JP4632982B2 - 化粧塗布量の推定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚に塗布された化粧料の塗布量を推定する方法及び装置に関する。
皮膚に塗布された化粧料の塗布量が簡便に推定できれば、店頭等において利用者に的確なメークアドバイスを行える等の利点がある。従来、皮膚に塗布された化粧料の塗布量を推定する方法としては、化粧塗布前後の化粧料の重量変化から求まる塗布量を塗布面積で除して求める方法が一般的であった。しかし、この方法では、顔等の塗布部位による塗布量の違いを求めることが困難であった。また、精密天秤を使用した正確な重量測定等が必要となるため、店頭等でメークアドバイス等に利用することは困難であった。
上述のような利点があるにもかかわらず、皮膚に塗布された化粧料の評価については、下記特許文献1、2及び3に記載の技術のように、化粧肌色を予測する技術について提案はされているが、化粧塗布量の推定に関する技術に関しては、未だ知られていないのが実情である。
特開昭57−72026号公報 特開平9−178560号公報 特開2005−134262号公報
本発明は、皮膚に塗布された化粧料の塗布量を精度良く推定することができる方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明は、化粧料塗布前の素肌及び化粧料塗布後の化粧肌に照射した光の広がりの変化に基づいて、化粧料の塗布量を推定する化粧塗布量の推定方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
また、本発明は、入射窓、照射窓及び受光窓を備えた積分球と、前記入射窓及び前記照射窓を介して化粧料塗布前の素肌及び化粧料塗布後の化粧肌の照射領域に光を照射する光源と、前記受光窓を介して前記照射領域から戻って来る射出光を受光する受光器と、照射領域を変化させる絞りと、皮膚における化粧塗布量を判定する推定処理部と、前記推定処理部の推定結果を出力する出力部とを備えており、前記推定処理部が、前記素肌及び前記化粧肌のそれぞれについての前記光源による前記照射領域への照射光量及び前記受光器の受けた射出光量より算出される前記素肌に対する前記化粧肌の光の広がりの変化に基づいて推定を行うように設けられている化粧塗布量の推定装置を提供するものである。
本発明によれば、皮膚に塗布された化粧料の塗布量を客観的に精度よく推定することができる。
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。
先ず、本発明の化粧塗布量の推定装置(以下単に塗布量推定装置ともいう。)を、その好ましい実施形態に基づいて説明する。図1は、本実施形態の塗布量推定装置を模式的に示すものである。図1において、符号1は塗布量推定装置を示している。
図1に示したように、塗布量推定装置1は、測定装置本体2と、該測定装置本体2に入出力インターフェース20を介してケーブル200で接続されたコンピュータシステム3とから構成されている。
測定装置本体2は、入射窓211、照射窓212及び受光窓213を備えた積分球21と、入射窓211及び照射窓212を介して照射領域に光を照射する光源22と、受光窓213を介して前記照射領域から戻って来る射出光を受光する受光器23と、照射領域を変化させる絞り24と、演算制御部25とを備えている。
積分球21は、内壁にMgO等の白色拡散反射塗料が塗工されたものであり、前記入射窓211を介して入射された光が拡散反射され、その一部が前記照射窓212を介して測定対象部の照射領域に照射され、該照射領域から戻って来る射出光を受光窓213を介して受光器23で受光できるように設けられている。本実施形態の塗布量推定装置1では、これら入射窓211、照射窓212及び受光窓213は、JIS Z8722での表記(照射角/受光角)でいうd/8°(dは拡散光)なる光学系の射出・受光条件を満たすように配置されている。
光源22は、気温や緊張、化粧中の皮膚をこすったりたたいたりする行為による血行の変動の影響が受けにくいこと、光の広がりが適度に皮膚中で起こる必要があることを考慮すると、好ましくは500〜1500nm、より好ましくは600〜1000nm、さらに好ましくは650〜700nmの波長領域を含む白色光を発光できるものが、望ましい。光源22には、例えばキセノンランプが用いることができ、上述のように、好ましい波長成分に着目する場合には、光源22として発光ダイオードを用いたり、光源22と入射窓211との間にバンドパスフィルターを介在させることで、その波長成分の光を入射できるようにすることができる。
受光器23は、膜厚測定に必要な波長域の前記射出光を分離するための分光器と、センサとを備えている。化粧膜厚の測定精度を上げるためには、好ましい波長領域の範囲内で、複数の波長における光の広がりを測定することが望ましく、その場合前記センサとして、複数の受光素子が配列されたアレイセンサを用いればよい。受光器23は、受光窓213を介して入射される前記射出光を前記分光器に導入し、前記アレイセンサの波長成分毎の射出光量の値を演算制御部25に出力する。光源に好ましい波長領域以外の光が含まれない場合、例えば発光ダイオードなどの単色光を点灯させたり、複数の単色光を順次点灯させる等して計測する場合には受光器に分光器を備えていなくてもよい。また、その場合受光器はアレイセンサでなくても良い。
図2(a)及び(b)は、前記測定装置本体2における光学系の照射光及び射出光の照射・受光条件を模式的に示す図である。
絞り24は、開口部240の大きさを変えて照射領域を変化させる。照射領域は、後述するように受光領域Rに含まれている必要がある。受光領域Rの中で照射領域に含まれない部分は、そこからの反射を抑えるために絞り24は低反射率である黒色の材料にしておくことが好ましい。絞り24には、図3(a)に示すような、摘みを回転させて照射領域を変化させる、いわゆるアイリス絞り(カメラ等で採用されているレンズの絞り機構)や、図3(b)に示すような、プレートをスライドさせて照射領域を変化させるスライド絞りを用いることが好ましい。あるいは、絞り24は開口部240の大きさが異なる複数の絞り部材を着脱して交換するものであってもよい。
図1に示す演算制御部25は、いわゆるマイクロコンピュータユニットで構成され、演算処理装置(CPU)と、主記憶装置と、トリガー装置と、これらの装置を結ぶバスとを備えている。前記主記憶装置には、プログラムが記憶されている。演算制御部25は、該プログラムが起動された状態で、前記トリガー装置からの光源22の発光と同期したトリガー信号を受信すると、前記アレイセンサから出力される各波長の射出光量を前記主記憶装置に取り込んで保持する。そして、後述するように、コンピュータシステム3の指令に応じて保持した射出光量を所定のフォーマットで本体31に送信するように機能する。
コンピュータシステム3は、本体31と、入力装置32と、出力装置33とを備えている。入力装置32及び出力装置33は、本体31とインターフェース(図示せず)を介して接続されている。本実施形態では、後述するように、本体31が推定処理部として機能し、出力装置33が推定結果の出力部として機能する。
本体31は、演算処理装置(CPU)と、主記憶装置(RAM)と、補助(外部)記憶装置と、入力装置及び出力装置の接続用のインターフェースと、これらを結ぶバスとを備えている。前記主記憶装置又は前記補助記憶装置には測定装置本体2から前記射出光量を取り込んで計算するプログラムが記憶されている。このプログラムが起動した状態では、以下に説明するように、本体31は、素肌及び化粧肌のそれぞれについての光源22による前記照射領域への照射光量及び受光器23の受けた射出光量より算出される、前記素肌における光の広がりに対する前記化粧肌における光の広がりの変化(又は相違)に基づいて、化粧の塗布量を計算し推定する推定処理部として機能する。なお、塗布量推定装置1においては、肌の代わりに標準白色板を対象として、該肌と同様にして照射領域を変えて前記光源から光を照射したときに、それぞれの照射領域から受光したそれぞれの射出光の受光量(射出光量)を、それぞれの照射領域への照射光量とみなして評価処理が行われる。この標準白色板を対象とした照射光量の測定は、それぞれの照射領域について複数回ずつ行うことが好ましいが、1回ずつでもよい。
本体31の備える演算処理装置は、前記測定装置本体2の制御演算部25から入出力インターフェース20を介して送信されてくる、絞り24に応じて前記照射領域を変化させたときの波長成分(λ)毎の射出光量Rを、照射領域(A)及び測定回数(N:何回目か)に関連づけ、R(λ、A、N)として本体31の備える主記憶装置又は補助記憶装置に記憶させる。そして、前記演算処理装置は、前記照射光量(標準白色板を対象とした前記射出光量)と、絞り24で変化させたそれぞれの前記照射領域の複数回ずつの測定における前記射出光量との比較を統計的に処理して行う。ここで、統計的処理の具体的態様としては、複数のデータの平均値のほか、重み付き平均値、中央値、最大・最小を除いたデータの平均値等を求めるものが挙げられる。
具体的には、化粧塗布量の推定の対象となる肌の照射領域A1について、それぞれ射出光量R(λ、A1、1)〜R(λ、A1、N)の平均Rav(λ、A1)を求めるとともに、このRav(λ、A1)と、標準白色板を対象として肌と同条件で測定された射出光量Rs1とを比較し、それらの比Rav(λ、A1)/Rs1すなわちα1av(λ)を求める。照射領域A2についても同様に、それぞれ射出光量R(λ、A2、1)〜R(λ、A2、N)の平均Rav(λ、A2)を求めるとともに、このRav(λ、A2)と、標準白色板を対象として肌と同条件で測定された射出光量Rs2とを比較し、それらの比Rav(λ、A2)/Rs2すなわちα2av(λ)を求める。そして、これらα1avとα2avとを、これらの差分比(1−(α1av/α2av))として比較し、その結果を前記主記憶装置又は補助記憶装置に記憶させるとともに、波長毎のスペクトル(分光特性のグラフ)として出力装置33に出力させる。
上述のように処理して得られた同一部位の化粧料塗布前の素肌及び化粧料塗布後の化粧肌のそれぞれスペクトルの出力結果を通して、演算処理装置は、素肌に対する化粧肌の光の広がりの変化に基づいて化粧塗布量を推定する。即ち、素肌における前記差分比(1−(α1av/α2av))に対する化粧肌における前記差分比の減少量を単位面積当たりに塗布された化粧料剤の量に比例する量とする。具体的な塗布量と対応付けるためには、予め充分に広い面積を塗布したときの化粧料の重量変化と前記差分比の減少量を対応付けるなどの検量試験により、検量線を求めておき、これを用いて当該差分比に対応する塗布量を出力する。差分比のスペクトルの処理方法としては、特定波長領域の平均、スペクトルにローパスフィルターをかけた後の特定波長領域の平均、重みつき平均等の演算処理を行い、予め検量試験に基づいて求められた同様の演算処理データと比較することが好ましい。
次に、本発明の化粧塗布量の推定方法を、その好ましい実施形態として前記塗布量推定装置1を用いた実施形態に基づいて説明する。なお、以下の本発明の化粧塗布量の推定方法において説明される照射光量は、塗布量推定装置1を用いた実施形態においては、前述のように、素肌の代わりに標準白色板を対象として該素肌と同様にして照射領域を変えて前記光源から光を照射したときに、それぞれの照射領域から受光したそれぞれの射出光の受光量(射出光量)である。この標準白色板を対象とした射出光量の測定は、それぞれの照射領域について複数回ずつ行うことが好ましいが、1回ずつでもよい。
図2(a)及び(b)に示したように、本実施形態の化粧塗布量の推定方法は、まず、前記塗布量推定装置1を用い、化粧料塗布前の素肌及び化粧料塗布後の化粧肌のそれぞれについて、照射領域を絞り24によって変更し、第1の照射領域A1と、第1の照射領域A1を含み且つ該第1の照射領域A1よりも広い第2の照射領域A2とに、それぞれ光源22から光を照射し、第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2から戻って来る射出光を受光器23で受光し、前記第1の照射領域A1及び前記第2の照射領域A2へのそれぞれの照射光量I1、I2と、第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2から受光したそれぞれの射出光量R1、R2とを比較する。
その際、前記光の照射及び前記射出光の受光の操作(測定)を、前記両照射領域について交互に複数回(本実施形態では5回)ずつ行い、コンピュータシステム3の本体31において、前記照射光量と前記射出光量との比較を、該複数回ずつの操作について統計的に処理して行う。両照射領域について交互に行う操作間隔(測定間隔)は、短い程好ましいが、被験者の心理的な緊張などに伴う皮膚の性状の変化が起こる前に一連の測定を完了するためには、15秒以下、特に10秒以下が好ましい。また、両照射領域についての操作回数(測定回数)は、多い程、より精度が高くなるが、実用性、回数に対する効果の度合い、皮膚の性状の変化が起こる前に一連の測定を完了することを考慮すると、3〜10回程度が好ましい。
そして、本体31によって、前記複数回ずつの操作について、前記第1の照射領域への前記照射光量I1の平均と該第1の照射領域から受光した前記射出光量R1の平均との比α1avと、前記第2の照射領域への前記照射光量I2と該第2の照射領域から受光した前記射出光量R2の平均との比α2avとを求め、さらに、前記比α1avと前記比α2avとの差分比(1−(α1av/α2av))を演算処理し、当該差分比に対応する化粧塗布量を前記出力装置33に出力させる。
照射領域に含まれない領域からの反射を補正するために、サンプルのない(照射領域に入った光が戻ってこない)状態で受光量を測定しておき、I1、I2、R1、R2を求める際には、実測値から前記の測定値を差し引いて補正を行うことが好ましい。
前記第1の照射領域と前記第2の照射領域との面積比(A1/A2)は、0.1〜0.9、特に0.2〜0.6が好ましい。該面積比を斯かる範囲とすることで、第1の照射領域の測定での受光量をある程度確保しつつ、第1の照射領域の測定と第2の照射領域の測定との受光量の差異を得ることができ、化粧塗布量を客観的に精度よく推定することができる。
前記第1の照射領域の面積は、1〜10mm2、特に2〜8mm2が好ましい。前記第2の照射領域の面積は、3〜25mm2、特に5〜20mm2が好ましい。該第1及び第2の照射領域の面積を斯かる範囲とすることで、絞り24を肌に密着させることができ、また受光量に対する回り込みの光の量をより正確に検出することができるので、化粧塗布量を客観的に精度よく推定することができる。
なお、各照射領域の形状は略円形が好ましいが、他にも楕円形、矩形、正方形、菱形等で設計することができる。円形の場合、前記第1の照射領域の直径は、1〜4mm、特に1〜3mmが好ましい。前記第2の照射領域の直径は、1.5〜6mm、特に2〜5mmが好ましい。
前記第2の照射領域は、前記第1の照射領域を全て含んでいることが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲において、部分的に含んでいてもよい。また、前記第2の照射領域は、前記第1の照射領域と同心であることが好ましい。
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域に照射する前記光は、化粧料の塗布量を推定する上で必要な波長の光量を充分に含んでいることを考慮すると、好ましくは500〜1500nm、より好ましくは600〜1000nm、さらに好ましくは650〜700nmの波長領域を含む白色光が望ましい。また、装置の簡略化を図るためには、その波長領域に含まれる光(単色光)でもよい。
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域から射出された射出光の波長は、塗布量を求める上で前提としている、皮膚内で光の広がりの現象が起こる波長であれば特に制限はないが、ヘモグロビンの影響を排除するために600nm以上1000nm以下とすることがより好ましい。小型化、低コスト化のためには、光源を発光ダイオードに、受光器をモノクロにすることもできる。
受光器のダイナミックレンジはより大きい方が好ましい。また、照射光量は、標準白色板を測定したときに受光する光の強度が受光器のダイナミックレンジを越えない範囲で大きいことが好ましい。
本実施形態による化粧塗布量の推定方法は、回り込み光全体を使って判定するため、得られる判定結果は、肌に塗布された化粧料の塗布量を客観的に正確に反映したものである。また、照射領域を変えてそれぞれの領域について交互に複数回測定を行うことで、緊張などによる測定中の肌の一時的な性状変化による影響や、局所的な塗りむらの影響を取り除くことができ、精度の高い推定を行うことができる。
本実施形態の化粧塗布量の推定方法は、上述のような簡便な測定によって、客観的で精度の高い化粧塗布量の推定を行うことができ、これにより、塗布した化粧料の塗布量とその効果(例えば、ファンデーションであればカバー力)との関係が得られるため、商品使用のアドバイスを行うことができる。また、ピンポイントで、塗布量を推定できるので、塗布部位に応じた塗布量に基づいて効果的なメークのアドバイスを行うことができる。
本発明は、前記実施形態に何ら制限されない。
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域に照射する前記光の照射条件及び前記射出光の受光条件に特に制限はなく、前記実施形態のd/8°なる光学系の射出・受光条件の他、JIS Z 8722(2000)に準拠した照射・受光条件で照射し受光する条件であれば好ましい。特に外部からの光を遮断した照射・受光条件で照射し受光することが好ましい。
また、前記実施形態では、何れも肌の代わりに標準白色板を対象として、該肌と同様にして照射領域を変えて前記光源から光を照射したときに、それぞれの照射領域から受光したそれぞれの射出光の受光量(射出光量)を照射光量としたが、肌を対象として照射された照射光量を直接測定した値を用いる場合には、本体の演算処理装置による照射光量と射出光量との比較に基づく判定を行うときの比較の統計的な処理は、例えば以下のようにして行われる。
即ち、照射領域A1の測定について、照射光量I(λ、A1、1)〜I(λ、A1、N)の平均Iav(λ、A1)及び射出光量R(λ、A1、1)〜R(λ、A1、N)の平均Rav(λ、A1)を求め、それらの比Rav(λ、A1)/Iav(λ、A1)すなわちα1av(λ)を求める。Iav(λ)及びRav(λ)を求める際のNは同じであってもよいし、異なっていてもよい。照射領域A2の測定についても同様に、I(λ、A2、1)〜I(λ、A2、N)の平均Iav(λ、A2)及びR(λ、A2、1)〜R(λ、A2、N)の平均Rav(λ、A2)を求め、それらの比Rav(λ、A2)/Iav(λ、A2)すなわちα2av(λ)を求める。この場合もIav(λ)及びRav(λ)を求める際のNは同じであってもよいし、異なっていてもよい。そして、これらα1avとα2avとを差分比として比較することができる。
また、前記実施形態では、装置本体からの測定値を別体のコンピュータシステムで処理するようにしたが、装置本体に出力装置を付設するとともに、装置本体の備えるマイクロコンピュータユニットに前記コンピュータシステムにおける推定処理を行わせることもできる。
さらに、本発明の本質は、素肌と化粧肌それぞれでの光の広がりの変化(又は相違)を使って化粧塗布量を推定するところにあるので、光の広がりを測定する手法であれば利用可能である。本発明において利用可能な、光の広がりを測定する手法としては、前記実施形態で示した手法の他に、拡散反射分光法などが挙げられる。拡散反射分光法を用いる場合には、光の広がりの変化を評価する指標として前記差分比のかわりに、実効減衰係数(μeff)を用いるなどすればよい。
また、本発明の化粧塗布量の推定方法は、ファンデーション等の各種基礎化粧料、メイクアップ化粧料等の各種効能剤の推奨、開発、効能の評価、化粧方法の推奨等に適用することができる。
また、本発明は、肌の測定部位に特に制限はない。顔(唇を含む)は勿論、手足や人体の各部位の化粧料の塗布量を推定することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明は本実施例に何ら制限されない。
〔実施例1〕
素肌及び化粧料(パウダーファンデーション:花王(株)社製、商品名「レイシャス」)の塗布量を変えた化粧肌について、下記の装置本体を使用して下記のように照射領域を変えて交互に5回ずつ射出光量を測定した。化粧塗布時には、塗布領域内が均等に塗布されるように注意し、塗布前後の化粧料の重量の変化と塗布面積から、単位面積当たりの塗布量を計算した。次いで、該装置本体に接続した市販のパーソナルコンピュータシステムにおいて、コニカミノルタ(株)製分光測色計CMシリーズ用色彩管理ソフトウェア「CM−S9w」を起動し、これら測定した射出光量を測定装置からCSV形式で該コンピュータシステムに取り込んだ。そして、市販のスプレッドシート(米国マイクロソフト社製「Excel」)上でこれらの射出光量について統計的な処理を行った後、素肌及び化粧肌のそれぞれについて前述のように差分比(1−α1av/α2av)を求め、該差分比のスペクトログラムを出力させた。そして650〜700nm差分比の平均値を求めた。その結果を表1に示す。
<測定条件>
装置本体:コニカミノルタ(株)製、分光測色計「CM−2600d」
照射・受光条件:d/8°(JIS Z8722)
第1の照射領域:L1(測定径:直径)=2mmの円形
第2の照射領域:第1の照射領域と略同心でL2(測定径:直径)=4mmの円形
測定:各領域について交互に5回ずつの測定を、各塗布量に対して行った。
各測定の間隔:約10秒
表1に示したように、塗布量に比例して差分比の積分値が低くなった。この結果、前記差分比の増減によって化粧塗布量を推定できることが確認できた。
本発明によれば、肌に塗布した化粧料の塗布量を、客観的で精度よく推定することができる方法及び装置が提供される。
本発明の化粧塗布量の推定装置の一実施形態を模式的に示す図である。 本発明の化粧塗布量の推定装置における照射光及び射出光の照射・受光条件を模式的に示す図であり、(a)は第1の照射領域での照射・受光条件を示す図、(b)は第2の照射領域での照射・受光条件を示す図である。 本発明の化粧塗布量の推定装置における絞りの機構を模式的に示す図であり、(a)はアイリス絞りを示す図、(b)はスライド式絞りを示す図である。
符号の説明
1 化粧塗布量の推定装置
2 測定装置本体
21 積分球
22 光源
23 受光器
24 絞り
3 コンピュータシステム
31 本体(判定処理部)
33 出力装置

Claims (5)

  1. 化粧料塗布前の素肌及び化粧料塗布後の化粧肌に照射した光の広がりの変化に基づいて、前記化粧肌における化粧料の塗布量を推定する化粧塗布量の推定方法であって、
    前記光の広がりの変化が、前記素肌及び前記化粧肌のそれぞれについて、第1の照射領域と、該第1の照射領域を含み且つ該第1の照射領域よりも広い第2の照射領域とにそれぞれ光を照射し、該第1の照射領域及び該第2の照射領域から戻って来る射出光をそれぞれ受光し、前記第1の照射領域への前記照射光量I1と該第1の照射領域からの前記射出光量R1との比(R1/I1=α1)と、前記第2の照射領域への前記照射光量I2と該第2の照射領域からの前記射出光量R2との比(R2/I2=α2)とを求め、前記素肌における前記各比の差分比(1−(α1/α2))に対する前記化粧肌における前記差分比の減少量で定められるものである、化粧塗布量の推定方法。
  2. 前記光の波長が500〜1500nmである請求項に記載の化粧塗布量の推定方法。
  3. 請求項1に記載の化粧塗布量の推定方法に用いられる化粧塗布量の推定装置であって、
    入射窓、照射窓及び受光窓を備えた積分球と、前記入射窓及び前記照射窓を介して化粧料塗布前の素肌及び化粧料塗布後の化粧肌の照射領域に光を照射する光源と、前記受光窓を介して前記照射領域から戻って来る射出光を受光する受光器と、照射領域を変化させる絞りと、皮膚における化粧塗布量を判定する推定処理部と、前記推定処理部の推定結果を出力する出力部とを備えており、前記推定処理部が、前記素肌及び前記化粧肌のそれぞれについての前記光源による前記照射領域への照射光量及び前記受光器の受けた射出光量より算出される前記素肌に対する前記化粧肌の光の広がりの変化に基づいて推定を行うように設けられている化粧塗布量の推定装置。
  4. 前記推定処理部は、前記素肌及び前記化粧肌の前記射出光量として、前記絞りで変化させたそれぞれの前記照射領域の複数回ずつの測定値を用いるものである請求項記載の化粧塗布量の推定装置。
  5. 前記絞りが、前記照射窓を拡縮させて前記照射領域を変化させるように設けられている請求項3又は4に記載の化粧塗布量の推定装置。
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