JP4841224B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、表面シートから前記吸収性本体に達する溝状のエンボスが形成された吸収性物品、特にトウを開繊してなるフィラメント集合体により形成されている吸収体を含む吸収性物品、好適には紙おむつに関するものである。
幼児や大人のテープ式やパンツ型の使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの吸収性物品は、使用面側の表面シートと、背面側の体液の透過を防止するバックシートと、これらのシート間に介在され、表面シートを透過した排泄された体液を受け入れ保持する吸収体とを基本要素としている。
この基本要素に対し、バックシートの裏面側にたとえば不織布などからなる外装シートを設け、バックシートとしてプラスチックシートを使用した場合における肌触りを改良する形態、製品の両側にいわゆるバリヤーカフスを形成する形態など、ウエスト周りや腹周りのフィット性を改良するために弾性伸縮性を付与する形態などが、適宜付加される。
使用面側の表面シートを透過した体液を受け入れ保持する吸収体としては、従来は、パルプ短繊維の積繊体が一般的に使用されている。また、体液に吸収量を高めるために高吸収性ポリマー粒子(以下「SAP」ともいう。)を使用することも知られている。
SAPはパルプ短繊維の積繊体上に散布する場合のほか、パルプ短繊維のSAPを分散保持させ積繊体させる場合(特許文献1)がある。
一方、近年では、特表2002−524399号(WO99/27879:特許文献2)及び特表2004−500165号(米国特許第6,646,180号:特許文献3)に示されるように、セルロースアセテートのトウを吸収体として使用することが提案されている。
特表2004−500165号は、SAPを主体としフィラメント集合体を添加した吸収体を開示する。この吸収体は、上層と下層との間に設けた、SAPを約50〜95重量%含み、スターチなどの非水溶性の親水性ポリマー及び繊維を約5〜50重量%含み吸収層からなるラミネート構造のものであり、これを横断面C型に折り畳み、中央にチャンネルを形成したものである。
特開2004−65300号公報 特表2002−524399号(WO99/27879)公報 特表2004−500165号(米国特許第6,646,180号)公報
トウは密度が比較的に高く、そのままでは吸収性能や柔らかさが不十分なため、開繊を要する。
しかしながら、トウを開繊してなるフィラメント集合体は、汎用の綿状パルプと異なり、フィラメント相互の結びつきが弱いため、使用時に加わる外力によって形状が崩れ、初期の吸収性能が発揮されなくなるおそれがあった。
特に、装着時や装着後において、外力が加わると、フィラメント相互が離れる傾向があり、吸収体の幅方向に関し粗密が生じ、着用者の肌へのフィット性が悪くなる傾向が知見された。着用者の肌へのフィット性の低下は、排泄された体液が吸収体に速やかに浸透しないまま表面シートに留まる傾向をもたらし、表面シートに留まる体液は、表面シートを拡散し、肌の濡れやカブレの原因となる。
また、フィラメント集合体を吸収要素(製品)の長手方向に配向させる場合、吸収した体液がフィラメントの配向方向に過度に流れる(走る)傾向がみられ、フィラメントの配向方向と交差する方向には拡散し難いものとなり、全体としての吸収能力の高めるのに制限がみられる。
そこで、本発明の第1の課題は、フィラメント集合体の形状安定性を向上させ、着用者の肌へのフィット性を高めることにある。また、第2の課題は、エンボスの溝に沿って体液を流しながら速やかに吸収体内に体液を吸収させるようにすることにある。他の課題は、以下の説明によって明らかになるであろう。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
透液性の表面シート、吸収体及びその少なくとも裏面及び側面を包む包被シートを含む吸収性本体、液不透過性シートをこの順に有する吸収性物品において、
前記吸収体はトウを開繊してなるフィラメント集合体により形成されており、
前記フィラメント集合体は前記吸収性本体の長手方向に沿って配向しており、
前記フィラメント集合体に対して高吸収性ポリマー粒子が実質的に厚み方向全体に分散されており、
前記フィラメント集合体と前記包被シートの裏面側部位との間に、前記フィラメント集合体の裏面と対面する保持シートが設けられるとともに、一部の前記高吸収性ポリマー粒子が前記フィラメント集合体を通り抜けてこの保持シート上に保持されており、
前記吸収性本体が位置する領域内において、前記表面シートから前記保持シートまで達する溝状のエンボスが形成されており、
前記エンボスは前記フィラメント集合体を融着する形態で形成されており、
前記エンボスは、少なくとも着用者の股下部の両側にほぼ長手方向に沿って形成された第1の部分と、前記吸収性本体の前後部分に、前記フィラメント集合体の配向方向に対し交差する方向に沿って形成された第2の部分とを有していることを特徴とする吸収性物品。
(作用効果)
吸収性本体が位置する領域内において、少なくとも着用者の股下部の両側にほぼ長手方向に沿って、表面シートから吸収体に達する溝状のエンボスが形成されているので、着用した際に、エンボス部を境にしてエンボス間領域が着用者の股間部にフィットするようになり、排泄された体液が表面シート上を拡散し前後または横漏れの要因を減少させ、吸収体内に速やかに浸透するようになる。
また、エンボスが吸収体に達する形態で形成されているので、吸収体内に浸透した体液がエンボスに沿って拡散するようになり、結果として吸収体全体としての吸収速度が向上する。
体液の拡散速度はフィラメント集合体の配向方向の方がこれと交差する方向に対して速い。しかるに、エンボスが、フィラメント集合体の配向方向に対し交差する方向に沿って形成されていると、その交差する方向のエンボスが堰のように機能し、フィラメント集合体に対し交差する方向へ拡散を促し、吸収体全体としての拡散速度が高まる。
また、フィラメント集合体の配向方向に対し交差する方向に沿うエンボスは、フィラメント相互の結びつきが弱いフィラメント集合体のバラケを防止するようになり、特に熱融着を利用したエンボスによると、フィラメント集合体の接着性が高く、バラケを防止する効果が高く、もって使用時に加わる外力によって形状が崩れることが少なく、所要の吸収能力を発揮するようになる。
<請求項2記載の発明>
前記第1の部分と前記第2の部分とが実質的に繋がり、実質的に環状のエンボスが形成されている、請求項1記載の吸収性物品。
(作用効果)
前記第1の部分と前記第2の部分とが実質的に繋がり、実質的に環状のエンボスが形成されていると、請求項1及び請求項2の作用効果が相乗的に発揮され、特に環状エンボス領域内での吸収速度が高まり、吸収性能に優れたものとなる。
また、体液の吸収量を高めるために、フィラメント集合体内に高吸収性ポリマー粒子を保持させるのが好ましい。高吸収性ポリマー粒子は、綿状パルプの場合と異なり、フィラメント集合体への付与時に又はその後の工程、あるいは消費者が使用するまでの過程で、フィラメント集合体内を移動し、フィラメント集合体内で偏在化したり、フィラメント集合体から抜け落ちたりすることがある。これらの事態が発生すると、吸収性能が阻害されたり、フィラメント集合体から抜け落ちた高吸収性ポリマー粒子群の凹凸が、使用者にジャリジャリした違和感を与えたりするため、好ましくない。しかるに、環状エンボスを形成することで、フィラメント集合体内における高吸収性ポリマー粒子の移動を抑制することができ、高吸収性ポリマー粒子の偏在を防止し、尿の拡散性及び吸収速度を向上させ、またゲルブロッキングを防止することができる利点がある。
<請求項3記載の発明>
前記実質的に環状のエンボスにおける前記第2の部分に対し長手方向中央側及び外側に、前記吸収性本体の幅方向に沿って形成された溝状のエンボスを有する、請求項2記載の吸収性物品。
<請求項4記載の発明>
前記吸収体は、体液を直接受ける領域での5cm×5cmの平面面積内における重量比で前記フィラメント集合体に対し3〜9倍の前記高吸収性ポリマー粒子を含有しており、
前記実質的に環状のエンボス領域内においては、前記高吸収性ポリマー粒子の目付及び前記フィラメント集合体の密度が他の領域より高い、請求項2または3記載の吸収性物品。
以上のとおり、本発明によれば、吸収体、特にフィラメント集合体の形状安定性を向上させ、着用者の肌へのフィット性を高めることができる、エンボスの溝に沿って体液を流しながら速やかに吸収体内に体液を吸収するようにすることができる等の利点がもたらされる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について詳説する。
<パンツ型使い捨ておむつの例>
図1には、吸収性物品としてパンツ型使い捨ておむつの例が示されている。このパンツ型使い捨ておむつ10は、外面(裏面)側の外装シート12と内面(表面)側の吸収性本体20とを備え、外装シート12に吸収性本体20が固定されている。吸収性本体20は、尿や軟便などの体液(後述する生理用ナプキンでは経血)を受け止めて吸収保持する部分である。外装シート12は着用者に装着するための部分である。
外装シート12はたとえば図示のように砂時計形状となり、両側が括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。吸収性本体20は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。
外装シート12は、図2に示すように、吸収性本体20が所定位置に設置され固定された後、前後に折り畳まれ、外装シート12の前身頃12F及び後身頃12Bの両側部の接合領域12Aが熱融着などにより接合される。これによって、図1に示す構造の、ウエスト開口部WOと一対のレッグ開口部LOを有するパンツ型使い捨ておむつが得られる。
図示の吸収性本体20の長手方向(すなわち図2の上下方向。製品の前後方向でもある。)の中間の幅は、外装シート12の括れた部分を繋ぐ幅より短い形態が示されている。この幅の関係は逆でもよいし、同一の幅でもよい。
外装シート12は望ましくは2枚のたとえば撥水性不織布のシートからなり、これらのシート間に弾性伸縮部材を介在させて、その収縮力により着用者にフィットさせる形態が望ましい。前記弾性伸縮部材としては、糸ゴムや弾性発泡体の帯状物などを使用できるが、多数の糸ゴムを使用するのが望ましい。図示の形態では、糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域Wにおいては幅方向に連続して設けられ、腰下領域Uにおいては両側部分のみに設けられ、股下領域Lにおいては設けられていない。糸ゴム12C,12C…が、ウエスト領域W及び腰下領域Uの両者に設けられていることで、糸ゴム12C自体の収縮力が弱いとしても、全体としては腰下領域Uにおいても着用者に当たるので、製品が着用者に好適にフィットする。
(吸収性本体)
実施の形態の吸収性本体20は、エンボス付与をしていない状態で示す図3、及び現実にエンボスを形成した状態で示す図4に示されるように、体液を透過させるたとえば不織布などからなる表面シート30と、中間シート(セカンドシート)40と、体液吸収の主たる要素を構成する吸収要素50とを備えている。また、吸収要素50は、受け入れた体液を吸収・保持する吸収体56を含み、その裏面側にはプラスチックシートなどからなる体液不透過性シート(バックシートとも呼ばれる)70が設けられている。この体液不透過性シート70の裏面側には、前記の外装シート12が設けられている。さらに、両側にバリヤーカフス60、60を備えている。
(表面シート)
表面シート30は、体液を透過する性質を有する。したがって、表面シート30の素材は、この体液透過性を発現するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
(中間シート)
表面シート30を透過した体液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より体液の透過速度が速い、通常「セカンドシート」と呼ばれる中間シート40を必要により設けることができる。この中間シートは、体液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した体液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布及びスパンボンド不織布が好ましい。
中間シート(セカンドシート)40は、表面シート30と包被シート58との間に介在されている。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、体液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。中間シート40の代表的な素材は体液の透過性に優れる不織布である。
(吸収要素)
吸収要素50は、受け入れた体液を吸収・保持する吸収体56を含み、この吸収体56としては、トウを開繊したフィラメント52,52…の集合体(フィラメント集合体)及び高吸収性ポリマー粒子54,54…を有するものが採用され、この吸収体56の少なくとも裏面及び側面を包む包被シート58とを有する。さらに、吸収体56と包被シート58の裏面側部位(下側の部分)との間に保持シート80が設けられている。
(吸収体)
前述のように、吸収体56は、トウを開繊したフィラメント52,52…の集合体を有する。好適には、図3に示すように、吸収体56中に高吸収性ポリマー粒子54,54…を含ませる。そして、少なくとも体液受け入れ領域において、フィラメント52,52…の集合体に対して高吸収性ポリマー粒子(SAP粒子)が実質的に厚み方向全体に分散されている。この実質的に厚み方向全体に分散されている状態を図3の要部拡大図として概念的に示した。
吸収体56の上部、下部、及び中間部にSAP粒子が無い、あるいはあってもごく僅かである場合には、「厚み方向全体に分散されている」とは言えない。したがって、「厚み方向全体に分散されている」とは、フィラメントの集合体に対し、厚み方向全体に「均一に」分散されている形態のほか、上部、下部及び又は中間部に「偏在している」が、依然として上部、下部及び中間部の各部分に分散している形態も含まれる。また、一部のSAP粒子がフィラメント52,52…の集合体中に侵入しないでその表面に残存している形態や、一部のSAP粒子がフィラメントフィラメント52,52…の集合体を通り抜けて包被シート58上にある形態や、保持シート80上にある形態も排除されるものではない。
フィラメント52,52…の集合体は、フィラメント(実質的に連続する長繊維)で構成されたトウ(繊維束)を開繊したものである。フィラメントの材質としては、熱融着可能なものであれば特に限定なく用いることができ、例えば、多糖類又はその誘導体(セルロース、セルロースエステル、キチン、キトサンなど)、合成高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリラクタアミド、ポリビニルアセテートなど)などを用いることができるが、特に、セルロースエステルおよびセルロースが好ましい。
セルロースとしては、綿、リンター、木材パルプなど植物体由来のセルロースやバクテリアセルロースなどが使用でき、レーヨンなどの再生セルロースであってもよく、再生セルロースは紡糸されたものであってもよい。
好適に採用できるセルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネートなどの有機酸エステル;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステル;およびポリカプロラクトングラフト化セルロースエステルなどのセルロースエステル誘導体などを用いることができる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種類以上混合して使用できる。セルロースエステルの粘度平均重合度は、例えば、50〜900、好ましくは200〜800程度である。セルロースエステルの平均置換度は、例えば、1.5〜3.0(例えば、2〜3)程度である。
セルロースエステルの平均重合度は、例えば10〜1000、好ましくは50〜900、さらに好ましくは200〜800程度とすることができ、セルロースエステルの平均置換度は、例えば1〜3程度、好ましくは1〜2.15、さらに好ましくは1.1〜2.0程度とすることができる。セルロースエステルの平均置換度は、生分解性を高める等の観点から選択することができる。
セルロースエステルとしては、有機酸エステル(例えば、炭素数2〜4程度の有機酸とのエステル)、特にセルロースアセテートが好適である。セルロースアセテートの酢化度は、43〜62%程度である場合が多いが、特に30〜50%程度であると生分解性にも優れるため好ましい。特に好ましいセルロースエステルは、セルロースジアセテートである。
フィラメントは、種々の添加剤、例えば、熱安定化剤、着色剤、油剤、歩留り向上剤、白色度改善剤等を含有していても良い。
フィラメントの繊度は、例えば、1〜16dex、好ましくは1〜10dex、さらに好ましくは1〜5dexが望ましい。フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。捲縮繊維を用いると、嵩高で軽量な吸収体を製造できるとともに、繊維間の絡み合いにより一体性の高いトウを容易に製造できる。フィラメントの断面形状は、特に限定されず、例えば、円形、楕円形、異形(例えば、Y字状、X字状、I字状、R字状など)や中空状などのいずれであってもよい。フィラメントは、例えば、3,000〜1,000,000本、好ましくは5,000〜1,000,000本程度の単繊維を束ねることにより形成されたトウ(繊維束)の形で使用される。繊維束は、3,000〜1,000,000本程度のフィラメントを集束して構成するのが好ましい。
トウは、フィラメント間の絡み合いが弱いため、主に形状を維持する目的で、フィラメントの接触部分を接着または融着する作用を有するバインダーを用いることができる。バインダーとしては、トリアセチン、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールジプロピオネート、ジブチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、クエン酸トリエチルエステルなどのエステル系可塑剤の他、各種の樹脂接着剤、特に熱可塑性樹脂を用いることができる。特に好適にトリアセチンを使用できる。
バインダーとして使用する熱可塑性樹脂には、溶融・固化により接着力が発現する樹脂であり、水不溶性または水難溶性樹脂、および水溶性樹脂が含まれる。水不溶性または水難溶性樹脂と水溶性樹脂とは、必要に応じて併用することもできる。
水不溶性または水難溶性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレフィン系の単独又は共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体などのアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル系モノマーとの共重合体などのスチレン系重合体、変性されていてもよいポリエステル、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、ロジン誘導体(例えば、ロジンエステルなど)、炭化水素樹脂(例えば、テルペン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂など)、水素添加炭化水素樹脂などを用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は一種又は二種以上使用できる。
水溶性樹脂としては、種々の水溶性高分子、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニル単量体と、カルボキシル基、スルホン酸基又はそれらの塩を有する共重合性単量体との共重合体などのビニル系水溶性樹脂、アクリル系水溶性樹脂、ポリアルキレンオキサイド、水溶性ポリエステル、水溶性ポリアミドなどを用いることができる。これらの水溶性樹脂は、単独で使用できるとともに二種以上組合せて使用してもよい。
熱可塑性樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定化剤、充填剤、可塑剤、防腐剤、防黴剤などの種々の添加剤を添加してもよい。
トウは公知の方法により製造できるので詳説はしない。吸収要素50に好適に使用できるセルロースジアセテートのトウのベールは、セラニーズ社やダイセル化学工業などにより市販されている。セルロースジアセテートのトウのベールは、密度は約0.5g/cm3であり、総重量は400〜600kgである。
このベールから、トウを引き剥がし、所望のサイズ、嵩となるように広い帯状に開繊する。トウの開繊幅は任意であり、例えば、幅100〜2000mm、好ましくは製品の吸収体の幅の100〜300mm程度とすることができる。また、トウの開繊度合いを調整することにより、吸収体の密度を調整することができる。
トウの開繊方法としては、例えば、トウを複数の開繊ロールに掛け渡し、トウの進行に伴って次第にトウの幅を拡大して開繊する方法、トウの緊張(伸長)と弛緩(収縮)とを繰返して開繊する方法、圧縮エアーを用いて拡幅・開繊する方法などを用いることができる。
(高吸収性ポリマー粒子)
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む意味である。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、100〜1000μm、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が60g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体内に供給された体液が吸収体外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、トウを用いることにより嵩高な吸収体とした場合であっても、体液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量を50g/m2以下とすることにより、ポリマーの重量によって、トウからなるフィラメントの集合体を採用することにより軽量化効果が発揮されにくくなるのを防止できる。350g/m2を超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸収性ポリマー粒子の過剰により前述のジャリジャリした違和感を与えるようになる。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、体液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
必要により、高吸収性ポリマー粒子として、粒径分布が異なる複数用意し、厚み方向に順次散布・投射できる。たとえば、高吸収性ポリマー粒子散布手段を複数ライン方向に間隔をおいて配置し、先に粒径分布が小さいものを散布・投射した後に、粒径分布が大きいものを散布・投射することで、吸収体56内の下側に粒径分布が小さいものを、上側に粒径分布が大きいものを分布させることができる。この形態は、粒径分布が小さいものは、フィラメントの集合体内に奥深く侵入させるために有効である。
高吸収性ポリマー粒子とフィラメント集合体との割合は吸収特性を左右する。吸収体56における体液を直接受ける領域での5cm×5cmの平面面積内における重量比としては、高吸収性ポリマー粒子/フィラメント重量が、1〜14、特に3〜9であることが望ましい。
(包被シート)
包被シート58としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、8〜20g/m2、特に10〜15g/m2のものが望ましい。
この包被シート58は、図3のように、フィラメント52,52…の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…の層全体を包む形態のほか、たとえば図4に示すように、その層の裏面及び側面のみを包被するものでもよい。また図示しないが、吸収体56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの体液不透過性シートで覆う形態、吸収体56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの体液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包被シートの構成要素となる)。必要ならば、フィラメント52,52…の集合体及び高吸収性ポリマー粒子54,54…の層を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(体液不透過性シート)
体液不透過性シート70は、単に吸収体56の裏面側に配されるシートを意味し、本実施の形態においては、表面シート30との間に吸収体56を介在させるシートとなっている。したがって、本体液不透過性シートは、その素材が、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで体液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。
体液不透過性シート70は、いわゆる額巻きする形態で使用面に延在させる(図示せず)ことで、体液の横漏れを防止できるが、実施の形態においては、横漏れについては、バリヤーカフス60を形成する二重のバリヤーシート64間に第2体液不透過性シート72を介在させることにより防止している。この形態によれば、バリヤーカフス60の起立まで第2体液不透過性シート72が延在しているので、表面シート30を伝わって横に拡散した体液やバリヤーカフス60、60間の軟便の横漏れを防止できる利点もある。
(バリヤーカフス)
製品の両側に設けられたバリヤーカフス60、60は、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために設けられているが、付加的な要素である。
図示のバリヤーカフス60は、撥水性不織布シートを二重にしたものであり、吸収体56の裏面側から表面シート30の下方への折り込み部分を覆って、表面側に突出するように形成されている。表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿を阻止するために、特に、二重の不織布シート間に体液不透過性シート70の側部が挿入され、表面側に突出するバリヤーカフス60の途中まで延在している。
また、バリヤーカフス60自体の形状は適宜に設計可能であるが、図示の例では、バリヤーカフス60の突出部の先端部及び中間部に弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム62が伸張下で固定され、使用状態においてその収縮力により、バリヤーカフス60が起立するようになっている。中間部の糸ゴム62が先端部の糸ゴム62、62よりも中央側に位置して表面シート30の前後端部に固定される関係で、図3のように、バリヤーカフス60の基部側は中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端部は外側に斜めに起立する形態となる。
(エンボス)
本発明では、図2及び図4に示すように、吸収体56が位置する領域内において、少なくとも着用者の股下部の両側にほぼ長手方向に沿って、表面シート30から吸収体56に達する溝状のエンボスEm、Emが形成されている。
また、さらにフィラメント52,52…の集合体の配向方向に対し交差する方向(実施の形態では幅方向)に沿って溝状のエンボスEc、Ec形成されている
図2及び図4に示す形態では、着用者の股下部の両側にほぼ長手方向に形成された第1のエンボスEm、Emと、吸収体56の前後部分に形成された第2のエンボスEc、Ecとを有し、前記第1のエンボスEm、Emと前記第2のエンボスEc、Ecとが実質的に繋がり、実質的に環状のエンボスが形成されている。
エンボスについて、「ほぼ長手方向に沿って」とは、直線状にエンボスを形成するほか、円弧状や曲線状に長手方向に沿うものについても包含する意味であり、また、図2に示すように、長手方向端部に適宜形状部分を有するものでもよい。すなわち、実質的に長手方向に沿う長さが通常は5cm以上有するものであれば、本発明に効果を奏する。
また、フィラメント52,52…の集合体の配向方向に対し交差する方向とは、長手方向に直交する場合のほか、「交差する方向」である限り、その方向は限定されるものではなく、図2に示すように、円弧状や曲線状のエンボスが形成されたものでもよい。
エンボス形成は、押圧のみによって形成するほか、超音波やヒートロールなどを使用して、フィラメント52,52…の集合体を熱融着する形態で形成するのが望ましい。
エンボスは、溝状である限り、たとえば高圧搾部と低圧搾部とが交互に形成し、エンボス溝底に凹凸を有するものでもよいし、むしろ望ましい形態である。
図2及び図4に示す形態に対して、図5に示す形態は、長手方向に沿う溝状のエンボスEm、Emのみの参考形態、図6に示す形態は、幅方向(フィラメント52,52…の集合体の配向方向に対し交差する方向に沿う溝状のエンボスEc、Ecのみの参考形態である
さらに、これらのエンボスに加えて、図7に示すように、幅方向の溝状のエンボスEc1、Ec2をエンボスEcに対し中央側及び又は外側に形成してもよい。また、図示しないが、溝状のエンボスEmに対し中央側及び又は外側に他のエンボスを付加形成してもよい。
エンボスの形成領域は、着用者が男女の性別によって選択することも可能である。女性用の場合には前側に偏在させることが望ましい。また、紙おむつは幼児用と成人用とでサイズが異なるから、一義的に長さによって規定できないものの、フィラメント52,52…の集合体の長手方向に対して1/4以上の範囲に渡って、幅方向に対して1/3以上の範囲に渡って形成するのが望ましい。
他方、エンボスEm、Em間領域、エンボスEc、Ec間領域、あるいは第1のエンボスEm、Emと第2のエンボスEc、Ecとで囲まれる実質的に環状のエンボス領域内のSAP粒子の目付けを、他の領域より高くすることができる。この形態によると、その領域での排尿後の体液吸収性(主に体液吸収量)を高めることができるのが好適である。
また、溝状のエンボスの深さは、表面シート30部分まで、表面シート30及び中間シート40部分まで、表面シート30、中間シート40及び包被シート58上部分までとするよりも、上記実施の形態のように、フィット性及び体液吸収速度を高めるためには、吸収体56に達するものが好ましい。
他方で、エンボスEm、Em間領域、エンボスEc、Ec間領域、あるいは第1のエンボスEm、Emと第2のエンボスEc、Ecとで囲まれる実質的に環状のエンボス領域内において、フィラメント52,52…の集合体の密度を他の部分より上げると、フィット性及び体液吸収速度を高めることができる。
<テープ式使い捨ておむつの例>
一方、図8及び図9はテープ式使い捨ておむつの例を示している。図9は図8における9−9線矢視図であるが、吸収性本体20についてはやや誇張して図示してある。
テープ式使い捨ておむつ10Aは、おむつの背側両側端部に取り付けられたファスニング片を有し、このファスニング片の止着面にフック要素を有するとともに、前記おむつの裏面を構成するバックシートを不織布積層体とし、おむつの装着に当り、前記ファスニング片のフック要素を前記バックシートの表面の任意個所に係合可能となしたおむつである。
吸収性本体20は、表面シート30と、体液不透過性シート70との間に、吸収体56を介在させたものとなっている。この吸収体56は、ティッシュペーパによる包被シート58により全体が包まれており、平面的に視て長方形をなしている。吸収体56と包被シート58との間には保持シート80が設けられている。
さらに、表面シート30と吸収体56との間には、中間シート40が介在されている。体液不透過性シート70は吸収体56より幅広の長方形をなし、その外方に砂時計形状の不織布からなるバックシート12Aが設けられている。
表面シート30は吸収体56より幅広の長方形をなし、吸収体56の側縁より若干外方に延在し、体液不透過性シート70とホットメルト接着剤などにより固着されている。
おむつの両側部には、使用面側に突出するバリヤーカフス60Aが形成され、このバリヤーカフス60Aは、実質的に幅方向に連続した不織布からなるバリヤーシート64と、弾性伸縮部材、例えば糸ゴムからなる1本の又は複数本の脚周り用弾性伸縮部材としての糸ゴム62とにより構成されている。130は面ファスナーによるファスニング片である。
バリヤーシート64の内面は、表面シート30の側縁と離間した位置において固着始端を有し、この固着始端から体液不透過性シート70の延在縁にかけて、幅方向外方部分がホットメルト接着剤などにより固着されている。バリヤーシート64の外面は、その下面においてバックシート12Aにホットメルト接着剤などにより固着されている。さらに、ガスケットカフス用弾性伸縮部材、たとえば糸ゴム66が設けられている。
バリヤーシート64の内面の、体液不透過性シート70への固着始端は、バリヤーカフス60Aの起立端を形成している。脚周りにおいては、この起立端より内側は、製品本体に固定されていない自由部分であり、この自由部分が糸ゴム62の収縮力により起立するようになる。
本例では、ファスニング片130として、面ファスナーを用いることで、バックシート12Aに対して、メカニカルに止着できる。したがって、いわゆるターゲットテープを省略することもでき、かつ、ファスニング片130による止着位置を自由に選択できる。
ファスニング片130は、プラスチック、ポリラミ不織布、紙製などのファスニング基材の基部がバックシート12Aに、例えば接着剤により接合されており、先端側にフック要素130Aを有する。フック要素130Aはファスニング基材に接着剤により接合されている。フック要素130Aは、その外面側に多数の係合片を有する。フック要素130Aより先端側に仮止め接着剤部130Bを有する。製品の組立て末期において、仮止め接着剤部130Bがバリヤーシート64に接着されることによりファスニング片130の先端側の剥離を防止するようにしている。使用時には、その接着力に抗して剥離し、ファスニング片130の先端側を前身頃に持ち込むものである。仮止め接着剤部130Bより先端側はファスニング基材が露出して摘みタブ部とされている。
前身頃の開口部側には、バックシート12Aの内面側に、デザインシートとしてのターゲット印刷シート74が設けられ、ファスニング片130のフック要素130Aを止着する位置の目安となるデザインが施されたターゲット印刷がなされ、外部からバックシート12Aを通して視認可能なように施されている。
おむつの、装着時には、おむつが舟形に体に装着されるので、そして糸ゴム62の収縮力が作用するので、脚周りでは、糸ゴム62の収縮力によりバリヤーカフス60Aが起立する。
起立部で囲まれる空間は、尿又は軟便の閉じ込め空間を形成する。この空間内に排尿されると、その尿は表面シート30を通って吸収体56内に吸収されるとともに、軟便の固形分については、バリヤーカフス60Aの起立部がバリヤーとなり、その乗り越えが防止される。万一、起立部の起立遠位側縁を乗り越えて横に漏れた尿は、平面当り部によるストップ機能により横漏れが防止される。
本形態において、各起立カフスを形成するバリヤーシート64は、透液性でなく実質的に不透液性(半透液性でもよい)であるのが望ましい。また、本発明の表面シート(不織布積層体)に対してシリコン処理などにより液体をはじく性質となるようにしてもよい。いずれにしても、バリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ通気性があり、かつバリヤーシート64及びバックシート12Aは、それぞれ耐水圧が100mmH2O以上のシートであるのが好適である。これによって、製品の幅方向側部において通気性を示すものとなり、着用者のムレを防止できる。
さて、本例においても、着用者の股下部の両側にほぼ長手方向に形成された第1のエンボスEm、Emと、吸収体56の前後部分に形成された第2のエンボスEc、Ecとを有し、前記第1のエンボスEm、Emと前記第2のエンボスEc、Ecとが実質的に繋がり、実質的に環状のエンボスが形成されている。他の変形例は、前述のパンツ型の場合と同様に採用可能である。
その他の点、例えば各部の使用素材等については、前述のパンツ型紙おむつの場合と同じであるため、敢えて説明を省略する。
本発明は、紙おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、おむつカバーと併用する吸収パッド等の吸収性物品に適用できるが、最適には紙おむつまたはおむつカバーもしくは紙おむつと併用する吸収パッドである。
パンツ型使い捨ておむつの斜視図である。 パンツ型使い捨ておむつのエンボスを形成していない状態で図示して展開状態平面図である。 パンツ型使い捨ておむつのエンボスを形成した状態で図示して展開状態平面図である。 図2の4−4線断面図である。 エンボス形成についての別の第1例の断面図である。 エンボス形成についての別の第2例の断面図である。 エンボス形成についての別の第3例の断面図である。 テープ式使い捨ておむつの展開状態平面図である。 図8の9−9線断面図である。
10…パンツ型使い捨ておむつ、10A…テープ式使い捨ておむつ、12…外装シート、12A…バックシート、20…吸収性本体、30…表面シート、40…中間シート、50…吸収要素、52…フィラメント、54…高吸収性ポリマー粒子、56…吸収体、58…包被シート、60、60A…バリヤーカフス、64…バリヤーシート、70…体液不透過性シート、72…第2体液不透過性シート、80…保持シート、E…熱融着部分。

Claims (4)

  1. 透液性の表面シート、吸収体及びその少なくとも裏面及び側面を包む包被シートを含む吸収性本体、液不透過性シートをこの順に有する吸収性物品において、
    前記吸収体はトウを開繊してなるフィラメント集合体により形成されており、
    前記フィラメント集合体は前記吸収性本体の長手方向に沿って配向しており、
    前記フィラメント集合体に対して高吸収性ポリマー粒子が実質的に厚み方向全体に分散されており、
    前記フィラメント集合体と前記包被シートの裏面側部位との間に、前記フィラメント集合体の裏面と対面する保持シートが設けられるとともに、一部の前記高吸収性ポリマー粒子が前記フィラメント集合体を通り抜けてこの保持シート上に保持されており、
    前記吸収性本体が位置する領域内において、前記表面シートから前記保持シートまで達する溝状のエンボスが形成されており、
    前記エンボスは前記フィラメント集合体を融着する形態で形成されており、
    前記エンボスは、少なくとも着用者の股下部の両側にほぼ長手方向に沿って形成された第1の部分と、前記吸収性本体の前後部分に、前記フィラメント集合体の配向方向に対し交差する方向に沿って形成された第2の部分とを有していることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記第1の部分と前記第2の部分とが実質的に繋がり、実質的に環状のエンボスが形成されている、請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記第1の部分間かつ前記第2の部分間に位置する領域における前記高吸収性ポリマー粒子の目付けが、他の領域より高くされている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
  4. 前記吸収体は、体液を直接受ける領域での5cm×5cmの平面面積内における重量比で前記フィラメント集合体に対し3〜9倍の前記高吸収性ポリマー粒子を含有しており、
    前記実質的に環状のエンボス領域内においては、前記高吸収性ポリマー粒子の目付及び前記フィラメント集合体の密度が他の領域より高い、請求項2または3記載の吸収性物品。
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