JP4635282B2 - 自律形インバータ駆動油圧ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、インバータで可変速モータを駆動して油圧ポンプを駆動する油圧ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧ユニットとしては、油圧ポンプを駆動するサーボモータを、アクチュエータの動作に応じて、圧力制御時には、外部(主機側)から入力された圧力指令信号と、圧力センサが検出した油圧ポンプの吐出圧力を表す圧力信号との偏差を表す圧力制御信号で制御する一方、流量制御時には、外部から入力された流量指令信号と、回転センサが検出した流量に相当するサーボモータの回転速度信号との偏差を表す流量制御信号で制御するようにしたものがある(特開平5−196001号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の油圧ユニットでは、外部から圧力指令信号と流量指令信号を入力するために、入力信号線が必要であるため、油圧ユニットの回りがこの入力信号線と電源線とで煩雑になるという問題があった。
【0004】
そこで、この発明の課題は、外部から入力信号線を接続する必要のない油圧ユニットを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
この発明の自律形インバータ駆動油圧ユニットは、
油圧ポンプと、
この油圧ポンプを駆動する可変速モータと、
この可変速モータを駆動するインバータと、
この油圧ポンプの負荷を検出する負荷センサと、
上記可変速モータまたは油圧ポンプの回転速度を検出する回転センサと、
上記油圧ポンプから吐出される流体の圧力および流量が、予め定められた目標圧力−流量特性線上の圧力および流量となるように、上記負荷センサと回転センサとの出力に基づいて、インバータに制御信号を出力するコントローラと、
上記コントローラに、電圧を降下させて直流電力を供給するコントローラ用電源回路と、
外部の交流電源から交流電力を受けて、上記インバータと上記コントローラ用電源回路とに直流電力を供給するコンバータと
を備え、
上記目標圧力−流量特性線は、最大流量直線と、最大馬力曲線または擬似最大馬力線と、最高圧力直線とからなり、
上記コントローラは、上記負荷センサと回転センサとの出力と上記目標圧力−流量特性線とに基づいて目標馬力を演算する目標馬力演算部と、上記負荷センサと回転センサとの出力に基づいて現在馬力を演算する現在馬力演算部と、上記目標馬力と現在馬力とを比較してインバータに制御信号を出力する比較部とを有し、
上記目標馬力演算部は、
上記最大流量直線と最大馬力曲線との交点と原点とを結ぶ第1直線と、最大馬力直線と最高圧力直線との交点と原点とを結ぶ第2直線とを記憶していて、縦軸と最大流量直線と第1直線とによって囲まれた第1領域と、第1直線,第2直線と最大馬力曲線とによって囲まれた第2領域と、第2直線と最高圧力直線と横軸とによって囲まれた第3領域とを定義しており、
上記目標馬力演算部は、
上記回転センサから入力された現在回転速度と、負荷センサから入力された現在圧力を表す信号とを受けて、この現在流量と現在圧力で表される現在の運転状態を表す点が、上記第1、第2及び第3領域のどの領域に属するかを演算によって識別できるようになっており、
上記目標馬力演算部は、
上記現在の運転状態を表す点が、第1領域に属するときには、最大設定流量×現在圧力=目標馬力とし、現在の運転状態を表す点が、第2領域に属するときには、最大設定馬力=目標馬力とし、また、現在の運転状態を表す点が、第3領域に属するときには、最高設定圧力×現在流量=目標馬力とし、このようにして求めた目標馬力を比較部に入力する
ことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、上記コントローラの目標馬力演算部は、外部から指令信号を受けることなく、上記負荷センサと回転センサとの出力と上記目標圧力−流量特性線とに基づいて目標馬力を演算する。一方、上記現在馬力演算部は、負荷センサと回転センサとの出力に基づいて現在馬力を演算する。そして、上記比較部は、上記目標馬力と現在馬力とを比較してインバータに、現在馬力が目標馬力になるように、制御信号を出力する。このようにすることによって、簡単に、油圧ポンプから吐出される流体の流量および圧力が目標圧力−流量特性線上の値になる。
【0011】
請求項2の発明の自律形インバータ駆動油圧ユニットは、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の自律形インバータ駆動油圧ユニットにおいて、上記負荷センサは上記可変速モータに流れる電流を検出する電流センサであることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、上記負荷センサは可変速モータに流れる電流を検出する電流センサであるから、簡単に、油圧ポンプの吐出圧力を検出できる。
【0013】
請求項3の発明の自律形インバータ駆動油圧ユニットは、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の自律形インバータ駆動油圧ユニットにおいて、上記負荷センサは油圧ポンプの吐出ラインの圧力を検出する圧力センサであることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、上記負荷センサは油圧ポンプの吐出ラインの圧力を検出する圧力センサであるから、直接に、油圧ポンプの吐出ラインの圧力を正確に検出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、この自律形インバータ駆動油圧ユニットJは、例えばギアポンプ、トロコイドポンプ、ベーンポンプ、ピストンポンプ等の固定容量形油圧ポンプ1を例えばスイッチトリラクタンスモータ、埋め込み磁石形モータ(IPM)等の可変速モータ2で駆動し、この可変速モータ2をインバータ3で駆動している。上記固定容量形油圧ポンプ1の吐出流量に相当する可変速モータ2の回転速度を回転センサ6で検出し、固定容量形油圧ポンプ1の吐出ラインの流体の圧力を負荷センサの一例としての圧力センサ6で検出している。上記インバータ3は、上記回転センサ5および圧力センサ6の出力を受けるコントローラ11からの制御信号によって、図示しないトランジスタのスイッチングを制御して、可変速モータ2を介して固定容量形油圧ポンプ1の回転数を制御している。このコントローラ11には、この自律形インバータ駆動油圧ユニットJの外部からの流量指令信号や圧力指令信号を入力していなくて、上記回転センサ5および圧力センサ6の出力に基づいて、後記するように、自律的に固定容量形油圧ポンプ1の流量および圧力を制御するようにしている。
【0017】
一方、交流電源(商用電源)15からの電源線を電源接続端子16に接続して、コンバータ17に交流電力を供給している。このコンバータ17から出力された平滑化された直流電力をインバータ3に供給すると共に、コントローラ用電源回路18に供給している。このコントローラ用電源回路18は、電圧を例えば5Vに降下させて、コントローラ11に低電圧の直流電力を供給している。上記コンバータ17とコントローラ用電源回路18とで電源装置を構成している。
【0018】
上記コントローラ1は、マイクロコンピュータからなり、設定手段の一例としての設定スイッチ21,22,23と、目標馬力演算部25と、現在馬力演算部26と、比較部27と、補償演算部28とを有する。上記設定スイッチ21,22,23は、夫々、最高設定圧力、最大設定流量、最大設定馬力を目標馬力演算部25の図示しない記憶部に予め入力する。上記目標馬力演算部25は、上記最高設定圧力、最大設定流量、最大設定馬力に基づいて、図2に示す目標圧力−流量特性線(に相当する情報)を作成して、記憶部に記憶する。この目標圧力−流量特性線は、図2に示すように、上記最大設定流量に対応する最大流量直線MVと、上記最大設定馬力に対応する双曲線からなる最大馬力曲線MHPと、上記最高設定圧力に対応する最高圧力直線MPとからなる。また、上記目標馬力演算部25は、最大流量直線MVと最大馬力曲線MHPとの交点Sと原点Oとを結ぶ直線SOと、最大馬力直線MHPと最高圧力直線MPとの交点Tと原点Oとを結ぶ直線TOとを記憶していて、縦軸(流量軸)と最大流量直線MVと直線SOとによって囲まれた領域aと、直線SO,TOと最大馬力曲線MHPとによって囲まれた領域bと、直線TOと最高圧力直線MPと横軸(圧力軸)とによって囲まれた領域cとを定義している。さらに、上記目標馬力演算部25は、上記回転センサ5から入力された回転速度、つまり、現在流量を表す信号と、圧力センサ6から入力された現在圧力を表す信号とを受けて、この現在流量と現在圧力で表される図2上の点、つまり、現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、上記領域a,b,cのどの領域に属するかを演算によって識別できるようになっている。この演算は、領域a,b,cの境界を定める直線あるいは曲線に対してその点(現在圧力,現在流量)がどちらにあるかを定める演算であって、上記直線あるいは曲線の式に上記点の座標(現在圧力,現在流量)を代入して正負を見るものである。
【0019】
さらにまた、上記目標馬力演算部25は、
図2において現在流量と現在圧力で表される現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、上記領域aに属するときには、
目標馬力=最大設定流量MV×現在圧力
とし、
また、図2において現在流量と現在圧力で表される現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、領域bに属するときには、
目標馬力=最大設定馬力
とし、
また、図2において現在流量と現在圧力で表される現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、領域cに属するときには、
目標馬力=最高設定圧力MP×現在流量
として、各領域a,b,cにおける目標馬力を演算して、比較部27に出力する。
【0020】
一方、上記現在馬力演算部26は、回転センサ5から受けた信号の表す可変速モータ2の回転速度、つまり、現在流量と、圧力センサ6から受けた信号の表す現在圧力との積である現在馬力を求めて、この現在馬力(=現在流量×現在圧力)を比較部27に出力する。この比較部27は、上記目標馬力と現在馬力との偏差を求めて、この偏差を表す制御信号を補償演算部28に出力する。この補償演算部28では、上記制御信号に、例えば、PI(比例積分)演算等の補償演算を行って、インバータ3に出力して、可変速モータ2の回転速度を制御して、現在馬力が目標馬力に一致するようにしている。すなわち、固定容量形油圧ポンプ1から出力される流体の圧力および流量を表す点(現在圧力,現在流量)が、図2に示す目標圧力−流量特性線の上に載るように、外部から指令圧力信号および指令流量信号を受けることなく、現在圧力および現在流量に基づいて、自律的な制御をするようになっている。
【0021】
上記構成の自律形インバータ駆動油圧ユニットにおいて、今、回転センサ5で検出した現在流量と、圧力センサ6で検出して現在圧力で表される現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、図2の領域aに属するときには、目標馬力演算部25は、最大設定流量MV×現在圧力=目標馬力とする。また、目標馬力演算部25は、現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、図2の領域bに属するときには、最大設定馬力=目標馬力とし、また、現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)が、図2の領域cに属するときには、最高設定圧力MP×現在流量=目標馬力とする。目標馬力演算部25は、このようにして求めた目標馬力を比較部27に入力する。この比較部27は、この目標馬力と現在馬力演算部26から受けた現在馬力との偏差を求めて、この偏差を表す制御信号を補償演算部28を介してインバータ3に入力して、可変速モータ2の回転数を制御して、現在馬力が目標馬力に一致するようにする。したがって、固定容量形油圧ポンプ1から出力される流体の圧力および流量を表す点(現在圧力,現在流量)が、図2に示す目標圧力−流量特性線の上に載る。
【0022】
このように、この自律形インバータ駆動油圧ユニットは、外部から指令圧力信号および指令流量信号を受けることなく、現在圧力および現在流量に基づいて、固定容量形油圧ポンプ1から出力される流体の圧力および流量を表す点(現在圧力,現在流量)が、図2に示す目標圧力−流量特性線の上に載るように、自律的な制御を行うのである。したがって、この自律形インバータ駆動油圧ユニットは、指令圧力信号および指令流量信号のための入力信号線を接続する必要がなくて、周りの配線が簡単になる。
【0023】
また、例えば、図2の領域cの保圧時においては、縦軸(流量軸)に略平行な最高圧力線MP上の点の小流量を固定容量形油圧ポンプ1が吐出するように、コントローラ11はインバータ3を介して可変速モータ2を低速で回転させて、少ない吐出流量の状態で、圧力を最高設定圧力MPに保持する。したがって、可変速モータ2および固定容量形油圧ポンプ1は必要以上の回転速度で回転することがなくなって、ロス馬力が少なくて省エネルギーを達成でき、かつ、騒音を低減できる。一方、図2の領域aで示す大きな流量を必要とするが圧力を必要としないときには、横軸(圧力軸)に略平行な最大流量直線MV上の点の小さな圧力に固定容量形油圧ポンプ1の吐出圧力がなるように、コントローラ11はインバータ3を介して可変速モータ2を回転させる。したがって、可変速モータ2および固定容量形油圧ポンプ1は必要以上の回転速度で回転することがなくなって、ロス馬力が少なくて省エネルギーを達成でき、かつ、騒音を低減できる。また、最大馬力を必要とするときには、最大馬力曲線MHP上の値になるように、コントローラ11はインバータ3を介して可変速モータ2を回転させる。
【0024】
上記実施の形態では、コントローラ11の目標馬力演算部25で、図2の領域a,b,cのどの領域に現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)があるかによって、上記目標圧力−流量特性線に基づいて目標馬力を演算して、比較部27からインバータ3に上記目標馬力と現在馬力との偏差を表す制御信号を出力して、現在馬力が目標馬力になるようにしているので、簡単に、固定容量形油圧ポンプ1から吐出される流体の流量および圧力を表す点(現在圧力,現在流量)が目標圧力−流量特性線上の値になるようにすることができる。
【0025】
さらに、この実施の形態では、電源装置をコンバータ17とコントローラ用電源回路18とによって構成しているので、電源接続端子16に交流電源(商用電源)15の電源線を接続するだけで、指令信号のための入力信号線を接続することなく、コントローラ11およびインバータ3に電力を供給できて、固定容量形油圧ポンプ1から吐出される流体の圧力および流量を、現在圧力および現在流量に基づいて、自律的に、図2の目標圧力−流量特性線上の値にすることができる。したがって、自律形インバータ駆動油圧ユニットJの回りに入力信号線がなくなって、回りがすっきりする。
【0026】
上記実施の形態では、目標圧力−流量特性線は、最大流量直線と最大馬力曲線と最高圧力直線とからなるが、最大馬力曲線に代えて斜線あるいは折れ線からなる擬似最大馬力線を用いてもよい。また、上記目標圧力−流量特性線は、動作上最も好ましい任意の曲線あるいは折れ線であってもよい。
【0027】
また、上記実施の形態では、現在圧力と現在流量が、目標圧力−流量特性線上の値にするために、領域a,b,cごとに目標馬力を求めているが、現在の運転状態を表す点(現在圧力,現在流量)と目標圧力−流量特性線との最短距離を求め、この最短距離となる目標圧力−流量特性線上の点の圧力と流量との積を目標馬力としてもよい。
【0028】
さらに、上記実施の形態では、負荷センサとして圧力センサ6を用いたが、この圧力センサ6に代えて、可変速モータ2の電流を検出する図示しない電流センサを用いてもよい。この電流センサは、可変容量型固定容量形油圧ポンプ1の吐出流体の圧力を、その圧力に相当する値を有する電流を介して簡単に検出できる。
【0029】
また、上記実施の形態では、設定スイッチ21,22,23を用いて、最高設定圧力、最大設定流量、最大設定馬力を設定するようにしたが、EEPROMあるいはフラッシュメモリを用いて、これらに最高設定圧力、最大設定流量、最大設定馬力を出荷後あるいは出荷前に書き込むようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施の形態では、目標馬力と現在馬力との偏差を求めて、制御信号を得るようにしているが、目標圧力と現在圧力との偏差と、目標流量と現在流量との偏差とに基づいて、制御信号を得るようにしてもよい。
【0031】
また、上記実施の形態では、交流電源(商用電源)15を用いているから、電源装置にコンバータ17を設けていたが、直流電源(バッテリ)を用いる場合には、コンバータ17は不用である。
【0032】
また、上記実施の形態では、固定容量形油圧ポンプを用いたが、流量の上限値が変更できる可変容量形油圧ポンプを用いてもよい。
【0033】
【発明の効果】
【0034】
【0035】
この発明の自律形インバータ駆動油圧ユニットによれば、コントローラの目標馬力演算部が、外部から指令信号を受けることなく、負荷センサと回転センサとの出力と目標圧力−流量特性線とに基づいて目標馬力を演算する一方、現在馬力演算部が、負荷センサと回転センサとの出力に基づいて現在馬力を演算すると共に、比較部が、上記目標馬力と現在馬力とを比較して、現在馬力が目標馬力になるように、インバータに制御信号を出力するので、簡単に、油圧ポンプから吐出される流体の流量および圧力が目標圧力−流量特性線上の値になるようにすることができる。
【0036】
請求項2の発明の自律形インバータ駆動油圧ユニットによれば、負荷センサは可変速モータに流れる電流を検出する電流センサであるので、簡単に、油圧ポンプの吐出圧力を検出できる。
【0037】
請求項3の発明の自律形インバータ駆動油圧ユニットによれば、負荷センサは油圧ポンプの吐出ラインの圧力を検出する圧力センサであるので、直接に、油圧ポンプの吐出ラインの圧力を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態の自律形インバータ駆動油圧ユニットのブロック図である。
【図2】 目標圧力−流量特性線図である。
【符号の説明】
1 固定容量形油圧ポンプ
2 可変速モータ
3 インバータ
5 回転センサ
6 圧力センサ
11 コントローラ
17 コンバータ
18 コントローラ用電源回路
25 目標馬力演算部
26 現在馬力演算部
27 比較部
Claims (3)
- 油圧ポンプ(1)と、
この油圧ポンプ(1)を駆動する可変速モータ(2)と、
この可変速モータ(2)を駆動するインバータ(3)と、
この油圧ポンプ(1)の負荷を検出する負荷センサ(6)と、
上記可変速モータ(2)または油圧ポンプ(1)の回転速度を検出する回転センサ(5)と、
上記油圧ポンプ(1)から吐出される流体の圧力および流量が、予め定められた目標圧力−流量特性線上の圧力および流量となるように、上記負荷センサ(6)と回転センサ(5)との出力に基づいて、インバータ(3)に制御信号を出力するコントローラ(11)と、
上記コントローラ(11)に、電圧を降下させて直流電力を供給するコントローラ用電源回路(18)と、
外部の交流電源(15)から交流電力を受けて、上記インバータ(3)と上記コントローラ用電源回路(18)とに直流電力を供給するコンバータ(17)と
を備え、
上記目標圧力−流量特性線は、最大流量直線(MV)と、最大馬力曲線(MHP)または擬似最大馬力線と、最高圧力直線(MP)とからなり、
上記コントローラ(11)は、上記負荷センサ(6)と回転センサ(5)との出力と上記目標圧力−流量特性線とに基づいて目標馬力を演算する目標馬力演算部(25)と、上記負荷センサ(6)と回転センサ(5)との出力に基づいて現在馬力を演算する現在馬力演算部(26)と、上記目標馬力と現在馬力とを比較してインバータ(3)に制御信号を出力する比較部(27)とを有し、
上記目標馬力演算部(25)は、
上記最大流量直線(MV)と最大馬力曲線(MH)との交点(S)と原点(O)とを結ぶ第1直線(SO)と、最大馬力直線(MHP)と最高圧力直線(MP)との交点(T)と原点(O)とを結ぶ第2直線(TO)とを記憶していて、縦軸と最大流量直線(MV)と第1直線(SO)とによって囲まれた第1領域(a)と、第1直線(SO),第2直線(TO)と最大馬力曲線(MHP)とによって囲まれた第2領域(b)と、第2直線(TO)と最高圧力直線(MP)と横軸とによって囲まれた第3領域(c)とを定義しており、
上記目標馬力演算部(25)は、
上記回転センサ(5)から入力された現在回転速度と、負荷センサ(6)から入力された現在圧力を表す信号とを受けて、この現在流量と現在圧力で表される現在の運転状態を表す点が、上記第1、第2及び第3領域(a,b,c)のどの領域に属するかを演算によって識別できるようになっており、
上記目標馬力演算部(25)は、
上記現在の運転状態を表す点が、第1領域(a)に属するときには、最大設定流量(MV)×現在圧力=目標馬力とし、現在の運転状態を表す点が、第2領域(b)に属するときには、最大設定馬力=目標馬力とし、また、現在の運転状態を表す点が、第3領域(c)に属するときには、最高設定圧力(MP)×現在流量=目標馬力とし、このようにして求めた目標馬力を比較部に入力する
ことを特徴とする自律形インバータ駆動油圧ユニット。 - 請求項1に記載の自律形インバータ駆動油圧ユニットにおいて、上記負荷センサは上記可変速モータ(2)に流れる電流を検出する電流センサであることを特徴とする自律形インバータ駆動油圧ユニット。
- 請求項1に記載の自律形インバータ駆動油圧ユニットにおいて、上記負荷センサ(6)は上記油圧ポンプ(1)の吐出ラインの圧力を検出する圧力センサ(6)であることを特徴とする自律形インバータ駆動油圧ユニット。
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