JP4634262B2 - 電子部品実装装置 - Google Patents

Description

この発明は、電子部品をプリント基板上に実装する電子部品実装装置に関するものであり、特に、装着ヘッドに接続される電線や空気チューブなどを支持する、ケーブル支持部材に関するものである。

従来から、図６に示すように、電子部品実装装置のＸ軸ガイドの上面に設けた台座５６の所定位置から装着ヘッド５２に向けて、電線や空気チューブが延びている。これらの上端は、装着ヘッド５２に接続されて、装着ヘッド５２や吸着ノズルに駆動力を与える。

装着ヘッド５２は、装置機枠上面の水平面に沿って移動して、装着ヘッド５２に備わる吸着ノズルで吸着した電子部品を下方のプリント基板上に実装する。この装着ヘッド５２の移動に伴い、電線や空気チューブも移動する。

これら電線や空気圧チューブを支持、案内し、これらに所定の運動軌跡を付与するために、多数のブロック５４を連結して形成された、ケーブル支持部材５３の中に電線や空気チューブを通すようにして使用されている。

実開昭５８−１８７６４５（図１）

しかしながら、多数のブロック５４を連結して形成されたケーブル支持部材５３は、装着ヘッド５２の移動に伴い、その屈曲位置が移動する。この際、ブロック５４同士を連結するピンや穴、ブロック５４の回動範囲を規定するストッパに磨耗が生じる。

長期間使用して磨耗が進むと、連結したブロック間にガタが生じる。このガタにより、長時間使用後のケーブル支持部材５３の屈曲状態は、初期状態に比べて屈曲Ｒが小さくなる。

このような状態で、装着ヘッド５２をケーブル支持部材５３が台座５６の上面に当接する長さが長い状態（図６にて、装着ヘッド５２がＢの位置）から、短い状態（図６にて、搭載ヘッド５２がＡの位置）へ移動の後停止させた場合、停止した瞬間にはケーブル支持部材５３の慣性力や、ケーブル支持部材５３内部の電線や空気チューブの慣性力により、図６に示すようにケーブル支持部材５３は、本来の屈曲状態５０に比して大きく上方Ｆへ跳ね上げられて屈曲状態５１のようになり、所定の回転範囲を超えようとするから、ストッパはさらに磨耗が進行すると共に、ブロック５４相互間の回転量が多くなるからブロック５４同士を連結するピンや穴も磨耗する結果となる。

装着ヘッド停止後の、ケーブル支持部材５３の連結状態の変化は、ケーブル支持部材５３に振動を発生させる。この振動は、装着ヘッド５２に伝達されて、装着ヘッド５２の停止精度の低下を招く可能性がある。また、停止精度を向上させるためには、装着ヘッド５２の停止時間を長くする必要が生じる。

この発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、装着ヘッド停止後に、ケーブル支持部材５３の連結状態が変化することがない、電子部品実装装置を提供することを目的とする。

上記課題を解決するために、請求項１記載の発明は、電子部品を保持してＸ軸ガイドに沿って移動する装着ヘッドと、両端の固定部材間を多数のブロックで連結して形成され、一端側が前記装着ヘッドに支持され、横Ｕの字状に折り返し曲げて他端側が前記Ｘ軸ガイド上に設けた台座の所定位置に支持されるケーブル支持部材と、前記ケーブル支持部材の中を通って前記装着ヘッドに接続される線状部材とを備える電子部品実装装置において、前記装着ヘッドの停止状態においては前記横Ｕの字状に折り返し曲げた半径が略一定となるように、前記台座は前記ケーブル支持部材を下から支えると共に、前記ケーブル支持部材と当接する長さが増す方向に高さが高くなるように延伸する所定の角度と前記装着ヘッドからの距離をなす構成とすることで、前記問題点を解決している。

請求項１記載の発明によれば、装着ヘッドの停止状態においては前記横Ｕの字状に折り返し曲げた半径が略一定となるように、台座の角度と台座の装着ヘッドからの距離をなす構成としたので、台座とケーブル支持部材の当接する長さが長い状態から短い状態となる方向へ搭載ヘッドが移動して停止した瞬間であっても、搭載ヘッドから伸びるケーブル支持部材のブロックが所定の回転範囲を超えようとするほど上方へ跳ね上がることはないから、回転範囲を規定するストッパの磨耗は起こらず、ブロックの跳ね上がり時の回転量も小さいためにブロック同士を連結するピンや穴も磨耗が極めて少ないため、装着ヘッド停止時の慣性力等により、ケーブル支持部材の連結状態の変化が生じにくいので、装着ヘッドの停止精度が低下する恐れがない。

この発明の第１実施形態を図１から図４に基づいて説明する。
図１はこの発明が適用される電子部品実装装置の斜視図である。図２はケーブル支持部材を構成する単体ブロックの斜視図である。図３は装着ヘッドとケーブル支持部材の分解斜視図である。図４は装着ヘッドとケーブル支持部材の組立図である。図５はケーブル支持部材の動作状態を示した説明図である。

電子部品実装装置１には、電子部品を吸着・保持し、これら電子部品をプリント基板上に実装する装着ヘッド２が備えられている。この装着ヘッド２は、後で説明するＸ軸ガイド３や一対のＹ軸ガイド４により、機枠上部の水平面に沿って移動する。

装着ヘッド２は、不図示の電子部品を吸着する吸着ノズルと、吸着ノズルを上下動させる第１サーボモータや吸着ノズルを回転させる第２サーボモータや、空気圧電磁弁や各種センサ類を備えている。

また、装着ヘッド２は、Ｘ軸方向に沿って配置された、Ｘ軸ガイド３に移動可能に保持されている。このＸ軸ガイド３は、その両端にＹ軸方向に沿って配置された、一対のＹ軸ガイド４に移動可能に保持されている。一対のＹ軸ガイド４は、フレーム(機枠)５に固定されている。

そして、この電子部品実装装置１は、装着ヘッド２をＸ軸方向に移動させるＸ軸モータ６と、Ｘ軸ガイド３をＹ軸方向に移動させるＹ軸モータ７を備えている。Ｘ軸モータ６、Ｙ軸モータ７を駆動すると、装着ヘッド２は、機枠上部の水平面に沿って移動する。そして、装着ヘッド２を、所定位置で停止させた後、吸着ノズルを昇降させて、プリント基板上に電子部品を実装する。

電子部品実装装置１には、機枠５内部側の空気圧源や制御装置から装着ヘッド２に向けて、電線ケーブルや空気チューブ等の線状部材８が配置されている。このケーブル等の線状部材８を装着ヘッド２に接続させるため、Ｙ軸方向ケーブル支持部材９とＸ軸方向ケーブル支持部材１０が用いられている。Ｙ軸方向ケーブル支持部材９は、上端側が機枠５上部に固定され、下端側が移動体としてのＸ軸ガイド３に支持されている。Ｘ軸方向ケーブル支持部材１０は、上端側が移動体としての装着ヘッド２に支持され、下端側がＸ軸ガイド３の上面に設けた台座２６の中央部に支持、固定されている。なお、台座２６はＸ軸方向ケーブル支持部材１０を下から支えると共に、Ｘ軸方向ケーブル支持部材１０と当接する長さが増す方向に高さが高くなるように延伸する（すなわち、電子部品実装装置１の正面から見て右側が高くなるように伸びる）所定の角度θをなしている。

線状部材８は、機枠上部の所定位置５ａからＹ軸方向ケーブル支持部材９内部を通る。
次に、線状部材８は、Ｙ軸方向ケーブル支持部材９下端から、Ｘ軸ガイド３に沿って、Ｘ軸ガイド３の中央部に案内される。次に、Ｘ軸方向ケーブル支持部材１０の内部を通り、装着ヘッド２に接続される。

両ケーブル支持部材９、１０は、線状部材８が垂れ下がらないように支持し、案内してこれらに所定の運動軌跡を付与している。

ケーブル支持部材９、１０は、図２に示すように、多数のブロック（単体）１１を連結して形成されている。ブロック１１は、対向する２枚の長円形の板状部材１２とこれらを結合させる２枚の連結板１３とから構成される。板状部材１２と連結板１３とにより口の字状の開口を形成する。電線や空気圧チューブなどの線状部材８は、この開口に案内され、支持される。

２枚の板状部材１２の両端部はそれぞれ半円形に形成されており、一方の半円の中心には回転軸１４が形成され、他方の中心には軸受け１５が形成されている。

ブロック１１の回転軸１４が形成されている側の半円端部の外面には、切欠け部１６が形成されている。また、連結板１３の内面にはストッパ１７が形成されている。そして、隣り合うケーブル支持部材同士の回転軸１４と軸受け１５が嵌合することにより、ブロック１１は回動可能となるが、回動させる際、ストッパ１７に切欠け部１６が当たることにより、ブロック１１の回動範囲が規定される。

図３に示す装着ヘッド２は、説明のため簡略化して記載している。
装着ヘッド２の下端には、一対の取付け具２０が装備されている。一対の取付け具２０は、その中央部に支持孔２０ａが形成されている。支持孔２０ａには、回転軸２１が装着される。

装着ヘッド２の下方には、固定部材としてのヘッド側固定具（一端側）２３が装着ヘッド２に支持されている。ヘッド側固定具２３は箱状である。ヘッド側固定具２３の右側面には、ケーブル支持部材１０の上端側を支持する取付け部２３ａが形成されている。その上面には、一対の支持部２３ｂが突設されている。支持部２３ｂには、支持孔２３ｃが形成されている。

回転軸２１は、その中央部に、弾性部材としてのねじりばね２２が装着される。固定具２３の上面にねじりばね２２が配置され、さらに、固定具２３の一対の支持部２３ｂをはさみ込むように、装着ヘッド２０の取付け部２０ａが配置される。そして、回転軸２１は、その中央部でねじりばね２２を支持しながら、装着ヘッドの支持孔２０ａ、固定具２３の支持孔２３ｃを挿通させる。
そして、ねじりばね２２は、一端部が装着ヘッド２に、他端部がヘッド側固定具２３に当接する。

ヘッド側固定具２３の取付け部２３ａに、ケーブル支持部材１０の上端が嵌合された後、保持軸２４により保持される。台座側固定具２５の取付け部２５ａに、ケーブル支持部材１０の下端が嵌合された後、保持軸２４により保持される。そして、ケーブル支持部材１０を横Ｕの字状に折り返し曲げて台座側固定具（他端側）２５がＸ軸ガイド３の上面に設けた台座２６の所定位置に支持されている。

さらに、装着ヘッド２の停止状態においては横Ｕの字状に折り返し曲げた半径Ｒが略一定となるように、台座２６はケーブル支持部材１０を下から支えると共に、ケーブル支持部材１０と当接する長さが増す方向に高さが高くなるように延伸する所定の角度θと装着ヘッド２からの距離をなすように構成されている。なお、装着ヘッド２から台座側固定具２５までの垂直方向距離は、台座２６を水平に配した場合よりも若干離れたものとなっている。

上記のような構成により、図５により本発明の動作を説明する。台座２６とケーブル支持部材１０と当接する距離が短い状態（図６において搭載ヘッド２がＡの位置の時）や、台座２６とケーブル支持部材１０と当接する距離が長い状態（図６において搭載ヘッド２がＢの位置の時）であっても、ケーブル支持部材１０を横Ｕの字状に折り返し曲げた半径Ｒが略一定となるように、水平線に対する台座の設置角度と、台座２６と搭載ヘッド２間の距離、すなわち搭載ヘッド２と台座側固定具２５の垂直方向距離を設定したので、台座２６とケーブル支持部材１０と当接する距離が長い状態（図６において搭載ヘッド２がＢの位置の時）から台座２６とケーブル支持部材１０と当接する距離が短い状態（図６において搭載ヘッド２がＡの位置の時）に搭載ヘッド２が移動して停止した瞬間であっても、搭載ヘッド２の停止状態におけるケーブル支持部材１０の屈曲状態２８よりも上方へ飛び跳ねて屈曲状態２９のようになるが、屈曲状態２９は保持軸２４を通る水平線Ｈよりも上方へ飛び跳ねることはない。

従って、ケーブル支持部材１０の規定された回転範囲を超えてブロック１１が回転しょうとすることはないから、ブロック１１のストッパ１７に切欠け部１６の端部が衝突しないのでストッパ１７が磨耗することはないし、ブロックの跳ね上がりが少ないので回転量も小さいためにブロック同士を連結するピンや穴も磨耗が極めて少ないから、装着ヘッド停止時の慣性力等により、ケーブル支持部材の連結状態の変化が生じにくいので、装着ヘッドの停止精度が低下する恐れがない。

以上の実施例においては、Ｘ軸方向ケーブル支持部材１０に関してであるが、Ｙ軸方向ケーブル支持部材９に関しても、搭載ヘッド２をＸ軸ガイド３に置き換えて台座２６を適用することは容易に考えられる。すなわち、図１においてＹ軸方向ケーブル支持部材９は、上端側が機枠５上部（機枠上部の下面）に固定され、下端側が移動体としてのＸ軸ガイド３に支持されているのであるから、機枠上部の下面とケーブル支持部材９の上面との間に台座２６を設けて、台座２６の下面が電子部品実装装置１の前側から後側に向かう方向にて下がるように延伸する所定の角度に構成すればよい。

この発明が適用される電子部品実装装置の斜視図である。 ケーブル支持部材を構成する単体ブロックの斜視図である。 装着ヘッドとケーブル支持部材の分解斜視図である。 装着ヘッドとケーブル支持部材の組立図である。 ケーブル支持部材の動作状態を示した説明図である。 従来のケーブル支持部材の動作状態を示した説明図である。

符号の説明

２・・・装着ヘッド
３・・・Ｘ軸ガイド
８・・・線状部材
１０・・ケーブル支持部材
１１・・ブロック
２３・・ヘッド側固定具（固定部材）
２５・・台座側固定具（固定部材）
２６・・台座

Claims (1)

1. 電子部品を保持してＸ軸ガイドに沿って移動する装着ヘッドと、
   両端の固定部材間を多数のブロックで連結して形成され、一端側が前記装着ヘッドに支持され、横Ｕの字状に折り返し曲げて他端側が前記Ｘ軸ガイド上に設けた台座の所定位置に支持されるケーブル支持部材と、
   前記ケーブル支持部材の中を通って前記装着ヘッドに接続される線状部材とを備える電子部品実装装置において、
   前記装着ヘッドの停止状態においては前記横Ｕの字状に折り返し曲げた半径が略一定となるように、前記台座は前記ケーブル支持部材を下から支えると共に、前記ケーブル支持部材と当接する長さが増す方向に高さが高くなるように延伸する所定の角度と前記装着ヘッドからの距離をなすことを特徴とした電子部品実装装置。
   

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