JP4634789B2 - ロウ付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ロウ付け雰囲気中の酸素濃度の影響を受け難く、短時間で良好な接合を可能とする無フラックスロウ付け方法に関し、放熱用ヒートシンク、熱交換器材料、各種パネル等のアルミニウム接合部材の製造に有用なロウ付け方法に関する。
現在、熱交換器、アルミニウム材料を用いたヒートシンク、或いは、各種パネルなどのロウ付け方法としては、大別して、フラックスを用いない真空ロウ付け方法と、窒素などの非酸化性雰囲気中で行う非腐食性フラックスロウ付け方法が工業的に実施されている。前者は、高価な真空ロウ付け炉を必要とし、生産効率も低いという問題がある。後者はフラックス塗布工程を必要としそのための費用が嵩むことや、フラックスを乾燥する工程等も必要とする問題がある。
また、フラックスロウ付けではフラックス中のFとMgの反応生成物がロウ付け性を損なうため、Mg含有アルミニウム合金の接合には不適当とされている。Mgはロウ付け製品の強度向上に有効な添加元素であり、これが使えないことはロウ付け製品の強度の点で不利となる。
そこで、無フラックスロウ付けを非酸化性ガス雰囲気で行うことができれば、装置として真空炉よりも安価な非酸化性ガス炉が使用でき、かつ、Mg含有アルミニウム合金の接合にも用いることができるので工業的に有利である。このような観点から、下記特許文献1〜4に示されるように種々のロウ付け方法が開発されてきた。
特許文献1及び2はアルミニウム表面を無機酸などで処理し表面酸化被膜を薄く制御することにより、非酸化性雰囲気での無フラックスロウ付けを可能とするロウ付け方法に関する。しかしながら、無機酸による処理、成形加工油の塗布等の特殊な前処理工程を必要とすることによる煩雑性が回避できず、処理からロウ付けまでの時間経過の影響などにより、工業的に安定したロウ付け性能が得られていないのが現状である。
特開平10−180489号公報 特開平11−285817号公報
特許文献3は、被ロウ付け物に対する非酸化性雰囲気ガスの流れを抑制するための覆いと、内部にMg蒸気の供給源とを備えたことを特徴とする無フラックスロウ付け方法に関する。これは、覆いの内部でのMg蒸気によるゲッター効果により雰囲気中の水分や酸素の影響を防いで実質的に低酸素雰囲気を実現してロウ付け性を確保するものである。このロウ付け方法では、被ロウ付け物に覆いを被せることにより被ロウ付け物の昇温が遅くなりロウ付けに要する時間が非常に長くなるので、生産効率の低下を招く欠点を有する。
特開平09−085433号公報
特許文献4は、非酸化性雰囲気ガス中でフラックスを用いないでロウ付けするのに使用するブレ−ジングシ−トに関する。ロウ材より融点の高いアルミニウム薄皮材と芯材との間にAl−Si−Mg系ロウ材を挟み込んだ構造を有するブレ−ジングシ−トで、ロウ溶融時までロウ材表面の酸化を抑制し、ロウが溶融してロウ液層がアルミニウム薄皮材の表面に浸出することによりロウ付けが可能となる。この時、ロウ材中のMgがロウ付けする相手材料の表面を効果的に改質する役割を果たすと考えられ、部材の表面近傍で局部的にMg蒸気濃度の高い領域を形成してロウ液層の酸化を防止し、ロウのぬれ広がりを確保していると考えられる。
このロウ付け方法は、特許文献1、2のような特殊な前処理を要せず、かつ、特許文献3のように昇温速度が低下する欠点がない点で工業的に有利である。実際に本発明者らが確認したところ、通常のブレージングシートを使用する特許文献1〜3のロウ付け方法に比べて特許文献4のロウ付け方法では、短時間のロウ付け加熱でも十分な接合性が得られ、品質の安定性の点でも優れていることが判明した。
特開2001−300762号公報
しかしながら、特許文献4のロウ付け方法では、継手形状によっては接合が不十分になることが本発明者らの試験によって明らかになった。その典型的な例が、図9に示すようなカップ型成形品1同士の外縁部2におけるロウ付け接合の場合である。非酸化性ガスが当たるカップ外縁部での接合部が特に気体の流れを乱すような形状を成すので、ロウ液層に対する酸化抑制効果にバラツキが生じ、結果として接合部におけるロウフィレット量が不足する部位が発生するものと考えられる。なお、このような酸化抑制効果のバラツキを防止すべく、特許文献3に開示されるように被ロウ付け物に覆いを被せた場合には、ロウ付け性は改善されるもののロウ付け時間が長くなるという問題が残る。
このような問題を解決するために、本発明者らは本出願に先立つ出願において、短い加熱時間で良好なロウ付け性が得られる非酸化性雰囲気中での無フラックスロウ付け方法を提案した(特願2004−214209号)。しかしながら、その後の検討により、当該出願の方法でも炉内雰囲気ガスの酸素濃度が約150ppmを超えて高濃度となる場合には、継手部のロウ分布が不均一になることが確認された。これは、酸素濃度が高いとロウ付け表面での酸化が局部的に進行してロウ付け性を阻害するためと考えられる。
そこで、より高い酸素濃度の雰囲気中でも安定して良好なロウ付け方法が望まれところであり、このような方法によって、炉に導入する窒素などの雰囲気ガスの流量を抑えることができ、またガスによる熱の持ち出しを減少できるため加熱に要するエネルギーも節約可能となる。
本発明は、非酸化性雰囲気中での無フラックスロウ付けにおいて、酸素濃度が高くなった場合でも、短時間のロウ付け加熱で良好なロウ付け性を達成することを目的とする。
本発明者らは、雰囲気中における酸素量の影響を低減して、炉中で予め加熱されていた風除け治具を被せることにより短い加熱時間で良好な接合性が得られる本発明に至った。
本発明は、請求項1において、Mg含有量が0.25〜3.00重量%のアルミニウム合金からなる芯材と;前記芯材の片面又は両面にクラッドされMg含有量が0.05重量%以下のAl−Si系合金からなるロウ材と;前記ロウ材の前記芯材とは反対側の面にクラッドされたアルミニウム又はアルミニウム合金の皮材であって、Mg含有量が0.05重量%以下であり、かつ、前記ロウ材より融点の高い皮材と;を備えたアルミニウムブレージングシートからなるアルミニウム部材を、フラックスを用いないで非酸化性ガス雰囲気中においてロウ付けする方法において、炉内に配置された前記アルミニウム部材を加熱し、予め加熱された風除け冶具を前記加熱されたアルミニウム部材に覆い被せ、次いで前記アルミニウム部材をロウ付けすることを特徴とするロウ付け方法とした。
請求項2においては、前記ロウ材のクラッド率を4〜20%とし、皮材のクラッド率を1〜10%とし、更に前記ロウ材の厚さを10〜150μmとし、皮材の厚さを2〜60μmとするロウ付け方法とした。請求項3においては、前記ロウ材の融点をTm(℃)として前記アルミニウム部材の温度T(℃)が450<T<Tmを満たすに到ったときに、前記風除け冶具を前記アルミニウム部材に覆い被せる、ロウ付け方法とした。
請求項4においては、炉内雰囲気温度及び前記予め加熱された風除け冶具の温度がロウ付け温度より3〜30℃高いロウ付け方法とした。請求項5においては、前記風除け冶具が前記炉中において予め加熱されつつ循環する一つ以上の風除け冶具からなり、前記アルミニウム部材が前記炉中に連続的に配置される一つ以上のアルミニウム部材からなり、前記各風除け冶具を前記各アルミニウム部材に覆い被せるロウ付け方法とした。
請求項6においては、前記非酸化性ガス雰囲気中の酸素濃度を250〜500ppmとするロウ付け方法とした。請求項7においては、前記非酸化性ガス雰囲気中の酸素濃度を250〜280ppmとするロウ付け方法とした。
本発明においては、炉内に配置されたアルミニウム部材を加熱し、予め加熱された風除け冶具を加熱されたアルミニウム部材に覆い被せ、次いでアルミニウム部材をロウ付けする。風除け冶具を覆い被せるまでは、アルミニウム部材は遮蔽されることなく炉内雰囲気に晒され、覆い被せられる風除け治具も予め加熱されているので、覆い被せられた後のアルミニウム部材の昇温速度低下が抑制される。また、ロウ付け時においては、風除け冶具が覆い被せられているので、ロウ材表面での非酸化性雰囲気ガスの流れ抑制効果が十分に発揮される。
更に、芯材のMg含有量を0.25〜3.00重量としたので、ロウ付け昇温時において十分なMgがロウ材に拡散してMgを含有する溶融ロウの形成を可能にし、また、ロウ材及び皮材のMg含有量を0.05重量%以下と低濃度に抑えたので、ロウ付け昇温時に皮材表面において余分なMgの濃縮が発生しない。
また、アルミニウム部材の温度T(℃)が450<T<Tmを満たすに到ったときに風除け冶具がアルミニウム部材に覆い被せられる。アルミニウム部材の温度が十分に高まったときに覆い被せられるので、アルミニウム部材の昇温速度低下の抑制効果が最大限に発揮されることになる。
また、炉内雰囲気温度及び予め加熱された風除け冶具の温度が、ロウ付け温度より3〜30℃高い。ロウ付け温度より高温の風除け冶具による近距離からの放射伝熱により、覆い被せた後におけるアルミニウム部材の昇温速度低下を防止できる。
また、一つ以上の風除け冶具を炉中において予め加熱しつつ循環させ、一つ以上のアルミニウム部材を炉中に連続的に配置し、各風除け冶具を各アルミニウム部材に覆い被せるようにしたので、アルミニウム部材を効率良く連続的にロウ付けすることを可能にする。
A.アルミニウムブレージングシート
本発明のブレージングシートは、0.25〜3.00重量%のMgを含有するアルミニウム合金からなる芯材と、当該芯材にクラッドされ0.05重量%以下のMgを含有するAl−Si系ロウ材と、当該ロウ材にクラッドされ、0.05重量%以下のMgを含有し、かつ、ロウ材より融点が高いアルミニウム又はアルミニウム合金の皮材を有するものとする。
このブレージングシートでは、ロウ材及びその外側の皮材のMg含有量が0.05重量%以下であるため、ロウ付けの昇温過程において問題となるロウ付け表面でのMgの濃縮が発生しない。そのために、雰囲気中の酸素濃度が例えば150ppm〜500ppm程度の高濃度となっても、Mgを含む表面酸化物の形成が抑制されるので、これに起因する局部的なロウ付け不良が防止できる。
一方、昇温過程においてMgを多く含有する芯材からロウ材にMgが拡散し、拡散したMgがロウ溶融時においてロウ材に溶け込んでAl−Si−Mg系の溶融ロウが形成される。これが最外の皮材から滲み出すと、Mgが相手素材の表面を改質し、部材の表面近傍で局部的にMg蒸気の濃い領域が形成されロウ液相の酸化を防ぎロウのぬれ広がりを容易にする。
本発明の芯材のMg含有量は0.25〜3.00重量%である。芯材中のMg含有量が0.25重量%未満では拡散によるロウ材へのMg供給が不十分となり、Mgによる表面改質、表面保護の作用が十分に発揮されずロウ付け性が不良となる。逆に、芯材のMg含有量が3.00重量%を超えるとロウ材へのMg拡散量が過剰になり、最外の皮材の表面にまでMg拡散が及んで、Mgを含有する表面酸化皮膜の形成により局部的なロウ付け不良の原因となる。なお、芯材にMgが多く含有されることは、ロウ付け製品の強度向上にも寄与する。
また、芯材は基本的にロウ材より高融点である必要がある。芯材を既存のJIS登録合金から選択するとすれば、3005及び3105合金であってMg含有量が0.25〜3.00重量%のもの、3004、3104、5005、5052、5454、6061、6063、6N01、6951合金などが好適に用いられる。なお、芯材には、この他に材料の自然電位を調整してロウ付けされた製品の耐食性を確保する目的で、Zn、Cu等を添加してもよい。
本発明に用いるロウ材は0.05重量%以下のMgを含有するAl−Si系合金とする。このようなロウ材には、Mgが全く含有されていないものも含まれる。Mg含有量が0.05重量%を超えると、ロウ付け昇温過程においてロウ溶融温度に達する前の温度でロウ材の外側の皮材表面までMgが拡散してしまい、特に皮材の結晶粒界部分等の表面においてMgの濃縮が発生してしまう。この際、ロウ付け雰囲気中の酸素濃度が高くなる条件が重なれば、Mgを含有する酸化皮膜の形成が促進され、局部的にロウ付け性の不良が発生してしまう。これを防止するためには、ロウ材中に不純物としてのMgが存在する場合においても、その含有量を0.05重量%以下に低減しておく必要がある。
また、ロウ材には溶融ロウの流動性を良好にするためのBiを添加するのが望ましく、添加量としては0.01〜0.30重量%が有効である。場合によっては、ロウの融点を低下させる目的で、或いは、材料の自然電位を調整してロウ付けされた製品の耐食性を確保する目的で、Zn、Cu等を添加してもよい。
本発明では、良好なロウ付け性を確保するために、ロウ溶融直前においてロウ材と皮材の界面までMgの拡散が進み、かつ、皮材の表面では顕著なMgの濃縮が起こらないようにする。これにより、ロウ溶融時にはMgを含有する溶湯が形成され、この溶湯が皮材から染み出すことにより、過度の表面酸化を起こすこと無しにMgによる相手材料の表面改質が達成され、良好なロウ付け性が実現できるものである。
このようなロウ付け状態とするためには、芯材中のMg含有量とロウ材厚さとのバランスを適宜選択する必要がある。ロウ材の厚さとしては、10〜150μmが好適である。ロウ材が10μm未満では、芯材からのMgがロウ材中を容易に拡散することにより、昇温過程の比較的初期において既に皮材表面までMgが達してしまい、局部的にMgを含有する表面酸化物が形成されて均一なロウ付けが阻害される。ロウ材が150μmを超えると、ロウの溶融直前であっても芯材から拡散するMgがロウ材の皮材側部分において十分な濃度で存在せず、ロウ溶融時における溶湯の皮材表面への浸出とMg蒸気雰囲気の形成が不十分となるため、これまたロウ付けが不均一となる原因となる。
本発明の最も外側には、Mg含有量が0.05重量%以下で、かつ、ロウ材より高い融点を有するアルミニウム又はアルミニウム合金からなる皮材が用いられる。このような皮材には、Mgが全く含有されていないものも含まれる。Mg含有量が0.05重量%を超えると、ロウ材において説明したのと同じく、ロウ付け昇温過程においてロウ溶融温度に達する前の温度で皮材の表面までMgが拡散してしまい、特に皮材の結晶粒界部分等の表面においてMgの濃縮が発生してしまうからである。不純物としてのMgが存在する場合でも、その含有量は0.05重量%以下に低減する必要がある。このような皮材としては、1000系の純アルミニウムや3000系合金が好適に用いられる。
皮材の厚さは2〜60μmが好ましい。2μm未満ではMgの拡散量が過剰となり皮材表面でMgの濃縮が発生してしまうからである。一方、60μmを超えるとMgの拡散量が不足し、相手材料の表面改質やロウ液層の酸化防止等のMgによる役割が十分に発揮されないからである。
本発明に用いるアルミニウムブレージングシートを構成する芯材、ロウ材及び皮材は、通常の方法、例えば半連続鋳造などにより鋳造される。次いで、鋳造されされた芯材、ロウ材、皮材を重ねたものを熱間圧延によりクラッド材とし、所定の板厚まで熱間圧延或いは冷間圧延し、必要により焼鈍を施してアルミニウムブレージングシートとする。
図1に示すように、芯材3の片面にロウ材4がクラッドされる場合には、ロウ材4に皮材5が更にクラッドされた3層構造のアルミニウムブレージングシート6が用いられる。図2に示すように、芯材3の両面にロウ材4がクラッドされる場合には、各ロウ材4、4に皮材5、5がそれぞれクラッドされた5層構造のアルミニウムブレージングシート6が用いられる。
なお、ロウ材のクラッド率は4〜20%であるのが好ましく、皮材のクラッド率は1〜10%であるのが好ましい。
ロウ付けされるアルミニウム部材は、上記アルミニウムブレージングシート同士;その成形品同士;上記アルミニウムブレージングシートとその成形品;上記アルミニウムブレージングシート及び/又はその成形品と、他のアルミニウム合金板及び/又はその成形品との組み合わせ;を、所望の形状を得るように組み付けて固定冶具や金属バンドなどの任意の固定手段で固定してロウ付けに供される。
B.炉内雰囲気
ロウ付けは、非酸化性雰囲気の炉内で行なわれる。ロウ付けは窒素や不活性ガスであるアルゴン、ヘリウムなどの非酸化性ガスを流入させて酸素濃度を低下させた雰囲気中で行われる。本発明では比較的高い酸素濃度領域、具体的には150ppm〜500ppmまでの酸素濃度範囲でもロウ付けが可能である。このため、使用ガス純度の低減や流量の低減が可能となり経済的に有利となる。また、ロウ付け作業中に何らかの原因で酸素濃度が増加しても、上記範囲内であれば良好なロウ付けができるので安定した生産にも寄与可能である。
C.風除け冶具
本発明で用いる風除け冶具は、非酸化性ガスがアルミニウム部材に直接的に吹き付けられるように当たること(以下、「吹き当たり」と記す)や、ロウ付け部でのガス流れの乱れを抑制する役割を果たす。しかしながら、風除治具で囲まれた内部を完全に密封遮断する密閉形状とする必要はなく、囲まれた内部の昇温速度を高めつつその内部に存在する酸素や水分を外部に移動させるために、囲まれた内部と外部におけるある程度の通気を可能にする隙間や孔を風除け冶具に設けるのが望ましい。
なお、加熱された風除け冶具は、近距離からの放射伝熱によりアルミニウム部材の加熱に寄与するので、覆い被せた後のアルミニウム部材の昇温速度低下を防止できる。
風除け冶具7としては、図3に示すような通気孔付きの底無し箱形状を成すものが用いられる。箱の任意の面には孔8が設けられている。孔の数や位置は任意である。また、図4に示すような網籠形状を成すものも用いられる。図示例では、網籠を形成する5つの面のうち側面である4つの面が網状面9となっているが、いずれの面を網状にしてもよい。更に、図5に示すような、組み合わせた衝立形状を成すものも用いられる。衝立10を針金11等で固定したものであり、衝立10間に形成される隙間12の位置や大きさは任意である。これらの風除け冶具7にはヒモ部材13が採り付けられており、これら各ヒモ部材は風除け冶具7を昇降するためのワイヤー(図6、7参照)等に接続される。なお、図3〜5に示す風除け冶具7は例示であって、これらの形状に限定されるものではない。これらの風除け冶具の全外表面積に対する上記孔、網の空隙部分、衝立間の隙間(すなわち、風除け冶具で覆い被せられた内部と外部との通気部分)を除いた部分の表面積の比は、好ましくは50%以上あり、より好ましくは60〜95%である。なお、風除け冶具の全外表面積には、上記通気部分の表面積も含まれるものとする。
本発明に用いる風除け冶具の材質は、ロウ付け温度(本発明においては600℃前後)において溶融等による極度な変形を発生しないこと、ロウ付けを阻害するガスを発生しないこと等を満たせば、ステンレスを含む鉄鋼材料、アルミニウム合金、セラミックなどの中から任意に選択できる。これらの材料は、単独で又は組み合わせて使用可能である。
D.ロウ付け操作
予め加熱された風除け冶具は、通常、炉内のロウ付け室に配置されて加熱されているアルミニウム部材に覆い被せられる。加熱中に覆い被せるとしたのは、風除け冶具をアルミニウム部材に覆い被せた後にこれを加熱したのでは、アルミニウム部材がロウ付け温度に達するまでに極めて長い時間を要することになり実用的でないからである。
予め加熱された風除け冶具をアルミニウム部材に覆い被せるのは、アルミニウム部材の温度T(℃)が、450<T<Tmを満たすに到った時点が好適である。ここで、Tm(℃)はロウ材の融点であり、本発明で用いるMgを含有するAl−Si系合金からなるロウ材では、例えば570〜577℃のものが用いられる。
アルミニウム部材の温度Tが450℃以下において風除け治具を覆い被せると、風除け治具の温度が低下して、アルミニウム部材を昇温するのにより長い時間を要することになる。その結果、ロウ材表面において酸化膜が厚膜化してロウ付け性を損なうことになる。また、風除け治具が高温でアルミニウム部材が低温のために囲まれた内部の温度分布が大きく、アルミニウム部材が全体的に均一に昇温され難い。その結果、ロウ付け部位によって温度差が生じ、フィレット量が不足する部位が発生する不都合も生じる。
一方、アルミニウム部材の温度TがTm以上において風除け治具を覆い被せると、アルミニウム部材へのガス流の吹き当たりや乱れを抑制する効果が十分に発揮されない時点でロウ液層が発生してしまう。その結果、継手形状によっては局部的に酸化部分が生じて、ロウの広がりに不良部が発生する不都合が生じる。
風除け治具とアルミニウム部材との距離、すなわち、アルミニウム部材を風除け治具の内面からどの程度離間して配置するかは、特に限定されるものではないが、好ましくは、1〜100mm、より好ましくは5〜20mmである。
炉内雰囲気温度及び加熱された風除け治具の温度は、アルミニウム部材の所定ロウ付け温度に対し、3〜30℃高くすることが望ましい。高めの炉内温度にすることにより昇温を短時間で行うことが可能となるためである。ロウ付け温度との差、いわゆるヘッドが3℃未満では、アルミニウム部材が所定温度に達するのに過大な時間を要するので好ましくない。一方、ヘッドが30℃を超えると、アルミニウム部材の温度制御が困難となり、その結果、炉内雰囲気温度が所定のロウ付け温度を超えてしまいアルミニウム部材の変形を引き起こすので好ましくない。
このような炉内雰囲気温度及び加熱された風除け治具の温度は、表3のロウ付け室温度によって示される。
なお、ロウ付け温度とは、ロウ付け加熱時にアルミニウム部材が到達する温度の管理値をいい、ロウ材の融点Tmより高く、かつ、芯材及び皮材の融点より低い温度に設定、制御される。ロウ付け温度は所定の温度幅(望ましくは±5℃以内)を有し、このような温度幅を有するロウ付け温度にアルミニウム部材の温度が存在する時間を、ロウ付け温度保持時間と規定する。アルミニウム部材は、ロウ付け温度の所定温度範囲を超えて高温にならないように制御される。
本発明のロウ付け方法では、風除け治具は、炉内のロウ付け室に配置された後にロウ付け温度まで加熱されてもよく、或いは、炉内の予備加熱室にて予め加熱された後にロウ付け室に搬送され、ロウ付け温度まで更に加熱されてもよい。また、場合によっては、炉外で所定温度に予備加熱された後にロウ付け室に移され、ロウ付け温度まで更に加熱されてもよい。
本発明のロウ付け方法は、バッチ式炉及び連続式炉のどちらにおいても実施可能である。バッチ式炉14での実施様態を図6に例示する。この例では、風除け冶具7をロウ付け室15内にワイヤー16で吊り下げると共にロウ付け時にアルミニウム部材17を適切に覆うことができるように位置合わせし、アルミニウム部材17は炉内の予備加熱室18において予備加熱される。アルミニウム部材17が所定の予備加熱温度に達したら、ロウ付け室15と予備加熱室18とを仕切るシャッター19を開き、メッシュベルトなどの移動装置20を用いてアルミニウム部材17をロウ付け室15に搬送して加熱する。アルミニウム部材17の温度T(℃)が450<T<Tmを満たすに到ったときに、外部から手動或いは自動の駆動装置21によりワイヤー16を緩めて風除け冶具7を降下させアルミニウム部材17に覆い被せるものである。この時、覆う際の風除け冶具7の温度は、アルミニウム部材17の温度T(℃)より高温であって、ロウ付け温度より3〜30℃高く加熱されている。非酸性化ガスとしての窒素ガスを外部から流入させるガス流入口22が、ロウ付け室15と予備加熱室18の上部に設けられている。
なお、図6に示す例は、アルミニウム部材17と風除け冶具7をそれぞれ一つ用いているが、複数のアルミニウム部材17の各々に一つづつの風除け冶具7を覆い被せてもよく、複数のアルミニウム部材17に一つの風除け冶具7を覆い被せてよく、複数のアルミニウム部材17を2以上のグループに分け、各々のグループに一つづつの風除け冶具7を覆い被せてもよい。
次に、連続式炉での実施様態を図7に例示する。この例は、複数のアルミニウム部材17の各々に一つづつの風除け冶具7を同時に覆い被せるものである。耐熱部材で構成された循環ケーブル24と吊り下げワイヤー25を備えた駆動装置26によって、複数の風除け冶具7がロウ付け室15に吊り下げられながら循環する。各風除け冶具7は、ロウ付け時に各アルミニウム部材17を適切に覆うことができるように位置合わせされている。
複数のアルミニウム部材17は予備加熱室18において予備加熱され、各アルミニウム部材17が所定の予備加熱温度に達したら、ロウ付け室15と予備加熱室18とを仕切るシャッター19が開かれ、メッシュベルトなどの移動装置20によりこれら複数のアルミニウム部材17がロウ付け室15に搬送され所定位置にそれぞれ配置される。次いで、これら複数のアルミニウム部材17を加熱し、各アルミニウム部材17の温度T(℃)が450<T<Tmを満たすに到ったときに、駆動装置26により吊り下げワイヤー25が延ばされ各風除け冶具7を降下させて各アルミニウム部材17にそれぞれ同時に覆い被せられるものである。覆う際の風除け冶具7の温度は、上記図6の例と同様にロウ付け温度より3〜30℃高温である。
ロウ付けが終了した後に、駆動装置26により吊り下げワイヤー25が縮められ各風除け冶具7が上昇し、ロウ付け室15と冷却室27とを仕切るシャッター28が開かれ、移動装置によりこれら複数のアルミニウム部材が冷却室27に搬送され冷却される。アルミニウム部材17が冷却室27に搬送されるのと同時に、予備加熱室18の新たな複数のアルミニウム部材17がロウ付け室15に搬送される。ロウ付け室15へのアルミニウム部材17の搬入と同時に、駆動装置26により循環ケーブル24が回転して新たな複数の風除け冶具7が所定位置に配置される。
図7に示す例は、アルミニウム部材17と風除け冶具7をそれぞれ3つ用いているが、これらの個数は特に限定されるものではない。また、図示例のような複数のアルミニウム部材17の各々に一つづつの風除け冶具7を覆い被せる場合の他に、複数のアルミニウム部材17に一つの風除け冶具7を覆い被せるのでもよく、複数のアルミニウム部材17を2以上のグループに分け、各々のグループに一つづつの風除け冶具7を覆い被せるようにしてもよい。
図7に示す態様は、連続して処理が行えるので生産効率の点で大量生産に特に適している。風除け冶具7をアルミニウム部材17に対してズレないように適切に覆い被せることが必要であり、そのためには、用いる炉23、循環ケーブル24、吊り下げワイヤー25等の冶具に則して位置決め機構を任意に選択すれば良い。すなわち、各風除け冶具7の循環及び昇降の動作と各アルミニウム部材17の搬送動作との連動関係を、ロウ付けの種類や炉の種類によって適宜選択すればよく、上述した例に限定されるものではない。
例えば、複数の風除け冶具7を複数のアルミニウム部材17にそれぞれ覆い被せる場合に、同時に覆い被せるのではなく時間的なズレをもって覆い被せるようにしてもよい。異なる形状のアルミニウム部材を同時にロウ付けするような場合には、アルミニウム部材間でロウ付け温度に昇温されるまでの時間に差異が生じることがある。このような場合には、時間をズラして覆い被せる必要が生じる。
また、複数の風除け冶具7をロウ付け室内15で循環させて新たな風除け冶具7と交替させるのではなく、複数の風除け冶具7からなる一組の風除け冶具を昇降可能にしつつ循環させないで固定的に用いてもよい。この場合には、各風除け冶具7の昇降動作とアルミニウム部材17の連続的な搬送動作とを連動させればよい。
更に、一連のロウ付け操作において、予備加熱室18からロウ付け室15へ搬送されるアルミニウム部材17の個数が変化する場合には、これに対応して風除け冶具7の個数も変える必要がある。例えば、搬送されるアルミニウム部材17の配置間隔を狭めて(広げて)アルミニウム部材17の個数を増加(減少)する場合、循環ケーブル24に吊り下げられる風除け冶具7の間隔を同様に狭める(広げる)ように調整して、風除け冶具7の個数をアルミニウム部材17に対応して増加(減少)するものである。
また、アルミニウム部材17が一つずつ順次予備加熱室18からロウ付け室15に搬送され、所定温度に達したら風除け冶具7を一つずつ順次覆い被せるようにしてもよい。
表1に示すA〜Mの組成の合金を鋳造した。次いで、これらを熱間圧延によりクラッドとし、冷間圧延及び焼鈍を行って表2に示す組合わせからなるブレージングシート1〜10を作成した。試料1〜9は、芯材の両面に中間ロウ材を設け、更に各ロウ材の外側に皮材を設けた5層クラッドであり、試料10は皮材を設けていない3層クラッドである。なお、各試料の厚さは0.5mmとした。なお、用いたロウ材の融点(Tm)は、570〜577℃であった。
Figure 0004634789
Figure 0004634789
試料1〜10のブレージングシートからカップ型成形品を成形した。図8に示すように、2つのカップ型成形品1の外縁部2が向かい合うように組み合わせ、内部に熱電対30が取り付けられた3003合金板29を介してこれらを2段に組み上げ、両側を2枚の3003合金板29で止めたものをロウ付け試験に用いた。図6に示すバッチ式の炉14を用いて、表3に示す加熱条件でロウ付け試験を行った。まず、試料17を予備加熱室18において300℃で12分間予備加熱した後、ロウ付け室15に搬送して更に加熱した。試料温度が表3に示す風除け治具7の覆い被せ温度に達した時点で、風除け治具7を試料17に覆い被せた。試料17を更に加熱し、表3に示すロウ付け温度よりも3℃低い温度に達した時点でロウ付け温度に達したと見なし、その時点から試料温度がロウ付け温度±3℃の範囲にある時間をロウ付け温度保持時間としてロウ付けを行った。ロウ付け後、すなわち温度保持時間経過後に試料17を冷却した。なお、試料温度は熱電対30による測定温度とした。表3に示す所要時間とは、試料17を予備加熱室18からロウ付け室15に搬送した時点から、ロウ付け温度保持時間が経過するまでの時間として測定したものである。
炉内雰囲気ガスとして窒素をガス流入口22から流入させ、ロウ付け中の炉内酸素濃度は50〜80ppmと250〜280ppmの二水準に調節した。風除け治具としては、通気孔付きの底無し箱形状(孔明き箱形状)のものを用いた。この風よけ冶具7は、ステンレス製であり、内部に覆い被せられる試料17と箱内面との距離が15〜20mmであり、全外表面積に対する孔を除いた表面積の比が92%を占める。
接合状態をロウ付け性として評価した。ロウ付け性の良否は最も接合が困難なカップ外縁部の接合状況で評価した。すなわち、カップ外部から見て、均一に十分なフィレットが形成されている良好なものを○とし、不均一でフィレットが小さい部位が存在する不良なものを×とした。結果を表3に示す。
Figure 0004634789
表3の結果から、実施例1〜4ではいずれも、所要時間が30分以内であり、酸素濃度が50〜80ppmの低濃度(以下、「低濃度酸素雰囲気」と記す)の場合だけでなく、酸素濃度が250〜280ppmと高濃度(以下、「高濃度酸素雰囲気」と記す)の場合においてもロウ付け性は良好であった。
風除け治具を使用しない比較例1及び2ではいずれも、カップ外縁の接合部においてロウの分布が不均一、フィレット成形が不十分な部位が観察され、低濃度酸素雰囲気及び高濃度酸素雰囲気のいずれにおいてもロウ付け性が不良であった。
また、実施例1と同じブレージングシートを用いた比較例3、ならびに、実施例3と同じ同じブレージングシートを用いた比較例4では、予備加熱室に入る前の室温の状態から風除け治具を被せてロウ付けした。また、比較例5では、本発明で規定する所定温度よりも低温で風除け治具を被せた。これら比較例3〜5では、ロウ付け性は良好なものの、所要時間が実施例1〜4に比べて約2〜3倍もの長時間を要した。
表面に皮材を設けていないブレージングシートを使用し、本発明で規定する所定温度よりも低温で風除け治具を被せた比較例6では、所要時間が実施例1〜4に比べて約2倍もの長時間を要した上に、低濃度酸素雰囲気及び高濃度酸素雰囲気のいずれにおいてもロウ付け性が不良であった。
比較例7は、実施例1と同じブレージングシートを用い、ロウの溶融温度よりも高温に達してから風除け冶具を被せた場合であるが、完全な接合が達成できず、低濃度酸素雰囲気及び高濃度酸素雰囲気のいずれにおいてもロウ付け性は不良であった。表面に皮材を設けていないブレージングシートを使用し、実施例2、3と同様の加熱条件でロウ付けを行った比較例8においても、低濃度酸素雰囲気及び高濃度酸素雰囲気のいずれにおいてもロウ付け性は不良であった。比較例9は、0.15重量%ものMgが皮材に含有された例であるが、Mgを含有する表面酸化物がロウ付け性を阻害するため、低濃度酸素雰囲気及び高濃度酸素雰囲気のいずれにおいてもロウ付け性は不良であった。
比較例10はロウ材中のMg含有量が0.47重量%と多量の例であり、比較例11もロウ材中のMg含有量が1.22重量%と多量の例である。これら比較例10及び11では、低濃度酸素雰囲気ではロウ付け性は良好であったが、高濃度酸素雰囲気ではロウ付け性は不良であった。高濃度酸素雰囲気においては、雰囲気中に酸素が多く存在するため、昇温過程でロウ材から皮材表面の結晶粒界などに拡散したMgによって、局部的にMgを含む表面酸化物が多く形成されることにより、ロウ流れを阻害したものと考えられる。
比較例12は芯材中のMg含有量が0.09重量%と少量の例であり、昇温過程でロウ材へのMg拡散が不十分で、ロウ溶融時にMg蒸気雰囲気の形成が不足するためロウ付け性が不良であった。また、比較例13は、芯材中のMg含有量が3.8重量%と多量の例でありロウ付け性が不良であった。昇温過程において皮材表面までMgの拡散が達したために、ロウ付けを阻害するMg酸化物が皮材表面で形成されたためと考えられる。
本発明では、非酸化性ガス雰囲気においてフラックスを用いないでロウ付けする方法において、加熱昇温されたアルミニウム部材に予め加熱された風除け治具を覆い被せることにより、ロウ付け雰囲気中の酸素濃度が高くなっても長時間の加熱を要せずにロウ付けを可能とする。これにより、特に厳重な雰囲気管理を必要とせず、安定して良好な接合品質を実現できる。
本発明で用いる3層アルミニウムブレージングシートの正面図を示す。 本発明で用いる5層アルミニウムブレージングシートの正面図を示す。 本発明で用いる通気孔付き底無し箱形状の風除け治具の斜視図を示す。 本発明で用いる網籠形状の風除け治具の斜視図を示す。 本発明で用いる組み合せた衝立形状の風除け治具の斜視図を示す。 バッチ式炉を用いた本発明に係るロウ付け方法の説明図である。 連続式炉を用いた本発明に係るロウ付け方法の説明図である。 本発明で用いるアルミニウム部材をロウ付け試験用に組み上げた状態を示す正面図である。 従来例における、カップ型成形品同士を外縁部で接合する状態を示す正面図である。
符号の説明
1 カップ型成形品
2 外縁部
3 芯材
4 ロウ材
5 皮材
6 アルミニウムブレージングシート
7 風除け治具
8 孔
9 網状面
10 衝立
11 針金
12 隙間
13 ヒモ部材
14 バッチ式炉
15 ロウ付け室
16 ワイヤー
17 アルミニウム部材、試料
18 予備加熱室
19 シャッター
20 移動装置
21 駆動装置
22 ガス流入口
23 連続式炉
24 循環ケーブル
25 吊り下げワイヤー
26 駆動装置
27 冷却室
28 シャッター
29 3003合金板
30 熱電対

Claims (7)

  1. Mg含有量が0.25〜3.00重量%のアルミニウム合金からなる芯材と;前記芯材の片面又は両面にクラッドされMg含有量が0.05重量%以下のAl−Si系合金からなるロウ材と;前記ロウ材の前記芯材とは反対側の面にクラッドされたアルミニウム又はアルミニウム合金の皮材であって、Mg含有量が0.05重量%以下であり、かつ前記ロウ材より融点の高い皮材と;を備えたアルミニウムブレージングシートからなるアルミニウム部材を、フラックスを用いないで非酸化性ガス雰囲気中においてロウ付けする方法において、炉内に配置された前記アルミニウム部材を加熱し、予め加熱された風除け冶具を前記加熱されたアルミニウム部材に覆い被せ、次いで前記アルミニウム部材をロウ付けすることを特徴とするロウ付け方法。
  2. 前記ロウ材のクラッド率が4〜20%であり、皮材のクラッド率が1〜10%であり、更に前記ロウ材の厚さが10〜150μmであり、皮材の厚さが2〜60μmである、請求項1に記載のロウ付け方法。
  3. 前記ロウ材の融点をTm(℃)として前記アルミニウム部材の温度T(℃)が450<T<Tmを満たすに到ったときに、前記風除け冶具を前記アルミニウム部材に覆い被せる、請求項1又は2に記載のロウ付け方法。
  4. 炉内雰囲気温度及び前記予め加熱された風除け冶具の温度がロウ付け温度より3〜30℃高い、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のロウ付け方法。
  5. 前記風除け冶具が前記炉中において予め加熱されつつ循環する一つ以上の風除け冶具からなり、前記アルミニウム部材が前記炉中に連続的に配置される一つ以上のアルミニウム部材からなり、前記各風除け冶具を前記各アルミニウム部材に覆い被せる、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のロウ付け方法。
  6. 前記非酸化性ガス雰囲気中の酸素濃度が250〜500ppmである、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のロウ付け方法。
  7. 前記非酸化性ガス雰囲気中の酸素濃度が250〜280ppmである、請求項6に記載のロウ付け方法。
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