JP4641187B2 - 開閉装置 - Google Patents
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Description
そして、この落下防止装置(12)によれば、回転部(23)が所定の回転速度以下で回転している際、ローラ(27)は、第1の凹部(26a)内から第2の内周部分(21b)内へ移動した後、第2の内周部分(21b)内で第2の凹部(26b)に乗って周方向へ移動し、その後に、自重により第1の凹部(26a)内へ落ち込む。そのため、回転部(23)の回転が妨げられることがない。
また、回転部(23)が所定の回転速度以上で回転した際には、遠心力のためにローラ(27)は、前記のようにして第1の凹部(26a)内へ落ち込むことができず、第二の凹部(26b)と内周部分(21b)の周端との間に挟まるため、回転部(23)の回転が停止する。
そして、この場合には、無端輪状動力伝達部材(チェーン5)が切れたとしても、巻取軸(2)の回転が停止しないため、開閉体(シャッタースラット1)の閉鎖動作が継続してしまうおそれがある。
すなわち、前記従来技術のように、遠心力を利用して無端輪状動力伝達部材が切れたことを間接的に感知し、巻取軸の回転を制動しようとした発明では、意図しない状況等により遠心力が作用しなかったり小さすぎたりした場合には、その感知性能、及び制動性能が低下してしまうおそれがある。
また、上記従来技術によれば、ローラ(27)が第二の凹部(26b)と内周部分(21b)の周端との間に挟まれて、巻取軸(2)が停止している状態において、巻取軸(2)に対し逆回転方向の不意の衝撃が加わった場合、例えば開閉体(シャッタースラット1)に対し障害物等の物体が当接した場合等には、ローラ(27)が、第二の凹部(26b)と内周部分(21b)の周端との間から外れ、第1の凹部(26a)内へ落ち込み、その結果、再度、巻取軸(2)が開閉体繰出し方向へ自由回転して、開閉体(シャッタースラット1)が閉鎖動作してしまうおそれがある。
ここで、上記開閉装置には、上記開閉体が閉鎖動作のみを行うように用いられる態様や、上記開閉体が開放動作と閉鎖動作との双方を行うように用いられる態様等を含む。
すなわち、上記動力源の回転力には、上記補助回転体を駆動回転させるための回転力、および上記補助回転体の回転を抑制するための制動回転力を含む。
なお、前記制動機構を具備した場合、例えば、前記回転駆動機構を具備せずに上記巻取り軸および上記補助回転体を上記開閉体の自重により回転させるようにした構成としてもよいし、前記回転駆動機構と前記制動機構との双方を具備した構成としてもよい。
この補助回転体には、チェーンとスプロケットを用いた動力伝達機構における従動側のスプロケットや、ベルトとプーリーを用いた動力伝達機構における従動側のプーリー、複数の歯車を用いた動力伝達機構における巻取り軸側の歯車等を含む。
また、上記動力伝達経路の異常の具体例としては、上記動力軸や上記補助回転体の破損、上記動力伝達手段をチェーンとスプロケットによる機構とした場合におけるチェーンの破断や緩み、スプロケットの破損、上記動力伝達手段をベルトとプーリーによる機構とした場合におけるベルトの破断や緩み、プーリーの破損、上記動力伝達手段を複数の歯車とした場合における各歯車の破損や空回り等が挙げられる。
また、「周方向に所定量の遊びを有する」の一例としては、前記凹部内で前記凸部が周方向へ移動可能な構成とすればよい。
また、本明細書中において「開閉方向」とは、上記開閉体が空間を仕切ったり開放したりするためにスライドする方向を意味する。
また、本明細書中において、「開閉体繰出し回転方向」とは、上記巻取り軸、上記補助回転体、または上記動力軸が、開閉体を繰出すために回転する方向を意味する。
第一の実施形態によれば、動力伝達経路に異常のない通常状態では、巻取り軸が開閉体の自重によって開閉体繰出し回転方向へ引っ張られるため、付勢部材が補助回転体と巻取り軸との間で弾性変形する。
動力伝達用チェーンの破断や緩み、動力伝達用ベルトの破断や緩み、スプロケットや歯車の破損、動力軸の破損等、動力伝達経路の異常によって、動力軸に相対して補助回転体が回動自在な状態になると、その補助回転体は、付勢部材の付勢力によって、巻取り軸に対して開閉体繰出し回転方向へ所定量回転する。
したがって、この実施形態によれば、巻取り軸の回転による遠心力を利用するようにした従来技術とは異なり、遠心力の有無や大小に拘わらずに、動力伝達経路の異常を、補助回転体の所定量の回転により、間接的に認識することができ、ひいては、その認識に基づいた所定の制御が可能となる。
また、この実施形態によれば、前記異常状態において、例えば、開閉体に対し障害物等の物体が当接した場合等のように、巻取り軸に対し逆回転方向の不意の衝撃が加わったとしても、補助回転体が付勢部材の付勢力により巻取り軸に対し開閉体繰出し回転方向へ回転した位置に維持され、動力伝達経路の異常を認識した状態が維持される。
無端輪状動力伝達部材の切断や緩み等の異常によって、無端輪状動力伝達部材に対し補助回転体が回動自在な状態になると、その補助回転体は、付勢部材の付勢力によって、巻取り軸に対して開閉体繰出し回転方向へ所定量回転する。
したがって、この実施形態によれば、巻取り軸の回転による遠心力を利用するようにした従来技術とは異なり、遠心力の有無や大小に拘わらずに、無端輪状動力伝達部材の切断又は緩み等の異常を、補助回転体の所定量の回転により、間接的に認識することができ、ひいては、その認識に基づいた所定の制御が可能となる。
また、この実施形態によれば、前記異常状態において、例えば、開閉体に対し障害物等の物体が当接した場合等のように、巻取り軸に対し逆回転方向の不意の衝撃が加わったとしても、補助回転体が付勢部材の付勢力により巻取り軸に対し開閉体繰出し回転方向へ回転した位置に維持され、無端輪状動力伝達部材の切断又は緩み等の異常を認識した状態が維持される。
本実施の形態の開閉装置は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の躯体の開口部分や内部に配設されて、前記開口部分を開閉したり、躯体内部の空間を仕切ったり開放したりする開閉装置、特に火災等の災害時に炎や煙等を遮断する防火防煙用のシャッター装置に適用した一例について説明する。
そして、この軸本体31は、その一端側の外周面に凸部31aを備え、該凸部31aが後述する補助回転体40により係合されることで、該補助回転体40から回転力を受けるようになっている。
前記凸部31aは、軸本体31の軸方向にわたって遠心方向へ突出する部材であり、補助回転体40のみに係合するように配設されてもよいし、補助回転体40及び巻取体32に係合するように配設されてもよい。
更に、この軸本体31には、前記凸部31aに対し軸方向へ所定間隔を置いて、後述する複数の係合部材72を軸支するための軸支部31bが、周方向へわたって複数突設されている。
そして、この軸本体31の上記一端側には、後述する補助回転体40及び回転抑制手段70が設けられている。
前記貫通孔41は、その内周面に、軸本体31の凸部31aよりも周方向の幅が広い凹部41aを有する。この凹部41aは、軸本体31に対し補助回転体40を所定量回動自在とする。
そして、この補助回転体40は、その外周部に、動力源50の動力を伝達するように無端輪状動力伝達部材60が掛け回され、該補助回転体40の側面には、回転抑制手段70の基盤71が固定されている。
各凹部71a1は、上記補助回転体40の凹部41aと略同等の周方向の幅に形成され、軸本体31の各軸支部31bを、周方向へ所定量移動可能にするように遊嵌させている。
そして、この基盤71の側面には、該基盤71の外周面へ連通された複数の案内溝71bが、略放射状に複数配設されている。
前記軸支片部72aは、その一端側が軸本体31の軸支部31bに支持され、該軸支部31bを略中心にして他端側を回動させるように設けられている。
また、係合片部72bは、基盤71の案内溝71b内に遊挿され、その基端側が軸支片部72aの前記他端側に軸支されている。
そして、これら軸支片部72a及び係合片部72bは、補助回転体40が巻取り軸30に対し開閉体繰出し回転方向へ回転した際に、その回転方向の動きを、係合片部72bの遠心方向への動きに変換し、該係合片部72bを、補助回転体40の周囲から外部へ突出させるように構成される。
この被係合部材73は、基盤71の外周面に近接する略環状を呈し、その内周面には、上記各係合部材72の突端が凹凸状に嵌脱されるように、複数の凹部73aが形成されている(図3(a)(b)参照)。
そして、前記構成の被係合部材73は、収納ケース91等の不動部位に固定されている。
この付勢部材80の付勢力は、開閉体10の重量による巻取り軸30の開閉体繰出し回転方向の回転力よりも、小さくなるように設定されている。
しかしながら、本実施の形態によれば、付勢部材80の付勢力が開閉体10の重量による巻取り軸30の開閉体繰出し回転方向の回転力よりも小さいため、開閉体10の重量による巻取り軸30の回転により付勢部材80が弾性変形した状態となり、軸本体31の凸部31aは、補助回転体40の凹部41a内における開閉体繰出し回転方向(図示における時計方向)の端面に当接した状態に維持されることになる(図1(a)の状態)。
上記開閉装置1によれば、無端輪状動力伝達部材60が切断されていない通常状態では、開閉体10の重量による巻取り軸30の回転力が、付勢部材80の付勢力を上回っているため、図1(a)に示すように、巻取り軸30の凸部31aが補助回転体40の凹部41a内における開閉体繰出し回転方向(時計方向)の端面に当接した状態となる。なお、この状態は、巻取り軸30による開閉体10の巻取り動作中、繰出し動作中、停止中の各々において維持される。
そのため、巻取り軸30は、図1(b)に示すように、凸部31aを、凹部41a内における開閉体巻取り回転方向(反時計方向)の端面に当接させた状態となる。
そのため、各係合部材72は、その係合片部72bの突端を、基盤71の外周面から遠心方向へ突出させて、被係合部材73の内周面の凹部73aに嵌合させる。
前記係止状態は、上記付勢部材80の付勢力によって維持されるため、仮に、開閉体10が開放方向への外力を受けた場合(例えば、開閉体10に対し障害物等の物体が開閉体閉鎖方向側から当接した場合など)であっても、容易には外れてしまうことがない。
この開閉装置2は、上記開閉装置1における回転抑制手段70を回転抑制手段70’に置換した構成とされる。なお、この開閉装置2において上記開閉装置1と略同様の構成箇所については、上記開閉装置1と同一の符号を付けることで、重複する詳細説明を省略する。
前記各支持孔71b’は、径方向へわたる長孔であり、係合部材72’の中途部分を支持するように、基盤71’の貫通孔71aの周囲に配置されている。
なお、この各支持孔71b’は、図示例によれば、その長手方向にわたって直線的な長孔としているが、長手方向にわたって曲線的な長孔であってもよい。
そのため、係合部材72’の突端が、補助回転体40の外周面から突出して、被係合部材73の凹部73aに係止する。
したがって、この回転抑制手段70’では、比較的簡素で生産性の良好な係合部材72によって、巻取り軸30の回転を停止させることができる。
感知部93は、補助回転体40の凹部41aにおける開閉体巻取り回転方向側の端面に設けられる。この感知部93は、凸部31aが近接または接触したことを感知し、その感知信号を出力するものであればよく、例えば、リミットスイッチ等の接触式センサーや、近接スイッチ等の非接触式センサー等によって構成されている。
この開閉装置3によれば、上記開閉装置1と略同様にして無端輪状動力伝達部材60が切断すると、補助回転体40が開閉体繰出し回転方向へ所定量回転し、感知部93が軸本体31の凸部31aに当接する。そのため、感知部93から感知信号が出力され、その出力信号に応じて所定の制御が行われる。
前記所定の制御の具体例としては、図示しない制動機構により開閉体10の閉鎖動作を抑制(停止や減速を含む)する態様や、警報を発するようにした態様等とすることが可能である。
この構成によれば、動力軸51の破損、ベルトの破断や緩み、プーリーの破損等、動力伝達経路の異常を生じた際、補助回転体40が巻取り軸30に対し所定量だけ開閉体繰出し回転方向へ回転するため、前記ベルトの切断又は緩みを間接的に認識して、巻取り軸30の回転を停止させることができる。
また、開閉装置1,2,3において、動力軸51の回転力を複数の歯車によって補助回転体40に伝達する構成とすることも可能である。より具体的に説明すれば、例えば、無端輪状動力伝達部材60を省くとともに、動力軸51の外周部と補助回転体40の外周部との各々に歯部を形成し、これら両歯部を噛み合わせる構成とすればよい。
この構成によれば、動力軸51の破損、前記各歯部の欠損や空回り等、動力伝達経路の異常を生じた場合に、補助回転体40が巻取り軸30に対し所定量だけ開閉体繰出し回転方向へ回転するため、巻取り軸30の回転を停止させることができる。
10:開閉体
30:巻取り軸
40:補助回転体
50:動力源
51:動力軸
60:無端輪状動力伝達部材
70,70’:回転抑制手段
72,72’:係合部材
80:付勢部材
Claims (9)
- 閉鎖方向端部を下方へスライドさせて空間を仕切る開閉体と、巻取られた状態の前記開閉体を繰出す巻取り軸と、動力軸を回転させる動力源と、前記巻取り軸側に設けられて前記巻取り軸に対し回転力を伝達する補助回転体と、前記動力軸と前記補助回転体とにわたって配設された動力伝達手段とを備え、前記動力軸と前記補助回転体とを前記動力伝達手段を介して連動させるようにした開閉装置において、
前記補助回転体を前記巻取り軸に対し所定量回動自在となるように、前記補助回転体を、前記巻取り軸に対し、周方向に所定量の遊びを有するように凹凸状に嵌合し、
前記補助回転体を前記巻取り軸に対して開閉体繰出し回転方向へ付勢するように付勢部材を設け、
前記補助回転体が前記巻取り軸に相対して開閉体繰出し回転方向へ回転したことによって、動力伝達経路の異常が認識されるようにしたことを特徴とする開閉装置。 - 前記付勢部材の付勢力は、前記開閉体の重量による前記巻取り軸の開閉体繰出し回転方向の回転力よりも、小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
- 前記巻取り軸と前記補助回転体とを前記凹凸状に嵌合するように、前記巻取り軸に凸部を設けるとともに、前記補助回転体には前記凸部よりも周方向に幅が広い凹部を設け、
前記補助回転体が前記巻取り軸に相対して開閉体繰出し回転方向へ回転した際に、前記凸部を、前記凹部内における開閉体巻取り回転方向の端面に当接させるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。 - 前記巻取り軸と前記補助回転体とを前記凹凸状に嵌合するように、前記巻取り軸に凸部を設けるとともに、前記補助回転体には前記凸部よりも周方向に幅が広い凹部を設け、
前記凹部内における開閉体巻取り回転方向側の端面に、前記補助回転体が前記巻取り軸に相対して開閉体繰出し回転方向へ回転したことを感知する感知部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の開閉装置。 - 上記動力伝達手段は、上記動力軸と上記補助回転体とを、これらの間に巻きかけられた無端輪状動力伝達部材により連動させる機構であることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載の開閉装置。
- 上記補助回転体が上記巻取り軸に相対して開閉体繰出し回転方向へ回転したことによって、上記巻取り軸の回転を抑制する回転抑制手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載の開閉装置。
- 上記回転抑制手段は、上記補助回転体が上記巻取り軸に対して開閉体繰出し回転方向へ回転した際に、その際の上記補助回転体の回転力によって、上記巻取り軸を不動部位に係合させるように構成してあることを特徴とする請求項6記載の開閉装置。
- 上記回転抑制手段は、上記補助回転体が上記巻取り軸に対し開閉体繰出し回転方向へ回転した際に、その回転方向の動きを、上記補助回転体に内在する係合部材の遠心方向への動きに変換し、該係合部材を、上記補助回転体の周囲の不動部位に係合させるように構成したことを特徴とする請求項7記載の開閉装置。
- 上記不動部位は、上記係合部材と凹凸状に係合可能な被係合部材であることを特徴とする請求項8記載の開閉装置。
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