JP4632691B2 - 枕 - Google Patents

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Description

本発明は枕に関するものであって、特に頸椎部サポート部や頭の両側部に位置するサイドサポート部等の高さや硬度を注文に応じて可変としながらも、製造コストを低く抑えることのできる枕構成の改良に係るものである。
本出願人の調査によれば、快適性を提供する枕の条件として、a.頸椎を支える形態を有していること、b.仰向けに寝た際に後頭部の収まりをよくする凹部があり、その両サイドは、高めの設定とされていること、c.蒸れないこと、d.涼しいことの四つの条件が求められている。
上記a、b及びcの条件を満たす枕の先行出願としては特許文献1があるが、このものには使用者に上記条件dの涼しさを提供する具体的な構成が示されていない。また上記a、b及びdの条件を満たす枕の先行出願としては、特許文献2があるが、これらの枕本体は、基本的には一体成型された軟性フォームが用いられているため、梅雨時や発汗量の多い夏場には、一般的な一体成型された軟性フォームの枕と同様に蒸れを生じることが予想される。また条件dの涼しさを提供する具体的な構成は、特許文献2にあっては、無機塩類および水を主成分とする冷却剤が充填された偏平状の冷却袋を用いるため、冷却効果が時間経過によって無くなるため、再度冷却効果を保持するように設定する必要があるという煩わしさがあるとともに、枕の硬さが時間経過によって変化するため、枕の硬度を使用者の好みに対応させることができないという問題点がある。また特許文献3にあっても、水を充填した水バッグを用い、この水バッグの水によって吸熱された熱を放熱する構成を有していないため、時間経過によって水温が上昇した場合、この水を取り替える必要がある。
また上記特許文献1〜3の全ては、頸椎支持部、頭部支持凹部の両サイド及び全体的な枕の高さや硬度の調節が容易に変更できるような構成ではなく、使用者の個々の体型や好みに対応させることは難しいものであるが、理想的な枕としては、頸椎支持部、頭部支持凹部の両サイド及び全体的な枕の高さや硬度を、枕の使用者の体型や好みに応じて設定して提供できることが好ましい。しかしながら、このようなセミオーダー的な枕の構成を採る場合には、製造が手作業によるところが多くなるため、製造コストが高くなることが否めない。
特開2002−191484公報 特開平7−323041号公報 特開平11−266985号公報
本発明はこのような背景からなされたものであって、枕の快適性を提供するa.頸椎を支える形態を有していること、b.仰向けに寝た際に後頭部の収まりをよくする凹部があり、その両サイドは、高めの設定とされていること、c.蒸れないこと、d.涼しいことの四つの条件を満たし、且つ頸椎支持部、頭部支持凹部の両サイド及び全体的な枕の高さや硬度を枕の使用者の体型や好みに応じてセミオーダー的に変更して提供することができるようにしながらも、製造コストを比較的低く抑えることのできる新規な枕を実現しようとするものである。
すなわち請求項1記載の枕は、枕基体部と、この枕基体部の上部に積み重ねられるチップ状フォーム層とを具えて成る枕であって、前記枕基体部は、軟性フォームから成るブロック要素が複数組み合わされて構成されるものであり、且つ前記ブロック要素は上部に角部が形成されたものであり、前記枕基体部には、横長平板形状をした軟性フォームのベースブロックの上面の左右に対しサイドブロックを設けるとともに、前記ベースブロックの上面の前後両端部に対しセンターブロックを設けることによって中央上面が凹陥した頭部支持凹部が形成されるとともに、その周囲が相対的に高く形成された左右のサイドサポート部と、その間の頸椎部サポート部とが形成され、一方前記チップ状フォーム層は、チップ状に形成された多数の軟性フォームから成るチップ状フォームをチップ状フォーム収容袋に充填して成るものであり、前記頭部支持凹部とブロック要素に形成された角部とが、前記チップ状フォーム層によって被覆されていることを特徴として成るものである。
また請求項記載の枕は、前記請求項1記載の要件に加え、前記枕基体部とチップ状フォーム層の少なくとも一辺を、固定部材を用いて固定していることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項1記載の要件に加え、前記枕基体部とチップ状フォーム層とを一つの袋状体もしくは筒状体を用いて収容し、これら枕基体部とチップ状フォーム層とを一体化していることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項1、2または3記載の要件に加え、前記チップ状フォームの全部または一部は、廃材のフォームを粉砕機により粉砕して得られることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項1、2、3または4記載の要件に加え、前記チップ状フォーム層は、チップ状フォームの全部または一部に低反発性チップ状フォームを適用し全体として低反発性を有するよう特性付けられていることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項記載の要件に加え、前記低反発性チップ状フォームは、チップ状に形成された低反発性ウレタンフォームであることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項1、2、3、4、5または6記載の要件に加え、前記チップ状フォーム層の上部に対し、熱伝導性の高い熱伝導性ゲル層を設けたことを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項記載の要件に加え、前記熱伝導性ゲル層は、高熱伝導性フィラーを添加した熱伝導性シリコーンゲルをフィルム材で被覆して成ることを特徴として成るものである。
更にまた請求項記載の枕は、前記請求項7または8記載の要件に加え、前記熱伝導性ゲル層は、複数枚の短冊状の熱伝導性ゲルを左右方向へそれぞれ張り渡し各熱伝導性ゲルが隣り合う熱伝導性ゲルに対しほぼ平行となるように並べて設けたものであることを特徴として成るものである。
更にまた請求項10記載の枕は、前記請求項7、8または9記載の要件に加え、前記熱伝導性ゲル層は、前記低反発性チップ状フォーム層の上部の前側半分ほどに設けられることを特徴として成るものである。
更にまた請求項11記載の枕は、前記請求項7、8、9または10記載の要件に加え、前記熱伝導性ゲル層は、前記チップ状フォームを充填したチップ状フォーム収容袋に固定されることを特徴として成るものである。
更にまた請求項12記載の枕は、前記請求項7、8、9または10記載の要件に加え、前記熱伝導性ゲル層は、前記枕基体部とチップ状フォーム層とを覆う枕カバーに着脱自在に固定されることを特徴として成るものである。
本発明の枕は、上述した手段により以下のような効果を奏するものである。
すなわち請求項1記載の枕によれば、頭部支持凹部によって特に頭の後頭部の収まりがよく、寝返りを打って横向きになった時には、左右のサイドサポート部により頬が支持され、また頸椎部が頸椎部サポート部によって支持され、寝やすいとともに健康に良い。また枕基体部は複数のブロック要素が組み合わされて成るため、サイドサポート部や頸椎部サポート部などの各部位によって高さや硬度を変更でき、使用者の要求に応じて設定変更することが容易に行うことが可能である。またチップ状フォーム層によってブロック要素の凹凸感が緩和され、頭部に対しソフトな接触感となる。またチップ状フォーム層は、多数のチップ状フォームから成るため、空隙率が高く全体として通気性に優れ、更に頭部と接触する上面も僅かに凹凸となり空隙が生じるため、蒸れにくい。また感触も羽毛の感触に似た独特の良い感触感を得ることができる。また種々の硬度や材質(低反発や高反発のものなど)のチップ状フォームを混ぜ合わせ、全体として種々の特性にすることを容易に行うことができる。また更に使用者がチップ状フォームを意図的に偏在させ、チップ状フォーム層を好みの形態に変形させることが可能である。
更にまた、枕基体部は、横長平板形状をした軟性フォームのベースブロック上に、上部に角部を有するサイドブロックとセンターブロックを設けた構成であるため、部材点数が少なく、組立てがしやすい。またベースブロックは横長平板形状で、サイドブロック及びセンターブロックは、上部に角部を有するような単純な形状であるため、各ブロック要素の加工もしやすい。そして以上のようにブロック要素の加工や組み立てが行いやすいため、例えば製造が手作業によるところが多くなっても製造コストを低く抑えることができる。また製造コストを考慮してサイドブロック及びセンターブロックは、上部に角部を有するような単純な形状であるため、その結果、枕基体部の上面に角部を有することとなるが、これがチップ状フォーム層によって均され、頭部に対しソフトな接触感となり、安眠を妨げない。またサイドブロックとセンターブロックとが別体であり、独立クッション性を有しているため、頭を載せた個所のブロック要素の沈み込みに引っ張られるようにして近接するブロック要素が反り上がるようなことが防止される。従って常に枕は比較的平坦な状態が保たれるものであり、寝やすい。
また請求項記載の枕によれば、枕基体部とチップ状フォーム層の少なくとも一辺を、固定部材を用いて固定しているため、チップ状フォーム層が枕基体部からずれ落ちるなどのチップ状フォーム層の枕基体部に対するずれが防止される。
更に請求項記載の枕によれば、枕基体部とチップ状フォーム層とを一つの袋状体もしくは筒状体を用いて収容し、これら基体部とチップ状フォーム層とを一体化しているため、チップ状フォーム層が枕基体部からずれ落ちるなどのチップ状フォーム層の枕基体部に対するずれが防止される。また枕カバーを取り付ける際などに、枕基体部とチップ状フォーム層とが一体化されているため、枕カバーに挿入しやすい。
更にまた請求項記載の枕によれば、例えば他の製品のフォームの切れ端などの廃材のフォームもチップ状フォームに加工して適用することができるため、経済性に優れる。
更にまた請求項記載の枕によれば、チップ状フォーム層が全体として低反発性を有するように特性付けられているため、体圧分散性にすぐれる。
更にまた請求項記載の枕によれば、低反発性チップ状フォームは、チップ状に形成された低反発性ウレタンフォームであるため、体圧分散性に優れるとともに、耐久性にも優れる。
更にまた請求項記載の枕によれば、チップ状フォーム層の上部に対し、熱伝導性の高い熱伝導性ゲル層を設けたため、頭部の熱が熱伝導性ゲル層に伝わり、熱伝導性ゲル層の全体に広がって熱伝導性ゲル層の表面から熱が放熱されるとともに、下部のチップ状フォーム層に伝わってチップ状フォーム層からも熱が放熱される。更に使用時間によって放熱効果が低下することもないため、交換等の必要もない。またゲル層であるため感触が柔らかい。
更にまた請求項記載の枕によれば、熱伝導性ゲル層は高熱伝導性フィラーを添加した熱伝導性シリコーンゲルをフィルム材で被覆したものを適用しているため、使用者が好みにより熱伝導性ゲル層を取り外したりする際に、取り扱いがしやすい。またシリコーンゲルを適用したものであるため、使用経過時間に応じて硬度が変化することもない。また熱伝導性シリコーンゲルをフィルム材で被覆しているため、熱伝導性ゲルのオイル成分の枕カバー等への滲出を防止でき、その結果オイル成分によるベタ付きを使用者Maとの接触部位まで至らせることなく、快適な使用感を維持できる。加えてこのオイル成分の保持は、熱伝導性ゲル層の耐久性を向上させることにも寄与し得る。また熱伝導性ゲルがベタつかないため、枕の組み立て時や熱伝導性ゲル層を作業者が着脱する際の取扱性も向上する。
更にまた請求項記載の枕によれば、熱伝導性ゲル層は、複数枚の短冊状の熱伝導性ゲルを左右方向へそれぞれ張り渡しほぼ平行に並べて設けたものであるため、後頭部から頸椎部までの曲がり形状に対応して熱伝導性ゲル層が折れ曲がりやすく、下方のチップ状フォーム層の弾力性を阻害しない。
更にまた請求項10記載の枕によれば、熱伝導性ゲル層は、低反発性チップ状フォーム層の上部の前側半分ほどに設けられる。これによれば放熱冷却されて気持ち良く寝心地が良いのは、首裏周辺や、寝返りを打ち横向きになった際の頬部分であり、これらの個所に当接するのは、枕の上部の前側半分ほどであるため、部材に無駄がなく、比較的製造コストを低く抑えることが可能である。また、冬場等に、枕の前後を逆にして使用すれば、熱伝導性ゲル層を、首や頭部の下側に位置しないようにできるから、熱伝導性ゲル層を設けたままでも暖かく眠ることができる。
更にまた請求項11記載の枕によれば、熱伝導性ゲル層は、前記チップ状フォームを充填したチップ状フォーム収容袋に固定されるため、熱伝導性ゲル層の設置位置がずれることが防止される。
更にまた請求項12記載の枕によれば、前記熱伝導性ゲル層は、前記枕基体部とチップ状フォーム層とを覆う枕カバーに着脱自在に固定されるため、放熱を行いたくない場合は熱伝導性ゲル層を取り外して使用でき、また枕カバーの洗濯の際にも簡単に取り外して洗濯することができる。
本発明の最良の形態は、具体的には以下の実施例に述べるとおりである。
以下本発明を図示の実施の形態に基づき説明する。図中符号1で示すものが、本発明に係る枕であって、このものは、枕基体部2と、この枕基体部2の上方に積み重ねられるチップ状フォーム層3と、更にこのチップ状フォーム層3の上部に対し積み重ねられる熱伝導性の高い熱伝導性ゲル層4と、通気性を有した枕カバー5とを具えて成る。
なお本発明の枕1の前後左右上下は、本明細書では図2に示されるように、枕1の手前側で使用者Mに接触する側の面を前面とし、その反対側の隠れた面を後面、右側の側面を右側面、左側の隠れた側面を左側面、また上方の面を上面、その反対面を下面と定義する。
以下、各部材について説明する。
図1及び図3等に示されるように、前記枕基体部2は、ブロック要素20が組み合わされて中央上面が凹陥した頭部支持凹部2Aを形成し、その周囲は相対的に高く形成された左右のサイドサポート部2Bと、その間に設けられる頸椎部サポート部2Cとが形成されている。具体的には枕基体部2は、それぞれ軟性フォームのブロック要素20であるベースブロック21と、サイドブロック22と、センターブロック23とから構成されるものであって、横長平板形状をした軟性フォームのベースブロック21の上面左右に対し、サイドブロック22を接着剤で貼設するとともに、このサイドブロック22の間のベースブロック21の上面における前後両端部に対し、センターブロック23を接着剤で貼設して成る。なおサイドブロック22及びセンターブロック23は、直方体形状の軟性フォームの上辺部を面取り加工した略直方体形状を成し、形成加工及び組み立てが行いやすい。なお前記面取り加工は、当接感を向上させるために行うものであり、従って枕1の左右端部個所となる左右の各サイドブロック22の外側辺と、前後の各センターブロック23における頭部支持凹部2Aに臨む中央寄りの上辺及び左右両端の上辺は、面取り加工がなされていない。なお本実施例では、サイドブロック22及びセンターブロック23の上辺部全てを角部2Pと定義するものであり、前記面取り加工された個所も角部2Pに含まれる。
また前記サイドブロック22及びセンターブロック23の高さや硬度は、セミオーダー的に何段階かの高さや硬度のものを用意しておき、注文に応じて変更することが可能である。従って図示の実施例では一例としてサイドブロック22及びセンターブロック23の高さを同一に設定しているが、左右のサイドブロック22の方がセンターブロック23よりも高さの高いものを用いたり、その逆にセンターブロック23の方を高さの高いものを用いたりして各別に高低差を設定することも可能である。また本実施例では一例として、各ブロック要素20のフォーム硬度とフォーム密度は同一のものを用いるもので、フォーム硬度約117N(JIS K6400)で、フォーム密度約20kg/m3 のものを用いているが、これもセミオーダー式に複数段階のフォーム硬度とフォーム密度のものの中から選択することが可能である。
また枕基体部2は、一例として枕基体部収容袋24に収容されるものであり、この枕基体部収容袋24の後面側には、チップ状フォーム層3が枕基体部2からずれ落ちたりしないように位置ズレを防止するための固定部材たる結束用紐24aが複数本縫い付けられている。なおこの枕基体部収容袋24は、後述するチップ状フォーム収容袋33と一体的に最初から形成することが可能であり、このように形成した場合には、チップ状フォーム層3を枕基体部2へ固定するための固定部材は別途必要としない。
次にチップ状フォーム層3について説明する。チップ状フォーム層3は、枕基体部2の上面にあるブロック要素20の角部2Pを均す作用を有し、接触感を向上させる部材である。このものは軟性のフォームを数基の粉砕機により数段階で最長部寸法が5mm〜3cm程度に粉砕し、そしてこの得られたチップ状フォーム30を通気性に優れたチップ状フォーム収容袋33に充填して成るものである。チップ状フォーム収容袋33の後面側には、前記チップ状フォーム層3の結束用紐24aと結束するための固定部材たる結束用紐33bが複数本縫い付けられている。
チップ状フォーム30の素材について説明すると、一例として75%程度を低反発性ウレタンフォームから成る低反発性チップ状フォーム31を用い、残りの25%程度を低反発性ではないソフトウレタンフォームから成るソフトチップ状フォーム32を適用している。なお低反発性チップ状フォーム31とソフトチップ状フォーム32の混合割合は、例えば低反発性ウレタンフォームを100%としたり、あるいは25%程度にしたりと、適宜の割合で混合できるものであり、軟性フォームの種類も含めてセミオーダー的に注文に応じて変更することが可能である。なおチップ状フォーム30のため、空隙率が高く通気性に優れ、触感は羽毛枕に似た独特の触感を有する。更に、枕基体部2や他製品等から出た切れ端などの廃材フォームを粉砕して用いることができるため、非常に経済性に優れる。なお低反発性チップ状フォーム31は、フォーム硬度約60N(JIS K6400)で、フォーム密度約60kg/m3 のものを用いている。
なおチップ状フォーム層3の枕基体部2に対する位置ずれを防止する固定部材としては、前述したような結束用紐24a、33bを用いる他、服飾材等の留め具として広く使用されているボタンやホックを用いて固定するようにしてもよい。更にその他チップ状フォーム層3の枕基体部2に対する位置ずれを防止する手段としては、枕基体部2とチップ状フォーム層3とを一つの袋状体もしくは筒状体に収容し、一体化させる手段を採ってもよい。この場合これら袋状体や筒状体を枕カバーとして用いることも可能である。また更に数本のゴム紐等の弾性材の端部をチップ状フォーム層3の前辺及び後辺に縫い付け、この弾性材を枕基体部2に巻回するように掛け止めて、チップ状フォーム層3を枕基体部2に対して位置ずれを起こさないように一体化することが可能である。また更に枕カバー5内を上下に仕切る仕切膜を設けておき、枕カバー5内の下方の収容部に枕基体部2を収容し、上方の収容部にチップ状フォーム層3を収容するように構成し、チップ状フォーム層3の枕基体部2に対する位置ずれを防止するようにしてもよい。
次に熱伝導性ゲル層4について説明する。熱伝導性ゲル層4は、本実施例ではチップ状フォーム収容袋33の上部内面側の前側半分ほどに設けられるものであり、枕1の使用者Mから伝熱された熱Hを、熱伝導性ゲル層4全体にすぐに広げ、そのまま空中に放熱したり、下層のチップ状フォーム層3に伝熱して空隙が多く通気性に優れたチップ状フォーム層3から放熱するものである。
本実施例では、熱伝導性ゲル層4として、高熱伝導性フィラーを添加した熱伝導性ゲル41をフィルム材42で被覆したものを適用するもので、このようにフィルム材42で被覆することにより熱伝導性ゲル41のオイル成分の漏出を防止し、耐久性を向上させている。なお熱伝導性ゲル層4を設けるにあたっては、図1、2に示されるように下層のチップ状フォーム層3のクッション性を損なわず、後頭部から頸椎部の曲がりに対応するように、前後方向に分割されるもので、複数枚の短冊状の熱伝導性ゲル41を左右方向へそれぞれ張り渡し、各熱伝導性ゲル41が隣り合う熱伝導性ゲル41に対しほぼ平行となるように並べて設けられる。具体的にチップ状フォーム収容袋33と同じ材質の布材を、図1等に示されるようにチップ状フォーム収容袋33の上部内面側の前側半分ほどに当てがい、短冊状の熱伝導性ゲル41の枚数分のポケット状の熱伝導性ゲル収容部33aを縫合して設けて、ここに短冊状の熱伝導性ゲル41を挿入支持させて、更に熱伝導性ゲル収容部33aの入口を縫合して閉鎖している。
なお熱伝導性ゲル層4をチップ状フォーム収容袋33の上部の前側半分程に設けるのは、後頭部の上方はあまり放熱することによる効果を得られないことと、製造コスト的な理由などからであり、もちろん上部全面並びに周側部等に熱伝導性ゲル層4を設けて実施することも可能である。また熱伝導性ゲル層4をチップ状フォーム収容袋33の内面側に設ける理由は、熱伝導性ゲル層4による凹凸をなるべく解消するためである。
なお熱伝導性ゲル層4の設置態様は、使用者Mの頭部Maに間接的に当接する範囲内で、種々の適宜の設置手法を採ることができるものであり、チップ状フォーム収容袋33の内面や外面に設ける他、枕カバー5や別体の枕基体部2及びチップ状フォーム層3を覆う袋状体や筒状体の内面や外面に設けることが可能である。また具体的な設置部材への取付態様として、前述したように着脱不可能に縫い付ける他、ポケット状などの熱伝導性ゲル収容部を設けてそこに熱伝導性ゲル41を挿入支持させて着脱自在としたり、あるいは面ファスナ等を用いて着脱自在に設けるようにしてもよい。
また前記熱伝導性ゲル41としては一例としてシリコーンゲルに高熱伝導性フィラーを添加した熱伝導性シリコーンゲルを用いるもので、高熱伝導性フィラーとしては、アルミナ、窒化硼素、窒化アルミ、水酸化アルミ、炭化珪素、その他の熱伝導性に優れるセラミックフィラーや、アルミ粉、銅粉、その他の熱伝導性に優れる金属フィラーを用いることができる。そしてこの熱伝導性ゲル層4の熱伝導率は、0.5W/m・K以上であることが好ましい。またこの熱伝導性ゲル層4の厚さは、一例として1.0〜5.0mm厚程度で、硬度は、針入度〔JISK2207(50g荷重)〕80〜200の柔軟なものが好ましい。なおこの硬度は、シリコーンの温度特性により外部からの伝熱による温度変化に対しても安定した硬度を保てるものである。
本発明に係る枕1は、一例として以上のようにして成るものであり、この作用について説明すると、図4(a)に示されるように、直方体形状のブロック要素20により形成される枕基体部2の角部2Pを有した荒形状をチップ状フォーム層3により均し、ソフトな接触感となるように構成されているため、枕基体部2の製作は、安価にまた上面の角部2Pや凹凸を特別に気にすることなく行うことができる。また使用時において、図4(b)に示されるように、頭部支持凹部2Aによって特に後頭部の収まりが良く、寝返りを打って横向きになった際には、左右のサイドサポート部2Bにより頬が支持される。更にサイドブロック22とセンターブロック23とが別体であり、独立クッション性を有しているため、枕1の中央に頭を載せた際に枕1の中央の沈み込みに引っ張られるようにしてサイドブロック22が反り上がるよ なことが防止される。従って常に枕1は比較的平坦な状態が保たれるものであり、寝やすいものである。また更に頸椎は頸椎部サポート部2Cによって支持されるため、この点からも寝やすいとともに健康にも良い。また頭部Maや首の熱Hが熱伝導性ゲル層4に吸熱され、この熱Hが図5に示されるように使用者Mの頭部Maの両側に充分に張り出して設けられている熱伝導性ゲル層4全体に広がる。そしてこの伝熱され広がった熱Hは熱伝導性ゲル層4から直接的に空中に放熱されたり、またチップ状フォーム層3に伝熱され、チップ状フォーム層3を介して空中に放熱されるものであり、使用者Mは清涼感を得ることができる。更に熱伝導性ゲル層4は、前後方向に分割されているため、後頭部から頸椎部の体の曲がりに対応した形状に変形しやすく、チップ状フォーム層3のクッション性を損なうことがない。また熱伝導性ゲル層4の下はチップ状フォーム層3であるため、通気性に富み、枕1全体として夏場でも蒸れにくい特性を有しているとともに、使用者Mの好みに応じて内部のチップ状フォーム30を偏在させることも可能である。因みに冬場などでむしろ清涼感を得たくない場合には、単純には枕1の前後を逆にして用いれば、使用者Mの首や頭部Ma下側に、熱伝導性ゲル層4が位置しなくなり、暖かく眠ることができる。またその他、使用者Mの首や頭部Maに、熱伝導性ゲル層4が位置しないようにするには、多少手間がかかるものの、一度枕カバー5から中の枕基体部2やチップ状フォーム層3等を全て出し、チップ状フォーム層3を裏返して熱伝導性ゲル層4を下面側に位置させ、そして再度枕カバー5に収容して使用するようにしてもよい。
本発明の枕を示す分解斜視図である。 同上右側面側を一部破断して示す斜視図である。 枕基体部の平面図、正面図及び右側面図である。 本発明の枕の未使用時と使用時における状態を示す図2中A−A線における断面図である。 本発明の枕を使用した場合の放熱の様子を示す斜視図である。
1 枕
2 枕基体部
2A 頭部支持凹部
2B サイドサポート部
2C 頸椎部サポート部
2P 角部
3 チップ状フォーム層
4 熱伝導性ゲル層
5 枕カバー
20 ブロック要素
21 ベースブロック
22 サイドブロック
23 センターブロック
24 枕基体部収容袋
24a 結束用紐
30 チップ状フォーム
31 低反発性チップ状フォーム
32 ソフトチップ状フォーム
33 チップ状フォーム収容袋
33a 熱伝導性ゲル収容部
33b 結束用紐
41 熱伝導性ゲル
42 フィルム材
H 熱
M 使用者
Ma 頭部

Claims (12)

  1. 枕基体部と、この枕基体部の上部に積み重ねられるチップ状フォーム層とを具えて成る枕であって、前記枕基体部は、軟性フォームから成るブロック要素が複数組み合わされて構成されるものであり、且つ前記ブロック要素は上部に角部が形成されたものであり、前記枕基体部には、横長平板形状をした軟性フォームのベースブロックの上面の左右に対しサイドブロックを設けるとともに、前記ベースブロックの上面の前後両端部に対しセンターブロックを設けることによって中央上面が凹陥した頭部支持凹部が形成されるとともに、その周囲が相対的に高く形成された左右のサイドサポート部と、その間の頸椎部サポート部とが形成され、一方前記チップ状フォーム層は、チップ状に形成された多数の軟性フォームから成るチップ状フォームをチップ状フォーム収容袋に充填して成るものであり、前記頭部支持凹部とブロック要素に形成された角部とが、前記チップ状フォーム層によって被覆されていることを特徴とする枕。
  2. 前記枕基体部とチップ状フォーム層の少なくとも一辺を、固定部材を用いて固定していることを特徴とする請求項1記載の枕。
  3. 前記枕基体部とチップ状フォーム層とを一つの袋状体もしくは筒状体を用いて収容し、これら枕基体部とチップ状フォーム層とを一体化していることを特徴とする請求項1記載の枕。
  4. 前記チップ状フォームの全部または一部は、廃材のフォームを粉砕機により粉砕して得られることを特徴とする請求項1、2または3記載の枕。
  5. 前記チップ状フォーム層は、チップ状フォームの全部または一部に低反発性チップ状フォームを適用し全体として低反発性を有するよう特性付けられていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の枕。
  6. 前記低反発性チップ状フォームは、チップ状に形成された低反発性ウレタンフォームであることを特徴とする請求項記載の枕。
  7. 前記チップ状フォーム層の上部に対し、熱伝導性の高い熱伝導性ゲル層を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の枕。
  8. 前記熱伝導性ゲル層は、高熱伝導性フィラーを添加した熱伝導性シリコーンゲルをフィルム材で被覆して成ることを特徴とする請求項記載の枕。
  9. 前記熱伝導性ゲル層は、複数枚の短冊状の熱伝導性ゲルを左右方向へそれぞれ張り渡し各熱伝導性ゲルが隣り合う熱伝導性ゲルに対しほぼ平行となるように並べて設けたものであることを特徴とする請求項7または8記載の枕。
  10. 前記熱伝導性ゲル層は、前記低反発性チップ状フォーム層の上部の前側半分ほどに設けられることを特徴とする請求項7、8または9記載の枕。
  11. 前記熱伝導性ゲル層は、前記チップ状フォームを充填したチップ状フォーム収容袋に固定されることを特徴とする請求項7、8、9または10記載の枕。
  12. 前記熱伝導性ゲル層は、前記枕基体部とチップ状フォーム層とを覆う枕カバーに着脱自在に固定されることを特徴とする請求項7、8、9または10記載の枕。
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