JP2013093360A - 半導体チップ搭載用基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金めっき皮膜を薄くすることが可能で、半導体チップ搭載用基板の製造コストを低くすることが可能である。さらに、微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な半導体チップ搭載用基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂を主成分とする絶縁層21と、絶縁層21の上に形成された銅回路22、3、5と、銅回路22、3、5上の少なくとも一部に形成された電解ニッケルめっき皮膜7と、電解ニッケルめっき皮膜7の少なくとも一部に形成され、金めっき皮膜8を形成したワイヤボンディング用端子と、を有する半導体チップ搭載用基板であって、金めっき皮膜8のニッケルめっき皮膜7とは反対側の面の結晶粒径の平均値が、5μm以上である。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体チップ搭載用基板及びその製造方法に関する。
近年、パソコン、携帯電話、無線基地局、光通信装置、サーバ及びルータ等の電子機器において、大小問わず、機器の小型化、軽量化、高性能化及び高機能化が進んでいる。また、CPU、DSP及び各種メモリ等のLSIの高速化並びに高機能化とともに、SoC(System on a Chip)やSiP(System In Package)等の高密度実装技術の開発も行われている。
このため、半導体チップ搭載用基板やマザーボードには、ビルドアップ方式の多層配線基板が使用されるようになっている。また、パッケージの多ピン狭ピッチ化といった実装技術の進歩により、半導体チップ搭載用基板は、QFP(Quad Flat Package)からBGA(Ball Grid Array)/CSP(Chip Size
Package)実装へと進化している。
半導体チップ搭載用基板と半導体チップとの接続には、例えば、金ワイヤボンディングが用いられる。また、半導体チップと接続された半導体チップ搭載用基板は、はんだボールによって配線板(マザーボード)と接続される。そのため、半導体チップ搭載用基板は、通常、半導体チップ又は配線板に接続するための接続端子をそれぞれ有している。これらの接続端子には、金ワイヤ又ははんだとの良好な金属接合を確保するために、金めっきが施されることが多い。
ワイヤボンディング性を考慮すると、特許文献1に記載のように、金めっきの厚みは0.5μm程度行う必要がある。電解ニッケルめっきまたは無電解ニッケルめっきの後、薄金めっき(フラッシュ金めっき、通常0.1μm以下)を施す場合には、ワイヤボンディング性に劣り、基準値に達しなくなる。よってワイヤボンディング性を満足させるために、金めっき皮膜を厚くしなければならず、通常0.5μm程度の金の厚さが必要となる。また、非特許文献1に記載のように、無電解ニッケルめっき皮膜の上に0.5μmの無電解金めっき皮膜を形成した場合、150℃程度の高温放置(10時間)においてワイヤボンディング性が低下することが知られている。この理由からも金めっき皮膜を厚くしなければならないが、金のコストが高いために、半導体パッケージ基板の製造コストが高くなる課題がある。
また、従来の接続端子に金めっきを施す方法としては、電解ニッケル/電解金めっきが広く適用されてきた。しかし、最近では、半導体チップ搭載用基板の小型化による配線の高密度化に伴って、接続端子の表面に電解ニッケル/電解金めっきを施した後の絶縁信頼性を確保することが困難になりつつある。すなわち、特許文献2に記載のように、電解ニッケルめっき皮膜厚みを最低3μmとすると、場所によって3〜15μmのバラツキを生じることが知られている。そこで、めっき膜厚が均一で、ばらつきが少なく微細配線に適用が可能な無電解金めっき(無電解ニッケル/置換金めっきや還元金めっき)のプロセスが注目され始めている。例えば、非特許文献2に記載されているように、端子部分の銅箔表面に、無電解ニッケルめっき皮膜/無電解金めっき皮膜を形成することが知られている。
特開2007−123883号公報 特開2001−251050号公報 特開2008−147495号公報
「表面技術」、表面技術協会、2006年、Vol.57、No.9、P616〜621) 「サーキットテクノロジー」、社団法人プリント回路学会、1993年、Vol.8、No.5、P368〜372) 「MES2007第17回マイクロエレクトロニクスシンポジウム論文集」、2007年、P259〜262項
しかしながら、非特許文献1に記載されている通り、無電解ニッケルめっき/無電解金めっきの方法では、電解ニッケルめっき/電解金めっきの方法と比較して、はんだ接続信頼性や熱処理後のワイヤボンディング性が低下することが知られている。
また、はんだ接続信頼性を確保するために、非特許文献3に記載されているように、無電解ニッケルめっき皮膜であっても1μm以上の厚みが必要であるが、一方、配線に無電解ニッケルめっきを行うと、「ブリッジ」と呼ばれる、配線間に無電解ニッケルめっき皮膜が析出する現象が発生し、これにより短絡不良が引き起こされる場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金めっき皮膜を薄くすることが可能で、半導体チップ搭載用基板の製造コストを低くすることが可能である。さらに、微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な半導体チップ搭載用基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行い、150℃程度の高温放置(10時間)においてワイヤボンディング性が低下する要因について解明を試みた。ニッケルの上部に形成された金めっき皮膜の粒径が小さいと、ニッケルが金めっき皮膜の結晶粒界を拡散して金表面に拡散して酸化し、表面に形成された酸化ニッケルがワイヤボンディング性を低下することが分かった。また、下地のニッケルの結晶粒が大きいと、金めっき皮膜の結晶粒が大きくなり、金めっき皮膜の結晶粒径が大きいほどニッケルの拡散抑制効果が高く、ワイヤボンディング性が向上することが分かった。さらにニッケルの結晶粒の大きさは、下地の銅の結晶粒の大きさに依存することが明らかとなり、結晶粒の大きい銅に電解ニッケルめっきを行うことで、結晶粒の大きいニッケルめっき皮膜を形成することが可能で、その上部の電解あるいは無電解により形成された金めっき皮膜は非常に大きな粒径を得られることが分かった。
具体的には、表面の平均粒径が5μm以上の銅に、0.03μm以上の厚みの表面の平均粒径が5μm以上の電解ニッケルめっき皮膜を析出させ、その上部に、表面の平均粒径が5μm以上の金めっき皮膜を0.03μm以上形成すれば、150℃程度の高温放置(10時間)においてワイヤボンディング性が低下しないことが明らかとなった。すなわち、銅の結晶粒が大きいため、結晶状態を受け継いで成長したニッケルの結晶粒界が少なく、ニッケルの上部に成長した金の結晶粒界が少ないために、ニッケルが金めっき皮膜の結晶粒界を拡散するところが非常に少なくなるために、薄い金めっき皮膜であっても150℃程度の高温放置(10時間)においても優れたワイヤボンディング性を示すと考える。
また、特許文献3に記載のように、一般的に中リンタイプと呼ばれるリンの含有率が7%前後の合金の無電解ニッケル−リンめっき皮膜が適用されているが、0.8μm以下の厚みでは高温放置によりはんだ接続信頼性が極端に低下する、無電解ニッケル−リンめっき皮膜特有の課題がある。この理由として、リンを含有しているために耐食性が高いが、この耐食性の高さが0.8μm以下の厚みでは逆に問題となり、150℃程度の高温放置により無電解ニッケル−リンめっき皮膜の粒界を銅がはんだ側に拡散することで、銅側にカーケンダルボイドと呼ばれるボイドが発生し、銅と無電解ニッケル−リンめっき皮膜の間での密着性が著しく低下する。一方、本検討で使用する電解ニッケルめっき皮膜はリンを含有しておらず結晶性の皮膜であるために拡散しやすく、リフローにより電解ニッケルめっき皮膜が拡散して無くなるか、仮に拡散し残ったとしても、無電解ニッケル−リンめっき皮膜の場合に見られるような、ボイドの発生による密着性の低下という現象はみられず、はんだと電解ニッケルめっき皮膜の間には一般的に知られている金属間化合物(銅−錫−ニッケル化合物)が形成されるだけで、高温放置後においても無電解ニッケル−リンめっきと比較してはんだ接続信頼性が高いことが分かった。
本発明によれば、金めっき皮膜が薄くても高温放置後においてワイヤボンディング性が良好に保たれ、なおかつ良好なはんだ接続信頼性を得ることが可能な、半導体チップ搭載用基板とその製造方法を提供することが可能となる。
また、本発明においては電解ニッケルめっき皮膜を薄くすることが可能で、高密度配線に適応することができるようになり、半導体チップ搭載用基板の更なる小型化・高密度化が可能である。
実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。 実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。 実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の金層形成後の導体回路の部分の断面構成を拡大して示す模式図である。 実施例17に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。 実施例17に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略することとする。
以下、半導体チップ搭載用基板の製造方法の好適な実施形態について説明する。図1および図2は、実施形態に係る半導体チップ搭載用基板の製造方法を模式的に示す工程図である。本実施形態は、内層板に対し、樹脂付き銅箔を用いて外層回路の形成を行うセミアディティブ法による半導体チップ搭載用基板の製造方法の例である。
本実施形態においては、まず、図1(a)に示すように、内層板1を準備する。内層板1は、内層用基板100と、その表面に設けられた内層回路102と、内層用基板100を貫通するように形成され、両表面の内層回路102同士を電気的に接続する内層用ビア104とを備えている。かかる内層板1における各構成としては、回路基板に適用される公知の構成を特に制限なく適用することができる。
内層板1の形成方法としては、例えば、次のような方法が適用できる。まず、内層用基板100の両表面に、金属層としての銅箔を積層した後、この銅箔の不要な箇所をエッチングにより除去することにより内層回路102を形成する方法(サブトラクト法)や、内層用基板100の両表面の必要な箇所にのみ、無電解銅めっきにより銅からなる内層回路102を形成する方法(アディティブ法)が挙げられる。また、内層用基板100の表面上、又はその表面に更に形成した所定の層(ビルドアップ層)上に、薄い金属層(シード層)を形成し、さらに電解銅めっきにより内層回路102に対応した所望のパターンを形成した後、このパターンを形成しなかった部分の薄い金属層をエッチングで除去することによって、内層回路102を形成する方法(セミアディティブ法)等も挙げられる。
次に、図1(b)に示すように、内層板1の両表面上に、樹脂を主成分とする絶縁層21と銅箔22とが積層された樹脂付き銅箔2を、その絶縁層21が内層板1側に向くようにして積層する(図1(b))。樹脂付き銅箔2の積層は、例えば、内層板1に対してラミネート又はプレスすることによって行うことができる。例えば、一般的な真空プレス機を適用することができる。この際、加熱・加圧の条件は、層間絶縁樹脂である絶縁層21の構成材料の特性にあった条件が好ましい。例えば、温度150℃〜250℃、圧力1MPa〜5MPaとすることができる。本実施形態では、このような樹脂付き銅箔2における銅箔22がシード層として機能し、これにより後述する銅めっき層3や第2の銅層5の形成を行うことが可能となる。銅箔22としては、電解銅箔、圧延銅箔のいずれかを使用することができる。電解銅箔よりも圧延銅箔のほうがよく、その理由としては、圧延銅箔の製造工程における熱履歴により、結晶粒が再結晶化して肥大化するために電解銅箔よりも結晶粒が大きいからである。電解銅箔も使用することができるが、電解銅箔を使用する場合はあらかじめ熱処理を行うことにより再結晶化させて結晶粒を肥大化させる必要がある。銅箔22の結晶粒が大きいと、後述する無電解銅めっき、さらに電解銅めっきを行った際に銅めっき皮膜がエピタキシャル成長するために、結晶粒の大きい銅めっき皮膜を得ることが可能となり、絶縁層と反対側の面の表面の平均粒径が5μm以上の結晶粒からなる銅回路を得られやすくなる。
樹脂付き銅箔2の厚みは、5μm以下であると好ましく、3μm以下であるとより好ましい。また、初期の銅箔の厚みが5μm以上ある場合であっても、エッチングを行うことで銅箔の厚みを5μm以下にし、後述する配線間に残る部分のエッチングを容易に行うことが可能となり、微細配線を形成することが容易となる。
銅箔22としては、ピーラブルタイプ又はエッチャブルタイプのものを使用することが好ましい。銅箔22がピーラブルタイプの場合、キャリアを引き剥がすことで、またエッチャブルタイプの場合、キャリアをエッチングすることで、所望の厚みを有する銅箔とすることができる。例えば、ピーラブルタイプの場合、キャリアとの剥離層となる金属酸化物又は有機物層を、エッチングなどで除去することで、キャリアを引き剥がすことができる。また、エッチャブルタイプにおいて、金属箔を圧延銅箔、キャリアをアルミニウム箔とした場合、アルカリ溶液を用いることで、キャリアのみをエッチングすることができる。銅箔22は、給電層として機能する範囲で薄ければ薄いほど微細配線形成に適することから、そのような厚みとするために、更にエッチングを行って厚みを低減することができる。その場合、ピーラブルタイプの場合、離型層の除去と同時にエッチングを行うと効率的で好ましい。
絶縁層21を構成する樹脂は、絶縁性を有する樹脂であり、そのような樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂やそれらの混合樹脂を適用できる。なかでも、熱硬化性を有する有機絶縁材料が好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、シリコーン樹脂、シクロペンタジエンから合成した樹脂、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラートを含む樹脂、芳香族ニトリルから合成した樹脂、3量化芳香族ジシアナミド樹脂、トリアリルトリメタリレートを含む樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、縮合多環芳香族を含む熱硬化性樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アラミド樹脂、液晶ポリマ等が挙げられる。なお、絶縁層21には、必要に応じてシリカフィラー等の無機充填剤等を配合してもよく、また、ガラスクロス等を含むプリプレグを用いてもよい。
次に、図1(c)に示すように、内層板1に積層された樹脂付き銅箔2の所定の部位に、樹脂付き銅箔2を貫通して内層板1に達する貫通孔(ビア穴)を形成する。これによりインタースティシャルバイアホール(IVH)30を形成して、内層回路102の一部を露出させる。貫通孔は、例えば、紫外線波長のレーザ光を直接照射して穴加工を行うことで形成することができる。紫外波長のレーザとしては、UV−YAGレーザの第3高調波(波長355nm)を用いると、比較的高いエネルギーが得られ、加工速度を早くできることから好ましい。
また、IVH30の形成においては、レーザエネルギー分布を調整し、ビア穴の断面形状をテーパ形状にすると、穴内のめっき付き性が向上するため好ましい。さらに、ビア穴径が50μm以下であると、加工速度が速くなるため好ましい。また、ビア穴のアスペクト比(ビア穴高さ/ビア穴の底の直径)は1以下であると、信頼性を確保する観点から好ましいため、IVH30の形成に際しては、このような絶縁層21の厚みとビア穴径との関係となるよう設計することが好ましい。なお、ビア穴内には、スミアが発生していることがあるため、ビア穴の形成後には、過マンガン酸塩、クロム酸塩、過マンガン酸等を用いた洗浄を行うことにより、スミアの除去を行うことが好ましい。
次に、図1(d)に示すように、樹脂付き銅箔2が積層された内層板1の全表面を覆うように、無電解銅めっきにより銅めっき層3を形成する。これにより、内層板1と、内層板1の内層回路102と一部で接続するように絶縁層21を隔てて設けられた銅箔2及び銅めっき層3からなる第1の銅層32とを有する積層体110が得られる。この積層体110では、銅箔22の表面及びIVH30内が連続的に第1の銅層32によって覆われた状態となるため、絶縁層21の表面上に形成された銅箔22と内層回路102との電気的な接続が可能となる。
銅めっき層3は、一般的な配線板の形成に用いられる無電解銅めっき方法を用いて形成すれば良く、めっきすべき部位に、無電解銅めっきの核となる触媒を付与しておき、これに無電解銅めっき層を薄付けすることで形成することができる。触媒としては、貴金属イオンやパラジウムコロイドを用いることができ、特にパラジウムは樹脂への密着性が高いことから好ましい。無電解銅めっきには、硫酸銅、錯化剤、ホルマリン、水酸化ナトリウムを主成分とする、一般的な配線板の形成に用いられる無電解銅めっき液を用いることができる。
銅めっき層3の厚みとしては、IVH30部のへの給電が可能となるような厚みがあれば良く、0.1〜1μmであると好ましい。銅めっき層3が0.1μmより薄いと、IVH30内部の内層回路102を構成する銅と、樹脂付き銅箔2における銅箔22との間の給電が十分に得られない恐れがある。一方、1μmより厚いと、後述する導体回路となるべき部分以外の銅をエッチングにより除去するエッチング工程において、エッチングをしなければならない銅の厚みが増えるため、回路形成性が低下して微細配線の形成が困難になるおそれがある。銅めっき層3の厚みが0.1〜1μmであることで、内層回路102と銅箔22との給電が十分に得られ、しかも、エッチング工程におけるエッチングが容易となって良好な回路形成性が得られるようになる。
次に、図1(e)に示すように、第1の銅層32上の所望の位置に、電解めっきレジストであるレジスト4を形成する(レジスト形成工程)。このレジスト4を形成する部位は、第1の銅層32における導体回路となるべき部分(IVH30を含む)を除く部分である。レジスト4は、後述する材料を用いた公知のレジスト形成方法を適用することによって形成することが可能である。なお、導体回路となるべき部分には、位置合わせに用いる位置合わせ用のパターン等も含む。
レジスト4の厚さは、その後めっきする導体の合計の厚さと同程度か、それよりも厚くすることが好適である。レジスト4は、樹脂から構成されるものであると好ましい。樹脂から構成されるレジストとしては、PMER P−LA900PM(東京応化株式会社製、商品名)のような液状レジストや、HW−425(日立化成工業株式会社、商品名)、RY−3025(日立化成工業株式会社、商品名)等のドライフィルムのレジストがある。
次に、図1(f)に示すように、第1の銅層32の表面上に、電解銅めっきにより第2の銅層5を形成し、第1の銅層32と第2の銅層5とが積層された導体回路50を得る(導体回路形成工程)。この工程においては、電解銅めっきにより、レジスト4が形成されていない部分にのみ第2の銅層5が形成される。したがって、第2の銅層5は、第1の銅層32上の導体回路50となるべき部分に形成されることになる。
第2の銅層5の形成領域は、上記のようにレジスト4によって決定される。そのため、電解銅めっきは、第1の銅層32のいずれかの部分にリード線を取り付けて行えばよく、配線を高密度化する場合であっても十分に対応可能である。電解銅めっきは、半導体チップ搭載用基板の製造において使用される公知の硫酸銅電解めっきやピロリン酸電解めっきを用いて行うことができる。
例えば、硫酸銅電解めっき液の基本組成としては、硫酸銅五水和物を30〜300g/L程度、硫酸を10〜300g/L程度、塩化物イオンを2〜100mg/L程度含有するめっき液を挙げることができる。
塩化物イオンについては、例えば、塩酸、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどとして添加することができる。
上記硫酸銅五水和物、硫酸、塩化物イオンの3主成分の他に、非イオン性ポリエーテル系高分子界面活性剤、含硫黄有機化合物、含窒素有機化合物が加えられる。
非イオン性ポリエーテル系高分子界面活性剤は、通常、ポリマー、サプレッサー、キャリアーなどと称されるものであり、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合物などの公知の成分を用いることができる。非イオン性ポリエーテル系高分子界面活性剤は、陰極面に吸着して分極を大きくすることで、銅結晶の均一電着性を向上させる働きをもつ。
含硫黄有機化合物は、通常、光沢剤(ブライトナー)、アクセレレーター等と称されるものであり公知のものを使用できる。具体例としては、3−メルカプトプロパンスルホン酸、そのナトリウム塩、ビス(3−スルホプロピル)ジスルフィド、その2ナトリウム塩、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸(3−スルホプロピル)エステル、そのナトリウム塩等を挙げることができる。かかる硫黄含有有機化合物は、硫黄が銅に対して高い親和力を持っているために、容易に陰極表面に吸着し、銅の結晶化を妨害する。そのため陰極表面には微小な銅の結晶核が形成されるので、光沢が増すことになる。
含窒素有機化合物は、通常、レベラーと称されるものであり、公知のものを使用できる。具体例としては、フェナジン化合物、サフラニン化合物、ポリアルキレンイミン、チオ尿素誘導体、ポリアクリル酸アミド等を挙げることができる。含窒素有機化合物は、電解作用の集中する凸部に優先して吸着してその領域での分極を著しく増大させるためにその領域での銅の析出を阻害し、それにより凹部での銅の析出を実質的に促し、膜の平滑性を向上させる働きを持つものである。
非イオン性ポリエーテル系高分子界面活性剤(ポリマー)、含硫黄有機化合物(光沢剤)、含窒素有機化合物(レベラー)のうち、含硫黄有機化合物(光沢剤)が単体で添加されるか、含硫黄有機化合物(光沢剤)と非イオン性ポリエーテル系高分子界面活性剤(ポリマー)をともに添加する場合もある。
含硫黄有機化合物(光沢剤)は容易に陰極表面に吸着し、銅の結晶化を妨害するため、用いる濃度によって結晶粒を細かくさせる作用を示すため、結晶粒の大きい銅箔22を用いても第2の銅層5の結晶粒を細かくさせてしまうので、結晶粒をそれほど低下させない濃度で用いる必要がある。かかる理由から、光沢剤の添加が極力少ないものが好ましく、光沢剤を含有していないものが特に好ましい。
第2の銅層5の厚さは、導体回路として使用できる程度の厚さであればよく、目的とするスペースにもよるものの、1〜30μmの範囲であると好ましく、3〜25μmの範囲であるとより好ましく、5〜20μmの範囲であると更に好ましい。また、絶縁層と反対側の面の表面の銅の平均粒径が5μm以上の結晶粒であれば、1〜30μmの範囲でよい。
このような第2の銅層5の形成工程に続いて、図2(g)に示すように、電解めっきレジストであるレジスト4を除去する(レジスト除去工程)。これにより、レジスト4に覆われていた部分の第1の銅層32(銅めっき層3)が露出する。レジスト4の除去は、アルカリ性剥離液、硫酸、又はその他の市販のレジスト剥離液を用いて、レジスト4を剥離すること等により行うことができる。
それから、図2(h)に示すように、レジスト4に覆われていた部分の第1の銅層32(銅箔22及び銅めっき層3)をエッチングにより除去する(エッチング工程)。これにより、導体回路となるべき部分以外の銅(第1の銅層32)が全て除去され、第1の銅層32及び第2の銅層3からなる導体回路50が形成される。
エッチングは、レジスト4を除去した後の基板を、エッチング液に浸漬することにより行うことができる。エッチング液としては、ハロゲン以外の酸及び過酸化水素を主成分とし、主成分に加えて溶媒、添加剤からなる溶液を適用することができる。この溶媒としては、コスト、取り扱い性、安全性の面から水が好ましく用いられ、水にはアルコール等が添加されていても構わない。また、添加剤としては過酸化水素の安定剤等が挙げられる。さらに、ハロゲン以外の酸としては、硫酸、硝酸等が挙げられ、好ましくは硫酸が用いられる。このようなエッチング液を用いてエッチングを行う場合、設計通りのトップ幅、ボトム幅等を有する回路パターンを得るためには、銅めっき層3のエッチング速度が銅箔22のエッチング速度の80%以下となるように調整することが好ましい。
また、ハロゲン以外の酸として硫酸を用いる場合、エッチング液の主成分の濃度として、10〜300g/Lの硫酸および10〜200g/Lの過酸化水素水を用いることが好ましい。このような濃度以下では、エッチング速度が遅くなるため、作業性が悪くなる傾向にある。また、この濃度以上では、エッチング速度が速くなり過ぎ、エッチング量のコントロールが難しくなるおそれがある。
第1の銅層32のエッチング速度は、1〜15μm/分となるようにコントロールすることが、良好な作業性を得る観点から好ましい。また、結晶構造の差異によるエッチング速度の差は、エッチング液の温度に依存することから、エッチングの際には、エッチング液の温度は20〜50℃とすることが好ましく、20〜40℃とすることがより好ましい。さらに、エッチング時間は、所望の導体パターン幅が形成されるような時間を適宜求めて適用すればよいが、作業性やエッチングの均一性等を良好にする観点からは、10秒〜10分の範囲とすることが好ましい。
エッチング工程後には、図2(i)に示すように、後述するニッケル・金層形成工程を実施する前に、導体回路50の少なくとも一部が露出するように、表面にソルダーレジスト6を形成するソルダーレジスト形成工程を行うことが好ましい。ソルダーレジスト6は、例えば、導体回路50(回路パターン)のうちのワイヤボンディング用端子やはんだ接続用端子となるべき部分以外を覆うように形成することができる。このようなソルダーレジスト6をニッケル・金層形成工程前に形成することによって、所望の位置にのみニッケル・金層を形成することが可能となり、電解ニッケルや、電解金めっき、無電解金めっきの際に導体回路を保護することができるほか、コストの低減も図ることが可能となる。
ソルダーレジスト6としては、熱硬化型や紫外線硬化型の樹脂のものが使用でき、なかでも、レジスト形状を精度良く加工することができる紫外線硬化型のものが好ましい。例えば、エポキシ系、ポリイミド系、エポキシアクリレート系、フルオレン系の樹脂材料を用いることができる。ソルダーレジストのパターン形成は、ワニス状の材料であれば印刷で行うことも可能であるが、より精度を高める観点から、感光性のソルダーレジスト、カバーレイフィルム、フィルム状レジストを用い、これらを用いた公知のパターン形成方法を適用して行うことがより好ましい。
次に、図2(j)に示すように、ソルダーレジスト6を形成しなかった第2の銅層5の表面上に、更に電解ニッケルめっきによりニッケル層7を形成する(ニッケル層形成工程)。この工程では、電解ニッケルめっきにより、ソルダーレジスト6が形成されていない部分にのみニッケル層7が形成される。この工程でも、導体回路50のいずれかの部分にリード線を取り付けて電解ニッケルめっきを実施すればよい。
電解ニッケルめっきは、例えば、ソルダーレジスト6形成工程後の基板全体を、電解ニッケルめっき液に浸漬することで行うことができる。電解ニッケルめっき液としては、ワット浴(硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸を主成分とするニッケルめっき浴)、スルファミン酸浴(スルファミン酸ニッケルとホウ酸を主成分とするニッケルめっき浴)、ホウフッ化浴等を用いることができる。なかでも、ワット浴からの析出皮膜が、素地となる導体回路50との密着性がよく、耐食性を高くできる傾向にある。そのため、電解ニッケルめっきには、ワット浴を用いることが好ましい。
また、ワット浴を用いてめっきを行うと、ニッケル層7におけるニッケルの結晶粒径も大きくできる傾向にある。そのため、かかる観点からもワット浴を用いることが好ましい。これは、後述する金層形成工程において、無電解金めっきにより金層8を形成する場合、金層8は下地のニッケルの結晶の大きさをある程度引き継いで結晶成長するエピタキシャル成長により形成されることから、ニッケルの結晶粒が大きいほど、大きな結晶粒を有する金めっき皮膜が形成されるためである。
ニッケル層7は、導体回路50と反対側の面、すなわち後述するような金層8やパラジウム層と接触する側の面でのニッケルの表面の平均結晶粒径が5μm以上となるように形成する。このニッケル層7表面の結晶粒径の平均値は、7μm以上であると好ましく、10μm以上であるとより好ましく、結晶粒の大きさが大きいほどよい。一般的に、電解ニッケルめっき液には光沢剤やピット防止剤と呼ばれる界面活性剤が添加されるが、光沢剤は結晶粒を小さくすることで光沢を得るもので、界面活性剤はピットと呼ばれる気泡が表面に吸着し、めっきの不析出部分を無くすために添加される。そのため、上記のような結晶粒径を得るために、電解ニッケルめっき液は、光沢剤の添加が極力少ないものが好ましく、光沢剤を含有していないものが特に好ましい。また、界面活性剤も光沢剤ほどの効果はないが結晶粒を細かくさせてしまうため、極力少なくするか、界面活性剤も含有していないものが特に好ましい。光沢剤の添加が少ない電解ニッケルめっき液を用いる場合、半光沢のニッケル層7が形成され易く、光沢剤を含有しない電解ニッケルめっき液を用いる場合、無光沢のニッケル層7が形成され易い。光沢剤の添加が多い電解ニッケルめっき液を用いると、めっきにより析出したニッケルの結晶粒が細かくなり、後の工程で無電解金または電解金めっきを行うと金の結晶粒が細かくなってしまう。そのため金めっき皮膜中の結晶粒界が多くなり、高温処理によりニッケルが拡散してしまうためバリヤ皮膜としての効果が得られなくなるなり、ワイヤボンディング性が低下する。
ニッケル層7の最適な厚みは、ニッケルめっき液中の光沢剤の種類や含有量、第2の銅層5の表面の平均結晶粒径に依存する。ニッケル層7の厚みは0.03μm以上〜8μmであることが好ましく、0.03〜0.5μmもしくは2〜6μmであるとより好ましく、0.03〜0.3μmであると更に好ましい。ニッケル層7の厚みが0.03μm未満の場合、銅のバリヤ皮膜としての効果が低くなるため好ましくない。また、8μm以上では面内での厚みばらつきがおおきくなるとともに、効果がそれ以上大きくは向上せず、経済的でないので、ニッケル層7の厚みは8μm以下とすることが好ましい。0.03〜0.3μmの厚みの範囲が最も好ましい理由は、高温処理後においても優れたワイヤボンディング性を得られるとともに、はんだ接続用の端子では、リフローを行うことで、電解ニッケル皮膜が拡散して消失し、銅−錫化合物層の形成により銅層5とはんだボールが十分な強度で接続されるとともに、電解ニッケルめっき皮膜と金めっき皮膜の厚みが薄いことで、微細配線にも対応することが可能となる。
また、電解ニッケルめっきにおいては、電流密度も結晶成長に影響を与える傾向にある。具体的には、電解ニッケルめっきの際の電流密度は、0.3〜4A/dmであることが好ましく、0.5〜3A/dmであることがより好ましく、0.8〜2.5A/dmであることが更に好ましい。この電流密度を0.3A/dm以上とすることで、ニッケルの結晶粒が充分に成長し、バリヤ皮膜としての効果が高まるため本発明の効果が良好に得られるようになる。上記範囲内で電流密度が高いほど、ニッケルの結晶粒を大きくできるため、電流密度は高いほど好ましい。ただし、電流密度を4A/dm以下とすることで、ざらつきのあるめっきの発生(一般に「やけ」と呼ばれる)を抑制することができる傾向にある。
その後、図2(k)に示すように、ニッケル層7が形成された導体回路50(回路パターン)に対し、無電解金めっきまたは電解金めっきにより金層8を形成する(金層形成工程)。これにより、ニッケル層7が形成された導体回路50の上面及び側面を覆うように金層8が形成され、この部分が、ワイヤボンディング用端子やはんだ接続用端子等の接続端子として好適に機能できるようになる。
金層8は、電解金めっきで形成する場合、電解金めっき液としては、金めっき液の金イオン源として、可溶性の金化合物であれば使用できるが、入手の容易さ、溶解性、安定性を考慮すると、シアン化金、シアン化第一金カリウム、亜硫酸金カリウム、チオ硫酸金から選ばれるものが特に好ましい。また、使用する金化合物に応じて、めっき液中での金イオンの安定性を制御する目的で金と錯イオンを形成する錯化剤を合わせて添加してもよい。金めっき液に伝導塩として加える有機酸塩および/または無機酸塩は、クエン酸、酒石酸、リン酸、亜硫酸等のアルカリ金属塩が好ましく、またこれらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。さらに、pH緩衝剤として、例えば、ホウ酸、コハク酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸、リン酸、亜硫酸またはその塩を1種又は2種以上添加してもよい。これらのpH緩衝剤を添加すると、pHが大きく変動することがなく一定に維持することが容易になり、めっき液の長期間の使用に一層好ましいものとなる。また、金皮膜の電解析出形態を調整するために、金めっき液にタリウム、砒素、セレンの可溶性塩を添加してもよい。これらを添加すると、金めっきの電解析出形態に大きな変動が生じにくくなり、長期間のめっきを行うに際して一定の品質を維持することが容易になる。また、光沢剤を添加する例として、複素環式化合物であるO−フェナントロリン、ビピリジル及びこれらの誘導体を1種又は2種以上添加する場合もあるが、結晶粒が大きいニッケルの上に、光沢剤を含んだ金めっき液から金皮膜を析出させると、金の結晶粒が小さくなってしまうため、熱処理によりニッケルが金の結晶粒界を拡散しやすくなりワイヤボンディング性が低下するので、光沢剤は極力添加しないほうがよい。金めっき液のpH値は、緩衝剤と伝導塩の濃度調整によりpH5.0〜8.0の範囲とするのが好ましく、この範囲であれば析出する金めっきの外観にムラ等の異常が発生しない。金めっき液のpHが5.0未満になるとめっき外観にムラが生じやすく、一方、ソルダーレジストが形成されている場合、pHが8.0を超えるとこれを溶解し易い。電解時の電流密度は0.1〜4.5A/dmが好ましい。この範囲においては当該めっき液のpH値、液温、金濃度を適宜選択することにより、良好な状態で金めっきができる。通常のめっき工程においては、めっき皮膜の密着性を向上させ、被めっき素材から金めっき液に不純物金属イオンが混入してめっき液が早期に汚染されることを防ぐために、厚付け用の電解金めっきの前に電解金ストライクめっきと称するごく薄い金めっきを行う場合が多い。電解金ストライクめっきを行ってごく薄い金めっき皮膜を形成した後に、厚付け用の電解金めっきを行う方法が好ましい。
金層8は、無電解金めっきで形成する場合、例えば、置換・還元金めっきを行うか、或いは、置換金めっきを行った後に還元型の金めっきを行う無電解金めっきなどによって形成することができる。無電解金めっきは、本発明による効果が得られる限り、どちらの手法を用いて行ってもよいが、置換金めっきを行った後に還元型の金めっきを行う方法は、下層の金属(この場合はニッケル)との良好な密着性が得られる観点から好ましく、また置換・還元金めっきを行う方法は、めっきの際に下層の金属(この場合はニッケル)を溶出させ難く、良好な金層8を形成できる傾向にある。
置換金めっき後、還元型の金めっきを行う場合、具体的には、HGS―100(日立化成工業株式会社製、商品名)のような置換金めっき液により、0.005〜0.1μm程度の金めっき下地皮膜(置換金めっき皮膜)を形成した後、その上に、HGS―2000(日立化成工業株式会社製、商品名)のような還元型の無電解金めっき液により、0.03〜0.2μm程度の金めっき仕上げ層(還元型の金めっき皮膜)になるように形成する方法が挙げられる。ただし、無電解金めっきの手法はこれに限定されず、通常行われる金めっきに適した方法であれば制限なく適用できる。
図3は、金層8形成後の導体回路50の部分の断面構成を拡大して示す模式図である。ここでは、金層8を形成するための無電解金めっきを、上記のような置換金めっき後、還元型の金めっきを行うことにより実施した場合の例を示す。図3に示すように、この部分では、内層板1(図示せず)の表面に形成された絶縁層21上に、銅箔22、銅めっき層3、第2の銅層5がこの順に積層され、これらの積層構造の上面及び側面を覆うようにニッケル層7および金層8が形成されている。
置換金めっきに用いるめっき液には、シアン化合物を含むものと含まないものがあるが、いずれのめっき液でも使用できる。なかでも、シアン化合物を含むものが好ましい。この理由としては、シアンを含むめっき液で置換金めっきを行った後に、後述するような還元型の金めっきを行うと、金層8が均一に成長し易い傾向にある。
還元型の金めっきは、置換金めっき皮膜に更に金皮膜を形成することができる。そのため、置換金めっきに続いて還元型の金めっきを行うことで、厚い金層8を形成することが可能となる。還元型の金めっきに用いるめっき液は、還元剤を含むことで、自己触媒的に金層を形成できる。このめっき液にも、シアン化合物を含むものと含まないものがあるが、いずれのめっき液でも使用できる。
還元型の金めっきに用いるめっき液の還元剤としては、酸化により水素ガスが発生しないものが好ましい。ここで、水素ガスが発生しない、もしくは発生しにくい還元剤としては、アスコルビン酸、尿素系化合物、フェニル系化合物等が挙げられる。なお、水素ガスが発生する還元剤としては、ホスフィン酸塩、ヒドラジンがある。このような還元剤を含む金めっき液は、60〜80℃程度の温度で使用可能なものが好ましい。
一方、置換・還元金めっきは、置換金めっきと還元型の金めっき反応を同一の液で行うものであり、置換金めっきと同様に、ニッケル層7が形成された導体回路50の上面及び側面に金層8を形成できる。このようなめっき液には、シアン化合物を含むものと含まないものがあり、いずれのめっき液でも使用することができる。また、置換・還元金めっきを行った後に、金層の厚膜化のために更に無電解金めっきを行うこともできる。
このようにして形成される金層8は、99質量%以上の純度の金からなることが好ましい。金層8の金の純度が99質量%未満であると、この部分を端子として適用する際に接続の信頼性が低下する場合がある。接続信頼性をより高める観点からは、金層の純度は、99.5質量%以上であることがより好ましい。
また、金層8の厚さは、0.03〜1μmとすることが好ましく、0.03〜0.5μmとすることがより好ましく、0.1μm〜0.2μmとすることが更に好ましい。金層8の厚さを0.03μm以上とすることで、高温処理によるニッケルの拡散を抑制することが可能で、高温処理後においても良好なワイヤボンディング性が得られる。一方、1μmを超えても、それ以上効果が大きく向上しないため、経済的な観点からも1μm以下とすることが好ましい。
電解ニッケルめっき皮膜と電解金めっき皮膜あるいは無電解金めっき皮膜の間にパラジウムの純度が99.5質量%以上の無電解パラジウムめっき皮膜あるいは電解パラジウムめっき皮膜を形成することが可能である。
パラジウム層は、無電解パラジウムめっきもしくは電解パラジウムめっきのいずれの方法でもよい。無電解パラジウムめっきとして、置換パラジウムめっきや還元剤を用いる還元型パラジウムめっきが適用できる。無電解パラジウムめっきによるパラジウム層の形成方法としては、特に、置換パラジウムめっきを行った後、還元型パラジウムめっきを行う方法が好ましい。これは、電解ニッケルめっきにより形成したニッケル層7上では、そのままでは無電解パラジウムめっき反応が起こりづらい傾向にあるためである。あらかじめ置換パラジウムめっきでパラジウムを置換析出させておき、その後に還元型パラジウムめっきによりパラジウム層を析出させることで、良好にパラジウム層を形成することができる。
パラジウム層の厚みは、0.015〜0.3μmであると好ましく、0.02〜0.2μmであるとより好ましく、0.03〜0.1μmであると更に好ましい。パラジウム層の厚みが0.3μmを超えると、パラジウム層の形成による効果がそれ以上は向上せず、経済的でない傾向にある。一方、0.03μmよりも薄いと、パラジウム層が析出していない部分が含まれ易く、パラジウム層を形成することによる接続信頼性の向上効果が十分に得られなくなるおそれがある。
無電解パラジウムめっきに用いるめっき液のパラジウムの供給源としては、特に限定されないが、塩化パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムアンモニウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物等が挙げられる。具体的には、酸性塩化パラジウム(PdCl/HCl)、硝酸テトラアンミンパラジウム(Pd(NH(NO)、ジシアノジアンミンパラジウム(Pd(CN)(NH)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(Pd(NHCl)、スルファミン酸パラジウム(Pd(NHSO)、硫酸ジアンミンパラジウム(Pd(NHSO)、シュウ酸テトラアンミンパラジウム(Pd(NH)、硫酸パラジウム(PdSO)等を適用することができる。また、めっき液に添加する緩衝剤等についても特に限定されない。
無電解パラジウムめっきにより形成されるパラジウム層は、パラジウムの純度が99.5質量%以上である必要があり、99.8質量%以上であるとより好ましく、100質量%に近いと特に好ましい。パラジウムの純度が99.5質量%未満であると、パラジウムめっき皮膜の結晶粒径が小さくなるために、その上部に形成する金めっき皮膜も小さくなり、熱処理を行わなくても、金ワイヤとの接着層として働く金皮膜の粒径が小さいことによってワイヤボンディング性が低下する。
無電解パラジウムめっきに用いる還元剤に、ギ酸化合物を使用すると、得られるパラジウム層の純度が99質量%以上になり易くなり、均一な析出は可能となる。また、還元剤に次亜リン酸や亜リン酸等のリン含有化合物や、ホウ素含有化合物を使用する場合は、得られるパラジウム層がパラジウム−リン合金やパラジウム−ホウ素合金になるため、その場合は、パラジウムの純度が90質量%以上となるように還元剤の濃度、pH、浴温などを調節することが好ましい。
また、パラジウム層は、必ずしも無電解パラジウムめっきにより形成しなくてもよく、電解パラジウムめっきにより形成することもできる。その場合、電解パラジウムに用いる電解パラジウムめっき液のパラジウムの供給源としては、特に限定されず、塩化パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パラジウムアンモニウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物を適用できる。具体的には、酸性塩化パラジウム(PdCl/HCl)、硝酸テトラアンミンパラジウム(Pd(NH(NO)、ジニトロジアンミンパラジウム(Pd(NH(NO)、ジシアノジアンミンパラジウム(Pd(CN)(NH)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(Pd(NHCl)、スルファミン酸パラジウム(Pd(NHSO)、硫酸ジアンミンパラジウム(Pd(NHSO)、シュウ酸テトラアンミンパラジウム(Pd(NH)、硫酸パラジウム(PdSO)などが例示できる。また、電解パラジウムめっき液に含有させる緩衝剤等についても特に限定されず、公知の電解パラジウムめっき液に含まれるものを適用することが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述したような本発明の製造方法によれば、微細配線を形成する場合であっても、ブリッジの発生を低減でき、しかも優れたワイヤボンディング性及びはんだ接続信頼性を得ることが可能な半導体チップ搭載用基板が得られるようになる。本発明者によりこれらの効果が得られる要因は、必ずしも明らかではないが、以下のようなものであると推測される。
(ワイヤボンディング性)
従来の無電解ニッケル/無電解金めっきの場合、上述した非特許文献1に記載のように、熱処理にともなってワイヤボンディング性が著しく低下することが示されている。このようにワイヤボンディング性が低下する理由としては、金めっき皮膜の粒界を無電解ニッケル皮膜からのニッケルが拡散し、これにより金めっき皮膜の表面にニッケルが移行し、この表面でニッケル酸化物を形成することが考えられる。そして、このように生じたニッケル酸化物が、金ワイヤと金めっき皮膜との接着を妨害し、ワイヤボンディング性の低下を招いていると考えられる。
例えば、本発明と同じ、表面の平均粒径が5μm以上の銅回路に、一般的に適用されている中リンタイプと呼ばれるリンの含有率が7%前後の合金の無電解ニッケル−リンめっき皮膜を0.03μm以上〜0.3μm(もしくはそれ以上)析出させると、銅めっき皮膜の拡散を抑制するバリヤ皮膜としての機能は発揮するものの、無電解ニッケル−リンめっき皮膜はアモルファスもしくは微結晶であるため、後で析出させる電解金めっきあるいは無電解金めっき皮膜の結晶粒が細かくなるために、高温放置によりニッケルが金めっき皮膜の結晶粒界を拡散してしまう。
これに対し、本発明においては、表面の平均粒径が5μm以上の銅回路に電解ニッケルめっきを行うことで、ニッケル皮膜の結晶粒界を低減し、さらにその上に析出させる金めっき皮膜の結晶粒界を低減する方法である。
本発明では、電解ニッケルめっき液において、光沢剤が少ないか、光沢剤を添加しないため、銅回路表面の平均粒径が5μm以上あれば、この上に形成した電解ニッケルめっき皮膜の表面の平均粒径を5μm以上に保つことができる。また、光沢剤が少なければ、電解ニッケルめっき皮膜の厚みを0.03μm以上〜0.3μm以内のエピタキシャル成長の間で制御することで、電解ニッケルめっき皮膜の表面の平均粒径を5μm以上に保つことができる。
ここで、電解ニッケルめっき液の光沢剤は、一次光沢剤と二次光沢剤の2種類があり、一次光沢剤は皮膜の結晶を微細化することにより光沢を付与する働きがあり、二次光沢剤は、一次光沢剤では得られないような小さな傷を埋める働き、つまりレベリング効果を付与する働きをする。一次光沢剤としては、芳香族スルホン酸類(ベンゼンスルホン酸等)、芳香族スルホンアミド類(p−トルエンスルホン酸アミド等)、芳香族スルホンイミド類(サッカリン等)が知られており、二次光沢剤としては、アルデヒド類(ホルムアルデヒド等)、アリル、ビニル化合物(アリルスルホン酸等)、アセチレン化合物(2−ブチル1,4−チオール等)、ニトリル類(エチルシアンヒドリン等)が知られている。そして、電解ニッケルめっき液には、特に一次光沢剤のみを添加する場合が多い。
そして、電解ニッケルめっき皮膜の上に無電解金めっき皮膜を析出する場合、無電解金めっき皮膜はエピタキシャル成長することから、ニッケルの表面の結晶粒径が大きいほど金の結晶粒径が大きくなり、電解ニッケルめっき後、電解金めっきを行う場合とほぼ同レベルの金の結晶粒を有することができる。したがって、このようにして形成したワイヤボンディング端子等に熱処理を行っても、金層がニッケルの拡散を抑制する効果が高いため、優れたワイヤボンディング性を発揮し得ると考えられる。
(はんだ接続信頼性)
従来のように銅回路上に無電解ニッケル/無電解金めっきを施す場合、上述した非特許文献1に記載のように、無電解ニッケルめっき層が、置換金めっき反応によって溶解し、脆弱層が形成されることがある。この脆弱層は、一般的に適用される無電解ニッケルは、無電解ニッケル−リン合金めっきであり、その後の置換金めっき反応ではニッケルのみが溶出し易いため、リンが濃縮されて溶解し残ることにより形成さされると考えられる。そして、このような脆弱層の形成によって、はんだ接続信頼性が低下する。
これに対し、本発明のように導体回路に対して電解ニッケルめっき/無電解金めっきを行う場合、電解ニッケルでは純ニッケルを析出できるため、その後の置換金めっき反応でもニッケルが溶出するだけで、無電解ニッケル−リン合金めっきの場合のような脆弱層は生じない。したがって、本発明における電解ニッケル/無電解金めっきによれば、極めて高いはんだ接続信頼性が得られると考える。また、0.03〜0.3μmの厚みの範囲であれば、はんだ接続用の端子では、リフローを行うことで、電解ニッケル皮膜が拡散して消失し、銅−錫化合物層の形成により銅層5とはんだボールが十分な強度で接続されるとともに、電解ニッケルめっき皮膜と金めっき皮膜の厚みが薄いことで、微細配線にも対応することが可能となる。
(ブリッジ)
まず、従来、無電解ニッケルめっきによってブリッジが発生し易かった要因としては、(1)配線間のエッチング残渣、(2)無電解銅めっきにより銅配線を形成した際に、配線間に残った無電解銅めっき用のパラジウム触媒残渣、(3)無電解ニッケルめっきを行う前の置換パラジウムめっき処理によるパラジウム触媒残渣、(4)無電解めっきにおける還元剤として一般的に使用されている次亜リン酸の酸化により発生する水素ガス、等が複合的に作用していると考えられる。
すなわち、微細配線化が進み、配線と配線との間の水素ガス濃度が高くなると、配線と配線の間の無電解ニッケルめっき反応の活性が高くなるため、上述したような(1)〜(3)の残渣に無電解ニッケルめっきが析出し易くなり、これがブリッジの要因となる。また、(1)〜(3)のような残渣がない場合であっても、無電解ニッケルめっきの際、配線と配線との間の水素ガス濃度が高くなることにより、この部分でニッケルの還元が生じ、直接無電解ニッケルめっきによる合金層が析出してしまい、これがブリッジとなる場合がある。
さらに、無電解ニッケルめっきにより配線の側面に形成されるニッケル皮膜は、水素ガス濃度の高まりによって配線の側面のめっきの活性が上がることで、配線の上面の無電解ニッケルめっき皮膜よりも厚い形状となり易い。特に、配線間の距離が狭いほど、この傾向は強くなるため、これもブリッジが発生し易くなる要因となる。
ここで、従来のブリッジを抑制するための前処理液や前処理方法、或いは無電解めっき用触媒では、無電解ニッケルめっき処理後のブリッジの発生を抑制できない要因を、本発明者らは次のように考えている。
すなわち、従来の前処理液、前処理方法や無電解めっき用触媒液は、上述した(1)のエッチング残渣や(2)のパラジウム触媒残渣などを不活性化するもの、または(3)のパラジウム触媒残渣の量を低減するものであると考えられる。しかし、ブリッジが発生する原因としては、上記のような(4)の水素ガスも考えられるが、上記従来の前処理液、前処理方法や無電解めっき用触媒液では、かかる水素ガスが配線間の樹脂表面に吸着し、これが無電解ニッケルめっきによるダイレクトな合金層を析出させることを抑制するような効果が得られないため、ブリッジの発生を充分に抑制できないと考える。
一方、本発明では、電解ニッケルめっき皮膜が0.03〜0.3μmの厚みの範囲でワイヤボンディング性とはんだ接続信頼性に優れるから、電解ニッケルめっき皮膜の薄膜化を行うことが可能で、パターン間の間隔が50μmを下回るような超微細パターン、例えば、配線幅/配線間隔(以下、「L/S」と略す。)=35μm/35μmという微細配線を有する製品にも十分適用することが可能となる。
以上、本発明に係る半導体チップ搭載用基板及びその製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。
例えば、上記の実施形態では、内層板1に対し、樹脂付き銅箔2を用いて外層回路の形成を行うセミアディティブ法による半導体チップ搭載用基板の製造方法の例を示したが、サブトラクト法による方法も可能である。
また、上述した実施形態では、内層板1の両表面上に外層導体回路を形成させる例を説明したが、必ずしもこれに限定されず、例えば内層板1の一方の表面側のみ外層導体回路を形成するようにしてもよい。さらに、上記で得られた半導体チップ搭載用基板を更に内層板として用い、同様の工程を繰り返すことで、複数層の外層導体回路を備える多層板としてもよい。また、単に表面の平均粒径が5μm以上の銅箔のみで回路を形成し基板を半導体チップ搭載用基板として用いても良い。
(銅・ニッケル・パラジウム・金の表面の平均粒径の定義)
銅・ニッケル・パラジウム・金の表面の平均粒径は、試料表面に対して垂直に断面加工してSIM(Scanning Ion Microscope)もしくはTEM(Transmission Electron Mictoscopy)もしくはEBSP(Electron BackScattering Pattern)により約50μm幅で3箇所観察し、銅であればニッケルと接する近傍の、断面における結晶粒界間の距離の平均値を銅の表面の平均粒径と定義した。ニッケルについては、銅と同様に、金と接する近傍の断面における結晶粒界間の距離の平均値をニッケルの表面の平均粒径と定義した。パラジウムについては、ニッケルと同様に、金と接する近傍の断面における結晶粒界間の距離の平均値をパラジウムの表面の平均粒径と定義した。金についてはニッケルもしくはパラジウムと接していない反対側の最表面の、断面における結晶粒界間の距離の平均値を金の表面の平均粒径と定義した。
(断面加工の方法)
ガリウム(Ga+)イオンを用いた集束イオンビーム加工観察装置(例えば、株式会社日立製作所製「FIB−2000A」)、またはアルゴンイオンビームを用いた試料断面加工装置(例えば、日本電子株式会社製「SM−09010」)を用いて、断面加工を行うことが可能である。
[実施例1]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
(1a)内層板の準備
まず、図1(a)に示すように、絶縁基材に厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた、厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を準備し、その不要な箇所の銅箔をエッチングにより除去し、スルーホールを形成して、表面に内層回路が形成された内層板(内層板1)を得た。
(1b)銅箔の積層
図1(b)に示すように、内層板1の両面に、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させた公称厚み0.06mmのプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、6μmの厚みの圧延銅箔であるタフピッチ銅TPC(日立電線株式会社製、商品名)を真空プレスにて圧力2.5±0.2MPa、温度175±2℃、保持時間60分の条件にて積層した。さらに主成分として硫酸20g/L、過酸化水素10g/Lの組成のエッチング液を用いてエッチングを行い、圧延銅箔の厚みを3μmにした。
(1c)IVHの形成
図1(c)に示すように、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、銅箔22上から直径80μmの非貫通孔であるIVH30をあけた。さらに、IVH30形成後の基板を過マンガン酸カリウム65g/Lと水酸化ナトリウム40g/Lの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、孔内のスミアの除去を行った。
(1d)無電解銅めっき
図1(d)に示すように、(1c)の工程後の基板を、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間浸漬して、銅箔22表面に触媒を付与した。その後、銅ST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用して、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行った。これにより銅箔22上及びIVH30内の表面に厚さ0.3μmの無電解銅めっき層(銅めっき層3)を形成した。
(1e)電解めっきレジストの形成
図1(e)に示すように、ドライフィルムフォトレジストであるRY−3025(日立化成工業株式会社製、商品名)を、無電解銅めっき層の表面にラミネートし、電解銅めっきを行うべき箇所をマスクするフォトマスクを介してフォトレジストに紫外線を露光した後、現像して、電解めっきレジスト(レジスト4)を形成した。
(1f)電解銅めっき
図1(f)に示すように、下記の硫酸銅浴を用い、液温25℃、電流密度1.5A/dmの条件で、銅めっき層3上に、銅箔22と銅めっき層3と電解銅めっきの厚みの和が20μmとなるように電解銅めっきを行い、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=35/35μmのパターン形状を有する第2の銅層5を形成した。また、かかるパターン形状を形成した面と反対側の面には、はんだボール接続用のランド径600μmのパッドが形成されるように、電解銅めっき皮膜(第2の銅層5)を形成した。
(硫酸銅めっき液)
硫酸銅(CuSO・5HO) : 70g/L
濃硫酸 : 200g/L
塩化物イオン : 30mg/L
トップルチナGT−1(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ポリマー] : 5ml/L
トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー] :0.25ml/L
トップルチナGT−3(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[レベラー] : 0.5ml/L
(1g)電解めっきレジストの剥離
図2(g)に示すように、レジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)を用いて、電解めっきレジスト4の除去を行った。
(1h):エッチング
図2(h)に示すように、主成分として硫酸20g/L、過酸化水素10g/Lの組成のエッチング液を用いて、電解めっきレジスト4で覆われていた部分の銅(銅めっき層3)をエッチングにより除去した。
(1i)ソルダーレジストの形成
図2(i)に示すように、エッチング後の基板の上側の表面に、感光性のソルダーレジスト「PSR−4000 AUS5」(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータで塗布し、硬化後の厚みが40μmとなるようにした。続いて、露光・現像をすることにより、導体回路上の所望の場所に開口部を有するソルダーレジスト6を形成した。また、下側の表面には、はんだボール接続用のパッドを形成するために、ランド径600μmの銅パッドの上部に、500μmの開口径をもったソルダーレジスト6を形成した。
(1j)電解ニッケルめっき
図2(j)に示すように、下記の組成を有する光沢剤や界面活性剤を含有しない電解ニッケルめっき液を用いて、液温55℃、電流密度1.5A/dmの条件で、第2の銅層5上に電解ニッケルめっきを0.03μmほどの厚さが得られるように行い、第2の銅層5上にニッケル層7を形成した。
(電解ニッケルめっき液(ワット浴)の組成)
硫酸ニッケル : 240g/L
塩化ニッケル : 45g/L
ホウ酸 : 30g/L
pH4
(1k)電解金めっき
図2(k)に示すように、ストライク電解金めっき液であるアシドストライク(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、40℃、2A/dmで10秒間、ストライク電解金めっきを行った。さらに電解金めっき液であるテンペレジスト(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、70℃、0.2A/dmで電解金めっきを行った。これにより、半導体チップ搭載用基板を得た。ストライク電解金めっき及び電解金めっきにより形成された金層の膜厚の合計は0.03μmであった。
このようにして、図2(k)に示すような、上下面に金層8で覆われた端子部分を有する半導体チップ搭載用基板を得た。この半導体チップ搭載用基板においては、上側の端子部分がワイヤボンディング接続用の端子に該当し、下側の端子部分がはんだ接続用の端子に該当する。半導体チップ搭載用基板は、これらの端子をそれぞれ1000個有している(以下の実施例、比較例も同様)。
(特性評価)
(1)ワイヤボンディング性
上記で得られた半導体チップ搭載用基板について、下記の基準により接続端子のワイヤボンディング性(ワイヤボンディング接続性)を評価した。すなわち、実施例1に対応する複数の半導体チップ搭載用基板に対し、150℃で3、10、50、100及び200時間の熱処理をそれぞれ実施し、各熱処理時間が経過した時点でワイヤボンディングを行った。ワイヤボンディングは、ワイヤ径28μmの金ワイヤを用い、1000箇所のワイヤボンディング接続用の端子の全てで行った。ワイヤボンディング装置としては、UTC200−Super2(株式会社新川製、商品名)を用い、ボンディング温度(ヒートブロック温度):165℃、ボンド荷重:70gf(0.67N)、超音波出力:90PLS、超音波時間:25msの条件とした。
そして、ワイヤボンディング後、ボンドテスタ(Dage社製、商品名:BT2400PC)を用いて、金ワイヤを引っ張り、端子から外れるまでの強度を測定する金ワイヤプルテストを行い、下記基準に基づいて、ワイヤボンディング接続信頼性について端子毎にそれぞれ評価した。得られた結果を表2に示す。
A:ワイヤプル強度の平均値が10gf(0.098N)以上
B:ワイヤプル強度の平均値が8gf(0.078N)以上10gf(0.098)未満
C:ワイヤプル強度の平均値が3gf(0.029N)以上8gf(0.078N)未満
D:ワイヤプル強度の平均値が3gf(0.029N)未満
(2)はんだ接続信頼性
上記で得られた半導体チップ搭載用基板について、下記の基準により接続端子のはんだ接続信頼性を評価した。すなわち、半導体チップ搭載用基板における1000箇所のはんだ接続端子に、φ0.76mmの錫−3.0銀−0.5銅はんだボールを、リフロー炉で接続させた後(ピーク温度252℃)、耐衝撃性ハイスピードボンドテスター 4000HS(デイジ社製 商品名)を用いて、約200mm/秒の条件ではんだボールのシェア(剪断)試験を行った(放置時間0h)。また、はんだボールをリフローにより接続させた半導体チップ搭載用基板を複数準備し、それぞれ150℃で100、300、1000時間放置した後、これらについても同様にしてはんだボールのシェア(剪断)試験を行った。
はんだ接続信頼性の評価基準は以下のとおりであり、かかる基準に基づいて、端子毎に評価を行った。得られた結果を表2に示す。
A:1000箇所全てのはんだ用接続端子においてはんだボール内での剪断による破壊が認められた。
B:はんだボール内での剪断による破壊以外のモードによる破壊が1箇所以上10個所以下で認められた。
C:はんだボール内での剪断による破壊以外のモードによる破壊が11箇所以上100個所以下で認められた。
D:はんだボール内での剪断による破壊以外のモードによる破壊が101個所以上で認められた。
(3)微細配線形成性
上記で得られた半導体チップ搭載用基板について、下記の基準により無電解金めっき後の微細配線形成性を評価した。得られた結果を表2に示す。
A:ブリッジが形成されておらず、端子部分にめっき皮膜が良好に形成されており、回路導体間隔が25μm以上である。
B:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が20μm以上、25μm未満である。
C:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が15μm以上、20μm未満である。
D:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が5μm以上、15μm未満である。
E:端子部分の外周に部分的にめっきがはみ出して析出しており、回路導体間隔が5μm未満である。
(4)銅・ニッケル・パラジウム・金の膜厚
なお、本実施例及び以下の実施例や比較例においては、銅層の膜厚は、断面を光学顕微鏡にて観察して測定し、ニッケル層、パラジウム層、及び金層の膜厚は、蛍光X線膜厚計SFT9500(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、商品名)を用いて測定した。結果を表1に示した。
(5)銅・ニッケル・パラジウム・金の表面の結晶粒径
端子部分における銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7、パラジウム層及び金層8のそれぞれの表面における結晶粒径を調べるため、端子部分を収束イオンビーム加工観察装置FIB:Focused Ion Beam System、株式会社日立製作所製、FB−2000A型)を用いて加工し、FIBに併設されている走査イオン顕微鏡(SIM:Scanning Ion Microscope(以下、FIB/SIMと省略))を用いて観察した。また、必要に応じて、透過電子顕微鏡HF−3300(日立製作所製、商品名)を用いて観察した。さらに必要に応じて、EBSPにより観察した。EBSP測定・解析システムとして、OIM(Orientation Imaging Macrograph、解析ソフト名「OIMAnalysis」)(TSL社製 商品名)を用いた。銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7、パラジウム層及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
(特性評価の評価基準)
150℃で10時間の熱処理を実施し、ワイヤボンディング性試験を行いA(ワイヤプル強度の平均値が10gf(0.098N)以上)が得られた条件を合格の基準とした。
[実施例2〜8]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)の電解ニッケルめっきの時間、または実施例1の工程(1k)の電解金めっきの時間を変化させることで表1に示した厚みの電解ニッケルまたは電解金めっき皮膜を得た。それ以外の工程は全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例9]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1k)の電解金めっきの代わりに、置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社、商品名)へ、85℃において2分間浸漬させ、1分間水洗し、さらに、還元型の金めっき金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)へ、70℃において20分間浸漬させ、5分間水洗することで、0.2μmの金めっき皮膜を得たこと以外は全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例10]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)において電解ニッケルめっきの時間を変化させて電解ニッケルめっき皮膜の厚みを0.2μmにし、実施例1の工程(1k)の電解金めっきの代わりに、置換金めっき液であるHGS−100(日立化成工業株式会社、商品名)へ、85℃において2分間浸漬させ、1分間水洗し、さらに、還元型の金めっき金めっき液であるHGS−2000(日立化成工業株式会社製、商品名)へ、70℃において20分間浸漬させ、5分間水洗することで、0.2μmの金めっき皮膜を得た以外は全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例11]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1f)において硫酸銅めっき液に添加する添加剤の、トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー]の濃度を0.15ml/Lにし、実施例1の工程(1j)において電解ニッケルめっきの時間を変化させて電解ニッケルめっき皮膜の厚みを0.2μmにし、実施例1の工程(1k)において電解金めっきの時間を変化させて電解金めっき皮膜の厚みを0.2μmにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例12]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1f)において硫酸銅めっき液に添加する添加剤の、トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー]の濃度を0.05ml/Lにし、実施例1の工程(1j)において電解ニッケルめっき皮膜の厚みを0.2μmにし、実施例1の工程(1k)において電解金めっきの時間を変化させて電解金めっき皮膜の厚みを0.2μmにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例13〜14]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)において電解ニッケルめっき液に、界面活性剤(日本高純度化学株式会社製、商品名:ピット防止剤♯62)を3ml/L分加え、表2の厚みの電解ニッケルめっき皮膜を得るとともに、実施例1の工程(1k)において、電解金めっき皮膜の厚みを0.2μmにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例15〜16]
実施例1の工程(1a)〜(1j)を行った後、液温25℃の置換パラジウムめっき液であるSA−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に2分間浸漬させた後、水洗を1分間行い、次いで無電解パラジウムめっき液であるパレット(小島化学薬品株式会社製、商品名)に、70℃で浸漬し、表2に記載の厚みの純度99.9質量%以上のパラジウムめっき皮膜を形成した。その後、実施例1の工程(1k)において、電解金めっき皮膜の厚みを0.2μmにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7、パラジウム層及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7、パラジウム層及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例17]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
(2a)内層板の準備
まず、図4(a)に示すように、絶縁基材に厚さ18μmの銅箔を両面に貼り合わせた、厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ銅張積層板であるMCL−E−679(日立化成工業株式会社製、商品名)を準備し、その不要な箇所の銅箔をエッチングにより除去し、スルーホールを形成して、表面に内層回路が形成された内層板(内層板1)を得た。
(2b)銅箔の積層
図4(b)に示すように、内層板の両面に、ガラス布にエポキシ樹脂を含浸させた公称厚み0.06mmのプリプレグGEA−679F(日立化成工業株式会社製、商品名)を介して、9μmの厚みの圧延銅箔であるBHY−T箔(日鉱金属株式会社製、商品名)を真空プレスにて圧力2.5±0.2MPa、温度175±2℃、保持時間60分の条件にて積層した。
(2c)IVHの形成
図4(c)に示すように、炭酸ガスインパクトレーザー穴あけ機L−500(住友重機械工業株式会社製、商品名)により、銅箔22上から直径80μmの非貫通孔であるIVH30をあけた。さらに、IVH30形成後の基板を過マンガン酸カリウム65g/Lと水酸化ナトリウム40g/Lの混合水溶液に、液温70℃で20分間浸漬し、孔内のスミアの除去を行った。
(2d)無電解銅めっき
図4(d)に示すように、(2c)の工程後の基板を、パラジウム溶液であるHS−202B(日立化成工業株式会社製、商品名)に25℃で15分間浸漬して、銅箔22表面に触媒を付与した。その後、銅ST−201(日立化成工業株式会社製、商品名)を使用して、液温25℃、30分の条件で無電解銅めっきを行った。これにより銅箔22上及びIVH30内の表面に厚さ0.3μmの無電解銅めっき層(銅めっき層3)を形成した。
(2e)電解銅めっき
図4(e)に示すように、下記の硫酸銅浴を用い、液温25℃、電流密度1.5A/dmの条件で、銅めっき層3上に、銅箔22と銅めっき層3と電解銅めっきの厚みの和が20μmとなるように電解銅めっきを行い、第2の銅層5を形成した。
(硫酸銅めっき液)
硫酸銅(CuSO・5HO) : 70g/L
濃硫酸 : 200g/L
塩化物イオン : 30mg/L
トップルチナGT−1(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ポリマー] : 5ml/L
トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー] :0.25ml/L
トップルチナGT−3(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[レベラー] : 0.5ml/L
(2f)エッチングレジストの形成
ドライフィルムフォトレジストであるRY−3025(日立化成工業株式会社製、商品名)を、電解銅めっき層の表面にラミネートし、エッチングを行うべき箇所をマスクするフォトマスクを介してフォトレジストに紫外線を露光した後、現像して、エッチングレジスト(レジスト4)を形成した。
(2g):エッチング
図5(g)に示すように、電解めっきレジスト4で覆われていない露出している銅の部分を、主成分として硫酸20g/L、過酸化水素10g/Lの組成のエッチング液を用いて、エッチング除去し、回路導体幅/回路導体間隔(L/S)=35/35μmのパターン形状を有する第2の銅層5を形成した。また、かかるパターン形状を形成した面と反対側の面には、はんだボール接続用のランド径600μmのパッドが形成されるように、電解銅めっき皮膜(第2の銅層5)を形成した。
(2h)エッチングレジストの剥離
図5(h)に示すように、レジスト剥離液であるHTO(ニチゴー・モートン株式会社製、商品名)を用いて、エッチングレジスト4の除去を行った。
(2i)ソルダーレジストの形成
図5(i)に示すように、エッチング後の基板の上側の表面に、感光性のソルダーレジスト「PSR−4000 AUS5」(太陽インキ製造株式会社製、商品名)をロールコータで塗布し、硬化後の厚みが40μmとなるようにした。続いて、露光・現像をすることにより、導体回路上の所望の場所に開口部を有するソルダーレジスト6を形成した。また、下側の表面には、はんだボール接続用のパッドを形成するために、ランド径600μmの銅パッドの上部に、500μmの開口径をもったソルダーレジスト6を形成した。
(2j)電解ニッケルめっき
図5(j)に示すように、下記の組成を有する光沢剤や界面活性剤を含有しない電解ニッケルめっき液を用いて、液温55℃、電流密度1.5A/dmの条件で、第2の銅層5上に電解ニッケルめっきを0.03μmほどの厚さが得られるように行い、第2の銅層5上にニッケル層7を形成した。
(電解ニッケルめっき液(ワット浴)の組成)
硫酸ニッケル : 240g/L
塩化ニッケル : 45g/L
ホウ酸 : 30g/L
pH4
(2k)電解金めっき
図5(k)に示すように、ストライク電解金めっき液であるアシドストライク(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、40℃、2A/dmで10秒間、ストライク電解金めっきを行った。さらに電解金めっき液であるテンペレジスト(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、70℃、0.2A/dmで電解金めっきを行いストライク電解金めっき及び電解金めっきにより形成された金層の膜厚の合計が0.03μmの金めっき皮膜を得た。これにより、半導体チップ搭載用基板を得た。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[実施例18]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例17の工程(2a)を行った後、実施例17の工程(2b)の銅箔の積層において、9μmの厚みの圧延銅箔であるBHY−T箔(日鉱金属株式会社製、商品名)の代わりに9μmの厚みの圧延銅箔であるBHYA−HA箔(日鉱金属株式会社製、商品名)を用いた。その後、実施例17の工程(2c)〜(2k)を行った。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例1]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)において電解ニッケルめっき液に、界面活性剤(日本高純度化学株式会社製、商品名:ピット防止剤♯62)を3ml/L分加え、0.5μmの電解ニッケルめっき皮膜を得たこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例2]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)において電解ニッケルめっき液に、界面活性剤(日本高純度化学株式会社製、商品名:ピット防止剤♯62)を3ml/Lと、サッカリン(光沢剤) : 2g/L分加え、0.2μmの電解ニッケルめっき皮膜を得たこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例3〜5]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)において、電解ニッケルめっき皮膜の代わりに、無電解ニッケルめっき皮膜を析出させた。無電解ニッケルめっき液としてICPニコロンU(奥野製薬工業株式会社製、商品名)に85℃で浸漬処理することにより、表1に示した膜厚で、7質量%のリンを含有した無電解ニッケルめっき皮膜を形成した。また、実施例1の工程(1k)の電解金めっきの時間を変化させることで表1に示した厚みの電解金めっき皮膜を得た以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例6]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1a)〜(1j)を行った後、ストライク電解金めっき液であるアシドストライク(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、40℃、2A/dmで10秒間、ストライク電解金めっきを行った。さらに電解金めっき液であるテンペレジスト(日本高純度化学株式会社、商品名)に光沢剤であるO−フェナントロリンを30ppm含有するように添加し、70℃、0.2A/dmで電解金めっきを行い、ストライク電解金めっき及び電解金めっきにより形成された金層の膜厚の合計が0.2μmの金めっき皮膜を得た。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例7]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1a)〜(1j)を行った後、ストライク電解金めっき液であるアシドストライク(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、40℃、2A/dmで10秒間、ストライク電解金めっきを行った。さらに電解金めっき液であるテンペレジスト(日本高純度化学株式会社、商品名)に光沢剤であるO−フェナントロリンを100ppm含有するように添加し、70℃、0.2A/dmで電解金めっきを行い、ストライク電解金めっき及び電解金めっきにより形成された金層の膜厚の合計が0.2μmの金めっき皮膜を得た。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例8]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1a)〜(1j)を行った後、ストライク電解金めっき液であるアシドストライク(日本高純度化学株式会社、商品名)を用いて、40℃、2A/dmで10秒間、ストライク電解金めっきを行った。さらに電解金めっき液であるテンペレジスト(日本高純度化学株式会社、商品名)に光沢剤であるO−フェナントロリンを100ppm含有するように添加した液を用いて、70℃、0.2A/dmで電解金めっきを行い、ストライク電解金めっき及び電解金めっきにより形成された金層の膜厚の合計が0.5μmの金めっき皮膜を得た。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例9]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1f)において硫酸銅めっき液に添加する添加剤の、トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー]の濃度を0.7ml/Lにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例10]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1f)において硫酸銅めっき液に添加する添加剤の、トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー]の濃度を1ml/Lにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例11]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1f)において硫酸銅めっき液に添加する添加剤の、トップルチナGT−2(奥野製薬工業株式会社製、商品名)[ブライトナー]の濃度を1.5ml/Lにしたこと以外は、全て実施例1と同様にした。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例12〜13]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1j)と工程(1k)の間に、液温25℃の置換パラジウムめっき液であるSA−100(日立化成工業株式会社製、商品名)に2分間浸漬させた後、水洗を1分間行い、次いで無電解パラジウムめっき液であるTPD−30(上村工業株式会社製、商品名)に50℃で浸漬し、表1に記載の厚みの純度95.5質量%(パラジウム:95.5質量%,リン:4.5質量%)のパラジウム−リンめっき皮膜を形成した。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7、パラジウム層及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7、パラジウム層及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例14]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例1の工程(1a)を行った後、実施例1の工程(1b)の銅箔の積層において、6μmの厚みの圧延銅箔であるタフピッチ銅TPC(日立電線株式会社製、商品名)22の代わりに、35μmのキャリア銅箔付3μm銅箔MT35S3(三井金属鉱業株式会社製、商品名)を用い、真空プレスにて圧力2.5±0.2MPa、温度175±2℃、保持時間60分の条件にて積層した後35μmのキャリア銅箔を剥離した。その後、実施例1の工程(1c)〜(1k)を行った。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
[比較例15]
(半導体チップ搭載用基板の製造)
実施例17の工程(2a)を行った後、実施例17の工程(2b)の銅箔の積層において、9μmの厚みの圧延銅箔であるBHY−T箔(日鉱金属株式会社製、商品名)の代わりに8μmの厚みの電解銅箔であるNA−VLP(三井金属鉱山株式会社製、商品名)を用いた。その後、実施例17の工程(2c)〜(2k)を行った。
(特性評価)
得られた半導体チップ搭載用基板について、実施例1と同様にして、ワイヤボンディング性、はんだ接続信頼性および微細配線形成性について評価した。得られた結果を表2に示す。また、ニッケル層7及び金層8の膜厚および銅箔22、第2の銅層5、ニッケル層7及び金層8の表面の結晶粒径の測定値を表1に示した。
Figure 2013093360
Figure 2013093360
表1より、実施例1〜18によれば、比較例1〜15に比して、良好なワイヤボンディング性が得られることが確認された。電解ニッケルめっき皮膜の厚みを1μm析出させた実施例7、2μm析出させた実施例8を除き、優れた微細配線形成性が得られるほか、良好なはんだ接続信頼性が得られることが確認された。特に、表1及び表2より、銅の結晶粒径が大きいと、ニッケルの結晶粒径が大きくなり、さらに金の結晶粒径も大きく、熱処理後においてもワイヤボンディング性が良好に保たれることが明らかになった。また、銅の結晶粒径が大きくても、ニッケルの結晶粒径が小さいと、金の結晶粒径が小さくなり、ニッケルの結晶粒径が大きくても、金めっき液に光沢剤を含むと金の結晶粒径が小さくなり、熱処理にともないワイヤボンディング性が低下することが明らかとなった。
1…内層板、100…内層用基板、102…内層回路、104…内層用ビア、110…積層体、2…樹脂付き銅箔、21…絶縁層、22…銅箔、3…銅めっき層、30…インタースティシャルバイアホール(IVH)、32…第1の銅層、4…レジスト、5…第2の銅層(電解銅めっき皮膜)、50…導体回路、7…ニッケル層、6…ソルダーレジスト、8…金層

Claims (9)

  1. 樹脂を主成分とする絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された銅回路と、前記銅回路上の少なくとも一部に形成された電解ニッケルめっき皮膜と、前記電解ニッケルめっき皮膜の少なくとも一部に形成され、金めっき皮膜を形成したワイヤボンディング用端子と、を有する半導体チップ搭載用基板であって、前記金めっき皮膜のニッケルめっきとは反対側の面の結晶粒径の平均値が、5μm以上である半導体チップ搭載用基板。
  2. 電解ニッケルめっき皮膜の金めっき皮膜に接する面の結晶粒径の平均値が、5μm以上である請求項1記載の半導体チップ搭載用基板。
  3. 銅回路の電解ニッケルめっき皮膜に接する面の結晶粒径の平均値が、5μm以上である請求項1または2記載の半導体チップ搭載用基板。
  4. 金めっき皮膜の厚みが、0.03μm以上である請求項1〜3のいずれかに記載の半導体チップ搭載用基板。
  5. 金めっき皮膜が、(1)置換金めっき工程、(2)置換金めっき工程を行った後に還元型の金めっきを行う工程、(3)置換・還元タイプの金めっき工程のいずれか1つの工程により形成される請求項1〜4のいずれかに記載の半導体チップ搭載用基板。
  6. 電解ニッケルめっき皮膜の厚みが、0.03μm以上である請求項1〜5のいずれかに記載の半導体チップ搭載用基板。
  7. 電解ニッケルめっき皮膜のニッケルの純度が、99.5%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の半導体チップ搭載用基板。
  8. 電解ニッケルめっき皮膜と金めっき皮膜の間に、パラジウムの純度が99.5%以上のパラジウムめっき皮膜が形成される請求項1〜7のいずれかに記載の半導体チップ搭載用基板。
  9. 樹脂を主成分とする絶縁層の上に、絶縁層と反対側の面の結晶粒径の平均値が5μm以上の銅回路を形成する工程と、前記銅回路上の少なくとも一部に、前記銅回路と反対側の面の結晶粒径の平均値が5μm以上の電解ニッケルめっき皮膜を形成する工程と、前記電解ニッケルめっき皮膜の少なくとも一部に、前記ニッケルめっき皮膜と反対側の面の結晶粒径の平均値が5μm以上の金めっき皮膜を形成する工程と、を有する半導体チップ搭載用基板の製造方法。
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