JP4636266B2 - 給送用カセット、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents
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Description
更に本発明はインク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を付着する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置、該液体噴射装置において設けられる給送用カセットに関するものである。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
インクジェットプリンタでは、一般にプリンタ本体の後部上方にプリンタ本体と一体の給送用トレイが設けられている。当該給送用トレイは、複数枚の用紙を積畳し得るように構成されていて前下がり傾斜姿勢で設けられている。しかし、給送用トレイ上にセットされた用紙をすべて使い切ることなく給送用トレイ上に用紙を残したままの状態で放置した場合には、当該用紙に癖が付いて次回印刷時にヘッド擦れ等による印刷汚れの発生を招いたり、用紙詰まり等の用紙搬送不良を発生させる。また、給送用トレイは、用紙が載置された状態では開放されているため、ゴミや塵等の異物が用紙に付着したり、プリンタ本体内部へ異物が侵入するおそれがある。
本発明の第2の態様によれば、シャッタ蓋体を拡開した時と、閉塞した時とで外観の変化が小さく、記録装置全体の美感を損ねる事態も生じない。
本発明の第4の態様によれば、給送用カセットを記録装置本体に装着すると同時にシャッタ蓋体を自動的に移動させ、給送用開口を拡開することができる。従って、従来必要とされていた煩わしい手動による給送用開口の拡開操作は不要となる。
本発明の第5の態様によれば、給送用カセットを記録装置本体に装着することにより、記録装置本体側に設けられるホッパー押上げカムによる駆動力がホッパー板に伝達され、ホッパー板を上方に回動させてカセット本体内の被記録材の先端部を上方に位置する給送用ローラに向けて押し上げることができる。また、ホッパー板はカセット本体の底面の一部を構成しているため、外部からの異物の侵入を防止する作用も併せ持っている。尚、ホッパー板は、カットされたシート状被記録材の給送用カセットに特有の構成であり、被記録材がボビン状に巻かれた長尺のテープであるビデオカセット等には見られない構成となっている。
本発明の第6の態様によれば、閉蓋状態では、メイン蓋体とシャッタ蓋体は一体の蓋体として認識できるから、給送用カセットの美感を損ねることなく、給送用カセットを記録装置本体に対して装着する際にも支障にならない。また、メイン蓋体とシャッタ蓋体とにより、被記録材は、ほとんど露出部なく被覆されているから、給送用カセット内への異物の侵入も防止されている。
本発明の第7の態様によれば、シャッタ蓋体は、拡開時において平行にメイン蓋体の端面に向けて移動するか、メイン蓋体の肉厚分だけ僅かに上昇した後、メイン蓋体の外側面に近接した状態で平行に移動する。そのため、シャッタ蓋体は、拡開時及び拡開途中の状態でも給送用カセットの美感を害することなく、給送用カセット内への異物の侵入が防止された構造になっている。
本発明の第10の態様によれば、給送用カセットを記録装置本体に装着した状態のままメイン蓋体を開いて被記録材を補充することができるので、被記録材の補充に際して当該給送用カセットを記録装置本体からその都度外さなくても行うことができ、該記録装置は操作性が良い。
本発明の第11の態様によれば、記録装置本体に対して固定状態で設けられる給送用トレイの代わりとして、更に大容量の給送用カセットを使用でき、給送用トレイの機能を損なうことなく、むしろ給送用トレイの機能を向上させた形で給送用トレイを省略することが可能となる。また、給送用トレイ用の給送用ローラや給送経路をそのまま使用できるから、給送用カセットの給送機能を別途設ける必要がなく、小型、軽量で持ち運びに便利な記録装置を提供できるようになる。
次に、このようなインクジェットプリンタ100におけるプリンタ本体3に対して着脱自在に設けられる本願発明に係る給送用カセット1について説明する。
図2は給送用カセットの閉蓋時の外観を示す斜視図、図3は給送用カセットのメイン蓋体拡開時の外観を示す斜視図である。図4は給送用カセットの分解斜視図である。図5は給送用カセットの装着前の状態を示す平面図(a)と、A−A断面図(b)と、付勢手段の付勢方向を示す分力図(c)である。図6は給送用カセットの装着後の状態を示す平面図(a)と、B−B断面図(b)である。図7は給送用カセットをプリンタ本体に装着する直前の状態を示す斜め前方からの斜視図である。また図8はシャッタ蓋体の端面がプリンタ本体に当接した瞬間の状態を示す斜視図(a)と、当接後給送用開口が拡開された状態を示す斜視図(b)である。
給送用カセット1を本来持ち運ぶ場合には、給送用カセット1を水平に保持して持ち運ぶのが好ましいが、本発明の給送用カセット1は、図5(b)に示すように、給送用カセット1を垂直に吊り下げたような状態でも持ち運びが可能な構成になっている。即ち、シャッタ蓋体56は、引張りコイルばね74によって常時閉蓋方向に付勢されていることと、引張りコイルばね74の付勢力Fが水平成分Hと垂直成分Vを持つように、引張りコイルばね74が傾斜姿勢で張設されていることにより、図5(b)中矢印で示す方向の慣性力が働いても容易に開かない構造になっている。
給送用カセット1をプリンタ本体3に装着する場合には、図7に示すように、給送用カセット1のカセット本体33における内側板50に設けられているガイドリブ54を、プリンタ本体3に設けられているガイド溝58に係合させ、カセット本体33の装着側端面36が下になるような前下がり傾斜姿勢で、給送用カセット1を斜め下方に向けて押し込む。そして、図8(a)に示すように、給送用カセット1のシャッタ蓋体56における当接面69がプリンタ本体3の支持ブラケット70に形成されている土手面68に当接することで、シャッタ蓋体56のそれ以上の移動は規制される。
図10に示した給送用カセット1の装着状態で記録装置が使用され、給送用カセット1内に被記録材である用紙Pの補充が必要になったときは、図11に示したように、給送用カセット1のメイン蓋体46を、該給送用カセット1が記録装置本体3に装着された状態のまま開く。これによりカセット本体33の上部開口34が現れ、用紙Pを補充することができる。すなわち、用紙Pの補充に際して当該給送用カセット1を記録装置本体3からその都度外さなくても行うことができる。
ここで、図11の開状態におけるメイン蓋体46の開き角度は、給送用カセット1を記録装置本体3から取り外して図3に示したようにテーブルや台の上に水平に置いた状態において、前記回動規制度当板51によって規制される開き最大角度より小さくなるように設定されている。その理由は、図11に示したように給送用カセット1が記録装置本体3に装着された傾斜姿勢では、図3に示した水平姿勢よりも小さい開き角度で前記カセット本体33の上部開口34が用紙Pを補充し易い向きで現れるからである。
この構成により、蓋体35がメイン蓋体46とシャッタ蓋体56に分割されているといないとに係わらず、記録装置本体3に対して固定状態で設けられる通常の給送用トレイの代わりとして、更に大容量の給送用カセット1を使用することができる、従って、給送用トレイの機能を損なうことなく、むしろ給送用トレイの機能を向上させた形で給送用トレイを省略することが可能となると言える。また、給送用トレイ用の給送用ローラ14や給送経路をそのまま使用できるから、給送用カセット1の給送機能を別途設ける必要がなく、小型、軽量で持ち運びに便利な記録装置を提供できる。
本願発明に係る給送用カセット1、該給送用カセット1を備えた記録装置100及び液体噴射装置は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行なうことも勿論可能である。図9は給送用カセットの他の実施例を示す平面図(a)と、C−C断面図(b)である。例えばシャッタ蓋体56の開閉方向は、図9に示すように用紙Pの給送方向と平行なスライド方向のみに設定することも可能である。但し、この場合において、間隙Gが大きくなって間隙Gからの異物の侵入のおそれが心配される場合には、図9に示すような間隙Gを常時遮蔽する遮蔽板75をシャッタ蓋体56の上面に貼設するようにする。
Claims (9)
- 多数枚の被記録材を積畳した状態で収容し得るカセット本体と、カセット本体の上部開口を閉塞する蓋体とを備え、記録装置本体に対して着脱可能に設けられる給送用カセットであって、
前記蓋体は、
カセット本体の上部開口の先端寄りの範囲を覆い被記録材の出し入れの際に開閉させて使用するメイン蓋体と、
記録装置本体に装着する前では前記メイン蓋体と面一な状態で、カセット本体の上部開口における装着側の一部の範囲及びカセット本体の装着側端面である壁の上方に形成されている給送用開口を覆い、記録装置本体に装着する際、カセット本体内に積畳されている最上位に位置する被記録材を給送できる程度に給送用開口を自動的に拡開し得るシャッタ蓋体と、を備えており、
前記シャッタ蓋体と前記メイン蓋体との間において間隙が形成されており、
前記給送用カセットを前記記録装置本体に装着する際において、前記メイン蓋体と面一だった前記シャッタ蓋体が前記記録装置本体側と当接してから、前記装着する前における前記間隙より短い距離、前記カセット本体が前記シャッタ蓋体に対して装着方向下流側へ移動するまでの間に、前記給送用カセットを前記記録装置本体に装着する際の装着移動を利用して、前記シャッタ蓋体を、装着方向と直交する該シャッタ蓋体の厚み方向上方へ少なくとも該シャッタ蓋体の厚み分移動させる傾斜部を備えており、
前記間隙は、前記装着する際に前記シャッタ蓋体が厚み方向上方へ移動すること、および、前記メイン蓋体が該メイン蓋体のシャッタ蓋体側を中心に揺動して開くことを妨げない構成であることを特徴とする給送用カセット。 - 請求項1に記載の給送用カセットにおいて、前記シャッタ蓋体の開閉方向は被記録材の給送方向にほぼ沿った主にスライド方向に設定されていることを特徴とする給送用カセット。
- 請求項1または2に記載の給送用カセットにおいて、前記シャッタ蓋体とカセット本体との間には常時シャッタ蓋体を閉蓋方向に付勢する付勢手段が設けられており、当該付勢手段の付勢力がシャッタ蓋体をカセット本体の上部開口を狭める方向に移動させる水平成分と、シャッタ蓋体をカセット本体の装着側端面上方に形成されている給送用開口を狭める方向に移動させる垂直成分とを有するように前方斜め下方に向けて作用するように設定されていることを特徴とする給送用カセット。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の給送用カセットにおいて、前記シャッタ蓋体は給送用カセットを記録装置本体に装着する際、記録装置本体の一部に当接することによって給送用開口を拡開する方向に前記装着動作と連動して移動するように構成されていることを特徴とする給送用カセット。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の給送用カセットにおいて、前記カセット本体の装着側の底部には、被記録材を給送する際、積畳された被記録材の先端部を給送用ローラに向けて押し上げるホッパー板が設けられていることを特徴とする給送用カセット。
- 多数枚の被記録材を積畳した状態で収容し得るカセット本体と、カセット本体の上部開口を閉塞する蓋体とを備える給送用カセットが着脱可能に設けられる記録装置であって、
前記給送用カセットとして請求項1〜5のいずれか1項に記載の給送用カセットを適用したことを特徴とする記録装置。 - 請求項6に記載の記録装置において、前記給送用カセットのメイン蓋体は、該給送用カセットを記録装置本体に装着した状態のまま開閉可能に形成され、該メイン蓋体を開くことで被記録材を補充可能に構成されていることを特徴とする記録装置。
- 請求項7に記載の記録装置において、前記メイン蓋体の開状態を維持する支え部が記録装置本体側に設けられていることを特徴とする記録装置。
- 多数枚の被液体噴射材を積畳した状態で収容し得るカセット本体と、カセット本体の上部開口を閉塞する蓋体とを備える給送用カセットが着脱可能に設けられる液体噴射装置であって、
前記蓋体は、
カセット本体の上部開口の先端寄りの範囲を覆い、被液体噴射材の出し入れの際に開閉させて使用するメイン蓋体と、
液体噴射装置本体に装着する前では前記メイン蓋体と面一な状態で、カセット本体の上部開口における装着側の一部の範囲及びカセット本体の装着側端面である壁の上方に形成されている給送用開口を覆い、液体噴射装置本体に装着する際、カセット本体内に積畳されている最上位に位置する被液体噴射材を給送できる程度に給送用開口を自動的に拡開し得るシャッタ蓋体と、を備えており、
前記シャッタ蓋体と前記メイン蓋体との間において間隙が形成されており、
前記給送用カセットを前記液体噴射装置本体に装着する際において、前記メイン蓋体と面一だった前記シャッタ蓋体が前記液体噴射装置本体側と当接してから、前記装着する前における前記間隙より短い距離、前記カセット本体が前記シャッタ蓋体に対して装着方向下流側へ移動するまでの間に、前記給送用カセットを前記液体噴射装置本体に装着する際の装着移動を利用して、前記シャッタ蓋体を、装着方向と直交する該シャッタ蓋体の厚み方向上方へ少なくとも該シャッタ蓋体の厚み分移動させる傾斜部を備えており、
前記間隙は、前記装着する際に前記シャッタ蓋体が厚み方向上方へ移動すること、および、前記メイン蓋体が該メイン蓋体のシャッタ蓋体側を中心に揺動して開くことを妨げない構成であることを特徴とする液体噴射装置。
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