JP4636100B2 - 電磁調理器 - Google Patents
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Description
図1は、本発明にかかる電磁調理器の一例を示す構成説明図である。以下、図に基づき、かかる電磁調理器の構成と冷却機構につき説明する。
本発明にかかる電磁調理器は、ケース上面に設けたトッププレート10に、調理器を載置する2つのコンロ部14aおよび14bを有している。このコンロ部14aおよび14bの下面には、各々のコンロ部に対応して誘導加熱コイル11aおよび11b(図2参照)が設けられている。この誘導加熱コイル11aおよび11bは、制御部1により制御され、各々の誘導加熱コイルに対応してトッププレート面上に設置される調理器の大きさや調理材料の量等に合わせ、所定の熱量が得られるよう、出力調整される。制御部1へは電磁調理器の前面に配置された操作部13から制御指令が入力される。また、制御部1には正負のスイッチング素子(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)の対にて構成された2つのインバータが設けられており、これらIGBTが生じた熱を放熱するための放熱板3が設けられている。これら2つのインバータは各々、上述した誘導加熱コイル11a、11bに対応するものである。さらに、電磁調理器の背面には外部からの空気の取り入れ口が設けられ、送風ファン5が稼動することにより外部より空気6が取り込まれ、放熱板3および誘導加熱コイル11aおよび11bが冷却される。なお、電磁調理器には、前述の2つのコンロ部14aおよび14bとは別に、魚などを焼くためのロースター部12が設けられているが、2つのコンロ部14aおよび14bに対応する制御部を1枚の基板にまとめ、各IGBTに対応する放熱板も共通としたことにより、電磁調理器の内部空間の設計の自由度が向上し、ロースター部12を拡張することが可能となる。
かかる制御部1は、2つの誘導加熱コイル11aおよび11bを制御するもので、各々の誘導加熱コイルを制御するために2つのインバータが配置されている。2つのインバータは各々正負のスイッチング素子(IGBT)の対にて構成される。具体的には、正側のスイッチング素子であるIGBT2aと負側のスイッチング素子であるIGBT2bにて構成されるインバータにより誘導加熱コイル11aが制御され、正側のスイッチング素子であるIGBT2cと負側のスイッチング素子であるIGBT2dにて構成されるインバータにより誘導加熱コイル11bが制御されることになる。これら2つのインバータを構成する4つのIGBTのうち、正側のスイッチング素子であるIGBT2aおよび2cが熱伝導性絶縁シート7aおよび7bを介して放熱板3に取り付けられている。また、これら2つのインバータを構成する4つのIGBTのうち、負側のスイッチング素子であるIGBT2bおよび2dは放熱板3に直接取り付けられている。
まず、外部電源より平滑回路19に電力20が入力される。この電力20は通常4.8kWに設定されている。外部電源から入力された電力20は平滑回路19にて直流に変換され、インバータ15およびインバータ16へと出力される。従って、インバータ15の出力とインバータ16の出力の総和が4.8kWを越えることはない。インバータ15は前述のIGBT2a、2bにて構成されており、また、インバータ16は同じくIGBT2c、2dにて構成されている。これらインバータ15および16は、平滑回路19から送られる直流電力を、例えば、20kHz程度の交流電力に変換することにより、対応する誘導加熱コイル11aおよび11bを高周波にて駆動させるためのものである。また、ゲート駆動信号生成回路(制御回路)18は、放熱板3上に設置された温度センサー17により放熱板3の放熱容量を越えないように2つのインバータ15および16の駆動を制御している。例えば、インバータ15の出力が2kWである場合には、インバータ16の出力は最大2.8kWの範囲で出力調整され、逆にインバータ16の出力が2kWである場合には、インバータ15の出力が最大2.8kWの範囲で出力調整される。このように、短時間(例えば、5分から10分程度)において、IGBTの破壊あるいは急激な特性劣化を生じない程度であれば、どちらか一方のインバータの出力が定格出力以下の場合には、他方のインバータの出力を定格出力以上とすることが可能となる。かかる出力調整が可能となることにより、部品点数や放熱板の放熱容量を増加させることなく、かつ、装置構成を複雑化することなく、調理の初期時に急激な加熱を必要とする場合や、水を短時間にて沸騰させたい場合等に定格出力以上の高出力にて調理することが可能となり電磁調理器の利便性が向上する。また、電磁調理器の家庭内での使用においては、2口コンロの両方を同時に最高出力にて使用することはまれで、かかる構成にしても、ほとんど実用上の問題は生じないものと思われる。
なお、上記実施の形態においては、外部電源から入力される電力量に合わせた放熱容量を有する放熱板を備えた場合につき説明したが、例えば、外部電源から入力された電力20が4.8kWである場合に、放熱板の放熱容量が4kWであるような構成でも構わない。このような場合には、温度センサー17により、2つのインバータ15および16の放熱量の総和が4kW以下に制限されることになる。
W1+W2+---+Wn≦P1+P2+---+Pn ---(1)
H1+H2+---+Hn≦Ht ----(2)
なお、各定格出力P1、P2---Pn、に対応する誘導加熱コイルの放熱量を各々h1、h2---hnとすると、
h1+h2+---+hn≦Ht ----(3)
となるように、放熱板の放熱容量Htが決定される。
また、定格出力をあまり大きく越えて使用することはスイッチング素子の特性からは好ましくなく、通常は、20%程度の増加に抑えることが好ましい。かかる観点より、下記式(4)の関係を満たすことが好ましい。
Wx≦1.2Px (xはn以下の自然数) ----(4)
図3(a)は、本発明にかかる電磁調理器の、制御部1における放熱板3aおよび3bの構成の一例を示す上面図である。
かかる制御部1は、実施の形態1にて開示したものとは異なり、2つの誘導加熱コイル11aおよび11bに対応する2つのインバータを構成する4つのIGBT2a、2b、2cおよび2dのうちの正側のIGBT2aおよび2cと負側のIGBT2bおよび2dが、各々、異なる2つの放熱板3bおよび3aに設けられている。また、放熱板3aは図示しない絶縁回路を介して接地線に接続され、放熱板3bは直接接地線に接続されている。かかる構成とすることで、各IGBTは熱伝導性絶縁シートを介することなく放熱板に取り付けることができると共に、正側のIGBT2aおよび2cと負側のIGBT2bおよび2d間の電気的な干渉が効果的に抑制される。
Claims (1)
- 複数の調理容器が載置可能なトッププレートと、
このトッププレートの下面に設けられ、前記複数の調理容器の各々を加熱するための複数の誘導加熱コイルと、
正負のスイッチング素子で構成されるインバータであって、前記複数の誘導加熱コイルの各々に高周波電流を出力する複数のインバータと、
前記複数のインバータに対して共通化され、前記複数のインバータを構成する正負のスイッチング素子が発する熱を放熱する1つの放熱部材と、
前記放熱部材と前記複数の誘導加熱コイルとを冷却する冷却手段と、
前記スイッチング素子の各々の駆動を制御する制御回路とを備え、
前記放熱部材は中空構造を有し、相対する側面の内側に複数のフィンを設けるとともに、前記相対する側面の一方の外側面には前記正のスイッチング素子を取り付け、他方の外側面には前記負のスイッチング素子を取り付け、前記放熱部材の前記相対する側面の内側に設けられた複数のフィンの間を前記冷却手段からの空気の送風路とする電磁調理器。
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