JP4635559B2 - 焼結用原料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造する際に使用する焼結用原料を製造する方法に関するものである。
高炉に装入される焼結鉱は、一般的に次のような処理を経て製造される。
まず下記の (a)〜(d) に大別される素材をドラムミキサーに装入し、さらに適量の水分を添加して混合・造粒して、粒状の焼結用原料を製造する。
(a) 鉄鉱石(返鉱も含む)
(b) 珪石,蛇紋岩,ニッケルスラグ等からなるSiO2 含有原料
(c) 石灰石等のCaOを含有する石灰石系粉原料
(d) 粉コークス,無煙炭等の熱源となる固体燃料系粉原料
これらの (a)〜(d) の素材を混合・造粒した造粒物粒子からなる焼結用原料は、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に所定の厚さ(たとえば 500〜700mm )になるように層状に装入する。次いで、パレット上に装入された焼結用原料層の表層部に分布する固体燃料系粉原料に着火し、着火後は下方に向けて空気を吸引しながら固体燃料系粉原料を燃焼させ、その燃焼熱によって焼結用原料を焼結させて焼結ケーキとする。この焼結ケーキは破砕・整粒され、所定の粒径を有する焼結鉱を得る。一方、所定の粒径に満たない焼結鉱は返鉱となり、焼結原料として再利用される。
このようにして製造された焼結鉱の被還元性は、従来から指摘されているように、高炉の操業に多大な影響を及ぼす。ここでは、JIS規格M8713 に準じて測定した被還元性の指標をRIと記す。
さらに焼結鉱の冷間強度も高炉内の通気性を確保する上で重要な因子であり、高炉の操業では、装入する焼結鉱の冷間強度の下限値を設定している。ここでは、JIS規格M8711 に準じて測定した冷間強度の指標をSIと記し、JIS規格M8720 に準じて測定した冷間強度の指標をRDIと記す。
そこでドワイトロイド式焼結機を用いて被還元性に優れかつ冷間強度の高い焼結鉱を製造するに先立って、上記の (a)〜(d) の素材や必要に応じて他の原料をドラムミキサーに装入して焼結用原料を造粒する技術が種々提案されている。
たとえば特許文献1には、鉄鉱石粉,返鉱,生石灰と石灰石の一部または全量、およびSiO2 源原料の一部または全量を1次ミキサーで混合造粒した後、さらに別の系統から切り出した粉コークスおよび造滓源を添加し、2次ミキサーで造粒して造粒物粒子の表面に粉コークスおよび造滓源の被覆層を形成させる技術が開示されている。特許文献1によれば、このようにして得られた焼結用原料を焼結することによって、SiO2 濃度の低い焼結鉱が製造できるとされている。
しかしながら特許文献1に開示された技術では、造粒物粒子の表面にSiO2 を含有した原料が混入する可能性がある。その結果、造粒物粒子の表面に粉コークスおよび造滓源の被覆層を形成した焼結原料を焼結しても、焼結鉱を構成する鉱物の中で最も引張強度が低いカルシウムシリケート(以下、CSという)が形成され、焼結鉱の冷間強度を示す指標となるシャッター強度やタンブラー強度が低下する。さらに造粒物粒子内に石灰石を含有した原料が混入する可能性もある。そのため焼結鉱の内部には高被還元性を有するヘマタイト(以下、HEという)だけでなく、HEより被還元性が劣るカルシウムフェライト(以下、CFという)や著しく被還元性の低いCSが形成され、被還元性の飛躍的な向上が期待できないという問題がある。
また特許文献2には、粉コークスを配合せず、ペレットフィードを混合した原料を1次ミキサーで調湿混合し、次いでこの調湿造粒物に粉コークスを添加して2次ミキサーで転動造粒する技術が開示されている。
しかしながら特許文献2に開示された技術では、調湿造粒物内に石灰石を含有した原料が混入する可能性がある。その結果、焼結鉱の内部に高被還元性を有するHEだけでなく、HEより被還元性が劣るCFや著しく被還元性の低いCSが形成され、被還元性の飛躍的な向上が期待できない。しかも冷間強度を確保するべき焼結鉱の外側に、焼結鉱を構成する鉱物の中で最も引張強度が低いCSが形成され、冷間強度を示す指標となるシャッター強度やタンブラー強度が低下するという問題がある。
また特許文献3には、1台のドラムミキサーを使用して、焼結用原料を製造する技術が開示されている。この技術は、ドラムミキサーの装入口から鉄鉱石粉とSiO2 含有原料を装入して造粒し、その造粒物粒子が排出口に到達するまでの滞留時間が10〜90秒の範囲となる位置に石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を添加するものである。このようにして鉄鉱石粉とSiO2 含有原料の造粒物粒子の表面に、石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料の被覆層を形成することができる。
特許文献3に開示された技術を適用して製造した焼結用原料を焼結して得られた焼結鉱は、表面に高強度のCFが生成され、内部に被還元性の高いHEが生成される。その結果、被還元性に優れかつ冷間強度の高い焼結鉱を製造することができる。
ところが、近年、原料コスト削減の観点から、結晶水を多量に含む安価な鉱石を使用するための技術開発が要求されている。焼結用原料の結晶水の含有量が増加すると、焼結鉱の被還元性や冷間強度が低下することは従来から知られており、結晶水を多量に含む鉱石(以下、高結晶水鉱石という)を用いて焼結用原料を製造する際に特許文献1〜3に開示された技術を適用しても、十分な被還元性や冷間強度を有する焼結鉱は得られなかった。
そこで高結晶水鉱石を用いて、被還元性に優れかつ冷間強度の高い焼結鉱を製造するために、高結晶水鉱石から焼結用原料を製造する技術が種々提案されている。
たとえば特許文献4には、高結晶水鉱石にCaO含有原料を添加して造粒し、その造粒物粒子の表面を微細な鉄鉱石とコークスとで被覆して焼結用原料を製造する技術が開示されている。特許文献4によれば、高結晶水鉱石にCaO含有原料を添加した造粒物粒子の表面を微細な鉄鉱石とコークスとで被覆した焼結用原料を焼結機のパレット上に層状に装入すると、融液の流出を抑制して原料層内の通気性を確保し、焼結鉱の強度低下を防止できるとされている。
しかしながら特許文献4に開示された技術では、造粒物粒子の内部で高結晶水鉱石とCaOが反応してCSが生成される。CSは、既に説明した通り、被還元性が劣るので、焼結鉱の被還元性向上は期待できない。
また特許文献5には、MgOとSiO2 を含有する原料を高結晶水鉱石に混合して予め造粒し、次いでその造粒物粒子を他の素材に配合して焼結用原料を製造する技術が開示されている。特許文献5によれば、得られた焼結用原料を焼結することによって、焼結用原料の内部で融液と高結晶水鉱石との反応が生じるのを抑制し、焼結鉱の内部で高結晶水鉱石を緻密化できるとされている。
しかしながら特許文献5に開示された技術では、焼結用原料の表面でSiO2 と融液との反応が生じて、脆弱な焼結鉱が生成される。
特開平11-241124 号公報 特開昭61-163220 号公報 特開2003-138319 号公報 特開平11-21634号公報 特公平5-83620 号公報
本発明は上記のような問題を解消し、被還元性と冷間強度に優れた焼結鉱を得るための焼結用原料を、高結晶水鉱石から製造する方法を提供することを目的とする。
本発明を適用して製造された焼結用原料を焼結して得られた焼結鉱は、その表面に高強度のCFが生成され、内部に被還元性の高いHEが生成される。したがって、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱を得ることができる。
焼結鉱の冷間強度の低下や被還元性の劣化は、高炉の操業に悪影響を及ぼす。一方で原料コストを削減するために、高結晶水鉱石を焼結用原料に配合する必要性が指摘されている。そこで本発明者らは、高結晶水鉱石を配合した焼結用原料を焼結して、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱を得る技術について鋭意検討した。その結果、ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造するに先立って、ドラムミキサーを用いて焼結用原料を製造する工程で、高結晶水鉱石およびその他の素材を段階的に添加して造粒することによって、高結晶水鉱石を含む造粒物粒子(以下、擬似粒子という)の表面に石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を被覆した焼結用原料を得ることができることを見出した。
さらにドワイトロイド式焼結機を用いて、その焼結用原料を焼結すると、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱が得られることが判明した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち本発明は、下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として原料をドラムミキサーに装入して造粒する焼結用原料の製造方法において、あらかじめ高結晶水鉱石に粉状鉄鉱石および/または高炉スラグ粉を添加し高結晶水鉱石の表面を粉状鉄鉱石および/または高炉スラグ粉で被覆し、さらに造粒して含水造粒物とし、ドラムミキサーの装入口から鉄鉱石,SiO2 含有原料および含水造粒物を装入して造粒することによって擬似粒子とし、擬似粒子がドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間が10〜90秒の範囲となる下流側途中に設定した領域で石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を添加し、擬似粒子が排出口に至る間に石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を擬似粒子の表面に付着させる焼結用原料の製造方法である。なお、ドラムミキサー装入口からは鉄鉱石,SiO2 含有原料の外、成分調整の必要に応じてMgO含有原料も装入することができる。
本発明の焼結用原料の製造方法は、高結晶水鉱石が結晶水を5質量%以上,SiO2 を4質量%以上, Al23 を 1.9質量%以上含有する場合にも適用できる。また本発明の焼結用原料の製造方法においては、高結晶水鉱石の配合比率として下記の (1)式で算出されるR値が、20〜50%の範囲内を満足することが好ましい。
配合比率R= 100×MCW/(MCW+MPO+MORE ) ・・・ (1)
R :高結晶水鉱石の配合比率(%)
CW :焼結用原料に配合した高結晶水鉱石の量(kg)
PO :焼結用原料に配合した粉状鉄鉱石の量(kg)
ORE :焼結用原料に配合した鉄鉱石の量(kg)
さらに本発明の焼結用原料の製造方法においては、粉状鉄鉱石,高炉スラグ粉が、粒径 250μm以下の粒子を25質量%以上含有することが好ましく、石灰石系粉原料が、粒径 2.8〜4.75mmの粒子を20〜50質量%含有することが好ましい。
本発明によれば、安価な高結晶水鉱石を配合した焼結用原料を製造できる。本発明を適用して得られた焼結用原料を焼結することによって、原料コストを削減するとともに、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱を製造できる。
図1は、本発明を適用して焼結用原料を製造する装置の例を模式的に示す配置図である。本発明ではドラムミキサー2を用いて焼結用原料11を製造するに先立って、あらかじめ予備ミキサー1を用いてまず含水造粒物6を製造する。
図1には、焼結用原料11を製造するドラムミキサー2と、含水造粒物6を製造する予備ミキサー1を別個に設置する例を示したが、1台のドラムミキサー2を用いて含水造粒物6を製造した後、さらに焼結用原料11を製造しても良い。ただし焼結用原料11の生産性向上の観点から、予備ミキサー1とドラムミキサー2を併用することが好ましい。
ここでは、予備ミキサー1とドラムミキサー2を併用する例について、図1を参照して説明する。
高結晶水鉱石3および粉状鉄鉱石4および/または高炉スラグ粉5を予備ミキサー1に装入して造粒を行ない、含水造粒物6を製造する。高結晶水鉱石3は結晶水を多量に含有する鉄鉱石であるが、結晶水を5質量%以上含有する高結晶水の鉄鉱石であっても、本発明を支障なく適用できる。また、多量の結晶水に加えて、SiO2 を4質量%以上, Al23 を 1.9質量%以上含有する高結晶水鉱石3にも適用できる。
高結晶水鉱石3の配合比率は、(1)式で算出されるR値が、20〜50%の範囲内を満足することが好ましい。
配合比率R= 100×MCW/(MCW+MPO+MORE ) ・・・ (1)
R :高結晶水鉱石の配合比率(%)
CW :焼結用原料に配合した高結晶水鉱石の量(kg)
PO :焼結用原料に配合した粉状鉄鉱石の量(kg)
ORE :焼結用原料に配合した鉄鉱石の量(kg)
高結晶水鉱石3の配合比率Rが20%未満では、原料コスト削減の効果が十分に得られない。一方、高結晶水鉱石3の配合比率Rが50%を超えると、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱が得られない。
高結晶水鉱石3とともに予備ミキサー1に装入する粉状鉄鉱石4,高炉スラグ粉5としては、高結晶水鉱石3よりも細粒で粒径 250μm以下の粒子を25質量%以上含有する粉体を使用するのが好ましい。粉状鉄鉱石4,高炉スラグ粉5の粒度分布がこの範囲を外れると、高結晶水鉱石3の表面を粉状鉄鉱石4,高炉スラグ粉5で均一に被覆できない。高結晶水鉱石3の表面を粉状鉄鉱石4および/または高炉スラグ粉5で被覆した被覆層を形成させる目的は、粉状鉄鉱石4および/または高炉スラグ粉5からなる被覆層が、焼結を行なう際に、高結晶水鉱石3と他の焼結原料から生じる焼結時の融液との接触を抑制する遮断層としての役割を生じさせるためであり、高結晶水鉱石3側のみを緻密に再結晶させるためである。そのために、粉状鉄鉱石4,高炉スラグ粉5には石灰石を含有させずに、高結晶水鉱石3とともに予備ミキサー1に装入して造粒するのである。なお粉状鉄鉱石4,高炉スラグ粉5は、各々単独で添加しても良いし、両方を併用しても良い。
また、粉状鉄鉱石4および高炉スラグ粉5ともに焼結を行なう際に完全溶融しないため、上記の遮断層となって、高結晶水鉱石3を隔離する役割を果たす。
粉状鉄鉱石4または高炉スラグ粉5を各々単独で添加する場合は、粉状鉄鉱石4または高炉スラグ粉5の添加量を、高結晶水鉱石3の使用量の10〜50質量%とするのが好ましい。また粉状鉄鉱石4および高炉スラグ粉5を併用する場合は、粉状鉄鉱石4と高炉スラグ粉5の合計添加量を、高結晶水鉱石3の使用量の10〜50質量%とするのが好ましい。粉状鉄鉱石4,高炉スラグ粉5の添加量が高結晶水鉱石3の使用量の10質量%未満では、高結晶水鉱石3の表面を均一に被覆できない。一方、50質量%を超えると、粉状鉄鉱石とスラグが被覆せずに、単味もしくは粉状鉄鉱石とスラグで造粒される比率が増大する。このため無用の微細擬似粒子を増大させることとなり、生産性を阻害する。
このようにして高結晶水鉱石3を予備ミキサー1に装入し、粉状鉄鉱石4または高炉スラグ粉5を添加して造粒を行ない、含水造粒物6を製造する。次いで含水造粒物6を、鉄鉱石7,SiO2 含有原料8とともにドラムミキサー2に装入する。なお、鉄鉱石7とは、高結晶水鉱石を含まない鉄鉱石であり、粗粒,細粒(粉状)の混合物である通常の焼結原料用鉄鉱石を指す。含水造粒物6,鉄鉱石7,SiO2 含有原料8は、ドラムミキサー2内で造粒されて、図2に示すように、含水造粒物6には鉄鉱石7,細粒(粉状)鉄鉱石およびSiO2 含有原料8がさらに被覆された造粒物粒子(すなわち擬似粒子)となり、また鉄鉱石7,SiO2 含有原料8は、鉄鉱石7中の粗粒を核粒子として、その周囲に細粒鉄鉱石およびSiO2 含有原料で被覆された擬似粒子となり、排出口へ移動していく。
そして擬似粒子が排出口に到達するまでの滞留時間が10〜90秒の範囲となる下流側途中に設定した領域で、石灰石系粉原料9および固体燃料系粉原料10を添加する。その具体的な方法は、たとえば下流側の排出口からドラムミキサー2内の長手方向に進退可能に配置したベルトコンベアの先端位置を調整して石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10を添加することによって、排出口に到達するまでの滞留時間を所定の範囲に維持できる。なお、必要に応じて適量の水分を添加しても良い。その結果、擬似粒子が排出口に到達するまでの間に、擬似粒子の表面に石灰石系粉原料9と固体燃料系粉原料10が均一に被覆される。
石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10を添加した後、擬似粒子が排出口に到達するまでの滞留時間が10秒未満では、擬似粒子の表面を均一に被覆できない。滞留時間が90秒を超えると、石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10を添加した後で擬似粒子が崩壊して再度造粒されるので、石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10が擬似粒子内に混入する。
なお、この9,10の添加形態は同出願人の特許文献4と同様であるが、本発明においては、石灰石系粉原料9としては、粒径 2.8〜4.75mmの粒子を20〜50質量%含有する粉体を使用するのが好ましい。これは、石灰石の粒度を適正化して融液の発生領域を制限し、昇温段階での高結晶水鉱石の緻密化を促すためであり、粒径 2.8〜4.75mmの粒子が20質量%未満では、粒径 2.8mm未満の微細な石灰石系粉原料9が増加することになるので、微細な石灰石系粉原料9が含水造粒物6の周囲に多量に分布して、融液発生を促進するので目的を達せられない。粒径 2.8〜4.75mmの粒子が50質量%を超えると、粗大な石灰石系粉原料9が増加する(石灰石系粉原料9の粒子数が減少)ことになり、融液が発生する領域が過度に減少する。いずれの場合も焼結鉱の冷間強度を低下させる原因になる。
このようにして擬似粒子の表面を石灰石系粉原料,固体燃料系粉原料で被覆した焼結用原料を製造する。この焼結用原料を焼結すると、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱が得られる。その理由を以下に説明する。
高結晶水鉱石は、結晶水のみならずSiO2 や Al23 を多量に含有する。したがって、単に高結晶水鉱石をCaO含有原料とともに焼結すると、焼結鉱の強度低下を招くCSが容易に生成される。しかも焼結によって生じた融液が冷却される過程で、 Al23 を固溶した二次HEが生成され、被還元性が低下する。
これに対して、本発明では、高結晶水鉱石の表面を粉状鉄鉱石,高炉スラグ粉で被覆した含水造粒物を用いて焼結用原料を製造する。したがって本発明を適用して製造した焼結用原料を焼結する場合は、融液が高結晶水鉱石に接触しないので、二次HEの生成は抑制される。
さらに本発明では、この含水造粒物と鉄鉱石,SiO2 含有原料を造粒した擬似粒子の表面を石灰石系粉原料,固体燃料系粉原料で被覆して焼結用原料を製造する。この焼結用原料を焼結すると、焼結鉱の表面に高強度のCFが生成され、内部に被還元性の高いHEが生成される。したがって、被還元性および冷間強度に優れた焼結鉱を得ることができる。
表1に示す成分の高結晶水鉱石,粉状鉄鉱石,通常鉄鉱石,粉コークス(固体燃料系粉原料),石灰石粉,MgO源としてドロマイト,SiO2 源としてNiスラグを使用して焼結用原料を製造した。各素材の配合比率は表2に示す通りである。石灰石においては、表3中に示すように粒度を調整した。
すなわち図1に示すように、高結晶水鉱石3,粉状鉄鉱石4を予備ミキサー1に装入して含水造粒物6を製造した。表3中では、この含水造粒物6を製造する処理を高結晶水鉱石予備造粒と記す。
さらに、この含水造粒物6と鉄鉱石7,SiO2 含有原料8とMgO含有原料12をドラムミキサー2に装入して造粒した。鉄鉱石7は結晶水が5質量%,−250 μm粒子分が25質量%以下の通常の鉄鉱石を使用し、SiO2 含有原料8はNiスラグ,MgO含有原料にはドロマイトを使用した。ドラムミキサー2内で含水造粒物6,鉄鉱石7,SiO2 含有原料8が造粒されて擬似粒子となり、その擬似粒子がドラムミキサー2の排出口に到達するまでの滞留時間が50秒となる位置に石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10を添加した。その具体的な方法は、排出口からドラムミキサー2内の長手方向に進退可能に配置したベルトコンベアの先端位置を調整して、擬似粒子が排出口に到達するまでの滞留時間が50秒となる位置に石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10を添加した。石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10は、表1に示す粉コークスと石灰石粉を使用した。
このようにして擬似粒子の表面を粉コークスと石灰石粉で被覆した焼結用原料11を製造した。表2中では、この焼結用原料11を製造する処理を外装造粒と記す。これを発明例とする。なお、焼結用原料11は、図2に示すように、含水造粒物6の外周に鉄鉱石7,SiO2 含有原料8,必要によりMgO含有原料12を含む付着層が形成され、石灰石粉9,粉コークス10からなる擬似粒子と鉄鉱石7中の粗粒を核粒子として、その外周に鉄鉱石7の細粒およびSiO2 含有原料8を含む付着層が形成され、石灰石粉9,粉コークス10が外装化された擬似粒子の混在物であった。
一方、比較例として、予備造粒を行なわず、高結晶水鉱石3,粉状鉄鉱石4,鉄鉱石7,SiO2 含有原料8,MgO含有原料12をドラムミキサー2に装入して造粒した。これらの素材がドラムミキサー2内で擬似粒子となり、その擬似粒子がドラムミキサー2の排出口に到達するまでの滞留時間が50秒となる位置に石灰石系粉原料9,固体燃料系粉原料10を添加した。その他の条件は、発明例と同じであるから説明を省略する。
発明例と比較例について、焼結用原料の生産率( ton/hr・m2 )を調査した。その結果は、表3に示す通り、発明例が1.60〜1.63 ton/hr・m2 であり、比較例が1.53〜1.60 ton/hr・m2 であった。
さらに発明例と比較例の焼結用原料をドワイトロイド式焼結機に送給して焼結を行ない、焼結鉱を製造した。その焼結鉱のSI,RI,RDIを調査した。その結果は、表3に示す通りである。SIは、発明例が90.0〜91.6であり、比較例が86.0〜90.5であった。同配合では発明例が大幅に増加している。RIは、発明例が70.5〜72.5であり、比較例が65.5〜62.0であった。RDIは、発明例が37〜38であり、比較例が36〜44であった。
以上の通り、焼結用原料の生産率および焼結鉱のSI,RI,RDIは、いずれも発明例の方が優れており、高結晶水鉱石予備造粒による効果は大であった。
本発明を適用して焼結用原料を製造する装置の例を模式的に示す配置図である。 擬似粒子を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 予備ミキサー
2 ドラムミキサー
3 高結晶水鉱石
4 粉状鉄鉱石
5 高炉スラグ粉
6 含水造粒物
7 鉄鉱石
8 SiO2 含有原料
9 石灰石系粉原料
10 固体燃料系粉原料
11 焼結用原料
12 MgO含有原料

Claims (6)

  1. 下方吸引のドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として原料をドラムミキサーに装入して造粒する焼結用原料の製造方法において、あらかじめ高結晶水鉱石に粉状鉄鉱石および/または高炉スラグ粉を添加し前記高結晶水鉱石の表面を前記粉状鉄鉱石および/または前記高炉スラグ粉で被覆し、さらに造粒して含水造粒物とし、前記ドラムミキサーの装入口から鉄鉱石、SiO2 含有原料および前記含水造粒物を装入して造粒することによって擬似粒子とし、前記擬似粒子が前記ドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間が10〜90秒の範囲となる下流側途中に設定した領域で石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を添加し、前記擬似粒子が前記排出口に至る間に前記石灰石系粉原料および前記固体燃料系粉原料を前記擬似粒子の表面に付着させることを特徴とする焼結用原料の製造方法。
  2. 前記高結晶水鉱石が、結晶水を5質量%以上、SiO2 を4質量%以上、 Al23 を 1.9質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の焼結用原料の製造方法。
  3. 前記高結晶水鉱石の配合比率として下記の (1)式で算出されるR値が、20〜50%の範囲内を満足することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の焼結用原料の製造方法。
    配合比率R= 100×MCW/(MCW+MPO+MORE ) ・・・ (1)
    R :高結晶水鉱石の配合比率(%)
    CW :焼結用原料に配合した高結晶水鉱石の量(kg)
    PO :焼結用原料に配合した粉状鉄鉱石の量(kg)
    ORE :焼結用原料に配合した鉄鉱石の量(kg)
  4. 前記粉状鉄鉱石が、粒径250μm以下の粒子を25質量%以上含有することを特徴とする請求項1、2または3のいずれか一項に記載の焼結用原料の製造方法。
  5. 前記高炉スラグ粉が、粒径250μm以下の粒子を25質量%以上含有することを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の焼結用原料の製造方法。
  6. 前記石灰石系粉原料が、粒径2.8〜4.75mmの粒子を20〜50質量%含有することを特徴とする請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の焼結用原料の製造方法。
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