JP4635309B2 - 不良品の検出方法及び装置並びに成形装置。 - Google Patents

不良品の検出方法及び装置並びに成形装置。 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
金型を用いた樹脂成形品の製造では、金型内で樹脂が充填されない部分、又は充填が不十分な部分(欠肉又はショートショットという)が発生することがあり、当該部分は設計形状とならずに不良品となる。本発明は、かかるショートショットの発生を検知し、あるいはかかるショートショットの発生を回避するように成形条件の自動制御を行なえる成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ショートショットは、成形品に樹脂の未充填箇所がある場合をいい、一般には、ゲート反対側の最終充填部などに発生する「末端部ショート」と、ゲートと最終充填部の中間の微細部などに発生する「微細部ショート」がある。
【0003】
前記2つのショートの内、「末端部ショート」は成形品を形成するキャビティ部のピーク圧から比較的簡単に検知可能であることが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、「微細部ショート」の場合には、単にピーク圧だけでは管理しきれない。低圧でもショートしない場合があり、また高圧でショートする場合もあり、検出が困難であった。例えば、図5はこの「微細部ショート」の発生に関係する樹脂成形品の斜視図であり、図6に拡大して示す約2mm角の孔部内面には一辺約0・3mm未満の微細な段つきリブ100が形成される。ここで、図5において矢印(A)は樹脂の充填方向及び充填位置を示しており、即ちこの部品の金型において符号(B)がゲート近傍であり、符号(C)が充填末端部である。この場合、ゲート近傍(B)と充填末端部(C)の中間部(E)が微細ショートを発生し易い。図6(a)は当該部分(E)の正常な形状(正常なリブ100)を示しており、図6(b)がショート時の状態図(ショートとなったリブ101)である。
【0005】
本発明は、従来検知が困難とされていた微細部ショートを検知するとともに、成形装置を制御してかかる不良が発生しないようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された不良品の検出方法は、金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域(R1)と、相対的に急上昇する第2の領域(R2)と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域(R3)を連続的に経過していく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出方法である。そして、その特徴は、第1の領域に近接して第1監視区間(W1)を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間(W2)を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間の下面から入って上面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断することにある。
【0007】
請求項2に記載された不良品の検出方法は、金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域(R1)と、相対的に急上昇する第2の領域(R2)と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域(R3)を連続的に経過していく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出方法である。そして、その特徴は、第の領域に近接して第1監視区間(W1)を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間(W2)を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間の枠側面から入って枠側面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断することにある。
【0008】
請求項3に記載された不良品の検出装置は、金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域(R1)と、相対的に急上昇する第2の領域(R2)と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域(R3)を連続的に経過していく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出装置である。そして、その特徴は、第1の領域に近接して第1監視区間(W1)を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間(W2)を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間の下面から入って上面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断する制御部を備えたことにある。
【0009】
請求項4に記載された不良品の検出装置は、金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域(R1)と、相対的に急上昇する第2の領域(R2)と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域(R3)とが連続した曲線をえがく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出装置である。そして、その特徴は、第の領域に近接して第1監視区間(W1)を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間(W2)を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間の枠側面から入って枠側面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断する制御部を有することにある。
【0010】
請求項5に記載された成形装置は、樹脂を射出する射出装置と、前記射出装置から樹脂を供給されて成形品を成形するとともに、内部の樹脂の圧力を検出する圧力センサを備えた金型と、制御部を有している。そして、その制御部が、次のように前記射出装置の制御条件を制御することを特徴としている。即ち、圧力センサによって樹脂の充填が開始され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域(R1)と、相対的に急上昇している第2の領域(R2)と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上する第3の領域(R3)とが連続した曲線をえがく成形品の成形工程において、第1の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間の下面から入って上面から抜けるように前記射出装置の制御条件を制御する。
【0011】
請求項6に記載された成形装置は、樹脂を射出する射出装置と、前記射出装置から樹脂を供給されて成形品を成形するとともに、内部の樹脂の圧力を検出する圧力センサを備えた金型と、制御部を有している。そして、その制御部が、次のように前記射出装置の制御条件を制御することを特徴としている。即ち、圧力センサによって樹脂の充填が開始され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域(R1)と、相対的に急上昇する第2の領域(R2)と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域(R3)とが連続した曲線をえがく成形品の成形工程において、
第1の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間の枠側面から入って枠側面から抜けるように制御する。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、圧力検知手段としてのセンサ付きエジェクタピンを有する成形用金型の基本構造を示す断面図である。本発明者等は、前述した「微細部ショート」の発生について、この成形用金型を用いて鋭意研究した。なお、この成形用金型に後述する制御手段を組み合せれば本発明の金型装置となり、成形時にショート不良品の発生を検出でき、またショート不良品が発生しないように成形作業を制御することができる。
【0013】
この成形用金型1は、成形機の固定側ホルダに取り付けられる固定側取付板10と、成形機の可動側ホルダに取り付けられる可動側取付板11を有している。前記固定側取付板10には、雌型であるキャビティ12aを有する固定側型板12が取り付けられている。前記可動側取付板11には、雄型となるコア13aを有する可動側型板13が、受け板14とスペーサブロック15を介して取り付けられている。
【0014】
この成形用金型Bは、固定側型板12と可動側型板13の間で分割可能である。成形機のホルダの動きに合わせ、可動側型板13は板面に垂直な方向に沿って固定側型板12に対して移動し、これによって固定側型板12と可動側型板13の開閉が行われる。固定側型板12にはガイドブシュ19が設けられ、可動側型板13にはガイドポスト18が設けられ、ガイドポスト18はガイドブシュ19に摺動可能に挿入されている。固定側型板12と可動側型板13の開閉は、このガイドブシュ19とガイドポスト18によって案内されるので、固定側型板12と可動側型板13が閉じた時にキャビティ12aとコア13aは正確な位置で組み合わされ成形品となるキャビティ部を構成している。
【0015】
前記固定側取付板10には、成形機のシリンダのノズルから成形用金型B内に溶融した樹脂を注入する際の経路となるスプル16と、成形用金型Bを成形機のシリンダのノズルに取り付ける際の位置決め手段となるロケートリング17が取り付けられている。
【0016】
可動側取付板11の側には、エジェクトプレート21が設けられている。エジェクトプレート21には、成形用金型Bが開いた時に前記コア13aから突出して成形品を金型外に突き出す圧力センサ付エジェクタピン(以下エジェクタピンと呼ぶ)24が設けられている。また、エジェクトプレート21には、成形用金型Bが閉じた時に、エジェクトプレート21を所定位置に復帰させることによってエジェクタピン24を引っ込めるためのリターンピン22が設けられている。
【0017】
図2に示すように、前記エジェクタピン24は、先端部で成形品を突き出す断面円形の棒状部25を有している。エジェクタピン24の後端部には、略円板状のフランジ部26が形成されている。フランジ部26は下面中央が下方に突出しており、その先端は丸みを帯びた押圧部とされている。このフランジ部及び押圧部の形状は一例にすぎず、これ以外の形状でもよい。例えば、フランジの下面の全体が球面の一部のような凸曲面状でもよい。
【0018】
エジェクタピン24は、フランジ部26が金属製の筐体27に収納され、棒状部25が筐体27の開口から突出している。この筐体の内部には、棒状部25に加わる荷重をフランジ部26の押圧部から受けて弾性的に変形する起歪部28と、この起歪部28の弾性変形を検知する歪みセンサ29とが設けられている。歪みセンサとしては、抵抗線歪みゲージ等を用いることができる。
なお、本例では、圧力センサとしてエジェクタピンと歪みセンサを用いた装置を使用したが、もちろん金型内の圧力を検知できるものであれば、これに限る必要はない。また、その設ける位置も、金型装置の固定側、可動側のいずれでもよいし、さらにスライドコアに設けてもよい。
【0019】
図4に「 センサ信号」の表示で示すように、歪みセンサからの導線は外部に導出され、制御手段50に接続されている。歪みセンサからの信号は制御手段50に入力され、制御手段50はキャビティ内の圧力を検出する。制御手段50が検出した圧力に応じて成形された製品の良不良を判定し、これに応じて射出装置60の運転条件を手動又は自動で制御することができる。また、制御手段50は、成形用金型1に型締信号を送って型締動作を開始させる。そして、成形用金型1が正規の状態で型締された場合には、型締めを確認するフィードバック信号が成形用金型1から制御手段50に送られ、制御手段50はこのフィードバック信号を受けてから樹脂の射出などの成形作業を開始するようにしてもよい。
【0020】
金型装置の基本構成は上記の通りであるが、金型自体及びセンサ(エジェクタピン)の配置位置は実際には次の通りである。即ち、この金型は、従来の制御方法ではショートが発生しやすかった微細部を含むものである。また、実際のセンサの配置位置は、ゲート近傍と、従来の制御方法におけるショート発生箇所近傍である。
ショート発生箇所近傍にセンサを配置した理由は、次の(1)〜(3)である。
【0021】
(1)センサ位置がゲート近傍でもショート箇所近傍でも、あるいはゲート近傍からショート箇所近傍までの充填流路上であれば、圧力は同様に急上昇するので、検知に使用できる。逆に、他の部分例えば最終充填部では、樹脂到達後、すぐに圧力が立ちあがる場合は検知が困難である。
【0022】
(2)ショートする箇所そのものにセンサを組み付けたくても、通常は微細部分になっていて、組み付けられない。
【0023】
(3)加圧による圧力の急上昇は、型内の全体でほぼ同時期に発生する。
【0024】
ゲート近傍にセンサを設けた理由は上記(1)〜(3)に加えさらに、次の(4)〜(6)がある。
【0025】
(4)他の位置より、樹脂が到達した時点での圧力が高く、検知開始時期が正確に検出できる。また、所定圧力に達した時期を基点にすることも容易である。
【0026】
(5)型内で最も長い時間、圧力検知でき、他の型内情報収集にも都合が「よい。
【0027】
(6)正確なショート位置は、成形開始してから判明するもので、型製作段階では予想は困難である。
【0028】
このような金型装置を用いて実際に成形作業を複数回行ない、その結果、図3に示すように複数の良品(圧力波形図P、P1、P2、P3で示す)、不良品(ショート品)についての圧力波形図が得られた。
【0029】
図3からわかるように、各圧力波形は、良品の場合と不良品の場合とで差が小さく緩上昇していく第1の領域R1と、良品の場合が不良品の場合よりも先に立ち上がって急上昇している第2の領域R2と、良品の場合と不良品の場合とで差が小さくピークに向けて緩上昇していく第3の領域R3が連続して構成している曲線である。ここで、「差が小さい」とは、良品と不良品を上記3つの領域においてそれぞれ比較した場合の相対的な評価である。また、「緩上昇」と「急上昇」の語は、3つの領域について圧力波形の時間変化を相対的に比較した場合の評価である。
【0030】
図3に示すように、良品の圧力線と不良品の圧力線が密集しているところでは、両者はかなり接近している。しかし、良品の場合と不良品の場合とでは、良品の方が圧力が大きく、一般に第2の領域での立ち上がりが早いという特徴があることがわかった。例えば領域R2において示すように、圧力線P1、P2、P3は良品であり、これ以外は不良品である。そこで、この特徴を用いて、良品の圧力線とそれ以外(即ち不良品の場合)の圧力線とを確実に識別できるような監視区間を、圧力線図上に設定することとした。
【0031】
まず、第1の領域R1と第2の領域R2に近接して、所定圧力以上の相対的に短い圧力幅であって、相対的に長い時間幅である横に細長い矩形の第1監視区間W1を設定する。成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間W1の下側の境界線を越えて領域内に入り、上側の境界線面を越えて領域外に出た時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断する。
【0032】
また、第2の領域R2と第3の領域R3に近接して、所定圧力以上の相対的に長い圧力幅であって、相対的に短い時間幅である縦に細長い矩形の第2監視区間W2を設定する。成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間W2の左側の境界線を越えて領域内に入り、右側の境界線を越えて領域外に出た時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断する。
【0033】
このような2つの監視区間W1、W2の設定は、成形作業における金型内圧力の立ち上がりに一定の条件を付けるものである。即ち、図3に示した本例の監視区間W1、W2においては、圧力と時間について次のような条件を設定したことを意味する。圧力については、樹脂が型内に充填後、圧力が急上昇しはじめるが、この時の圧力が75kgf/cm2 よりも高く、加圧時の圧力の急上昇が緩やかになる前の圧力が175kgf/cm2 未満であることである。時間については、成形開始後、1.3秒以内に175kgf/cm2 により高圧になることと、成形開始後、1.1秒以内に75fkg/cm2 により高圧になることである。
【0034】
このような2つの監視区間W1、W2の何れかを、それぞれ定められた形で通過した圧力線Pの成形品は良品であることが保証される。図3において、良品と不良品の圧力線が密集しているところでは、良品の一部(例えばP1,P2,P3)がこの2つの監視区間W1、W2にはかからないこととなるが、逆に圧力線がこの監視区間W1、W2に正規の形で交差するように成形作業を制御すれば、ショート不良品ができるおそれは解消できる。
【0035】
図4に示す制御手段50には、前述したような圧力波形の基本データに基づいて予め設定された監視区間W1、W2のデータが格納されている。そして、成形時、成形用金型1の圧力センサ(エジェクタピン24)から送られてくる圧力信号と前記監視区間W1、W2のデータを比較し、現在成形されている製品が良品か不良品かを判定する。具体的には、樹脂の充填開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、第1及び第2の監視区間W1、W2に対して上述した態様で交差するか否かを比較・判断する。
【0036】
成形作業においてショート不良が出たと制御手段50が判断した場合には、制御手段50は外部にその旨を表示する。作業者は、その表示に対応して不良とされた成形品を選り分け、さらに射出装置60による成形作業の成形条件を変えて、以後ショート不良が発生しないようにする。即ち、不良品が生じたということは、その製品の圧力線が図3において監視区間W1、W2に正規の態様で交差していないことを意味するので、成形条件を変更することにより、図3において圧力線を早く立ち上げて監視区間W1、W2に正規の状態で交差させるようにする。
【0037】
射出装置60の制御は、一般にスクリュの速度か、又はスクリュの駆動によって得られる樹脂の圧力自体の何れかを指標として行なう。本例では、射出装置60の制御は速度優位で制御する。しかし、第1又は第2の監視区間W1、W2の時間を越すまでスクリュの速度によって制御した場合において、圧力線が監視区間W1、W2に対して正規の交差をしなかった場合には、これ以後は圧力を指標として制御し、圧力値を監視区間W1、W2の目標値まで上昇させる。
【0038】
以上説明した例では、成形用金型1のセンサからの信号によって金型内の圧力を検知し、予め設定した監視区間W1、W2との関係が所期の通りにならなかった場合に不良と判定し、この判定に基づいて不良品の排除と成形条件の再設定を手動で行なっていた。
【0039】
しかしながら、成形条件の再設定は制御手段50からの制御信号によって自動的に行なっても良い。具体的には、センサが型内に樹脂圧を検知した時期から、加圧によって圧力が急上昇して所定圧力に達する時期までを、所定時間内で得られるように、充填速度と、充填圧力と、保持圧力と、速度制御−圧力制御切り替え位置を、ショットごとに自動的に制御する。
【0040】
また、2つの監視区間W1、W2を設定した前記例の場合、いずれか1つについて合格すれば良品と判断してもよいし、2つとも合格した場合に良品と判断することとしてもよい。また、設定する監視区間はいすれか1つだけでもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、所定パターンの圧力時間曲線を有する成形作業において、当該パターンに対応して時間と圧力の監視区間を設けたので、ショート不良品と良品とを確実に識別することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形用金型の断面図である。
【図2】成形用金型に設けられたセンサ内蔵型エジェクタピンの断面図である。
【図3】成形用金型の成形作業における型内圧力−時間曲線と、本例において設定された監視区間を示す図である。
【図4】本例の金型装置の構成を示す図である。
【図5】従来ショートショットが問題になった成形部品の一例を示す拡大斜視図である。
【図6】(a)はショートショットが発生しない図5の成形部品の部分拡大図、(b)はショートショットが発生した図5の成形部品の部分拡大図である。
【符号の説明】
1…成形用金型、
50…制御手段、
60…射出装置、
R1…第1の領域、
R2…第2の領域、
R3…第3の領域、
W1…第1の監視区間、
W2…第2の監視区間。

Claims (6)

  1. 金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域と、相対的に急上昇する第2の領域と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域を連続的に経過していく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出方法であって、
    第1の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、
    成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間の下面から入って上面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断することを特徴とする不良品の検出方法。
  2. 金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域と、相対的に急上昇する第2の領域と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域を連続的に経過していく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出方法であって、
    の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、
    成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間の枠側面から入って枠側面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断することを特徴とする不良品の検出方法。
  3. 金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域と、相対的に急上昇する第2の領域と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域を連続的に経過していく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出装置であって、
    第1の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、
    成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間の下面から入って上面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断する制御部を備えたことを特徴とする不良品の検出装置。
  4. 金型内に樹脂を充填して成形品を成形する際に、圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域と、相対的に急上昇する第2の領域と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域とが連続した曲線をえがく成形品の成形工程において、樹脂の充填についての不良品を検出する検出装置において、
    の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、
    成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間の枠側面から入って枠側面から抜けた時に良品と判断し、それ以外の場合に不良品と判断する制御部を有することを特徴とする不良品の検出装置。
  5. 樹脂を射出する射出装置と、
    前記射出装置から樹脂を供給されて成形品を成形するとともに、内部の樹脂の圧力を検出する圧力センサを備えた金型と、
    圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域と、相対的に急上昇する第2の領域と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域とが連続した曲線をえがく成形品の成形工程において、
    第1の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第1監視区間の下面から入って上面から抜けるように前記射出装置の制御条件を制御する制御部と、
    を有する成形装置。
  6. 樹脂を射出する射出装置と、
    前記射出装置から樹脂を供給されて成形品を成形するとともに、内部の樹脂の圧力を検出する圧力センサを備えた金型と、
    圧力センサによって樹脂の充填が検知され、検知開始後の経過時間に対する金型内の成形圧力が、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態で緩上昇する第1の領域と、相対的に急上昇する第2の領域と、良品の場合と不良品の場合とで相対的に差が小さい状態でピークに向けて緩上昇する第3の領域とが連続した曲線をえがく成形品の成形工程において、
    第1の領域に近接して第1監視区間を設定するとともに第2の領域に近接して第2監視区間を設定し、前記第1監視区間を前記第2監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に短い圧力幅で相対的に長い時間幅の監視区間とするとともに前記第2監視区間を前記第1監視区間に比べて所定圧力以上の相対的に長い圧力幅で相対的に短い時間幅の監視区間とし、成形している製品の金型内の成形圧力が、前記第2監視区間の枠側面から入って枠側面から抜けるように前記射出装置の制御条件を制御する制御部と、
    を有する成形装置。
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