JP4639949B2 - インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、被記録媒体にインクを吐出するインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法に関する。
インクが吐出される複数のノズルと、各ノズルに連通する複数の圧力室とが形成されたインクジェットヘッドにおいては、その内部に気泡や劣化したインクが残留することによってインクの吐出性能が低下することがあるため、気泡や劣化したインクを外部に排出するパージ動作を行う必要がある。そこで、パージ動作を行うために、インクジェットヘッドに供給するインクを貯溜するインクタンク、所定の圧力を有する空気を貯溜する空気タンク及び空気タンクに空気を供給する空気ポンプを有するインクジェットプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。このインクジェットプリンタにおいては、パージ時に、まず、空気タンクとインクタンクとの間に取り付けられたバルブが閉じられた状態で空気ポンプから空気が供給されることによって空気タンク内の空気圧が所定の値とされる。続いて、バルブが開かれることによって、空気タンク内の空気(加圧エア)が瞬時にインクタンクに供給される。これにより、インクタンク内の空気圧が上昇して、インクタンクのインクが勢いよくインクジェットヘッドに供給される。インクジェットヘッドに勢いよくインクが供給されることによって、インクジェットヘッド内部に滞留する気泡や劣化したインクがノズルから強制的に排出される。
特開2004−58348号公報(図1)
上述したインクジェットプリンタでは、空気ポンプは、空気タンク内の空気圧がインク残量の多寡によらない所定値となるまで動作する。したがって、インクタンク内のインク残量が基準量(バルブを開いた直後にインクタンク内の空気圧が所望値となるときのインク残量)よりも多いときには、バルブを開いた直後のインクタンク内の空気圧が所望値よりも高くなるため過剰にインクが排出される。逆に、インクタンク内のインク残量が基準量よりも少ないときには、バルブを開いた直後のインクタンク内の空気圧が所望値よりも低くなるため、インクジェットヘッドに供給されるインク量が不足し、気泡や劣化したインクが排出されにくくなる。
本発明の目的は、パージ動作においてインクが無駄に消費されるのを抑制しつつ、気泡や粘度が高くなるなどインク特性が変化してしまったインクを排出することが可能なインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの制御方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のインクジェットプリンタは、インク流入口を有するインク流入流路、及び、それぞれが前記インク流入流路と連通していると共に圧力室を経てノズルに至る複数の個別インク流路が形成されたインクジェットヘッドと、貯溜しているインクが流出するインク流出口及び空気が流入する空気流入口が形成されたインクタンクと、前記インク流入口及び前記インク流出口に接続されたインク供給流路と、空気が流出する空気流出口及び空気が流入する空気供給口が形成された空気タンク並びに前記空気供給口を介して前記空気タンクに空気を供給する空気ポンプを有する空気供給装置と、前記空気流入口及び前記空気流出口に接続された空気供給流路と、前記空気供給流路に取り付けられており、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させる開状態と、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させない閉状態とを取り得る空気バルブと、前記インク供給流路に取り付けられており、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させる開状態と、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させない閉状態とを取り得るインクバルブとを備えている。さらに、前記インクタンクに貯溜されているインク量を検知するインク量検知手段と、前記インク量検知手段が検知したインク量に基づいて、前記インクタンク内の空気圧を所定値とするために必要とされる動作条件を決定する動作条件決定手段と、前記動作条件決定手段が決定した前記動作条件にしたがった動作が行われるように制御を行う動作制御手段とを備えている。前記動作条件決定手段が、前記動作条件として、前記空気バルブの開閉タイミングと、前記空気バルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件と、前記インクバルブの開閉タイミングと、前記インクバルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件とを決定する。
また、本発明のインクジェットプリンタの制御方法は、インク流入口を有するインク流入流路、及び、それぞれが前記インク流入流路と連通していると共に圧力室を経てノズルに至る複数の個別インク流路が形成されたインクジェットヘッドと、貯溜しているインクが流出するインク流出口及び空気が流入する空気流入口が形成されたインクタンクと、前記インク流入口及び前記インク流出口に接続されたインク供給流路と、空気が流出する空気流出口及び空気が流入する空気供給口が形成された空気タンク並びに前記空気供給口を介して前記空気タンクに空気を供給する空気ポンプを有する空気供給装置と、前記空気流入口及び前記空気流出口に接続された空気供給流路と、前記空気供給流路に取り付けられており、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させる開状態と、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させない閉状態とを取り得る空気バルブと、前記インク供給流路に取り付けられており、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させる開状態と、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させない閉状態とを取り得るインクバルブとを備えたインクジェットプリンタの制御方法である。そして、前記インクタンクに貯溜されているインク量を検知するインク量検知工程と、前記インク量検知工程において検知されたインク量に基づいて、前記インクタンク内の空気圧を所定値とするために必要とされる動作条件を決定する動作条件決定工程と、前記動作条件決定工程において決定された前記動作条件にしたがった動作が行われるように制御を行う動作制御工程とを備えている。前記動作条件決定工程において、前記動作条件として、前記空気バルブの開閉タイミングと、前記空気バルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件と、前記インクバルブの開閉タイミングと、前記インクバルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件とをさらに決定する。
本発明によると、インクタンクのインク量に基づいて動作条件を決定しているため、インクタンクに貯溜されているインク量の多寡にかかわらず、インクの無駄な消費を抑制しつつ気泡や劣化したインクを排出することができる。
また、空気バルブが開状態となった直後に空気タンクにおいて圧力を調整された空気がインクタンク内に流入するため、インクタンク内の空気圧が瞬時に所望値になる。これにより、インクタンクから効率よくインクを流出させることができ、インクが一層無駄に消費されにくくなる。さらに、インクタンク内の空気圧が所望値になってからインクタンクからインクを流出させることができるため、インクタンクからより効率よくインクを流出させることができる。
この場合、前記空気バルブが、前記閉状態の一部として、前記インクタンクと大気とを連通させる開放状態を取り得、前記動作条件決定手段が、前記動作条件として、前記空気バルブの開閉タイミングと、前記空気バルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件と、前記空気バルブを開放状態とするタイミングとを決定することがより好ましい。これによると、空気バルブが開放状態になるとインクタンク内の空気圧が直ちに大気圧となって、インクタンクからのインク流出も直ちに停止する。したがって、インクが一層無駄に消費されにくくなる。
加えて、前記インクジェットヘッド、前記インクタンク及び前記インク供給流路をそれぞれ複数備えていてもよい。このとき、前記空気供給流路が、複数の前記空気流入口と前記空気流出口とに接続されている。そして、前記空気バルブは、前記開状態において、複数の前記インクタンクの少なくとも1つと前記空気タンクとを連通させ、前記閉状態において、複数の前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させない。これによると、空気バルブ及び空気供給装置(空気タンク、空気ポンプ)が複数のインクジェットヘッドに対して兼用されているため、インクジェットプリンタの低コスト化及び小型化を図ることができる。
また、本発明においては、前記インク量検知手段が、前記ノズルからのインク消費量を加算することに基づいて、前記インクタンクに貯溜されているインク量を決定することがより一層好ましい。これによると、インクタンクに貯溜されているインク量を検知するための装置を備える必要がなくなる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明に係る第1の実施の形態のインクジェットプリンタの概略構成図である。インクジェットプリンタ101は、インク滴を吐出することによって被記録媒体上に所望の画像を形成するものであり、図1に示すように、4つのインクジェットヘッド1と、各インクジェットヘッド1に対応する4つのインクタンク45と、空気タンク46と、空気ポンプ47と、切換ユニット(空気バルブ)48と、制御装置83とを有している。
インクジェットヘッド1は、図示しない搬送装置に搬送されている被記録媒体搬送方向に直交する方向に移動し、被記録媒体上にインク滴を吐出するシリアル式のヘッドである。4つのインクジェットヘッド1は、各々がシアン、イエロー、マゼンタ、及びブラックの互いに異なるいずれかのインク滴を吐出するように構成されている。つまり、インクジェットプリンタ101はカラー式のインクジェットプリンタである。
図2及び図3を参照しつつインクジェットヘッド1について詳細に説明する。図2は、インクジェットヘッド1の外観斜視図である。図3は、図2に示す矢印III-III線に沿った断面図である。図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド1は、主走査方向に長尺な形状であって、下から順に、ヘッド本体1a、リザーバユニット70、及び、ヘッド本体1aの駆動を制御する制御部80を有する。
制御部80は、制御装置83からの指示に基づいてインクジェットヘッド1を制御するものであり、メイン基板82、メイン基板82の両側にそれぞれ配置されたサブ基板81、及び、各サブ基板81におけるメイン基板82に対向する側面に固定されたドライバIC81aを有している。ドライバIC81aは、ヘッド本体1aに含まれるアクチュエータユニット21を駆動するための信号を生成するものである。各ドライバIC81aにおけるサブ基板81に対向する面にはヒートシンク84が固定されている。
給電部材であるFPC(Flexible Printed Circuit)50が、その一端においてアクチュエータユニット21と接続され、他端においてサブ基板81と接続されている。FPC50はアクチュエータユニット21からサブ基板81に至る途中でドライバIC81aとも接続されている。つまりFPC50は、サブ基板81及びドライバIC81aと電気的に接続されており、サブ基板81から出力された信号をドライバIC81aに伝達し、ドライバIC81aから出力された駆動信号をアクチュエータユニット21に供給する。
インクジェットヘッド1にはさらに、制御部80を覆う上カバー51及びヘッド下部を覆う下カバー52が設けられている。上カバー51は、アーチ形状の天井を有し、制御部80を覆っている。下カバー52は、上下に開口された略四角筒状で、メイン基板82の下部を覆っている。これら上カバー51、下カバー52によって印刷時に飛翔したインクが制御部80等に付着するのが防止される。なお、図1では制御部80が見えるよう上カバー51を省略している。
次に、図4をさらに参照しつつ、リザーバユニット70について説明する。図4は、リザーバユニット70及びヘッド本体1aの主走査方向に沿った断面図である。なお、図4では説明の都合上、鉛直方向の縮尺を拡大し、且つ、同一線に沿った断面では通常描かれないリザーバユニット70内のインク流路をも適宜示している。
リザーバユニット70は、インクを一時的に貯溜しつつヘッド本体1aに供給するものである。リザーバユニット70は、図4に示すように、主走査方向(図2参照)に長尺な矩形状の平面を有する6つのプレート71〜76が積層された積層構造を有している。また、リザーバユニット70内には、インク流入流路61とリザーバ62と複数本のインク供給流路63とが形成されている。リザーバユニット70上面における長手方向の一方端部近傍にはジョイント91が固定されている。ジョイント91の内部には円筒形空間91aが形成されている。ジョイント91にはインク供給管65が接続されている。
インク流入流路61は、インクタンク45からのインクがインク供給管65を介して流入するものであり、円筒形空間91aと、円筒形空間91aに対応するようにプレート71に形成された孔71aと、円筒形空間91aと対向する領域から他方端部近傍まで延在するようにプレート72に形成された孔72aとを含んでいる。また、円筒形空間91aの上側の開口がインク流入口61aとなっており、インク流入流路61の底面の略中央に形成された開口がリザーバ連通口61bとなっている。
リザーバ62は、リザーバ連通口61bを介してインク流入流路61から流れ込んだインクを一時的に貯溜するものであり、プレート73に形成された孔73aと、円筒形空間91aと対向する領域から他方端部近傍まで延在するようにプレート74に形成された孔74aとを含んでいる。また、リザーバ62の底面には、各インク供給流路63に連通する複数個の供給流路連通口62aが形成されている。孔73aの縁部には段差面が形成されており、この段差面上にインク内の塵埃等を除去するフィルタ74bが配置されている。
インク供給流路63は、リザーバ62に貯溜されたインクをヘッド本体1aに供給するものであり、供給流路連通口62aに対応するようにプレート76に形成されている。インク供給流路63は、供給流路連通口62a及び後述するヘッド本体1aの流路ユニット4の上面に開口しているインク供給口5b(図5参照)と連通している。
リザーバユニット70におけるインクの流れについて説明する。まず、インク流入口61aからインク流入流路61に流れ込んだインクが、図4中黒塗りの矢印で示すように、リザーバ連通口61bを介してリザーバ62に流れ込み、さらに、リザーバ62から供給流路連通口62aを介して各インク供給流路63に流れ込む。インク供給流路63に流れ込んだインクは、インク供給口5bを介してヘッド本体1aの流路ユニット4に供給される。
次に、図5〜図8を参照しつつ、ヘッド本体1aについて説明する。図5は、ヘッド本体1aの平面図である。図6は、図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。なお、図6では説明の都合上、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室10及びアパーチャ12を実線で描いている。図7は、図6に示すVII-VII線に沿った部分断面図である。図8はアクチュエータユニット21の拡大断面図である。
ヘッド本体1aは、図5に示すように、流路ユニット4、及び、流路ユニット4上面に固定された4つのアクチュエータユニット21を含んでいる。アクチュエータユニット21は、流路ユニット4に形成された圧力室10内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与するものである。
流路ユニット4は、主走査方向に延在する略直方体状の外形を有している。図6に示すように、流路ユニット4の下面には多数のノズル8がマトリクス状に配置されたインク吐出面が形成されている。また、流路ユニット4とアクチュエータユニット21との固定面において、圧力室10がノズル8に対応するようにマトリクス状に多数配列されている。
また、流路ユニット4は、図7に示すように、上から順に、キャビティプレート22、ベースプレート23、アパーチャプレート24、サプライプレート25、マニホールドプレート26、27、28、カバープレート29、及び、ノズルプレート30、という9枚の金属プレートが積層された積層構造を有している。
図5に示すように、流路ユニット4の上面には、リザーバユニット70の供給流路連通口62a(図4参照)に対応するように、複数個のインク供給口5bが開口している。流路ユニット4の内部には、インク供給口5bに連通するマニホールド流路5及びマニホールド流路5から分岐した副マニホールド流路5aが形成されている。図7に示すように、各ノズル8に対しては、マニホールド流路5から副マニホールド流路5a、そして副マニホールド流路5aの出口から圧力室10を経てノズル8に至る個別インク流路32が形成されている。リザーバユニット70からインク供給口5bを介して流路ユニット4内に供給されたインクは、マニホールド流路5から副マニホールド流路5aに分岐され、絞りとして機能するアパーチャ12及び圧力室10を介してノズル8に至る。
4つのアクチュエータユニット21は、図5に示すように、それぞれ台形の平面形状を有しており、流路ユニット4上面に開口したインク供給口5bを避けるよう千鳥状に配置されている。また、アクチュエータユニット21は、図8に示すように、4枚の圧電シート41、42、43、44が積層された積層構造を有している。圧電シート41〜44は、1つのインク吐出面に対応して形成された多数の圧力室10に跨って配置されている。
最上層の圧電シート41上における圧力室10に対応する位置には、個別電極35が形成されている。最上層の圧電シート41とその下側の圧電シート42との間にはシート全面に形成された共通電極34が介在している。圧電シート42、43の間及び圧電シート43、44の間には電極が配置されていない。
個別電極35は、圧力室10と相似な略菱形の平面形状を有している。略菱形の個別電極35における鋭角部の一方は延出され、その先端には個別電極35と電気的に接続された円形のランド36が設けられている。ランド36は、FPC50(図3参照)に設けられた接点と電気的に接合されている。
共通電極34は図示しない領域において接地されてグランド電位に保たれている。一方、個別電極35は、選択的に電位を制御することができるよう、個別電極35(ランド36)ごとに独立した別のリード線を含むFPC50及びランド36を介してドライバIC81aに接続されている(図3参照)。
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。圧電シート41はその厚み方向に分極されており、個別電極35を共通電極34と異なる電位にして圧電シート41に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電シート41における電界印加部分が圧電効果により歪む活性部として働く。即ち、圧電シート41はその厚み方向に伸長又は収縮し、圧電横効果により平面方向に収縮又は伸長しようとする。一方、残り3枚の圧電シート42〜44は、個別電極35と共通電極34とに挟まれた領域をもたない非活性層であって、自発的に変形することができない。
つまりアクチュエータユニット21は、圧力室10から離れた上側1枚の圧電シート41を活性部を含む層とし且つ圧力室10に近い下側3枚の圧電シート42〜44を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプである。圧電シート41〜44は圧力室10を区画するキャビティプレート22の上面に固定されているため、圧電シート41における電界印加部分とその下方の圧電シート42〜44との間で平面方向への歪みに差が生じると、圧電シート41〜44全体が圧力室10側へ凸になるように変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室10の容積が低下することによって、圧力室10内の圧力が上昇し、圧力室10からノズル8へとインクが押し出され、ノズル8からインクが吐出される。その後、個別電極35を共通電極34と同じ電位に戻すと、圧電シート41〜44は元の平坦な形状になって、圧力室10の容積が元の容積に戻る。これに伴い、マニホールド流路5から圧力室10へとインクが導入され、再び圧力室10内にインクが貯溜される。
次に、インクタンク45について、図9を参照しつつ説明する。図9はインクタンク45の断面図である。インクタンク45は、インクジェットヘッド1が吐出するインクを貯溜するものである。つまり、4つのインクタンク45は、各々がシアン、イエロー、マゼンタ、及びブラックの互いに異なるいずれかのインクを貯溜している。また、図9に示すように、インクタンク45は、タンク本体45aと、インク流出管45bと、空気流入管45cとを有している。タンク本体45aは、インクを貯溜する箱体であり、上蓋が超音波溶着されることによって内部空間が密封されている。インク流出管45b及び空気流入管45cは、タンク本体45aの上面からその内部空間に至るまで挿入されている。インク流出管45bの上端のジョイント部にはインク供給管65が接続されており、その下端の開口が内部空間の底部近傍、つまり、インクの液面よりも下方に位置している。空気流入管45cの上端のジョイント部には空気供給管67aが接続されており、その下端の開口が内部空間の上面(インクの液面よりも上方)に位置している。インク流出管45bの上端の開口がインク流出口45dとなっており、空気流入管45cの上端の開口が空気流入口45eとなっている。後述するパージ動作において、空気流入口45eから空気が流入することによって、タンク本体45a内の空気圧が上昇し、貯溜しているインクがインク流出口45dから押し出されるように流出する。
図1に戻って、空気タンク46は、空気流出口46b及び空気供給口46aを有しており、空気供給口46aから供給された空気を貯溜する。空気流出口46bに空気供給管67bが、空気供給口46aに空気ポンプ連通管47aを介して空気ポンプ47が接続されている。空気タンク46に貯溜された空気は、空気供給管67aを介して各インクタンク45に供給される。空気ポンプ47は、制御装置83からの指示に基づいて、空気ポンプ連通管47aを介して空気タンク46に空気を供給するものである。空気タンク46、空気ポンプ47及び空気ポンプ連通管47aにより空気供給装置が構成されている。
切換ユニット48について、図10を参照しつつ説明する。図10(a)〜図10(c)の各図は、切換ユニット48の断面図である。なお、図10(a)〜図10(c)は、切換ユニット48の各動作状態を示している。切換ユニット48は、制御装置83からの指示に基づいて、空気タンク46からの空気の供給先を切り換えるものである。
図10に示すように、切換ユニット48は、枠体48aと、流路体48bとを有している。枠体48aは、円筒形状を有する内部空間と、この内部空間から外周面に至る4つの貫通孔48cと、各貫通孔48cに接続された4つのジョイント部48dとを有している。4つの貫通孔48cは、枠体48aの外周面において90度毎に開口している。また、貫通孔48cの開口にジョイント部48dが形成されている。各ジョイント部48dには、空気供給管67aが接続されている。つまり、貫通孔48cとインクタンク45とが空気供給管67aを介して連通している。
流路体48bは、円筒形状を有するものであり、枠体48aの内部空間に回転自在に配置されている。流路体48bには、回転軸に沿って延在している主流路48eと、主流路48eと連通しつつ径方向に延びて主流路48eから流路体48bの外周面に至る4つの副流路48f及び1つの副流路48gが形成されている。主流路48eは、一方端部が4つの副流路48f及び1つの副流路48gに通じ、他方端部に空気供給管67bが接続されている(図1参照)。つまり、主流路48eと空気タンク46とが空気供給管67bを介して連通している。4つの副流路48fは、流路体48bの外周面において90度毎に開口している。副流路48gは、流路体48bの外周面において2つの副流路48fの開口同士の間に開口するように配置されている。
切換ユニット48は、図10(a)に示すように、4つの貫通孔48cと4つの副流路48fとが共に連通する位置まで流路体48bが回転することによって、全てのインクタンク45と空気タンク46とが連通する「全開状態」となる。また、切換ユニット48は、図10(b)に示すように、選択された1つの貫通孔48cと副流路48gとが連通する位置まで流路体48bが回転することによって、貫通孔48cと連通するインクタンク45と空気タンク46とが連通する「選択開状態」となる。さらに、切換ユニット48は、図10(c)に示すように、どの貫通孔48cも副流路48f、48gと連通しない位置まで流路体48bが回転することによって、全てのインクタンク45と空気タンク46との連通が閉じられる「閉状態」となる。また、切換ユニット48は、「閉状態」の一態様として、枠体48a及び流路体48bと実質的に同じ構成を有する図示しない機構によって、全てのインクタンク45又は選択された1つのインクタンク45と大気とが連通する「開放状態」となることができる。
次に、制御装置83について、図11を参照しつつ説明する。図11は、制御装置83の機能ブロック図である。制御装置83は、上述したように、インクジェットヘッド1、空気ポンプ47及び切換ユニット48を含むインクジェットプリンタ101全体を制御するものである。なお、本実施の形態においては、インクタンク45に空気を供給することによってインク供給管65及びインクジェットヘッド1内のインクを強制的に排出するパージ動作を実行するための機能を中心に説明する。制御装置83は、図11に示すように、インク量検知部83aと、動作条件決定部83bと、動作制御部83cとを有している。
インク量検知部83aは、インクタンク45に貯溜されているインク量を検知するものである。具体的には、各インクジェットヘッド1ごとにノズル8からのインク吐出量を印刷機会ごとに順次加算したインク消費量と、定期的な回復処置及び吐出不良時のユーザ回復処置によるインク消費量との加算に基づいて、インクタンク45に貯溜されているインク量を検知する。
動作条件決定部83bは、インク量検知部83aが検知したインク量に基づいて、インクタンク45内の空気圧が、パージ動作を実行するために必要な所定の圧力(以下パージ圧と称する)になるように空気ポンプ47及び切換ユニット48の動作条件を決定するものである。また、動作条件決定部83bに決定される動作条件には、切換ユニット48の動作タイミングと、切換ユニット48が「閉状態」から「全開状態」又は「選択開状態」となるまでの間における空気ポンプ47の運転条件とが含まれる。
切換ユニット48を「全開状態」又は「選択開状態」のいずれにするかは、パージ動作の対象となるインクジェットヘッド1によって決定される。つまり、1つのインクジェットヘッド1に対してパージ動作を行う場合は、切換ユニット48が所定のタイミングで「選択開状態」となるように決定し、4つのインクジェットヘッド1に対してパージ動作を行う場合は、切換ユニット48が所定のタイミングで「全開状態」となるように決定する。
ここで、パージ動作には、主に劣化したインクをノズル8から排出する動作とヘッド本体1a内の気泡をノズル8から排出する動作とがあり、これらについて所定期間ごとに行われる定期パージと吐出不良時にユーザが回復処置を行うユーザパージとがある。
動作制御部83cは、動作条件決定部83bが決定した動作条件にしたがった動作が行われるように空気ポンプ47及び切換ユニット48の制御を行うものである。
次に、パージ動作を実行するときの制御装置83の処理手順について、図12を参照しつつ説明する。図12は、パージ動作を実行するときの処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、パージ動作が開始されると、インク量検知部83aがインクタンク45に貯溜されているインク量を検知する(ステップS101:以下S101と略す。他のステップも同様)。次に、動作条件決定部83bが、インク量検知部83aが検知したインク量に基づいて、切換ユニット48の開閉タイミングと空気ポンプ47の運転条件とを決定する(S102)。
具体的には、空気ポンプ47の容量をV47(mL)、空気ポンプ連通管47aの容量をV47a(mL)、空気タンク46の容積をV46(mL)、空気供給管67aの容量をV67a(mL)、空気供給管67bの容量をV67b(mL)、切換ユニット48内の容量をV48(mL)、空気タンク46の空気圧をC(kPa)、インクタンク45の容積から検知されたインク量を引いたインクタンク45の空気層の容積をD(mL)、パージ圧をE(kPa)としたとき、
B・C=(B+V67a+D)・E(初期のインクタンク45内の空気圧をゼロとしたときにおける切換ユニット48の開閉前後における圧力×容積のつり合い:ボイルの法則)
なお、B=V47+V47a+V46+V67b+V48
が成立するようにCの値を算出する。さらに、空気タンク46の空気圧がCとなるような空気ポンプ47の回転量A(回転)を算出する。そして、回転数A’(rpm)から空気ポンプ47の運転時間Tを算出する。切換ユニット48の開閉タイミングは、Tに基づいて決定される。
続いて、切換ユニット48を「閉状態」にして、空気タンク46を密封する(S103)。そして、動作条件決定部83bで決定された運転時間Tの間、つまり空気ポンプ47の回転量がAになるまで空気ポンプ47を運転する(S104)。これにより、空気タンク46内の空気圧が上昇してCとなる。次に、パージ動作の実行対象となるインクジェットヘッド1に接続されたインクタンク45と空気タンク46とが連通するように、切換ユニット48を「全開状態」又は「選択開状態」にする(S105)。このとき、空気タンク46の空気圧がCとなっているため、空気タンク46に貯溜されている空気が、空気供給管67a、67bを介してインクタンク45に一気に流入する。これにより、インクタンク45内の空気圧が上昇してパージ圧Eとなり、インクタンク45内のインクがインク流出口45dから一気に流出する。インクタンク45から流出したインクは、インク供給管65を介してインクジェットヘッド1のインク流入口61aに流入する。インクジェットヘッド1に流入したインクは、リザーバユニット70から流路ユニット4に供給され、ノズル8から強制的に排出される。これにより、ヘッド本体1a内に残留している気泡や劣化したインク等を外部に排出してインクの吐出性能を維持することができる。
予め算出された時間が経過した後に切換ユニット48を「開放状態」にする(S106)。切換ユニット48が「開放状態」になると、インクタンク45の空気圧が直ちに大気圧に戻り、インクタンク45からのインクの流出が即座に停止する。これにより、パージ動作が終了する。
以上に述べた、本実施形態に係るインクジェットプリンタ101によると、動作条件決定部83bが、インク量検知部83aが検知したインク量に基づいて、インクタンク45内の空気圧がパージ圧Eになるように空気ポンプ47、切換ユニット48の動作条件を決定するため、インクタンク45に貯溜されているインク量の多寡にかかわらず、切換ユニット48を「全開状態」又は「選択開状態」とした直後におけるインクタンク45内の空気圧をパージ圧Eに維持することができる。これにより、インクが無駄に消費されるのを抑制しつつ気泡や劣化したインクを排出することができる。
また、切換ユニット48が「全開状態」又は「選択開状態」となった直後に、インクタンク45内の空気圧が瞬時にパージ圧Eになる。これにより、インクタンク45から効率よくインクを流出させることができ、インクが一層無駄に消費されにくくなる。
さらに、切換ユニット48を「開放状態」にすることによって、インクタンク45内の空気圧が直ちに大気圧となってインクタンク45からのインク流出が直ちに停止する。したがって、インクがより一層無駄に消費されにくくなる。
加えて、切換ユニット48及び空気供給装置(空気タンク46、空気ポンプ47及び空気ポンプ連通管47a)が複数のインクジェットヘッド1に対して兼用されているため、インクジェットプリンタ101の低コスト化及び小型化を図ることができる。
また、インク量検知部83aが、各インクジェットヘッド1ごとにノズル8からのインク吐出量を印刷機会ごとに順次加算したインク消費量と、定期的な回復処置及び吐出不良時のユーザ回復処置によるインク消費量との加算に基づいて、インクタンク45に貯溜されているインク量を検知しているため、インクタンク45に貯溜されているインク量を検知するための装置を備える必要がなくなる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明に係る第2の実施の形態について図13を参照しつつ説明する。図13は、第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。なお、第1の実施の形態と実質的に同じ部材については同一の符号を付してその説明を省略する。図13に示すように、インクジェットプリンタ201は、4つのインクジェットヘッド1と、各インクジェットヘッド1に対応する4つのインクタンク45と、空気タンク46と、空気ポンプ47と、切換ユニット48と、4つのインクバルブ69と、制御装置283とを有している。
インクバルブ69は、各インク供給管65に取り付けられており、制御装置283からの指示に基づいて、インク供給管65を開閉するものである。
制御装置283は、インクジェットヘッド1、空気ポンプ47、切換ユニット48及びインクバルブ69を含むインクジェットプリンタ201全体を制御するものである。制御装置283は、第1の実施の形態の制御装置83と実質的に同様であるが、動作条件決定部83bにおいてインクバルブ69の動作条件をさらに決定し、動作制御部83cにおいてインクバルブ69をさらに制御する。
次に、パージ動作を実行するときの制御装置283の処理手順について、図14を参照しつつ説明する。図14は、パージ動作を実行するときの処理手順を示すフローチャートである。図14に示すように、パージ動作が実行されると、インク量検知部83aがインクタンク45に貯溜されているインク量を検知する(S201)。次に、動作条件決定部83bが、インク量検知部83aが検知したインク量に基づいて、切換ユニット48及びインクバルブ69の開閉タイミングと空気ポンプ47の運転時間とを決定する(S202)。
具体的には、空気ポンプ47の容量をV47(mL)、空気ポンプ連通管47aの容量をV47a(mL)、空気タンク46の容積をV46(mL)、空気供給管67aの容量をV67a(mL)、空気供給管67bの容量をV67b(mL)、切換ユニット48内の容量をV48(mL)、空気タンク46の空気圧をC(kPa)、インクタンク45の容積から検知されたインク量を引いたインクタンク45の空気層の容積をD(mL)、パージ圧をE(kPa)としたとき、
B・C=(B+V67a+D)・E
なお、B=V47+V47a+V46+V67b+V48
が成立するようにCの値を算出する。さらに、空気タンク46の空気圧がCとなるような空気ポンプ47の回転量A(回転)を算出する。そして、回転数A’(rpm)から空気ポンプ47の運転時間Tを算出する。切換ユニット48の開閉タイミングは、Tに基づいて決定される。
続いて、切換ユニット48を「閉状態」にして、空気タンク46を密封する(S203)。そして、動作条件決定部83bで決定された運転時間Tの間、つまり空気ポンプ47の回転量がAになるまで空気ポンプ47を運転する(S204)。これにより、空気タンク46内の空気圧が上昇してCとなる。次に、インクバルブ69を閉じる(S205)。その後、パージ動作の実行対象となるインクジェットヘッド1に接続されたインクタンク45と空気タンク46とが連通するように、切換ユニット48を「全開状態」又は「選択開状態」にする(S206)。このとき、空気タンク46の空気圧がCとなっているため、空気タンク46に貯溜されている空気が、空気供給管67a、67bを介してインクタンク45に一気に流入する。これにより、インクタンク45内の空気圧が上昇してパージ圧Eとなる。その後、インクバルブ69を開く(S207)。インクバルブ69を開くことによってインクタンク45内のインクがインク流出口45dから一気に流出する。インクタンク45から流出したインクは、インク供給管65を介してインクジェットヘッド1のインク流入口61aに流入する。インクジェットヘッド1に流入したインクは、リザーバユニット70から流路ユニット4に供給され、ノズル8から強制的に排出される。これにより、ヘッド本体1a内に残留している気泡や劣化したインク等を外部に排出してインクの吐出性能を維持することができる。
予め算出された時間が経過した後に切換ユニット48を「開放状態」にする(S208)。切換ユニット48が「開放状態」になると、インクタンク45の空気圧が大気圧に戻り、インクタンク45からのインクの流出が即座に停止する。これにより、パージ動作が終了する。
以上に述べた、本実施形態に係るインクジェットプリンタ201によると、インクタンク45に貯溜されているインク量の多寡にかかわらず、切換ユニット48を「全開状態」又は「選択開状態」とした直後におけるインクタンク45内の空気圧をパージ圧Eに維持することができる。これにより、インクが無駄に消費されるのを抑制しつつ気泡や劣化したインクを排出することができる。
また、インクバルブ69を有しているため、インクタンク45内の空気圧がパージ圧Eになってからインクバルブ69を開いてインクタンク45からインクを流出させることができる。このため、インクタンク45から効率よくインクを流出させることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、第1及び第2の実施の形態では、切換ユニット48によってインクタンク45を大気と連通させることによって強制的にパージ動作を停止させる構成であるが、インクタンク45を大気と連通させることなく、インクタンク45内の空気圧が低下して自然にパージ動作が停止するような構成であってもよい。
さらに、第1の実施の形態においては、空気タンク46と切換ユニット48とを有する構成であるが、これらを有さない構成であってもよい。この場合、所定の圧力を有する空気が空気ポンプから直接インクタンクに供給されることが好ましい。
さらに、第1及び第2の実施の形態においては、パージ動作を実行する直前に空気タンク46の圧力を調整する構成であるが、予め空気タンク46の圧力を調整しておく構成であってもよい。これにより、パージ動作を素早く実行することができる。
加えて、第1及び第2の実施の形態においては、空気タンク46と空気ポンプ47とで空気供給装置を構成しているが、インクタンク45に供給する空気圧力を制御できるような他の空気供給装置を用いてもよい。
さらに、第1及び第2の実施の形態においては、切換ユニット48の流路体48bが回転することによって「全開状態」又は「選択開状態」から「閉状態」を介して「開放状態」となる構成であるが、「全開状態」又は「選択開状態」から直接「開放状態」となる構成であってもよい。
また、第1及び第2の実施の形態においては、インク量検知部83aが、各インクジェットヘッド1ごとにノズル8からのインク吐出量を印刷機会ごとに順次加算したものと、定期的な回復処置及び吐出不良時のユーザ回復処置によるインク消費量とに基づいて、インクタンク45に貯溜されているインク量を検知する構成であるが、インクタンク45に貯溜されているインク量を直接検知するセンサを備えてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 図1に示すインクジェットヘッドの斜視図である。 図2のIII-III線に沿ったインクジェットヘッドの断面図である。 図2に示すリザーバユニット及びヘッド本体の主走査方向に沿った断面図である。 図2に示すヘッド本体の平面図である。 図5の一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。 図6のVII-VII線に沿った部分断面図である。 図5に示すアクチュエータユニットの拡大断面図である。 図1に示すインクタンクの断面図である。 図1に示す切換ユニットの断面図である。 図1に示す制御装置の機能ブロック図である。 図1に示すインクジェットプリンタにおけるパージ動作の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。 図13に示すインクジェットプリンタにおけるパージ動作の処理手順を示すフローチャートである
符号の説明
1 インクジェットヘッド
4 流路ユニット
5b インク供給口
45 インクタンク
45a タンク本体
45b インク流出管
45c 空気流入管
45d インク流出口
45e 空気流入口
46 空気タンク
46a 空気供給口
46b 空気流出口
47 空気ポンプ
48 切換ユニット(空気バルブ)
61 インク流入流路
61a インク流入口
65 インク供給管(インク供給流路)
67a 空気供給管(空気供給流路)
67b 空気供給管(空気供給流路)
69 インクバルブ
83 制御装置
83a インク量検知部(インク量検知手段)
83b 動作条件決定部(動作条件決定手段)
83c 動作制御部(動作制御手段)
101 インクジェットプリンタ

Claims (5)

  1. インク流入口を有するインク流入流路、及び、それぞれが前記インク流入流路と連通していると共に圧力室を経てノズルに至る複数の個別インク流路が形成されたインクジェットヘッドと、
    貯溜しているインクが流出するインク流出口及び空気が流入する空気流入口が形成されたインクタンクと、
    前記インク流入口及び前記インク流出口に接続されたインク供給流路と、
    空気が流出する空気流出口及び空気が流入する空気供給口が形成された空気タンク並びに前記空気供給口を介して前記空気タンクに空気を供給する空気ポンプを有する空気供給装置と、
    前記空気流入口及び前記空気流出口に接続された空気供給流路と、
    前記空気供給流路に取り付けられており、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させる開状態と、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させない閉状態とを取り得る空気バルブと、
    前記インク供給流路に取り付けられており、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させる開状態と、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させない閉状態とを取り得るインクバルブと、
    前記インクタンクに貯溜されているインク量を検知するインク量検知手段と、
    前記インク量検知手段が検知したインク量に基づいて、前記インクタンク内の空気圧を所定値とするために必要とされる動作条件を決定する動作条件決定手段と、
    前記動作条件決定手段が決定した前記動作条件にしたがった動作が行われるように制御を行う動作制御手段とを備えており、
    前記動作条件決定手段が、前記動作条件として、前記空気バルブの開閉タイミングと、前記空気バルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件と、前記インクバルブの開閉タイミングと、前記インクバルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件とを決定することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記空気バルブが、前記閉状態の一部として、前記インクタンクと大気とを連通させる開放状態を取り得、
    前記動作条件決定手段が、前記動作条件として、前記空気バルブの開閉タイミングと、前記空気バルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件と、前記空気バルブを開放状態とするタイミングとを決定することを特徴とする請求項に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記インクジェットヘッド、前記インクタンク及び前記インク供給流路をそれぞれ複数備えており、
    前記空気供給流路が、複数の前記空気流入口と前記空気流出口とに接続されており、
    前記空気バルブは、前記開状態において、複数の前記インクタンクの少なくとも1つと前記空気タンクとを連通させ、前記閉状態において、複数の前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させないことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記インク量検知手段が、前記ノズルからのインク消費量を加算することに基づいて、前記インクタンクに貯溜されているインク量を決定することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のインクジェットプリンタ。
  5. インク流入口を有するインク流入流路、及び、それぞれが前記インク流入流路と連通していると共に圧力室を経てノズルに至る複数の個別インク流路が形成されたインクジェットヘッドと、貯溜しているインクが流出するインク流出口及び空気が流入する空気流入口が形成されたインクタンクと、前記インク流入口及び前記インク流出口に接続されたインク供給流路と、空気が流出する空気流出口及び空気が流入する空気供給口が形成された空気タンク並びに前記空気供給口を介して前記空気タンクに空気を供給する空気ポンプを有する空気供給装置と、前記空気流入口及び前記空気流出口に接続された空気供給流路と、前記空気供給流路に取り付けられており、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させる開状態と、前記インクタンクと前記空気タンクとを連通させない閉状態とを取り得る空気バルブと、前記インク供給流路に取り付けられており、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させる開状態と、前記インクジェットヘッドと前記インクタンクとを連通させない閉状態とを取り得るインクバルブとを備えたインクジェットプリンタの制御方法であって、
    前記インクタンクに貯溜されているインク量を検知するインク量検知工程と、
    前記インク量検知工程において検知されたインク量に基づいて、前記インクタンク内の空気圧を所定値とするために必要とされる動作条件を決定する動作条件決定工程と、
    前記動作条件決定工程において決定された前記動作条件にしたがった動作が行われるように制御を行う動作制御工程とを備えており、
    前記動作条件決定工程において、前記動作条件として、前記空気バルブの開閉タイミングと、前記空気バルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件と、前記インクバルブの開閉タイミングと、前記インクバルブが閉状態となってから開状態となるまでの間における前記空気ポンプの運転条件とを決定することを特徴とするインクジェットプリンタの制御方法。
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