JP2009101218A - 肌の透明性の評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 肌の透明性を客観的に正確に評価することができる肌の透明性の評価方法を提供すること。
【解決手段】 肌Sの測定対象部における第1の照射領域A1と第1の照射領域A1を含み且つ第1の照射領域A1よりも広い第2の照射領域A2とにそれぞれ光を照射し、第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2から射出される光を受光して肌Sの透明性を評価する方法である。第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2へのそれぞれの照射光量I1、I2と第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2から射出されるそれぞれの射出光量R1、R2とを比較して肌Sの透明性を評価する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、肌の透明性を客観的に評価する方法に関する。
肌に光を照射して肌の透明性を評価する技術として、例えば、下記特許文献1に記載の技術が知られている。この技術は、筒状の遮光環の外側において肌に環状に光を照射し、遮光環内に配した光電変換素子で該遮光環内にまわり込んだ光を受光し、その受光量に基づいて肌の透明性を評価するものである。
ところで、この技術では、遮光環の内側に回り込んだ光に基づいて評価を行っているが、微小な光の回り込みは遮光環にさえぎられるため、その光は受光量として検出されない。このため、得られる評価は実際の肌の透明性を正確に反映したものではなかった。また、肌への密着度によっては、表面反射による光のまわり込みが加わる場合もあり、その分正確性に欠けるものであった。さらに、受光領域に戻ってきた光量しか測れないので、例えば測定値が小さくなったとき、これが光の広がり幅が小さくなったことによるのか、戻り光全体の強度の低下によるのかを区別できない。
特公昭60−14616号公報
従って、本発明は、肌の透明性を客観的に正確に評価することができる肌の透明性の評価方法を提供することにある。
本発明は、肌の透明性評価の対象部における第1の照射領域と該第1の照射領域を含み且つ該第1の照射領域よりも広い第2の照射領域とにそれぞれ光を照射し、該第1の照射領域及び該第2の照射領域から射出される光を受光して肌の透明性を評価する方法であって、
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域へのそれぞれの照射光量と該第1の照射領域及び該第2の照射領域から射出されるそれぞれの射出光量とを比較して肌の透明性を評価する肌の透明性の評価方法を提供することにより、前記目的を達成したものである。
本発明によれば、肌の透明性を客観的に正確に評価することができる肌の透明性の評価方法が提供される。
本発明の肌の透明性の評価方法における照射光及び射出光の照射・受光条件を模式的に示す図であり、(a)は第1の照射領域での照射・受光条件を示す図、(b)は第2の照射領域での照射・受光条件を示す図である。 実施例によるα1/α2の分光特性を示す図である。
以下、本発明の肌の透明性の評価方法を、その好ましい実施形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。なお以下の説明は、JIS Z8722での表記(照射角/受光角)でいうd/8°(dは散乱光)なる光学系に基づいて行うが、他の光学系を用いても差し支えない。
図1(a)及び(b)は、本発明に使用される光学系の一実施形態における照射光及び射出光の照射・受光条件を模式的に示す図である。図1において、符号1は光源、2は受光器、3は絞り、4は積分球、Sは肌である。
図1(a)及び(b)に示すように、本発明の肌の透明性の評価方法は、肌の透明性評価の対象部における第1の照射領域A1と、第1の照射領域A1を含み且つ該第1の照射領域A1よりも広い第2の照射領域A2とに、それぞれ光源1から光を照射し、第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2から射出される光を受光器2で受光し、前記第1の照射領域A1及び前記第2の照射領域A2へのそれぞれの照射光量I1、I2と第1の照射領域A1及び第2の照射領域A2から射出されるそれぞれの射出光量R1、R2とを比較して肌の透明性を評価する。各照射領域への光の照射順は問わない。
照射領域を変えるときは、絞り3の開口部30の大きさを変えるが、そのときA1、A2は受光領域Rに含まれている必要がある。受光領域Rの中で照射領域に含まれない部分は、そこからの反射を抑えるために絞り3は低反射率である黒色の材料にしておくことが好ましい。
照射領域に含まれない領域からの反射を補正するためにサンプルのない(照射領域に入った光が戻ってこない)状態で受光量を測定しておき、I1、I2、R1、R2を求める際には、実測値から前記の測定値を差し引いて補正を行うことが好ましい。なお、実際の照射光量I1、I2を直接測定することができない場合には、肌の代わりに標準白色版を測定したときの受光量を、I1、I2とみなして用いることができる。これらの測定値は、前記の照射光量に比例する量となっているので、これらを用いて問題なく肌の透明性を評価することができる。
本発明においては、前記第1の照射領域への前記照射光量I1と該第1の照射領域からの前記射出光量R1との比(R1/I1=α1)と、前記第2の照射領域への前記照射光量I2と該第2の照射領域からの前記射出光量R2との比(R2/I2=α2)とを比較することが好ましい。
前記比α1とα2との比較は、これら比α1と比α2との比(α1/α2)や差(α2−α1)で行うが、比で行うのが好ましい。
前述のように比(α1/α2)で比較する場合には、該比が小さい程、特に0に近い程肌が透明であると評価する。
前記第1の照射領域と前記第2の照射領域との面積比(A1/A2)は、0.1〜0.9、特に0.2〜0.6が好ましい。該面積比を斯かる範囲とすることで、第1の照射領域の測定での受光量をある程度確保しつつ、第1の照射領域の測定と第2の照射領域の測定との受光量の差異を得ることができ、肌の透明性を客観的に正確に評価することができる。
前記第1の照射領域の面積は、2〜8mm2、特に3〜5mm2が好ましい。前記第2の照射領域の面積は、7〜15mm2、特に10〜13mm2が好ましい。該第1及び第2の照射領域の面積を斯かる範囲とすることで、絞りを肌に密着させることができ、また受光量に対する回り込みの光の量をより正確に検出することができるので、肌の透明性を客観的に正確に評価することができる。
前記第2の照射領域は、前記第1の照射領域と同心であることが好ましい。
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域に照射する前記光は、測定を肌の外観に対応させるためには、可視光領域(波長360〜740nm)を含むものであれば、特に制限はないが、ダイナミックレンジをそろえるためには白色光が望ましい。また、特定の波長に着目する場合には、その波長を含む有色光でもよい。フォトクロミックな化粧品を塗布した肌を測定する等の場合は、照射する光に紫外線を含ませてもよい。
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域から射出された前記光のうち受光する該光の波長は360〜740nmが好ましい。受光する該光の波長を斯かる範囲とすることで、人間が認識できるすべての波長がカバーされるので、肌の透明性を客観的により正確に評価することができる。
受光器のダイナミックレンジはより大きいほうが好ましい。また、照射光量は、標準白色版を測定したときに受光する光の強度が受光器のダイナミックレンジを越えない範囲で大きいことが好ましい。
前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域に照射する前記光の照射条件及び前記射出光の受光条件に特に制限はないが、JIS Z 8722(2000)に準拠した照射・受光条件で照射し受光することが好ましい。特に外部からの光を遮断した照射・受光条件で照射し受光することが好ましい。
本実施形態による肌の評価方法では、照射光に対する回り込み(前述の微小な光の回り込み)のほとんどが検出されるため、得られる評価結果は、肌の透明性を正確に反映したものである。また、該評価方法では、肌の色も測定することができ、従来法ではできなかった表面反射による光の回り込みが含まれることがなく、測定誤差のない正確な評価を行えるほか、透明性に与える肌の色の影響を取り除くことができる。
本発明の肌の透明性の評価方法は、素肌は勿論、各種美容クリームの使用後における肌、化粧した肌、日焼け肌等の透明性評価にも適用することができる。
本発明による肌の透明性の評価結果は、美容クリーム、各種化粧料(例えば、美白化粧料)、洗顔料若しくは日焼け止め等の推奨、化粧方法の推奨、美容クリーム、化粧料、洗顔料若しくは日焼け止め等の開発、又は美容クリーム、洗顔料若しくは日焼け止め等の効能の評価、タンニングの評価等に適用することができる。
また、本発明は、肌の測定部位に特に制限はない。顔は勿論、手足や人体の各部位の肌の透明性を評価することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
下記のように肌の透明性の評価を行い、得られた評価結果を、下記の目視による評価と比較した。その結果を表1に示す。
下記のように所定の測定条件で3人の被測定者について素顔の頬に照射領域を変えて光を照射し、各照射領域から戻ってきた射出光を受光して分光器で分光し、射出光量の分光特性を得た。そして、各照射領域について照射光量と射出光量との比α1、α2を求め、これらの比(α1/α2)を求めた。得られた(α1/α2)の分光特性を図2に示した。
<測定条件>
測定器:ミノルタ(株)製、分光測色計「CM−2600d」
照明・受光条件:d/8°(JIS Z8722)
第1の照射領域:L1(測定径)=1mmの円形
第2の照射領域:第1の照射領域と略同心でL2(測定径)=2mmの円形
〔目視による評価〕
人の肌診断経験が豊富な人により、前記3人の被測定者について肌の透明性の判断を行い、下記のように評価した。
◎:透明感が非常によい。
○:透明感がよい。
△:透明感は普通。
図2に示すように、被測定者によって、前記比(α1/α2)の分光特性に高低差があることが確認された。また、表1に示すように、例えば、波長600nmにおける前記比(α1/α2)が零に近い程、目視判断では肌に透明感(目視で感じた肌の透明性)があり、本発明によれば肌の外観の一つである透明性を客観的に評価できることが確認された。
Figure 2009101218
1 光源
2 受光器
3 絞り
30 開口部
4 積分球
A1 第1の照射領域
A2 第2の照射領域
R 受光領域
S 肌

Claims (4)

  1. 肌の透明性評価の対象部における第1の照射領域と該第1の照射領域を含み且つ該第1の照射領域よりも広い第2の照射領域とにそれぞれ光を照射し、該第1の照射領域及び該第2の照射領域から戻って来る射出光を受光して肌の透明性を評価する方法であって、
    前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域へのそれぞれの照射光量と該第1の照射領域及び該第2の照射領域から射出されるそれぞれの射出光量とを比較して肌の透明性を評価する肌の透明性の評価方法。
  2. 前記第1の照射領域への前記照射光量I1と該第1の照射領域からの前記射出光量R1との比(R1/I1=α1)と、前記第2の照射領域への前記照射光量I2と該第2の照射領域からの前記射出光量R2との比(R2/I2=α2)とを比較する請求項1記載の肌の透明性の評価方法。
  3. 前記比α1と前記比α2との比(α1/α2)が0に近い程肌が透明であると評価する請求項2記載の肌の透明性の評価方法。
  4. 前記第1の照射領域及び前記第2の照射領域に照射する前記光が可視光を含む拡散反射光である請求項1〜3の何れかに記載の肌の透明性の評価方法。
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