JP4642265B2 - 真空断熱構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバリア性、耐熱性および耐ピンホール性に優れた真空断熱構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境の保護、特に省エネルギーの観点から、優れた真空断熱構造体が求められている。例えば、冷蔵庫用の断熱材や、住宅断熱壁用の断熱パネルとして好適な真空断熱構造体として、芯材と、前記芯材を外包する外被材とを備え、前記外被材が、蒸着層を有するラミネートフィルムどうし、もしくは蒸着層を有するラミネートフィルムと、金属箔を有するラミネートフィルムとを、熱溶着によって袋状にしたものであり、前記蒸着層を有するラミネートフィルムが、熱溶着層と、ガスバリア層と、最外層とからなり、前記ガスバリア層が、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂からなるプラスチックフィルムの片側にAl(アルミニウム)蒸着を施したものであり、かつ、Al蒸着を施した面が熱溶着層側に設けられていることを特徴とする真空断熱構造体などが知られている(特開平10−122477号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の真空断熱構造体には、耐ピンホール性および耐熱性が、必ずしも十分とはいえなかった。本発明の目的は、ガスバリア性、耐熱性および耐ピンホール性に優れた真空断熱構造体を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、最外層に熱可塑性樹脂層、中間層にガスバリア層および最内層にヒートシール層を有する多層フィルムの、ヒートシール層同士をヒートシールしてなる袋に断熱物質を充填した後、開口部をヒートシールして得られる真空断熱構造体であって、前記ガスバリア層が、バリア性樹脂(A)70〜95重量%および粒子径0.5〜2.5μmの無機フィラー(B)5〜30重量%からなる樹脂組成物でなる延伸フィルムからなり、かつ、前記延伸フィルムの、外層側に金属が真空蒸着されていることを特徴とする真空断熱構造体に関する。
【0005】
好適な実施態様では、本発明に用いられるバリア性樹脂(A)がが、ポリビニルアルコール系樹脂またはポリメタキシリレンアジパミドであり、より好適な実施態様では、エチレン−ビニルアルコール共重合体またはポリメタキシリレンアジパミドであり、特に好適にはエチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体である。
【0006】
好適な実施態様では、本発明に用いられる無機フィラー(B)がタルクである。
【0007】
好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体の最外層を構成する熱可塑性樹脂層が、高密度ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、より好適な実施態様では、ポリアミドまたはポリエステルである。また、好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体の最内層を構成するヒートシール層が、ポリプロピレン、低密度ポリエチレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
【0008】
また、好適な実施態様では、本発明で用いられる断熱物質が、グラスウール、ロックウール、スチレンフォーム、ウレタンフォーム、ケイソウ土およびケイ酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である。
【0009】
好適な実施態様では、延伸フィルムに真空蒸着されている金属がアルミニウムである。また、好適な実施態様では、延伸フィルムが、少なくとも一軸方向に2倍以上延伸された延伸フィルムである。
【0010】
好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体は、ヒートシール層同士をヒートシールしてなる袋に断熱物質を充填した後、開口部をヒートシールするにあたり、真空度1Torr以下の真空度下でヒートシールすることを特徴とする。
【0011】
好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体は、炊飯器または卓上湯沸器の断熱構造体に用いられる。別の好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体は、冷凍用容器または冷蔵用容器の断熱構造体に用いられる。また、別の好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体は、建材の断熱構造体に用いられる。さらに、別の好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体は、鉄道車輌または自動車の断熱構造体の断熱構造体に用いられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるバリア性樹脂(A)は、ガスバリア性を有する樹脂である。かかるバリア性樹脂(A)としては、酸素透過量が50ml・20μm/m2・day・atm(20℃−65%RHで測定した値)以下であることが好ましい。酸素透過量の上限はより好適には10ml・20μm/m2・day・atm以下であり、さらに好適には5ml・20μm/m2・day・atm以下であり、特に好適には1ml・20μm/m2・day・atm以下である。
【0013】
また、本発明に用いられるバリア性樹脂(A)として、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはポリメタキシリレンアジパミドを用いることが好適である。
【0014】
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂とは、ビニルエステル重合体、またはビニルエステルと他の単量体との共重合体をアルカリ触媒等を用いてケン化して得られる樹脂のことを指す。
ビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。
【0015】
また、本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂のビニルエステル成分のケン化度は好適には90%以上であり、より好適には95%以上であり、更に好適には99%以上である。ケン化度が90モル%未満では、高湿度下でのガスバリア性が低下する虞がある。
なおここで、ポリビニルアルコール系樹脂がケン化度の異なる2種類以上のポリビニルアルコール系樹脂の配合物からなる場合には、配合重量比から算出される平均値をケン化度とする。かかるポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、核磁気共鳴(NMR)法により求めることができる。
【0016】
本発明に用いられるポリビニルアルコール系樹脂としては、溶融成形が可能で、かつ優れたガスバリア性を有する観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略記することがある)が好適である。
【0017】
本発明に用いられるEVOHとしては、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して得られるものが好ましく、その中でも、エチレン含有量は5〜60モル%であることが好ましい。良好な延伸性を得る観点からは、エチレン含有量の下限はより好適には15モル%以上であり、さらに好適には25モル%以上である。また、ガスバリア性の観点からは、エチレン含有量の上限はより好適には55モル%以下であり、さらに好適には50モル%以下である。エチレン含有量が5モル%未満の場合は溶融成形性が悪化する虞があり、60モル%を超えるとガスバリア性が不足する虞がある。
【0018】
さらに、本発明に用いられるEVOHのビニルエステル成分のケン化度は好ましくは90%以上である。ビニルエステル成分のケン化度は、より好ましくは95%以上であり、最適には99%以上である。ケン化度が90%未満では、ガスバリア性、熱安定性が不充分となる虞がある。
【0019】
EVOH製造時に用いるビニルエステルとしては酢酸ビニルが代表的なものとして挙げられるが、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も使用できる。また、EVOHは共重合成分としてビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有することができる。ここで、ビニルシラン系化合物としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。さらに、本発明の目的が阻害されない範囲で、他の共単量体、例えば、プロピレン、ブチレン;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸またはそのエステル;N−ビニルピロリドンなどのビニルピロリドン等を共重合することも出来る。
【0020】
さらに、本発明の目的を阻外しない範囲内でEVOHにホウ素化合物をブレンドすることもできる。ここでホウ素化合物としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、ホウ酸塩、水素化ホウ素類等が挙げられる。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられ、ホウ酸塩としては上記の各種ホウ酸類のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、ホウ砂などが挙げられる。これらの化合物のうちでもオルトホウ酸(以下、単にホウ酸と表示する場合がある)が好ましい。
【0021】
EVOHにホウ素化合物をブレンドする場合、ホウ素化合物の含有量は好ましくはホウ素元素換算で20〜2000ppm、より好ましくは50〜1000ppmである。この範囲内でホウ素化合物をブレンドすることで加熱溶融時のトルク変動が抑制されたEVOHを得ることができる。20ppm未満ではそのような効果が小さく、2000ppmを超えるとゲル化しやすく、成形性不良となる場合がある。
【0022】
また本発明の目的を阻外しない範囲内で熱安定剤、酸化防止剤をEVOHにブレンドする事もできる。
【0023】
本発明に用いられるバリア性樹脂(A)の中でも、ガスバリア性の観点からエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)およびポリメタキシリレンアジパミド(MXD−6)が好適であり、特にエチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上のEVOHを用いることが好ましい。
【0024】
本発明に用いられる粒子径0.5〜2.5μmの無機フィラー(B)の好ましい例としては、マイカ、セリサイト、ガラスフレークおよびタルクが挙げられるが、これらに限定されない。これらの無機フィラーは単独で用いることもできるし、また複数種で用いることもできる。上記に例示した無機フィラー(B)の中でも、重量平均アスペクト比(α)が大きく、ガスバリア性および耐ピンホール性に特に優れた延伸フィルムが得られる観点から、タルクを用いることが特に好ましい。
【0025】
本発明に用いられる無機フィラー(B)の重量平均アスペクト比(α)は5以上が好適であり、更に好適には10以上であり、最適には13以上である。無機フィラー(B)の重量平均アスペクト比(α)が5未満では酸素バリア性の付与効果が小さくなる虞がある。
【0026】
本発明における無機フィラー(B)の重量平均アスペクト比(α)とは、重量平均フレーク径Lと、以下の方法により測定される無機フィラーの重量平均フレーク厚さdより(1)式を用いて算出される値である。
α=L/d(1)
(1)式における無機フィラー(B)の重量平均フレーク径Lは、粉体を各種目開きのマイクロシーブまたはフルイで分級し、その結果をRosin‐Rammlar線図にプロットし、測定に供した粉体の全重量の50重量%が通過するマイクロシーブまたはフルイの目開きL50に相当する値である。すなわち粉体の重量平均フレーク径Lは(2)または(3)式で定義される。
L=L50(マイクロシーブの場合)(2)
L=20.5・L50(フルイの場合)(3)
ここで、粉体のうち粒度の大きい部分についてはフルイによって分級されるものであり、粒度の細かい部分についてはマイクロシーブによって分級されるものである。
【0027】
一方、無機フィラーの重量平均フレーク厚さdとは、C.E.Capesらの報告による水面単粒子膜法{Ind.Eng.Chem.Fundam.,Vol.12,No.2,124−126頁(1973)参照}により測定されるフレークの水面での占有面積Sを用いて以下の(4)式より算出される値である。
d=W/{ρ(1−ε)・S}(4)
ここでWは測定に供した粉体の重量、ρは粉体の比重、(1−ε)は粉体が水面上で最密充填状態をとった場合の占有率であり、粉体に関しては(1−ε)を0.9として計算した。
【0028】
また、バリア性樹脂(A)との親和性を向上させ延伸時の穴開きを防止するために、無機フィラー(B)の表面を表面処理剤(例えばシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等)で処理することが好ましい。
【0029】
本発明に用いられる無機フィラー(B)の粒子径は0.5〜2.5μmであり、好ましくは0.8〜2.5μm、更に好ましくは0.8〜1.8μmである。なお、本発明における無機フィラー(B)の粒子径とは、前述の重量平均フレーク径Lのことを指す。無機フィラー(B)の粒子径が0.5μmに満たない場合は、ガスバリア性の改善効果が不充分なものとなる。
【0030】
また、無機フィラー(B)の粒子径は2.5μm以下であることが極めて重要である。無機フィラー(B)の粒子径が2.5μmを超える場合はバリア性樹脂(A)および無機フィラー(B)からなる樹脂組成物の延伸性が不満足なものとなる虞があるため、該樹脂組成物からなる延伸フィルムを製造する際に、延伸処理工程でフィルムの破れを生じたり、また、延伸後の膜厚が不均一になることがある。
【0031】
本発明の真空断熱構造体のガスバリア層を構成する延伸フィルムは、バリア性樹脂(A)70〜95重量%および粒子径0.5〜2.5μmの無機フィラー(B)5〜30重量%からなる樹脂組成物を成形してなる。該樹脂組成物における(A)および(B)の配合比は、好適には(A)80〜93重量%および(B)7〜20重量%であり、より好ましくは(A)85〜93重量%および(B)7〜15重量%である。
【0032】
(B)の含有量が30重量%を超える場合は、該樹脂組成物からなる延伸フィルムを製造する際に充分な延伸性が得られず、表面凹凸が激しくなることがある他、フィルムの破断を生じることがある。また、他の基材等と貼り合わせる際に、表面形状が不良なために皺が多発することがある。
【0033】
また、本発明においては、(B)の含有量が5重量%以上であることが極めて重要である。(B)の含有量が5重量%に満たない場合は、充分なガスバリア性および耐ピンホールに優れた真空断熱構造体が得られない。
【0034】
近年、省エネルギーの重要性はますます高まっており、真空断熱構造体はさまざまな分野で利用されるようになっている。このように、使用用途が広がった結果、従来の利用法では顕在化していなかった問題が生じている。一つは、衝撃や屈曲に対する耐ピンホール性の問題であり、もう一つは、耐熱性の問題である。まず、耐ピンホール性の問題について説明する。
【0035】
近年、複雑な形状の物品に対してもかかる真空断熱構造体が利用されるようになったため、真空断熱構造体は必要に応じて折り曲げなどが為され、物品の構造に沿った形状に変形されて用いられるようになっている。具体的には、炊飯器や卓上湯沸器などに用いられる場合、真空断熱構造体は、円筒状の成形品の周囲を、帯のように囲む形で設置される。このため、真空断熱構造体は、かかる屈曲に対しても、耐ピンホール性を維持することが求められるようになっている。
【0036】
また、真空断熱構造体は、燃料電池用の断熱材などにも用いられるが、かかる燃料電池を動力源とする自動車の開発も近年では盛んに進められている。近年、自動車の車内空間の効率的な活用が特に重要視されており、限られたスペースに各種部品を詰め込むために、自動車の構成部品(燃料タンクなど)は複雑な形状を取ることが多い。燃料電池およびその周辺部品も例外ではなく、限られた空間に押し込められるため、複雑な形状を取ることが多い。そのため、真空断熱構造体も、それに応じて平坦ではない構造をとることが多い。そして、自動車用途にかかる真空断熱構造体を用いた場合、走行中の振動や衝撃により、前記真空断熱構造体にピンホールなどに代表される損傷を生じることがある。
【0037】
また、近年では柔軟性を要求される用途にも真空断熱構造体が用いられるようになっている。具体的には、保冷ボックスの上部開口部を覆う蓋部分などである。前記蓋部分はシート状あるいはフィルム状であり、内容物を充填した保冷ボックスを運搬するときには、前記蓋部分は面ファスナーなどを用いてボックス本体に装着されている。そして、前記蓋部分は、内容物を出し入れするときは、省スペースのために巻き取られていることが多く、頻繁に屈曲される。
【0038】
さらに、蓋材に限らず、容器本体がフレキシブルな、断熱構造を有する包装容器も存在する。このような包装容器は、必要に応じて、例えば冷たい缶ビールのような保冷が要求される内容物や、あるいは宅配ピザのような保温が要求される内容物が充填される。かかるフレキシブルな包装容器は、使用後は折り畳むなどして省スペース化を図ることができ、保管の際に有利である。このように、真空断熱構造体の使用用途が広がった結果、真空断熱構造体が、優れた耐ピンホール性を有することが強く求められるようになっている。
【0039】
従来、上記のようなフレキシブルな包装容器およびフレキブルな蓋材の構成材としては、アルミ箔あるいはアルミ箔を積層した熱可塑性樹脂からなるフィルムなどが用いられてきた。しかしながら、かかるアルミ箔やアルミ箔を積層したフィルムは、上記のような屈曲等を受けたときの耐ピンホール性が必ずしも充分とは言えず、アルミ箔の厚みを大きくする必要があり、経済的に不利な面があった。
【0040】
さらに、アルミ箔は熱伝導率が大きい(アルミの熱伝導率は約200W/m・Kであるのに対し、プラスチックは約0.23W/m・K、空気で約0.02W/m・K)ため、かかるアルミ箔からなる層の厚みが多きなると、熱が金属部分を伝って移動しやすく、断熱性能が低下するいわゆるヒートブリッジが発生する虞があった。
【0041】
また、前述の特開平10−122477号公報に記載されている真空断熱構造体は、ガスバリア層としてエチレン−ビニルアルコール共重合体を用いているが、本発明で特定する無機フィラーを配合することについては記載がない。そして、かかる無機フィラーを配合しないEVOHフィルムをガスバリア層とした場合、真空断熱構造体の耐ピンホール性は不満足なものとなる(本願比較例2参照)。
【0042】
そこで、本発明者が鋭意検討を行った結果、バリア性樹脂(A)70〜95重量%および粒子径0.5〜2.5μmの無機フィラー(B)5〜30重量%からなる樹脂組成物でなる延伸フィルムを中間層とする真空断熱構造体が、ガスバリア性および耐ピンホール性に優れることを見出した。
【0043】
本発明の効果を奏するためには、上記のように、延伸フィルムを構成する樹脂組成物が無機フィラー(B)を特定量配合してなることが必須である。さらに、少なくとも一軸方向に2倍以上延伸してなる延伸フィルムであることが特に好ましい
【0044】
上記の延伸フィルムは、ガスバリア性および機械強度をさらに向上させる観点から、熱処理を施すことが好ましい。本発明における熱処理温度とは、熱処理工程において、延伸フィルムを所定時間加熱直後の延伸フィルムの表面温度を測定した値を指す。熱処理温度は特に限定されないが、下式(5)を満たす条件で行うことが好ましい。
0≦Tm−T1≦80 (5)
ただし、
m:バリア性樹脂(A)の融点(℃)
1:熱処理温度(℃)
である。なお、本発明でいうバリア性樹脂(A)の融点は、バリア性樹脂(A)をJISK7121に記載の方法にて測定した値をいう(温度の校正にはイリジウムと鉛を用いた)。また、本発明における熱処理温度とは、熱処理工程において、延伸フィルムを所定時間加熱直後の延伸フィルムの表面温度を測定した値を指す。
【0045】
前記延伸フィルムの厚みは特に限定されない。しかしながら、前述の通り、真空断熱構造体は、しばしば折り曲げや屈曲などにより変形させた状態で用いられることがあるため、変形のさせ易さの観点から、前記延伸フィルムの厚みは5〜50μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。かかる膜厚みにおいても、本発明に用いられる延伸フィルムは、充分なガスバリア性および耐ピンホール性に優れている。
【0046】
続いて、耐熱性の問題について説明する。前述した特開平10−122477号公報には、真空断熱構造体の好適な用途として、冷蔵庫用の真空断熱構造体または住宅断熱壁用の真空断熱構造体などが例示されている。かかる用途では、真空断熱構造体が、加熱条件下(例えば、100℃前後の加熱条件下など)に晒されることはない。
【0047】
一方、上記した以外の真空断熱構造体の用途としては、炊飯器や卓上湯沸器の断熱構造体などが挙げられる。かかる用途に用いた場合には、真空断熱構造体は、長時間、加熱条件下に晒される。また、真空断熱構造体のさらに別な用途として、自動車用断熱構造体および鉄道車両用断熱構造体などがあげられる。これらは、自動車または鉄道車両の主に屋根部分に使用され、冷暖房の効率向上に寄与する。かかる用途に用いられた真空断熱構造体は、直射日光に曝露される自動車または鉄道車両の屋根部分(主として熱伝導性の良好な金属からなる)の極めて近傍に配置されるため、特に夏期などにおいて、やはり長時間加熱条件下に晒される。
【0048】
本発明者が詳細な検討を行った結果、特開平10−122477号公報に記載されているような、芯材と、前記芯材を外包する外被材とを備え、前記外被材が、蒸着層を有するラミネートフィルムどうし、もしくは蒸着層を有するラミネートフィルムと、金属箔を有するラミネートフィルムとを、熱溶着によって袋状にしたものであり、前記蒸着層を有するラミネートフィルムが、熱溶着層と、ガスバリア層と、最外層とからなり、前記ガスバリア層が、エチレンービニルアルコール共重合体樹脂からなるプラスチックフィルムの片側にAl蒸着を施したものであり、かつ、Al蒸着を施した面が熱溶着層側に設けられている真空断熱構造体では、100℃を超える加熱条件下に長時間曝露させた場合に、真空断熱構造体を構成する外被材が劣化し、ガスバリア層の酸素透過量が経時的に増大していくことが明らかになった(本願比較例1参照)。
【0049】
そこで、本発明者がさらなる検討を行った結果、上記のような構造を有する真空断熱構造体において、ガスバリア層を構成する延伸フィルムに対して金属蒸着を施す面を、熱溶着層側ではなく外層側にすることにより、著しく耐熱性が向上することを見出した。
【0050】
本発明の真空断熱構造体を構造するガスバリア層の酸素透過量の上限は1.0ml/m2・day・atm以下であることが好ましく、さらに好適には0.5ml/m2・day・atm以下であり、特に好適には0.1ml/m2・day・atm以下である。
【0051】
本発明のガスバリア層を構成する、前記延伸フィルムは、外層側に金属が真空蒸着されていることを特徴とする。金属をフィルム表面に蒸着することは、輻射熱を遮蔽する意味からも必要である。金属の蒸着層の厚みは、0.04μm〜0.09μmであることが好ましい。厚みが0.04μm未満の場合は、ガスバリア性および水分遮断性の改善効果が不充分になる虞があり、厚みが0.09μmを超える場合は、屈曲によりひび割れが生じやすくなる虞がある他、ヒートブリッジが発生し易くなり、断熱効果が低下する虞がある。前記の真空蒸着は、公知の方法で行うことができる。また、真空蒸着する金属としては、比重が軽く、光沢性とに富む観点からアルミニウムが特に好適である。さらに、アルミニウムは柔軟性に富み、真空断熱構造体の耐ピンホール性を低下させないという観点からも好ましい。
【0052】
本発明の真空断熱構造体の最外層を構成する熱可塑性樹脂は、特に限定されない。耐熱強度および耐寒強度を有した、ヒートシール層よりも融点が高い材料が好ましい。具体的には、高密度ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステルなどが好適なものとして例示され、機械強度の観点からは、ポリアミドまたはポリエステルがより好ましい。特に、本発明の真空断熱構造体の最外層として、二軸延伸ポリアミドフィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
【0053】
また、本発明の真空断熱構造体の最内層を構成するヒートシール層も特に限定されない。ヒートシール強度の観点からは、ポリオレフィンが好適であり、ポリプロピレン、低密度ポリエチレンおよびエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましく、ポリプロピレンが特に好ましい。特に、ヒートシール強度の観点からは、本発明の真空断熱構造体の最内層を構成するヒートシール層として、上記に例示した熱可塑性樹脂からなる無延伸フィルムを用いることが好ましい。
【0054】
また、本発明に用いられる断熱物質も、特に限定されないが、グラスウール、ロックウール、スチレンフォーム、ウレタンフォーム、ケイソウ土およびケイ酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。断熱効果を重視する観点からは、断熱物質としてケイソウ土またはケイ酸カルシウムを用いることが好ましい。
【0055】
本発明の真空断熱構造体を構成する多層フィルムの製造方法は、特に限定されない。しかしながら、中間層であるガスバリア層は延伸フィルムからなり、最内層であるヒートシール層は無延伸であることが好ましいため、各層を、有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法(ドライラミネート法)等が特に推奨される。
【0056】
得られた多層フィルムのヒートシール層同士をヒートシールして、三方袋を作製し、断熱物質を充填した後に開口部をヒートシールすることで、本願発明の真空断熱構造体が得られる。三方袋を作製する際には、二枚の前記多層フィルムを合わせて任意の三辺においてヒートシール層同士をヒートシールしても良いし、一枚の前記多層フィルムを折り曲げ、任意の二辺においてヒートシール層同士をヒートシールしても良い。また、好適な実施態様では、本発明の真空断熱構造体は、三方袋に断熱物質を充填した後に開口部をヒートシールする工程において、真空下でヒートシールを行うことにより得られる。開口部をヒートシールする際の真空度は、1Torr以下が好ましく、0.8Torr以下がより好ましく、0.6Torr以下がさらに好ましく、0.3Torr以下であることが特に好ましい。なお、ここで前記真空度は、ピラニー真空計を用いて測定した値である。
【0057】
【実施例】
本発明における各種試験方法は以下の方法にしたがって行った。なお部、%とあるのは、特に断りのない限りいずれも重量基準である。
【0058】
実施例1
バリア性樹脂(A)としてエチレン含有量32モル%、ケン化度99.5モル%のEVOH(融点183℃)、無機フィラー(B)として粒子径1.5μm、重量平均アスペクト比15のタルク(富士タルク工業(株)製、LMS−200)を用いた。前記EVOH90重量部および前記タルク10重量部をタンブラーで混合した後、ベント式二軸押出機を用いて230℃でペレット化した。得られたペレットを一軸押出機を用いて230℃でフラットダイから溶融押出し、温度20℃の冷却ロールに接触させ、厚さ135μmの延伸原反を得た。得られた延伸原反の表面は、平滑でブツがなく、厚薄精度も良好であった。
【0059】
次いで、延伸原反の水分を15%に調湿して、東洋精機(株)製の2軸延伸装置を用い、予熱80℃(20秒間)、延伸温度80℃、延伸倍率9倍(縦3.0倍×横3.0倍)、延伸速度1m/分で同時二軸延伸して、厚み15μmの延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムを木枠に固定して、温度140℃・10分間の熱処理を行い、延伸フィルムを得た。上記の延伸フィルムを用いて、以下の方法に従って耐ピンホール性を評価した。
【0060】
<耐ピンホール性の評価>
21cm×30cmにカットしたフィルムを45枚作製し、それぞれのフィルムを23℃−50%RHに調湿した後、ASTMF392−74に準じて、理学工業(株)製ゲルボフレックステスターを使用し、屈曲回数200回、225回、250回、300回、350回、400回、500回、625回および750回屈曲させた後、ピンホールの数を測定した。それぞれの屈曲回数において、測定を5回行い、その平均値をピンホール個数とし、さらに屈曲回数(P)を横軸に、ピンホール数(N)を縦軸に取り、上記測定結果をプロットして、ピンホール数が1個の時の屈曲回数(Np1)を外挿により求めた。
本実施例における、ピンホール数が1個の時の屈曲回数(Np1)は230回だった。
【0061】
続いて、上記作成した延伸フィルムの片面に、日本真空技術(株)製EWA−105を用いて、厚みが0.05〜0.06μmとなるようにアルミニウムを真空蒸着した。このようにして得られた、金属蒸着された延伸フィルムをガスバリア層とし、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、P1120)および厚さ12μmのポリエステル延伸フィルム(東洋紡績(株)製、E5100)と、接着剤を用いてドライラミネートにより積層し、多層フィルムを得た。前記多層フィルムの層構成は、ポリエステル延伸フィルム/ガスバリア層/無延伸ポリプロピレンフィルムであり、前記ガスバリア層の金属蒸着面が、ポリエステル延伸フィルム側になるように積層した。接着剤は、武田薬品工業製、タケラック、A385/A50を用いて塗布量を固形分4g/m2とし、温度を70℃でラミネートし、40℃で5日間エージングした。
【0062】
上記の方法で得られた多層フィルムを21cm×30cmに裁断したものを2枚、無延伸ポリプロピレンフィルム層同士を内面として3方を10mm幅でヒートシールして3方袋を作製した。開口部から断熱物質として、多孔質珪酸カルシュウム粉末(予め120℃、3時間乾燥を行い、真空度0.1Torrで室温まで冷却したもの)を充填し、真空包装機(Frimark GmbH 製、VAC-STAR 2500型)で温度20℃、内部圧力0.1 Torrの状態で密封して真空断熱構造体を作成した。なお、真空度は、ピラニー真空計を用いて測定した。
【0063】
以上のようにして得られた真空断熱構造体を15個準備し、熱風乾燥器(140℃)内に放置し、所定の時間(500時間、1000時間、1500時間、3000時間)加熱処理を行った(n=3)。
【0064】
当該加熱処理された真空断熱構造体を構成する多層フィルムの中心部付近を15cm×9cmの大きさに切り取り、MODERN CONTROLS INC.製酸素透過量測定装置MOCON OX−TRAN2/20型(検出限界値0.01ml/m2・day・atm)を用い、20℃−65%RH条件でJIS K7126(等圧法)に記載の方法に準じて測定した。結果を表1に示す。
【0065】
比較例1
実施例1において、ポリエステル延伸フィルム/ガスバリア層/無延伸ポリプロピレンフィルムの層構成を有する多層フィルムを作製するにあたり、前記ガスバリア層の金属蒸着面が、無延伸ポリプロピレンフィルム側になるように積層した以外は、実施例1と同様に多層フィルムおよび真空断熱構造体を作製し、加熱処理試験を行った。評価結果を表1に示す。
【0066】
比較例2
エチレン含有量32モル%、ケン化度99.5モル%のEVOH(融点183℃)を一軸押出機を用いて230℃でフラットダイから溶融押出し、温度20℃の冷却ロールに接触させ、厚さ135μmの延伸原反を得た。得られた延伸原反の表面は、平滑でブツがなく、厚薄精度も良好であった。
【0067】
次いで、延伸原反の水分を15%に調湿して、東洋精機(株)製の2軸延伸装置を用い、予熱80℃・20秒間、延伸温度80℃、延伸倍率9倍(縦3.0倍×横3.0倍)、延伸速度1m/分で同時二軸延伸して、厚み15μmの延伸フィルムを得た。得られた延伸フィルムを木枠に固定して、温度140℃・10分間の熱処理し、延伸フィルムを得た。
また、21cm×30cmにカットされた上記延伸フィルムを45枚作製し、それぞれのフィルムを23℃−50%RHに調湿した後、ASTM F 392−74に準じて、理学工業(株)製ゲルボフレックステスターを使用し、屈曲回数100回、110回、125回、150回、175回、200回、225回、250回および300回屈曲させた後の、直径2mm以上のピンホールの数を測定した。それぞれの屈曲回数において、測定を5回行い、その平均値をピンホール個数とした。
【0068】
屈曲回数(P)を横軸に、ピンホール数(N)を縦軸に取り、上記測定結果をプロットし、ピンホール数が1個の時の屈曲回数(Np1)を外挿により求めた。本比較例の延伸フィルムのNp1は130回であった。
【0069】
また、上記のようにして得られた、無機フィラー(B)を含有しないEVOHをガスバリア層とした以外は、実施例1と同様に多層フィルムおよび真空断熱構造体を作製し、加熱処理試験を行った。評価結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 0004642265
【0071】
以上のように、本発明の構成を満たす実施例1の真空断熱構造体はガスバリア性および耐ピンホール性に優れ、かつ、長時間の加熱処理によっても高度なガスバリア性を有するという優れた耐熱性を示した。これに対し、延伸フィルムの金属蒸着面が、ヒートシール層側に設けられた比較例1の真空断熱構造体は、実施例1の真空断熱板と比較して、加熱処理によりガスバリア性が大きく低下していた。また、ガスバリア層として、無機フィラー(B)を配合しないEVOHを用いた比較例2では、実施例1の真空断熱板と比較して、耐ピンホール性が大きく劣った。
【0072】
【発明の効果】
本発明の真空断熱構造体は、ガスバリア性、耐熱性および耐ピンホール性に優れており、保温用あるいは保冷用の真空断熱構造体等に好適に用いられる。

Claims (14)

  1. 最外層に熱可塑性樹脂層、中間層にガスバリア層および最内層にヒートシール層を有する多層フィルムの、ヒートシール層同士をヒートシールしてなる袋に断熱物質を充填した後、開口部をヒートシールして得られる真空断熱構造体であって、前記ガスバリア層が、バリア性樹脂(A)70〜95重量%および粒子径0.5〜2.5μmの無機フィラー(B)5〜30重量%からなる樹脂組成物でなる延伸フィルムからなり、かつ、前記延伸フィルムの、外層側に金属が真空蒸着されていることを特徴とする真空断熱構造体。
  2. バリア性樹脂(A)が、ポリビニルアルコール系樹脂および/またはポリメタキシリレンアジパミドである請求項1記載の真空断熱構造体。
  3. バリア性樹脂(A)が、エチレン含有量5〜60モル%、ケン化度90%以上のエチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1記載の真空断熱構造体。
  4. 無機フィラー(B)がタルクである請求項1〜3のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  5. 最外層を構成する熱可塑性樹脂層が、高密度ポリエチレン、ポリアミドおよびポリエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  6. 最内層を構成するヒートシール層が、ポリオレフィンである請求項1〜5のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  7. 断熱物質が、グラスウール、ロックウール、スチレンフォーム、ウレタンフォーム、ケイソウ土およびケイ酸カルシウムからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  8. 延伸フィルムに真空蒸着されている金属がアルミニウムである請求項1〜7のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  9. 延伸フィルムが、少なくとも一軸方向に2倍以上延伸された延伸フィルムである請求項1〜8のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  10. ヒートシール層同士をヒートシールしてなる袋に断熱物質を充填した後、開口部をヒートシールするにあたり、真空度1Torr以下の真空度下でヒートシールすることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  11. 炊飯器または卓上湯沸器の断熱構造体に用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  12. 冷凍用容器または冷蔵用容器の断熱構造体に用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  13. 建材の断熱構造体に用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
  14. 鉄道車輌または自動車の断熱構造体に用いる請求項1〜10のいずれか1項に記載の真空断熱構造体。
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