JP4639500B2 - 自動車のパワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転者の操作に応じて自動車の転舵用の車輪を転舵させるための自動車のパワーステアリング装置に関し、特に操舵側と転舵側とが機械的に分離され、電気的に接続された構成であり、安全で快適な操舵性能を得られる自動車のパワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のステアリング(舵取り)は、車室の内部に配された操舵手段の操作(一般的にはステアリングホイールの回転操作)を、ステアリング用の車輪(一般的には前輪)の操向のために車室の外部に配された舵取機構に伝えて行われる。
【0003】
自動車用のステアリング機構としては、ボールねじ式、ラック・ピニオン式等の種々の形式のものが実用化されている。例えば、車体の前部に左右方向に延設されたラック軸の軸長方向の摺動を、左右の前輪に付設されたナックルアームにタイロッドを介して伝える構成としたラック・ピニオン式のステアリング機構は、車室外に延びるステアリングホイールの回転軸(ステアリングコラム)の先端に嵌着されたピニオンを上記ラック軸の中途に形成されたラック歯に噛合させ、ステアリングホイールの回転をラック軸の軸長方向の摺動に変換して、ステアリングホイールの回転操作に応じたステアリングを行わせる構成となっている。
【0004】
また、近年においては、ステリング機構の中途に油圧シリンダ、電動モータ等の操舵補助用のアクチュエータを配設し、このアクチュエータを、舵取りのためにステアリングホイールに加えられる操舵力の検出結果に基づいて駆動し、ステアリングホイールの回転に応じたステアリング機構の動作(駆動)を上記アクチュエータの出力によって補助し、運転者の労力負担を軽減する構成としたパワーステアリング装置が広く普及している。
【0005】
ところが、上述の如き従来のパワーステアリング装置においては、パワーステアリング装置としての構成を有するか否かに拘わらず、ステアリングホイールとステアリング機構とが機械的に連結されていることから、車室内でのステアリングホイールの配設位置が限定されてしまい、車室内部のレイアウトの自由度が制限されるという問題がある。また、機械的な連結のために大嵩の連結部材を必要とし、車両の軽量化の実現を阻害するという問題がある。
【0006】
このような問題を解消するため、従来から、操舵手段としてのステアリングホイールをステアリング機構と機械的に連結せずに配設する一方、パワーステアリング装置における操舵補助用のアクチュエータと同様に、ステアリング機構の中途に操舵用のアクチュエータを配設し、このアクチュエータを操舵手段の操作方向及び操作量の検出結果に基づいて動作させ、ステアリング機構に補助操舵力を加えて、操舵手段の操作に応じたステアリングを行わせる構成とした分離型のパワーステアリング装置が提案されている。
【0007】
上述の如き分離型のパワーステアリング装置は、前述した問題を解消し得るという利点に加えて、操舵手段の操作量と操舵アクチュエータの動作量との対応関係が機械的な制約を受けずに設定できることから、車速の高低、旋回程度、加減速の有無等、自動車の走行状態に応じた操舵特性の変更に柔軟に対応できると共に、ステアリングホイールに代えて、レバー、ハンドグリップ、ペダル等の適宜の操舵手段を採用でき、設計自由度が向上するという利点を有している。
【0008】
更には、自動車の前面衝突に伴うステアリングホイールの突き上げをほぼ完全に防止することができ、衝突安全性の向上を図り得る上に、ITS(Intelligent Transport System)、AHS(Automated Highway System)等、近年その開発が進められている自動運転システムへの対応が容易であるという利点を有する等、従来のパワーステアリング装置において実現不可能な多くの利点を有しており、自動車技術の発展のために有用なものとして注目されている。
【0009】
なお、ステアリング機構に操舵力を加える操舵アクチュエータとしては、走行状態に応じた操舵特性の変更制御の容易性を考慮して、一般的に電動モータ(操舵モータ)が用いられている。また、ステアリング機構から機械的に切り離された操舵手段には、モータ及びギア機構を備えて成る反力付与手段を付設し、操舵手段に適度の反力を加えることにより、操舵手段とステアリング機構とが機械的に連結されたかの如き感覚でのステアリング操作を行わせ得るようにしてある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように構成された分離型のパワーステアリング装置を、従来広く用いられている連結型のパワーステアリング装置と比較すると、連結型のパワーステアリング装置において操舵補助用モータが故障した場合、操舵補助力が失われるに過ぎず、ステアリングホイールに加えられる操作力によりステアリングを行わせるのに対し、分離型のステアリング装置においてモータやセンサが故障した場合には、ステアリング自体が困難となる恐れがあり、非常に危険である。そのため、特に安全性の問題を解決しなければならなかった。このため、モータ、角度センサ、トルク(力)センサがそれぞれ3セット必要となる。
【0011】
更に、連結型のパワーステアリングにおけるステアリングが、操舵手段たるステアリングホイールに加えられる操作力と、ステアリング機構に付設された操舵補助用モータの出力との合力によって行われるのに対し、分離型のステアリング装置におけるステアリングは、ステアリング機構に付設された操舵モータの出力のみによって行われるという相違がある。従って、分離型のステアリング装置において使用される操舵モータとしては、従来のパワーステアリング装置において使用される操舵補助用モータに比して大出力のモータが必要であり、出力の増大に伴ってサイズが大きくなった操舵モータの配設位置をステアリング機構の周辺に確保することが難しいという問題があった。
【0012】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、ステアリング機構の周辺における操舵モータの配設位置の確保が容易であり、安全で快適な操舵性能を有する分離型のパワーステアリング装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、舵取機構と機械的に連結されていない操舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵取りを行わせるようにした自動車のパワーステアリング装置に関するもので、本発明の上記目的は、モータの回転信号とモータアシスト電流指令信号によってセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定部を設け、前記セルフアライニングトルク推定部からの推定値に基づいて操舵反力を定義してドライバに与えるようにすることによって達成される。これにより、センサはそれぞれ2つで済む。従って、省スペースであり、モータの配置の自由度が大きくなる。更には、センサの数が少なくなることによって、故障確率が低くなる。
【0014】
また、本発明の上記目的は、前記定義された操舵反力をフィードバックすることにより必要な操舵力を定義することによって、より効果的に達成される。
【0015】
本発明は、舵取機構と機械的に連結されていない操舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵取りを行わせるようにした自動車のパワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、モータの回転信号とモータアシスト電流指令信号によってセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定部を有し、前記セルフアライニングトルク推定部からの推定値に基づく操舵反力を運転者に与える操舵アシストの反力付加機構を設け、前記操舵アシストの反力付加機構がステアリングフィーリング調整部及び操舵側機構の動特性改善部で構成することによって達成される。
【0016】
また、本発明は、舵取機構と機械的に連結されていない操舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵取りを行わせるようにした自動車のパワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、モータの回転信号とモータアシスト電流指令信号によってセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定部を有し、前記セルフアライニングトルク推定部からの推定値に基づく操舵反力を運転者に与える操舵アシストの反力付加機構を設け、更に、車速信号、ヨーレート信号及び車体の横加速度信号に合わせて特性改善を行うコンプライアンスモデル及び調整機構を設けることにより、より効果的に達成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるパワーステアリング装置の機構上の概要を示しており、操舵側のステアリングホイール1にはコラム軸2が接続されており、コラム軸2には操舵角センサ2A及び操舵補助用のモータ2Bが配設されている。電力源のバッテリ3に接続され、CPU等で成る電子コントローラ10は操舵角センサ2Aの検出信号を入力し、モータ2Bを駆動する。また、車輪6を舵取る転舵側のステアリング機構には操舵アクチュエータ4及び位置センサ5が配設されており、操舵アクチュエータ4は電子コントローラ10で制御され、位置センサ5の検出信号は電子コントローラ10に入力される。電子コントローラ10には車速信号V、ヨーレート信号Y、車体の横加速度信号Lが入力されている。
【0018】
図2はその電気回路系を示しており、操舵側のコラム軸2には操舵角センサ2A及びモータ2Bの他に減速機構2A1、クラッチ2A2が連結されると共に、モータ2Bに連結されたエンコーダ2B1が設けられている。また、転舵側のステアリング機構には左右1対の操舵アクチュエータ4及び位置センサ5の他に、トルクセンサ5A、クラッチ5B及び減速機構5Cが配設されており、操舵アクチュエータ4にはエンコーダ4Aが接続されている。操舵角センサ2A、エンコーダ2B1及び4A、位置センサ5、トルクセンサ5Aの検出信号は電子コントローラ10に入力され、クラッチ2A2及び5Bは電子コントローラ10でオンオフ制御される。なお、図2ではモータ2Bにエンコーダ2B1が、操舵アクチュエータ4にエンコーダ4Aがそれぞれ1個連結されているが、安全性を確保するために2重に設けるようにしても良い。
【0019】
本発明の理解のために、先ずモータをアクチュエータとした従来の一般的な自動車のパワーステアリング装置を説明する。従来のステアリング機構を解析すると図3に示すようになり、ステアリングホイール10の操舵トルクをThe、モータ11によるアシストトルクをTem、転舵側からのセルフアライニングトルクをSATとした場合、それらの間には下記(1)式が成り立つ。
【0020】
SAT = The + Tem ・・・(1)
セルフアライニングトルクSATは既知であり、このときの操舵トルクTheを求めて反力として加える。これにより、操舵補助付きステアリングのような操舵フィーリングが得られる。ここで、図4に示すような特性f(The)に基づきTem=f(The)が成り立ち、上記(1)式は
SAT = The + f(The) = (1 + F(o))The ・・・(2)
となり、
The = (1 + f(o))-1 SAT ・・・(3)
が成り立つ。この(3)式より、セルフアライニングトルクSATが推定できれば、ドライバが与える操舵トルクTheを求めることができる。つまり、従来の電動パワーステアリング装置での推定セルフアライニングトルクSATは(1 + f(o))The = The + Temで図5に示すようになり、これから図6に示す特性が得られる。図5において、SAT1 = The、SAT2 = f(The) → SAT = SAT1 + SAT2と考えると、勾配が1の直線はSAT1 = Theに相当する。そして、この勾配が1の直線上にf(The)を乗せると図5にになり、縦横軸を入れ替えると図6になる。
【0021】
以上が従来のパワーステアリング機構の説明であり、本発明はかかる従来機構にアシストトルクTemを加えることを目的としており、機械的に連結されない分離型パワーステアリング装置で同一の関係を実現する方法を提案する。
【0022】
本発明による分離型パワーステアリング装置の機械的機構は、図1及び図2に対応させて示す図7に示すようになる。ここで、ステアリングホイール1の操舵トルクをTh、操舵補助用のモータ2BのイナーシャをJm、モータ2Bのトルクをτ1、ステアリングホイール1の回転角をθ1としたとき、下記(4)式が成り立つ。
【0023】
Jm・d2θ1/dt2 = τ1 - Th ・・・(4)
よって、演算子sを用いて書き直すと、上記(4)式は下記(5)式となる。
【0024】
s2・Jm・θ1 = τ1(s) - Th(s) ・・・(5)
この(5)式は下記(6)式のように書き直せる。
【0025】
Th(s) = τ1(s) - s2・Jm・θ1(s) ・・・(6)
ここで、トルク推定値*τ1(s)は Kt1・I(モータに発生するトルク*τ1はモータの導線に流れる電流Iと線形関係にあり、その線形係数Kt1はモータのコイル巻数等によって決まる)であるので、上記(6)式は下記(7)式となる。なお、*Thはトルク推定値である。
【0026】
*Th(s) = Kt1・I - s2・Jm・θ1(s) ・・・(7)
上記(7)式によれば、ドライバが操舵側機構に与える操舵トルク推定値*Th(s)を求めることができ、操舵トルク推定値*Th(s)はステアリングフィーリングを実現するために使用される。具体的には、操舵側機構の慣性等の機械的特性及び摩擦等に対する特性を補償し、望ましい特性に近づけるためにモータ2Bを作動させる。
【0027】
また、図8は図7におけるセルフアライニングトルク推定値の演算部を示すものであり、この図8より下記(8)式が成り立つ。図8のブロックBL1はステアリング補助エミュレータであり、セルフアライニングトルク推定値*SATからセルフアライニングトルクSATを求め、減算器SBに入力する。ブロックBL3はステアリングフィーリングの調整を行うものであり、その信号Kd(s)・θ1が減算器SBに入力され、減算器SBの出力がPI調整器BL4を経てτ1として機械系特性ブロックBL2に入力されている。即ち、下記(8)式が成り立つ。なお、機械系特性ブロックBL2の中味は1/(Jm・s2 + Bm・s)であり、上記(7)式で説明したように望ましい特性になっている。
【0028】
θ1/τ1 = 1/(Jm・s2 + Bm・s) ・・・(8)
上記(8)式より、下記(9)式及び(10)式となる。即ち、(8)式はラプラス変数sを利用した操舵側の動的特性の表現であるが、逆ラプラス変換を施すと時間変数tを用いた(9)式になる。また、(10)式は操舵側の入力トルクτ1の値として、図8のステアリング補助エミュレータBL1、ブロックBL3、PI調整器BL4の出力を代入したものである。ただし、PI調整器BL4のPIの値を1としている。
【0029】
Jm・d2θ1/dt2 + Bm・dθ1/dt = τ1 ・・・(9)
τ1 = Ksat・θ1 - Kd・dθ1/dt ・・・(10)
上記(9)式及び(10)式より、下記(11)式が成り立つ。
【0030】
Jm・d2θ1/dt2 + Bm・dθ1/dt
= Ksat・θ1 - Kd・dθ1/dt ・・・(11)
ここで、SAT ≒ Ksat・θ1であるので、Bm = -Kdの場合には、上記(11)式は下記(12)式となる。また、(10)式を(9)式に代入し、ブロックBL3を調整すると、(12)式及び(13)式が成り立つ。
【0031】
Jm・d2θ1/dt2 = Ksat・θ1 ・・・(12)
Jm・d2θ1/dt2 + (Bm + Kd)・dθ1/dt
= Ksat・θ1 ・・・(13)
このように、ここではドライバが与えた操舵力Thがモータによって消された上、転舵側機構に仮想ドライバが与えた転舵力Theをフィードバックした状態の操舵側機構の挙動を解析している。
【0032】
一方、転舵側では下記(14)式が成り立つ。この(14)式は転舵側の望ましい動特性を表わしている。
【0033】
Jn・d2θ2/dt2 + Bn・dθ2/dt = τ2 - SAT ・・・(14)
よって、上記(14)式は演算子表記により下記(15)式となる。
【0034】
s2・Jn・θ2(s) + s・Bn・θ2(s) = τ2(s) - SAT(s) ・・・(15)
また、この(15)式は
SAT(s) = τ2(s) - s2・Jn・θ2(s) - s・Bn・θ2(s) ・・・(16)
となり、更に推定トルク*τ2 = Kt2・I2であるので
*SAT(s) = Kt2・I2(s) - s2・Jn・θ2(s) - s・Bn・θ2(s)・・・(17)
となる。(17)式はセルフアライニングトルクの推定値を計算する式であり、(15)式及び(16)式は(17)式を導くための中間式である。(17)式を実際に実現するには、Q1(s)フィルタを用いる。
【0035】
上述のような演算式に基づき、本発明による電子コントローラ10の構成は図9に示すブロック線図となっており、構成としては大きく操舵側100と転舵側200に分かれており、転舵側200では、上記(17)式に従ってセルフアライニングトルクの推定を行い、コンプライアンスモデル(K/(m・s2+C・s+K))を定義してコンプライアンスの動特性を改善すると共に、PD制御器によってコンプライアンスの定常特性を改善し、更に操舵アシストの反力付加を発生する構成となっている。また、操舵側100では、上記(7)式に従ってドライバの操舵力Thを推定し、上記(3)式に従って仮想転舵力Theを計算し、ステアリングフィーリングを実現するためのフィードバック機構を設けると共に、ステアリングフィーリングを調整するためのブロックを設けている。
【0036】
操舵側100の減算器101には外部よりドライバの操舵力Thが印加され、減算器101の出力が操舵側の機械系特性部102を経て角度θ1を出力する。角度θ1は転舵側200のコンプライアンスモデル201に入力されると共に、ステアリングホイールの摩擦モデル103及びステアリングフィーリング調整部104に入力される。ステアリングフィーリング調整部104の出力は減算器105に入力され、減算器105の偏差出力であるトルクThrは減算器106に入力され、その偏差eTがPI(比例積分)制御器110に入力される。PI制御器110からのPI出力は駆動回路及び操舵側モータの電気モデル111に入力されると共に、フィルタ112を経て減算器113に入力される。電気モデル111の出力はゲイン部114を経て減算器101に入力され、ステアリング補助エミュレータ120の出力は減算器105に入力される。なお、摩擦モデル103、フィルタ112及び減算器113で操舵側の外乱推定部を形成しており、この外乱推定部の出力*Thが外乱推定値となっている。
【0037】
また、転舵側200においては、コンプライアンスモデル201からの角度θrが減算器202に入力され、その偏差出力がPD制御器203に入力される。PD制御器203の出力は加算器204に入力され、加算器204の出力Vmは駆動回路及び転舵側モータの電気モデル205に入力されると共に、フィルタ207に入力される。なお、車速信号V、ヨーレート信号Y、車体の横加速度信号LはPD制御器203に入力されている。電気モデル205の出力はゲイン部206を経て減算器208に入力され、減算器208の出力は転舵側の機械系特性部210に入力され、その出力(ピニオン移動量)θ2が反転通常モデル212に入力され、その出力が減算器213に入力され、出力θ2はセルフアライニングトルクSATを発生する車両動特性部211に入力され、その出力であるセルフアライニングトルクSATが減算器208に入力される。減算器213の出力*SATは操舵側100のステアリング補助エミュレータ120に入力されている。なお、フィルタ207、反転通常モデル212及び減算器213でセルフアライニングトルク推定部を形成し、減算器213の出力がセルフアライニングトルク推定値*SATとなっている。
【0038】
このような図9において、操舵側動的特性部及び外乱推定部は電気モデル111、機械系特性部102、フィルタ112、摩擦モデル103で形成され、転舵側動的特性部及びセルフアライニング推定部は電気モデル205、機械系特性部210、フィルタ207、反転通常モデル212で形成され、セルフアライニングトルクの発生部は車両動特性部211が相当し、ステアリング補助エミュレータ及びステアリングフィーリング調整部はステアリング補助エミュレータ120、ステアリングフィーリング調整部104が相当している。また、操舵アシストの反力付加機構はステアリング補助エミュレータ120、ステアリングフィーリング調整部104、フィルタ112、摩擦モデル103、PI制御器110で構成されている。
【0039】
ところで、上記(4)式〜(7)式は操舵側の機械機構動特性及び動的補償、外乱特性と関係しており、(4)式はブロック114及び信号Thを機械系特性部102に入力したときの微分方程式を表わしており、(7)式は操舵側機械機構に入力された摩擦、ドライバ入力トルク等の外乱の推定を行っている。また、(8)式〜(13)式は、望ましい特性になるように補償された操舵側の動特性(1/(Jm・s2 + Bm・s))に、ステアリング補助エミュレータ120及びステアリングフィーリング調整部104の信号をフィードバックさせた時の操舵側機構の動的特性を解析した式であり、(8)式は望ましい特性を表わす式である。(12)式及び(13)式は図9のステアリングフィーリング調整部104の効果を表わしており、Kd=−Bmの場合は(12)式になり、Kd≠−Bmの場合は(13)式になる。また、(10)式〜(13)式において、解析を簡単化するためにステアリング補助エミュレータ120の出力はKsat・θ1と近似させている。
【0040】
図9ではセルフアライニングトルク推定値*SATがステアリング補助エミュレータ120に入力されると共に、加算器204に印加されており、これにより転舵側動特性を望ましい動特性(1/(Jn・s2 + Bn・s))に近づけることができる。
【0041】
【発明の効果】
上述したように、本発明の自動車のパワーステアリング装置によれば、路面情報、外乱情報等の加工と操舵安定性の設計が独立的に設計できることにより、チューニングし易く、安全で快適な操舵性能を得られる。
【0042】
コンプライアンスモデルの有無による効果の差を図10に示す。横軸は周波数で、縦軸は目標角度θ1からピニオン回転角度θ2までの周波数応答のゲインである。破線はコンプライアンスモデルが無いときで、実線はコンプライアンスモデルが有るときを示しており、コンプライアンスモデルの各定数の値を調整することによって、共振周波数におけるゲインの上下特性を望ましいものに設定可能である。また、共振周波数そのものを大きくしたり小さくしたりすることが可能であり、コンプライアンスモデルを設けることによって、望ましいコンプライアンス特性を設定することができる。
【0043】
更に、コンプライアンスモデルは中周波数領域又は高周波数領域においてはその効果を発揮できるが、低周波数領域における特性改善、ひいては定常特性の改善には無力である。そこで、定常状態のコンプライアンス特性を改善するために、フィードバック制御部にPDコントローラを使用している。運転者が加えるトルクThの他にトルク外乱(セルフアライニングトルク等)を作用しているため、ここでトルク外乱に対するピニオン回転角度の定常特性に着目している。基本的な考え方として、トルク外乱に対する定常偏差値を意図的に作ることによって相対的にドライバが加えるトルクに対する定常状態のコンプライアンスを下げる。よって、よって、トルク外乱に対する応答において定常偏差値が存在することが望ましい。図11にトルク外乱1N・mが作用した時のピニオン回転角度の時間応答を示す。横軸は時間(秒)で、縦軸は回転角度(ラジアン)であり、破線はPIDコントローラを使用した時の応答で、実線はPDコントローラを使用した時の応答である。PIDコントローラを使用した場合、定常偏差値がゼロである。
【0044】
一方、PDコントローラを使用した場合、定常偏差値が残る。その上、PDコントローラの定数を調整することによって、定常偏差値の値を変えることができる。従って、PDコントローラで定常状態におけるドライバが加えるトルクに対するコンプライアンスが望ましい値になるように調整することが可能になる。図11の結果は下記表1のようにまとめられる。
【0045】
【表1】
表1から分るように、PIDコントローラの場合、コンプライアンス値が必ず0になり、PDコントローラの場合、コンプライアンス値を上げることできる。
【0046】
以上より、コンプライアンスモデルによってコンプライアンスの動的な特性を改善すると共に、PDコントローラによってコンプライアンスの定常特性を改善することが可能となる。本発明によればセンサはそれぞれ2つで済み、省スペースであり、モータの配置の自由度が大きくなる利点がある。センサの数が少なくなることによって、故障確率が低くなる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパワーステアリング装置の概要を示す機構図である。
【図2】本発明によるパワーステアリング装置の電気回路系を示すブロック図である。
【図3】一般的なパワーステアリング装置の機構図である。
【図4】一般的なパワーステアリング装置の特性を説明するための図である。
【図5】一般的なパワーステアリング装置の特性を説明するための図である。
【図6】一般的なパワーステアリング装置の特性を説明するための図である。
【図7】本発明によるパワーステアリング装置の機構図である。
【図8】本発明によるパワーステアリング装置におけるセルフアライニングトルク推定値を求める構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明による電子コントローラの構成例を示すブロック線図である。
【図10】本発明の効果を説明するための図である。
【図11】本発明の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 コラム軸
3 バッテリ
4 操舵アクチュエータ
5 位置センサ
10 電子コントローラ
100 操舵側
102 機械系特性部(操舵側)
103 摩擦モデル
104 ステアリングフィーリング調整部
110 PI制御器
111 電気モデル
120 ステアリング補助エミュレータ
200 転舵側
201 コンプライアンスモデル
203 PD制御器
210 機械系特性部(転舵側)
211 車両動特性部
Claims (4)
- 舵取機構と機械的に連結されていない操舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵取りを行わせるようにした自動車のパワーステアリング装置において、モータの回転信号とモータアシスト電流指令信号によってセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定部を有し、前記セルフアライニングトルク推定部からの推定値に基づいて操舵反力を定義してドライバに与えるようになっていることを特徴とする自動車のパワーステアリング装置。
- 前記定義された操舵反力をフィードバックすることにより必要な操舵力を定義するようになっている請求項1に記載の自動車のパワーステアリング装置。
- 舵取機構と機械的に連結されていない操舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵取りを行わせるようにした自動車のパワーステアリング装置において、モータの回転信号とモータアシスト電流指令信号によってセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定部を有し、前記セルフアライニングトルク推定部からの推定値に基づく操舵反力を運転者に与える操舵アシストの反力付加機構を具備し、前記操舵アシストの反力付加機構がステアリングフィーリング調整部及び操舵側機構の動特性改善部で成っていることを特徴とする自動車のパワーステアリング装置。
- 舵取機構と機械的に連結されていない操舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵取りを行わせるようにした自動車のパワーステアリング装置において、モータの回転信号とモータアシスト電流指令信号によってセルフアライニングトルクを推定するセルフアライニングトルク推定部を有し、前記セルフアライニングトルク推定部からの推定値に基づく操舵反力を運転者に与える操舵アシストの反力付加機構を具備し、更に、車速信号、ヨーレート信号及び車体の横加速度信号に合わせて特性改善を行うコンプライアンスモデル及び調整機構を具備していることを特徴とする自動車のパワーステアリング装置。
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