JP4644871B2 - 気密容器内の物理量測定装置および測定方法 - Google Patents
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Description
MH法等により製造されたMOX粉末は、燃料製造工程に移行する前に、貯蔵庫に一時保管されることとなるが、その保管に際して、図5に示すように、グローブボックス1内で粉末缶と呼ばれる金属製の容器2の中に充填され、このMOX粉末を充填した容器は、4缶ずつ、貯蔵容器と呼ばれるさらに別のステンレス鋼製の気密容器3内に収納される。それら容器2,3のハンドリングにはマテハン装置が使用され(例えば、特許文献1参照)、MOX粉末の充填から貯蔵に至るまでの一連の操作が自動運転或いは遠隔操作で行われるようになっている。
(2)仮に、図6に示すように、信号線Lを容器外に取り出すことができたとしても、その信号線Lがマテハン装置によるハンドリングの邪魔となり、自動運転に支障を来す虞がある。
(3)また、その場合、図7(a)に示すように、容器内の汚染雰囲気下にあった信号線Lが非汚染雰囲気に露出することにより、汚染拡大の懸念もある。
(4)さらに、信号線Lを介してデータを出力する際には、図7(b)に示すように、粉末缶2をグローブボックス1内に移して、センサから延びる信号線Lをデータ受信側の信号線またはコネクタに接続する必要があるが、その場合、データ受信側の信号線またはコネクタの取付部分(グローブボックス1の壁面を貫通する部分P)から汚染がグローブボックス1外に漏れないように特別な加工を施す必要がある。
(5)貯蔵容器3と粉末缶2との間には僅かな空間しか存在しないため、測定機器を設置することが難しく、また、当該空間に温度センサを設置することができたとしても、MOX粉末の中心部の温度を測定することはできない。
所定条件の成立には、例えば、外部装置から検出データの転送要求があったときや、予め設定された時間が経過したとき、或いは検出データが閾値を超えたとき等が挙げられる。
「気密容器内」とは、容器等によって気密性が保たれた閉鎖空間のことを云い、当該閉鎖空間には、特定の気密容器のみによって形成される閉鎖空間のみならず、特定の気密容器内の空間と結合された閉鎖空間(例えば、グローブボックスの内部空間)も含まれる。
外部装置は、気密容器外に設置されて、上記通信装置から無線で転送される上記検出データを受信できるものであれば、如何なる装置であっても良い。
また、得られた検出データに基づいて、気密容器内の放射性物質の安全性を評価することができ、その評価の結果、放射性物質の貯蔵条件の変更等が必要な場合には、それを速やかに実行することができる。
また、得られた検出データを計算コードの妥当性評価や高度化等にも役立てることができ、安全性の更なる向上を図ることができる。
図1は、本発明に係る気密容器内の物理量測定装置の一実施形態を示す模式図である。この物理量測定装置10は、粉末缶2内のMOX粉末5の温度を検出する温度センサ(熱電対)11a,11b,11cと、粉末缶2内の圧力を検出する圧力センサ12と、それらセンサ11a,11b,11c,12の検出データを記憶するとともに、記憶した検出データを所定条件の成立に基づき外部装置30に無線で転送する測定ユニット13と、これらセンサ11a,11b,11c,12および測定ユニット13を粉末缶2内の所定位置に配置する取付治具20とを備えて構成されている。
この測定ユニット13の記憶装置16には、CPU14により実行される各種処理プログラムや制御データ等を記憶する記憶領域の他、圧力センサ12や各温度センサ11b,11c,12からの検出データを格納する記憶領域などが設けられている。
また、測定ユニット13のCPU14は、外部装置30から無線モジュール17に検出データの転送要求があったときに、記憶装置16の所定記憶領域に格納された検出データを読み込んで、これを無線モジュール17から外部装置30に無線で転送する処理を実行する。なお、本実施形態では、無線モジュール17として、電池を内蔵したセミパッシブタイプRFID(Radio Frequency IDentification)タグが用いられている。
その後、貯蔵容器3をグローブボックス1に接続して、気密蓋3aを取り外した後、蓋締めした粉末缶2を1缶ずつ貯蔵容器3内に収納する(ステップS4)。そして、貯蔵容器3内の粉末缶2が4缶に達したところで、貯蔵容器3に気密蓋3aを取り付けて、貯蔵容器3を気密状態とした後、貯蔵容器3をグローブボックス1から切り離して、これに外蓋3bを取り付け(ステップS5)、貯蔵庫に搬送・入庫する(ステップS6)。これにより、MOX粉末5が貯蔵庫に保管された状態となる。
また、この状態においては、測定ユニット13が、所定時間毎に、各センサ11a,11b,11c,12の検出信号を入力して、その検出データを、RTC15から取得した時刻に関連づけて、記憶装置16の所定記憶領域に順次記憶する処理を行う。
これにより、粉末缶2内の測定ユニット13とグローブボックス1外の外部装置30とが無線で通信可能な状態となる。この状態において、外部装置30から測定ユニット13に検出データの転送要求が送信されると、これを受信した測定ユニット13は、記憶装置16に格納された検出データをRFIDタグの識別データとともに外部装置30に無線で転送する処理を行う(ステップS11)。データ転送が完了したら、粉末缶2は蓋締めされた後(ステップS12)、前述したステップS4〜S6の操作を経て、再び貯蔵庫に保管される。
また、外部装置30から検出データの転送要求があったときにのみ、測定ユニット13に蓄えた検出データを外部装置30に転送するようにしたので、消費電力を僅かに抑えることができ、RFIDタグの電池寿命を大幅に伸ばすことができる。
また、本実施形態においては、各センサの検出データを分単位で取得するようにしたが、物理量の測定間隔は、物理量の変化の程度や、測定時間の長さ、記憶装置16の容量等に応じて、任意に設定することが可能である。
2 粉末缶
3 貯蔵容器(気密容器)
5 MOX粉末(放射性物質)
10 気密容器内の物理量測定装置
11a,11b,11c 温度センサ
12 圧力センサ
13 測定ユニット
14 CPU
16 記憶装置
17 無線モジュール(通信装置)
18 収容ケース
20 取付治具
30 外部装置
Claims (6)
- 放射性物質であるウランとプルトニウムの混合酸化物の粉末を収容した気密容器内の物理量を測定する測定装置であって、
上記物理量を検出するセンサと、
上記気密容器内に設置され、上記センサの検出データをその検出時刻に関連づけて順次記憶する記憶装置と、
上記気密容器内に設置され、所定条件が成立した際に、上記記憶装置に蓄積された上記検出データを無線通信により外部装置に転送する通信装置とを備え、
上記粉末中に柱状の取付治具が立設されるとともに、上記センサは、上記気密容器内の上記放射性物質の温度を検出する温度センサを含み、かつ上記粉末中に配置された当該温度センサは、その上下に介装された断熱用ネジにより上記気密容器および上記取付治具と熱的に遮断された状態で上記取付治具に取り付けられていることを特徴とする気密容器内の物理量測定装置。 - 上記センサは、上記温度センサおよび上記気密容器内の圧力を検出する圧力センサが含まれるとともに、上記温度センサは、上記粉末の表層部、中心部および底部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の気密容器内の物理量測定装置。
- 上記通信装置がRFIDタグにより構成され、このRFIDタグから無線で送信された上記検出データを、上記気密容器外に設置された上記外部装置のRFIDリーダが受信するようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の気密容器内の物理量測定装置。
- 上記通信装置および上記記憶装置を収容する収容ケースと、この収容ケースを上記放射性物質の上方位置に配置する取付治具とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の気密容器内の物理量測定装置。
- 上記取付治具は、上記センサを所望位置に配設するためのセンサ取付部を有することを特徴とする請求項4に記載の気密容器内の物理量測定装置。
- 放射性物質であるウランとプルトニウムの混合酸化物の粉末を収容した気密容器内の物理量を測定する測定方法であって、
予め、柱状の取付治具に温度センサを取り付けるとともに当該温度センサの上下に断熱用ネジを介装し、上記気密容器内に上記粉末を充填した後に、上記粉末中に上記取付治具を立設することにより上記粉末中に上記温度センサを上記気密容器および上記取付治具と熱的に遮断された状態で配置し、かつ上記気密容器内に、記憶装置および通信装置を配設しておき、所定時間毎に、上記センサにより上記物理量を検出して、その検出データをその検出時刻に関連づけて上記記憶装置に順次記憶するとともに、
所定条件が成立した際に、上記通信装置による無線通信によって、上記記憶装置に蓄積された上記検出データを外部装置に転送することを特徴とする気密容器内の物理量測定方法。
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