
×:光沢がない、若しくはムラがある。
溶解比(%)
浴老化後のエッチング液の溶解量が、建浴初期のエッチング液の溶解量に占める割合。
実験11、比較実験
上記表2と同様の条件下、グリコール類の濃度変化によるエッチング速度の推移を調べた。結果を表3に示す。溶解量及び外観については上記表2の場合と同様に評価した。
Figure 0004645801
R(%)
グリコール類の濃度が0.001,0.005,0.01,0.05Mの場合を比較し、エッチング量の最大値Emax(μm)、エッチング量の最小値Emin(μm)として定義される溶解量変動率R(%)=100×(Emax−Emin)/Eminの値である。
表2,3の結果から、カルボキシル基を2つ以上有するカルボン酸と、エチレングリコールモノエチルエーテル又はジエチレングリコールジエチルエーテルとを併用する場合、浴老化によってエッチング処理後の外観が悪化したりエッチング速度が低下したりすることが少ないのみならず、グリコール類の添加濃度によるエッチング速度の変化(溶解量変動率)が他浴に比べて少ないソフトエッチング液が実現される。

Claims (3)

  1. 過酸化水素又は過硫酸塩と、無機酸と、グルタル酸、フタル酸、クエン酸及びグルタミン酸よりなる群から選択された1種又は2種以上の有機酸と、を含むソフトエッチング液にて、プリント回路を形成する銅又は銅合金表面をソフトエッチングした後、直接に置換金めっき皮膜又は置換銀めっき皮膜を形成することを特徴とするめっき方法。
  2. 前記ソフトエッチング液が、更に、浴安定剤としてエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、メチルプロピレンジグリコール、及びメチルプロピレングリコールよりなる群から選択された1種又は2種以上を含む請求項1記載のめっき方法。
  3. 前記浴安定剤が、エチレングリコールモノエチルエーテル、及び/又はジエチレングリコールジエチルエーテルである請求項記載のめっき方法。
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