以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本発明の一実施形態に係る開閉装置は、開閉体がシャッターカーテンとなっているシャッター装置である。また、本実施形態に係るシャッター装置は、管理及び防災の併用(兼用)シャッター装置である。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時に閉じ移動することにより、全閉となったこのシャッターカーテンによって建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置としての機能と、シャッターカーテンにより出入口等の開口部を開閉するために、シャッターカーテンが操作装置の操作により開き移動、閉じ移動、移動停止を行う管理用シャッター装置としての機能と、を有している。
図1には本実施形態に係るシャッター装置の全体が示されており、この図1は、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン1が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。シャッターカーテン1で開閉される開口部は、建物に形成された出入口2であり、この出入口2は、壁等の左右の建物躯体3と、全閉となったときのシャッターカーテン1の下端部が当たる相手部材となっている床4と、天井部材5とで囲まれている。左右の建物躯体3には、シャッターカーテン1の左右方向の両端部、言い換えると、シャッターカーテン1の幅方向の両端部がスライド自在に挿入された左右一対のガイドレール6が取り付けられており、ガイド部材となっているこれらのガイドレール6に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。
出入口2に対して天井部材5で仕切られている天井裏空間7には、シャッターボックス8が配置されており、このシャッターボックス8は、図1のS2−S2線断面図である図2に示されているように、天井裏空間7に存在する下がり壁等の建物躯体9にボルト等の結合具10で結合されている。シャッターボックス8の内部には巻取軸11が水平に収納配置され、この巻取軸11は、シャッターボックス8の図1で示されている左右の側面部8A,8Bに回転自在に支持されている。また、図1に示されているように、巻取軸11の一方の端部には、スプロケットホイールとローラチェーンによる駆動力伝達手段12を介して開閉機13が接続されている。巻取軸11を駆動させるための駆動装置となっているこの開閉機13は図2でも示されており、開閉機13の駆動軸14の回転力は、この駆動軸14に取り付けられた駆動スプロケットホイール12Aと、巻取軸11の上記一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイール12Bと、これらのスプロケットホイール12A、12Bの間に架け渡された無端ローラチェーン12Cとによる駆動力伝達手段12を経て巻取軸11に伝達される。
なお、本実施形態の開閉機13は、図2に示されているように、シャッターボックス8の左右の側面部8A,8Bのうち、一方の側面部8Bに結合されたブラケット部材15に取り付けられている。
図2から分かるように、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻回されているとともに、シャッターカーテン1の上端は巻取軸11の外周面に結合されている。また、シャッターカーテン1における巻取軸11より下側の部分は、天井部材5に配置されているまぐさ16に設けられたスリット17を通って天井部材5の下側へ垂下され、さらに、シャッターカーテン1の幅方向の両端部は、前述のように左右のガイドレール6にスライド自在に挿入されている。まぐさ16は、互いに対向配置されたまぐさ部材16A,16Bにより形成され、これらのまぐさ部材16A,16Bの間がスリット17となっている。
図3は、開閉機13の内部構造を示す断面図である。この図3に示されているように、開閉機13は、直流又は交流の電動モータ装置18とブレーキ装置19とを軸方向に並設したものであり、上述の駆動軸14は、電動モータ装置18の回転する回転子18Aの中心に配置された回転軸となっている。この駆動軸14におけるブレーキ装置19側の端部には、円盤状の第1ブレーキ部材20が結合されている。ブレーキ装置19には、軸方向に一定距離だけスライド自在となっているブレーキ軸21が設けられ、このブレーキ軸21には、第1ブレーキ部材20と軸方向に対面する第2ブレーキ部材22が結合されている。通常時のブレーキ軸21及び第2ブレーキ部材22は、ばね23で電動モータ装置18側へ押圧されており、このため、第1ブレーキ部材20と第2ブレーキ部材22との圧接によりブレーキ装置19はオンとなっている。したがって、このときの電動モータ装置18の駆動軸14は、ブレーキ装置19の制動力によって回転しない。
一方、ブレーキ装置19に配置されているソレノイド24に通電されたときには、このソレノイド24の磁力により、ブレーキ軸21及び第2ブレーキ部材22はばね23に対抗して電動モータ装置18から離れる方向へスライドする。このため、第1ブレーキ部材20と第2ブレーキ部材22との圧接が解除され、ブレーキ装置19はオフとなる。したがって、このときには、電動モータ装置18の駆動軸14は、コイル25への通電により回転できることになる。
このようにソレノイド24への通電によリ、ブレーキ装置19はオフとなり、この通電を停止すると、ブレーキ装置19はオンとなるため、このブレーキ装置19は電気的にオン、オフするブレーキ装置となっている。
本実施形態では、図1に示されているように、開閉機13には、リレー回路等の電気回路又はコンピュータによる制御装置26が取り付けられており、この制御装置26は、開閉機13の電動モータ装置18及びブレーキ装置19を電気的に制御するものである。なお、制御装置26は、開閉機13とは別の部材や手段、装置等に取り付けてもよく、その配置箇所は任意である。
また、本実施形態では、制御装置26には、本実施形態に係る紐状部材となっている後述するロック用ワイヤー36と第1制御用ワイヤー111(図14参照)の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっている具体的な構造を後述するマイクロスイッチ240,250(図14参照)が接続されている。また、本実施形態では、図1で示されているように、制御装置26には、マイクロスイッチ240,250が作動したことによるロック用ワイヤー36と第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態を外部に報知するための報知手段となっている警報器260が接続されている。
図1で示した左右の建物躯体3A,3Bのうち、一方の建物躯体3Aには、シャッターカーテン1を出入口2に対して上向きに開き移動させることと、下向きに閉じ移動させることと、移動停止させることとを行わせるための操作装置30が取り付けられている。この操作装置30には、「開」ボタンと、「閉」ボタンと、「停」ボタンとが設けられている。また、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、上端が巻取軸11に結合されているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられた座板1Bとを有するものとなっている。本実施形態のカーテン本体1Aは、多数のスラットを上下に連設することによって形成されている。
カーテン本体1Aは、本実施形態における開閉体本体となっており、座板1Bは、このカーテン本体1Aにおけるシャッターカーテン1の閉じ側の端部に配置された本実施形態に係るエンド部材となっている。
座板1Bが前述の天井部材5に配置されたまぐさ16の高さ位置に達しているシャッターカーテン1の全開時に、又は、座板1Bが図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半閉状態(半開状態)のときに、操作装置30の「閉」ボタンを操作すると、この「閉」ボタンからの信号が入力する制御装置26の制御により、ブレーキ装置19のソレノイド24に通電されるため、ブレーキ装置19がオフとなる。これにより、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の自重により巻取軸11及び駆動軸14を正回転させて巻取軸11から下向きに繰り出され、これにより閉じ移動したシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知した図示しないセンサからの信号が入力する制御装置26の制御により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ装置19はばね23でオンに復帰する。また、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、又は、座板1Bが図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半開状態(半閉状態)のときに、「開」ボタンを操作すると、この「開」ボタンからの信号が入力する制御装置26の制御により、ブレーキ装置19のソレノイド24に通電されるため、ブレーキ装置19がオフになるとともに、制御装置26の制御により電動モータ装置18のコイル25に通電される。このため、駆動軸14は逆回転し、この回転は前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の逆回転により、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻き取られて開き移動する。シャッターカーテン1が全開位置に達すると、この全開位置を検知した図示しないセンサからの信号が入力する制御装置26の制御により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ装置19がばね23でオンに復帰するとともに、制御装置26の制御によりコイル25への通電が遮断される。
また、シャッターカーテン1が閉じ移動している途中で「停」ボタンを操作すると、この「停」ボタンからの信号が入力する制御装置26の制御により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ装置19がばね23でオンに復帰することにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。さらに、シャッターカーテン1が開き移動している途中で「停」ボタンを操作すると、この「停」ボタンからの信号が入力する制御装置26の制御により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ装置19がばね23でオンに復帰するとともに、制御装置26の制御により電動モータ装置18のコイル25への通電が遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。
以上の説明から分かるように、開閉移動するシャッターカーテン1に対して、前述の床4やガイドレール6、シャッターボックス8、このシャッターボックス8に結合されたブラケット部材15、さらには、まぐさ16等は不動となっているため、これらの床4、ガイドレール6、シャッターボックス8、ブラケット部材15、まぐさ16等は、シャッターカーテン1に対する不動部材となっている。
なお、シャッターカーテン1の下向きの閉じ移動をシャッターカーテン1の自重だけで行わせるのではなく、この自重と、電気モータ装置18の駆動による駆動軸14の正回転とにより、シャッターカーテン1を閉じ移動させるようにしてもよい。
また、前述のように正逆回転自在となっている巻取軸11に、シャッターカーテン1の閉じ移動中に戻し力が蓄圧されるねじりコイルばねやぜんまいばねによる戻しばねを設けておき、シャッターカーテン1の上向きの開き移動を、この戻しばねに蓄圧された戻し力を補助力として利用して行うようにしてもよい。
本実施形態では、図3に示されているとおり、ブレーキ軸21における電動モータ装置18側とは反対側の端部にはレバー部材31が配置されている。このレバー部材31はブレーキ軸21を貫通したものであって、ブレーキ軸21を境界として区分される第1部分31Aと第2部分31Bとからなる。第1部分31Aには第1屈曲部31Cが形成され、第2部分31Bには第2屈曲部31Dが形成されている。第1部分31AにA方向、すなわち、電動モータ装置18側とは反対側への荷重が作用したときには、第1部分31Aが第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動するため、ブレーキ軸21及び第2ブレーキ部材22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドする。このため、ソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ装置19をオフとすることができる。
このため、ブレーキ装置19は、第1部分31AへのA方向の荷重の作用と、この荷重が解除されたときのばね23とにより、オン、オフする機械的のブレーキ装置にもなっている。
なお、第1部分31AにA方向への荷重が作用することは、開閉機13に取り付けられている複合装置100の一部の構成装置となっている後述の自動閉鎖装置32によって行われる。この自動閉鎖装置32は、後述の説明で分かるように、シャッターカーテン1の駆動装置となっている開閉機13のブレーキ装置19を機械式に制御するための機械式制御装置である。
また、第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重が作用したときには、第2部分31Bが第1屈曲部31Cを支点としてA方向と同じ方向へ揺動するため、この場合にも、ブレーキ軸21及び第2ブレーキ部材22は、A’方向へスライドする。このため、このときにもソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ装置19をオフとすることができる。
このように第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重を作用させることは、手作業により行うことができる。このため、この実施形態に係る開閉機13は、手操作によってもブレーキ装置19をオフにすることができるようになっている。なお、第2部分31Bは、第2屈曲部31Dを残して省略してもよい。
図4は、図1で示されているシャッターカーテン1の座板1Bの部分の構造を示す図1のS4−S4線断面図である。本実施形態のシャッターカーテン1は、前述したようにカーテン本体1Aと座板1Bとを有し、座板1Bは、固定部70Aと可動部70Bとからなる。また、シャッターカーテン1は、カーテン主部71Aと、カーテン副部71Bとを有し、カーテン主部71Aは、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの固定部70Aとによって構成されており、カーテン副部71Bは、座板1Bのうちの可動部70Bによって構成されている。したがって、このカーテン副部71Bは、シャッターカーテン1の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部71Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部71Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
また、図4に示されているように座板1Bのうち、カーテン本体1Aと結合されている固定部70Aは、共に断面箱型となった内外の部材75,76で形成され、この固定部70Aに対して可動部70Bは上下動自在となっている。図4から分かるように、固定部70Aを形成している内外の部材75,76の下面は開口部78となっており、この開口部78から可動部70Bの立上り部79の上端が固定部70Aの内部空間に挿入されている。立上り部79の上端には、シャッターカーテン1の厚さ方向外側へ延出する延出部79A,79Bが形成され、これらの延出部79A,79Bが、固定部70Aの内部材76の下端に形成された突片部76A,76Bの上面に乗ることにより、固定部70Aに対する可動部70Bの下側への移動限が規定される。
固定部70Aの内部には、シャッターカーテン1の幅方向に延びる支点軸80を中心に上下揺動自在となった揺動部材81が収納されている。図5で示されているように、可動部70Bが固定部70Aに対して上昇したときには、すなわち、閉じ移動中のシャッターカーテン1が図1で示した障害物34等に当接したときには、可動部70Bの立上り部79の延出部79Aが揺動部材81を押し上げることにより、揺動部材81は支点軸80を中心に上向きに揺動する。
図4及び図5に示されているように、座板1Bの固定部70Aには、図1にも示されているケース33が取り付けられており、このケース33の内部は図6及び図8に示されている。図8に示されているように、ケース33の内部には、外周部に多数の歯部35Aが円周方向に等間隔で形成されたラチェットホール式の歯車となっている回転部材35と、巻取りリール37とが、後述するようにケース33に固定された固定軸となっている軸41を中心に回転自在に収納され、回転中心軸が軸41となっていることで同軸的となっているこれらの回転部材35と巻取りリール37は、後述するように結合一体化されている。また、巻取りリール37には、ロック用ワイヤー36の下端が結合され、前述のまぐさ16の部分から下方へ延びているこのロック用ワイヤー36の下側部分は、ケース33の内部に軸29Aを中心に回転自在に収納されているガイドローラ29を経て、巻取りリール37に巻き取られており、ロック用ワイヤー36の上側部分は、ケース33の上面から上方へ延びている。そして、ロック用ワイヤー36の上端は、図1、図2及び図14に示されている方向変換装置38へと延びている。
以上において、下側部分が巻取りリール37に繰り出し自在に巻き取られているロック用ワイヤー36は、可撓性を有する紐状部材である。そして、シャッターカーテン1が下方へ閉じ移動するときには、図8の軸41を中心にS方向に回転する巻取りリール37からロック用ワイヤー36が繰り出されながら、シャッターカーテン1は閉じ移動することになる。
図7には、回転部材35や巻取りリール37、ガイドローラ29が内部に収納されているケース33の全体正面図が示されており、図10には、この図7のS10−S10線断面図が示されている。この図10に示されているように、外周部にロック用ワイヤー36を巻き取るための溝37Bが形成されている巻取りリール37の内部には、戻しばね収納空間37A(図8も参照)が形成されており、この戻しばね収納空間37Aに、図8では一部が省略されて示されている戻しばね39が収納され、回転部材35と巻取りリール37との回転中心軸である軸41の外周に巻回された状態となっているこの戻しばね39は、ぜんまいばねである。このため、戻しばね39は、軸41が中心部に挿通されている渦巻きばねとなっている。
戻しばね39の一方の端部である内端部は、ケース33に固定されてこのケース33側の部材となっている軸41に連結され、他方の端部である外端部は、後述するように、回転部材35及び巻取りリール37に連結されている。このため、回転部材35及び巻取りリール37が図8のS方向に回転してシャッターカーテン1が下方へ閉じ移動するときに、戻しばね39には、ロック用ワイヤー36を繰り出すために回転する巻取りリール37によって戻しばね力が蓄圧され、シャッターカーテン1が上方へ開き移動するときに、戻しばね39に蓄圧された戻しばね力によって回転部材35及び巻取りリール37がS方向とは逆のT方向に回転することにより、ロック用ワイヤー36は巻取りリール37に巻き取られるようになっている。
このため、本実施形態では、巻取りリール37と戻しばね39により、ロック用ワイヤー36を繰り出し自在に巻き取るための巻取装置40が構成されている。また、シャッターカーテン1が開閉移動するときには、ロック用ワイヤー36により回転部材35及び巻取りリール37は回転する。
本実施形態では、ぜんまいばねによる渦巻きばねとなっている戻しばね39は、巻取りリール37の内部に形成された空間37Aに収納されているため、ケース33についてのシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法が小さくても、図6から分かるように巻取りリール37についてのシャッターカーテン1の厚さ方向の寸法を充分に大きくすることができ、これにより、巻取りリール37によるロック用ワイヤー36の巻取り長さが充分に長くなり、シャッターカーテン1の開閉移動距離が長いシャッター装置にも対応できるようになっている。
図8に示されているように、ケース33の内部には、このケース33に設けられた軸56を中心に上下方向に回動自在となったロック部材50が収納されている。本実施形態のロック部材50は、ラチェットホイール式の歯車となっている回転部材35の歯部35Aに係合可能となっている係合部である歯部53を有していない主部材52と、シャッターカーテン1の幅方向への長さを有しているこの主部材52に締結され、歯部53を有している副部材51とからなる。このようにロック部材50を、それぞれ別部品となっている副部材51と主部材52をシャッターカーテン1の厚さ方向に重ね合わせた組み合わせ構造体とすることにより、回転部材35の歯部35Aに係合する歯部53が形成されている副部材51を焼入れ処理等することで、ロック部材50全体を焼入れ処理等しなくても、歯部53に、回転部材35の歯部35Aと同様に、大きな強度を付与することができる。また、副部材51を主部材52よりも硬質の超硬金属製等とすることにより、ロック部材50全体を高価な硬質の材料で形成しなくてもよくなる。
なお、本実施形態では、ロック部材50の歯部53として、図13に示されているように、軸56を中心とするロック部材50の回動方向に離れた複数個の歯部が設けられ、本実施形態におけるこれらの歯部53は、第1歯部53Aと第2歯部53Bと第3歯部53Cになっており、これらの歯部53A,53B,53Cは、ロック部材50の回動の中心部となっている軸56を中心とする円弧上又は略円弧上に設けられている。
また、図4に示されているように、前述した座板1Bの固定部70A(カーテン主部71A)の内部に支点軸80を中心に上下揺動自在となって配置されている揺動部材81には、押圧部材54が取り付けられている。
図8から分かるように、ロック部材50にはねじりコイルばね57が設けられている。図13に示されているように、コイル部57Aが軸56の大径部56Bの外周に巻回されているこのねじりコイルばね57の一方の端部57Bは、主部材52と副部材51とに形成された長孔50Aに挿入されることにより、ロック部材50に係止されており、また、他方の端部57Cは、図6に示されているケース33の両方の側面部33B,33Cのうち、図7で示されている側面部33Cの下端に形成された屈曲部33Dの孔に挿入されることにより、ケース33に係止されている。このため、ねじりコイルばね57は、軸56及びロック部材50とケース33との間に設けられているとともに、ロック部材50は、図8において、ねじりコイルばね57のばね力により軸56を中心にM方向に回動付勢されている。これにより、ロック部材50の一部が、シャッターカーテン1に設けられた押圧部材54に、すなわち、シャッターカーテン1のカーテン主部71Aに設けられた支点軸80を中心に上下揺動自在な揺動部材81に配置されている押圧部材54に当接するようになっている。
このため、シャッターカーテン1及びロック部材50には、後述の説明で分かるように、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、ロック部材50を図8のM方向とは反対方向のN方向に回動させるために互いに当接するシャッターカーテン側当接部58とロック部材側当接部59とが設けられていることになる。そして、シャッターカーテン側当接部58は、押圧部材54によるものであり、ロック部材側当接部59は、ロック部材50の主部材52において、第1ロック部材側当接部59Aと第2ロック部材側当接部59Bとして2個存在している。これらの第1ロック部材側当接部59Aと第2ロック部材側当接部59Bは、ロック部材50の長さ方向であるシャッターカーテン1の幅方向に離れている。
このような第1ロック部材側当接部59Aと第2ロック部材側当接部59Bをロック部材50に設けることは、図8及び図13に示されているように、ロック部材50を構成する主部材52のうち、副部材51と重複していない部分をL字又は略L字の形状とすることにより、実現することができる。
なお、本実施形態では、ロック部材側当接部59のうち、第1ロック部材側当接部59Aは、主部材52に結合された板ばね60によって形成されており、このため、第1ロック部材側当接部59Aは弾性変形可能となった弾性部となっている。
また、図6及び図8に示されているように、ロック部材50の主部材52には、シャッターカーテン1の厚さ方向であるロック部材50の厚さ方向両側に延びる長さを有する延伸部材63が設けられており、この延伸部材63は、主部材52を貫通する棒状部材によって形成されている。図6に示されているように、ケース33の側面部33Cの下端には、屈曲形成されたストップ部33Eが設けられており、このため、ロック部材50等が内部に収納配置されたケース33がシャッターカーテン1の座板1Bの固定部70Aに取り付けられる前に、ロック部材50がねじりコイルばね57のばね力により軸56を中心に図8のM方向に回動付勢されていても、ストップ部33Eに延伸部材63の端部が当接することにより、ロック部材50のM方向への回動限が規定され、これにより、ロック部材50の第1ロック部材側当接部59Aが大きくケース33の下面開口部から突出することをなくすことができる。
閉じ移動中のシャッターカーテン1の座板1Bが図1に示されている障害物34に当接するなどにより、図5に示されているように、シャッターカーテン1の座板1Bの固定部70A(カーテン主部71A)に対して可動部70B(カーテン副部71B)が相対的に上昇したときには、支点軸80を中心に揺動部材81が上向きに揺動するため、押圧部材54により、ロック部材50は、図8において、軸56を中心にN方向に回動する。これにより、ロック部材50の歯部53は、図9に示されているように、回転部材35の歯部35Aに係合し、この係合により、回転部材35と、この回転部材35と結合一体化されている巻取りリール37は、シャッターカーテン1が閉じ方向へ移動しているときの回転方向(図8のS方向)へは回転できなくなり、このため、回転部材35と巻取りリール37は、ロック部材50によりロックされて回転不能となる。
このため、このときには、一部が巻取りリール37に巻き取られているロック用ワイヤー36と、巻取りリール37が配置されているシャッターカーテン1とが機械式に結合されたことになる。したがって、本実施形態では、回転部材35やロック部材50等により、紐状部材であるロック用ワイヤー36とシャッターカーテン1とを機械式に結合するための機械式結合装置55が構成されていることになる。
前述したようにロック部材50は、シャッターカーテン1の幅方向の長さを有している主部材52と、副部材51とをシャッターカーテン1の厚さ方向に重ねることにより構成されており、また、図13に示されているように、副部材51は、主部材52に回動中心軸61を中心に回動自在に取り付けられる。主部材52には、回動中心軸61を中心とする円弧状の長孔52Aが形成され、この長孔52Aに、副部材51の丸孔から挿入された締結用のねじ部材となっているボルト62の軸部が挿入されており、長孔52Aから突出したボルト62の軸部の端部を、主部材52に回り止めされかつ長孔52Aに沿って移動自在に配置されたナットに螺入し、ボルト62を締め付けることにより、副部材51は主部材52にボルト62及びナットで締結される。また、ボルト62を緩めると、主部材52に対して副部材51を、ボルト62の軸部を案内する長孔52Aにより、回動中心軸61を中心に回動させることができ、この回動後にボルト62を締め付けると、主部材52に対する位置が変更、調整された副部材51をボルト62及びナットで主部材52に再度締結することができる。
このため、本実施形態では、ナットに軸部が螺合されているボルト62は、主部材52と副部材51とを締結、締結解除するための締結部材となっている。
そして、主部材52に対して副部材51を、回動中心軸61を中心に回動させることができるようにするために、主部材52の丸孔に前述の軸56の小径部56Aが挿入されているとともに、この小径部56Aを挿入するために副部材51に形成されている孔51Aは、図13に示されているように、回動中心軸61を中心とする円弧状の長孔となっている。なお、前述のねじりコイルばね57のコイル部57Aは、軸56の大径部56Bの外周に巻回されている。
本実施形態では、回動中心軸61と、ナットが軸部に螺合されているボルト62とにより、主部材52に対する副部材51の位置を、より具体的には、回動中心軸61を中心とする主部材52に対する副部材51の位置を調整するための図13で示す位置調整手段64が構成されている。
この位置調整手段64により、主部材52に対する副部材51の位置を、回動中心軸61を中心に調整すると、図13から分かるように、ロック部材50の歯部53の先端と、回転部材35の歯部35Aの先端との間の隙間65の大きさが変化し、調整されるため、位置調整手段64は、この隙間65の大きさを調整することができる隙間調整手段66にもなっており、本実施形態では、この隙間調整手段66はロック部材50に設けられていることになる。
また、本実施形態において、隙間調整手段66で隙間65の大きさを調整できるようにするために、回動中心軸61の位置は、ロック部材50全体の回動の中心軸となっている前述の軸56の位置から、ロック部材50の長さ方向であるシャッターカーテン1の幅方向にずれており、このずれている方向は、図13から分かるように、回動中心軸61の位置が、軸56に対して回転部材35とは反対側となる方向である。
ロック部材50全体の回動の中心軸となっている軸56の両端部は、図6で示されているケース33の両方の側面部33B,33Cに形成されている孔に挿入されている。これらの孔は、図7及び図13において、長孔67として示されている。この長孔67の長さ方向は、回転部材35に向かう方向である。すなわち、ケース33に軸56の両端部を挿入、支持させるために形成されている孔67は、回転部材35の側へ長くなっている長孔となっている。このため、ロック部材50及び軸56は、回転部材35に対して接近、離間方向に移動自在となっている。
そして、コイル部57Aが軸56の外周に巻回されていて、ケース33と軸56及びロック部材50との間に設けられているねじりコイルばね57は、ばね力により軸56及びロック部材50を図13の矢印Xで示す回転部材35側へ常時付勢しており、ねじりコイルばね57は、このような付勢力を有している弾性部材となっている。この弾性部材の弾性付勢力により、軸56が長孔67における回転部材35側の端部に押圧されることにより、隙間65の大きさは、隙間調整手段66で設定された大きさとなる。
シャッターカーテン1の座板1Bの固定部70Aに取り付けられていて、内部に前述の機械式結合装置55が収納されているケース33は、図6、図7及び図8から分かるようにケース本体85と、このケース本体85に被せられる蓋部材86とを有するものとなっている。図7及び図8で示すビス等の結合具84によりシャッターカーテン1の座板1Bの固定部70Aに結合されているケース本体85は、図6に示されているように、シャッターカーテン1の厚さ方向に蓋部材86と対向している主部85Aと、この主部85Aの全体の外縁部のうち、適所から主部85Aに対して直角にシャッターカーテンの厚さ方向に屈曲した屈曲部85Bとからなり、図8に示されている屈曲部85Bに設けられた舌片部85Cには、ねじ孔85Dが形成されている。図7に示されている蓋部材86の孔にビス等の止着具87の軸部を挿入し、この軸部をねじ孔85Dに螺入することにより、蓋部材86をケース本体85に取り付けることができる。また、止着具87を取り外すことにより、蓋部材86をケース本体85から分離することができる。
すなわち、蓋部材86は、ケース本体85に対して取り付け、取り外し可能となっている。
図7に示されているように、蓋部材86には、ケース33の内部を視認できる窓孔86Aが形成されており、この窓孔86Aにより、図13の隙間調整手段66で調整された隙間65の大きさを確認する作業を行うことができる。この確認作業は、回転部材35の歯部35Aとロック部材50の歯部53との間に、例えば、すきまゲージ等の検査具を窓孔86Aから挿入することにより行い、これにより、隙間65の大きさが不適切と判断された場合には、蓋部材86を取り外し、この後に、図13で説明したボルト62を緩めて、ロック部材50の主部材52に対する副部材51の位置を、回動中心軸61を中心に調整することにより、隙間65の大きさを適切な大きさに調整することができる。
なお、隙間65の調整作業後に、ケース本体85に取り付けた蓋部材86の窓孔86Aを粘着シート等の塞ぎ部材により塞いでもよい。
また、ケース33の内部を視認できる窓孔は、蓋部材86だけではなく、ケース本体85にも設けてもよい。これによると、ケース33をシャッターカーテン1の座板1Bの固定部70Aに取り付ける前に、蓋部材86に設けられた窓孔から挿入した前述の検査具により隙間65の大きさを確認できるとともに、ケース本体85に設けられた窓孔から挿入した検査具によっても隙間65の大きさを確認することができるようになり、さらに、検査具がシャッターカーテン1の厚さ方向に長いものであっても、この検査具を、ケース本体85と蓋部材86の両方に設けられた窓孔に貫通させることにより、隙間65の大きさを確認できるようになる。
また、前述の説明と異なり、ロック部材50の主部材52と副部材51とを同じ材料で形成し、副部材51の歯部53を、例えば、硬質クロムメッキ等の硬質表面被覆処理することにより、この歯部53に必要される硬度を付与するようにしてもよい。
本実施形態のケース33は、上述したようにケース本体85と蓋部材86とを有するものとなっていて、ケース本体85は、蓋部材86とシャッターカーテン1の厚さ方向に対向している主部85Aを備えているため、図6と、図7のS10−S10線断面図である図10から分かるように、この主部85Aが、ケース33の前述した側面部33B,33Cのうち、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに近い側面部33Bを形成していて、蓋部材86が、カーテン本体1Aから遠い側面部33Cを形成しており、これらの側面部33B,33Cは、シャッターカーテン1の厚さ方向に対向している。
また、本実施形態では、図10に示されているように、ケース本体85の主部85Aの上下方向途中箇所には、シャッターカーテン1の厚さ方向への段差を形成している段差部85Eが設けられており、この段差部85Eの上下は、主部85Aの第1面部88と第2面部89になっている。上側の第1面部88は、主部85Aのうち、蓋部材86に近い箇所となっており、下側の第2面部89は、主部85Aのうち、蓋部材86から遠い箇所となっている。
図10に示されているとおり、前述の回転部材35と巻取りリール37は、ビス等の結合具42により結合一体されており、この結合一体化は、軸41を回転部材35と巻取りリール37の共通の回転中心軸として同軸的に行われている。そして、巻取りリール37の内部に戻しばね39を収納するために設けられている前述の戻しばね収納空間37Aは、巻取りリール37の軸方向に貫通した貫通空間となっている。このため、ぜんまいばねによる渦巻きばねとなっている戻しばね39についての幅寸法を、巻取りリール37の軸方向寸法(巻取りリールの厚さ寸法)と同じ程度の大きな寸法とすることが可能となり、このため、戻しばね39を、シャッターカーテン1の閉じ移動時に大きな戻しばね力を蓄圧できて、シャッターカーテン1の開き移動時に、この戻しばね力によって巻取りリール37にロック用ワイヤー36を一層確実に巻き取らせることができるばね力の大きいばねとすることができる。
本実施形態では、戻しばね収納空間37Aの軸方向両側の開口部のうち、シャッターカーテン1のカーテン本体1A側の開口部は、回転部材35により塞がれているとともに、シャッターカーテン1のカーテン本体1A側と反対側の開口部は、閉塞部材43により閉塞されている。この閉塞部材43は、回転部材35と軸方向に対向する閉塞部材本体43Aと、この閉塞部材本体43Aの円周縁部の略全体にリング状に形成されたフランジ部43Bとを有するカップ状となっており、フランジ部43Bが戻しばね収納空間37Aに圧入されているとともに、フランジ部43Bの先端が回転部材35に当接している。回転部材35と巻取りリール37の共通の回転中心軸となっている軸41は、巻取りリール37の内部の戻しばね収納空間37Aを通過して、回転部材35と閉塞部材本体43Aとに形成された孔に挿通されており、ケース本体85の主部85Aと蓋部材86とに形成された孔から両端部がケース33の外部に突出した軸41の一方の端部には、抜け止め部材44が取り付けられている。
図10に示されているように、蓋部材86には、軸41を中心に回転自在となっている巻取りリール37の軸方向位置を規定するための巻取りリール軸方向位置規定部45が、軸41を中心とする戻しばね収納空間37Aの外側において設けられている。この巻取りリール軸方向位置規定部45は、図10で分かるように、巻取りリール37に向かって突設されていて、図7で分かるように、軸41を中心とする円周方向に複数個設けられた突起となっている。このような巻取りリール軸方向位置規定部45は、板金製の蓋部材86に半抜き加工を行うことにより形成することができる。
そして、このように巻取りリール軸方向位置規定部45を、巻取りリール37に向かって突設されていて、軸41を中心とする円周方向に複数個設けられた突起とすることにより、巻取りリール軸方向位置規定部45と巻取りリール37との接触面積及び回転摩擦抵抗が小さくなるため、巻取りリール37を軸41を中心に円滑に回転させることができる。
また、蓋部材86には、軸41を中心に回転自在となっている閉塞部材43の軸方向位置を規定するための閉塞部材軸方向位置規定部46が設けられている。この閉塞部材軸方向位置規定部46は、図10で分かるように閉塞部材43に向かって突設されていて、図7で分かるように、中心部に軸41が挿通されている円形状の突部となっている。この閉塞部材軸方向位置規定部46も、板金製の蓋部材86に半抜き加工や絞り加工等を行うことにより形成することができる。
これらの巻取りリール軸方向位置規定部45と閉塞部材軸方向位置規定部46を蓋部材86に設けることにより、図10で示されているように、回転部材35がケース本体85の主部85Aの内面に接していることと併せて、軸41の軸方向における回転部材35と巻取りリール37の位置を規定できることになる。言い換えると、戻しばね39を収納するために巻取りリール37の内部に設ける戻しばね収納空間37Aを、前述のように軸方向に貫通する貫通空間としても、蓋部材86に設けられた巻取りリール軸方向位置規定部45と閉塞部材軸方向位置規定部46により、軸41の軸方向における回転部材35と巻取りリール37の位置を規定できることになり、これにより、ロック部材50の歯部53を回転部材35の歯部35Aに一層確実に係合させることが可能となる。
図10に示されているように、軸41には、蓋部材86側の端部から切り込まれた割り溝41Aが形成され、この割り溝41Aに、ぜんまいばねによる渦巻きばねとなっている戻しばね39の一方の端部である内端部39Aが、挿入、係止されており、これにより、この内端部39Aは、軸41に連結されている。また、戻しばね39の他方の端部である外端部には、ループ部39Bが形成されている(図8も参照)。
図10から分かるように、板状の部材となっている回転部材35には、切り起こし加工により挿入部35Bが形成され、この挿入部35Bはループ部39Bの内部に挿入されている。また、閉塞部材43にも挿入部43Cが形成され、この挿入部43Cは、図8で分かるように、閉塞部材43の前述のフランジ部43Bが欠けている箇所に設けられており、この挿入部43Cも、ループ部39Bの内部に挿入されている。これにより、戻しばね39の外端部となっているループ部39Bは、回転部材35と、この回転部材35に結合具42で結合された巻取りリール37と、閉塞部材43とに連結されていることになる。このため、前述したようにシャッターカーテン1が下方へ閉じ移動して、回転部材35及び巻取りリール37が図8のS方向に回転するときには、戻しばね39には、ロック用ワイヤー36を繰り出すために回転する巻取りリール37によって戻しばね力が蓄圧され、シャッターカーテン1が上方へ開き移動するときに、戻しばね39に蓄圧された戻しばね力によって回転部材35及び巻取りリール37がS方向とは逆のT方向に回転することにより、ロック用ワイヤー36は巻取りリール37に巻き取られることになる。
なお、戻しばね39のループ部39Bには、回転部材35の挿入部35Bと閉塞部材43の挿入部43Cとが挿入され、これにより、回転部材35と閉塞部材43はループ部39Bを介して連結されていることになるため、閉塞部材43を巻取りリール37にビス等で結合しなくても、あるいは、閉塞部材43のフランジ部43Bを巻取りリール37の戻しばね収納空間37Aに大きな圧入力で圧入しなくても、あるいは、圧入せずに単に挿入するだけでも、回転部材35と閉塞部材43を、軸41を中心とする回転方向に連結することができる。
図10に示されているように、軸41の両端部のうち、ケース本体85の主部85A側の端部は、この主部85Aから突出し、この突出端部に、スペーサ47と、回転部材である回転板48と、抜け止め部材49とが取り付けられ、回転板48は、軸41と結合一体化されている。図11は、図10のS11矢視図であり、この図11に示されているように、中心部に軸41が貫通固定された円板状となっている回転板48には、軸41を中心する円周方向に複数個の孔48Aが等間隔で設けられている。また、図10に示されているとおり、ケース本体85の前述の段差部85Eには、回転板48の下部を挿通させるための開口部85Fが形成されている。
ケース本体85の主部85Aのうち、段差部85Eよりも下側の第2面部89には、切り曲げ加工等により、回転板48側へ突出した突出部85Gが設けられ、この突出部85Gに形成されたねじ孔85Hにピン状部材であるボルト101の軸部が螺入されているとともに、この軸部は、回転板48の孔48Aに挿入可能となっている。この挿入を行うことにより、回転板48と、この回転板48が結合されている軸41は、ケース33に回転不能に固定されたことになる。
また、ボルト101の回転操作によりこのボルト101の軸部を孔48Aから抜いた後に、回転板48の回転操作を行うことにより、又は軸41に設けた係合溝41Bに係合する工具で軸41の回転操作を行うことにより、軸41をケース33に対して回転させることができる。この回転が行われると、内端部39Aが軸41に連結されていてこの軸41の外周に巻回されている戻しばね39は、内端部39Aが戻しばね39の円周方向に回転移動するため、軸41の回転方向に応じて巻き締められたり、巻き締めが緩和されたりするため、ぜんまいばねによる渦巻きばねとなっている戻しばね39のばね力が調整されることになり、この調整後に、ボルト101の軸部を、この軸部と対向している箇所に達している回転板48の孔48Aに挿入することにより、軸41は、ケース33に回転不能に再度固定される。
このため、軸41や回転板48、さらには、ケース33のねじ孔85Hに配置されていて、回転板48の孔48Aに挿抜可能のピン状部材となっているボルト101等により、戻しばね39のばね力の大きさを調整するためのばね力調整手段102が構成されている。このばね力調整手段102は、軸41を回転させることにより、戻しばね39の内端部を回転させる形態となっている手段である。
そして、ピン状部材となっているボルト101は、回転板48に軸41を中心に円周方向に複数形成されている孔48Aのうちの1個の孔48Aと、ケース33に形成されているねじ孔85Hとに挿入されることにより、軸41を中心とする回転後の回転板48とケース33とを連結するための連結部材となっている。
このばね力調整手段102によると、シャッターカーテン1の繰り返しの開閉移動や経年劣化等により戻しばね39のばね力が変化しても、ロック用ワイヤー36を巻取りリール37に巻き取るために戻しばね39に蓄圧される戻しばね力の大きさを適正値に調整することができる。
また、このばね力調整手段102は、戻しばね39のばね力を、例えば、図1で示すシャッターカーテン1の上下の開閉移動ストロークに応じた大きさに調整するためや、シャッターカーテン1が前述のまぐさ16の位置に達しているシャッターカーテン全開時に適切な大きさに調整するためにも用いることができる。
さらに、本実施形態のばね力調整手段102において、戻しばね39のばね力を調整することは、回転板48を回転操作したり、軸41に設けた係合溝41Bに工具を係合し、この工具で軸41を回転させることに行われるため、回転板48の箇所や、軸41の係合溝41Bが設けられた箇所は、ばね力調整手段102における操作される操作箇所となっている。本実施形態では、図4に示されているように、この操作箇所と、巻取りリール37が内部に収納されているケース33とは、シャッターカーテン1の厚さ方向に並設されているとともに、操作箇所は、ケース33と、シャッターカーテン1における前述したカーテン本体1Aとの間に配置されている。
これによると、ばね力調整手段102が予め組み付けられたケース33をシャッターカーテン1の座板1Bの固定部70Aに取り付けた後は、ばね力調整後に、作業者等が誤って又は他者がこの操作箇所を操作してしまうことを防止できる。したがって、ケース33をシャッターカーテン1の座板1Bの固定部70Aに取り付けた後は、戻しばね39のばね力を、調整された大きさに維持することができる。
なお、ケース33を固定部70Aに取り付けた後も、作業者等がばね力調整手段102を操作できるようにするために、ばね力調整手段102の操作箇所を、ケース33のうち、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aとは反対側の箇所に設けてもよい。
また、図10の二点鎖線で示されているように、前述したロック部材50を構成している部材のうち、主部材52’を、副部材51を越えて回転部材35の側面まで延長された部分を有するものとしてもよい。これによると、回転部材35のうち、ケース本体85の主部85Aの第2面部89と対面している箇所が、この箇所と第2面部89との間に空間部が存在しているために、回転部材35及び巻取りリール37の回転中に第2面部89の側へ変位することを主部材52’の延長部分によって防止できることになり、これにより、回転部材35の歯部35Aとロック部材50の副部材51の歯部53との係合を一層確実に実現できるようになる。
また、このように主部材52’に延長された部分を設ける場合には、前述したようにケース33の蓋部材86やケース本体85にすきまゲージ等の検査具を挿入するために設けた窓孔86Aと同様の孔を、この延長された部分にも設けてよい。
さらに、本実施形態によると、巻取りリール37と戻しばね39は、ケース33の内部に収納されてシャッターカーテン1の前述したエンド部材となっている座板1Bに配置されているため、これらの巻取りリール37と戻しばね39を、シャッターカーテン1の開閉移動時等において、外力等から有効に保護することができる。そして、前述した機械式結合装置55も、ケース33の内部に収納されてシャッターカーテン1の座板1Bに配置されているため、機械式結合装置55も、シャッターカーテン1の開閉移動時等において、外力等から有効に保護することができる。
図8に示されているように、ケース33には、前述のロック用ワイヤー36を案内するためのガイド部材103が配置されている。合成樹脂で形成されているこのガイド部材103は、ケース33の内部において、前述したガイドローラ29の一部の外周と対向している第1ガイド部103Aと、ロック用ワイヤー36がケース33の内外に出入する箇所に配置されていて、一部がケース33の外部に露出し、他の部分がケース33の内部に収納されている第2ガイド部103Bとを有し、この第2ガイド部103Bの内部に、ロック用ワイヤー36が上下に挿通する孔103Cが、シャッターカーテン1の幅方向に長い長孔として形成されている。
第1ガイド部103Aは、ガイドローラ29と、このガイドローラ29よりも下側に配置されているロック部材50との間において、ガイドローラ29の外周面に近い位置に配置されている。このため、ケース33をシャッターカーテン1に取り付ける作業を行う前等において、ロック用ワイヤー36が緩むことがあっても、この緩み箇所がロック部材50に達することを第1ガイド部103Aによって防止することができる。また、シャッターカーテン1の上下の開閉移動時に、ガイドローラ29に掛け回されているロック用ワイヤー36の箇所の緊張力が消滅するときがあっても、この箇所がロック部材50に接触することを第1ガイド部103Aによって防止し、シャッターカーテン1が正常に開閉移動することを保障できる。すなわち、ガイド部材103の第1ガイド部103Aにより、ロック用ワイヤー36がロック部材50に絡みつくなどの事態が生ずることを防止できる。
図12は、図7のS12−S12線断面図である。この図12に示されているように、ロック部材50の主部材52に、このロック部材50の厚さに貫通して固定されている前述の延伸部材63の両端部は、ケース33におけるシャッターカーテン1の厚さ方向に互いに対向している前述の2個の側面部33B,33Cの内面に接触し、又は、これらの側面部33B,33Cの内面と僅かな隙間をあけて対面している。この延伸部材63が配置されているロック部材500の箇所は、このロック部材50全体の回動中心軸となっている前述の軸56から、シャッターカーテン1の幅方向であるロック部材50の長さ方向に離れた箇所となっている。このため、前述したように閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接することにより、ロック部材50が軸56を中心に図8のN方向へ回動するときに、あるいは、M方向へ回動するときに、ロック部材50が軸56を中心にロック部材50の厚さ方向(シャッターカーテン1の厚さ方向であって、前述の回転部材35の厚さ方向)に振れることは、延伸部材63により阻止される。
このため、図6から分かるように、回転部材35が厚さ寸法の小さい板材で形成されていて、この回転部材35の歯部35Aに係合する歯部53を有するロック部材50の副部材51も、回転部材35と同程度の厚さを有する板状の材料で形成されていても、延伸部材63により、ロック部材50が軸56を中心にロック部材50の厚さ方向に振れることが阻止されるため、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接することでロック部材50が軸56を中心に図8のN方向へ回動したときに、ロック部材50の副部材51の歯部53を回転部材35の歯部35Aに一層確実に係合させることができる。
このため、延伸部材63は、ロック部材50が軸56を中心にロック部材50の厚さ方向、言い換えると、軸56の軸方向であって、回転部材35の厚さ方向に振れることを止めるためのロック部材振れ止め手段となっている。
なお、ロック部材50が軸56を中心にロック部材50の厚さ方向に振れることは、軸56が挿通されているロック部材50の孔の大きさや、軸56の両端部が挿入されているケース33の孔の大きさが正確な所定値となっておらず、この所定値よりも大きくなっているときに生ずる。このため、本実施形態によると、ロック部材50に延伸部材63を設けることにより、これらの孔の大きさを正確な所定値とすることが不要になり、これらの孔加工を容易に行えるようになる。
また、本実施形態の延伸部材63は、金属よりも摩擦係数が小さい、例えば、硬質の合成樹脂製である。このため、延伸部材63の両端部が、金属で形成されているケース33の側面部33B,33Cの内面に接触しても、軸56を中心とするロック部材50の上下の円滑な回動を保障することができる。
図14には、図1及び図2で示されている方向変換装置38の具体的構造が示されている。この方向変換装置38は、シャッターカーテン1の前述のケース33から鉛直上向き又は略鉛直上向きに延びている可撓性の紐状部材となっているロック用ワイヤー36の向きを、シャッターカーテン1の厚さ方向である水平方向又は略水平方向に変換するためのものである。方向変換装置38の本体38Aは、図2で説明したまぐさ16を構成する部材のうち、まぐさ部材16Aの上下途中部又は上面に水平又は略水平に形成された段部16Cに載置固定されている。この本体38Aには、複数個のガイドローラ90が回転自在に設けられている。
本実施形態では、ガイドローラ90は5個90A〜90Eあり、第1ガイドローラ90Aは、シャッターカーテン1に最も近い位置に配置され、この第1ガイドローラ90Aの上側に設けられている第2ガイドローラ90Bは、シャッターカーテン1に2番目に近い位置に配置され、この第2ガイドローラ90Bの上側に設けられている第3ガイドローラ90Cは、シャッターカーテン1に3番目に近い位置に配置され、この第3ガイドローラ90Cと高さ位置が同じ又は略同じとなっている第4ガイドローラ90Dは、シャッターカーテン1から最も遠い位置に配置されている。そして、第5ガイドローラ90Eは、第3ガイドローラ90Cの上側に配置されている。
ケース33から鉛直上向き又は略鉛直上向きに延びているロック用ワイヤー36は、第1〜第4ガイドローラ90A〜90Dで案内されて、かつ第3ガイドローラ90Cと第5ガイドローラ90Eとで上下に挟まれて、シャッターカーテン1の厚さ方向である水平方向又は略水平方向に向きが変換され、この変換後のロック用ワイヤー36は、筒状の案内部材91の内部にスライド自在に挿通されている。
案内部材91は、本体38Aに形成された屈曲部38Bと、まぐさ部材16Aの段部16Cから立ち上がっている立上り部16Dと、支持部材92の2個の下方延出部92A,92Bのうち、まぐさ部材16Aに近い下方延出部92Aとに挿通固定されており、ロック用ワイヤー36の端部はこの案内部材91の端部から突出している。
なお、支持部材92は、図2から分かるように、前述のシャッターボックス8にまぐさ部材16Aを取り付けるために、これらのシャッターボックス8とまぐさ部材16Aとの間に介在されている中間部材93に結合されている。
そして、本実施形態では、図8に示されているように、下端部が巻取りリール37に結合されているロック用ワイヤー36を、直接的に巻取りリール37からケース33の外部に延ばすのではなく、ガイドローラ29を経てケース33の外部に延ばし、また、図8に示されているように、ガイドローラ29の回転中心軸29Aの高さ位置を、巻取りリール37の回転中心軸41の高さ位置よりも低い位置としたり、ガイドローラ29の直径を巻取りリール37の直径よりも小さくしたりすることにより、図14に示されているように、シャッターカーテン1が全開位置まで開き移動したときに、言い換えると、シャッターカーテン1の座板1Bの下面の位置が、まぐさ16の下面の位置と一致又は略一致したときに、ロック用ワイヤー36の向きを、開閉移動するシャッターカーテン1に対して不動部材となっているまぐさ部材16Aの段部16Cに配置された方向変換装置38により、所定の水平方向又は略水平方向に変換できるようにしている。
これを言い換えると、方向変換装置38を配置する高さ位置を、ケース33の上面の高さ位置よりも低い位置とすることにより、方向変換装置38を、開閉移動するシャッターカーテン1に対して不動となっている不動部材であるまぐさ部材16Aの段部16Cに配置することができる。
図1〜図3に示されているように、開閉機13の上部には複合装置100が載置固定されている。図15は、この複合装置100の内部構造を示す正面図であり、図16は、複合装置100の内部構造を示す平面図である。複合装置100は、自動閉鎖装置32と、中間装置200と、遅延装置300とを複合的に組み合わせた装置であり、自動閉鎖装置32は、火災等の災害の発生時において、開閉機13のブレーキ装置19を機械式に制御することにより、全開位置又は開閉方向途中位置で停止していたシャッターカーテン1を自動的に閉じ移動させて全閉とし、防煙性及び/又は防火性を有しているシャッターカーテン1により図1の出入口2を閉鎖するためのものである。
複合装置100は、この複合装置100の機枠110に設けられている図15のブラケット部110Aにより、開閉機13の上部に取り付けられている。この状態は図2でも示されている。また、図16に示されているように、複合装置100まで、この複合装置100を制御するための第1制御用ワイヤー111、第2制御用ワイヤー112、第3制御用ワイヤー113のそれぞれの端部が延伸されている。これらの制御用ワイヤー111〜113は、前述のロック用ワイヤー36と同じく、可撓性を有する紐状部材となっていて、細長部材ともなっている。
また、これらの制御用ワイヤー111〜113は、可撓性を有するアウターケーブル114〜116の内部にスライド自在に挿通されている。このため、制御用ワイヤー111〜113はアウターケーブル114〜116により保護されている。
図1、図2及び図14に示されているように、第1制御用ワイヤー111は複合装置100から方向変換装置38の近くまで延びており、この第1制御用ワイヤー111の端部は、図14に示されているとおり、ロック用ワイヤー36に連結部材94を介して連結されている。また、第1制御用ワイヤー111のアウターケーブル114の端部は、支持部材92の2個の下方延出部92A,92Bのうち、下方延出部92Bに結合されている。
なお、本実施形態では、ロック用ワイヤー36と第1制御用ワイヤー111は、連結部材94により連結された別部材となっているが、ロック用ワイヤー36を複合装置100まで延長し、第1制御用ワイヤー111を省略してもよい。
図15及び図16に示されているように、それぞれが複合装置100の一部の構成要素となっている上述の自動閉鎖装置32と中間装置200は、複合装置100の機枠110に配置されている。言い換えると、自動閉鎖装置32が配置されている機枠と中間装置200が配置されている機枠は、同じ機枠110であり、この機枠110において、自動閉鎖装置32と中間装置200が互いに隣接配置されている。また、後述する説明で明らかになるように、機枠110には、前述の遅延装置300も配置されている。このため、自動閉鎖装置32と中間装置200と遅延装置300は、1個のユニット化された装置となっており、このため、これらの自動閉鎖装置32と中間装置200と遅延装置300についての工場からシャッター装置設置現場への搬送等の取り扱い作業や、メンテナンス作業等を容易に行えるようになっている。
また、自動閉鎖装置32と中間装置200と遅延装置300のうち、中間装置200と遅延装置300は機枠110の内部の上部に配設されており、これらの中間装置200と遅延装置300の平面図は、図17(A)に示されている。また、自動閉鎖装置32は機枠110の内部の下部に配設されており、この自動閉鎖装置32の平面図は、図17(B)に示されている。
そして、中間装置200は、図8及び図9で示した前述の機械式結合装置55にロック用ワイヤー36を介して連結されている第1制御用ワイヤー111と、自動閉鎖装置32との間に配置された装置になっている。言い換えると、中間装置200は、紐状部材である第1制御用ワイヤー111と自動閉鎖装置32とを直接接続するための接続装置になっている。
次に、自動閉鎖装置32について説明する。
図15及び図16に示されているように、複合装置100の機枠110には、互いに対向する2個の立上り部110B,110Cが設けられており、これらの立上り部110B,110Cに形成された図16の孔110D,110Eに、2個の立上り部110B,110Cに跨る長さを有している図17(B)の板状の第1スライド部材120がスライド自在に挿入されている。この第1スライド部材120の外周にはばね121が巻回されており、このばね121のばね力により、第1スライド部材120には立上り部110B側への前進力が常時作用している。この前進力の方向は、図3で説明した開閉機13に設けられている前述のレバー部材31の第1部分31AをA方向へ移動させる方向である。
図3及び図15に示されているとおり、第1スライド部材120の前端に下向きに折曲形成された折曲部120Aには、作動部材122が取り付けられており、また、図3のレバー部材31の第1部分31Aには、被作動部材123が立設結合されている。第1スライド部材120がばね121のばね力によって前進したときには、作動部材122が被作動部材123に当接することにより、レバー部材31の第1部分31Aに図3で示したA方向への荷重が作用するようになっている。図15に示されているように、本実施形態の作動部材122はボルト124の頭部124Aとなっているため、この頭部124Aを回転操作してボルト124を第1スライド部材120の折曲部120Aに対して進退させることにより、作動部材122と被作動部材123との間の間隔を適切な寸法に調整できる。この調整を行った後に、ボルト124に螺合させておいたロックナット125を回転操作し、このロックナット125を折曲部120Aに圧接させることにより、被作動部材123に対する作動部材122の位置を、適切な位置にして固定できることになる。
図17(B)に示されているように、複合装置100の機枠110には、ソレノイド126が取り付けられており、このソレノイド126のプランジャ127には、ばね128のばね力がプランジャ127をソレノイド126から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ127の先端には先端部材140が取り付けられ、この先端部材140には、中心軸129Aを中心に回動自在となっているL字形の屈曲レバー部材129の一方の端部が接触している。図15から分かるように、逆L字形状となっている先端部材140には、屈曲レバー部材129の上記一方の端部が接触している面とは反対側の面において、起倒部材141が接触しており、この起倒部材141は、図17(B)で示されているブラケット142の立上り部に設けられたビスによる中心軸142A(図15も参照)が挿通している下部を中心に起倒自在となっている。
そして、トリガーレバー部材となっている屈曲レバー部材129の他方の端部には、図17(B)に示されているように、ローラ130が回転自在に設けられている。このローラ130と対面する第1スライド部材120の部分には凹部120Bが形成されており、この凹部120Bにおける第1スライド部材120の後退側の部分は、傾斜面120Cとなっている。
図17(B)に示されているとおり、自動閉鎖装置32には第1電気スイッチ135が設けられ、機枠110に取り付けられているこの第1電気スイッチ135は、ばねで第1電気スイッチ135から突出する方向へ付勢されている揺動自在なアクチュエータ136を有する。また、第1スライド部材120には、凹部120Bと反対側の部分において、突起部材137が取り付けられており、アクチュエータ136はこの突起部材137に当接している。
第1スライド部材120には、連結部138Aを備えている連結部材138が取り付けられている。前述の第3制御用ワイヤー113の他方の端部は、この連結部138Aに連結されており、また、第2制御用ワイヤー112の端部は、上述の起倒部材141の上部に連結されている(図15も参照)。
図17(B)に示されているとおり、自動閉鎖装置32には、屈曲レバー部材129に中心軸129Aを中心とするK方向への回動力を付与するためのばね131と、第2制御用ワイヤー112の端部が連結されている起倒部材141が中心軸142Aを中心にソレノイド126側へ倒れたときに、起倒部材141を直立状態に戻すためのばね132とが設けられており、ばね131のばね力により、屈曲レバー部材129の上述の他方の端部に設けられている通常時のローラ130が、図17(B)に示されているように、第1スライド部材120の凹部120Bに嵌合するようになっている。
また、ローラ130が凹部120Bに嵌合することにより、前述したばね121による第1スライド部材120の前進は止められている。このように凹部120Bに嵌合したローラ130で前進が止められているときにおける第1スライド部材120の前端の位置は、図16及び図17(B)で示す3個の位置H,I,Jのうち、H位置である。
起倒部材141に端部が連結されていて、アウターケーブル115の内部に挿通された第2制御用ワイヤー112は、図1で示した操作装置30まで延びており、アウターケーブル115から突出している第2制御用ワイヤー112の端部には、操作装置30に配置されているレバー部材等の手動操作部材が連結されている。さらに、第1スライド部材120に端部が連結されていて、アウターケーブル116の内部に挿通された第3制御用ワイヤー113も、操作装置30まで延びており、アウターケーブル116から突出している第3制御用ワイヤー113の端部にも、操作装置30に配置されているレバー部材等の手動操作部材が連結されている。
以上の説明から分かるように、自動閉鎖装置32は、凹部120Bが形成された第1スライド部材120や、ソレノイド126、ローラ130を備えた屈曲レバー部材129、第1電気スイッチ135等により構成されており、そして、機枠110に対して直線的に往復動自在の往復動部材となっている第1スライド部材120は、後述の説明から分かるように、前述のブレーキ装置19を機械的にオン、オフ切り替えるために作動する切替部材となっている。
次に、図17(A)に示されている中間装置200について説明する。
複合装置100の前述の機枠110には、図17(A)に示されているように、中心軸201Aを中心に回動自在の第1回動部材201と、中心軸202Aを中心に回動自在の第2回動部材202とが設けられ、これらの回動部材201,202は水平方向に回動する。また、中心軸201A,202Aの下端は機枠110の底部110Fで支持され、中心軸201A,202Aの上端は、図16で示されているとおり、機枠110に結合されているブラケット203で支持されている。図17(A)に示されているとおり、第1回動部材201には、中心軸201Aを中心とする扇形状となっている扇形状部201Bが水平に設けられ、前述した第1制御用ワイヤー111のうち、機枠110の内部に挿入されている部分は、この扇形状部201Bの外周面に接触、分離可能に巻き付いた状態となっており、この第1制御用ワイヤー111の端部は、結合具204により第1回動部材201に結合されている。
そして、本実施形態では、図17(A)に示されているように、扇形状部201Bから機枠110の外側へ延びている第1制御用ワイヤー111の延伸方向は、扇形状部201Bの接線方向と一致又は略一致している。
第1回動部材201には、扇形状部201Bの下側において、中心軸201Aを中心とする円周方向の長さを有しているカム部201Cが水平に形成されており、扇形状部201Bよりも中心軸201Aからの半径方向への長い突出長さを有しているこのカム部201Cの外周面は、中心軸201Aを中心とする円弧状の面となっている。また、中心軸201Aの外周には、ねじりコイルばね205のコイル部が巻回され、このばね205の一方の端部は、機枠110に取り付けられた係止部材206に係止され、他方の端部は、第1回動部材201に設けられた凸部201Eに係止されている。このため、第1回動部材201は、ばね205により中心軸201Aを中心に図17(A)のB方向へ常時回動付勢されており、このB方向への第1回動部材201の回動限は、機枠110に取り付けられ、カム部201Cの一方の側面が当接するストップ部材207により規定されている。
第2回動部材202には、中心軸202Aを中心とする扇形状部202Bが設けられ、この扇形状部202Bは、中心軸202Aから突出状態で水平に形成されている突出部202Cの一部となっており、この突出部202Cの上面に凸部208が設けられている。本実施形態におけるこの凸部208は、ローラベアリング等による回転自在のローラである。そして、凸部208には、第1回動部材201のカム部201Cの側面201Dが当接している。このため、この側面201Dは、言い換えると、第1回動部材201のカム部201Cにおけるストップ部材207に当接している上記側面とは反対側になっている側面201Dは、第1回動部材201における第2回動部材202と当接している当接部となっており、また、凸部208は、第2回動部材202における第1回動部材201と当接している当接部になっている。
図16に示されているように、複合装置100の機枠110の2個の立上り部110B,110Cには、孔110G,110Hが形成され、これらの孔110G,110Hに、2個の立上り部110B,110Cに跨る長さを有している図17(A)の板状の第2スライド部材210がスライド自在に挿入されている。この第2スライド部材210は、第1スライド部材120と同じ方向へ直線的に往復動自在の往復動部材となっている。また、第2スライド部材210には開口孔210Aが形成され、この開口孔210Aの内部に第2回動部材202の突出部202Cの下面に設けられ凸部211が挿入されている。本実施形態におけるこの凸部211は、ローラベアリング等による回転自在のローラである。
また、第2スライド部材210には、機枠110と第2スライド部材210との間に架設されたばね212のばね力により、前進方向への付勢力が付与されており、この前進方向は、第1スライド部材120の前進方向と同じ方向である。そして、第2スライド部材210の前進限は、開口孔210Aの端部に第2回動部材202の凸部211が当接し、第2回動部材202の凸部208が第1回動部材201のカム部201Cの側面201Dに当接し、この側面201Dとは反対側のカム部201Cの側面がストップ部材207に当接することにより、規定されている。
図15に示されているとおり、中間装置200の構成部材となっている第2スライド部材210は、自動閉鎖装置32の構成部材となっている第1スライド部材120よりも上側の高さ位置において、機枠110に配置されている。また、図17(A)に示されているように、第2スライド部材210には、第1スライド部材120に設けられている前述の連結部材138の連結部138Aに対して、第1及び第2スライド部材120,210の前進側において、これらのスライド部材120,210の前後進方向に対向して形成されている段差面210Bが設けられている。連結部138Aは、図15に示されているように、上側へ延びる長さを有しており、この連結部138Aと段差面210Bは、図17(A)(B)で示す通常時において、第1及び第2スライド部材120,210の移動方向の大きな間隔を開けて対向している。そして、図18(A)(B)及び図19(A)(B)で示すように、第1スライド部材120が前進することによって連結部138Aが段差面210Bに当接又は僅かな隙間を開けて対向した後に、図20(A)に示すように、第2スライド部材210が後退すると、段差面210Bによる連結部138Aの押圧作用により、図20(B)に示すように、第1スライド部材120も後退するようになっている。
以上の説明から分かるように、前述の第1制御用ワイヤー111と自動閉鎖装置32とを直接接続するための接続装置になっている中間装置200は、第1回動部材201や、第2回動部材202、第2スライド部材210等により構成されており、そして、第1回動部材201と第2回動部材202のうち、第1回動部材201は、紐状部材である第1制御用ワイヤー111の側の部材となっているとともに、第2回動部材202は、自動閉鎖装置32の前述の切替部材となっている第1スライド部材120の側の部材となっている。また、第1回動部材201は、前述の側面201Dが第2回動部材202の凸部208に当接しているため、回動式の当接部材となっており、これに対して第2回動部材202も、この当接部材が当接している回動式の被当接部材となっている。
前述したように、第2回動部材202には、中心軸202Aを中心とする扇形状部202Bが設けられており、図17(A)に示されているように、この扇形状部202Bの外周面には多数の歯部202Dが形成されている。これらの歯部202Dには、前述した遅延装置300の回転自在の中心軸300Aに結合されたピニオンギヤ300Bが噛合している。遅延装置300はロータリー式のダンパーであり、遅延装置300の内部には、ワンウエイクラッチを介して中心軸300Aと連結されている複数のブレードが取り付けられており、第2回動部材202が中心軸202Aを中心にF方向に回動して、ピニオンギヤ300B及び中心軸300AがD方向に回転した場合には、ワンウエイクラッチの接続作用により、それぞれのブレードが遅延装置300の内部に充填されている粘性流体内において回転する。このため、粘性流体の抵抗力により第2回動部材202はF方向へ低速で回動することになる。一方、第2回動部材202がF方向とは逆のG方向に回動し、ピニオンギヤ300B及び中心軸300AがE方向に回転した場合には、この方向への回転は、ワンウエイクラッチの切断作用によりそれぞれのブレードに伝達されない。このため、第2回動部材202はG方向へ高速で回動することができる。
なお、以上のように作動する遅延装置300は、図15及び図16に示されているとおり、前述したブラケット203に下面に取り付けられていることにより、複合装置100の機枠110の内部に配置されている。
また、図17(A)に示されているように、機枠110には第2電気スイッチ220が取り付けられ、この第2電気スイッチ220は、ばねで第2電気スイッチ220から突出する方向へ付勢されている揺動自在なアクチュエータ221を有する。また、第1回動部材201には突起部材222が設けられており、アクチュエータ221はこの突起部材222に当接している。
次に、本実施形態に係るシャッター装置の作動について説明する。
本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物において、シャッターカーテン1が全開位置又は開閉移動方向途中位置で停止しているときに、火災等の災害が発生すると、この災害を検知したセンサからの信号が入力する図示しないリレー回路等の電気回路又はコンピュータによる制御装置(この制御装置は、図1の制御装置26が兼ねていてもよい。)の制御により、図17(B)で示す自動閉鎖装置32のソレノイド126は通電され、このソレノイド126が励磁されるため、このソレノイド126のプランジャ127は、ばね128のばね力に抗して後退する。これにより、前述の先端部材140に一方の端部が当接している屈曲レバー部材129は、ばね131のばね力に抗して中心軸129Aを中心に図17(B)のK方向とは逆方向のL方向に回動することになる。このときの状態が図18(B)で示されている。屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心にL方向に回動すると、屈曲レバー部材129のローラ130は第1スライド部材120の凹部120Bから脱出するため、第1スライド部材120はばね121のばね力で前進し、この前進は、第1スライド部材120に設けられている連結部材138の前端が機枠110の前述の立上り部110Bに当接することにより停止する。すなわち、本実施形態の連結部材138は、第1スライド部材120の前進限を規定するための第1スライド部材120における前進限規定部ともなっている。
また、このときにおける第1スライド部材120の前端の位置は、図16及び図17(B)で示した3個の位置H,I,Jのうち、図18(B)に示されているように、最前位置であるI位置である。
また、以上のように第1スライド部材120が前進すると、第1電気スイッチ135のアクチュエータ136は、第1スライド部材120に取り付けられている突起部材137から外れるため、これによって第1電気スイッチ135から発生する信号により、上述の制御装置はソレノイド126への通電を停止する。
このソレノイド126への通電の停止により、プランジャ127はばね128のばね力でソレノイド126から突出移動し、屈曲レバー部材129はばね131のばね力で中心軸129Aを中心に図17(B)のK方向へ回動する。このときの第1スライド部材120は、この第1スライド部材120の前端がI位置まで達している移動限まで前進しているため、屈曲レバー部材129のローラ130は、図19(B)に示されているように、第1スライド部材120の前述した傾斜面120Cに当たる。このため、中心軸129Aを中心とする屈曲レバー部材129のK方向への回動は、途中で停止する。
以上のようにして第1スライド部材120が前進すると、この第1スライド部材120の前端に設けられている図3の作動部材122が、被作動部材123を介して開閉機13のレバー部材31の第1部分31Aを図3のA方向に押圧する。このため、前述したようにこの第1部分31Aが、レバー部材31の第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動することにより、開閉機13のブレーキ装置19のブレーキ軸21及び第2ブレーキ部材22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドし、これにより、それまでオンとなっていたブレーキ装置19は、オフとなる。このため、全開又は開閉移動方向途中位置で停止していたシャッターカーテン1は、巻取軸11よりも下側の部分の座板1B等の自重により、前述した巻取軸11を回転させながら下向きに閉じ移動することになり、開閉機13の前述した駆動軸14も駆動力伝達手段12を介して自由回転し、シャッターカーテン1が全閉となることにより、このシャッターカーテン1による防災区画が形成されることになる。
また、火災等の災害が発生したことを人が発見した場合には、この人が、図1で示した操作装置30に配置されていて、前述した第2制御用ワイヤー112の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により、第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作する。第2制御用ワイヤー112の他方の端部は、図17(B)で説明したように、前述の起倒部材141に連結されているため、第2制御用ワイヤー112が引っ張り操作されることにより、この起倒部材141が中心軸142Aを中心にソレノイド126の側へ倒れ回動し、起倒部材141の押圧作用により、前述の先端部材140及びプランジャ127は後退する。これにより、ソレノイド126が通電、励磁される前であっても、ソレノイド126が通電、励磁されたときと同じく、屈曲レバー部材129は、起倒部材141からの押圧力により先端部材140を介して、中心軸129Aを中心に図17(B)のL方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130は第1スライド部材120の凹部120Bから脱出し、第1スライド部材120はばね121のばね力で前進することになる。
このため、第2制御用ワイヤー112の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材を操作することによっても、シャッターカーテン1は全閉となり、このシャッターカーテン1により防災区画を形成することができる。
なお、以上のように第1スライド部材120が前進限まで移動したときには、この第1スライド部材120の連結部材138に設けられている連結部138Aは、図18(A)及び図19(A)に示されているように、第2スライド部材210の前述の段差面210Bに当接又はこの段差面210Bに近づく。このため、第1スライド部材120が図18(B)及び図19(B)で示す前進限まで移動しても、第2スライド部材210は、図18(A)及び図19(A)で示されているように、図17(A)で示した位置に停止したままとなっている。したがって、この第2スライド部材210が構成部材となって構成され、図18(A)及び図19(A)で示されている中間装置200は、図17(A)のときと同じ状態を維持する。
前述のようにしてシャッターカーテン1が全閉位置に達し、そして、火災等の災害が解消したときには、操作装置30に配置されていて、前述した第3制御用ワイヤー113の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により、第3制御用ワイヤー113を引っ張り操作する。これにより、第3制御用ワイヤー113は、第1スライド部材120の連結部材138の連結部138Aに連結されているため、この第1スライド部材120はばね121のばね力に抗して後退することになる。このため、第1スライド部材120は、図19(B)に示されている位置から、第1スライド部材120の前端が図16及び図17(B)のH位置となる初期位置へ後退復帰することになる。また、第1スライド部材120がこの初期位置へ復帰するときに、屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心としてばね131のばね力で図17(B)のK方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130は、第1スライド部材120の凹部120Bに嵌合することになり、これにより、ばね121のばね力が作用している第1スライド部材120は、第1スライド部材120の前端がH位置に達して停止する。これにより、自動閉鎖装置32は、火災等の災害が発生する前の初期状態に戻る。
なお、第3制御用ワイヤー113を上述のようにレバー部材等の手動操作部材により引っ張り操作したときに、連結部材138の連結部138Aが図16で示されているブラケット203に当接するようにし、これにより、レバー部材等の手動操作部材により第3制御用ワイヤー113を過大な操作力で引っ張り操作した場合に、この過大な操作力が連結部材138及び第1スライド部材120に作用することをブラケット203で防止するようにしてもよい。
上述のように第1スライド部材120が初期位置へ復帰すると、開閉機13のブレーキ装置19のブレーキ軸21及び第2ブレーキ部材22は図3の前述したばね23でA’方向とは逆方向へ移動するため、ブレーキ装置19はオフからオンに復帰する。この後に、操作装置30に設けられている前述の「開」ボタンを操作することにより、シャッターカーテン1は、前述したとおり、全開位置まで開き移動する。
以上説明したように火災等の災害の発生が前述のセンサで検出されたり、火災等の災害の発生を発見した人が第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作することにより、シャッターカーテン1が防災区画を形成するために全閉位置まで閉じ移動するときは、本実施形態に係るシャッター装置が前述の防災用シャッター装置となっているときである。これに対して前述したように、操作装置30の「開」「閉」「停」のそれぞれのボタン操作により、シャッターカーテン1の開閉移動、移動停止を行わせているときが、本実施形態に係るシャッター装置が前述の管理用シャッター装置となっているときである。
本実施形態に係るシャッター装置が防災用シャッター装置となってシャッターカーテン1が閉じ移動しているときに、言い換えると、自動閉鎖装置32が図19(B)で示す状態に、また、中間装置200が図19(A)で示す状態にそれぞれなっていて、シャッターカーテン1が閉じ移動しているときに、閉じ移動方向であるシャッターカーテン1の下側に図1で示す障害物34が存在している場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン1の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部71Bが、言い換えると、シャッターカーテン1の座板1Bの下側部分を形成している図4の可動部70Bが障害物34に当接することになり、この可動部70Bの下降が停止する。
可動部70Bの下降が停止しても、カーテン本体1Aと、座板1Bのうち、図4の固定部70Aとで構成される前述のカーテン主部71Aは、図4の状態から下降するため、この下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71B(可動部70B)の相対的な上昇により、図5に示されているように、固定部70Aの内部に配置されている揺動部材81が支点軸80を中心に上向きに揺動する。これにより、揺動部材81に設けられている押圧部材54により、前述した機械式結合装置55を構成しているロック部材50は、図8のN方向に回転することで図9の状態となり、ロック部材50の歯部53は回転部材35の歯部35Aに係合する。
これにより、シャッターカーテン1が閉じ移動しているときに図8のS方向へ回転していた回転部材35及び巻取りリール37は、このS方向に回転できなくなり、すなわち、回転部材35及び巻取りリール37は回転不能となり、シャッターカーテン1と、巻取りリール37から繰り出されていたロック用ワイヤー36とが、回転部材35とロック部材50を構成要素とする機械式結合装置55によって結合されたことになる。このため、ロック用ワイヤー36には、シャッターカーテン1の重量のうち、可動部70Bを除く重量、すなわち、カーテン主部71Aの重量による下向きの緊張力が作用する。
閉じ移動しているシャッターカーテン1が上述のように障害物34に当接して、ロック用ワイヤー36に、シャッターカーテン1の重量のうち、可動部70Bを除く重量による下向きの緊張力が作用した後に、障害物34がへこみ変形すると、機械式結合装置55でシャッターカーテン1と結合されたロック用ワイヤー36は、このへこみ変形分だけ下方へ引っ張られることになる。
また、障害物34がへこみ変形しない又は殆どしない硬質のものであっても、揺動部材81の押圧部材54によりロック部材50が図8のN方向に回動すると、図13に示されているように、このロック部材50に歯部53として設けられている第1歯部53Aと第2歯部53Bと第3歯部53Cのうち、初めに第1歯部53Aが回転部材35の歯部35Aに係合し、次いで第2歯部53B、第3歯部53Cが回転部材35の歯部35Aに係合する。これらの係合のうち、少なくとも第1歯部53Aの歯部35Aへの係合は、図8に示されているように、ロック部材50に、このロック部材50の長さ方向に離れてロック部材側当接部59として2個設けられている第1ロック部材側当接部59Aと第2ロック部材側当接部59Bのうち、ロック部材50の回動中心軸となっている軸56から遠い箇所にある第1ロック部材側当接部59Aが、シャッターカーテン側当接部58となっている押圧部材54により押し上げられることにより行われる。
そして、第1歯部53Aと第2歯部53Bと第3歯部53Cの間隔寸法は、回転部材35に等間隔で多数形成されている歯部35A同士の間隔寸法(歯ピッチ)と同じ寸法もしくは略同じ寸法、又は歯部35A同士の間隔寸法の2以上の整数倍の寸法もしくは略整数倍の寸法となっている。このため、第1歯部53Aが歯部35Aに係合することにより、第2歯部53B及び第3歯部53Cも歯部35Aに係合するようになっている。
また、上述のように第1ロック部材側当接部59Aが押圧部材54により押し上げられると、次に、図9に示されているように、ロック部材50の第2ロック部材側当接部59Bが押圧部材54に当接し、この第2ロック部材側当接部59Bが押し上げられることになる。すなわち、押圧部材54によるロック部材50のロック部材側当接部59の押し上げは、第1ロック部材側当接部59Aから第2ロック部材側当接部59Bへと移行して行われ、2段階でこの押し上げが行われることになる。
このため、ロック部材50の図8で示されているN方向への回動は、2段階となって継続されることになり、これにより、ロック部材50の第1歯部53Aが回転部材35の歯部35Aとの係合から外れても、第2歯部53Bや第3歯部53Cが回転部材35の歯部35Aとの係合を継続し、これらの第2歯部53B及び第3歯部53Cが回転部材35を図8のT方向へ少し回転させる。このT方向への回転は、巻取りリール37がロック用ワイヤー36を巻き取る方向への回転であって、このロック用ワイヤー36を下方へ引っ張る方向である。
そして、このようにして第2歯部53B及び第3歯部53Cが回転部材35をT方向へ回転させることは、ロック部材50の回動中心となっている軸56からの距離が第1ロック部材側当接部59Aよりも短い第2ロック部材側当接部59Bが押圧部材54によって押し上げられることにより行われるため、第2歯部53B及び第3歯部53Cによる回転部材35のT方向へ回転量は大きくなる。したがって、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときのカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的上昇量が一定量となっていても、障害物34がへこみ変形した場合と同様に、ロック用ワイヤー36の下方への引っ張り量を充分に確保することができる。
このため、障害物34がへこみ変形しない又は殆どしない硬質のものである場合にも、機械式結合装置55でシャッターカーテン1と結合されたロック用ワイヤー36を、障害物34がへこみ変形したときのように、充分に下方へ引っ張ることができる。
なお、本実施形態では、ロック部材50に設ける歯部53の個数を3個としたが、この個数を4個以上としてもよい。
また、シャッターカーテン1が障害物34に当接すると、前述したようにシャッターカーテン側当接部58となっている押圧部材54によりロック部材50の第1ロック部材側当接部59Aが押し上げられ、これにより、図8の軸56を中心にN方向に回動するロック部材50の第1歯部53Aが回転部材35の歯部35Aに係合しようとするが、ロック部材50の回動タイミングや回転部材35の回転タイミングにより、第1歯部53Aの先端と歯部35Aの先端とが当接してしまい、これにより、ロック部材50と回転部材35が突き当て状態となって、これらのロック部材50と回転部材35がいわばデッドロック状態になるおそれがある。
しかし、本実施形態では、図13で説明したように、ロック部材50及びこのロック部材50の回動中心軸となっている軸56は、前述のケース33に形成された長孔67により、回転部材35に対して接近、離間方向に移動自在となっていて、弾性部材であるねじりコイルばね57の弾性付勢力により、回転部材35側であるX方向へ常時付勢されているため、上述のデッドロック状態が生じた場合には、ロック部材50及び軸56は、回転部材35からの反力により、回転部材35から後退する方向に少し移動してデッドロック状態が解消するとともに、ねじりコイルばね57の弾性付勢力により回転部材35側へ前進し、これにより、ロック部材50の第1歯部53Aが、回転を継続している回転部材35の歯部35Aに係合することになる。
このため、本実施形態によると、ロック部材50の第1歯部53Aの先端と回転部材35の歯部35Aの先端とが当接してロック部材50と回転部材35がデッドロック状態となることを回避することができ、このデッドロック状態が生じたときにロック部材50等に発生する過大な荷重をなくすことができる。
また、本実施形態では、ロック部材50に設けられている前述の第1ロック部材側当接部59Aは、板ばね60による弾性部となっているため、上述のデッドロック状態が生じた場合には、回転部材35からの反力によってこの弾性部が弾性変形することにより、ロック部材50は、軸56を中心に図8のM方向に少し回動した後に、N方向に回動するため、これによってもデッドロック状態を解消することができる。
前述したように、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接してロック用ワイヤー36が下方へ引っ張られると、ロック用ワイヤー36の緊張力が図14で示した連結部材94を介して第1制御用ワイヤー111に作用し、この第1制御用ワイヤー111も引っ張られることになる。
そして、第1制御用ワイヤー111が引っ張られると、この第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、前述したように図19(A)の状態になっている中間装置200の構成部材である第1回動部材201に連結されているため、この第1回動部材201は、図17(A)のC方向へ回動し、この回動により、第1回動部材201のカム部201Cの側面201Dに凸部208が当接している第2回動部材202は図17(A)のG方向へ回動する。これにより、第2回動部材202の凸部211が開口孔210Aに挿入されている第2スライド部材210は、凸部211からの押圧力により、図20(A)に示されているように、ばね212のばね力に抗して後退する。
これにより、第2スライド部材210は、段差面210Bによって第1スライド部材120の連結部材138の連結部138Aを押圧することになり、このため、第1スライド部材120も後退し、この後退により、前述のブレーキ装置19はオフからオンに切り替わる。このため、閉じ移動中に図1の障害物34に当接したシャッターカーテン1は、閉じ移動を停止する。このときの自動閉鎖装置32の状態が図20(B)に示されており、このときの第1スライド部材120の前端の位置は、図16及び図17で示すJ位置である。
また、上述したように第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、後退する第2スライド部材210の段差面210Bが第1スライド部材120の連結部材138の連結部138Aを押圧することにより、第1スライド部材120が後退するため、段差面210Bは、第1スライド部材120を押圧するための第2スライド部材210の押圧部になっており、連結部138Aは、第2スライド部材210からの押圧力を受けるための第1スライド部材120の被押圧部となっている。
また、以上の作動において、上述したように第2回動部材202が図17(A)のG方向に回動したときには、遅延装置300のピニオンギア300BはE方向に回転するが、このE方向にピニオンギア300Bが回転したときには、前述したように、遅延装置300のワンウエイクラッチの切断作用が機能するため、ピニオンギア300BはE方向へ高速で回転し、第2回動部材202もG方向へ高速で回動することができる。言い換えると、このときの遅延装置300には遅延作用が生じない。
また、上述のように第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、第1回動部材201が図17(A)のC方向へ回動して第2回動部材202がG方向へ回動したときに、これらの第1回動部材201及び第2回動部材202が行う運動は、回動する運動であるため、第1制御用ワイヤー111の引っ張られる長さが長くなっていても、第1回動部材201の全部の回動量が、第2回動部材202に伝達されることはない。
すなわち、本実施形態では、前述したように、障害物34がへこみ変形しない又はへこみ変形が小さい硬質のものである場合のことを考慮してロック部材50に3個の歯部53A,53B,53C設け、これらの歯部53A,53B,53Cの作用により第1制御用ワイヤー111が引っ張られる長さを長くしていても、第1回動部材201の全部の回動量のうち、第1回動部材201のカム部201Cの側面201Dが第2回動部材202の凸部208に当接しているときだけ、第1回動部材201のC方向への回動が第2回動部材202に、この第2回動部材202のG方向への回動として伝達されることになる。そして、第1回動部材201のカム部201Cの側面201Dが第2回動部材202の凸部208に当接しなくなった後に、第1回動部材201がC方向へ回動しても、この回動は、いわば空振りの回動となり、この空振りの回動を第1回動部材201が行っているときの第2回動部材202は停止している。
このため、第1制御用ワイヤー111が引っ張られる長さが長くなっていて、第1回動部材201の回動量が大きくなっていても、第1スライド部材120が後退する距離は長くならず、これにより、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、第1スライド部材120が後退する位置は、この第1スライド部材120の前端が、図20(B)に示されているように、図16及び図17(B)で示した3個の位置I,J,Hのうち、J位置に達する位置となる。このJ位置は、初期位置であるH位置よりも前側の位置であって、ブレーキ装置19を第1スライド部材120により機械的にオフからオンに切り替えることができる位置であるとともに、図17(B)で示されている屈曲レバー部材129のローラ130が、図19(B)と同様に、第1スライド部材120の凹部120Bから脱出している状態を維持している位置である。このようにローラ130が凹部120Bから脱出している状態を維持していることは、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときを示している図20(B)に示されている。
以上の説明から分かるように、火災等の発生によりシャッターカーテン1が閉じ移動を開始した後に、火災等を原因として、あるいは、他の理由を原因として、本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物が停電になっても、シャッターカーテン1が閉じ移動中に障害物34に当接したときには、自動閉鎖装置32の第1スライド部材120が開閉機13のブレーキ装置19をオフからオンに切り替えることにより、このシャッターカーテン1を電気を用いることなく機械的に停止させることができる。
上述したように、前述のブレーキ装置19がオフからオンに切り替わり、これにより、閉じ移動中のシャッターカーテン1が停止した後に、障害物34が除去されると、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが下降するため、機械式結合装置55によるシャッターカーテン1とロック用ワイヤー36との結合は解除される。これにより、ロック用ワイヤー36及び第1制御用ワイヤー111に作用していた緊張力は消滅するため、第1回動部材201は、ばね205により図17(A)のB方向の回動を行い、第2回動部材202は、第2スライド部材210がばね212で前進することにより、図17(A)のF方向へ回動し、第2スライド部材210が前進することにより、自動閉鎖装置32の第1スライド部材120は、ばね121のばね力により、前端の位置が図20(B)のJ位置から図16及び図17(B)で示すI位置へ移行する前進を行う。このため、開閉機13のブレーキ装置19は、オンからオフへ機械的に再度切り替られ、シャッターカーテン1は閉じ移動を再開することになる。
また、このときに、第2回動部材202が図17(A)のF方向へ回動することにより、遅延装置300のピニオンギア300BはD方向へ回転し、このピニオンギア300BのD方向へ回転については、前述したように、ロータリ式ダンパーとなっている遅延装置300には、粘性流体による抵抗力が生ずることになる。このため、第1スライド部材120の前端の位置が、図20(B)のJ位置から図16及び図17(B)のI位置へ移行すること、及びこの移行により開閉機13のブレーキ装置19がオンからオフへ切り替られることは、遅延装置300の遅延作用のために瞬時に行われず、この切替時期は遅延することになる。したがって、障害物34の除去によりシャッターカーテン1が閉じ移動を再開することは、障害物34の除去から時間遅れをもって開始されることになり、このため、障害物34の除去作業を時間的余裕をもって行うことができる。
以上において、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに第1スライド部材120が後退する距離が、この第1スライド部材120の前端がJ位置よりも後側の位置となる長い距離である場合には、屈曲レバー部材129のローラ130は、第1スライド部材120の凹部120Bに嵌合してしまうことになる。このような事態が生じた場合には、閉じ移動中のシャッターカーテン1が当接した障害物34の除去が行われても、ローラ130のストッパー作用により、第1スライド部材120は、ブレーキ装置19をオンからオフに切り替えることできるI位置まで前端が達する前進を行うことができない。
すなわち、ブレーキ装置19をオン、オフ切り替える切替部材となっている自動閉鎖装置32の第1スライド部材120の作動可能範囲には、ブレーキ装置19をオンからオフに切り替え不能となる範囲が存在していることになる。
しかし、本実施形態によると、前述から明らかなように、第1制御用ワイヤー111の側の当接部材となっている第1回動部材201と、自動閉鎖装置32の第1スライド部材120の側の被当接部材となっている第2回動部材202は、中心軸201A,202Aを中心に回動する部材となっているため、第1回動部材201の全部の回動量のうち、一部の回動量だけが第2回動部材202に伝達されることになり、このため、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに第1スライド部材120が後退する距離は、この第1スライド部材120の前端がJ位置よりも後側の位置となる長い距離とはならない。このため、第1スライド部材120を、前端の位置がJ位置となる後退距離で停止させることができ、これにより、閉じ移動中のシャッターカーテン1が当接した障害物34が除去された後に、ブレーキ装置19をオンからオフに切り替えることが可能となる。
このため、本実施形態によると、第1回動部材201や第2回動部材202等により、第1スライド部材120を上述の切り替え不能の範囲まで作動させない作動範囲制限手段230が構成されていることになる。
そして、本実施形態では、図8及び図9で示されている機械式結合装置55の構成部材となっているロック部材50には、図13で説明したように、ロック部材50の歯部53の先端と、回転部材35の歯部35Aの先端との間の隙間65の大きさを調整するための隙間調整手段66が設けられているため、シャッターカーテン1が障害物に当接していない通常時において、この隙間65の大きさを適正値に設定することができる。このため、隙間65の大きさが適正値よりも大きくなっている場合に生ずる問題点、すなわち、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、直ちにロック部材50の歯部53が回転部材35歯部35Aに係合しないことにより、障害物感知が遅れて、シャッターカーテン1を瞬時に停止させることが難しくなるという問題点を解決することができ、また、通常時における隙間65の大きさが適正値よりも小さい場合に生ずる問題点、すなわち、シャッターカーテン1が障害物34に当接していないときでも、例えば、回転部材35やロック部材50が振動等したときに、歯部53が歯部35Aに接触したり係合したりしてしまう問題点を解決することができる。
以上の説明は、本実施形態に係るシャッター装置が前述の防災用シャッター装置となっているときのことであった。このシャッター装置が前述の管理用シャッター装置となっているときに、すなわち、シャッターカーテン1が前述の操作装置30の操作で閉じ移動しているときに、シャッターカーテン1が障害物34に当接したときにも、第1制御用ワイヤー111には緊張力や引っ張り力が作用するため、中間装置200の第1回動部材201は図17(A)のC方向へ回動し、この回動により、第2回動部材202を介して第2スライド部材210は後退するが、このときの第1スライド部材120は、前端の位置がH位置となっている後退限まで後退しているため、図17(A)に示されているように、第2スライド部材210の段差面210Bと第1スライド部材120の連結部材138の連結部138Aとの間には大きな間隔があり、このため、第2スライド部材210が後退しても、この後退は第1スライド部材120に影響を与えない。
言い換えると、本実施形態に係るシャッター装置が管理用シャッター装置となっているときに、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接しても、第1スライド部材120が構成部材となっている自動閉鎖装置32が作動することはなく、この自動閉鎖装置32は、図17(B)で示されている状態を維持する。
そして、本実施形態では、シャッター装置が管理用シャッター装置となっているときに、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接して第1制御用ワイヤー111の緊張力や引っ張り力により、中間装置200の第1回動部材201がC方向へ回動すると、前述の第2電気スイッチ220のアクチュエータ221は、第1回動部材201の突起部材222から外れる作動を行うため、この第2電気スイッチ220からの信号で図1の制御装置26が開閉機13の電動モータ装置18とブレーキ装置19とを電気的に駆動制御することにより、シャッターカーテン1は、障害物に当接した位置から所定高さ位置まで開き移動して停止する反転上昇を行う。すなわち、管理用シャッター装置のシャッターカーテン1は、障害物への当接後に、この障害物から離れた高さ位置まで開き移動して停止する。
本実施形態では、機械式結合装置55から延びるロック用ワイヤー36と、このロック用ワイヤー36と連結部材94で連結されて中間装置200まで延びる第1制御用ワイヤー111は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、機械式結合装置55によってシャッターカーテン1と機械式に結合されてシャッターカーテン1の自重による緊張力が作用する紐状部材となっている。
本実施形態では、ロック用ワイヤー36が繰り出され、巻き取られる巻取りリール37に不具合が生じた場合には、このロック用ワイヤー36に弛みが生じるおそれがあり、これと同時に、このロック用ワイヤー36と連結部材94で連結されている第1制御用ワイヤー111にも弛みが生じるおそれがある。これにより、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、開閉機13を機械式に制御するための機械式制御装置である自動閉鎖装置32が正常に動作せず、閉じ移動中のシャッターカーテン1を停止させることができないおそれがある。
また、本実施形態では、ロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111が、経年劣化により切断し、あるいは人為的に切断されるおそれがある。これにより、上述したように、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、開閉機13を機械式に制御するための機械式制御装置である自動閉鎖装置32が正常に動作せず、閉じ移動中のシャッターカーテン1を停止させることができないおそれがある。
このため、本実施形態では、図14で示されているように、ロック用ワイヤー36と第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっているマイクロスイッチ240,250が備えられている。この図14から分かるように、マイクロスイッチ240は、ロック用ワイヤー36の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっており、マイクロスイッチ250は、第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっている。2個のマイクロスイッチ240,250は、共に同じ形式、構造を有するものとなっているので、以下、マイクロスイッチ240について説明する。
図21は、図14で示されているマイクロスイッチ240の拡大正面図であり、図22は、図21のS22−S22線断面図であって、図14で示されているマイクロスイッチの拡大側面図である。
本実施形態では、マイクロスイッチ240のアクチュエータ242は、本体241から延びていて図示しない軸を中心に揺動自在なレバー部材243と、このレバー部材243の先端部に設けられていて軸244を中心に回転自在となっているローラ245と、含んで構成されている。そして、アクチュエータ242を構成するローラ245の外周面のうち、このローラ245の周方向と直交する方向である幅方向中央部には、ロック用ワイヤー36が係合可能な係合溝(言い換えると、窪み部)245Aが形成されている。
マイクロスイッチ240の本体241からは、押しボタン246がアクチュエータ242の側へ突出しており、この押しボタン246は、図21で示されているロック用ワイヤー36が弛み状態でも切断状態でもない正常な状態においては、ローラ245がロック用ワイヤー36で押圧されることにより本体241の側へ揺動したレバー部材243によって押圧されるため、このマイクロスイッチ240の内部のスイッチがオフ(あるいはオン)となっている。これにより、前述の制御装置26(図1参照)へは、ロック用ワイヤー36が弛み状態又は切断状態である旨の制御信号が伝達されない状態となる。
一方、前述したように、巻取りリール37に不具合が生じた場合や、ロック用ワイヤー36が経年劣化により切断し、あるいは人為的に切断された場合には、マイクロスイッチ240のアクチュエータ242のローラ245を押圧していた図21に示すロック用ワイヤー36は、図23で示されたような弛んだ状態となる。
これにより、アクチュエータ242のレバー部材243により押圧されて本体241へ没入していた押しボタン246は、図23に示されているように、本体241から突出することになり、このため、レバー部材243も、本体241から遠ざかる方向に揺動することになる。
この結果、オフ(あるいはオン)となっていたマイクロスイッチ240の内部のスイッチは、オン(あるいはオフ)となり、これにより、前述の制御装置26(図1参照)へは、ロック用ワイヤー36が弛み状態又は切断状態である旨の制御信号が伝達されることになる。この制御信号が伝達された制御装置26は、図1に示す警報器260のスピーカーからロック用ワイヤー36が弛み状態又は切断状態である旨のアラーム音や人間の合成音等を発生させる制御を実行することになる。
これにより、ロック用ワイヤー36が弛んでいること又は切断されていることを、管理者等の人間が迅速に知ることができ、これにより、管理者等の人間が、不具合が発生しているシャッターカーテン停止装置に急行し、この不具合に対する適切な措置を迅速に行うことができるようになる。
以上の説明は、ロック用ワイヤー36の弛み状態又は切断状態を検出するためのマイクロスイッチ240についてであったが、図14で示されている第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態を検出するためのマイクロスイッチ250も、マイクロスイッチ240と同様の動作を行う。そして、第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態が発生したとき、制御装置26(図1参照)へは、第1制御用ワイヤー111が弛み状態又は切断状態である旨の制御信号が伝達されることになる。この制御信号が伝達された制御装置26は、図1に示す警報器260のスピーカーから第1制御用ワイヤー111が弛み状態又は切断状態である旨のアラーム音や人間の合成音等を発生させる制御を実行することになる。
このように、本実施形態では、ロック用ワイヤー36の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段であるマイクロスイッチ240は、ロック用ワイヤー36と接触可能なアクチュエータを有する接触式センサとなっており、第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段であるマイクロスイッチ250も、第1制御用ワイヤー111と接触可能なアクチュエータを有する接触式センサとなっている。
なお、図14及び図21〜図23で示されているように、マイクロスイッチ240は、図2で示されているシャッターボックス8とまぐさ部材16Aとの間に介在されている中間部材93と、支持部材92とに形成された開口部に嵌合、固定されており、マイクロスイッチ250も、図14で示されているように、中間部材93と支持部材92とに形成された開口部に嵌合、固定されているが、マイクロスイッチ240,250の取付構造は任意なものでよい。
なお、マイクロスイッチ240,250と制御装置26とを接続するリード線の表示は省略されているが、それぞれのリード線の配線構造は任意なものでよい。
以上説明したように、本実施形態に係るシャッターカーテン停止装置では、紐状部材であるロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段であるマイクロスイッチ240,250が備えられている。
このため、本実施形態によると、ロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111が弛み状態又は切断状態となることによってロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111にシャッターカーテン1の自重による緊張力が作用しなくなるというシャッターカーテン停止装置の不具合を事前にあるいは即時に検出することが可能となる。
このように、本実施形態によると、シャッターカーテン停止装置の不具合が事前にあるいは即時に分かるようになる。
また、本実施形態では、マイクロスイッチ240,250のアクチュエータ242のローラ245の外周面には、ロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111が係合可能な係合溝245Aが形成されている。
このため、本実施形態によると、ロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111が弛み状態でも切断状態でもない正常状態となっているときに、ローラ245がロック用ワイヤー36や第1制御用ワイヤー111から外れるおそれは、ローラ245の外周面に係合溝245Aを形成しない場合と比較して、より少なくなる。
また、本実施形態では、マイクロスイッチ240,250は、図2から分かるように、シャッターカーテン1により開閉される開口部である出入口2の上辺を形成し、開閉移動するシャッターカーテン1がスライド自在に通過するまぐさ部材16,17よりも上方に配置されている。言い換えると、マイクロスイッチ240,250は、図2から分かるように、天井部材5よりも上方、すなわち、天井裏空間に配置されている。
このため、本実施形態によると、マイクロスイッチ240,250を外部から保護できるようになる。
また、本実施形態では、図2から分かるように、機械式結合装置55から上方に延びている紐状部材であるロック用ワイヤー36は、本実施形態に係る中間装置である方向変換装置38や連結部材94を介して、機械式制御装置である自動閉鎖装置32に連結されている。そして、検出手段であるマイクロスイッチ240,250は、本実施形態に係る中間装置となっている方向変換装置38や連結部材94の近傍に配置されている。
次に、以上説明した実施形態(言い換えると、第1の実施形態)に係るシャッターカーテン停止装置の別実施形態(言い換えると、第2の実施形態)を図24〜図42により説明する。なお、以下の本実施形態の説明において、前述の図1〜図23の実施形態における部材、手段、装置等と同じもの又は同じ機能を有するものについては、同一の符号を用い、その説明は一部を除いて省略する。
本実施形態に係るシャッターカーテン停止装置が備えられているシャッター装置は、前述の図1〜図23の実施形態に係るシャッター装置と同様に、管理及び防災の併用(言い換えると、兼用)シャッター装置である。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置も、出入口等の開口部を開閉するためにシャッターカーテンが開閉移動する管理用シャッター装置としての機能と、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時に閉じ移動することにより建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置としての機能と、を有している。
また、本実施形態に係るシャッター装置も、開閉移動自在となっているシャッターカーテンと、オン、オフすることによりシャッターカーテンを停止、移動可能とするためのブレーキ装置を有する開閉機と、ブレーキ装置をオン、オフ切り替えるためにスライド自在となっているスライド部材を有し、開閉機を機械式に制御するための機械式制御装置と、シャッターカーテンに配置されていて、シャッターカーテンが閉じ移動の途中でこのシャッターカーテンの移動経路に存在する障害物に当接したときに、シャッターカーテンと紐状部材であるロック用ワイヤーとを機械式に結合することにより、このロック用ワイヤーに、スライド部材をスライドさせてブレーキ装置をオンとするための緊張力をシャッターカーテンの自重により作用させる機械式結合装置を有していて、シャッターカーテンの閉じ移動を機械式に停止させるための機械式開閉体停止装置である機械式シャッターカーテン停止装置と、障害物の除去によりスライド部材がブレーキ装置をオンからオフに切り替えてシャッターカーテンが閉じ移動を再開することを、障害物の除去から時間遅れをもって開始させるための遅延装置と、を備えている。
図24には本実施形態に係るシャッター装置の全体が示されており、この図24は、前述の図1と同様に、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン1が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。前述の実施形態と同様に、シャッターカーテン1で開閉される出入口2は、左右の建物躯体3と、床4と、天井部材5と、で囲まれており、左右の建物躯体3には、シャッターカーテン1の左右方向の両端部がスライド自在に挿入された左右のガイドレール6が取り付けられており、これらのガイドレール6に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。
また、前述の実施形態と同様に、出入口2に対して天井部材5で仕切られている天井裏空間7には、シャッターボックス8が配置されており、このシャッターボックス8は、図24のS25−S25線断面図である図25に示されているように、天井裏空間7に存在する下がり壁等の建物躯体9にボルト等の結合具10で結合されている。シャッターボックス8の内部に水平に収納配置されている巻取軸11は、シャッターボックス8の図24で示されている左右の側面部8A,8Bに回転自在に支持されている。また、図24に示されているように、巻取軸11の一方の端部には、駆動力伝達手段12を介して開閉機13が接続されている。なお、本実施形態の開閉機13も、前述の実施形態と同様に、図25に示されているように、シャッターボックス8の左右の側面部8A,8Bのうち、一方の側面部8Bに結合されたブラケット部材15に取り付けられている。
図26は、前述の図3と同様に、開閉機13の内部構造を示す断面図であり、この図26に示されているように、直流又は交流の電動モータ装置18とブレーキ装置19とを軸方向に並設した開閉機13は、前述の実施形態の開閉機13と同様の形状、構造、機能を有している。
また、前述の実施形態と同様に、図24で示した左右の建物躯体3A,3Bのうち、一方の建物躯体3Aには、シャッターカーテン1を出入口2に対して上向きに開き移動させることと、下向きに閉じ移動させることと、停止させることとを行わせるための操作装置30が取り付けられている。
また、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、上端が巻取軸11に結合されているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられた具体的な構造を後述する座板301Bとを有したものとなっており、カーテン本体1Aは、本実施形態における開閉体本体となっており、座板301Bは、本実施形態におけるエンド部材となっている。
座板301Bが前述の天井部材5に配置されたまぐさ16の高さ位置に達しているシャッターカーテン1の全開時に、又は、座板301Bが図24に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半閉状態(半開状態)のときに、操作装置30の「閉」ボタンを操作すると、この「閉」ボタンからの信号を受ける制御装置327によりブレーキ装置19のソレノイド24に通電されるため、ブレーキ装置19がオフとなる。これにより、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の自重により巻取軸11及び駆動軸14を正回転させて巻取軸11から下向きに繰り出され、これにより閉じ移動したシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知した図示しないセンサからの信号を受ける図24に示す制御装置327により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ装置19はばね23でオンに復帰する。また、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、又は、座板301Bが図24に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半開状態(半閉状態)のときに、操作装置30の「開」ボタンを操作すると、この「開」ボタンからの信号を受ける制御装置327によりブレーキ装置19のソレノイド24に通電されるため、ブレーキ装置19がオフになるとともに、制御装置327により電動モータ装置18のコイル25に通電される。このため、駆動軸14は逆回転し、この回転は前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の逆回転により、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻き取られて開き移動する。シャッターカーテン1が全開位置に達すると、この全開位置を検知した図示しないセンサからの信号を受ける制御装置327により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ装置19がばね23でオンに復帰するとともに、制御装置327によりコイル25への通電が遮断される。
また、シャッターカーテン1が閉じ移動している途中で操作装置30の「停」ボタンを操作すると、この「停」ボタンからの信号を受ける制御装置327により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ装置19がばね23でオンに復帰することにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。さらに、シャッターカーテン1が開き移動している途中で「停」ボタンを操作すると、この「停」ボタンからの信号を受ける制御装置327により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ装置19がばね23でオンに復帰するとともに、制御装置327により電動モータ装置18のコイル25への通電が遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。
なお、リレー回路等の電気回路又はコンピュータによる制御装置327は、図24に示されているように、開閉機13に取り付けられており、この制御装置327は、開閉機13の電動モータ装置18及びブレーキ装置19を電気的に制御するものである。なお、制御装置327は、開閉機13とは別の部材や手段、装置等に取り付けてもよく、その配置箇所は任意である。
また、図26に示されているブレーキ装置19のブレーキ軸21における電動モータ装置18側とは反対側の端部に配置されているレバー部材31の第1部分331Aに、A方向への荷重が作用することは、開閉機13に取り付けられている具体的な構造を後述する自動閉鎖装置332によって行われる。この自動閉鎖装置332は、後述の説明で分かるように、シャッターカーテン1を駆動させる駆動装置になっている開閉機13を機械式に制御するための機械式制御装置となっている。
図27は、シャッターカーテン1の閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板301Bが図24で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を機械式に検知(言い換えると、感知)するための機械式障害物検知装置(言い換えると、機械式障害物感知装置)335を示す。機械式障害物検知装置335は、前述の不動部材となっているこのまぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された部分を有している架け渡し部材となっているロック用ワイヤー336と、可撓性を有するこのロック用ワイヤー336の一方の端部が結合され、この一方の端部を処理している第1処理装置337と、ロック用ワイヤー336の他方の端部が結合され、この他方の端部を処理している第2処理装置338と、ロック用ワイヤー336の長さの途中に配置され、シャッターカーテン1が障害物34に当接したときにロック用ワイヤー336を機械式にロックするための、言い換えると、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー336とを機械式に結合した状態にするための機械式結合装置339と、を備えている。機械式結合装置339は、後述するように、シャッターカーテン1に取り付けられる。
上述の架け渡し部材となっているロック用ワイヤー336は、本実施形態に係るシャッター装置における紐状部材でもあり、細長部材でもある。
第1処理装置337と第2処理装置338と機械式結合装置339は、ロック用ワイヤー336で連結された状態になっており、したがって、これらの装置337〜339を構成要素とする機械式障害物検知装置335は、取り扱い等が容易なユニットとなっている。
第1処理装置337には回転自在なリール340が設けられ、ロック用ワイヤー336の一方の端部が結合されているこのリール340にロック用ワイヤー336が巻回されている。リール340には、ぜんまいばね等による戻しばね341が連結されており、ロック用ワイヤー336がリール340を回転させてこのリール340から繰り出される際に、戻しばね341には戻し力が蓄圧される。また、ロック用ワイヤー336に弛みが生じたときには、戻しばね341に蓄圧された戻し力により、リール340はロック用ワイヤー336を巻き取る方向へ回転することになる。このため、第1処理装置337は、本実施形態に係るシャッター装置において、ロック用ワイヤー336を繰り出し自在に巻き取るための巻取装置となっている。
第2処理装置338には回動部材342が設けられており、この回動部材342に、ロック用ワイヤー336の他方の端部がコイルばね343を介して結合されている。
また、第1処理装置337と第2処理装置338は、まぐさ16にボルト又は溶接等で固定配置されたベース部材344の上面に配置されており、このため、第1処理装置337と第2処理装置338はベース部材344で連結されたユニット構造物345となっている。したがって、ロック用ワイヤー336をまぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡す作業等を行うために、第1処理装置337と第2処理装置338をまぐさ16に配置する作業は、ユニット構造物345をまぐさ16にボルト又は溶接等で固定設置する作業を行うだけで終了することができ、この作業を容易に行えるようになっている。
また、上述したようにロック用ワイヤー336の他方の端部を、コイルばね343を介して第2処理装置338の回動部材342に結合するために、図25に示されているように、ロック用ワイヤー336は前述の天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17に通されている。すなわち、ロック用ワイヤー336は、天井部材5の上下に跨る長さを有しており、また、ロック用ワイヤー336は、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されている。
まぐさ16における第1処理装置337と第2処理装置338の配置位置は、シャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。これについて説明すると、図27に示されているとおり、第1処理装置337の機枠346は、ベース部材344の側面部344Aに形成されている長孔347に挿入されたビス等の止着具348でこの側面部344Aに取り付けられている。このため、長孔347の長さ分だけ、ベース部材344における第1処理装置337の取付位置がシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。さらに、第2処理装置338の機枠349の基板部349Aは、この基板部349Aに形成されている長孔350に挿入されたビス等の止着具351でベース部材344に取り付けられている。このため、長孔350の長さ分だけ、ベース部材344における第2処理装置338の取付位置がシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。
なお、まぐさ16における第1処理装置337と第2処理装置338の配置位置をシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能する構造は、長孔347,350による方式のものに限定されず、例えば、ボルト等のねじ軸部材の回転を利用したねじ送り方式や、ガイド溝の途中に複数のストップ部材を配置したスライドアンドストップ方式等のものでもよい。
図27で示されている機械式結合装置339のケース355は、図27で示されている裏面部355A及び上面部355Bと、図28で示されている正面部355Cとを有する。すなわち、図27と図28では、機械式結合装置339の表裏が逆となっている。図29は、ケース355の内部に収納されている機械式結合装置339の構造を示す図28の正断面図である。図27に示されているように、ケース355の上面部355Bには、ロック用ワイヤー336が出入りする2個の孔356,357が形成され、また、図29に示されているように、ケース355の内部には、ロック用ワイヤー336を案内する2個の回転自在なローラ358,359がシャッターカーテン1の幅方向に離れて配置されているとともに、これらのローラ358,359と共にロック用ワイヤー336を案内するためのピン等による複数のガイド部材360も配置されている。
また、ケース355の内部には、ロック用ワイヤー336におけるローラ358とローラ359の間の部分(後述する折り返し部)336Aを上下から挟着するための挟着部材となっている第1レバー部材361と第2レバー部材362が配置され、これらのレバー部材361,362は、同一の支点軸363を中心に上下に揺動自在となっている。上側の第1レバー部材361には、ねじりコイルばね364による下向きの押圧力が作用しており、また、この第1レバー部材361には下向きに湾曲形成された凸部361Aが設けられ、この凸部361Aがロック用ワイヤー336の上記の部分336Aに当たることにより、支点軸363を中心とする第1レバー部材361の下向きの揺動限が規定されるようになっている。また、上記の部分336Aが弛緩しているときに第1レバー部材361が支点軸363を中心として下向きに大きく揺動することを防止できるようにするために、ケース355には、第1レバー部材361における支点軸363側とは反対側の端部を受けるためのピン等によるストップ部材365が固定されている。
下側の第2レバー部材362における支点軸363側とは反対側の端部には、重り部材366が取り付けられており、この重り部材366の重量により、第2レバー部材362には支点軸363を中心とする下向きの揺動力が作用している。また、第2レバー部材362には、上向きに湾曲形成された凸部362Aが設けられている。
また、上側の第1レバー部材361の下面と、下側の第2レバー部材362の上面には、言い換えると、これらのレバー部材361,362の互いに対面する面には、摩擦部材367,368が取り付けられている。これらの摩擦部材367,368は、第1レバー部材361と第2レバー部材362がロック用ワイヤー336の上記の部分336Aを挟着してロックするときに、この部分336Aとの間の摩擦力を大きくし、ロックを一層確実なものにするためのものである。そして、上側の第1レバー部材361には下向きの突片部361Bが形成され、この突片部361Bと、ケース355の裏面部355Aとにより、ロック用ワイヤー336における上記の部分336Aが2個のレバー部材361,362の間から外れることが防止されている。また、第2レバー部材362の凸部362Aは、この第2レバー部材362が支点軸363を中心に上向きに揺動することにより摩擦部材367,368がロック用ワイヤー336の上記の部分336Aを挟着、ロックする直前に、この部分336Aを上向きに押し上げることになり、これにより、摩擦部材367,368による上記の部分336Aを挟着、ロックをさらに一層確実に行えるようにしている。また、下側の第2レバー部材362には、下向きに湾曲形成された凸部362Bが設けられている。
図30には、機械式結合装置339がシャッターカーテン1に取り付けられたときの正面図が示されている。図31は、図30のS31−S31線断面図であり、この図31には、前述したシャッターカーテン1の座板301Bの内部構造が示され、また、図31には、ロック用ワイヤー336及び機械式結合装置339が2点鎖線で示されている。シャッターカーテン1は、図24で説明したように、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、本実施形態における開閉体本体となっているカーテン本体1Aと、図31に示されているように、このカーテン本体1Aの下端部に設けられ、本実施形態におけるエンド部材となっている座板301Bとを有する。また、座板301Bは、カーテン本体1Aの下部に固定された固定部370Aと、この固定部370Aの下側に配置され、固定部370Aに対して上下方向に移動可能となっている可動部370Bとからなる。
また、本実施形態に係るシャッター装置のシャッターカーテン1は、図30で示されているように、カーテン主部371Aと、カーテン副部371Bとを有し、カーテン主部371Aは、カーテン本体1Aと、座板301Bのうちの固定部370Aとによって構成されており、カーテン副部371Bは、座板301Bのうちの可動部370Bによって構成されている。したがって、このカーテン副部371Bは、シャッターカーテン1の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部371Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部371Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
図31に示されているように、座板301Bの固定部370Aは、共に断面箱型となった内外の部材375,376で形成され、外部材375は、シャッターカーテン1の厚さ方向に分割配置された2個の分割部材375A,375Bで形成されており、これらの分割部材375A,375Bは、カーテン本体1Aの下端部にボルト、ナット等による結合具377で結合されている。このため、座板301Bは、カーテン本体1Aに対して取り付け、取り外し自在となっている。また、内外の部材375,376の下面は開口部378となっており、この開口部378から座板301Bの可動部370Bの立上り部379の上端が固定部370Aの内部空間に挿入されている。立上り部379の上端には、シャッターカーテン1の厚さ方向外側へ延出する延出部379A,379Bが形成され、これらの延出部379A,379Bが、固定部370Aの内部材376の下端に形成された突片部376A,376Bの上面に乗ることにより、固定部370Aに対する可動部370Bの下側への移動限が規定される。
固定部370Aの内部には、シャッターカーテン1の幅方向に延びる支点軸380を中心に上下揺動自在となった揺動部材381が収納されている。この揺動部材381は、図34で示されているように可動部370Bが固定部370Aに対して上昇したときには、すなわち、閉じ移動中のシャッターカーテン1が図24で示した障害物34に当接したときには、可動部370Bの立上り部379の延出部379Aが揺動部材381の突出片381Aを押し上げることにより、揺動部材381は支点軸380を中心に上向きに揺動する。また、座板301Bを構成している固定部370Aと可動部370Bは、図24で示した左右のガイドレール6まで延びる長さを有しており、揺動部材381も左右のガイドレール6まで延びる長さを有している。
揺動部材381及び可動部370Bは、例えば、アルミ合金製等の押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成されている。図24で示した出入口2の左右幅寸法が大きく、このため、揺動部材381及び可動部370Bを、それぞれ一本の連続した押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成することが困難である場合には、長さ方向(シャッターカーテン1の幅方向)に並べた複数の押し出し成形品又は引き抜き成形品により、揺動部材381及び可動部370Bが形成される。
図27で説明した機械式結合装置339は、図30で示されているように、座板301Bのうち、固定部370Aに組み込まれる。すなわち、機械式結合装置339は、シャッターカーテン1の前述したカーテン主部371Aを構成しているカーテン本体1Aと、座板301Bの固定部370Aとのうち、固定部370Aに配置される。図33は、図30のS36−S36線断面図であって、機械式結合装置339が配置された部分での座板301Bの断面図である。この図33で示されているように、座板301Bの固定部370Aを形成している内外の部材375,376の上面部及び正面部には、機械式結合装置339の配置位置と対応する位置において、切欠加工による開口部390が形成されており、この開口部390に機械式結合装置339が上から挿入されて固定部370Aに結合されている。
支点軸380を中心に上下方向に揺動自在となっている揺動部材381の突出片381Aには、図29で示した下側の第2レバー部材362の下向きの凸部362Bと対応する位置において、押圧部材391が取り付けられている。このため、シャッターカーテン1の閉じ移動中に、この閉じ移動方向である下側に存在していた障害物34に座板301Bの可動部370Bが当接し、これにより、図34で説明したように、可動部370Bの延出部379Aが揺動部材381を支点軸380を中心に上向きに揺動させたときには、凸部362Bを押圧する押圧部材391により、図35に示されているように、第2レバー部材362は支点軸363を中心に上向きに揺動する。これにより、第2レバー部材362に取り付けられている摩擦部材368は、ロック用ワイヤー336におけるローラ358とローラ359の間の部分336Aを上側へ押し上げることになる。
この押し上げにより、上側の第1レバー部材361は、この第1レバー部材361に取り付けられている摩擦部材367を介して支点軸363を中心に上向きに揺動することになり、この上向きの揺動によりねじりコイルばね364は圧縮されるため、ロック用ワイヤー336におけるローラ358とローラ359の間の部分336Aは、2個のレバー部材361,362の摩擦部材367,368により上下から大きな荷重で挟着され、この挟着により、ロック用ワイヤー336の部分336Aはロックされることになり、このロックにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー336とが機械式結合装置339で機械式に結合された状態となる。
なお、図33に示されているように、座板301Bの可動部370Bが固定部370Aに対して最下降位置に達しているときには、揺動部材381の突出片381Aが可動部370Bの延出部379Aに当たることにより、支点軸380を中心とする揺動部材381の下向きの揺動が規制されるようになっている。
上述したように閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、2個のレバー部材361,362の摩擦部材367,368により、ロック用ワイヤー336の前記部分336Aが大きな荷重でロックされるようにするためには、シャッターカーテン1が障害物34に当接する前において、言い換えると、座板301Bの可動部370Bが固定部370Aに対して最下降位置に達しているときにおいて、揺動部材381の押圧部材391に対して機械式結合装置339が適切な上下方向の位置に配置されていることが重要である。機械式結合装置339を揺動部材381の押圧部材391に対して適切な上下方向の位置に配置することは、機械式結合装置339を座板301Bの固定部370Aに取り付ける際に、この機械式結合装置339を固定部370Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けることである。本実施形態には、機械式結合装置339を固定部370Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けることができる工夫が施されている。
次に、この工夫について説明する。図27で示されているように、機械式結合装置339のケース355の両方の側面部には突片部355Dが形成され、これらの突片部355Dを利用して機械式結合装置339は座板301Bの固定部370Aに取り付けられる。これらの突片部355Dを利用した取付構造は同じであるため、一方の突片部355Dについての取付構造を図32により説明する。
固定部370Aの内部上面には、ベース部材392がリベット等の止着具393で結合され、このベース部材392には、固定部370Aを形成している前述の内外部材375,376に形成された孔394A,394Bを貫通して固定部370Aの上側へ突出しているねじ軸部材395が設けられている。このねじ軸部材395に1個又は複数個の座金396を挿入した後に、突片部355Dの孔355Eにねじ軸部材395を挿入する。ねじ軸部材395に挿入する座金396の枚数を変更したり、ねじ軸部材395に座金396を挿入しないことにより、固定部370Aにおける機械式結合装置339の上下方向の配置位置が調整されることになる。これにより、機械式結合装置339の配置位置を、揺動部材381の押圧部材391に対して適切な上下方向の位置に設定することができる。
このように機械式結合装置339が揺動部材381の押圧部材391に対して適切な上下方向の位置に配置されているか否かを確認できるようにするために、図30に示されているように、機械式結合装置339のケース355の正面部355Cには、窓孔355Fが形成されている。この窓孔355Fから、座板301Bの可動部370Bが固定部370Aに対して最下降位置に達しているときにおける前述した下側の第2レバー部材362の摩擦部材368と、ロック用ワイヤー336の前述した部分336Aとの間の上下方向の間隔を調べることができ、この上下方向の間隔が予め定められている適性範囲内の値になったときに、図32に示されているナット397をねじ軸部材395に螺合して締め付ける。これにより、機械式結合装置339を座板301Bの固定部370Aに固定する。そして、窓孔355Fをテープ等の遮蔽部材で遮蔽し、ケース355の内部に塵埃等が侵入することを防止する。
これにより、機械式結合装置339は固定部370Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けられることになり、この結果として、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときには、機械式結合装置339に設けられている2個のレバー部材361,362の摩擦部材367,368により、ロック用ワイヤー336の上記部分336Aを大きな荷重でロックできるようになる。
上述のように機械式結合装置339の配置位置を揺動部材381の押圧部材391に対して適切な上下方向の位置に設定するための構造は、以上の方式による構造に限定されない。
なお、以上のように機械式結合装置339を座板301Bの固定部370Aに取り付けるための作業は、本実施形態に係るシャッター装置のシャッターカーテン1を、本実施形態に係るシャッター装置を設置する建物の図24に示す左右の建物躯体3に取り付けたガイドレール6に沿って上下に開閉移動自在とした後に行う。すなわち、図27で説明した前述の機械式障害物検知装置335を除くシャッター装置自体の設置作業が先に行われ、この後に、機械式障害物検知装置335の設置作業が行われる。この機械式障害物検知装置335の設置作業には、前述したユニット構造物345をまぐさ16に取り付ける作業と、機械式結合装置339を座板301Bの固定部370Aに取り付ける作業とが含まれ、ユニット構造物345をまぐさ16に取り付ける作業と、機械式結合装置339を座板301Bの固定部370Aに取り付ける作業とのうち、どちらの作業を先に行ってもよく、これらの作業を同時(実質的に同時と言える場合を含む。)に行ってもよい。
そして、このように機械式障害物検知装置335の設置作業を行う場合には、座板301Bの固定部370Aに機械式結合装置339を配置して取り付けるための前述の開口部390等を、予め工場において、形成しておくことが好ましい。
本実施形態に係るシャッター装置では、前述したようにロック用ワイヤー336と、第1処理装置337と、第2処理装置338と、機械式結合装置339とからなる機械式障害物検知装置335は、ユニット化されたものとなっているため、工場から本実施形態に係るシャッター装置が設置される建物へ搬送されたこの機械式障害物検知装置335についての設置作業を容易に行え、また、第1処理装置337と第2処理装置338はユニット構造物345となっていて、これらの第1処理装置337と第2処理装置338だけでもユニット化されているため、第1処理装置337と第2処理装置338をまぐさ16に取り付ける作業も容易に行える。
以上のように機械式結合装置339が座板301Bの固定部370Aに取り付けられることにより、不動部材である前述のまぐさ16に設置された図27の第1処理装置337と第2処理装置338に両端部が結合されたロック用ワイヤー336は、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡されることになる。また、このロック用ワイヤー336は、機械式結合装置339で折り返されているため、図24に示されているように、まぐさ16からシャッターカーテン1へと延びる第1部分336Bと、シャッターカーテン1からまぐさ16へと延びる第2部分336Cとを有するU字形となる。そして、ロック用ワイヤー336のうち、機械式結合装置339と対応している図29や図35で示された前記部分336Aは、U字形のロック用ワイヤー336の折り返し部となる。
シャッターカーテン1が自重で閉じ移動したときは、ロック用ワイヤー336は、シャッターカーテン1の重量により第1処理装置のリール340を回転させて、このリール340から繰り出されることになり、これにより、第1部分336Bと第2部分336Cのそれぞれの長さが長くなる。また、シャッターカーテン1が、前述の開閉機13の駆動軸14の回転で上方へ開き移動したときには、ロック用ワイヤー336には弛みが生ずるため、前述した戻しばね341の戻し力で上記とは反対方向へ回転するリール340によりロック用ワイヤー336は巻き取られ、これにより、第1部分336Bと第2部分336Cのそれぞれの長さは短くなる。このため、ロック用ワイヤー336は、シャッターカーテン1の開閉移動に対して追従することになる。
本実施形態に係るシャッター装置では、図24から分かるように、機械式結合装置339と、第1処理装置337及び第2処理装置338からなるユニット構造物345は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、前述した機械式障害物検知装置335を構成しているこれらの機械式結合装置339とユニット構造物345は、中央位置Bからシャッターカーテン1の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置に配置されている。この変位している位置は、シャッターカーテン1を駆動させる駆動装置となっている前述の開閉機13が配置されている側の位置である。
また、図24に示されているように、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cの延び方向は、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに沿った鉛直方向(実質的に鉛直方向と言えるものを含む。)となっており、また、これらの第1部分336Bと第2部分336Cは、互いに平行(実質的に互いに平行と言えるものを含む。)となっている。
また、図25及び図27に示されているように、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cは、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置に配置されており、このため、第1部分336Bと第2部分336Cは、まぐさ16と干渉していない。言い換えると、まぐさ16の上面に配置された第1処理装置337及び第2処理装置338は、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cを垂下する部分の位置が、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置の上側の位置となるように、まぐさ16に配置されている。
さらに、図33に示されているとおり、座板301Bの固定部370Aにおける機械式結合装置339の配置位置は、シャッターカーテン1の厚さ方向中央位置ではなく、この中央位置からシャッターカーテン1の厚さ方向のうちの一方の側へ変位している位置となっている。このため、ロック用ワイヤー336は、第1部分336Bと第2部分336Cの両方について、図31に示されているように、シャッターカーテン1のうち、前述したカーテン本体1Aと干渉しない位置に、言い換えると、カーテン本体1Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されている。すなわち、前述したカーテン主部371Aは、カーテン本体1Aと、座板301Bのうちの固定部370Aとにより構成されているため、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cの両方は、機械式結合装置339が配置されている固定部370Aを除くカーテン主部371A(カーテン本体1A)からシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていることになる。
機械式結合装置339が配置されている固定部370Aを除くカーテン主部371Aの部分はカーテン本体1Aであり、このカーテン本体1Aはシャッターカーテン1の大部分の面積を占める大きな部分である。このため、上述のように、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cの両方が、機械式結合装置339が配置されている固定部370Aを除くカーテン主部371Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部371Aと干渉していないことにより、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された架け渡し部材となっていて、本実施形態における機械的部材となっているロック用ワイヤー336は、シャッターカーテン1の開閉移動を阻害しないことになる。
また、前述したとおり、座板301Bの可動部370Bはカーテン副部371Bを形成するものとなっており、図31に示されているとおり、この可動部370Bについてのシャッターカーテン1の厚さ方向寸法はW1である。また、前述したカーテン主部371Aの一部を構成するものとなっている座板301Bの固定部370Aについてのシャッターカーテン1の厚さ方向寸法はW2であり、このW2は、W1よりも小さい。ロック用ワイヤー336は、W1の範囲内であって、W2の範囲内に配置されている。可動部370Bは、カーテン副部371Bを形成するものとなっているため、ロック用ワイヤー336は、このカーテン副部371Bのシャッターカーテン厚さ方向寸法W1内に配置されていることになり、そしてW1は、シャッターカーテン1の全体の厚さ寸法を規定する寸法にもなっているため、ロック用ワイヤー336は、シャッターカーテン1の全体の厚さ寸法内に配置されていることになる。
したがって、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに沿ってロック用ワイヤー336を配置し、これにより、このロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cをカーテン本体1Aと干渉しない位置に配置しても、このロック用ワイヤー336を含むシャッターカーテン1の全体の厚さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
なお、W1をW2と等しいとした場合(多少の差がある場合であって、実質的に等しいと言うことできる場合を含む。)にも、ロック用ワイヤー336を含むシャッターカーテン1の全体の厚さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
また、本実施形態に係るシャッター装置では、図27で説明したように、まぐさ16における第1処理装置337と第2処理装置338の配置位置は、長孔347,350によりシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっているため、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cの両方を、機械式結合装置339が配置されている固定部370Aを除くカーテン主部371Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に一層確実に配置できるようになっている。また。まぐさ16における第1処理装置337と第2処理装置338の配置位置の調整作業を、第1処理装置337と第2処理装置338について個別に行うことにより、第1部分336Bと第2部分336Cを、機械式結合装置339が配置されている固定部370Aを除くカーテン主部371Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に同じ距離だけ離すための作業も行える。
図36は、第2処理装置338の内部構造を示している。この第2処理装置338には、前述したように、ロック用ワイヤー336の端部がコイルばね343を介して結合された回動部材342が設けられている。この回動部材342の回動方向は、水平な中心軸342Aを中心とする上下方向である。また、回動部材342の背後には、ぜんまいばね等による戻しばね400が配置されている。この戻しばね400の戻し力は、回動部材342をC方向へ回動させるように、すなわち、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cを引き上げる方向に回動部材342を回動させるように、回動部材342に作用している。回動部材342には、中心軸342Aを中心とする円弧状の長孔342Bが形成され、この長孔342Bには、第2処理装置338の機枠349に取り付けられたストップ部材401が挿入され、このストップ部材401により回動部材342の回動量が一定量に規制されている。
回動部材342の外周部の一部にはギヤ歯342Cが形成されており、このため、回動部材342は、一部にギヤ歯342Cが形成されたセクターギヤとなっている。このギヤ歯342Cは、回動部材342におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側(実質的に厚さ方向の側と言えるものを含む。以下同じ。)に設けられている。また、第2処理装置338には2個のロータリー式のダンパー402が配置され、これらのダンパー402は、回動部材342のギヤ歯342Cと噛み合うピニオンギヤ403を備えている。ピニオンギヤ403の回転中心軸404には、ワンウェイクラッチを介してダンパー402の内部に配置された複数のブレードが取り付けられており、回動部材342がC方向に回動することでピニオンギヤ403及び中心軸404がE方向に回転した場合には、ワンウェイクラッチを介してそれぞれのブレードが、ダンパー402の内部に充填されている粘性流体内において回転する。このため、粘性流体の抵抗力により回動部材342は、C方向へ低速で回動することになる。一方、回動部材342がC方向とは逆のD方向に回動し、ピニオンギヤ403及び中心軸404がF方向に回転した場合には、この方向への回転は、ワンウェイクラッチの切断作用によりそれぞれのブレードに伝達されない。このため、回動部材342は、D方向へは高速で回動することができる。
なお、ダンパー402は1個でもよい。しかし、本実施形態のようにダンパー402の個数を複数個とすることにより、回動部材342をC方向へ低速で回動させる上記の抵抗力を大きくでき、これにより、回動部材342のC方向への速度を所望する速度まで遅くすることができる。
また、回動部材342を、一部にギヤ歯342Cが形成されたセクターギヤとすることにより、回動部材342を全周にギヤ歯が形成されたギヤとした場合よりも、回動部材342の全体の上下寸法を小さくすることができる。これにより、第2処理装置338の上下寸法を、延いては、第1処理装置337と第2処理装置338で構成されている前述のユニット構造物345の上下寸法を小さくできるため、図25に示されているように、まぐさ16と前述のシャッターボックス8との間の上下寸法が小さいスペースにユニット構造物345を有効に配置することができるようになる。
さらに、回動部材342を一部にギヤ歯342Cが形成されたセクターギヤとし、このギヤ歯342Cを、上述のように回動部材342におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側に設けることにより、第2処理装置338における回動部材342の配置位置を高い位置とすることが可能となるため、シャッターカーテン1を、回動部材342が座板301Bと干渉することをなくして、全開位置まで開き移動させることができるようになる。
また、ギヤ歯342Cは、回動部材342におけるシャッターカーテン1の側とは反対側に形成され、回動部材342におけるシャッターカーテン1と同じ側には、ギヤ歯342Cが形成されていない凹部342Dが形成されているため、これによっても、シャッターカーテン1の全開時において、回動部材342が座板301Bと干渉することをなくすことができ、また、シャッターカーテン1が開閉移動しているときには、回動部材342がカーテン本体1Aと干渉することをなくすことができる。
また、本実施形態では、図27に示されているように、コイルばね343とロック用ワイヤー336の第2部分336Cとの連結部N1が、回動部材342とコイルばね343との連結部N2に対してシャッターカーテン1の側へずれている。このため、シャッターカーテン1が全開位置に達しても、コイルばね343がカーテン本体1Aを形成しているスラットと接触することをなくすことができ、また、コイルばね343が回動部材342とコイルばね343との連結部N2を中心にシャッターカーテン1の側へ揺動することを抑制できるため、この抑制により、コイルばね343がカーテン本体1Aを形成しているスラットと接触することも防止できる。
また、図36に示されているとおり、第2処理装置338の機枠349の上部には、接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ470が固定配置されている。このマイクロスイッチ470には、ばねでマイクロスイッチ470から突出する方向へ付勢されている作動部材(アクチュエータ)471が設けられており、このマイクロスイッチ470は、まぐさ16に配置された第2処理装置338の機枠349に、作動部材471が下向きに突出するように固定配置されている。マイクロスイッチ470のリード線472は、前述の制御装置327に接続されている。一方、回動部材342におけるギヤ歯342Cが形成されていない部分の外周面342Dには、ドグ部材473が取り付けられている。
マイクロスイッチ470の作動部材471は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接しない限り、回動部材342の外周面342Dに接触した状態となっている。一方、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接し、機械式結合装置339の作動で回動部材342がD方向に回動することにより、作動部材471は、ドグ部材473に当接するようになっている。
このため、本実施形態では、電気スイッチであるマイクロスイッチ470は、機械式結合装置339の作動でロック用ワイヤー336に緊張力が作用したことを回動部材342を介して検出する緊張力検出手段となっており、ロック用ワイヤー336は、緊張力作用部材となっている。そして、本実施形態では、機械式障害物検知装置335とマイクロスイッチ470とで、シャッターカーテン1の閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板301Bが図24で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段である電気式障害物検知装置を構成するものとなっている。
このように、機械式結合装置339は、シャッターカーテン1が全開位置に達している状態からシャッターカーテン1が全閉位置に達するまでの間(言い換えると、常時)、マイクロスイッチ470よりもシャッターカーテン1の閉じ移動方向側、すなわち、下側に位置するようになっている。
なお、マイクロスイッチ470は、図25に示すように、巻取軸11から繰り出されるシャッターカーテン1の厚さ方向(前後方向)中央位置を基準として、この中央位置よりも巻取軸11側、すなわち、制御装置327側に配置されている。すなわち、マイクロスイッチ470は、シャッターカーテン1の厚さ方向中央位置を基準として制御装置327と同じ側に配置されている。このため、マイクロスイッチ470及び制御装置327の修理、交換等のメンテナンス作業が容易となっている。
図34は、図24〜図26で示されている前述の自動閉鎖装置332の内部構造を示す正面図であり、図35は、この自動閉鎖装置332の内部構造を示す平面図である。自動閉鎖装置332は、火災等の災害の発生時において、図24〜図26で示されている前述の開閉機13を機械式に制御することにより、全開位置に達していたシャッターカーテン1を自動的に閉じ移動させて全閉とし、防煙性及び/又は防火性を有しているシャッターカーテン1により図24の出入口2を閉鎖するためのものである。自動閉鎖装置332は、この自動閉鎖装置332の機枠410に設けられている図34のブラケット部410Aにより、開閉機13に取り付けられている。また、図35に示されているように、自動閉鎖装置332まで、この自動閉鎖装置332を制御するための第1制御用ワイヤー411、第2制御用ワイヤー412、第3制御用ワイヤー413のそれぞれの端部が延設されている。これらの制御用ワイヤー411〜413は、前述のロック用ワイヤー336と同じく、可撓性を有する紐状部材となっていて、細長部材ともなっている。
また、これらの制御用ワイヤー411〜413は、可撓性を有するアウターケーブル414〜416の内部にスライド自在に挿通されている。このため、制御用ワイヤー411〜413はアウターケーブル414〜416により保護されている。
図36に示されているように、第1制御用ワイヤー411は第2処理装置338まで延びており、この第1制御用ワイヤー411の端部は、第2処理装置338の回動部材342に連結されている。また、図25に示されているように、第1制御用ワイヤー411及びこの第1制御用ワイヤー411が内部に挿通されたアウターケーブル414は、第2処理装置338が一部の構成要素となっている前述のユニット構造物345と開閉機13とが配置されている天井裏空間7において配線されているとともに、この天井裏空間7に存在する物体417を避けて、言い換えると、物体417を迂回して、第1制御用ワイヤー411とアウターケーブル414とが配線可能なスペースにおいて配線されている。なお、このスペースは、予め存在しているものでもよく、第1制御用ワイヤー411とアウターケーブル414の配線時において、物体417の一部を切欠したり、物体417に孔を設けたりすることにより、形成したものでもよい。
そして、このように第1制御用ワイヤー411とアウターケーブル414を物体417と干渉しないで配線することは、第1制御用ワイヤー411とアウターケーブル414が可撓性を有しているために可能である。なお、物体417は、本実施形態のシャッター装置が設置される建物自体に関係したものでよく、本実施形態のシャッター装置の一部、例えば、前述したシャッターボックス8に関係したものでもよい。
また、図36に示されているように、第1制御用ワイヤー411及びアウターケーブル414は、第2処理装置338の近くでは、第2処理装置338に対して斜めの向きとなっている。これにより、第1制御用ワイヤー411及びアウターケーブル414が、図25で示されているまぐさ16のまぐさ部材16Aとシャッターボックス8とを結合している結合部材326と干渉しないようになっている。
以上のことから、本実施形態に係るシャッター装置では、機械式結合装置339からシャッターカーテン1の開き移動方向に延びているロック用ワイヤー336は、本実施形態に係る中間装置(言い換えると、中継装置)である第2処理装置338、さらには、第1制御用ワイヤー411を介して自動閉鎖装置332に連結されている。
図34及び図35に示されているように、自動閉鎖装置332の機枠410には、互いに対向する2個の立上り部410B,410Cが設けられており、これらの立上り部410B,410Cに形成された孔410D,410Eに、2個の立上り部410B,410Cに跨る長さを有している板状のスライド部材420がスライド自在に挿入されている。このスライド部材420の外周にはばね421が巻回されており、このばね421のばね力により、スライド部材420には立上り部410B側への前進力が常時作用している。この前進力の方向は、図26で説明した開閉機13に設けられている前述のレバー部材31の第1部分331AをA方向へ移動させる方向である。
図26及び図34に示されているとおり、スライド部材420の前端に下向きに折曲形成された折曲部420Aには、作動部材422が取り付けられており、また、レバー部材31の第1部分331Aには、被作動部材423が立設結合されている。スライド部材420がばね421のばね力によって前進した場合には、作動部材422が被作動部材423に当接することにより、レバー部材31の第1部分331Aに図26で示したA方向への荷重が作用するようになっている。図34に示されているように、本実施形態では、作動部材422はボルト424の頭部424Aとなっているため、この頭部424Aを回転操作してボルト424をスライド部材420の折曲部420Aに対して進退させることにより、作動部材422と被作動部材423との間の間隔を適切な寸法に調整できる。この調整を行った後に、ボルト424に螺合させておいたロックナット425を回転操作し、このロックナット425を折曲部420Aに圧接させることにより、被作動部材423に対する作動部材422の位置を、適切な位置にして固定できることになる。
図35に示されているように、自動閉鎖装置332の機枠410には、ソレノイド426が取り付けられており、このソレノイド426のプランジャ427には、ばね428のばね力がプランジャ427をソレノイド426から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ427の先端には、中心軸429Aを中心に回動自在となっているL字形の屈曲レバー部材429の一方の端部がスライド式の連結部429Bで連結されており、トリガーレバー部材となっているこの屈曲レバー部材429の他方の端部には、ローラ430が回転自在に設けられている。
このローラ430と対面するスライド部材420の部分には凹部420Bが形成されている。この凹部420Bにおけるスライド部材420の後退側の部分は、傾斜面420Cとなっている。また、自動閉鎖装置332には、屈曲レバー部材429に中心軸429Aを中心とするG方向への回動力を付与するためのばね431と、プランジャ427を前述のばね428と共にソレノイド426から突出させる方向へ付勢し、かつ屈曲レバー部材429を中心軸429Aを中心にG方向へ回動させるばね432とが設けられており、これらのばね428,431,432のばね力により、通常時のローラ430は、図35に示されているように、凹部420Bに嵌合しており、この嵌合により、前述したばね421によるスライド部材420の前進は止められている。このように凹部420Bに嵌合したローラ430で前進が止められているときにおけるスライド部材420の前端の位置は、図35で示す3個の位置H,I,Jのうち、H位置である。
図35に示されているとおり、自動閉鎖装置332には、マイクロスイッチ435が配置され、このマイクロスイッチ435には、ばねでマイクロスイッチ435から突出する方向へ付勢されている作動部材436が設けられている。また、スライド部材420には、凹部420Bと反対側の部分において、ドグ部材437が取り付けられており、作動部材436はこのドグ部材437に当接している。
スライド部材420には、第1連結部438Aと第2連結部438Bが設けられた連結部材438が結合されており、ソレノイド426のプランジャ427の先端には連結部材440が結合されており、前述したばね432の一方の端部は、この連結部材440に連結されている。図27で示した第2処理装置338の回動部材342に一方の端部が連結されている前述の第1制御用ワイヤー411の他方の端部は、スライド部材420の連結部材438の第1連結部438Aに連結され、第2制御用ワイヤー412の端部は、プランジャ427に結合された連結部材440に連結され、第3制御用ワイヤー413の端部は、スライド部材420の連結部材438の第2連結部438Bに連結されている。
また、アウターケーブル415の内部に挿通された第2制御用ワイヤー412は、図24で示されている操作装置30まで延びており、アウターケーブル415から突出している第2制御用ワイヤー412の端部には、操作装置30に配置されているレバー部材等の手動操作部材が連結されている。さらに、アウターケーブル416の内部に挿通された第3制御用ワイヤー413は、自動閉鎖装置332が配置された前述の天井裏空間7から、建物内における手動で操作できる位置まで延びている。この位置は、本実施形態では、図24に示されているように、天井裏空間7からまぐさ16のスリット17を通過した出入口2の上部の位置となっており、アウターケーブル416から突出している第3制御用ワイヤー413の端部には、手動で第3制御用ワイヤー413を引っ張り操作できる手動操作部材441が結合されており、この手動操作部材441は、本実施形態ではリング部材となっている。
本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物において、シャッターカーテン1が全開となっているときに、火災等の災害が発生すると、この災害を検知したセンサからの信号が入力した制御装置327により、自動閉鎖装置332のソレノイド426は通電され、このソレノイド426が励磁されるため、このソレノイド426のプランジャ427は、ばね428のばね力に抗して後退する。これにより、屈曲レバー部材429は、ばね431,432のばね力に抗して中心軸429Aを中心に図35のG方向とは逆方向に回動することになる。このときの状態が図36で示されている。屈曲レバー部材429が中心軸429Aを中心にG方向とは逆方向に回動すると、屈曲レバー部材429のローラ430はスライド部材420の凹部420Bから脱出するため、スライド部材420はばね421のばね力で前進し、この前進は、連結部材438の前端が自動閉鎖装置332の機枠410の前述の立上り部410Bに当接することにより停止する。このときにおけるスライド部材420の前端の位置は、図35で示した3個の位置H,I,Jのうち、図36に示されているように、最前位置であるI位置である。
また、スライド部材420が前進すると、マイクロスイッチ435の作動部材436は、スライド部材420に取り付けられているドグ部材437の位置から外れるため、作動部材436がばねの付勢力で突出移動することによるマイクロスイッチ435からの信号により、制御装置327はソレノイド426への通電を停止する。
このソレノイド426への通電の停止により、プランジャ427はばね428のばね力でソレノイド426から突出移動し、屈曲レバー部材429はばね431,432のばね力で中心軸429Aを中心に図35のG方向へ回動する。このときのスライド部材420は、このスライド部材420の前端がI位置まで達している移動限まで前進しているため、屈曲レバー部材429のローラ430は、図34に示されているように、スライド部材420の前述した傾斜面420Cに当たる。このため、プランジャ427の突出移動、及び中心軸429Aを中心とする屈曲レバー部材429のG方向への回動は、途中で停止する。
以上のようにして自動閉鎖装置332のスライド部材420が前進すると、このスライド部材420の前端に設けられている作動部材422が、図26で示されている被作動部材423を介して開閉機13のレバー部材31の第1部分331Aを図26のA方向に押圧するため、前述したように、この第1部分331Aがレバー部材31の第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動することにより、開閉機13のブレーキ装置19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドし、これにより、それまでオンとなっていたブレーキ装置19は、オフとなる。このため、全開となっていたシャッターカーテン1は、巻取軸11よりも下側の部分の座板301B等の自重により、前述した巻取軸11を回転させながら下向きに閉じ移動することになり、開閉機13の前述した駆動軸14も駆動力伝達手段12を介して自由回転し、シャッターカーテン1が全閉となることにより、このシャッターカーテン1による防災区画が形成されることになる。
また、火災等の災害が発生したことを人が発見した場合には、この人が、図24で示した操作装置30に配置されていて、前述した第2制御用ワイヤー412の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により、第2制御用ワイヤー412を引っ張り操作する。これにより、ソレノイド426のプランジャ427は後退するため、ソレノイド426が通電、励磁される前であっても、ソレノイド426が通電、励磁されたときと同じく、屈曲レバー部材429は中心軸429Aを中心に図35のG方向とは逆方向へ回動するため、屈曲レバー部材429のローラ430はスライド部材420の凹部420Bから脱出し、スライド部材420はばね421のばね力で前進することになる。
このため、本実施形態によると、第2制御用ワイヤー412を利用した手動操作でも、開閉機13のブレーキ装置19をオフにし、全開となっていたシャッターカーテン1を閉じ移動させて全閉とすることができる。
このように、本実施形態では、第2制御用ワイヤーと、この第2制御用ワイヤー412の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材は、火災等の災害が発生したとき、手動で全開となっていたシャッターカーテン1を閉じ移動(閉鎖動作)させるための手動閉鎖装置を構成するものとなっている。
そして、本実施形態では、図24に示されているように、操作装置30は、左右の壁等の建物躯体3のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置332に近い位置となっている一方の建物躯体3Aに配置されているため、自動閉鎖装置332と操作装置30との間に架け渡されている第2制御用ワイヤー412の長さを短くできることになる。このため、他方の建物躯体3に操作装置30を配置した場合よりも、上述のレバー部材等の手動操作部材により第2制御用ワイヤー412を引っ張り操作したときの引っ張り力を自動閉鎖装置332に瞬時に入力させることができ、これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動を迅速に開始させることができる。
シャッターカーテン1が全閉位置に達し、そして、火災等の災害が解消したときには、前述した第3制御用ワイヤー413の端部を、図24で示されている手動操作部材441の操作により引っ張る。これにより、第3制御用ワイヤー413は自動閉鎖装置332のスライド部材420に連結されているため、このスライド部材420はばね421のばね力に抗して後退することになる。このため、スライド部材420は、図34に示されている位置から、前端が図35のH位置となる初期位置へ復帰することになる。また、スライド部材420がこの初期位置へ復帰するときに、屈曲レバー部材429が中心軸429Aを中心としてばね431,432のばね力で図35のG方向へ回動するため、屈曲レバー部材429のローラ430は、図35に示されているように、スライド部材420の凹部420Bに嵌合することになり、スライド部材420は、スライド部材420の前端がH位置に達した状態で停止する。これにより、自動閉鎖装置332は、火災等の災害が発生する前の初期状態に戻る。
また、スライド部材420が初期位置へ復帰すると、開閉機13のブレーキ装置19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は図26の前述したばね23でA’方向とは逆方向へ移動するため、ブレーキ装置19はオンに復帰する。この後に、操作装置30に設けられている前述の「開」ボタンを操作することにより、シャッターカーテン1は、前述したとおり、全開位置まで開き移動する。
本実施形態に係るシャッター装置では、ロック用ワイヤー336と第1制御用ワイヤー411は、第1紐状部材であり、自動閉鎖装置332には、引っ張り操作されることにより、オンとなっていたブレーキ装置19を手動によりオフとするための第2紐状部材である第2制御用ワイヤー412が接続されている。また、自動閉鎖装置332には、引っ張り操作されることにより、自動閉鎖装置332を初期状態に戻すための第3紐状部材である第3制御用ワイヤー413が接続されている。
なお、図36で示されているロック用ワイヤー336の第2部分336Cの上端に、この上端をコイルばね343に連結するためのループ部336Eを形成するための結合具336Fを設ける場合において、この結合具336Fを押し潰し加工等することにより、結合具336Fの水平断面を、シャッターカーテン1の厚さ方向に細長くなった細長形状としておくことが好ましい。これによると、図27で示す機械式結合装置339を収納するためのケース355の上面部355Bに形成されていて、第2部分336Cが出入する孔357は、結合具336Fの細長孔方向と直交するシャッターカーテン1の幅方向に長い長孔になっているため、上述したようにシャッターカーテン1が全開位置まで開き移動した際に、結合具336Fの下面が、長孔357の外側部分となっているケース355の上面部355Bに当接することにより、結合具336Fの下面が長孔357の内部に侵入してシャッターカーテン1が所定以上に開き移動することを防止できる。
前述したように、火災等の災害を検知したセンサからの信号が入力した制御装置327により自動閉鎖装置332のソレノイド426が通電、励磁され、あるいは、第2制御用ワイヤー412の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材により第2制御用ワイヤー412が引っ張り操作され、これにより、開閉機13のブレーキ装置19がオフとなって、シャッターカーテン1が全開位置から下向きに閉じ移動しているときに、言い換えると、自動閉鎖装置332が図34で示した状態になっているときに、閉じ移動方向であるシャッターカーテン1の下側に図24で示す障害物34が存在している場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン1の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部371Bが、言い換えると、シャッターカーテン1の座板301Bの下側部分を形成している前述の可動部370Bが障害物34に当接し、この可動部370Bの下降が停止する。
可動部370Bの下降が停止しても、カーテン本体1Aと、座板301Bのうちの前述した固定部370Aとで構成される前述のカーテン主部371Aは、下降するため、この下降で生ずるカーテン主部371Aに対するカーテン副部371Bの相対的な上昇により、図35等で説明したように、前述した機械式結合装置339の第1レバー部材361と第2レバー部材362は、摩擦部材367,368において、ロック用ワイヤー336の前述した折り返し部336Aを挟着し、この挟着によりロック用ワイヤー336をロックする。これにより、シャッターカーテン1と、本実施形態に係る架け渡し部材となっているロック用ワイヤー336とが、機械式結合装置339により機械式に結合された状態となる。
それまでのロック用ワイヤー336は、シャッターカーテン1の閉じ移動に追従して前述の第1処理装置337のリール340から繰り出されており、ロック用ワイヤー336の折り返し部336Aが摩擦部材367,368で挟着され、ロック用ワイヤー336がロックされると、障害物34のへこみ変形に基づき、折り返し部336Aで折り返された状態になっているロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cには、カーテン副部371Bよりも上側のシャッターカーテン1の部分の重量、すなわち、カーテン主部371Aの重量が作用するため、ロック用ワイヤー336には、特に、第2部分336Cには、大きな緊張力が作用する。
そして、ロック用ワイヤー336の折り返し部336Aは、図35に示されているように、第1レバー部材361と第2レバー部材362に設けられた摩擦力が大きい摩擦部材367,368で挟着、ロックされるため、これらの摩擦部材367,368により、ロック用ワイヤー336が第1レバー部材361と第2レバー部材362に対して滑り移動することを阻止することができる。また、本実施形態では、第1レバー部材361と第2レバー部材362の揺動中心軸となっている前述の軸363は、第1レバー部材361と第2レバー部材362について共通化されているため、部材点数の削減により機械式結合装置339の構造を簡単化できるとともに、摩擦部材367,368同士の位置関係を適切に設定できることになり、このため、ロック用ワイヤー336の上記の折り返し部336Aを摩擦部材367,368で一層確実に挟着、ロックできるようになっている。
さらに、障害物34へのシャッターカーテン1の当接が、前述の機械式結合装置339が配置された位置の下側で行われず、この機械式結合装置339の配置位置の下側からシャッターカーテン1の幅方向にずれた位置で行われ、このため、シャッターカーテン1における機械式結合装置339が配置された部分がシャッターカーテン1の閉じ方向へ少し移動しようとした場合には、第1処理装置337のリール340から繰り出されているロック用ワイヤー336は、摩擦部材367,368で挟着されている箇所が第1部分336B側から第2部分336C側へ移行するための移動を行おうとするが、この移動方向とは反対方向へ摩擦部材367,368の間隔は次第に小さくなっているため、ロック用ワイヤー336が第1レバー部材361と第2レバー部材362に対して滑り移動することを一層有効に阻止することができる。
また、本実施形態では、ロック用ワイヤー336の折り返し部336Aが摩擦部材367,368で挟着、ロックされるときには、図35で示されているように、折り返し部336Aには、前述した複数個のガイド部材360のうちの1個のガイド部材360Aや、第2レバー部材362により、直線状となっていない迂回部336Gが形成されるようになっている。このため、障害物34がへこみ変形しない又は殆どへこみ変形しない硬質の物体であっても、ロック用ワイヤー336に迂回部336Gが形成されることにより、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cを引っ張ることができ、これにより、この第2部分336Cに大きな緊張力を作用させることができる。
以上のようにして、ロック用ワイヤー336が第1レバー部材361と第2レバー部材362に対して滑り移動することが摩擦部材367,368により阻止されて、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cに大きな緊張力が作用すると、図36で示した第2処理装置338の回動部材342は、この緊張力により、前述した戻しばね400に抗して図36のD方向に回動し、この回動量は、前述のストップ部材401が挿入されている円弧状の長孔342Bの長さに応じたものとなる。このときの回動は、ロータリー式のダンパー402のピニオンギヤ403をF方向に回転させるが、このF方向へのピニオンギヤ403の回転では、前述したとおり、ダンパー402に粘性流体による抵抗力は発生しない。このため、第2部分336Cに作用した緊張力により回動部材342は高速でD方向へ回動することになり、この回動部材342に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー411は引っ張られることになる。
なお、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cは回動部材342に直接連結されておらず、これらの第2部分336Cと回動部材342との間には衝撃荷重緩衝用弾性部材となっている前述のコイルばね343が介設されているため、第2部分336Cに上述の大きな緊張力が瞬間的に作用しても、この緊張力が回動部材342に直接作用することはなく、緊張力を緩和させて回動部材342に作用させることができる。
また、回動部材342のD方向への回動量が円弧状の長孔342Bに挿入されているストップ部材401で規定される限界値に達したときにも、コイルばね343による衝撃荷重緩衝作用により、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cと回動部材342との間で大きな衝撃荷重が伝播をすることを防止することができる。
上述のように第1制御用ワイヤー411が引っ張られると、この第1制御用ワイヤー411の他方の端部は、図34で示されているスライド部材420に連結されているため、スライド部材420はばね421に抗しながら後退する。第1制御用ワイヤー411が引っ張られる量及びスライド部材420が後退する量は、図36で示した回動部材342の長孔342Bの長さで規定されている量であるため、前端が図35及び図34で示すI位置まで達していたスライド部材420は、スライド部材420の前端の位置が図35のH位置となる後退限まで後退せず、前端の位置がJ位置となる位置、すなわち、H位置とI位置との中間の位置で停止する。このときの状態が図35に示されている。このときの屈曲レバー部材429のローラ430が当接しているスライド部材420位置は、図34のときよりも、スライド部材420のスライド方向であるスライド部材420の長さ方向へ移動しているが、ローラ430は、前述した傾斜面420Cにまだ当接している。
また、このときのスライド部材420の前端の位置は、I位置からJ位置へ後退しているため、このスライド部材420の作動部材422によって図26及び図34のレバー部材31の第1部分331Aが図26のA方向に押圧されていた荷重は、解除されることになる。このため、開閉機13のブレーキ装置19は、オフからオンに切り替えられることになる。そして、このブレーキ装置19のオンにより、開閉機13の前述の駆動軸14は回転できないため、シャッターカーテン1の上端が結合されている巻取軸11も回転することはできない。
したがって、障害物34に当接したシャッターカーテン1は、その当接位置で閉じ移動を停止することになる。この停止は、ロック用ワイヤー336を摩擦部材367,368でロックする第1レバー部材361と第2レバー部材362を備えた前述の機械式結合装置339や、同じく機械式となっている第2処理装置338、さらには機械式にスライドする自動閉鎖装置332の部材となっているスライド部材420、機械式にオンとなる開閉機13のブレーキ装置19等により構成されている機械式構造によって行われる。このため、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始した後に、火災等の災害の発生を原因として、あるいは、他の理由を原因として、本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物が停電になっても、閉じ移動中に障害物34に当接したシャッターカーテン1を停止させることができる。
また、本実施形態では、図24で説明したように、前述した機械式障害物検知装置335を構成している機械式結合装置339とユニット構造物345は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、この中央位置Bから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置332が配置されている一方の側へ変位している位置に配置されている。このため、第2処理装置338と自動閉鎖装置332との間に配線されている第1制御用ワイヤー411の長さを短くすることができる。したがって、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときには、第1制御用ワイヤー411に作用する前述の緊張力を瞬時に自動閉鎖装置332に入力させることができ、これにより、開閉機13のブレーキ装置19を迅速にオンにすることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るシャッター装置では、機械式結合装置339は、シャッターカーテン1に配置された一対の挟着部材となっている第1及び第2レバー部材361,362を備え、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに一対の第1及び第2レバー部材361,362が紐状部材であるロック用ワイヤー336を挟着することにより、このロック用ワイヤー336に、スライド部材420をスライドさせてブレーキ装置19をオンとするための緊張力が作用する。
なお、例えば、ユニット構造物345と自動閉鎖装置332との間に大きな物体が存在するなどの理由により、当該箇所に第1制御用ワイヤー411を配線できる充分なスペースがなく、このため、ユニット構造物345の第2処理装置338と自動閉鎖装置332との間に、長さを短くした第1制御用ワイヤー411を配線することが不可能又は困難である場合には、まぐさ16におけるユニット構造物345を配置する位置を上記の位置から変更し、これにより、第2処理装置338と自動閉鎖装置332との間で第1制御用ワイヤー411を、この第1制御用ワイヤー411を配線できるスペースを通すことにより、配線するようにしてもよい。これによってユニット構造物345が配置されるまぐさ16における位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置332が配置されている上記の一方の側とは反対側の位置へ移行させ、ユニット構造物345等で構成されている上述の機械式障害物検知装置335の配置位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに対して図24で示されている位置とは反対の位置、言い換えると、開閉機13及び自動閉鎖装置332から中央位置Bよりもさらに遠い位置としてもよい。
以上のようにして閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、開閉機13のブレーキ装置19がオンになった後に、障害物34が除去されると、シャッターカーテン1のカーテン副部371Bが下降するため、機械式結合装置339の第1レバー部材361と第2レバー部材362の摩擦部材367,368によるロック用ワイヤー336の挟着、ロックは解除され、機械式結合装置339によるシャッターカーテン1とロック用ワイヤー336との機械式結合状態も解除される。これにより、ロック用ワイヤー336の緊張力は消滅し、このため、図16の戻しばね400による戻し力が作用している第2処理装置338の回動部材342は、図36のC方向に回動し、この回動により、第1制御用ワイヤー411によって後退方向へ引っ張られていた自動閉鎖装置332のスライド部材420は、前端の位置が図35で示すJ位置から図34で示すI位置へ移行する前進をばね421により行う。このため、開閉機13のブレーキ装置19は、オンからオフへ再度切り替られ、シャッターカーテン1は閉じ移動を再開することとなる。
また、第2処理装置338の回動部材342が図36のC方向に回動するときには、ロータリー式のダンパー402のピニオンギヤ403はE方向に回転し、このE方向についてはダンパー402に粘性流体による抵抗力が生ずる。このため、スライド部材420の前端の位置が図35で示すJ位置から図34で示すI位置へ移行すること、及びこの移行により開閉機13のブレーキ装置19がオンからオフへ切り替られることは、ダンパー402の遅延作用により、瞬時に行われない。したがって、障害物34の除去によりシャッターカーテン1が閉じ移動を再開することは、障害物34の除去から時間遅れをもって開始されることになり、このため、障害物34の除去作業を時間的余裕をもって行うことができる。
この説明で分かるように、第2処理装置338に配置されている2個のロータリー式のダンパー402は、上述の遅延を生じさせるための遅延装置となっている。
すなわち、本実施形態に係るシャッター装置では、ダンパー402は、中間装置となっている第2処理装置338の作動、すなわち、第2処理装置338の回動部材342の回動を遅延させるものとなっている。
なお、この遅延装置のダンパー402からの粘性流体の漏れがあっても、この粘性流体が図27で示すユニット構造物345から落下することを防止するために、例えば、ユニット構造物345のベース部材344の周囲に立ち上り壁を設けることにより、このベース部材344を皿形状としてもよい。
また、この遅延装置は、ダンパー402の代わりに、例えば、ぜんまい式タイマーを含む機械式手段を採用したものとしてもよい。この機械式手段によると、粘性流体式ダンパー402と異なり、環境温度に影響されることなく遅延時間をより正確に設定することができる。
そして、シャッターカーテン1が全閉となった後において、第3制御用ワイヤー413を、図24で示した手動操作部材441で引っ張ることにより、自動閉鎖装置332のスライド部材420は、前端の位置が図35のH位置に戻る復帰移動を行うため、自動閉鎖装置332の全体は図35の初期状態に復帰する。
なお、第3制御用ワイヤー413を図24で示した操作装置30まで延長することにより、第3制御用ワイヤー413の端部を、操作装置30に配置されたレバー部材等の手動操作部材、又は操作装置30に配置されたスイッチ操作式の電動モータで回転する回転部材であって、第3制御用ワイヤー413を繰り出し自在に巻き取るための巻取部材に連結してもよい。これにより、第3制御用ワイヤー413を上記手動操作部材又は上記電動モータで回転する上記巻取部材で引っ張ることができるようにしてもよい。
以上説明した本実施形態では、前述したように、ロック用ワイヤー336の第1部分336Bと第2部分336Cの両方が、機械式結合装置339が配置されている固定部370Aを除くカーテン主部371Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部371Aと干渉していないため、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された架け渡し部材となっていて、本実施形態における機械的部材となっているロック用ワイヤー336は、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、この開閉移動を阻害することはなく、この開閉移動を円滑に行わせることができる。
また、本実施形態では、ロック用ワイヤー336が、第1部分336Bと第2部分336Cの両方について、シャッターカーテン1の固定部370Aを除くカーテン主部371Aから離れているため、シャッターカーテン1が開閉移動しても、ロック用ワイヤー336の全体が固定部370Aを除くカーテン主部371Aに対して擦れることはなく、このため、ロック用ワイヤー336の全体と、固定部370Aを除くカーテン主部371Aとが、損傷することを防止することができる。
また、本実施形態によると、図25で説明したように、シャッターカーテン1は天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17を通って天井部材5の下側に垂下され、ロック用ワイヤー336の第1及び第2部分336B,336Cは天井部材5の上下に跨る長さを有しているとともに、これらの第1及び第2部分336B,336Cは、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されているため、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、まぐさ16に対するロック用ワイヤー336の円滑な移動を保障することができる。
さらに、ロック用ワイヤー336の第1及び第2部分336B,336Cは、まぐさ16と干渉しないため、ロック用ワイヤー336とまぐさ16の両者が損傷することを防止することができる。
以上の説明は、本実施形態に係るシャッター装置が防災用シャッター装置として機能する場合におけるシャッター装置の動作の説明であった。
次に、本実施形態に係るシャッター装置が管理用シャッター装置として機能する場合におけるシャッター装置の動作の説明をする。
通常時において、全開となっているシャッターカーテン1を閉じ移動させるためには、図24で示した操作装置30の「閉」ボタンを操作することにより、電動によりシャッターカーテン1を閉じ移動させる。一方、全閉となっているシャッターカーテン1を開き移動させるためには、操作装置30の「開」ボタンを操作することにより、電動によりシャッターカーテン1を開き移動させる。このように、本実施形態に係るシャッター装置が、出入口2を開閉するための管理用(開口部用)シャッター装置として動作する場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動は、操作装置30の「閉」ボタンの操作で行われるものであり、前述した自動閉鎖装置332の作動や、前述した第2制御用ワイヤー412の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材による第2制御用ワイヤー412の引っ張り操作等では行われない。このため、通常時(言い換えると、平常時)、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始したときの自動閉鎖装置332の状態は、図34及び図35に示されている状態となる。
閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合には、前述した非常時の場合と同じく、機械式結合装置339の第1レバー部材361と第2レバー部材362は、摩擦部材367,368において、ロック用ワイヤー336の部分336Aを挟着、ロックするため、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cには、下向きの緊張力が作用することになる。
これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動は、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cに作用する緊張力で停止することになる。また、これにより、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cの端部がコイルばね343を介して結合されている第2処理装置338の回動部材342が、図36に示すD方向に回動することになる。前述したように、回動部材342に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー411の他方の端部は、スライド部材420の連結部材438の第1連結部438Aに連結されているため(図35参照)、回動部材342がD方向に回動することにより、第1制御用ワイヤー411は引っ張られることになる。図35に示されているように、第1制御用ワイヤー411が引っ張られる前のスライド部材420の幅広部420Dの後端部420Eと、屈曲レバー部材429のローラ430との間には、隙間476が形成されている。このため、第1制御用ワイヤー411が引っ張られることにより、スライド部材420は、隙間476分だけ後退可能となっている。前述したように、回動部材342の回動量は、ストップ部材401が挿入されている円弧状の長孔342Bの長さに応じたものとなっており、スライド部材420の後退距離(移動量)は、回動部材342の回動量と略一致している。このため、スライド部材420の後退は、幅広部420Dの後端部420Eがローラ430に当接した直後に停止する。したがって、スライド部材420がローラ430を押圧する力はほとんどなく、このローラ430がスライド部材420の後退によって損傷するおそれはない。
前述したように、図36は、シャッターカーテン1が障害物34に当接していないときの第2処理装置338を示す図であるが、このとき、第2処理装置338の機枠349の上部に固定配置されているマイクロスイッチ470の作動部材471は、回動部材342の外周面342Dに接触した状態、すなわち、マイクロスイッチ470が作動していない状態となっている。一方、図36は、シャッターカーテン1が障害物34に当接することにより、回動部材342がD方向に回動したときの第2処理装置338を示す図である。この図36に示されているように、回動部材342がD方向に回動することにより、マイクロスイッチ470の作動部材471は、回動部材342に取り付けられているドグ部材473に当接する(乗り上げる)。このため、ばねの付勢力で下向きに突出していたこの作動部材471は没入することになり、マイクロスイッチ470が作動した状態となる。すなわち、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cに緊張力が作用したことを検出した状態、言い換えると、障害物34を電気的に検知した状態となる。
このため、本実施形態に係るシャッター装置には、前述したように、機械式障害物検知装置335の他に、この機械式障害物検知装置335とマイクロスイッチ470とにより、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中における障害物34の検知を電気式に行う電気式障害物検知装置が備えられている。すなわち、この電気式障害物検知装置474は、通常時におけるシャッターカーテン1の電動降下中の障害物34との当接の検知を行う通常時障害物検知手段となっている。これに対して、機械式障害物検知装置335は、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中の障害物34との当接の検知を行う非常時障害物検知手段となっている。また、マイクロスイッチ470は、緊張力作用部材であるロック用ワイヤー336に緊張力が作用したことを検出する緊張力検出手段となっている。
マイクロスイッチ470は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した後から、このシャッターカーテン1の閉じ移動が機械式シャッターカーテン停止装置により停止されるまでの間には作動するようになっている。
なお、マイクロスイッチ470は、図24に示すシャッターカーテン1の幅方向(左右方向)の中央位置Bに配置されておらず、中央位置Bからシャッターカーテン1の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置、すなわち、開閉機13が配置されている側の位置に配置されている。
マイクロスイッチ470が作動することにより、このマイクロスイッチ470のリード線472が接続されている図示しない前述の制御装置327には、障害物34を検知した旨の障害物検知信号が入力される。これにより、シャッターカーテン1に当接した障害部34との当接(衝突)を回避するための制御装置327による以下の制御が行われる。
まず、開閉機13の電動モータ装置18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ装置18の正駆動は停止する。この後、開閉機13のブレーキ装置19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ装置19がオンにされる。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下を停止する。
この後、開閉機13のブレーキ装置のソレノイド24を再度通電する制御が行われると共に、開閉機13の電動モータ装置18のコイル25を再度通電する制御が行われる。これにより、電動モータ装置18は逆駆動(逆回転)する。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇(開き移動)、言い換えると、反転上昇を行う。
シャッターカーテン1が電動上昇している途中で、図示しない全開リミットスイッチが作動した場合には、開閉機13の電動モータ装置18のコイル25の通電を遮断する制御(電動モータ手段装置の逆駆動を停止する制御)が行われるとともに、開閉機13のブレーキ装置19のソレノイド24の通電を遮断する制御(ブレーキ装置19をオンにする制御)が行われる。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する。
一方、シャッターカーテン1が電動上昇している途中で、全開リミットスイッチが作動していない場合には、シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから第1所定時間T1が経過するまで、シャッターカーテン1の電動上昇は継続される。シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから第1所定時間T1が経過したかどうかは、制御装置327に備えられている図示しないタイマー回路によりカウントされる時間で判定される。
シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから第1所定時間T1が経過した場合には、開閉機13の電動モータ装置18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ装置18の逆駆動は停止する。この後、開閉機13のブレーキ装置19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ装置19がオンにされる。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する。
本実施形態では、シャッターカーテン1の電動上昇を停止させた後、第2所定時間T2が経過した後に、再び電動降下を開始させるようになっている。すなわち、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから第2所定時間T2が経過するまでは、シャッターカーテン1の停止が継続される。一方、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから第2所定時間T2が経過した場合には、前述したシャッターカーテン1を電動降下させる制御が行われる。なお、シャッターカーテン1が電動上昇を停止してから第2所定時間T2が経過したかどうかは、前記タイマー回路によりカウントされる時間で判定される。
本実施形態において、タイマー回路によりカウントされる第1及び第2所定時間T1,T2は任意に設定することができ、T1とT2が同じとなるようにしてもよい。
なお、障害物34に当接したシャッターカーテン1が電動上昇することにより、カーテン副部371Bは障害物34から離れていくため、カーテン副部371Bがカーテン主部371Aに対して相対的に下降する。これにより、図36に示された状態にあった回動部材342は、戻しばね400による戻し力によりC方向に回動するため、回動部材342に取り付けられているドグ部材473との当接で没入していた第2処理装置338のマイクロスイッチ470の作動部材471は、再び突出した状態となる(図36参照)。この結果、マイクロスイッチ470の作動は解除されることになる。すなわち、電気式障害物検知装置474の障害物検知状態は解除されることになる。
電動上昇させたシャッターカーテン1を再び電動降下させたときにおいて、障害物34がまだ除去されていない場合には、第2処理装置338のマイクロスイッチ470が再度作動することになるので、制御装置327による前述したシャッターカーテン1を電動上昇させる制御が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係るシャッター装置が管理用シャッター装置として機能する場合には、シャッターカーテン1が全開となっているときに、図24で示した操作装置30の「閉」ボタンが操作されることによりシャッターカーテンが閉じ移動を開始し、この閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合にも、機械式結合装置339の第1レバー部材361と第2レバー部材362は、摩擦部材367,368において、ロック用ワイヤー336の折り返し部336Aを挟着、ロックし、機械式結合装置339がシャッターカーテン1とロック用ワイヤー336とを機械式に結合するため、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cには、下向きの緊張力が作用することになる。
そして、このようにシャッターカーテン1の閉じ移動を、操作装置30の「閉」ボタンを操作されることにより行った場合には、ロック用ワイヤー336の第2部分336Cの緊張力は、第2処理装置338の回動部材342と、第1制御用ワイヤー411とを介して自動閉鎖装置332のスライド部材420に作用することになる。このときのスライド部材420の凹部420Bには、前述の屈曲レバー部材429のローラ430が嵌合されているため、シャッターカーテン1の閉じ移動を、シャッターカーテン1が障害物34のへこみ変形等で少し下降した後に、停止させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るシャッター装置は、管理用シャッター装置としての機能と防災用シャッター装置としての機能の両方の機能を有しており、遅延装置となっているダンパー402は、防災用シャッター装置としての機能だけのためのものとなっている。
また、本実施形態に係るシャッター装置では、このシャッター装置が管理用シャッター装置として機能しているとき、ロック用ワイヤー336に緊張力が作用したことを検出するための検出手段であるマイクロスイッチ470が設けられており、このマイクロスイッチ470は、第2処理装置338に配置されているダンパー402の近傍に設けられている。
以上説明したように、図24〜図36に示されている本実施形態に係るシャッター装置は、開閉移動自在となっているシャッターカーテン1と、オン、オフすることによりシャッターカーテン1を停止、移動可能とするためのブレーキ装置19を有する開閉機13と、ブレーキ装置19をオン、オフ切り替えるためにスライド自在となっているスライド部材420を有し、開閉機13を機械式に制御するための機械式制御装置である自動閉鎖装置332と、シャッターカーテン1に配置されていて、シャッターカーテン1が閉じ移動の途中でこのシャッターカーテン1の移動経路に存在する障害物34に当接したときに、シャッターカーテン1と紐状部材であるロック用ワイヤー336とを機械式に結合することにより、このロック用ワイヤー336に、スライド部材420をスライドさせてブレーキ装置19をオンとするための緊張力をシャッターカーテン1の自重により作用させる機械式結合装置339と、障害物34の除去によりスライド部材420がブレーキ装置19をオンからオフに切り替えてシャッターカーテン1が閉じ移動を再開することを、障害物34の除去から時間遅れをもって開始させるための遅延装置であるダンパー402と、を備えたものとなっている。
本実施形態では、機械式結合装置339から延びるロック用ワイヤー336と、このロック用ワイヤー336と第2処理装置338で連結されて自動閉鎖装置332まで延びる第1制御用ワイヤー411は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、機械式結合装置339によってシャッターカーテン1と機械式に結合されてシャッターカーテン1の自重による緊張力が作用する紐状部材となっている。
本実施形態では、ロック用ワイヤー336が繰り出され、巻き取られる第1処理装置337のリール340に不具合が生じた場合には、このロック用ワイヤ336に弛みが生じるおそれがあり、これと同時に、このロック用ワイヤー336と第2処理装置338で連結されて自動閉鎖装置332まで延びる第1制御用ワイヤー411にも弛みが生じるおそれがある。これにより、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、開閉機13を機械式に制御するための機械式制御装置である自動閉鎖装置332が正常に動作せず、閉じ移動中のシャッターカーテン1を停止させることができないおそれがある。
また、本実施形態では、ロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411が、経年劣化により切断し、あるいは人為的に切断されるおそれがある。これにより、上述したように、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、開閉機13を機械式に制御するための機械式制御装置である自動閉鎖装置332が正常に動作せず、閉じ移動中のシャッターカーテン1を停止させることができないおそれがある。
このため、本実施形態では、前述の実施形態と同様に、図36で示されているように、ロック用ワイヤー336と第1制御用ワイヤー411の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっているマイクロスイッチ270,280が備えられている。この図36から分かるように、マイクロスイッチ270は、ロック用ワイヤー336の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっており、マイクロスイッチ280は、第1制御用ワイヤー411の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段となっている。
本実施形態では、マイクロスイッチ270は、図27や図36から分かるように、第2処理装置338の機枠349の左右の側部349B,349Cのうち、右側部349Cの内側面部に取り付けられており、マイクロスイッチ280は、アウターケーブル414の端部を支持するための機枠349の支持部349Dに取り付けられているが、マイクロスイッチ240,250の取付構造は任意なものでよい。
マイクロスイッチ270,280は、共に前述の実施形態のマイクロスイッチ240,250と同じ形式、構造を有しているとともに、前述の実施形態のマイクロスイッチ240,250と同じ動作を行うものとなっている。
すなわち、ロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411が弛み状態でも切断状態でもない正常状態となっているときにオフ(あるいはオン)となっていたマイクロスイッチ270,280の内部のスイッチは、ロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411が弛み状態又は切断状態となることによりオン(あるいはオフ)となり、これにより、前述の制御装置327(図24参照)へは、ロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411が弛み状態又は切断状態である旨の制御信号が伝達されることになる。この制御信号が伝達された制御装置327は、図24に示す警報器260のスピーカーからロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411が弛み状態又は切断状態である旨のアラーム音や人間の合成音等を発生させる制御を実行することになる。
なお、マイクロスイッチ270,280と制御装置327とを接続するリード線の表示は省略されているが、それぞれのリード線の配線構造は任意なものでよい。
以上説明したように、本実施形態に係るシャッターカーテン停止装置においても、紐状部材であるロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411の弛み状態又は切断状態を検出するための検出手段であるマイクロスイッチ270,280が備えられている。
このため、本実施形態によると、ロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411が弛み状態又は切断状態となることによってロック用ワイヤー336や第1制御用ワイヤー411にシャッターカーテン1の自重による緊張力が作用しなくなるというシャッターカーテン停止装置の不具合を事前にあるいは即時に検出することが可能となる。
このように、本実施形態によると、シャッターカーテン停止装置の不具合が事前にあるいは即時に分かるようになる。
また、前述の実施形態と同様に、本実施形態では、マイクロスイッチ270,280は、図25、図27及び図36から分かるように、シャッターカーテン1により開閉される開口部である出入口2の上辺を形成し、開閉移動するシャッターカーテン1がスライド自在に通過するまぐさ部材16,17よりも上方に配置されている。言い換えると、マイクロスイッチ240,250は、図25、図27及び図36から分かるように、天井部材5よりも上方、すなわち、天井裏空間に配置されている。
このため、本実施形態によると、前述の実施形態と同様に、マイクロスイッチ270,280を外部から保護できるようになる。
また、本実施形態では、図2から分かるように、機械式結合装置339から上方に延びている紐状部材であるロック用ワイヤー336は、中間装置である第2処理装置338を介して機械式制御装置である自動閉鎖装置332に連結されている。そして、検出手段であるマイクロスイッチ270,280は、本実施形態に係る中間装置となっている第2処理装置338の近傍に配置されている。
なお、以上説明した検出手段であるマイクロスイッチ240,250,270,280は、ロック用ワイヤーや第1制御用ワイヤーの弛み状態又は切断状態を検出することができれば、任意な箇所に配置してよい。
また、以上説明した各実施形態では、検出手段は、接触式センサであるマイクロスイッチであったが、この検出手段は、ロック用ワイヤーや第1制御用ワイヤーと接触することなく、ロック用ワイヤーや第1制御用ワイヤーの弛み状態又は切断状態を検出する非接触式センサでもよい。