JP4644233B2 - 伝送路システム、フレーム伝送方法およびフレーム伝送装置 - Google Patents
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したがって、複数のブロッキングノードの存在を検出した場合には、ネットワークのブロッキングノードを1つにし、ネットワークの再構築をしなければならない。
特許文献1に記載された技術は、障害の発生を検出したネットワーク接続装置(ノード)から、マスタ装置が送出した管理フレームを折り返して送信させ、マスタ装置が折り返し管理フレームを受信した時点で、伝送路上に障害が発生したことを認識するものである。
図1において、符号1〜符号6は、フレーム伝送装置としてのノードであり、それぞれには、ノード番号と、ノード状態とが割り当てられており、これらがA系廻り(時計廻り)、B系廻り(反時計廻り)の2本の伝送路9、10を介して適宜接続されることにより網が構築される。
なお、符号7、8は、A端局1、B端局2、中間局3〜6として割り当てられる各ノードに接続される端末(PC:Personal Computer)である。端末7、8は、ユーザフレームを生成し、A系廻り(時計廻り)の伝送路9、あるいはB系廻り(反時計廻り)の伝送路10を用いてデータ交換を行う。なお、図1における太線矢印は、データ交換を模式的に示したものである。
ここでは、A端局とB端局間で伝送されるユーザフレームcの他に、隣接するノード間で使用される第1の制御フレームとしての隣接間フレームaと、網制御用の第2の制御フレームとして網制御フレームbとが用意される。
網制御フレームbには、ブロッキング宣言フレーム、競合開始トリガフレーム、障害隣接A宣言フレームとがある。
競合開始トリガフレームは、網内に存在する1以上のA端局を1つのノードに調停するために用いられ、具体的には、障害回復時に複数のA端局が互いに競合を行い優先度に基づく調停により1以上のA端局を1つのノードに調停するための契機になる。
障害隣接A宣言フレームは、自局が障害隣接A端局であることを宣言するために用いられ、具体的には、自局がA端局として最高優先度を持っているため、競合開始トリガフレームによる競合要求に対して競合を中止し、他ノードは中間局に遷移するように要求する。
データエリアに割り付けられるフレーム識別番号は、ブロッキング宣言フレーム、競合開始トリガフレーム、障害隣接A宣言フレーム、の識別を行うために用いられる。また、制御情報は、前記各フレームが競合したときに制御情報として付された優先度により、いずれかひとつのフレームを有効にするために用いられる情報である。タグは、任意のポートを複数のVLAN(Virtual LAN)に所属させるための識別のために用いられる。
後述するように、隣接間フレームと網制御フレームとは、固有の宛先アドレスにより識別される。
なお、前記した隣接間フレームおよび網制御フレームは、マルチキャストを用いて送信される。このため、図1の各ノード1〜6は、マルチキャストドメインを仮想的に複数に分割するVLANの機能を備えたノードを用いることとする。
本実施形態に係るフレーム伝送装置は、ポートA(11)と、ポートB(12)と、ポート制御部13と、記憶部14と、受信バッファ15と、受信フレーム制御部16と、送信フレーム制御部17と、送信バッファ18と、網制御部19とで構成される。
一方、障害隣接A宣言フレームを受け取った優先度の低いA端局は、網制御部19が、自ノードを中間局に遷移するように制御する。
ノードに送られてくるフレームの転送制御は、ポート制御部13が記憶部14に格納されたフレーム転送先テーブルを用いて行う。
図5は、B端局および中間局(図5(a))、A端局(図5(b))それぞれにおいて、記憶部14に格納された隣接間フレームにおける比較例のフレーム転送先テーブルである。
図6は、B端局および中間局(図6(a))、A端局(図6(b))それぞれにおいて、記憶部14に格納された本実施形態に係る隣接間フレームと網制御フレームのフレーム転送先テーブルである。
図7は、隣接間フレームと網制御フレームにおけるフレーム伝達経路の概念図である。
B端局または中間局のポートA(11)(図4参照)に隣接間フレームが入った場合、ポート制御部13は、記憶部14に格納したフレーム転送先テーブル(図5(a))を参照し、受信したフレームの宛先アドレスが隣接間フレーム用アドレスであることを確認し、対応する転送先として網構成ポートを選択し(図5(a)100)、網制御部19にフレームを伝送する。
図7(a)は、B端局および中間局において、隣接間フレームが、ポートAから網構成ポートへは伝送されるが、ポートAからポートBには伝送されないことを示している。
次に、A端局のポートA(11)に隣接間フレームが入った場合、記憶部14に格納されたフレーム転送先テーブル(図5(b))が参照され、受信したフレームの宛先アドレスが隣接間フレーム用アドレスであることを確認し、対応する転送先として網構成ポートを選択し(図5(b)101)、網制御部19にフレームを伝送する。
図7(a)のA端局において、ポートAからポートBには隣接間フレームは伝送されず、網構成ポートのみに伝送されることを示す。
STPやRSTPにおいて伝送路の障害を通知する管理フレームは、上記と同様に隣接ノード間での送受信ができる隣接間フレームである。これは、隣接間フレームがブロッキングを通過できるフレームであることによる。しかし、隣接間フレームで、伝送路の障害を他のノードに通知する場合、中継するそれぞれのノードの制御部を経由した通知となるため、中継遅延が生じてしまう結果となる。
図6のフレーム転送先テーブルは、図5の隣接間フレームのフレーム転送先テーブルに、網制御フレームのフレーム転送先テーブルを新たに追加して設定したものである。したがって、隣接間フレームの転送制御は図5と同様の制御となる。
図7(b)のB端局および中間局において、網制御フレームは、ポートAから網構成ポートとポートBの両方に伝送されることを示している。
次に、網制御フレームがA端局のポートA(11)に入った場合、ポート制御部13は、記憶部14に格納したフレーム転送先テーブル(図6(b))を参照し、受信したフレームの宛先アドレスが網制御フレーム用アドレスであることを確認し、対応する転送先として網構成ポートを選択し(図6(b)201)、フレームを網制御部19に伝送する。
図7(b)のA端局において、網制御フレームは、ポートAからポートBには伝送されず、網構成ポートのみに伝送されることを示している。
また、ブロッキングの設定の有無により、フレーム転送先テーブルの転送先を変更することで、フレームの無限巡回を防止した障害通知が可能となる。
図9、図10は、いずれも図8に示す本発明の伝送路システムの物理的構成に基づき示してある。なお、図9、図10中、○印は中継ポートとして割り当てられるポートを、●印は論理切り替えポートとして割り当てられるポートを、‖は、ブロッキング(論理切断)状態のそれぞれを示す。また、図中、各ノードに付された#1〜#6の番号は、図1に示す各ポートの付番1〜6のそれぞれに相当する。
ここでは、ノード#1がA端局に割り当てられてポートBがブロッキングされ、ノード#2がB端局に割り当てられてポートAがブロッキングされ、ノード#3〜#6のそれぞれが中間局として網が構築されているものとして説明する。
隣接間フレームがn回連続で失敗することにより障害が発生したものとし、ここでは、3回連続で失敗したこと検知することによりノード#4〜#5間に断線による障害が発生したものとする(図9(b))。
このことにより、障害を検知したノード#4は、ブロッキングノードとしてのA端局(マスタノード)に遷移する。A端局に遷移したノード#4は、ブロッキング宣言フレーム生成部20(図4参照)がブロッキング宣言フレームを生成し、B系廻りで送出する(図9(c))。
ノード#1は、障害隣接A宣言フレームを受信し、網内に優先度が高いA端局が存在することを認識する。このため、競合を中止しA端局から中間局に遷移してブロッキングを解除する。また、ノード#2は、ノード#1が中間局になることで、自ノードはB端局でないことを認識し、中間局に遷移してブロッキングを解除する。マスタノードとなったA端局は、ブロッキング宣言フレームを周期的に送出し伝送路の健全性の確認を続け、各ノードも隣接間フレームを周期的に交換して伝送路の健全性を確認し続ける(図10(f))。
また、伝送路上で障害が発生した場合、ブロッキングノードに遷移したノード(マスタノード)が、網制御用の第2の制御フレームでブロッキング宣言フレームを送出するため、中継遅延のない障害通知が可能となり、いち早く伝送路上に複数のブロッキングノードが存在することを検出できる。
さらに、マスタノードが複数のブロッキングノードを検出したことを契機として、ネットワークの再構築を行うことで、伝送路が分割されることを防ぐことができる。
7、8 端末
9、10 伝送路(A系廻り、B系廻り)
11 ポートA
12 ポートB
13 ポート制御部
14 記憶部
15 受信バッファ
16 受信フレーム制御部
17 送信フレーム制御部
18 送信バッファ
19 網制御部
20 ブロッキング宣言フレーム生成部
21 ブロッキング宣言フレーム判定部
Claims (8)
- 複数のノードがA系廻りおよびB系廻りの伝送路を介してリング状に接続され、前記複数のノードのそれぞれが、
前記A系廻りのフレームの伝送をブロッキングし、かつ、前記B系廻りのフレームの伝送が可能なマスタノードと、
前記A系廻りのフレームの伝送が可能であり、かつ、前記B系廻りのフレームの伝送路を終端する終端局ノードと、
前記A系廻りおよびB系廻りのフレームの伝送が可能な中間局ノードとのうち、
いずれかひとつのノードの状態に設定され、
前記マスタノードが、
前記リングを形成する伝送路に所定のブロッキング宣言フレームを所定の時間ごとに送出し、
前記送出したブロッキング宣言フレームが、前記伝送路を1周し、自らに戻ってきたことを検知することにより、前記伝送路の健全性を監視し、
前記マスタノード以外のブロッキングノードが送出した前記ブロッキング宣言フレームを受信した場合に、前記マスタノードが前記伝送路上に複数のブロッキングノードが存在することを検出する伝送路システムであって、
前記マスタノードは、
前記ブロッキング宣言フレームを、網制御用の第2の制御フレームにより送出し、
前記終端局ノードおよび前記中間局ノードは、
前記網制御用の第2の制御フレームを、自身に備わる網制御のための網制御部を経由せず、ポートを介して受信したフレームを転送するポート制御部により転送し、
前記ポート制御部は、前記受信したフレームを転送する場合に、記憶部に格納されたフレーム転送先テーブルを参照し、前記受信したフレームの宛先アドレスが網制御フレーム用アドレスであることを確認し、前記フレーム転送先テーブルにおいて前記網制御フレーム用アドレスに対応付けて設定されたポートを転送先として選択する
ことを特徴とする伝送路システム。 - 前記マスタノードは、
前記複数のブロッキングノードの存在を検出した場合、競合開始トリガフレームをA系廻りに前記網制御用の第2の制御フレームとしてマルチキャスト送信し、ブロッキング競合処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の伝送路システム。 - 前記複数のノードは、第1の制御フレームにより、隣接するノードとの間で周期的にハンドシェイクを行って自ノードの状態を通知しあい前記伝送路の障害を監視し、
前記伝送路の障害を検知したノードは、前記マスタノードに遷移し、前記伝送路に前記ブロッキング宣言フレームを所定の時間ごとに送出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の伝送路システム。 - 複数のノードがA系廻りおよびB系廻りの伝送路を介してリング状に接続され、前記複数のノードのそれぞれが、
前記A系廻りのフレームの伝送をブロッキングし、かつ、前記B系廻りのフレームの伝送が可能なマスタノードと、
前記A系廻りのフレームの伝送が可能であり、かつ、前記B系廻りのフレームの伝送路を終端する終端局ノードと、
前記A系廻りおよびB系廻りのフレームの伝送が可能な中間局ノードとのうち、
いずれかひとつのノードの状態に設定される伝送路システムにおけるフレーム伝送方法であって、
前記マスタノードは、
前記リングを形成する伝送路に所定のブロッキング宣言フレームを所定の時間ごとに送出するステップと、
前記送出したブロッキング宣言フレームが、前記伝送路を1周し、自らに戻ってきたことを検知することにより、前記伝送路の健全性を監視するステップと、
前記マスタノード以外のブロッキングノードが送出した前記ブロッキング宣言フレームを受信した場合に、前記マスタノードが前記伝送路上に複数のブロッキングノードが存在することを検出するステップと、を実行し、
前記マスタノードは、前記ブロッキング宣言フレームを送出するステップにおいて、前記ブロッキング宣言フレームを、網制御用の第2の制御フレームにより送出し、
前記終端局ノードおよび前記中間局ノードは、
前記網制御用の第2の制御フレームを、自身に備わる網制御のための網制御部を経由せず、ポートを介して受信したフレームを転送するポート制御部により転送するステップ を実行し、
前記網制御用の第2の制御フレームを、前記網制御部を経由せず、前記ポート制御部により転送するステップにおいて、
前記ポート制御部は、記憶部に格納されたフレーム転送先テーブルを参照し、前記受信したフレームの宛先アドレスが網制御フレーム用アドレスであることを確認し、前記フレーム転送先テーブルにおいて前記網制御フレーム用アドレスに対応付けて設定されたポートを転送先として選択する
ことを特徴とするフレーム伝送方法。 - 前記マスタノードは、
競合開始トリガフレームをA系廻りに前記網制御用の第2の制御フレームとしてマルチキャスト送信し、ブロッキング競合処理を行うステップ
をさらに実行することを特徴とする請求項4に記載のフレーム伝送方法。 - 前記複数のノードは、第1の制御フレームにより、隣接するノードとの間で周期的にハンドシェイクを行って自ノードの状態を通知しあい前記伝送路の障害を監視するステップと、
前記伝送路の障害を検知したノードが、マスタノードに遷移し、網制御用の第2の制御フレームにより、前記伝送路に前記ブロッキング宣言フレームを所定の時間ごとに送出するステップと、
を実行することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のフレーム伝送方法。 - 複数のノードがA系廻りとB系廻りの伝送路を用いてフレームの伝送を行う伝送路システムにおけるフレーム伝送装置であって、
前記伝送路の障害が検知されることにより、前記フレームの伝送をブロッキングするマスタノードに遷移したノードから送信される網制御用の第2の制御フレームを受信し、自身が前記マスタノードでない場合に、自身に備わる網制御のための網制御部を経由せず、ポートを介して受信したフレームを転送するポート制御部と、
自身が前記マスタノードである場合に、前記マスタノードに遷移したノードから送信される前記網制御用の第2の制御フレームを前記ポート制御部を介して受信し、ブロッキングノードが前記伝送路上に複数存在することを検出すると、ブロッキング競合処理を行い伝送路を再構築する前記網制御部を備え、
前記網制御部は、
前記第2の制御フレームにより前記伝送路に送出し前記伝送路の健全性を監視するブロッキング宣言フレームを生成するブロッキング宣言フレーム生成部と、
前記第2の制御フレームが、(1)自ノードが送出したブロッキング宣言フレームが前記伝送路を1周し、自らに戻ってきたものか、(2)他のノードが伝送路の障害を検知してマスタノードに遷移し、前記伝送路に送出した前記ブロッキング宣言フレームか、を判別することにより複数のブロッキングノードの存在を検出するブロッキング宣言フレーム判別部と、を備え、
前記ポート制御部は、前記受信したフレームを転送する場合に、記憶部に格納されたフレーム転送先テーブルを参照し、前記受信したフレームの宛先アドレスが網制御フレーム用アドレスであることを確認し、前記フレーム転送先テーブルにおいて前記網制御フレーム用アドレスに対応付けて設定されたポートを転送先として選択する
ことを特徴とするフレーム伝送装置。 - 前記網制御部は、前記複数のブロッキングノードの存在を検出した場合、競合開始トリガフレームをA系廻りにマルチキャスト送信し、ブロッキング競合処理を行うことを特徴とする請求項7に記載のフレーム伝送装置。
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