JP4638333B2 - 吸収性物品および吸収要素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液の吸収性物品に関し、たとえば使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの使い捨て吸収性物品に関するものである。
幼児や大人のテープ式やパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの吸収性物品は、使用面側のトップシートと、背面側の液の透過を防止するバックシートと、これらのシート間に介在され、前記トップシートを透過した排泄された液を受け入れ保持する吸収要素とを基本要素としている。
この基本要素に対し、前記バックシートの裏面側にたとえば不織布などからなる外装シートを設け、前記バックシートとしてプラスチックシートを使用した場合における肌触りを改良する形態、製品の両側にいわゆるバリヤーカフスを形成する形態など、ウエスト周りや腹周りのフィット性を改良するために弾性伸縮性を付与する形態などが、適宜付加される。
使用面側のトップシートを透過した液を受け入れ保持する吸収要素としては、従来は、パルプ短繊維の積繊体が一般的に使用されている。また、液に吸収量を高めるために高吸収性ポリマー粒子(以下「SAP」ともいう。)を使用することも知られている。
SAPはパルプ短繊維の積繊体上に散布する場合のほか、パルプ短繊維中にSAPを分散保持させ積繊体とする場合(特許文献1)がある。
また、近年では、フィラメントの集合体を吸収要素として使用することも提案されている(例えば、特許文献2及び特許文献3)。
しかしながら、フィラメントは 半合成または合成繊維であり、吸水量がパルプ繊維と比較して極端に低いことからも判るように、比表面積が小さいため、尿等のような吸収対象の臭気が発生した場合、繊維による物理吸着が少ないという問題点があった。
特開2004―65300号公報 特表2002―524399号(WO99/27879)公報 特表2004―500165号(米国特許第6,646,180号)公報
そこで、本発明の主たる課題は、フィラメントの集合体を用いながらも消臭性能に優れた吸収性物品を提供することにある。
上記課題に鑑み、本発明者らは、大人用の紙おむつ等で汎用されている消臭ポリマー(消臭性を有する吸水ポリマー)を吸収体内に分散させることを考えた。しかし、この場合、消臭ポリマーが臭気発生源と混在することになるため、臭気が消臭ポリマーにより消臭されずに吸収体外に放出され易いことが判明した。本発明はかかる知見に基づいてなされたものであり、次記の構成を有するものである。
<請求項1記載の発明>
使用面側のトップシートを透過した液を受け入れ保持する吸収要素を備え、
前記吸収要素は、トウを開繊したフィラメントの集合体及びこのフィラメントの集合体内に保持された高吸収性ポリマー粒子を有する吸収体と、この吸収体を包む包被シートを含み、
前記吸収体と前記包被シートとの間における、少なくとも前記吸収体の上側及び下側、移動自由な消臭粒子配設されており
前記フィラメントの繊度は1〜5dtexであり、
前記フィラメントの集合体の繊維密度が0.03〜0.25g/cm 3 であり、
前記高吸収性ポリマー粒子の平均粒径が200〜400μmであり、
前記吸収体の上側に配設された、移動自由な消臭粒子の平均粒径が400μmよりも大きく、
前記吸収体の下側に配設された、移動自由な消臭粒子の平均粒径が200μmよりも小さい、
ことを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
本発明では、フィラメント集合体と包被シートとの間における、少なくとも吸収体の上側及び下側に消臭粒子が配設されているため、吸収体内で発生した臭気は、吸収体の上側及び下側に放出されたとしても、消臭粒子により消臭され、外部への放出が抑制される。また、これは当初予期していなかったことであるが、吸収体内で高吸収性ポリマー粒子が尿等の液分を吸収して膨張すると、この膨張物によって吸収体の上側及び下側間の空隙が遮断されるため、消臭粒子が吸収体の上側から下側へ移動しづらくなる。よって、その後、臭気が発生する段階では、装着者の動き等の外力が加えられても、吸収体の上下両側に消臭粒子が確実に保持され、上下両側で確実に消臭効果が発揮される。そして、これらの効果によって、吸収体内に消臭ポリマーを分散させる場合と比べて、より効果的な消臭が可能となる。
また、本発明では、所定繊度のフィラメントを用いた所定繊維密度の集合体に対して、吸収体の上側に配設される消臭粒子は、フィラメント集合体内に進入し難い程度に十分に大きくし、高吸収性ポリマー粒子はフィラメント集合体内から抜け落ちない程度の大きさとし、吸収体の下側に配設される消臭粒子は吸収体上及び吸収体内に保持されずに抜け落ちる程度に十分に小さくしている。よって、消臭粒子は吸収体の上下両側に、また高吸収性ポリマーは吸収体内にそれぞれ確実に保持される結果、より顕著に本発明の効果が発揮されるようになる。さらに、後述するように、製造も容易になる。
なお、本発明は、吸収体の上側及び下側に消臭粒子が配設される限り、従来の消臭ポリマーのように、吸収体内に消臭粒子が存在しても良い。
<請求項2記載の発明>
少なくとも前記吸収体の表面側全体及び裏面側全体が、前記消臭粒子からなる層により覆われている、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
このように、消臭粒子を層状に配設し、吸収体の表面側全体及び裏面側全体を覆うことによって、より高い消臭性能が発揮される。
<請求項記載の発明>
前記消臭粒子を、前記フィラメントの集合体に対する割合で0.1重量%以上有する、請求項1又は2記載の吸収性物品。
(作用効果)
消臭粒子の量が少な過ぎると、消臭効果が不十分となるおそれがあるため、本項記載のようにフィラメントの集合体に対する割合で0.1重量%以上用いるのが好ましい。
<請求項記載の発明>
前記消臭粒子が、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなるゼオライト粒子である、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
(作用効果)
このようなゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなるゼオライト粒子を用いると、消臭 効果のみならず、抗菌効果も発揮されるため、好ましい。
<請求項記載の発明>
トウを開繊し、繊維密度が0.03〜0.25g/cm3である、繊度1〜5dtexのフィラメントの集合体を形成し、
このフィラメントの集合体を包被シート上に載せた状態で、フィラメントの集合体の上から、平均粒径が200μmよりも小さい消臭粒子、平均粒径が200〜400μmである高吸収性ポリマー粒子、および平均粒径が400μmよりも大きい消臭粒子を散布した後、これらフィラメントの集合体、消臭粒子および高吸収性ポリマー粒子を包被シートで包
粒径の大きさとフィラメントの集合体の隙間の大きさとの関係により、前記平均粒径が400μmよりも大きい消臭粒子が前記フィラメントの集合体の上側に残り、前記高吸収性ポリマー粒子が前記フィラメントの集合体内に保持され、前記平均粒径が200μmよりも小さい消臭粒子がフィラメントの集合体上及び内部に保持されずに抜け落ち、フィラメントの集合体の下側に保持される、吸収要素を得る、
ことを特徴とする吸収要素の製造方法。
(作用効果)
このように、所定繊度のフィラメントを用いた所定繊維密度の集合体に対して、フィラメント集合体内に進入し難い程度に十分に大きい消臭粒子、フィラメント集合体内から抜け落ちない程度の大きさを有する高吸収性ポリマー粒子および吸収体上または吸収体内に保持されずに抜け落ちる程度に十分に小さい消臭粒子を散布し、吸収体を形成すると、散布後(使用段階含む)において、大きい消臭粒子の殆どはフィラメント集合体の上側に残り、高吸収性ポリマー粒子の殆どはフィラメント集合体内に保持され、小さい消臭粒子はフィラメント集合体上または内部に保持されずに抜け落ち、フィラメント集合体と包被シートとの間に保持されるようになる。よって、単に散布するだけの簡易な方法で、消臭粒子を吸収体の上下両側に、また高吸収性ポリマーは吸収体内にそれぞれ確実に保持させることができるようになる。
<請求項記載の発明>
前記平均粒径が200μmよりも小さい消臭粒子、平均粒径が200〜400μmである高吸収性ポリマー粒子、および平均粒径が400μmよりも大きい消臭粒子を、この順に個別に散布する、請求項記載の吸収要素の製造方法。
(作用効果)
上記本発明の方法に従って、フィラメントの集合体に対して大小の消臭粒子および高吸収性ポリマー粒子を散布する場合、これらを混合して散布しても良いし、混合せずに同時に散布しても良いし、あるいは任意の順番で散布しても良い。しかし、場合によっては、相対的に大きい粒子が小さい粒子の移動を妨げ、消臭粒子および高吸収性ポリマー粒子が適切に配置され難くなるため、本項記載のように相対的に小さい粒子から順に散布するのが好ましい。
以上のとおり、本発明によれば、フィラメントの集合体を用いながらも消臭性能に優れた吸収性物品となる。
以下、本発明の一実施形態について、紙おむつ並びにその製造設備を参照しつつ詳説する。
<パンツ型使い捨ておむつの例>
図1には、パンツ型使い捨ておむつの例が示されている。このパンツ型使い捨ておむつ10は、外面(裏面)側の外装シート12と内面(表面)側の吸収性本体20とを備え、外装シート12に吸収性本体20が固定されている。吸収性本体20は、尿や軟便などの排泄物(生理用ナプキンにあっては経血)を受け止めて吸収保持する部分である。外装シート12は着用者に装着するための部分である。
外装シート12はたとえば図示のように砂時計形状となり、両側が括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。吸収性本体20は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。
外装シート12は、図2に示すように、吸収性本体20が所定位置に設置され固定された後、前後に折り畳まれ、外装シート12の前身頃12F及び後身頃12Bの両側部の接合領域12Aが熱融着などにより接合される。これによって、図1に示す構造の、ウエスト開口部WOと一対のレッグ開口部LOを有するパンツ型使い捨ておむつが得られる。
図示の吸収性本体20の長手方向(すなわち図2の上下方向。製品の前後方向でもある。)の中間の幅は、外装シート12の括れた部分を繋ぐ幅より短い形態が示されている。この幅の関係は逆でもよいし、同一の幅でもよい。
外装シート12は望ましくは2枚のたとえば撥水性不織布のシートからなり、これらのシート間に弾性伸縮部材を介在させて、その収縮力により着用者にフィットさせる形態が望ましい。前記弾性伸縮部材としては、糸ゴムや弾性発泡体の帯状物などを使用できるが、多数の糸ゴムを使用するのが望ましい。図示の形態では、糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域Wにおいては幅方向に連続して設けられ、腰下領域Uにおいては両側部分のみに設けられ、股下領域Lにおいては設けられていない。糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域W及び腰下領域Uの両者に設けられていることで、糸ゴム12C自体の収縮力が弱いとしても、全体としては腰下領域Uにおいても着用者に当たるので、製品が着用者に好適にフィットする。
(吸収性本体)
実施の形態の吸収性本体20は、図3に示されるように、液を透過させるたとえば不織布などからなるトップシート30と、中間シート(セカンドシート)40と吸収要素50とを備えている。また、吸収体56の裏面側にはプラスチックシートなどからなる液不透過性シート(バックシートとも呼ばれる)70が設けられている。この液不透過性シート70の裏面側には、前記の外装シート12が設けられている。さらに、両側にバリヤーカフス60、60を備えている。
(トップシート)
トップシート30は、液を透過する性質を有する。したがって、トップシート30の素材は、この液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
トップシート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、トップシート30より液の透過速度が速い、通常「セカンドシート」と呼ばれる中間シート40を設けることができる。この中間シートは、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、トップシート30上を常に乾燥した状態とすることができる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布及びスパンボンド不織布が好ましい。
中間シート(セカンドシート)40は、トップシート30と包被シート58との間に介在されている。図5に示すように、中間シート(セカンドシート)40を設けない形態も使用可能である。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。中間シート40の代表的な素材は液の透過性に優れる不織布である。
(吸収要素)
吸収要素50は、トウを開繊したフィラメント52の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…を有する吸収体56と、吸収体56の上側及び下側に配された消臭粒子53,55とを有する。また、吸収体56を包む包被シート58を有する。さらに、吸収体56と包被シート58の裏面側部位(下側の部分)との間に保持シート80が設けられている。
(吸収体)
吸収体56は、トウを開繊したフィラメント52,52…の集合体と、高吸収性ポリマー粒子54,54…とを有する。そして、少なくとも液受け入れ領域において、フィラメント52,52…の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されているものが望ましい。この実質的に厚み方向全体に分散されている状態を図3の要部拡大図として概念的に示した。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、フィラメントの集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子がフィラメント52,52…の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子がフィラメントフィラメント52,52…の集合体を通り抜けて包被シート58上にある形態や図6に示されるように保持シート80上にある形態も排除されるものではない。
フィラメント52,52…の集合体は、実質的に連続繊維とみなされる繊維で構成されたトウ(繊維束)を開繊したものである。トウ構成繊維としては、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸された繊維であってもよい。
好適に採用できるセルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種類以上混合して使用できる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。特に好ましいセルロースエステルは、セルロースジアセテートである。
トウ構成繊維は、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
トウ構成繊維の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexが望ましい。トウ構成繊維は、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収体を製造できるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。トウ構成繊維の断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。トウ構成繊維は、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用することができる。繊維束は、3,000〜1,000,000本程度の連続繊維を集束して構成するのが好ましい。
トウは、繊維間の絡み合いが弱いため、主に形状を維持する目的で、繊維の接触部分を接着または融着する作用を有するバインダーを用いることができる。バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。
バインダーとして使用する熱可塑性樹脂には、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性または水難溶性樹脂、および水溶性樹脂が含まれる。水不溶性または水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
水不溶性または水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用できるとともに二種以上組合せて使用してもよい。
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
しかし、可能な限り、高吸収性ポリマー粒子の侵入を阻害するバインダー成分の使用は避けるべきである。高吸収性ポリマー粒子の侵入を阻害するバインダー成分は使用しないのが最善である。
トウは公知の方法により製造できるので詳説はしない。吸収要素50に好適に使用できるセルロースジアセテートのトウのベールは、セラニーズ社やダイセル化学工業などにより市販されている。セルロースジアセテートのトウのベールは、密度は約0.5g/cm3であり、総重量は400〜600kgである。
このベールから、トウを引き剥がし、所望のサイズ、嵩となるように広い帯状に開繊する。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは製品の吸収体の幅の100〜300mm程度とすることができる。また、トウの開繊度合いを調整することにより、フィラメント集合体の繊維密度を調整することができる。好ましい繊維密度は、0.03〜0.25g/cm3である。
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛け渡し、トウの進行に伴って次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアーを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
本発明では、図3に示すように、少なくとも吸収体56中に高吸収性ポリマー粒子54,54…を有する。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む意味である。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用される平均粒径のものをそのまま使用でき、平均粒径が100〜1000μm、特に200〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子54の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が50g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子54としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子54としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子54としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、トウを用いることにより嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子54の目付け量は、要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜500g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量を50g/m2以下とすることにより、ポリマーの重量によって、トウからなるフィラメント52の集合体を採用することにより軽量化効果が発揮されにくくなるのを防止できる。500g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子54の過剰により前述のジャリジャリした違和感を与えるようになる。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子54は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
必要により、高吸収性ポリマー粒子54として、粒径分布が異なる複数用意し、厚み方向に順次散布・投射できる。たとえば、先に粒径分布が小さいものを散布・投射した後に、粒径分布が大きいものを散布・投射することで、吸収体56内の下側に粒径分布が小さいものを、上側に粒径分布が大きいものを分布させることができる。この形態は、粒径分布が小さいものは、フィラメントの集合体内に奥深く侵入させるために有効である。
高吸収性ポリマー粒子54とフィラメント52の集合体との割合は吸収特性を左右する。吸収体56における液を直接受ける領域での5cm×5cmの平面面積内における重量比としては、高吸収性ポリマー粒子/フィラメント重量が、0.1〜14、特に0.5〜9であることが望ましい。
(消臭粒子)
本発明では、吸収体56と包被シート58との間における、吸収体56の少なくとも上下両側に消臭粒子53,55が配設される。すなわち消臭粒子は、図示形態のように吸収体56と包被シート58との間に設けられる限り、吸収体56と保持シート80との間に設けても良く付加的にトップシート30と包被シート58との間、中間シート40と包被シート58との間、包被シート58と液不透過性シート70との間、液不透過性シート70と外装シート12との間等に設けることもできる。また、消臭粒子53,55は吸収体56の上下両側に配置される限り、吸収体56内にも消臭粒子を配置することができる。
消臭粒子53,55は、吸収体56の外面上に不連続に設けられていても良いが、図示形態のように、吸収体56の表面側全体及び裏面側全体が消臭粒子53,55の層でそれぞれ覆われているのが好ましい。また、図5に示すように、吸収体56の周囲全体(すなわち上下及び左右両側)が、消臭粒子53,55の層により覆われているのも好ましい。なお、図5中の*印は接着剤を示している。
消臭粒子53,55の使用量は適宜定めることができるが、フィラメントの集合体に対する割合で0.1重量%以上、特に0.1〜10重量%有するのが好ましい。消臭粒子53,55の使用量が少な過ぎると、消臭能力が低下するだけでなく、吸収体56から放出される臭気が消臭粒子53,55に接触する確率も低下する。消臭粒子53,55の使用量が多過ぎると製品が重くなる、製品を外側から触った時にじゃりじゃりとした違和感を与える、費用対効果が悪化する等の問題がある。
消臭粒子53,55は、周囲の部材に固定せず、単に配置するだけで移動自由にしておいても良いが、必要に応じて、周囲の部材、例えば図5に示すように、吸収体56を包む包被シート58に対して接着剤等を用いて固定するのも好ましい形態である。図5中の*印は接着剤を示している。
また、消臭粒子や高吸収性ポリマー粒子の大きさを異ならしめることによって、より確実に、前者を吸収体の上下に保持し、後者を吸収体内に保持させることができる。具体的には、フィラメント52の繊度を1〜5dtexとし、フィラメント52の集合体の繊維密度を0.03〜0.25g/cm3とする場合、高吸収性ポリマー粒子としては平均粒径が200〜400μmのものを用い、消臭粒子としては平均粒径が400μmよりも大きいものと、平均粒径が200μmよりも小さいものを用いる。
この場合、相対的に平均粒径の大きな消臭粒子53はフィラメント集合体内に進入し難く、吸収体56の上側に保持され、高吸収性ポリマー粒子はフィラメント集合体内に進入するものの抜け落ち難く、吸収体56内に保持され、相対的に平均粒径の小さな消臭粒子55は、フィラメント集合体内に保持されずに抜け落ち易いため、吸収体56の下側に保持されるようになる。よって、消臭粒子及び高吸収性ポリマー粒子が適切な部位に確実に保持される結果、より顕著に本発明の効果が発揮されるようになる。
本発明で使用可能な消臭粒子は特に限定されず、公知の如何なる粒子も用いることができるが、ゼオライト粒子、中でも、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなる抗菌消臭性ゼオライト粒子を用いるのが好適である。ゼオライト粒子としては、天然および合成ゼオライトのどちらも用いることができるが、コストおよび入手安定性の観点から合成ゼオライトが好ましい。ゼオライトは、三次元骨格構造をもつアルミノシリケートであり、一般式aM2/n0・xAl23・ySiO2・zH2Oで表される。式中のa、x、y、zはそれぞれ金属酸化物、酸化アルミ、酸化ケイ素、結晶水の数を表す整数である。Mは陽イオンであり、上記抗菌消臭性ゼオライト粒子は、このMとして少なくとも銀イオンを含む。他の陽イオンの種類としては、亜鉛のほか、アルカリ金属(ナトリウムイオン、カリウムイオン)、アルカリ土類金属(カルシウムイオン、マグネシウムイオン)、アンモニウムイオンなどが挙げられる。陽イオンMとしては、銀イオンおよび亜鉛イオンを含むものが好適である。上記一般式におけるnは陽イオンの原子価である。x:yの比率に特に限定はないが、通常1:1〜1:10、好ましくは約1:2〜1:5である。また上記一般式における結晶水数を表すzに関しても特に制限はない。ゼオライトの具体例としては、例えばA型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、T型ゼオライト、高シリカゼオライトなどが挙げられ、消臭効果が優れるという点でA型ゼオライト、X型ゼオライトおよびY型ゼオライトが好ましく、なかでもA型ゼオライトが特に好ましい。
(吸収体のサイズ・重量)
他方、吸収体56のサイズは、平面投影面積が100cm2以上であり、かつ厚さが1〜10mm、特に1〜8mmであるのが好ましい。吸収体のサイズがこの範囲内にあると、重量や厚さ、コストの増加を来たさずに復元性を向上する上で、極めて有利である。また、吸収体の重量は40g以下、特に5〜35gとなるように構成するのが好ましい。吸収体の重量がこの範囲内にあると、専用部材を用いないことによる利点が特に顕著になる。
(包被シート)
包被シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、8〜30g/m2、特に10〜25g/m2のものが望ましい。
この包被シート58は、図3のように、フィラメント52,52…の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…の層全体を包む形態が望ましく、たとえば図4に示すように、その層の裏面及び側面のみを包被する形態は用いられない。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包被シートの構成要素となる)。必要ならば、フィラメント52,52…の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…の層を、上下2層のシートで挟む形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(保持シート)
本発明では、吸収体56の下側に消臭粒子55が配設される。また、吸収体56の上側に配される消臭粒子53や高吸収性ポリマー粒子54は、製造時やその後の工程、あるいは消費者が使用するまでの流通過程で、吸収体56を通過し、抜け落ちることがある。これらの粒子群の凹凸は、消費者が使用する際に手で触ったときジャリジャリした違和感を与える。そこで、吸収体56と包被シート58との間に粒子の保持性能を有する保持シート80を介在させるのである。この保持シート80は、ティッシュペーパ(クレープ紙)などの包被シート58のみでは足りないコシを補強して、消費者が使用する際に手で触ったとき違和感を軽減又は防止する。
保持シート80の素材は、特に限定されず、粒子の保持性能を有するものであれば足りる。具体的には、例えば、不織布、捲縮パルプ、低吸収性のコットン繊維(例えば、未脱脂のコットン繊維、脱脂されたコットン繊維、レーヨン繊維を撥水剤や疎水化剤で処理したものなど。)、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、絹、綿、麻、ナイロン、ポリウレタン、アセテート繊維等を例示することができる。
保持シート80を不織布とする場合、その保持シート80は、KES試験に基づく圧縮エネルギーが0.01〜10.00gfcm/cm2、好ましくは、0.01〜1.00gfcm/cm2で、かつ圧縮レジリエンスが10〜100%、好ましくは、70〜100%の不織布であるとよい。
保持シート80を設ける理由は先にも触れたように、たとえば吸収体56の裏面側に位置する粒子を保持することにある。したがって、使用者は、包被シート58及び保持シート80を介して粒子に接触するため、ジャリジャリした違和感を感じ難くなるのである。特に上記の縮エネルギー及び圧縮レジリエンスである不織布であると、この機能が十分に発揮する。
また、消臭粒子や高吸収性ポリマーは、保持シート80によって保持され、包被シート58上を移動することがないため、消臭能力や吸収能力が偏るおそれも低減する。特に、保持シート80上を粒子が移動するのを防止するために、予め粘着性を有するホットメルト接着剤などを保持シート80上に塗布することができる。また、保持シート80の上面(使用面側に向かう面)を粗面とすることで粒子の移動を防止するようにしてもよい。このための粗面化又は毛羽立ち手段としては、不織布の製造時におけるネット面でない非ネット面とする、マーブル加工を行う、ニードルパンチにより加工する、ブラシッング加工するなどを挙げることができる。
保持シート80は、図3等に示すように吸収体56の下方にのみ設けても、また図6に示すように、吸収体56の側面を通り吸収体56の上面にまで巻き上げて延在させてもよい。また、保持シート80を複数枚重ねて使用することも可能である。
上記例は、吸収体56と包被シート58の裏面側部位との間に保持シート80を設ける例であるが、保持シート80は、包被シートより裏面側であってもよく(その形態は図示していない)、要は、吸収体56に対して裏面側に保持シート80を設ければ、製品の裏面から触る場合におけるジャリジャリした違和感を軽減させるあるいは生じさせないものとなる。
(液不透過性シート)
吸収体56の裏面側に配される液不透過性シート70は、吸収体から更に外方に液分が移動するのを防止するものである。したがって、液不透過性シートは、液を透過しない限り、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。
液不透過性シート70は、いわゆる額巻きする形態で使用面に延在させる(図示せず)ことで、液の横漏れを防止できるが、実施の形態においては、横漏れについては、バリヤーカフス60を形成する二重のバリヤーシート64間に第2液不透過性シート72を介在させることにより防止している。この形態によれば、バリヤーカフス60の起立まで第2液不透過性シート72が延在しているので、トップシート30を伝わって横に拡散した液やバリヤーカフス60、60間の軟便の横漏れを防止できる利点もある。
(バリヤーカフス)
製品の両側に設けられたバリヤーカフス60、60は、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために設けられているが、付加的な要素である。
図示のバリヤーカフス60は、撥水性不織布シートを二重にしたものであり、吸収体56の裏面側からトップシート30の下方への折り込み部分を覆って、表面側に突出するように形成されている。トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿を阻止するために、特に、二重の不織布シート間に液不透過性シート70の側部が挿入され、表面側に突出するバリヤーカフス60の途中まで延在している。
また、バリヤーカフス60自体の形状は適宜に設計可能であるが、図示の例では、バリヤーカフス60の突出部の先端部及び中間部に弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム62が伸張下で固定され、使用状態においてその収縮力により、バリヤーカフス60が起立するようになっている。中間部の糸ゴム62が先端部の糸ゴム62、62よりも中央側に位置してトップシート30の前後端部に固定される関係で、図3のように、バリヤーカフス60の基部側は中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端部は外側に斜めに起立する形態となる。
(エンボス加工)
トップシート30の表面側から厚み方向にエンボスによる凹部Eを形成してもよい。この場合、トップシート30のみにエンボスによる凹部Eを形成するほか、図7に示すように、トップシート30と中間シート40との両者にエンボスによる凹部Eを形成方したり、トップシート30の表面側から吸収体56の厚さ方向一部または略全体に達するようにエンボスによる凹部を形成したり(図示せず)することができる。トップシート30と中間シート40との両者にエンボスによる凹部Eを形成させるためには、中間シート40としては、坪量が8〜50g/m2、厚さ0.2〜10mm、トップシート30としては、坪量が15〜80g/m2、厚さ0.2〜3.5mmの範囲にあるのが、透液性を阻害しない条件で、エンボス加工を充分に行える点で望ましい。
また、トップシート30に凹部を形成することなく、中間シート40のみにエンボスによる凹部を形成してもよく、さらにトップシート30及び中間シート40に凹部を形成することなく、吸収要素56のみにエンボスによる凹部を形成しても、また、トップシート30、中間シート40および包被シート58に凹部を形成することなく、吸収体58のみにエンボスによる凹部を形成してもよい。
凹部Eはこれが延在する方向に、液を誘導し拡散させる効果がある。よって、凹部Eを実質的に溝状に連続させる(複数の凹部が間隔を空けて列なり一つの溝を形成する場合を含む)と、液は、吸収体に到達する前に表面側層の凹部Eを伝って拡散するようになり、吸収体のより広範な部分を吸収に利用できるようになる。よって、製品全体の吸収容量が増大し、吸収容量不足に基づく側方からの漏れや逆戻りが発生し難い吸収性物品となる。
一方、トウからなる吸収体56は従来のパルプ物と比べて剛性が低下し易いが、吸収体56にエンボスによる凹部を形成すると剛性を高めることができるため好ましい。図示しないが、吸収要素50の剛性を高めるために、吸収体56の裏面側(トップシート30側に対して反対側)から厚み方向にエンボスによる凹部を形成するのも好ましい形態である。この裏面側の凹部を形成するために、保持シート80、包被シート58、液不透過性シート70または外装シート12の裏面側から、吸収体56まで達するように一体的にエンボス加工を施すことができる。また、このような裏面側の凹部は、表面側の凹部Eとともに形成するのが好ましいが、表面側の凹部Eを形成せずに裏面側の凹部のみ形成することもできる。凹部を表裏両側に設ける場合には、凹部の形態を表裏共通にしても良く、また表裏異なるものとしても良い。
エンボスによる凹部はその延在方向に液を誘導し拡散させる効果がある。また剛性を高める効果もある。よって、エンボスによる凹部の形態はこれらの効果を考慮して決定するのが望ましい。例えば、凹部は、実質的に溝状に連続するもの(複数の凹部が間隔を空けて列なり一つの溝を形成する場合を含む)の他、複数の凹部が間隔を空けて点状に配置されるものであっても良い。また、平面パターンとしては、溝状または点状の凹部が、製品の長手方向、幅方向、これらを組み合わせた格子状、幅方向に往復するジグザグ状(千鳥状)、あるいは不規則に配置された形態等を採ることができる。さらに、ピン状、富士山状、蛇腹状等、適宜の形態を採用することができる。
(その他)
なお、図示しないが、吸収性本体20の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、スパイラル、サミットまたはカーテン塗布などにより相互に固定される。
(テープ式使い捨ておむつの例)
一方、図8及び図9はテープ式使い捨ておむつの例を示している。図9は図8におけるIX−IX線矢視図であるが、吸収性本体20についてはやや誇張して図示してある。
テープ式使い捨ておむつ10Aは、おむつの背側両側端部に取り付けられたファスニング片を有し、このファスニング片の止着面にフック要素を有するとともに、前記おむつの裏面を構成するバックシートを不織布積層体とし、おむつの装着に当り、前記ファスニング片のフック要素を前記バックシートの表面の任意個所に係合可能となしたおむつである。
吸収性本体20は、トップシート30と、液不透過性シート70との間に、吸収体56を介在させたものとなっている。この吸収体56は、ティッシュペーパによる包被シート58により全体が包まれており、平面的に視て長方形をなしている。吸収体56と包被シート58との間には保持シート80が設けられている。
さらに、トップシート30と吸収体56との間には、中間シート40が介在されている。液不透過性シート70は吸収体56より幅広の長方形をなし、その外方に砂時計形状の不織布からなるバックシート12Aが設けられている。
トップシート30は吸収体56より幅広の長方形をなし、吸収体56の側縁より若干外方に延在し、液不透過性シート70とホットメルト接着剤などにより固着されている。
おむつの両側部には、使用面側に突出するバリヤーカフス60Aが形成され、このバリヤーカフス60Aは、実質的に幅方向に連続した不織布からなるバリヤーシート64と、弾性伸縮部材、例えば糸ゴムからなる1本の又は複数本の脚周り用弾性伸縮部材としての糸ゴム62とにより構成されている。130は面ファスナーによるファスニング片である。
バリヤーシート64の内面は、トップシート30の側縁と離間した位置において固着始端を有し、この固着始端から液不透過性シート70の延在縁にかけて、幅方向外方部分がホットメルト接着剤などにより固着されている。バリヤーシート64の外面は、その下面においてバックシート12Aにホットメルト接着剤などにより固着されている。さらに、ガスケットカフス用弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム66が設けられている。
バリヤーシート64の内面の、液不透過性シート70への固着始端は、バリヤーカフス60Aの起立端を形成している。脚周りにおいては、この起立端より内側は、製品本体に固定されていない自由部分であり、この自由部分が糸ゴム62の収縮力により起立するようになる。
本例では、ファスニング片130として、面ファスナーを用いることで、バックシート12Aに対して、メカニカルに止着できる。したがって、いわゆるターゲットテープを省略することもでき、かつ、ファスニング片130による止着位置を自由に選択できる。
ファスニング片130は、プラスチック、ポリラミ不織布、紙製などのファスニング基材の基部がバックシート12Aに、例えば接着剤により接合されており、先端側にフック要素130Aを有する。フック要素130Aはファスニング基材に接着剤により接合されている。フック要素130Aは、その外面側に多数の係合片を有する。フック要素130Aより先端側に仮止め接着剤部130Bを有する。製品の組立て末期において、仮止め接着剤部130Bがバリヤーシート64に接着されることによりファスニング片130の先端側の剥離を防止するようにしている。使用時には、その接着力に抗して剥離し、ファスニング片130の先端側を前身頃に持ち込むものである。仮止め接着剤部130Bより先端側はファスニング基材が露出して摘みタブ部とされている。
前身頃の開口部側には、バックシート12Aの内面側に、デザインシートとしてのターゲット印刷シート74が設けられ、ファスニング片130のフック要素130Aを止着する位置の目安となるデザインが施されたターゲット印刷がなされ、外部からバックシート12Aを通して視認可能なように施されている。
おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム62の収縮力が作用するので、脚周りでは、糸ゴム62の収縮力によりバリヤーカフス60Aが起立する。
起立部で囲まれる空間は、尿又は軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿はトップシート30を通って吸収体56内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、バリヤーカフス60Aの起立部がバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。万一、起立部の起立遠位側縁を乗り越えて横に漏れた尿は、平面当り部によるストップ機能により横漏れが防止される。
本形態において、各起立カフスを形成するバリヤーシート64は、透液性でなく実質的に不透液性(半透液性でもよい)であるのが望ましい。また、本発明の表面シート(不織布積層体)に対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。いずれにしても、バリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ通気性があり、かつバリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ耐水圧が100mmH2O以上のシートであるのが好適である。これによって、製品の幅方向側部において通気性を示すものとなり、着用者のムレを防止できる。
その他の点、例えば各部の使用素材等については、前述のパンツ型紙おむつの場合と同じであるため、敢えて説明を省略する。
<吸収要素の製造方法の実施形態>
次に、上述の紙おむつの製造例について説明する。図10及び図11に示す例は、図1、図2及び図6に示すパンツ型の使い捨ておむつの製造設備例を示している。
ラインに上流側から包被シート58が供給され、次いで保持シート80が供給される。この包被シート58および保持シート80に対して、後に供給される粒子53,54または55の移動を防止するために、予め粘着性を有するホットメルト接着剤などの接着剤を塗布することができる。図11にはこの粘着剤の塗布装置104が図示されている。
続いて、トウを開繊してなる(開繊工程の詳細は後述する)フィラメント52の集合体52Zが上方から供給され、その上に、粒子散布手段90から消臭粒子及び高吸収性ポリマー粒子が散布供給される。その後、セーラ92を通すことにより包被シート58により包み込まれ、吸収要素50とされる。次に、カッター装置94によりライン方向に分割され、個別の吸収要素50とされる。
さらに、中間シート(セカンドシート)40が上方から、実施の形態では吸収要素50全長に対して短い構造であるので、間欠的に供給される。
続いて上方からバリヤーカフス60の構成要素及びトップシート30が、下方から液不透過性シート70がそれぞれ供給される。ここで、バリヤーカフス60を構成するバリヤーシート64の供給ラインでは、予め、図示しない装置により2枚の不織布間に糸ゴム62が伸張下で、かつ第2液不透過性シート72が固定された状態での供給がなされ、トップシート30と共に主ラインに供給される。主ラインに供給されたバリヤーカフス60の構成要素、トップシート30及び液不透過性シート70は、図6に示す形状に、セーラ96により折り畳みがなされる。
吸収性本体20のラインの最後では、カッター装置98により切断され、長手方向をラインに沿わせた長方形の吸収性本体20が得られる。得られた吸収性本体20は、転回装置100により吸収性本体20の長手方向がラインと直交するように90度転回される。
一方、外装シート12のラインでは、予め2枚の不織布シート間に糸ゴム12Cが介在された(図10では図示を省略してある)状態で流れ、かつ、脚周り部分を形成するためにカッター(図示せず)により楕円形にくりぬかれ、組合せステーション102に達すると、その上で、かつ、くりぬき部位間に転回済みの吸収性本体20が設置され、ホットメルト接着剤などにより固定され、外装シート12と結合される。その後、図10の水平ラインを境にして上下に折り畳まれ、外装シート12の前身頃12F及び後身頃12Bの両側部の接合領域12Aが熱融着などにより接合される。その後、ライン方向に分断して(分断手段は図示していない)個別製品を得る。
開繊工程は、例えば図11に示す形態のラインにより実施される。すなわち、ベール52Xからトウ52Yが引き出され、拡幅装置120を介して段階的に拡幅されながら第1ニップ126A、第2ニップ126B、及び第3ニップ126Cを通り、拡厚装置110に導かれ、ここで厚さが拡大され、略最終的なフィラメントの集合体52Zとされた後、その上に、高吸収性ポリマー粒子散布手段90により高吸収性ポリマー粒子54が散布供給され、しかる後にセーラ92へと送り込まれる。ベール52Xからのトウの引き出しは、第1ニップ126A(駆動ニップロールに相当)による引き込みにより行われるようになっている。
特徴的には、ベール52Xから引き出されたトウ52Yは、ターン部122により角度変えが行われた後、回転自由に構成された一対のニップロールからなるフリーニップロール124のニップを介して、第1ニップ126Aにより引き込まれるようになっている。このような構成では、フリーニップロール124の移送抵抗(ニップ圧力やロール自重に応じて定まる)があたかもトウ52Yの引き込み速度を抑えるブレーキとして機能し、フリーニップロール124以降における張力が安定するようになる。これは、フリーニップロール124の回転がトウの通過のみで発生するようになっていることに起因するものである。
フリーニップロール124のニップ圧や自重は適宜定めればよいが、通常の場合、ニップ圧は0MPa超5MPa以下とするのが好ましく、また、ロール自重は、ロール一本あたり0kg超10kg以下とするのが好ましい。この範囲内であれば、張力の安定化を容易に実現できる。
かくして、トウの供給量を支配する第1ニップ126Aに対するトウ52Yの供給量が安定するようになり、もって吸収体のサイズ、重量、品質が安定するようになる。
また、ベール52Xから引き出されたトウ52Yは、ベール52Xとフリーニップロール124との間、フリーニップロール124と第1ニップ126Aとの間、第1ニップ126Aと第2ニップ126Bとの間、ならびに第2ニップ126Bと第3ニップ126Cとの間にそれぞれ設けられた拡幅装置120により、段階的に所望の幅まで拡幅される。この際、併せて厚さ方向にも拡大することができる。
この拡幅装置120の詳細は図12及び図13に示されている。この拡幅装置120は、トウを通す所定幅Xの角筒状通路120Aと、この通路120A内面における幅方向に沿う面に形成された圧縮エアーの噴出口120Bとを有し、通路120A内に導入されるトウ52Yを圧縮エアーの力により通路幅一杯に拡幅するものである。通路の高さは、導入されるトウ52Yの厚さ以上とされており、トウ52Yの厚さよりも高い場合には、トウ52Yは厚さ方向にも拡大される。
噴出口120Bは、図13に示されるように、通路120Aの幅方向中央に関して線対称をなし且つ通路120Aの幅方向中央に向かうにつれてトウ通過方向下流側に位置するくの字状(もしくはV字状)スリットとされている。
このようなスリット120Bからエアーを噴出させた状態で、トウが通路120A内に進入すると、進入位置が幅方向中央からずれていたとしても、トウ52Yが圧縮エアーの力をバランス良く受けるように幅方向中央側(図13中の矢印方向)に逃げ、自然にトウ52Yが通路120Aの幅方向中央に案内される。つまり、拡幅のための圧縮エアーを利用してトウ52Yの導入位置のセンタリングも可能になるのである。また、この形態では、トウ52Yを非接触で案内するため、ガイド部材等のように接触により案内するのと比べて、トウの傷みや崩れも発生し難い利点もある。また、このようなセンタリング機能を有する拡幅装置120は、拡幅におけるセンタリングだけでなく移送位置の補正機能をも発揮する。
上述のような圧縮エアーを利用したセンタリングを行う場合、スリットの形状はくの字状に限られず、通路120Aの幅方向中央に関して線対称をなし且つ通路120Aの幅方向中央に向かうにつれてトウ通過方向下流側に位置する条件を満足する限り、曲線状、円弧状等に形成することもできる。
一方、第1ニップ126Aと第2ニップ126Bとの間では、トウ52Yにテンションをかけるように張力が付与されており、逆に第2ニップ126Bと第3ニップ126Cとの間は弛緩されるように、各ニップロールの周速度が設定されている。この結果、第1ニップ126Aと第2ニップ126Bとの間でトウ52Yにテンションがかけられることで、フィラメント相互の絡み合い等がある程度まで強制的に除去され、フィラメントの分離が促進されるとともに、この分離に伴って拡幅装置120によりトウ52Yを拡幅することで、トウ52Yの更なる均一な拡幅が可能となっている。また、第2ニップ126Bと第3ニップ126Cとの間でトウ52Yの弛緩を行いつつ、拡幅装置120によりトウ52Yを拡幅することで、トウ52Yの更なる均一な拡幅が可能となっている。
より好ましい形態では、第2ニップ126Bの一方のローラは、長手方向に小さな間隔を置いて周方向に連続する溝が多数形成される。この溝は、フィラメントが多数の溝内に入り込むことで、トウの解しを促進させる機能がある。さらに、この場合、溝の効果を高めるために、第2ニップ126Bの一方の溝付ローラにおけるトウ52Yの抱き角度(トウ接触部分の回転方向角度)を大きくし、トウ52Yと溝付ローラとの接触面積を大きくするのも好ましい形態である。具体的には、第2ニップ126B上流側のトウ52Yと下流側のトウ52Yとのなす角度、つまり溝付ローラによる方向転換角度が180度未満、特に鋭角(90度よりも小)となるように構成するのが好ましい。
また、第1ニップ126A、第2ニップ126B及び第3ニップ126Cは、対をなすロールの径の組み合わせが相違しても良いが、その場合、周速度差によりロール間でトウ52Yに加わる張力やロールとトウ52Yとの接触抵抗などが、トウ幅方向において不均一になるおそれがあるため、全て共通するように構成するのが好ましい。
次に、第3ニップ126Cを通過したトウは、拡厚装置110に導かれる。拡厚装置110は、たとえば、特開昭59−500422号公報(WO 83/03267)に開示されたものと同様な構造であり、概略的には図14に示すように、入口110Aと出口110Bとの間にベンチュリー部110bが形成されるとともに、入口側に圧空の吹き込み口110aを備えるとともに、ベンチュリー部110bに空気の排気孔110cを有するものである。平面的にはほぼ長方形をなし、図14の紙面を貫通する方向に扁平な形状である。
吹き込み口110aからの圧空の吹き込みによって、エジェクター効果によって入口110Aから空気が入り込み、その結果、トウ52Yは引き込まれ、前進力が与えられる。トウ52Yがベンチュリー部110bに至ると、空気の排気孔110cから排気が行われ、かつ、ベンチュリー部110bの空間が拡大するために、主にトウ52Yの嵩が厚み方向に増加し、厚さが拡大される。なお、通路の幅を、導入されるトウ52Yの幅よりも広くすることにより、図14の下方に示すように拡幅も可能である。
他方、粒子散布手段90としては、図示形態は、小径の高吸収性ポリマー粒子55を散布する第一散布装置91と、高吸収性ポリマー粒子54を散布する第二散布装置92と、大径の消臭粒子53を散布する第三散布装置93とを、上流側からこの順に備えており、各粒子が順次散布供給されるようになっている。散布後(使用段階含む)、粒径の大きさとフィラメント集合体の隙間の大きさとの関係で、大きい消臭粒子53の殆どはフィラメント集合体52の上側に残り、高吸収性ポリマー粒子54の殆どはフィラメント集合体内に保持され、小さい消臭粒子55はフィラメント集合体上またはその内部に保持されることなく抜け落ち、フィラメント集合体と包被シートとの間に保持されるようになる。よって、単に散布するだけの簡易な方法で、消臭粒子53,55を吸収体56の上下両側に、また高吸収性ポリマー54は吸収体56内にそれぞれ確実に保持させることができるようになる。
特に、図示形態のように、相対的に小さい粒子から順に散布すると、相対的に大きい粒子が小さい粒子の移動を妨げることがなく、消臭粒子53,55および高吸収性ポリマー粒子54が適切に配置され易くなる。しかし、もちろん別の任意の順番で散布しても良く、また一つの散布装置から大小の消臭粒子53,55および高吸収性ポリマー粒54を混合して散布しても良い。
散布装置91〜93としては、粒子自体の自重よる落下力のみならず、加速力を与えるものが望ましい。この例を図15に示した。すなわち、下部に開口を有するケーシング90a内に投射孔90dを有する回転ドラム90bがウェブの移動方向(図16での反時計方向)に回転するように構成され、その内部にシャッタドラム90cが設けられたものである。これらを要素とする投射部90Aは、ホッパー90Bと連結され(図11参照)ており、ホッパー90Bからの粒子53、54または55は回転ドラム90b内に供給されるように構成されている。
この装置では、予め、ケーシング90aの開口位置に対し、シャッタドラム90cの開口の位置調整が行われる。図15の状態では完全一致した全開状態を示してある。また、回転ドラム90bの投射孔90dは、周方向に分割された群として、図示では周方向に4つの群として分割され、したがって図示では回転ドラム90bが一回転する過程で、4枚分の紙おむつに対して粒子を散布・投射するようにしてある。
フィラメント52の集合体上に粒子53、54または55を連続的に散布・投射してもよいが、図10が参照されるように、吸収要素50をカッター装置94によりライン方向に分割し、個別の吸収要素50とするときに、粒子53、54または55の存在によりカッター装置94の刃が短時間のうちに磨耗してしまう。そこで、粒子53、54または55を連続的に散布・投射するのではなく、図15に示すように、ゾーンZのみに間欠的に散布・投射するようにすることが望ましい。
このために、前述のように、回転ドラム90bの投射孔90dは、周方向に分割された群として、図示では周方向に4つの群として分割して形成することにより、粒子53、54または55をゾーンZのみに間欠的に散布・投射するようにしてあるのである。その結果、ゾーンZ、Z間でカッター装置94により分断でき、カッター装置94の刃の磨耗を抑制できる。
なお、粒子の散布量は、主に投射孔90dの孔径の大小、ケーシング90aの開口位置に対するシャッタドラム90cの開口の位置調整によって調節でき、加工ラインの速度に合わせて開口の位置を追従させると良い。また、粒子の散布パターンは、分割された投射孔90d群の配置によって調節できる。
必要ならば、粒子53、54または55を圧力空気とともに、フィラメント52の集合体上に散布・投射することも可能である。しかし、フィラメント52の集合体上に散布・投射した粒子が、圧力空気によって散乱するおそれがあるので、あまり推奨できない。
また、必要に応じて、フィラメントの集合体上に散布された粒子53、54または55をフィラメント52の集合体の下方から、吸引するようにしてもよい。
また、図16に示すように、図10の転回ロールをバキュームロール106に換え、前述の遠心分力をも加えて粒子を散布する散布装置ではなく、単に粒子を自重により落下させる形式の汎用の散布装置により、バキュームロール106上方からフィラメント52の集合体52Z上に、粒子53、54または55を散布することもできる。この場合には、バキュームロール106による吸引力が散布粒子53、54または55に作用し、粒子の移動が促進される。
図17は、別の製造形態を示しており、特に前述の図5に示すように消臭粒子53,55を包被シート58に対して接着する場合に適したものである。ラインに上流側から包被シート58が供給され、次いで保持シート80が供給される。この包被シート58および保持シート80に対して、幅方向全体にわたり塗布装置104によりホットメルト接着剤などの接着剤が塗布され、さらにその上に、消臭粒子散布装置94から幅方向全体にわたり消臭粒子53,55が散布される。しかる後、消臭粒子の上にフィラメント集合体52Zが載せられ、その上に、高吸収性ポリマー粒子散布装置95から高吸収性ポリマー粒子54が散布供給される。これらの散布装置94、95としては、粒子を加速力で投射するタイプのものの他、自重により落下させる汎用タイプも用いることができ、また両装置に同じタイプのものを用いる他、異ならしめることもできる。
高吸収性ポリマー粒子54が散布された後は、図18に示すように、セーラ92によって包被シート58の両側部が吸収体56の上側に折り返されて固定され、吸収要素50とされる。なお、図18中の*印は接着剤を示している。かくして製造された吸収要素は、図5に示される例と同様に、吸収体56の周囲全体(すなわち上下及び左右両側)が、消臭粒子53,55の層により覆われるとともに、消臭粒子53,55が包被シート58に対して直接的にまたは保持シート80を介して間接的に、接着剤により接着固定される。その他は、前述の製造形態と同様である。
他方、図19は、図8及び図9に示すテープ式の使い捨ておむつの製造方法例を示している。中間シート(セカンドシート)40の供給までは、基本的にパンツ型の場合と同様である。中間シート40が間欠供給された後は、続いて上方からトップシート30が、下方から液不透過性シート70がそれぞれ供給され、その後にバリヤーカフス60を構成するバリヤーシート64が供給される。バリヤーシート64の供給ラインでは、予め、図示しない装置により2枚の不織布間に糸ゴム62が伸張下で固定された状態での供給がなされる。ラインの最後では、吸収性本体を備える半製品がカッター装置98により分断され、製品10が得られる。
本発明は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、おむつカバーと併用する吸収パッド等の吸収性物品における吸収体の製造に好適なものである。
パンツ型使い捨ておむつの斜視図である。 パンツ型使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図2の3―3線矢視断面図である。 他の例の3―3線矢視相当断面図である。 別の例の3―3線矢視相当断面図である。 変形例の3―3線矢視相当断面図である。 さらに別の例の3―3線矢視相当断面図である。 テープ式使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図8のIX−IX断面図である。 パンツ型紙おむつの製造設備例を示す概要図である。 その要部概要図である。 拡幅装置の概要図である。 図12のXIII−XIII断面図である。 開繊装置の概要図である。 粒子散布手段例の概要図である。 他の粒子散布形態の概要図である。 別の製造形態を示す断面図である。 製造段階の吸収体の断面図である。 テープ式使い捨て紙おむつの製造設備例を示す概要図である。
10…パンツ型使い捨ておむつ、10A…テープ式使い捨ておむつ、12…外装シート、12A…バックシート、20…吸収性本体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、52…フィラメント、52X…ベール、52Y…トウ、52Z…フィラメントの集合体、53…消臭粒子(大径)、54…高吸収性ポリマー粒子、55…消臭粒子(小径)、56…吸収体、58…包被シート、60、60A…バリヤーカフス、64…バリヤーシート、70…液不透過性シート、72…第2液不透過性シート、80…保持シート、90…高吸収性ポリマー粒子散布手段、90A…投射部、90a…ケーシング、90b…回転ドラム、90c…シャッタドラム、92…セーラ、94…カッター装置、98…カッター装置、100…転回装置、102…組合せステーション、104…粘着剤塗布装置、110…拡厚装置、110a…圧空の吹き込み口、110b…ベンチュリー部、120…拡幅装置、124…フリーニップロール、126A…第1ニップ、126B…第2ニップ、126C…第3ニップ、130…ファスニング片、E…凹部、Z…高吸収性ポリマー粒子散布ゾーン。

Claims (6)

  1. 使用面側のトップシートを透過した液を受け入れ保持する吸収要素を備え、
    前記吸収要素は、トウを開繊したフィラメントの集合体及びこのフィラメントの集合体内に保持された高吸収性ポリマー粒子を有する吸収体と、この吸収体を包む包被シートを含み、
    前記吸収体と前記包被シートとの間における、少なくとも前記吸収体の上側及び下側、移動自由な消臭粒子配設されており
    前記フィラメントの繊度は1〜5dtexであり、
    前記フィラメントの集合体の繊維密度が0.03〜0.25g/cm 3 であり、
    前記高吸収性ポリマー粒子の平均粒径が200〜400μmであり、
    前記吸収体の上側に配設された、移動自由な消臭粒子の平均粒径が400μmよりも大きく、
    前記吸収体の下側に配設された、移動自由な消臭粒子の平均粒径が200μmよりも小さい、
    ことを特徴とする吸収性物品。
  2. 少なくとも前記吸収体の表面側全体及び裏面側全体が、前記消臭粒子からなる層により覆われている、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記消臭粒子を、前記フィラメントの集合体に対する割合で0.1重量%以上有する、請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記消臭粒子が、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなるゼオライト粒子である、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品。
  5. トウを開繊し、繊維密度が0.03〜0.25g/cm3である、繊度1〜5dtexのフィラメントの集合体を形成し、
    このフィラメントの集合体を包被シート上に載せた状態で、フィラメントの集合体の上から、平均粒径が200μmよりも小さい消臭粒子、平均粒径が200〜400μmである高吸収性ポリマー粒子、および平均粒径が400μmよりも大きい消臭粒子を散布した後、これらフィラメントの集合体、消臭粒子および高吸収性ポリマー粒子を包被シートで包
    粒径の大きさとフィラメントの集合体の隙間の大きさとの関係により、前記平均粒径が400μmよりも大きい消臭粒子が前記フィラメントの集合体の上側に残り、前記高吸収性ポリマー粒子が前記フィラメントの集合体内に保持され、前記平均粒径が200μmよりも小さい消臭粒子がフィラメントの集合体上及び内部に保持されずに抜け落ち、フィラメントの集合体の下側に保持される、吸収要素を得る、
    ことを特徴とする吸収要素の製造方法。
  6. 前記平均粒径が200μmよりも小さい消臭粒子、平均粒径が200〜400μmである高吸収性ポリマー粒子、および平均粒径が400μmよりも大きい消臭粒子を、この順に個別に散布する、請求項記載の吸収要素の製造方法。
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