しかし、特許文献1によれば、押さえ片を、(第4当接片と直交する)第3当接片に形成した凹状または平行線状の切り込み部を起して形成し、押さえ片により補強下地板の裏面を押圧し、第4当接片に押し当てて挟持する。よって、押さえ片のみで板材の裏面側を支持するため、押さえ片のみの支持強度となり、その支持強度が小さく、板材の裏面側方向へと力が加わると、押さえ片がより大きな起し角度へ(弾性変形ではなく塑性変形して)開いてしまい、板材裏面との間に隙間ができて、特に壁用の場合、補強下地板の自重で補強下地板が脱落する可能性が大きい。また、(板材の表面側を支持する)第4当接片と直交する第3当接片に押さえ片を設けたため、押さえ片に対して補強下地板の裏面側へ向かう方向の力が加わった場合、押さえ片は、第3当接片に対して屈曲角度(起し角度)を拡大する方向に変形する。即ち、押さえ片は、弾性復帰力が小さくなる方向に弾性変形する。よって、押さえ片による補強下地板の弾性押圧力は減少し、押さえ片による補強下地板の支持力が減少するため、押さえ片の起し角度が大きくなるにつれ、補強下地板が脱落する可能性が大きくなる。特に、板厚の大きな補強下地板を支持する場合、上記のように、板厚に応じて、押さえ片は、第3当接片に対して角度を拡大する方向に変形するため、補強下地板の板厚が大きくなり、押さえ片が所定角度以上(例えば、45度または90度)の起し角度となると、押さえ片が弾性限度を超えて変形(塑性変形)し、弾性押圧力が消失して、補強下地板の裏面の押圧支持が困難になる。
また、例えば、軽量鉄骨に石膏ボード等のボード類を貼った軽量間仕切壁を構築する場合、平行に対向配置した上下一対の溝型鋼からなるランナ(横材)間に、複数本のリップ溝型鋼からなるスタッド(縦材)を所定間隔をおいて立設し、その上にボード類を貼付する。このとき、上記補強下地板をボード類の裏面に配置する場合は、ボード類の貼付前に、補強下地板を隣接するスタッド間に取付ける必要がある。例えば、特許文献1に記載の技術は、一対の補強下地板取付具を隣接するスタッドに対向するようねじ止めして固定し、一対の補強下地板取付具間に補強支持板を取付ける。ここで、かかる軽量間仕切りの設置作業では、ボード類の貼付前に、スタッドをハンマ等により叩いてランナに沿って左右にずらし、正確なピッチとなるよう位置調節する。しかし、特許文献1に記載の技術では、上記のように、押さえ片による補強下地板の支持力が小さいため、このときにスタッドに加わる打撃による衝撃により、補強下地板が押さえ片と第4当接片との間から脱落する可能性がある。
よって、特許文献1に記載の技術では、実際には、第4当接片にねじ止めのための孔を形成し、第4当接片の表面側からビスをその孔に挿通して、補強下地板を第4当接片にねじ止めする必要があると考えられる。この場合、ビスの頭部が、石膏ボード等の裏面に対向する第4当接片の表面から、ビスの頭部の高さ分だけ突出する。ここで、補強下地板取付具は、取付けた補強下地板の表面と石膏ボード等の裏面との間の隙間をできるだけなくすため、第4当接片の表面が間柱やスタッド等の下地材の表面と面一となるよう設置される。よって、下地材としての間柱やスタッド等に石膏ボード等をねじ止め等して固定すると、補強下地板取付具の位置で、石膏ボード等の裏面と第4当接片の表面との間には、第4当接片の厚みにビスの頭部の高さを加えた分の隙間が生じ、設置物を石膏ボード等を介して補強下地板にねじ止め等して固定した場合に、設置物の固定強度乃至取付強度が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、補強板材を挿入して弾性的に挟持し、補強板材の取付作業性を向上する一方、補強板材を安定して保持し、外部からの衝撃によって補強板材が脱落することを確実に防止すると共に、壁材や天井材と補強板材との間の隙間を最小限とし、設置物の取付強度を増大して設置物を内壁や天井に堅固に取付けることを可能とする板材支持具の提供を課題とする。
請求項1に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、前記固定部は、前記構築材の側面に当接配置される基部と、前記基部の端部から突出する一対の取付部とを有すると共に、前記取付部を湾曲または屈曲自在とし、前記第1及び第2支持部は、それぞれ、前記固定部の基部の幅方向両端から直交して延びるよう前記固定部に一体形成された平板状をなす。
請求項2に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、前記第1及び第2支持部は、それぞれ、前記固定部を前記構築材の側面に取付けたときに該構築材の側面と直交する方向へと前記固定部から延出するよう前記固定部に一体形成されると共に、前記板材の端部が前記構築材の側面から離間した状態においても該板材を支持可能とすべく、前記板材の離間方向へ前記固定部から延出され、前記第1及び第2支持部は、前記板材を挟持した状態で、前記押圧片により前記板材の裏面を前記第1支持部へと弾接的に押圧することで、一対の構築材間に板材を架設したときの架設方向である板材の長さ方向へのスライド移動自在となるよう前記板材を支持し、前記押圧片は、前記第2支持部の板材支持時における当該板材の幅方向に延びる板状であり、前記押圧片は、前記板材の裏面に対して、板材の長さ方向に延びる線状または面状に当接する。
請求項3に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、前記第2支持部の押圧片は、基端を前記第2支持部に一体的に接合された湾曲または屈曲板状をなし、略全体を前記第1支持部側に配置されると共に、長さ方向の一部を前記板材の裏面に当接する当接部とし、前記第2支持部の押圧片は、前記第1及び第2支持部間に板材を挿入したときに、当該板材によって弾性変形すると共に、前記当接部を、一対の構築材間に板材を架設したときの架設方向である板材の長さ方向へのスライド自在となるよう、前記板材の厚さに応じて前記板材の裏面に線状または面状に当接させ、前記第2支持部の押圧片は、前記板材を前記第1支持部に向かって弾性的に押圧することにより、前記第1支持部との間で前記板材を挟持した状態で、前記架設方向へのスライド移動自在となるよう前記板材を支持し、前記押圧片は、前記第2支持部の板材支持時における当該板材の幅方向に延びる板状であり、前記押圧片は、前記板材の裏面に対して、板材の長さ方向に延びる線状または面状に当接する。
請求項4に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、前記押圧片は、前記第2支持部に基端を接合されて前記第2支持部から前記第1支持部へと傾斜して延設された第1傾斜部と、前記第1傾斜部の先端に延設された当接部と、前記当接部の先端から前記第2支持部へと傾斜して延設される第2傾斜部とを有する板状に形成される。
請求項5に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、前記第2支持部における板材の挿入方向に前記押圧片を対をなすよう設けると共に、前記一対の押圧片が前記第2支持部における前記板材の挿入方向に対称配置されるようにした。
請求項6に係る板材支持具は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記押圧片が、前記第2支持部の長さ方向に複数形成され、前記第1及び第2支持部間に前記板材を挟持したときに、前記板材の幅方向の複数位置を弾性的に押圧して支持する。
請求項7に係る板材支持具は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記押圧片が、前記第2支持部の幅方向に複数形成され、前記第1及び第2支持部間に前記板材を挟持したときに、前記板材の長さ方向の複数位置を弾性的に押圧して支持する。
請求項8に係る板材支持具は、請求項1乃至5のいずれかの構成において、前記押圧片が、前記第2支持部の長さ方向及び幅方向にそれぞれ複数形成され、前記第1及び第2支持部間に前記板材を挟持したときに、前記板材の長さ方向の複数位置及び幅方向の複数位置をそれぞれ弾性的に押圧して支持する。
請求項9に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、前記第2支持部の押圧片は、長さ方向の一部を、前記板材の厚さに応じてその裏面に線状または面状に当接する当接部とし、前記押圧片の当接部に挿通孔を穿設した。
請求項10に係る板材支持具は、建物の壁材または天井材の裏側に設置される構築材に固定され、前記壁材または天井材の裏側で板材を支持する板材支持具であって、前記構築材に固定可能な固定部と、板材を挿入して挟持し、該板材を所定位置に保持自在な一対の支持部とを備え、前記一対の支持部を、該両支持部間に挿入された板材の表面側に配置される第1支持部と、該板材の裏面側に配置される第2支持部とから構成し、前記第2支持部に押圧片を設けると共に、前記第2支持部の押圧片を、前記第1及び第2支持部間に挿入された板材の厚さに応じて、前記第1支持部から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、前記押圧片により該板材の裏面を押圧して該板材の表面を前記第1支持部に当接させることで、該板材を前記第1及び第2支持部間に挟持可能とし、更に、前記板材を前記第1及び第2支持部により支持させるべく、前記第1及び第2支持部の長さ方向一端からそれらの間に挿入した際、該板材の挿入側の端面に当接して該板材の挿入側の端面を支持する当接片を、前記第1及び第2支持部の他端または一端に設け、前記第1支持部の長さ方向の少なくとも一端部を前記第2支持部に向かって折曲自在な折曲部とすると共に、前記第1支持部の折曲部を前記第2支持部に向かって折り曲げることにより前記当接片を構成するようにした。
請求項11に係る板材支持具は、請求項10の構成において、前記第2支持部に、前記第1支持部から折り曲げられた前記折曲部の先端を挿着して掛止自在な挿着開口を設け、前記第1支持部の折曲部を前記第2支持部の挿着開口に挿着して掛止することにより前記当接片を構成するようにした。
請求項12に係る板材支持具は、請求項1乃至11のいずれかの構成において、適宜間隔で配置された一対の構築材間に前記板材を架設すべく、前記一対の構築材の一方または双方に固定される。
請求項1に係る板材支持具は、補強板材を挿入して弾性的に挟持し、補強板材の取付作業性を向上する一方、補強板材を安定して保持し、外部からの衝撃によって補強板材が脱落することを確実に防止すると共に、壁材や天井材と補強板材との間の隙間を最小限とし、設置物の取付強度を増大して設置物を内壁や天井に堅固に取付けることを可能とする。
また、請求項1に係る板材支持具は、上記の効果に加え、固定部の取付部を構築材のコーナ部で湾曲または屈曲することにより該構築材のコーナ部に沿って当接させた状態で該構築材に位置決めすることができる。
請求項2に係る板材支持具は、請求項1の効果に加え、板材の端部が構築材から離間した状態においても、第1及び第2支持部間に該板材を挟持することができ、板材端面と板材支持具の固定部との間に隙間をおいた状態で板材を支持することができる。
また、請求項2に係る板材支持具は、上記の効果に加え、板材の端部が構築材から離間した状態においても、該板材の裏面を押圧片により弾性的に押圧して、平板状の第1及び第2支持部間に該板材を弾性的に挟持することができる。
また、請求項2に係る板材支持具は、上記のいずれかの効果に加え、第1及び第2支持部が板材を挟持した状態で、板材を架設方向にスライド移動自在に支持することができ、軽量間仕切壁に適用する場合のスタッドの位置調節に対応することができる。
請求項3に係る板材支持具は、請求項2の効果に加え、押圧片の当接部が板材の厚さに応じてその裏面に線状または面状に当接し、板材を第1支持部に向かって弾性的に押圧することにより、第1支持部と第2支持部との間で板材を弾性的に挟持した状態で、板材を架設方向にスライド移動自在に支持することができる。
請求項4に係る板材支持具は、請求項3の効果に加え、押圧片を上記構成としたため、板材を第1支持部と第2支持部との間から挿入した場合、挿入した板材の挿入方向の端面を押圧片の第2傾斜部に当接させて移動案内することができると共に、押圧片の当接部による板材の弾性的な当接支持をより確実に行うことができる。
請求項5に係る板材支持具は、請求項4の効果に加え、一対の押圧片を板材の挿入方向に対称配置したため、板材を第1支持部と第2支持部との間に、板材の挿入方向の一側または他側のいずれから挿入した場合でも、その板材の挿入方向の端面を一対の押圧片の一方または他方の第2傾斜部に必ず当接させて移動案内することができると共に、板材を挿入方向の2つの位置で一対の押圧片の当接部によりそれぞれ当接支持することができ、板材の架設方向のスライド移動に一層柔軟に対応することができる。
請求項6に係る板材支持具は、請求項1乃至5のいずれかの効果に加え、第1及び第2支持部間に板材を挟持したときに、複数の押圧片により板材の幅方向の複数位置をそれぞれ弾性的に押圧して支持することができ、押圧片の当接部による板材の弾性的な当接支持をより確実に行うことができる。
請求項7に係る板材支持具は、請求項1乃至5のいずれかの効果に加え、第1及び第2支持部間に板材を挟持したときに、複数の押圧片により板材の長さ方向の複数位置をそれぞれ弾性的に押圧して支持することができ、押圧片の当接部による板材の弾性的な当接支持をより確実に行うことができると共に、板材の架設方向のスライド移動に一層柔軟に対応することができる。
請求項8に係る板材支持具は、請求項1乃至5のいずれかの効果に加え、第1及び第2支持部間に板材を挟持したときに、複数の押圧片により板材の長さ方向の複数位置及び幅方向の複数位置をそれぞれ弾性的に押圧して支持することができ、押圧片の当接部による板材の弾性的な当接支持をより確実に行うことができると共に、板材の架設方向のスライド移動に一層柔軟に対応することができる。
請求項9に係る板材支持具は、請求項1の効果に加え、押圧片の挿通孔にねじ釘等を挿通して板材に螺入することで、板材を完全に固定することができる。
請求項10に係る板材支持具は、請求項1の効果に加え、当接片により第1及び第2支持部の長さ方向他端または一端で底部を形成することができ、板材を第1及び第2支持部の長さ方向一端または他端からそれらの間に挿入した際、当接片が、該板材の挿入側の端面に当接して該板材の挿入側の端面を支持して移動規制し、板材を所定位置に位置決めすることができると共に、板材の脱落を防止することができる。
請求項11に係る板材支持具は、請求項10の効果に加え、第1支持部の折曲部を第2支持部の挿着開口に挿着して掛止することにより当接片を簡単に構成することができる。
請求項12に係る板材支持具は、請求項1乃至11のいずれかの効果に加え、必要に応じて、構築材の一方または双方に固定することができ、構築材の一方で板材を片持ち状に支持したり、一対の構築材間に板材を架設して支持したりすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る板材支持具を一方の構築材(縦材)に使用する場合を背面から見て示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態1に係る板材支持具を他方の構築材(縦材)に使用する場合を背面から見て示す斜視図である。図3は本発明の実施の形態1に係る板材支持具の背面図である。図4は本発明の実施の形態1に係る板材支持具の正面図である。図5は本発明の実施の形態1に係る板材支持具の右側面図である。
実施の形態1に係る板材支持具は、建物の壁材(石膏ボード等)の裏側に設置される構築材(例えば、間柱、スタッド等の縦材)に固定され、前記壁材の裏側で補強板材を支持するものである。なお、補強板材は、例えば、構造用合板等を長方形板状乃至帯板状に切断したものである。図1〜図5に示すように、実施の形態1に係る板材支持具は、固定部10及び一対の支持部20,30を備える。固定部10は、構築材に固定可能な構成を有している。詳細には、固定部10は、基部11及び一対の取付部12,13からなるチャンネル板状をなす。具体的には、基部11は、構築材の側面に当接配置される帯板状をなす。基部11には、ねじ釘等を挿通自在な挿通孔11aが穿設されている。また、一対の取付部12,13は、それぞれ、基部11の長さ方向両端(図5中の上下両端)からその幅方向一方(図5中の右方)に直交して突出する帯板状をなす。更に、各取付部12,13は、任意の長さ方向位置で湾曲または屈曲自在とされている。更にまた、取付部12,13は、その長さ方向に2つの長孔状の挿通孔12a,13aを穿設している。なお、取付部12,13の幅方向両側縁には、その長さ方向に一定間隔で多数の小三角形状の切欠き12b,13bが形成されている。両取付部12,13の切欠き12b,13bは、それぞれ、同一長さ方向位置となるよう一定間隔で形成され、取付部12,13を切欠き12b,13bの位置で容易に湾曲または屈曲等できるようになっている。また、取付部12,13は、基部11の長さ方向両端との間を延び、基部11の幅方向他側縁側の一部に進入する切欠き12c,13cを形成し、切欠き12c、13c部分までの任意の位置で湾曲または屈曲自在となっている。そして、板材支持具は、固定部10の基部11を構築材の側面に当接させ、一対の取付部12,13の挿通孔12a,13aに木ねじ、タッピンネジ、ドリルねじ等のねじ釘や釘を挿通して構築材の側面等に螺入等することにより、構築材に固定されるようになっている。
ここで、板材支持具は、固定部10の基部11を構築材の側面に当接配置して構築材に固定されるが、このとき、構築材が壁材の下地材として使用される間柱やスタッド等の縦材の場合、縦材の前面及び後面と直交する面である左側面または右側面の長さ方向に基部11を当接配置し、取付部12,13を縦材にねじ止め等して固定される。また、構築材が天井材の下地材として使用される野縁等の横材の場合、板材支持具は、横材の下面及び上面と直交する面である左側面または右側面の長さ方向に基部11を当接配置し、取付部12,13を横材にねじ止め等して固定される。なお、このとき、板材支持具は、取付部12,13を構築材としてのスタッドや野縁等のコーナ部またはその外形に沿って湾曲または屈曲することにより、該構築材のコーナ部または外形に沿って当接させた状態でその構築材に位置決めすることができ、その状態で取付部12,13を構築材の側面や上面等にねじ止めして固定することもできるようになっている。
一対の支持部20,30は、その間に補強板材を挿入して挟持し、該補強板材を所定位置に保持自在な構成を有している。詳細には、一対の支持部は、それらの間に挿入された補強板材の表面側に配置される第1支持部20と、該補強板材の裏面側に配置される第2支持部30とからなる。第1支持部20は、基部11の幅方向一側縁(図5中の左側縁)から直交して突出する略長方形板状をなしている。具体的には、第1支持部20は、長方形板状の基部21の長さ方向(図5中の上下方向)両側に、一対の折曲部22,23を一体形成し、更に、一対の折曲部22,23のそれぞれの先端(図5中の上端及び下端)に掛止片24,25を一体形成した略長方形平板状をなす。第1支持部20の基部21は、固定部10の基部11と略同一の長さ(正確には、基部11の長さまたは両取付部12,13間の間隔より若干短い長さ)を有し、基部11の一側縁の略全体に直交して一体形成されている。また、折曲部22,23は、基部21より若干幅狭の長方形板状をなしている。より詳細には、折曲部22,23の一側縁(図5中の右側縁)は、基部21の一側縁(図5中の右側縁)と一致して配置され、他側縁(図5中の)は左側縁、基部21の他側縁(図5中の左側縁)より若干内側に配置されている。即ち、固定部10の基部11の一側縁の上端及び取付部12,13の基端縁と第1支持部20の折曲部22,23の他側縁との間には、溝状の切欠き22a、23aが形成されている。また、折曲部22,23は、その基端に沿って幅方向に延びる長孔22b,23bを穿設し、長孔22b,23bを介して、その基端で容易に折り曲げることができるようになっている。更に、一対の掛止片24,25は、それぞれ、折曲部22,23の先端縁に一体形成された略T字板状をなす。なお、掛止片24,25は、折曲部22,23の他側縁寄りに形成されている。
第2支持部30は、長方形板状の基部31と、基部31の中央に一体形成した一対の押圧片32,33とを有している。また、第2支持部30の基部31は、固定部10の基部11と同一の長さを有し、基部11の他側縁(図5中の右側縁)の全体に直交して一体形成されている。そして、板材支持具は、第2支持部30の押圧片32,33を、第1及び第2支持部20,30間に挿入された補強板材の厚さに応じて、第1支持部20から離間する方向に後退すべく弾性変形させ、押圧片32,33により該板材の裏面を押圧して該補強板材の表面を第1支持部20に当接させることで、該補強板板材を第1支持部20及び第2支持部30間に挟持可能となっている。ここで、第1支持部20及び第2支持部30は、補強板材の端部が構築材から離間した状態においても該補強板材を支持可能とすべく、(固定部10を構築材に固定した場合の)補強板材の離間方向へと固定部10から延出されている。具体的には、第1支持部20及び第2支持部30は、それぞれ、固定部10を構築材に取付けたときに該構築材の側面と直交する方向へと、(壁材または天井材と平行に)固定部10から延出するよう固定部10に一体形成された平板状をなす。即ち、第1支持部20は、上記のように、固定部10の基部11の幅方向一側縁から所定幅となるよう延出された長方形板状の基部21を有する。また、第2支持部30は、上記のように、固定部10の基部11の幅方向他側縁から前記第1支持部20の基部21と同一幅となるよう延出された略長方形板状の基部31を有する。このように、第1支持部20及び第2支持部30は、それぞれ、固定部10の基部11の幅方向両端から直交して延出するよう固定部10の基部11に一体形成された平板状(略長方形板状)をなし、基部11から離間する方向(補強板材の離間方向)へと平行に延出されている。一方、第2支持部30は、補強板材の端部が固定部10から離間した状態においても該補強板材の裏面を押圧片32,33により(第1支持部20に向かって)弾性的に押圧可能である。即ち、押圧片32,33は、第2支持部30の幅方向中央に設けられ、前記補強板材の離間方向において基部11から離間した位置に配置されると共に、補強板材の離間方向に所定の幅を有している。これにより、補強板材の長さ方向端面が構築材に固定した固定部10の基部11から離間した場合でも、第2支持部30は、押圧片32,33の配置範囲までは、押圧片32,33により補強板材の裏面に当接支持して、補強板材を第1支持部20に向かって弾性的に押圧することができる。
第1支持部20及び第2支持部30は、補強板材を挟持した状態で、補強板材を架設方向(補強板材の長さ方向)にスライド移動自在に支持する。詳細には、押圧片32,33は、基端を第2支持部30の基部31に一体的に接合されると共に、他端を自由端とした湾曲または屈曲板状をなし、略全体が第1支持部20側に配置されている。より詳細には、押圧片32,33は、第1傾斜部32a,33a、当接部32b、33b及び第2傾斜部32c,33cからなる断面略台形状の屈曲板状に形成されている。第1傾斜部32a,33aは、第2支持部30の基部31に基端を接合されて基部31の中央から第1支持部20へと傾斜して延設されている。また、当接部32b、33bは、第1支持部20と略平行となるよう第1傾斜部32a,33aの先端に延設されている。更に、第2傾斜部32c,33cは、当接部32b,33bの先端から再び第2支持部30の基部31へと傾斜して延設されると共に、その先端は自由端とされている。なお、押圧片32,33は、例えば、第2支持部30の基部31の対応する部分に、押圧片32,33の外形に対応するチャンネル状(コ字状)の切り込み32x、33xを入れ、その切り込み32x,33xの内側部分を前記台形板状となるよう屈曲することにより形成される。
これにより、押圧片32,33は、弾性変形自在であり、その当接部32b,33bが、補強板材の厚さに応じて補強板材の裏面に線状または面状に当接するようになっている。そして、第2支持部30は、押圧片32,33により補強板材を第1支持部20に向かって弾性的に押圧することにより、第1支持部20との間で補強板材を挟持した状態で、補強板材を架設方向にスライド移動自在に支持するようになっている。即ち、第2支持部30が、押圧片32,33の当接部32b,33bを、補強板材の厚さに応じてその裏面に線状または面状に当接させた状態で、押圧片32,33により補強板材を第1支持部20に向かって弾性的に押圧して第1支持部20との間で挟持するため、補強板材を架設方向にスライド移動自在に支持できる。
押圧片32,33は、第2支持部30の長さ方向(補強板材支持時における補強板材の幅方向)に沿って対をなすよう直線状(直列)に設けられている。また、一対の押圧片32,33の基端は、第2支持部30の長さ方向中央で対向配置されている。そして、一対の押圧片32,33は、第2支持部30の長さ方向に対称配置されて互いに離間する方向に延びている。これにより、第2支持部30の長さ方向一端または他端から挿入した補強板材の幅方向端面が、一対の押圧片32,33の一方または他方の第2傾斜部32c,33cに当接して移動案内され、押圧片32,33が弾性変形して、その当接部32b、33bが補強板材の裏面に弾性的に当接する。そして、補強板材は、その幅方向の2つの位置で一対の押圧片32,33の当接部32b,33bによりそれぞれ当接支持され、第1支持部20に向かって弾性的に押圧されて、第1支持部20と第2支持部30との間で挟持されるようになっている。即ち、第2支持部30の押圧片32,33は、基部31の長さ方向の一側及び他側(図1中上側及び下側)に、それぞれ、対称形状となるよう一体形成され、第1支持部20及び第2支持部30間に補強板材を挟持したときに、補強板材の幅方向の複数位置(2つの離間位置)を弾性的に押圧して支持するようになっている。なお、このとき、図5に示すように、押圧片32,33の第2傾斜部32c,33cの先端は、第2支持部30の切り込み32x,33x内に没入し、第2支持部30の裏面から若干突出して延設されている。これにより、第2支持部30の長さ方向一端または他端から挿入した補強板材の幅方向端面が、押圧片32,33の第2傾斜部32c,33cの表面に乗り上げることなくその先端に当接して、押圧片32,33の第2傾斜部32c,33cによる補強板材の移動案内が妨げられるようなことはなく、補強板材が押圧片32,33の第2傾斜部32c,33cにより確実かつ円滑に移動案内されるようになっている。
図3に示すように、押圧片32,33の当接部32b,33bには、挿通孔32d,33dが穿設され、木ねじ、タッピンねじ等のねじ釘や釘等の軸部を挿通自在となっている。そして、第1支持部20と第2支持部30の押圧片32,33との間で補強板材を挟持した状態で、押圧片32,33の当接部32b,33bの挿通孔32d,33dにねじ釘等の軸部を挿通し、補強板材の裏面にねじ込み等することにより、押圧片32,33の押圧支持力のみではなく、ねじ釘等による締結力により、補強板材を板材支持具に対して完全に固定することができるようになっている。また、第2支持部30の一対の切り込み32x、33xの先端(押圧片32,33の基端と反対側の端)には、それぞれ、第1支持部20の掛止片24,25に対応する形状をなし、掛止片24,25を挿入して掛止自在な挿着開口34,35が形成されている。そして、第1支持部20の折曲部22,23を基端(長孔22b,23b部分)で折り曲げて、その先端の掛止片24,25を第2支持部30の挿着開口34,35に挿着して掛止することにより、折曲部22,23を第2支持部30の長さ方向先端部に直交状態で固定し、第1支持部20と第2支持部30の一端または他端間に底部状の当接片を形成自在となっている。即ち、実施の形態1に係る板材支持具は、第1支持部20の折曲部22,23を基端で第2支持部30へと折り曲げ、第2支持部30の挿着開口34,35に第1支持部20の掛止片24,25を挿着掛止した状態で、第1支持部20の折曲部22,23が当接片を構成するようになっている。そして、かかる当接片が、補強板材を第1支持部20及び第2支持部30により支持させるべく、第1支持部20及び第2支持部30の長さ方向一端からそれらの間に挿入した際、該補強板材の挿入側の端面に当接して該補強板材の挿入側の端面を支持して移動規制するようになっている。なお、第1支持部20の折曲部22,23の基端の長孔22b,23bは、第2支持部30の切り込み32x,33xの挿着開口34,35と同一長さ方向位置に配置されて挿着開口34,35と対向し、また、折曲部22,23の長さ(掛止片24,25の基端と長孔22b,23bとの間の距離)は、第1支持部20及び第2支持部30間の間隔と同一となっている。これにより、第1支持部20の折曲部22,23を折り曲げて掛止片24,25を第2支持部30の挿着開口34,35に挿着することで、折曲部22,23が第1支持部20及び第2支持部30間を直交状態で延び、底部としての当接片を構成する。
実施の形態1に係る板材支持具は、適宜間隔で配置された一対の構築材間に補強板材を架設すべく、固定部10を介して一対の構築材の一方または双方に固定自在となっている。即ち、上記のように、板材支持具は、固定部10の基部11を構築材の側面に当接配置し、取付部12,13を構築材にねじ止め等して固定され、通常は、隣接する一対の構築材の双方に、互いに対向する方向へと固定される。そして、補強板材が、その長さ方向両端部を、それぞれ、それら一対の板材支持具の第1支持部20及び第2支持部30間に挿入して弾性的に挟持される。一方、場合によっては、隣接する一対の構築材の一方にのみ板材支持具を固定部10により固定してもよい。この場合、補強板材は、その長さ方向一端部を、該板材支持具の第1支持部20及び第2支持部30間に挿入して弾性的に挟持され、板材支持具が補強板材をいわゆる片持ち支持した状態となる。ここで、一つの板材支持具により補強板材の一端部を片持ち支持する場合、板材支持具の第2支持部30の押圧片32,33の弾性押圧力を大きくすることが好ましく、また、取付部12,13のネジ止め等による固定部10の固定力も大きくすることが好ましい。
次に、実施の形態1に係る板材支持具の使用方法、作用及び効果について説明する。図6は本発明の実施の形態1に係る板材支持具の折曲部の使用方法を示す斜視図である。図7は本発明の実施の形態1に係る板材支持具の構築材(縦材)への固定方法を示す斜視図である。図8は本発明の実施の形態1に係る板材支持具を構築材(縦材)に固定した後、その板材支持具の第1及び第2支持部間へ補強板材を挿入する直前の状態を示す斜視図である。図9は本発明の実施の形態1に係る板材支持具を構築材(縦材)に固定した後、その板材支持具の第1及び第2支持部間へ補強板材を挿入して挟持した状態を示す斜視図である。図10は本発明の実施の形態1に係る板材支持具を左右一対の構築材(縦材)にそれぞれ固定し、それら左右一対の板材支持具間に補強板材を架設した状態を示す斜視図である。図11は本発明の実施の形態1に係る板材支持具により架設した補強板材に設置物としてのトイレットペーパホルダをネジ止めして取付けた状態を示す斜視図である。
図6〜図10は、実施の形態1に係る板材支持具を壁裏の間柱等の一対の縦材の各々に沿って上下方向に配置固定し、それら一対の板材支持具間に補強板材を架設する場合を示す。この場合、まず、図6に示すように、左右一対の板材支持具の第1支持部20の下側となる折曲部23をそれぞれペンチ等の工具で挟み、図6中の実線で示す原位置から図6中の二点鎖線で示す折曲位置へと、第2支持部30に向かって直角に折り曲げ、その下端の掛止片25を第2支持部30の挿着開口35に挿着して掛止する。なお、第1支持部20の折曲部22,23は、第2支持部30側に折り曲げられるが、このとき、切欠き22a,23aにより、固定部10の基部11または取付部12,13と干渉して作業の支障となることはない。このとき、係止片25を第2支持部30の挿着開口35に一旦挿着し、若干第1支持部20側へと戻すようにすると、掛止片25が第2支持部30の挿着開口35完全に掛止されてロックされる。すると、図7に示すように、板材支持具の第1支持部20及び第2支持部30間の下端に、折曲部23が配置固定され、底部としての当接片となる。次に、図7に示すように、左右一対の板材支持具の固定部10の基部11を、それぞれ、対応する縦材Vとしての間柱等の側面に沿って上下方向に配置すると共に、その幅方向一側縁を縦材Vの前面と側面とのコーナに合致して配置し、第1支持部20の前面が縦材Vの前面と面一となるようにする。このとき、板材支持具は長さ方向中央の両側(上下)で対称形状となっているため、同一構成のものを上下で逆にすれば、左右一対の縦材Vに固定したときに対称の構成となるため、左右一対の縦材V用に別個の構成の板材支持具を用意する必要はない。また、一対の押圧片32,33が対称形状となるよう設けられているため、第1及び第2支持部20,30の長さ方向両端のいずれの側から補強板材Bを挿入した場合でも、押圧片32,33の第2傾斜部32c,33cにより補強板材Bを移動案内して、第1及び第2支持部20,30間に円滑に挿入することができる。この状態で、各板材支持具の上下一対の取付部12,13の挿通孔12a,13aに、それぞれ、タッピンねじ等を挿通して縦材Vの側面に捩じ込むことで、各板材支持具を固定部10の上下で対応する縦材Vの側面に固定することができる。このとき、板材支持具の固定部10の取付部12,13の先端が縦材Vの後面から突出する場合、例えば図8に示すように、その突出部分を縦材Vの側面から離間する方向に折り曲げ、縦材Vの後面から突出しないようにする。
次に、図8〜図10に示すように、左右一対の板材支持具間に補強板材Bを架設する。具体的には、まず、補強板材Bを、左右一対の縦材Vの対向側面間の幅乃至取付幅(正確には、左右一対の板材支持具の固定部10の基部11間の間隔)より所定長短い長さとなるよう切断する。このとき、補強板材Bは、通常の板材同様、切断端面B1が補強板材Bの長さ方向と直交して(幅方向に)延びるよう切断する。即ち、例えば、一対の縦材V間の間隔(取付幅)が450mm(一般的な間柱間の間隔)の場合、補強板材Bの長さは約430mmとし、縦材Vに固定した一対の板材支持具の第1支持部20及び第2支持部30間に補強板材Bを挿入したときに、補強板材Bの長さ方向両端面B1と板材支持具の固定部10の基部11との間に、それぞれ、約10mm程度の隙間が形成されるようにする。なお、補強板材Bの端面B1と板材支持具の固定部10の基部11との間の隙間の寸法は、板材支持具の固定部10の基部11と第2支持部30の押圧片32,33との間の間隔以下となるようにし、押圧片32,33の当接部32b,33bの全体により補強板材Bを当接支持できるようにすることが好ましい。或いは、補強板材Bは、長さ方向両端の切断端面B2が補強板材Bの長さ方向と傾斜して延びるよう、図8中に一点鎖線で示す部分(直角三角形板状の切断部)を切断除去することもできる。この場合も、押圧片32,33の当接部32b,33bの全体により補強板材Bを当接支持できるよう、補強板材Bの切断端面の切断部を設定することが好ましい。いずれの場合も、補強板材Bの長さ方向端面B1,B2と板材支持具の基部11との間に隙間が形成され、補強板材Bを板材支持具の第1支持部20と第2支持部30との間に挿入しやすくなる。即ち、補強板材Bを取付幅乃至左右一対の板材支持具の固定部10の基部11間の間隔と略同一の長さとなるよう正確に切断する必要がなく、取付幅より短いおおよその長さに切断しても、一対の板材支持具間に確実に支持して架設することができる。
更に、軽量間仕切壁の場合のように、補強板材Bの設置後に縦材Vを左右方向にスライド移動する必要がある場合、補強板材Bと板材支持具の固定部10の基部11との間に隙間があるため、補強板材Bが縦材Vの移動に追随して架設方向のいずれの方向にもスライド可能となる。このように、補強板材Bの端部(長さ方向端面)が縦材V乃至板材支持具の固定部10の基部11から離間した状態においても、板材支持具の第1及び第2支持部20,30が固定部10の基部11から補強板材Bの離間方向へと延出され、第2支持部30が補強板材Bの裏面を押圧片32,33により第1支持部20へと弾性的に押圧可能であるため、第1及び第2支持部20,30間に補強板材Bを支持可能となる。
ここで、板材支持具により支持する補強板材Bの厚みは、図8中に実線で示すように、板材支持具の第1支持部20と押圧片32,33の当接部32b,33bとの間の間隔(例えば、約10mm)より若干大きい厚み(例えば、約12mm)のものから、図8中に二点鎖線で示すように、板材支持具の第1支持部20と第2支持部30との間の間隔(例えば、約24mm)より若干小さい厚み(例えば、約20mm)のものまで、各種の厚みのものを使用することができる。そして、図9及び図10に示すように、補強板材Bは、その長さ方向両端部を、それぞれ、左右一対の板材支持具の第1支持部20及び第2支持部30間に上方から差し込んで挿入される。このとき、板材支持具の下端に前記折曲部23による当接片が形成されているため、板材支持具の第1及び第2支持部20,30間に挿入した補強板材Bの挿入側の端面(下端面)が、底部としての折曲部23に当接して支持され、更なる下方への移動を規制される。よって、補強板材Bが板材支持具から下方に抜け出て脱落することはなく、補強板材Bを板材支持具内の所定位置(折曲部23に当接する位置)に簡単に位置決めして保持することができる。このように、板材支持具は、異なる厚みの補強板材Bを挟持可能であり、補強板材Bの厚みが部分的にばらつく場合でも、押圧片32,33の弾性変形によりそのばらつきを吸収し、補強板材Bを確実に支持することができる。
また、このとき、第1支持部20の裏面(後面)と第2支持部30の押圧片32,33の当接部32b,33bの表面(前面)との間で、補強板材Bが弾性的に挟持される。即ち、押圧片32,33の当接部32b,33bが、補強板材Bの裏面に弾性的に当接し、第2支持部30が、押圧片32,33により補強板材Bを第1支持部20に向かって押圧することで、補強板材Bを第1支持部20との間で弾性的に挟持する。なお、補強板材Bの厚みが大きい場合、図11に示すように、押圧片32,33全体が、その基端で大きく弾性変形して第2支持部30側へと撓み、押圧片32,33の第2傾斜部32c,33cの大部分が基部31の切り込み32x,33x内へと進入して、押圧片32,33全体の撓みを許容する。この状態で、補強板材Bは、板材支持具の第1及び第2支持部20,30間に弾性的に挟持され、左右方向(架設方向)へのスライド移動自在となっている。しかし、補強板材Bを板材支持具により完全に固定したい場合、板材支持具の押圧片32,33の挿通孔32d,33dにビス等のねじ釘を挿通し、補強板材Bの裏面に螺入することで、補強板材をビス固定することができる。こうすると、補強板材Bの左右方向への位置ずれ等を完全に防止することができる。
ここで、軽量間仕切壁のように、縦材Vとしてのスタッドを上下一対のランナに沿って移動することにより位置調整して正確なピッチの配置間隔とする場合、スタッドに板材支持具を固定し、その板材支持具により補強板材Bを支持した後で、スタッドをハンマ等により叩いて左右方向(ランナの長さ方向)に所定量ずつ1回または複数回ずらすことになる。このとき、スタッドに固定した板材支持具も左右方向に同量ずつ移動する。よって、実施の形態1では、板材支持具の第1及び第2支持部20,30が、補強板材Bを挟持した状態で、補強板材Bを架設方向(左右方向)にスライド移動自在に支持するようにした。即ち、第2支持部30の押圧片32,33が、補強板材Bを第1支持部20に向かって弾性的に押圧することにより、第1支持部20との間で補強板材Bを挟持した状態で、補強板材Bを架設方向にスライド移動自在に支持する。これにより、板材支持具に取付けた補強板材Bも、スタッドの移動に伴い、板材支持具に対して同量ずつスライドして移動することができ、スタッドの移動の妨げとなったり、或いは、板材支持具から脱落したりするといった不具合を防止することができる。
上記のようにして、壁裏に補強板材Bを取付けた後、壁の下地材乃至構築材としての縦材Vに壁材としての石膏ボード等を釘打ち等して固定し、石膏ボード等の上から更にクロスを貼付したりして、内壁または間仕切壁を完成する。そして、必要に応じて、この内壁等に設置物を取付ける場合、例えば、図11に示すように、トイレの内壁にトイレットペーパホルダTを取付ける場合、トイレットペーパホルダTの取付部T1の挿通孔にねじ釘Sの軸部を挿通し、壁材W及び補強板材Bへとねじ釘Sを螺入する。このとき、ねじ釘Sは、補強板材Bに強固に螺入されて、壁材W及び補強板材Bを一体化し、一体化された壁材W及び補強板材Bの強度で、設置物としてのトイレットペーパホルダTを壁材Wの表面に固定する。このとき、補強板材Bは、ねじ釘Sにより壁材Wに対して強固に締結され、壁材Wと一体化する。よって、補強板材Bが板材支持具に対して強固に固定されず、多少緩んだ、或いは、ぐらついた状態で支持されている場合でも、補強板材が板材支持具に保持されている限り、設置物がねじ止め時に壁材Wの全面で補強板材Bを押圧して一体化し、補強板材Bを壁材Wの裏面に強固に保持する。よって、補強板材Bにより壁材Wの壁裏の強度を高め、設置物を強固に保持することができる。
また、このとき、実施の形態1では、第1支持部20側から補強板材Bをねじ止めすることがないため、補強板材Bは、第1支持部20の厚み分だけの隙間をおいて壁材の裏面と対向する。また、補強板材Bを板材支持具にねじ止めして強固に固定する場合でも、補強板材Bは、板材支持具の裏面側に配置される第2支持部30側で、押圧片32,33の挿通孔32d,33dを介してねじ止めされる。特に、このとき、第2支持部30の押圧片32,33が補強板材Bを第1支持部20へと押圧するため、補強板材Bは壁材Wに近接する方向に押圧されて壁材Wの裏面の最大直近位置(第1支持部20の厚み分の隙間をおいた位置)へと自動的に押圧保持される。よって、補強板材Bと壁材Wとの間の隙間を実質的になくすことができ、設置物を壁材W及び補強板材に強固にねじ止めすることができる。
図12は本発明の実施の形態1に係る板材支持具の構築材(横材)への固定方法を示す斜視図である。図12は、実施の形態1に係る板材支持具を二重天井等の天井裏の野縁等の横材に沿って左右方向に配置固定し、板材支持具に補強板材を架設する場合を示す。この場合、まず、板材支持具を壁裏の縦材Vに配置する場合と同様に、板材支持具の第1支持部20の後側(補強板材Bの挿入方向の後側)となる折曲部23を第2支持部30に向かって直角に折り曲げ、その後端の掛止片25を第2支持部30の挿着開口35に挿着して掛止し、底部としての当接片を形成する。次に、板材支持具の固定部10の基部11を横材Hとしての金属製の野縁等の側面に沿って左右方向に配置すると共に、その幅方向一側縁を横材Hの下面と側面とのコーナに合致して配置し、第1支持部20の下面が横材Hの下面と面一となるようにする。なお、前後一対の横材H間に補強板材Bを架設する場合は、左右一対の横材Hのそれぞれに板材支持具を配置する。このとき、板材支持具は長さ方向中央の両側(左右)で対称形状となっているため、同一構成のものを左右で逆にすれば、前後一対の横材Hに固定したときに対称の構成となるため、前後一対の横材H用に別個の構成の板材支持具を用意する必要はない。この状態で、板材支持具の左右一対の取付部12,13の挿通孔12a,13aに、それぞれ、ドリルねじ等を挿通して横材Hの側面に捩じ込むことで、板材支持具を固定部10の左右で横材Hの側面に固定することができる。このとき、板材支持具の固定部10の取付部12,13の先端が横材Hの上面から上方に突出する場合、例えば図12に示すように、その突出部分を横材Hの側面から上面へとその外形に沿って折り曲げる。これにより、板材支持具を横材Hに対して所定上下位置に位置決めして仮固定することもできる。そして、上記縦材Vに固定した板材支持具に補強板材Bを架設する場合と同様にして、横材Hに固定した板材支持具に補強板材Bを架設する。
上記のように、板材支持具は、第1支持部20及び第2支持部30により補強板材Bの表面及び裏面を支持する。即ち、図8〜図10に示すように、板材支持具を使用して壁材の裏側で補強板材Bを支持する場合、第2支持部30の押圧片32,33が、第1及び第2支持部20,30間に挿入された補強板材Bの厚さに応じて、第1支持部20から離間する方向(後方)に後退すべく弾性変形し、押圧片32,33により補強板材Bの裏面(後面)を押圧して補強板材Bの表面(前面)を第1支持部20に当接させることで、補強板材Bを第1及び第2支持部20,30間に挟持する。一方、図12に示すように、板材支持具を使用して天井材の裏側で補強板材Bを支持する場合は、第2支持部30の押圧片32,33は、第1及び第2支持部20,30間に挿入された補強板材Bの厚さに応じて、第1支持部20から離間する方向(上方)に後退すべく弾性変形し、押圧片32,33により補強板材Bの裏面(上面)を押圧して補強板材の表面(下面)を第1支持部20に当接させることで、補強板材Bを第1及び第2支持部20,30間に挟持する。
また、押圧片32,33を介して第2支持部30により補強板材Bの裏面側を支持するため、押圧片32,33及び第2支持部30の両者による支持強度となり、その支持強度が大きく、補強板材Bの裏面側方向へと力が加わった場合でも、押圧片32,33がより大きな角度へ(塑性変形して)開く可能性が小さく、補強板材B裏面との間に隙間ができて、補強板材Bが脱落するような事態を確実に防止することができる。また、補強板材Bの表面側を支持する第1支持部20と対向する第2支持部30に押圧片を設けるため、押圧片を実施の形態1のような屈曲板状ではなく特許文献1と同様の単なる平板状として設けた場合でも、押圧片に対して補強板材Bの裏面側へ向かう方向の力が加わった場合、押圧片は、第2支持部30に対して屈曲角度(起し角度)を減少する方向に変形する。即ち、押圧片は、弾性復帰力が大きくなる方向に弾性変形する。よって、押圧片による補強板材Bの弾性押圧力は増加し、押圧片による補強板材Bの支持力が増加するため、補強板材Bを確実に支持して、補強板材Bの脱落を確実に防止することができる。特に、板厚の大きな補強板材Bを支持する場合、上記のように、板厚に応じて押圧片は、第2支持部30に対して角度を減少する方向に弾性変形して撓むため、弾性押圧力が減少することがなく、逆に、大きくなることが期待でき、押圧片による補強板材Bの裏面の押圧支持を確実に行える。
実施の形態2
図13は本発明の実施の形態2に係る板材支持具を一方の構築材(縦材)に使用する場合を背面から見て示す斜視図である。図14は本発明の実施の形態2に係る板材支持具を軽量間仕切壁内の左右一対のスタッド(縦材)にそれぞれ固定し、それら左右一対の板材支持具間に補強板材を固定する場合を示す斜視図である。
実施の形態2に係る板材支持具は、実施の形態1に係る板材支持具の第2支持部の押圧片を幅方向に2対設けたものである。詳細には、実施の形態1に係る板材支持具では、押圧片32,33は、第2支持部30の長さ方向に一対形成されると共に幅方向には1つのみ形成され、第1及び第2支持部20,30間に補強板材Bを挟持したときに、補強板材Bの幅方向の2つの位置を弾性的に押圧して支持するのに対し、実施の形態2に係る板材支持具では、押圧片132,133は、第2支持部130の長さ方向に一対形成されると共に幅方向にも一対形成される。即ち、実施の形態2では、幅方向に合計2対(上下左右の4個)の押圧片132,133が第2支持部130に設けられる。そして、第1及び第2支持部120,130間に補強板材を挟持したときに、2対の押圧片132,133が、補強板材の長さ方向及び幅方向の各2つの位置(合計4つの位置)を弾性的に押圧して支持する。左右2対の押圧片132,133の各対の押圧片132,133は、実施の形態1の押圧片32,33と同様の構成であり、第2支持部130の基部31の対応する部分に、押圧片132,133の外形に対応するチャンネル状(コ字状)の切り込み132x、133xを入れ、その切り込み132x,133xの内側部分を前記台形板状となるよう屈曲することにより形成され、実施の形態1の押圧片32,33と同様の作用及び効果を発揮する。
実施の形態2に係る板材支持具は、押圧片132,133を第2支持部130の幅方向にも一対設けるため、第1支持部120及び第2支持部130を実施の形態1の第1支持部20及び第2支持部30より幅広の略長方形板状としている。また、第1支持部120の掛止片24,25を挿着掛止する挿着開口134,145は、実施の形態1の挿着会億34,35とは異なり、押圧片132,133用の切り込み132x,133xの先端に形成されず、それぞれ、切り込み132x、133xと第2支持部130の長さ方向両端との間に形成されて第2支持部130の幅方向に延びている。なお、第2支持部130の挿着開口134,135は、第1支持部120の掛止片24,25の形状(略T字状)に対応する略逆T字状となっている。また、実施の形態1及び2に係る板材支持具は、例えば、1枚の金属板(例えば、溶融亜鉛めっき鋼板)を上記形状となるよう成形して形成することができる。なお、実施の形態2において、上記以外の構成は、実施の形態1と同様である。
実施の形態2に係る板材支持具は、実施の形態1に係る板材支持具と同様にして使用することができ、同様の作用及び効果を発揮する。また、実施の形態2に係る板材支持具は、図14に示すように、軽量間仕切壁の壁裏で補強板材Bを支持する場合にも使用され、実施の形態1で述べたような作用及び効果を発揮する。即ち、縦材としてのスタッドVを上下一対のランナRに沿って移動することにより位置調整して正確なピッチの配置間隔とする場合、スタッドVに板材支持具を固定し、その板材支持具により補強板材Bを支持した後で、スタッドVをハンマ等により叩いて左右方向(ランナRの長さ方向)に所定量ずつ1回または複数回ずらすことになり、スタッドVに固定した板材支持具も左右方向に同量ずつ移動する。このとき、実施の形態2では、板材支持具の第1及び第2支持部120,130が、補強板材Bを挟持した状態で、第2支持部130の押圧片132,133が、補強板材Bを第1支持部120に向かって弾性的に押圧し、補強板材Bを架設方向(左右方向)にスライド移動自在に支持する。これにより、板材支持具に取付けた補強板材Bも、スタッドVの移動に伴い、板材支持具に対して同量ずつスライドして移動することができ、スタッドVの移動の妨げとなったり、或いは、板材支持具から脱落したりするといった不具合を防止することができる。
ところで、上記各実施の形態に係る板材支持具の押圧片は、長さ方向中央部に当接部を設けた台形板状としたが、本発明に係る板材支持具の押圧片は、長さ方向の中央部以外の一部(例えば、先端部)に当接部を設けた屈曲板状としたり、その他の構成としたりすることもできる。また、上記各実施の形態に係る板材支持具は、長さ方向中央の両側で略対称形状となるよう、固定部10、第1支持部20,120及び第2支持部30,130を一体形成し、本発明は、同一構成の板材支持具を左右一対の構築材に対して左右対称となるよう固定しているが、板材支持具を長さ方向に非対称形状とし、左右一対の構築材に別個の構成の一対の板材支持具を用意して左右対称となるよう固定してもよい。更に、上記各実施の形態に係る板材支持具の一対の押圧片は、長さ方向に対称配置となるよう互いに離間する方向に延設されているが、本発明に係る板材支持具の一対の押圧片は、同一方向に延設してもよい。例えば、図1の構成において、下側の押圧片33を上側の押圧片32と同様に構成し、上下一対の押圧片32が共に上方に延びるようにしてもよい。また、押圧片は、上記各実施の形態のように、第2支持部30,130の長さ方向に延びる板状とする以外に、第2支持部30,130の幅方向に延びる板状、或いは、それ以外の方向(極端な場合、傾斜方向)に延びる板状としてもよい。更に、単一の押圧片に複数の当接部を設けてもよい。
また、上記各実施の形態では、第1支持部20,120の長さ方向の両端部にそれぞれ折曲部22,23及び掛止片24,25を形成し、第2支持部30,130の対応する箇所にそれぞれ挿着開口34,35,134,135を形成したが、第1支持部20,120の一端部のみに、第2支持部30,130に向かって折曲自在な折曲部22または折曲部23を設けると共に、第2支持部30,130の対応する一端部に、第1支持部20,120から折り曲げられた折曲部22または折曲部23の先端の掛止片24または掛止片25を挿着して掛止自在な挿着開口34,134または挿着開口35,135を設けてもよい。この場合でも、板材支持具の底部となる側で、第1支持部20,120の折曲部22または折曲部23の先端の掛止片24または掛止片25を第2支持部30,130の挿着開口34,134または挿着開口35,135に挿着して掛止することにより、底部となる当接片を構成することができる。また、実施の形態1では、挿着開口34,35は第2支持部30の切り込み32x,33xに一体形成し、実施の形態2では、挿着開口134,135は、第2支持部130の切り込み132x,133xの外側に形成したが、実施の形態1において挿着開口を第2支持部の切り込みの外側に別個に形成したり、実施の形態2において挿着開口を切り抜き内に一体形成したりしてもよい。