JP7290605B2 - アルミニウム合金ブレージングシート、及び、アルミニウム合金ろう付体 - Google Patents

アルミニウム合金ブレージングシート、及び、アルミニウム合金ろう付体 Download PDF

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Description

本発明は、アルミニウム合金ブレージングシート、及び、アルミニウム合金ろう付体に関し、特に、自動車用熱交換器等に使用されるアルミニウム合金ブレージングシートに関する。
アルミニウム合金製の熱交換器等の部材をろう付するにあたり、真空中において、フラックスを使用せずにろう付を行う真空ろう付という方法が存在する。
この真空ろう付は、フラックスを使用するフラックスろう付と比較すると、フラックスを塗布する処理が不要、フラックスの塗布量が適切でないことに伴った問題発生の回避等、様々なメリットがある。
しかしながら、真空ろう付は、ろう付時の炉内を真空にした状態で加熱を施す高価な真空炉が必要となるため、作業コストが高くなってしまうとともに、真空にした炉内の制御が難しいことから、作業の困難性も高まってしまう。
このような問題を解決するため、真空中ではない雰囲気下において、フラックスを使用しないフラックスレスろう付に関して研究が進められ、以下のような技術が提案されている。
具体的には、特許文献1において、質量%で、Mgを0.1~5.0%、Siを3~13%含有するAl-Si系ろう材が最表面に位置するアルミニウムクラッド材を用いるろう付け方法であって、減圧を伴わない非酸化性雰囲気で加熱温度559~620℃において、Al-Si系ろう材によりろう付け対象部材との接触密着部を接合することを特徴とするアルミニウム材のフラックスレスろう付け方法が開示されている。
特開2010-247209号公報
特許文献1に係る技術は、真空ではない不活性ガス雰囲気におけるフラックスレスろう付に関する技術であり、特許文献1では所定の効果を奏すると説明されている。
しかしながら、このようなフラックスレスろう付は、フラックスろう付と比較して、腐食の影響を受け易いとともに、これまで、フラックスレスろう付に関する耐食性の検討が十分にされているとはいえなかった。
そのため、本発明者らは、フィンが設置されない箇所を想定して単板の状態でろう付加熱を施した場合の耐食性(単板部耐食性)だけでなく、フィンを設置した状態でろう付加熱を施した場合に形成されるフィレット部の耐食性(フィレット部耐食性)を検討し、フラックスレスろう付に用いるアルミニウム合金ブレージングシートの耐食性について、より高いレベルを目指す必要があると考えた。
そこで、本発明は、優れた耐食性(単板部耐食性とフィレット部耐食性との両立)を発揮できるアルミニウム合金ブレージングシート、及び、アルミニウム合金ろう付体を提供することを課題とする。
本発明者らは、アルミニウム合金ブレージングシートの各成分に着目し、前記した課題に対する各成分の影響を鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、ろう材のCuの含有量と中間材のZnの含有量とを精緻に調整することで、優れた耐食性を発揮させることができることを見出した。
すなわち、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、心材と、前記心材の一方の面に設けられたろう材と、前記心材と前記ろう材との間に設けられた中間材と、を備え、前記心材は、Mn:0.20質量%以上2.00質量%以下、Si:0.20質量%以上1.50質量%以下、Cu:0.20質量%以上1.50質量%以下、Mg:0.10質量%以上0.90質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物であり、前記中間材は、Zn:0.50質量%以上8.00質量%以下、Mg:0.10質量%以上0.90質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物であり、前記ろう材は、Si:5.00質量%以上15.00質量%以下、Mg:0.10質量%以上0.90質量%以下、Bi:0.10質量%以上0.50質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物であり、前記中間材のZnの含有量を[Zn]質量%とし、前記ろう材のCuの含有量を[Cu]質量%とした場合に、10.0≦[Zn]/[Cu]≦40.0の関係式を満たす。
また、本発明に係るアルミニウム合金ろう付体は、前記のアルミニウム合金ブレージングシートをろう付してなる。
本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートは、優れた耐食性を発揮できる。
本発明に係るアルミニウム合金ろう付体は、優れた耐食性を発揮できる。
本発明の実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートの断面図である。 フィレット部耐食性評価の試験を説明するための図であり、供試材にフィンを組み合わせた状態の斜視図である。 フィレット部耐食性評価における供試材5の写真であって、フィレット部に剥離がなかった結果を示している。 フィレット部耐食性評価における供試材2の写真であって、フィレット部の一部が剥離した結果を示している。 フィレット部耐食性評価における供試材7の写真であって、フィレット部の全部が剥離した結果を示している。
以下、適宜図面を参照して、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシート(以下、適宜、ブレージングシートという)を実施するための形態について説明する。
[アルミニウム合金ブレージングシート]
本実施形態に係るブレージングシートは、図1に示すように、心材1と、心材1の一方の面に設けられたろう材3と、心材1とろう材3との間に設けられた中間材2と、を備える。
そして、本実施形態に係るブレージングシート10は、心材1、中間材2、ろう材3の各成分の含有量が特定されている。
以下、本実施形態に係るブレージングシートの心材、中間材、ろう材の各成分について数値限定した理由を詳細に説明する。
[心材]
本実施形態に係るブレージングシートの心材は、Mn、Si、Cu、Mgを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートの心材は、Ti、Cr、Zrのうちの1種以上をさらに含有してもよい。
(心材のMn:0.20質量%以上2.00質量%以下)
Mnは、母材に固溶することや、SiとともにAl-Mn-Si系の金属間化合物を形成することによってろう付後強度を向上させる。Mnの含有量が0.20質量%未満では、強度向上の効果が小さい。一方、Mnの含有量が2.00質量%を超えると、金属間化合物が粗大に析出し、圧延性が低下しブレージングシートの製造が困難となる。
したがって、Mnの含有量は、0.20質量%以上2.00質量%以下である。
Mnの含有量は、ろう付後強度を向上させる観点から、0.50質量%以上が好ましく、0.80質量%以上、1.20質量%以上がより好ましい。また、Mnの含有量は、圧延性の低下を抑制する観点から、1.85質量%以下が好ましく、1.65質量%以下がより好ましい。
(心材のSi:0.20質量%以上1.50質量%以下)
Siは、母材に固溶することやMnとともにAl-Mn-Si系の金属間化合物を形成することによってろう付後強度を向上させる。また、Siは、Mgとともに、ろう付後強度を向上させる。Siの含有量が0.20質量%未満では、強度向上の効果が小さい。一方、Siの含有量が1.50質量%を超えると、固相線温度が低下し、ろう付時に溶融が生じるおそれがある。
したがって、Siの含有量は、0.20質量%以上1.50質量%以下である。
Siの含有量は、ろう付後強度を向上させる観点から、0.30質量%以上が好ましく、0.40質量%以上、0.50質量%以上がより好ましい。また、Siの含有量は、ろう付時の溶融の発生を回避する観点から、1.30質量%以下が好ましく、1.20質量%以下、1.00質量%以下がより好ましい。
(心材のCu:0.20質量%以上1.50質量%以下)
Cuは、ろう付後に母相に固溶し、ろう付後強度を向上させる。Cuの含有量が0.20質量%未満では、強度向上の効果が小さい。一方、Cuの含有量が1.50質量%を超えると、固相線温度が低下し、ろう付時に溶融するおそれがある。
したがって、Cuの含有量は、0.20質量%以上1.50質量%以下である。
Cuの含有量は、ろう付後強度を向上させる観点から、0.50質量%以上が好ましく、0.60質量%以上、0.70質量%以上がより好ましい。また、Cuの含有量は、ろう付時の溶融の発生を回避する観点から、1.20質量%以下が好ましく、1.00質量%以下、0.90質量%以下がより好ましい。
(心材のMg:0.10質量%以上0.90質量%以下)
Mgは、Siとの相互作用により、ろう付後強度を向上させる。Mgの含有量が0.10質量%未満では、強度向上の効果が小さい。また、心材のMgの含有量が中間材やろう材よりも少ないと、中間材やろう材のMgが心材に拡散してしまい両材中のMgが減少することで、ろう付性が低下するおそれもある。一方、Mgの含有量が0.90質量%を超えると、エロージョンが発生し強度や耐食性が低下するおそれがある。
したがって、Mgの含有量は、0.10質量%以上0.90質量%以下である。
Mgの含有量は、ろう付性の低下を抑制する観点から、0.20質量%以上が好ましく、0.30質量%以上がより好ましい。また、Mgの含有量は、エロージョンの発生を抑制する観点から、0.80質量%以下が好ましく、0.70質量%以下、0.50質量%以下がより好ましい。
(心材のTi:0.30質量%以下)
Tiは、一般的に知られているように、アルミニウム合金中に層状に分布することによって、ブレージングシートの電位分布もTiの濃淡に対応した分布となることから、腐食形態が層状化し、板厚方向への腐食の進行速度を低減させることができるため、耐食性の向上に寄与する。ただし、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、鋳造時に粗大なAlTi金属間化合物を形成し易くなり、加工性が低下するため、チューブ成形時に割れが発生し易くなる。
したがって、心材にTiを含有させる場合、Tiの含有量は、0.30質量%以下である。
(心材のCr:0.30質量%以下)
Crは、一般的に知られているように、AlとAlCr分散粒子を形成して分散強化することによって、ろう付後強度を向上させる。ただし、Crの含有量が0.30質量%を超えると、粗大なAlCr金属間化合物を形成し、圧延性を低下させる。
したがって、心材にCrを含有させる場合、Crの含有量は、0.30質量%以下である。
(心材のZr:0.30質量%以下)
Zrは、一般的に知られているように、AlとAlZr分散粒子を形成して分散強化することによって、ろう付後強度を向上させる。ただし、Zrの含有量が0.30質量%を超えると、粗大なAlZr金属間化合物を形成し、加工性が低下することによって、チューブ成形時に割れが発生し易くなる。
したがって、心材にZrを含有させる場合、Zrの含有量は、0.30質量%以下である。
前記したTi、Cr、Zrは、前記した上限値を超えなければ、心材に1種以上、つまり1種が含まれる場合だけでなく、2種以上が含まれていても、当然に本発明の効果を妨げない。
(心材の残部:Al及び不可避的不純物)
本実施形態に係るブレージングシートの心材の残部はAl及び不可避的不純物である。不可避的不純物は、原料の溶解時に不可避的に混入する不純物であり、例えば、V、Ni、Ca、Na、Sr、Li、Mo、Zn、Sn、In等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。
詳細には、V、Ni、Ca、Na、Sr、Li、Mo、Zn、Sn、Inは、其々、0.05質量%以下の範囲であれば本発明の効果を阻害しない。そして、これらの各成分については、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。
また、前記したTi、Cr、Zrも不可避的不純物として含有されていてもよく、この場合の含有量は、例えば、個々に0.1質量%以下、合計で0.3質量%以下である。
[中間材]
本実施形態に係るブレージングシートの中間材は、Zn、Mgを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートの中間材は、Biをさらに含有してもよく、また、Ti、Cr、Zrのうちの1種以上をさらに含有してもよい。
(中間材のZn:0.50質量%以上8.00質量%以下)
Znは、中間材の電位を卑化させ耐食性(特に、単板部耐食性)を向上させるZnの含有量が0.50質量%以下では、犠牲防食の効果が十分に得られない。一方、Znの含有量が8.00質量%を超えると、中間材の固相線温度が低下するため、ろう付時に中間材が溶融するおそれがある。
したがって、Znの含有量は、0.50質量%以上8.00質量%以下である。
Znの含有量は、耐食性を向上させる観点から、1.00質量%以上が好ましく、2.00質量%以上、3.00質量%以上がより好ましい。また、Znの含有量は、溶融の発生を抑制する観点から、7.00質量%以下が好ましく、6.00質量%以下、5.00質量%以下がより好ましい。
(中間材のMg:0.10質量%以上0.90質量%以下)
Mgは、ろう付後強度を向上させるとともに、ろう材から中間材へのMg拡散(ろう材のMg減少)によるろう付性の低下を抑制する。Mgの含有量が0.10質量%未満では、強度向上の効果とろう付性の低下を抑制する効果が小さい。一方、Mgの含有量が0.90質量%を超えると、ろう付け時にろうによる浸食が顕著になり耐食性が低下する。
したがって、Mgの含有量は、0.10質量%以上0.90質量%以下である。
Mgの含有量は、ろう付後強度を向上させる観点やろう付性の低下を抑制する観点から、0.15質量%以上が好ましく、0.20質量%以上がより好ましい。また、Mgの含有量は、耐食性を向上させる観点から、0.70質量%以下が好ましく、0.50質量%以下、0.40質量%以下がより好ましい。
(中間材のBi:0.10質量%以上0.50質量%以下)
Biは、ろう付け性を向上させる。Biの含有量が0.10質量%未満では、ろう付け性向上の効果が小さい。一方、Biの含有量が0.50質量%を超えると、ろう付性向上の効果が飽和する。
したがって、中間材にBiを含有させる場合、Biの含有量は、0.10質量%以上0.50質量%以下である。
(中間材のTi、Cr、Zr:0.30質量%以下)
中間材におけるTi、Cr、Zrは、其々、前記した心材のTi、Cr、Zrと同様の挙動を示し、これらを中間材に含有させる場合、Ti、Cr、Zrの含有量は、其々、0.30質量%以下である。
そして、前記したTi、Cr、Zrは、前記した上限値を超えなければ、中間材に1種以上、つまり1種が含まれる場合だけでなく、2種以上が含まれていても、当然に本発明の効果を妨げない。
(中間材の残部:Al及び不可避的不純物)
本実施形態に係るブレージングシートの中間材の残部は、Al及び不可避的不純物である。不可避的不純物は、原料の溶解時に不可避的に混入する不純物であり、例えば、V、Ni、Ca、Na、Sr、Li、Mo、Zn、Sn、In等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。
詳細には、V、Ni、Ca、Na、Sr、Li、Mo、Zn、Sn、Inは、其々、0.05質量%以下の範囲であれば本発明の効果を阻害しない。そして、これらの各成分については、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げない。
また、前記したBi、Ti、Cr、Zrも不可避的不純物として含有されていてもよく、この場合の含有量は、例えば、個々に0.1質量%以下、合計で0.3質量%以下である。
[ろう材]
本実施形態に係るブレージングシートのろう材は、Si、Mg、Bi、Cuを含有し、残部がAl及び不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブレージングシートのろう材は、Mn、Tiのうちの1種以上をさらに含有してもよい。
(ろう材のSi:5.00質量%以上15.00質量%以下)
ろう材のSiは、ろう付加熱温度での液相率を向上させて、フィレットの形成に十分な溶融ろうの量を確保する効果を発揮する。Siの含有量が5.00質量%未満であれば、溶融ろうの量を確保できないとともに、溶融ろうの流動性が低下し過ぎ、ろう付性(間隙充填性)が低下する。一方、Siの含有量が15.00質量%を超えると、溶融ろうの流動性が高くなり過ぎ、溶融ろうによるエロージョンが発生するおそれがある。
したがって、Siの含有量は、5.00質量%以上15.00質量%以下である。
なお、Siに基づく効果をより確実なものとするため、Siの含有量は、6.00質量%以上が好ましく、8.00質量%以上、9.00質量%以上、10.00質量%以上がより好ましい。また、溶融ろうの流動性の上昇を抑制する観点から、Siの含有量は、13.00質量%以下が好ましく、12.00質量%以下がより好ましい。
(ろう材のMg:0.10質量%以上0.90質量%以下)
ろう材のMgは、ろう付加熱時のろう溶融温度で雰囲気中に蒸発し、雰囲気中の酸素と反応する。その結果、ろう材表面に形成された酸化膜がMgの蒸発時に好適に破壊されるとともに、雰囲気中の酸素濃度が低下し溶融ろうの再酸化が抑制される(ゲッター作用)ことによって、ろう付性を向上させる。Mgの含有量が0.10質量%未満であれば、ゲッター作用が不十分となりろう付性が低下してしまう。一方、Mgの含有量が0.90質量%を超えると、ろう付の昇温時にMgO酸化膜の生成・成長が促進され、ろう付性が低下してしまう。
したがって、Mgの含有量は、0.10質量%以上0.90質量%以下である。
なお、Mgに基づく効果をより確実なものとするため、Mgの含有量は、0.20質量%以上が好ましく、0.25質量%以上がより好ましい。また、MgO酸化膜の成長を抑制する観点から、Mgの含有量は、0.80質量%以下が好ましく、0.50質量%以下、0.35質量%以下がより好ましい。
(ろう材のBi:0.10質量%以上0.50質量%以下)
ろう材のBiは、Mgと反応し、ろう溶融温度以下ではほとんど溶解しないMg-Bi系化合物を生成する。その結果、ろう付加熱時のろう溶融開始温度までの昇温過程において、Mgのろう材表層部への拡散を抑え、ろう材表面におけるMgOの生成・成長を抑制する(Mgのトラップ作用)。そして、ろう付加熱時のろう溶融温度では、Mg-Bi系化合物は母相(ろう材)に溶解するため、Mgの蒸発が促進される。その結果、ろう材表面に形成された酸化膜がMgの蒸発時に好適に破壊されるとともに、このMgが雰囲気中の酸素と反応することで雰囲気の酸素濃度が低下し溶融ろうの再酸化を抑制する作用(ゲッター作用)が向上し、ろう付性を向上させる。Biの含有量が0.10質量%未満であれば、ろう付性が低下してしまう。一方、Biの含有量が0.50質量%を超えると、効果が飽和する。
したがって、Biの含有量は、0.10質量%以上0.50質量%以下である。
なお、Biに基づく効果をより確実なものとするため、Biの含有量は、0.20質量%以上が好ましい。また、Biの含有量は、0.40質量%以下が好ましく、0.30質量%以下がより好ましい。
(ろう材のCu:0.05質量%以上0.50質量%以下)
ろう材のCuは、ろう付加熱を施した場合に形成されるフィレット部の耐食性(フィレット部耐食性)を向上させる。Cuの含有量が0.05質量%未満では、耐食性向上の効果が小さい。一方、Cuの含有量が0.50質量%を超えると、ろう付加熱時に中間材に拡散し、単板の状態でろう付加熱を施した場合の耐食性(単板部耐食性)、および、フィン間のクラッド材表面(ブレージングシート表面)の耐食性が低下するおそれがある。
したがって、Cuの含有量は、0.05質量%以上0.50質量%以下である。
なお、Cuの含有量は、フィレット部耐食性を向上させる観点から、0.08質量%以上が好ましく、0.09質量%以上、0.10質量%以上がより好ましい。また、Cuの含有量は、単板部耐食性の低下を抑制する観点から、0.40質量%以下が好ましく、0.38質量%以下、0.36質量%以下がより好ましい。
(ろう材のMn:0.30質量%以下)
ろう材のMnは、一般的に知られているように、溶融ろうの粘性を向上させ、溶融ろうの流動を抑制する。ただし、Mnの含有量が0.30質量%を超えると、溶融ろう中に比重の大きいAl-Mn(-Fe-Si)系化合物が生成し、鉛直方向下側に流れる溶融ろうが多くなってしまう。
したがって、ろう材にMnを含有させる場合、Mnの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Mnに基づく溶融ろうの流動抑制の効果をより確実なものとするため、Mnの含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.10質量%以上がより好ましい。また、溶融ろうの流動抑制の効果を低下させないとの観点から、Mnの含有量は、0.25質量%以下が好ましい。
(ろう材のTi:0.30質量%以下)
ろう材のTiは、一般的に知られているように、溶融ろうの粘性を向上させ、溶融ろうの流動を抑制する。ただし、Tiの含有量が0.30質量%を超えると、溶融ろう中に比重の大きいAl-Ti系化合物が生成し、鉛直方向下側に流れる溶融ろうが多くなってしまう。
したがって、ろう材にTiを含有させる場合、Tiの含有量は、0.30質量%以下である。
なお、Tiに基づく溶融ろうの流動抑制の効果をより確実なものとするため、Tiの含有量は、0.05質量%以上が好ましく、0.10質量%以上が好ましい。また、溶融ろうの流動抑制の効果を低下させないという観点から、Tiの含有量は、0.20質量%以下が好ましい。
前記したMn、Tiは、前記した上限値を超えなければ、ろう材に1種以上、つまり1種が含まれる場合だけでなく、2種が含まれていても、当然に本発明の効果を妨げない。
(ろう材の残部:Al及び不可避的不純物)
ろう材の残部はAl及び不可避的不純物である。そして、ろう材の不可避的不純物としては、Ca、Be、Sr、Na、Sb、希土類元素、Li等が本発明の効果を妨げない範囲で含有されていてもよい。詳細には、Ca:0.05質量%以下、Be:0.01質量%以下、その他の元素:0.01質量%未満の範囲で含有されていてもよい。
そして、これらの元素については、前記した所定の含有量を超えなければ、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、積極的に添加される場合であっても、本発明の効果を妨げず許容される。
また、前記したMn、Tiも不可避的不純物として含有されていてもよく、この場合の各元素の含有量は、例えば、個々に0.05質量%以下、合計で0.15質量%以下である。
本発明者らは、ブレージングシートの優れた耐食性、詳細には、フィレット部耐食性だけでなく単板部耐食性の両者を優れたレベルで両立させるために、種々の組成について検討を行った結果、特に、中間材のZnの含有量とろう材のCuとの含有量の関係が、耐食性に大きな影響を及ぼすことを確認した。
以下、中間材のZnとろう材のCuの関係について説明する。
([Zn]/[Cu])
中間材のZnとろう材のCuは、ブレージングシートの耐食性に大きな影響を及ぼす。そして、中間材のZnの含有量を[Zn]質量%とし、ろう材のCuの含有量を[Cu]質量%とした場合に、[Zn]/[Cu]で算出される値が10.0未満であると、ろう材に含まれるCuがろう付加熱時に中間材に大量に拡散することで、中間材に含有させた電位を卑化するZnでは相殺できないほどの過剰なCuが中間材に含まれてしまい、中間材が貴化してしまう。その結果、単板の状態でろう付加熱を施した場合の耐食性(単板部耐食性)が低下するおそれがある。
また、[Zn]/[Cu]で算出される値が40.0を超えると、中間材に含まれるZnがろう付加熱時にろう材に大量に拡散することで、ろう材に含有させた電位を貴化するCuでは相殺できないほどの過剰なZnがフィレット部に含まれてしまう。その結果、フィレット部の耐食性(フィレット部耐食性)が低下するおそれがある。
したがって、[Zn]/[Cu]で算出される値は、10.0以上40.0以下(10.0≦[Zn]/[Cu]≦40.0)である。
なお、単板部耐食性をより向上させるために、[Zn]/[Cu]で算出される値は、11.0以上が好ましく、12.0以上、12.8以上がより好ましい。また、フィレット部耐食性をより向上させるために、[Zn]/[Cu]で算出される値は、37.0以下が好ましく、36.0以下、30.0以下、20.0以下がより好ましい。
[アルミニウム合金ブレージングシートの厚さ]
本実施形態に係るブレージングシートの厚さは、特に限定されないが、チューブ材に用いる場合、0.5mm以下であるのが好ましく、0.4mm以下であるのがより好ましく、また、0.05mm以上であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係るブレージングシートの厚さは、サイドサポート材、ヘッダー材、タンク材に用いる場合、2.0mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、また、0.5mm以上であるのが好ましい。
また、本実施形態に係るブレージングシートの厚さは、フィン材に用いる場合、0.2mm以下であるのが好ましく、0.15mm以下であるのがより好ましく、また、0.01mm以上であるのが好ましい。
なお、本実施形態に係るブレージングシートの厚さは、ろう付後強度等の基本特性を損なうことなく適正なろう材の厚さを確保するという観点に基づくと、0.05mm以上が特に好ましい。
[クラッド率]
本実施形態に係るブレージングシートの中間材のクラッド率(ブレージングシートの全厚を100%とした場合の中間材の厚さの割合)については、12%未満であると耐食性(単板部耐食性)が低下するおそれがある。一方、中間材のクラッド率が30%を超えると圧着性が悪化し、製造が困難となるおそれがある。
したがって、中間材のクラッド率は、12%以上30%以下が好ましく、18%以上25%以下がより好ましい。
なお、本実施形態に係るブレージングシートのろう材のクラッド率は特に限定されないものの、例えば、5%以上25%以下が好ましく、8%以上20%以下がより好ましい。
[用途]
本実施形態に係るブレージングシートは、例えば、自動車用熱交換器の部材、例えば、ラジエータのチューブ材等に用いることができる。
[アルミニウム合金ブレージングシートのその他の構成]
本実施形態に係るブレージングシートについて、図1に示す3層構造の構成を例示して説明したが、その他の構成を除外するものではない。
例えば、本実施形態に係るブレージングシートの構成は、使用者の要求に応じて、図1に示す心材1の他方側(中間材2やろう材3が設けられている側とは逆側)に、さらに、ろう材を設けてもよく、中間材とろう材を設けてもよい。
なお、本実施形態に係るブレージングシートの構成がろう材や中間材を心材の両側に備える構成の場合、いずれか一方のろう材と中間材とが、本発明の発明特定事項を満たせば、他方のろう材と中間材は本発明の発明特定事項を満たさないものであってもよい。また、本発明の発明特定事項を満たさないろう材に対しては、当該ろう材表面にフラックスを塗布してろう付してもよい。
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートのろう付方法について説明する。
[アルミニウム合金ブレージングシートのろう付方法]
本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートのろう付方法は、フラックスを使用しない、いわゆるフラックスレスろう付であって、不活性ガス雰囲気において所定の加熱条件で加熱するという方法である。
(加熱条件:昇温速度)
本実施形態に係るブレージングシートを加熱(ろう付)する際、350℃から560℃までの昇温速度が1℃/min未満であると、この昇温過程においてろう材のMgがろう材表層部に過剰に拡散し、ろう材表面においてMgOが生成される可能性が高くなり、ろう付性が低下するおそれがある。一方、350℃から560℃までの昇温速度が500℃/minを超えると、この昇温過程においてろう材のMgがろう材表層部に適切に拡散せず、ゲッター作用が不十分となる可能性が高くなり、ろう付性が低下するおそれがある。
したがって、350℃から560℃までの昇温速度は、1℃/min以上500℃/min以下が好ましい。
なお、ろう材表面におけるMgOが生成される可能性をより低くするため、350℃から560℃までの昇温速度は、10℃/min以上が好ましい。また、ゲッター作用をより確実に発揮させるため、350℃から560℃までの昇温速度は、300℃/min以下が好ましい。
一方、560℃からの降温速度については特に限定されず、例えば、5℃/min以上1000℃/min以下であればよい。
560℃から実際の加熱温度(後記する加熱温度の範囲内の所定の最高到達温度)までの昇温速度は特に限定されないものの、350℃から560℃までの昇温速度と同じ範囲内の速度とすればよい。また、実際の加熱温度から560℃までの降温速度についても特に限定されないものの、560℃からの降温速度と同じ範囲内の速度とすればよい。
(加熱条件:加熱温度、保持時間)
本実施形態に係るブレージングシートを加熱する際の加熱温度(ろう溶融温度)は、ろう材が適切に溶融する560℃以上620℃以下であり、580℃以上620℃以下が好ましい。そして、この温度域における保持時間が10秒未満であると、ろう付現象(酸化膜の破壊、雰囲気の酸素濃度の低下、接合部への溶融ろうの流動)が生じるのに必要な時間が不足する可能性がある。
したがって、560℃以上620℃以下の温度域(好ましくは580℃以上620℃以下の温度域)における保持時間は、10秒以上が好ましい。
なお、ろう付現象をより確実に発生させるため、560℃以上620℃以下の温度域(好ましくは580℃以上620℃以下の温度域)における保持時間は、30秒以上が好ましく、60秒以上がより好ましい。一方、保持時間の上限については特に限定されないものの、1500秒以下であればよい。
(不活性ガス雰囲気)
本実施形態に係るブレージングシートを加熱(ろう付)する際の雰囲気は、不活性ガス雰囲気であり、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気、ヘリウムガス雰囲気、これら複数のガスを混合した混合ガス雰囲気である。また、不活性ガス雰囲気は、酸素濃度が出来る限り低い雰囲気が好ましく、具体的には、酸素濃度は50ppm以下であるのが好ましく、10ppm以下であるのがより好ましい。
そして、本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートのろう付方法は、雰囲気を真空にする必要はなく、常圧(大気圧)で行うことができる。
なお、通常、本実施形態に係るブレージングシートに対して前記の加熱を施す前(ろう付工程の前)に、被接合部材をブレージングシートのろう材に接するように組み付けることとなる(組み付け工程)。また、組み付け工程の前に、ブレージングシートを所望の形状・構造に成形してもよい(成形工程)。
そして、このろう付工程を経て得られたものが、本実施形態に係る「アルミニウム合金ろう付体」(ブレージングシートに被接合部材をろう付してなる構造体)となる。
本実施形態に係るブレージングシートのろう付方法は、以上説明したとおりであるが、明示していない条件については、従来公知の条件を用いればよく、前記処理によって得られる効果を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることは言うまでもない。
次に、本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法について説明する。
[アルミニウム合金ブレージングシートの製造方法]
本実施形態に係るブレージングシートの製造方法は特に限定されず、例えば公知のクラッド材の製造方法により製造される。以下にその一例を説明する。
まず、心材、中間材、ろう材のそれぞれの成分組成のアルミニウム合金を、溶解、鋳造し、さらに必要に応じて面削(鋳塊の表面平滑化処理)、均質化処理して、それぞれの鋳塊を得る。そして、中間材、ろう材の鋳塊については、所定厚さまで熱間圧延もしくは機械的にスライスを施し、心材の鋳塊と組み合わせて、常法にしたがって、熱間圧延によりクラッド材とする。その後、このクラッド材に対して、冷間圧延、必要に応じて中間焼鈍、さらに、最終冷間圧延を施し、必要に応じて最終焼鈍を施す。
なお、均質化処理は400~610℃で1~20時間、中間焼鈍は200~450℃で1~20時間実施するのが好ましい。また、最終焼鈍は150~450℃で1~20時間実施するのが好ましい。そして、最終焼鈍を実施する場合、中間焼鈍を省略することが可能である。また、調質は、H1n、H2n、H3n(JIS H0001:1998)のいずれでもよい。
本実施形態に係るアルミニウム合金ブレージングシートの製造方法は、以上説明したとおりであるが、前記各工程において、明示していない条件については、従来公知の条件を用いればよく、前記各工程での処理によって得られる効果を奏する限りにおいて、その条件を適宜変更できることは言うまでもない。
次に、本発明に係るアルミニウム合金ブレージングシートについて、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
[供試材作製]
表1に示す組成の心材を鋳造し、550℃×5時間の均質化処理を施し、所定の厚さまで両面を面削した。また、表1に示す組成の中間材を鋳造し、500℃×3時間の均質化処理を施し、所定の厚さまで熱間圧延を施した。また、表1に示す組成のろう材を鋳造し、500℃×3時間の均質化処理を施し、所定の厚さまで熱間圧延を施した。また、Si:9.62質量%、Mg:0.10質量%、Bi:0.07質量%、残部:Al及び不可避的不純物であるろう材Xを鋳造し、500℃×3時間の均質化処理を施し、所定の厚さまで熱間圧延を施した。
そして、表1に示す心材の一方の面に、表1に示す中間材とろう材、この心材の他方の面にろう材Xを組み合わせて熱間圧延を施し、クラッド材(表1のろう材-表1の中間材-表1の心材-ろう材X)を得た。その後、冷間圧延、400℃×3時間の中間焼鈍、仕上げ圧延を施し、4層構造のブレージングシートを作製し、供試材とした。
なお、各供試材における中間材とろう材のクラッド率については、表1に示すとおりであり、供試材1~6のろう材Xの厚さは15μmであり、供試材7のろう材Xの厚さは17μmであり、各供試材の全体の厚さは、約200μmであった。
次に、ろう付相当加熱の条件、単板部耐食性評価、及び、フィレット部耐食性評価の評価方法及び評価基準を示す。
[ろう付相当加熱]
ろう付相当加熱は、酸素濃度50ppm以下の窒素雰囲気において、575~600℃での保持時間180秒、という条件で実施した。
なお、降温速度は100℃/minであった。
[単板部耐食性評価]
まず、前記した方法で作製した各供試材(80mm×40mm)に対して、前記したろう付相当加熱を施し、心材の一方の面(表1のろう材と中間材とを形成した面)が評価面となるようにシールを施した。詳細には、心材の一方の面の一部(70mm×30mm)が評価面として露出するように、その他の部分にシールを貼り付けて試験片を作製した。
次に、この試験片を40℃の腐食試験液Aに3時間浸漬させた。なお、腐食試験液Aは、1%NaClをベースとして少量のNaSOおよび腐食促進のための微量のCu2+を添加した溶液である。
そして、浸漬後の試験片に対して、腐食試験液Bの噴霧、乾燥、湿潤を3時間1サイクルとし、810時間、又は、1500時間の間、サイクル処理を実施した。なお、腐食試験液Bは、0.5%NaClをベースとして少量のNaSOを含んだ溶液であり、酢酸で酸性に調整したものであった。
このサイクル処理後の試験片に対して、水洗と毛ブラシによって腐食生成物を取り除き、酸洗(30%HNO×10分)し、再度、毛ブラシを用いて水洗を行った。
810時間のサイクル処理を施した後の試験片については、貫通の有無を確認し、1500時間のサイクル処理を施した試験片については、貫通の有無を確認するとともに、断面残厚、断面腐食深さ、を測定した。
貫通の有無については、目視で試験片を確認して有無を判断し、貫通が発生していないものを「○」と評価し、貫通が発生したものを「×」と評価した。
断面残厚については、まず、焦点深度法によって試験片における深い腐食部をピックアップし、この腐食部の断面を研磨して測定試料を作製した。そして、腐食部における最小残厚を測定し、得られた最小残厚を断面残厚とした。
断面浸食深さについては、各試験片の厚さ(ろう付相当加熱後であってサイクル処理前の厚さ:180μm)を考慮し、「180(μm)-断面残厚(μm)」によって算出した。
そして、単板部耐食性については、810時間、及び、1500時間における貫通の有無が「○」(発生していない)であり、断面残厚が100μm以上(断面腐食深さが80μm以下)であるものを「優れている」と判断し、それ以外のものを「優れていない」と判断した。
[フィレット部耐食性評価]
まず、図2に示すように、前記した方法で作製した各供試材20(55mm×40mm)の心材の一方の面(表1のろう材と中間材とを形成した面)に対して、フィン30を組み付け、前記したろう付相当加熱を施し、試験体を作製した。なお、フィン30は、JIS H4000:2014に規定されている合金番号3003の合金に1.2質量%のZnを含有する合金板を使用した。
次に、この試験体に対して、ASTM-G85-A3に準拠したSWAAT試験を実施した。詳細には、この試験体に対して、腐食試験液Cを0.5時間噴霧(49℃±2℃、噴霧量:1.0~2.0ml/h)し、湿潤環境(49℃±2℃×98%RH以上)に1.5時間置き、この2時間の処理を1サイクルとし、55日の間、サイクル処理を実施した。なお、腐食試験液Cは、ASTM D1141の人工海水について、酢酸と10%NaOHとでpH2.8~3.0に調整したものであった。
そして、サイクル処理後の供試材に対して、水洗と毛ブラシによって腐食生成物を取り除き、酸洗(30%HNO×10分)し、再度、毛ブラシを用いて水洗を行った。
なお、サイクル処理後にフィンが供試材に張り付いたままのものについては、フィンを取り外してから、前記の水洗等を実施した。
水洗等を施した後の供試材の表面を目視で確認し、供試材の表面に形成されたフィレット部が全く剥離することなく残っている場合を「剥離なし:○」と評価し、フィレット部の一部が剥離している場合を「一部剥離:△」と評価し、フィレット部の全部が剥離している場合を「全部剥離:×」と評価した。
そして、フィレット部耐食性については、「剥離なし:○」又は「一部剥離:△」の評価が得られたものを「優れている」と判断し、「全部剥離:×」の評価が得られたものを「優れていない」と判断した。
なお、「剥離なし:○」とは、図3Aの供試材5の表面が示すような状態であり、「一部剥離:△」とは、図3Bの供試材2の表面が示すような状態であり、「全部剥離:×」とは、図3Cの供試材7の表面が示すような状態である。
各供試材の成分や構成、評価の結果を表1に示す。なお、表1において、本発明の要件を満たさないものにつては数値に下線を引いて示す。
Figure 0007290605000001
[結果の検討]
表1に示すように、供試材No.1~5は、本発明の規定する成分組成を満たす供試材である。
そして、供試材No.1~5は、本発明の規定する成分組成を満たすことから、単板部耐食性、及び、フィレット部耐食性のいずれもが「優れている」という結果が得られた。
一方、供試材No.6は、[Zn]/[Cu]の値が所定値未満であったことから、断面残厚が小さくなるとともに断面腐食深さが大きくなり、単板部耐食性が優れていないという結果となった。
また、供試材No.7は、[Zn]/[Cu]の値が所定値を超えたことから、フィレット部が全部剥離してしまい、フィレット部耐食性が優れていないという結果となった。
1 心材
2 中間材
3 ろう材
10 アルミニウム合金ブレージングシート

Claims (5)

  1. 心材と、前記心材の一方の面に設けられたろう材と、前記心材と前記ろう材との間に設けられた中間材と、を備え、
    前記心材は、Mn:0.20質量%以上2.00質量%以下、Si:0.20質量%以上1.50質量%以下、Cu:0.20質量%以上1.50質量%以下、Mg:0.10質量%以上0.90質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物であり、
    前記中間材は、Zn:0.50質量%以上8.00質量%以下、Mg:0.10質量%以上0.90質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物であり、
    前記ろう材は、Si:5.00質量%以上15.00質量%以下、Mg:0.10質量%以上0.90質量%以下、Bi:0.10質量%以上0.50質量%以下、Cu:0.05質量%以上0.50質量%以下、残部がAl及び不可避的不純物であり、
    前記中間材のZnの含有量を[Zn]質量%とし、前記ろう材のCuの含有量を[Cu]質量%とした場合に、10.0≦[Zn]/[Cu]≦40.0の関係式を満たし、
    前記中間材のクラッド率は、12.0%以上30.0%以下であることを特徴とするアルミニウム合金ブレージングシート。
  2. 前記中間材は、Bi:0.10質量%以上0.50質量%以下をさらに含有する請求項1に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
  3. 前記ろう材は、Mn:0.30質量%以下、Ti:0.30質量%以下、のうちの1種以上をさらに含有する請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
  4. 前記心材及び前記中間材のうちの少なくとも一方は、Ti:0.30質量%以下、Cr:0.30質量%以下、Zr:0.30質量%以下、のうちの1種以上をさらに含有する請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアルミニウム合金ブレージングシート。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のアルミニウム合金ブレージングシートをろう付してなるアルミニウム合金ろう付体。
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