JP4632110B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に用いられる空気調和装置に関し、特に、送風機を共通にする2つの空調系を有し、それぞれの空調系によって異なる2つの空調ゾーンを個別に空調制御することを可能とした車両用空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の空気調和装置として、特開平8−40043号公報に示されるものが公知となっている。これは、車室内の第1の空調ゾーンに対して空調風を供給する吹出口を備えた第1の空調系と、車室内の第2の空調ゾーンに対して空調風を供給する吹出口を備えた第2の空調系とを有し、第1及び第2の空調系で送風機を共通にし、それぞれの空調系で空調風の温度を独立に変更する温度調節手段を備えているもので、それぞれの空調ゾーンの温度を設定する第1及び第2の温度設定手段を備え、第1の温度設定手段によって設定された温度と各空調ゾーンの熱負荷とに基づいて第1の空調ゾーンへ吹き出す目標吹出温度を演算し、第2の温度設定手段によって設定された温度と各空調ゾーンの熱負荷とに基づいて第2の空調ゾーンへ吹き出す目標吹出温度を演算し、これらの目標吹出温度のそれぞれによって算出された目標送風量の平均値を最終的な送風量として送風機を制御するようにしたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の構成のように、それぞれの目標送風量の平均値によって送風機を制御する構成においては、それぞれの温度設定手段によって設定される温度が同じであれば、同様の制御要請があることから、それぞれの空調ゾーンの温度を設定温度に維持する安定時のみならず、設定温度に収束させる暖房起動時や冷房起動時の過渡時においても、特に問題となることはないが、それぞれの温度設定手段によって設定される温度が異なる場合には、暖房起動時や冷房起動時の過渡時において室温が安定するまでに時間がかかるという不都合がある。
【0004】
即ち、それぞれの空調ゾーンへ吹き出す目標吹出温度によって別々に算出された目標送風量の平均値を最終的な送風量として送風機を制御するようにしているので、暖房起動時においては、設定温度が高く設定された空調ゾーンへの送風量が早めに少なくなってしまい、空調ゾーンの温度を設定温度に収束するまでに時間がかかる不都合がある。同様に、冷房起動時においても、設定温度が低く設定された空調ゾーンへの送風量が早めに少なくなってしまい、空調ゾーンの温度を設定温度に収束させるまでに時間がかかる不都合がある。
【0005】
また、それぞれの設定温度が異なる場合に、各空調ゾーンの温度をそれぞれの設定温度に速やかに収束させる制御を行うにしても、その際に生じることが懸念されるオーバーシュートをできるだけ抑える必要がある。
【0006】
そこで、この発明においては、送風機を共通にする2つの空調系を有し、それぞれの空調系によって異なる2つの空調ゾーンを個別に空調制御することを可能とした車両用空気調和装置において、各空調ゾーンの設定温度が異なる場合に、暖房起動時や冷房起動時の過渡時における各空調ゾーンの温度を設定温度に速やかに収束させることを主たる課題としている。また、このような過渡時の制御を行いつつも、オーバーシュートを防止又は低減することができる車両用空気調和装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、この発明にかかる車両用空気調和装置は、車室内の第1の空調ゾーンに対して空調風を供給する吹出口を備えた第1の空調系と、車室内の第2の空調ゾーンに対して空調風を供給する吹出口を備えた第2の空調系とを有し、前記第1及び第2の空調系で送風機を共通にし、それぞれの空調系で前記空調風の温度を独立に変更する温度調節手段を備え、前記第1の空調ゾーンの目標温度を設定する第1の温度設定手段と、前記第2の空調ゾーンの目標温度を設定する第2の温度設定手段と、車室内外の熱負荷情報を検出する熱負荷情報検出手段と、起動時において過渡時制御を行う要請があるか否かを判定する過渡時制御要請判定手段と、前記過渡時制御要請判定手段によって暖房起動時の過渡時制御を行う要請があると判定された場合に、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の目標温度又はその近傍の温度と前記熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう前記送風機の送風量を制御し、前記過渡時制御要請判定手段によって冷房起動時の過渡時制御を行う要請があると判定された場合に、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の目標温度又はその近傍の温度と前記熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう前記送風機の送風量を制御する過渡時送風量制御手段と、起動時における前記過渡時制御を解除する要請があるか否かを判定する過渡時制御解除要請判定手段とを具備し、前記過渡時制御解除要請判定手段を、暖房起動時の過渡時制御であれば、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に過渡時制御を解除する要請があると判定し、冷房起動時の過渡時制御であれば、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に過渡時制御を解除する要請があると判定することを特徴としている。
【0008】
したがって、第1の温度設定手段によって設定された温度と、第2の温度設定手段によって設定された温度とが異なる場合において、暖房起動時には、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の目標温度又はその近傍の温度と熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量が制御されるので、それぞれの空調ゾーンの目標温度に対して速やかに収束させることができるようになる。
【0009】
また、冷房起動時においても、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の目標温度又はその近傍の温度と熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量が制御されるので、それぞれの空調ゾーンの目標温度に対して速やかに収束させることができるようになる。
【0010】
さらに、上述のような構成とすれば、暖房起動時においては、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に、暖房起動時の過渡時制御が解除され、その時点から、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度と熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量が制御されるので、目標温度が低い空調ゾーンに対しては目標温度に達した後にその状態を維持させることができ、また、目標温度が高い空調ゾーンに対しては低い方の目標温度に達した後に送風量は減少することになるが、その時点を従来よりも遅らせることができ、それだけ目標温度に到達する時間を短くすることができる。また、それぞれの空調ゾーンの温度が目標温度に対してオーバーシュートすることを極力回避することができるようになる。
【0011】
これに対して、冷房起動時においては、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に、冷房起動時の過渡時制御が解除され、その時点から、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの温度と熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量が制御されるので、目標温度が高い空調ゾーンに対しては目標温度に達した後にその状態を維持させることができ、また、目標温度が低い空調ゾーンに対しては高い方の目標温度に達した後に送風量は減少することになるが、その時点を従来よりも遅らせることができ、それだけ目標温度に到達する時間を短くすることができる。また、それぞれの空調ゾーンの温度が目標温度に対してオーバーシュートすることを極力回避することができるようになる。
【0012】
上述のような過渡時制御を解除するために、前記過渡時制御解除要請判定手段によって前記過渡時制御を解除する要請があると判定された場合に、前記過渡時送風制御手段による送風量の制御を解除し、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの温度と前記熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるように前記送風機の送風量を制御する通常送風量制御手段とをさらに設けるようにしてもよい。
【0013】
また、オーバーシュートをより効果的に防止するために、過渡時送風量制御手段による送風量制御から通常送風量制御手段による送風量制御への移行を徐々に行うようにするとよい。
【0014】
尚、以上のような車両用空気調和装置は、車室内の任意の異なる空調ゾーン、例えば、第1の空調ゾーンを運転席側の空調ゾーンとし、第2の空調ゾーンを助手席側の空調ゾーンとする場合などに有用である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施形態を図面により説明する。図1において、車両に搭載されて車室の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとを独立に空調制御する空気調和装置1が示されている。
【0016】
この空調調和装置は、空調ダクト1の最上流側に内気導入口2と外気導入口3とを備えたインテーク切替装置4を有し、内気と外気との導入割合がインテークドア5によって調節されるようになっている。空調ケース1には、モータ6によって回転する送風機7が前記導入口に臨むように設けられ、送風機7の回転によって導入口から空気を吸引し、下流側へ圧送するようになっている。
【0017】
送風機7の下流側には、エバポレータ8が配され、このエバポレータ8は、エンジン9からの動力が電磁クラッチ10を介して伝達されるコンプレッサ11と図示しないコンデンサ、エクスパンションバルブなどと共に配管結合されて冷凍サイクルを構成しており、コンプレッサ11の稼動によりエバポレータ8へ冷媒を供給してこのエバポレータ8を通過する空気を冷却するようになっている。
【0018】
空調ケース内部のエバポレータ8の下流側は、運転席側分路12と助手席側分路13とに分岐され、各分路には、ヒータコア14と、ヒータコア14を通過する空気量を調節するミックスドア15,16とが配置されている。
【0019】
この構成例では、運転席側分路12と助手席側分路13とが仕切壁17によって画成され、エバポレータ8とヒータコア14とは両分路で共通のものが用いられている。エバポレータ8は、空調ケース1の通路断面全体を遮るように設けられ、ヒータコア14は、各分路の通路断面の略半分を遮るように設けられている。また、ミックスドア15,16は、エバポレータ8を通過した全空気をヒータコア14へ導くフルホット位置(開度100%)から全空気をヒータコア14をバイパスさせるフルクール位置(開度0%)の範囲にわたって回動するようになっている。
【0020】
運転席側分路12のヒータコア14よりも下流側に位置する部分には、車室の運転席側空調ゾーンにおいて、フロントガラスに沿って温調空気を吹出すデフロスト吹出口18aと、上部へ温調空気を吹出すベント吹出口18bと、下部へ温調空気を吹出すフット吹出口18cとが設けられ、また、助手席側分路13のヒータコア14よりも下流側に位置する部分には、車両の助手席側空調ゾーンにおいて、フロントガラスに沿って温調空気を吹出すデフロスト吹出口19aと、上部へ温調空気を吹出すベント吹出口19bと、下部へ温調空気を吹出すフット吹出口19cとが設けられ、それぞれの吹出口は、モードドア(デフドア20a,21a、ベントドア20b,21b、フットドア20c,21c)によって開口量が調節されるようになっている。
【0021】
尚、運転席側と助手席側のミックスドア15,16は、アクチュエータ23,24によって駆動され(RMIX ACT、LMIX ACT)、インテークドア5は、アクチュエータ25によって駆動され、運転席側のモードドアと助手席側のモードドアは、共通するアクチュエータ26によって連動するようになっている。
【0022】
そして、上述した各種ドアを駆動するアクチュエータ、コンプレッサ11の電磁クラッチ10、送風機7のモ−タ6は、コントロールユニット30からの出力信号に基づいて制御されるようになっている。
【0023】
コントロールユニット30は、図示しない中央演算処理装置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)等を備えると共に、各種ドア(インテークドア5、エアミックスドア15,16、モードドア20a,21a,20b,21b,20c,21c)を駆動するアクチュエータ23〜26、コンプレッサ11の電磁クラッチ10、送風機7のモータ6を駆動制御する駆動回路等を有して構成され、室内温度センサ31、外気温センサ32、車両の右側の日射量を検出する右日射センサ33aと左側の日射量を検出する左日射センサ33bとを備えた日射センサ33、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ34、エバポレータ8またはエバポレータ8を通過した空気の温度を検出するエバ後センサ35からの信号等が入力されるようになっている。
【0024】
また、コントロールユニット30には、操作パネル36からの信号等が入力されるようになっている。この操作パネル36は、AUTOスイッチ37、吸入モードを内気循環モード(REC)又は外気導入モード(FRESH)に設定するRECスイッチ38、吹出モードをデフロストモードに設定するDEFスイッチ39、車室内の運転席側と助手席側とを独立に温調制御するDUALスイッチ40、各空調機器をOFFモードに設定する指令を出力するOFFスイッチ41、FANスイッチ42、コンプレッサ11のオンオフを個別に指令するA/Cスイッチ43、吹出モードを設定するMODEスイッチ44を有している。また、運転席側空調ゾーンの目標温度を設定する運転席側温度設定器45のアップ、ダウンスイッチ45a,45bと、助手席側空調ゾーンの目標温度を設定する助手席側温度設定器46のアップ、ダウンスイッチ46a,46bとを有し、それぞれのアップ、ダウンスイッチによって設定されたそれぞれの空調ゾーンの目標温度、FANスイッチ42によって設定された送風能力、MODEスイッチ44によって設定された吹出モードなどは、それぞれパネル中央に設けられた表示部47に表示されるようになっている。
【0025】
そして、コントロールユニット30は、ROM又はRAMに与えられた所定のプログラムにしたがって各種入力信号を処理し、送風機7の送風量、吸入モードの切り替え、コンプレッサ11のオンオフ、吹出モードの切り換え、エアミックスドア15,16の開度等を制御するようになっている。
【0026】
図2において、前記コントロールユニット30による空調制御例がフローチャートとして示されており、以下において、このフローチャートに基づいて空調制御の動作例を説明する。
【0027】
コントロールユニット30は、イグニッションスイッチを入れてエンジンが起動した後に、前述した各種センサや操作パネル36からの信号を入力し(ステップ50)、イグニッションスイッチを投入してからこのフローによる処理が初回であるか否かが判定される(ステップ52)。ステップ52において、初回であると判定された場合には、初期設定を行い(ステップ54)、その後に所定のチェック操作がなされて自己診断の要請があるか否かを判定し(ステップ56)、自己診断の要請がある場合には、自己診断を解除する操作がなされたか否かを判定し(ステップ58)、解除操作があるまで、表示機能や各種センサ、出力機器の作動、出力系(送風機、アクチュエータ、コンプレッサなど)の異常の有無等の自己診断を行う(ステップ60)。
【0028】
そして、ステップ52において、イグニッションスイッチを投入してからこのフローによる処理が初回でない場合、初回ではあるがチェック操作がなされていない場合、チェック操作が行われた後に解除操作がなされた場合には、ステップ62〜78の各サブルーチン処理(ステップ62の外気温遅延処理、ステップ64の日射補正演算処理、ステップ66の日射補正遅延処理、ステップ68の総合信号演算処理、ステップ70のミックスドア制御処理、ステップ72の送風機制御処理、ステップ74のモードドア制御処理、ステップ76のインテークドア制御処理、ステップ78のコンプレッサ制御処理)が行われ、しかる後にステップ50へ戻り、上述した処理が繰り返し行われるようになっている。
【0029】
ステップ62の外気温遅延処理では、外気温センサ32が渋滞時やアイドル運転時などにおいてエンジン廃熱などの影響で本来の外気温よりも高い温度を検出しないようにする必要から、温度上昇が検出された場合に外気温センサ32からの出力信号に遅延をかけるようにしている。
【0030】
また、ステップ64の日射補正演算処理では、日射センサ33からの出力信号によって日射方位を演算し、右日射センサ33aと左日射センサ33bとの出力に基づいて演算された平均日射量を日射方位によって運転席側と助手席側とに配分する処理を行うようにしている。
【0031】
そして、ステップ66の日射補正遅延処理では、日射の変化に対して体感温度の変化が遅れることから、実際の体感温度の変化に合わせた制御を行うためにステップ64で得られた運転席側の日射量と助手席側の日射量とに遅延をかけて制御用運転席側日射補正量QSDDrと制御用助手席側日射補正量QSDAsとを演算するようにしている。
【0032】
ステップ68で行われる総合信号演算処理では、図3に示されるように、ステップ80において、仮総合信号の演算を行い、ステップ82において、総合信号の演算を行い、ステップ84において、モードドアを制御するためのモード制御用総合信号を演算するもので、ステップ80の仮総合信号演算処理においては、車室内温度Tr、制御用外気温度TaD、制御用運転席側日射補正量QSDDr、外気補正された運転席側設定温度T'setDrをパラメータとして運転席側仮総合信号TDr' を下記の数1式に基づいて演算し、車室内温度Tr、制御用外気温度TaD、制御用助手席側日射補正量QSDAs、外気補正された助手席側設定温度T'setAsをパラメータとして助手席側仮総合信号TAs' を下記の数2式に基づいて演算する。
【0033】
【数1】
【0034】
【数2】
【0035】
ここで、KAは外気ゲイン、Ksは日射ゲイン、KDr は運転席側設定ゲイン、KAs は助手席側設定ゲインであり、外気補正された運転席側設定温度T'setDrは、制御用外気温度TaDとの関係で決定された補正項α1を運転席側設定温度TsetDr に加味してT'setDr=TsetDr +α1によって演算されたものであり、外気補正された助手席側設定温度T'setAsは、制御用外気温度TaDとの関係で決定された補正項α2を助手席側設定温度TsetAs に加味してT'setAs=TsetAs +α2によって演算されたものである。
【0036】
また、ステップ82の総合信号の演算においては、ステップ80で演算されたTDr' に対し、TAs' とTDr' との差に補正ゲインE1を乗じて形成された補正項を付加して運転席側総合信号TDrを下記の数3式に基づいて演算すると共に、ステップ80で演算されたTAs' に対し、TDr' とTAs' との差に補正ゲインE2を乗じた補正項を付加して助手席側総合信号TAsを下記の数4式に基づいて演算する。
【0037】
【数3】
【0038】
【数4】
【0039】
ここで、補正ゲインE1、E2は、図4に示されるように、ステップ90において、制御用外気温度TaDに対して、同ステップに示されるような特性が得られるように外気温に応じた運転席側外気温補正定数E1ambと、助手席側外気温補正定数E2ambとを演算し、ステップ92において、吹出モードごとに予め定められた同ステップに示される補正定数(a1〜a5,b1〜b5)の中から、吹出モードに対応した運転席側モード補正定数E1mode と、助手席側モード補正定数E2mode とを選択し、ステップ94において、E1をE1amb+E1mode として演算し、E2をE2amb+E2mode として算出したものである。尚、総合信号TDr,TAsは、その値が大きいほど冷房負荷が大きいことを、また小さいほど暖房負荷が大きいことを表している。
【0040】
さらに、ステップ84のモード制御用総合信号の演算においては、ステップ82で演算された運転席側総合信号TDrと制御用運転席側日射補正量QSDDrとから運転席側モード制御用総合信号TMDr を下記の数5式に基づいて演算し、助手席側総合信号TAsと制御用助手席側日射補正量QSDAsとから助手席側モード制御用総合信号TMAs を下記の数6式に基づいて演算する。ここで、K'sは、右日射センサ33aと左日射センサ33bとの出力に基づいて演算された平均日射量との関係で決定されたモード制御用のために特に設定された日射ゲインである。
【0041】
【数5】
【0042】
【数6】
【0043】
ステップ70のミックスドア制御処理では、ステップ68において演算された運転席側総合信号TDrから目標吹出温度を演算し、この目標吹出温度が得られるように運転席側ミックスドア15を制御すると共に、助手席側総合信号TAsから助手席側空調ゾーンへ供給される目標吹出温度を演算し、この目標吹出温度が得られるように助手席側のミックスドア16を制御するようにしている。
【0044】
ステップ72の送風機制御では、後述するファン制御用総合信号TBLに基づいて、図5に示されるような特性が得られるように送風機7の目標風量を算出し、この目標風量が得られるように送風機7を制御する。即ち、TBLが非常に大きい場合、又は、非常に小さい場合には、冷房負荷または暖房負荷が大きい場合であることから送風機の風量を最大(モータ6への印加電圧をデューティ比100%)とし、冷房負荷または暖房負荷の小さいTBLの中間領域においては、送風機7の風量を最小(モータ6への印加電圧をデューティ比30%)とし、この中間域から負荷が大きくなる領域にかけては、連続的に風量を大きくするようにしている。
【0045】
ステップ74のモードドア制御では、運転席側モード制御用総合信号TMDr と助手席側モード制御用総合信号TMAs との平均値に基づいて、図6に示されるような特性が得られるように吹出モードを制御する。即ち、(TMDr +TMAs )/2が大きい場合には吹出モードをベントモードに設定し、小さくなるにつれてバイレベルモード、フットモードに設定する。
【0046】
ステップ76のインテークドア制御では、運転席側総合信号TDrと助手席側総合信号TAsとの平均値に基づいて、図7に示されるような特性が得られるように吸入モードを制御する。即ち、(TDr+TAs)/2が大きい場合には吸入モードを内気循環とするRECモードに設定し、小さくなるにつれて内外気を混合して導入とするMIXモード、外気導入とするFRESHモードに設定する。
【0047】
さらに、ステップ78のコンプレッサ制御では、送風機7が停止状態にあれば、コンプレッサ11を停止させ、AUTOスイッチ37やA/Cスイッチ43などの操作に基づいてコンプレッサ11を稼動又は停止させると共に、エバポレータ8の凍結を防止するためにコンプレッサ11をオンオフ制御するなどの処理を行う。
【0048】
以上のような全体の制御構成を前提として、以下において、ステップ72の送風機制御について詳述する。図8において、ステップ72の送風機制御におけるファン制御用総合信号TBLの演算処理例が示されており、コントロールユニット30は、ステップ140において、運転席側総合信号TDrと助手席側総合信号TAsとの平均値T(T=(TDr+TAs)/2)が所定値β1よりも小さいか否かを、また、ステップ142において、平均値Tが所定値β2よりも大きいか否かを判定する。
【0049】
ここで、Tは、その値が小さいほど暖房負荷が大きいことを、また大きいほど冷房負荷が大きいことを示すもので、β1は、暖房起動時の急速暖房の要請があることを判定するための基準値となるものであり、β2は、冷房起動時の急速冷房の要請があることを判定するための基準値となるものである。
【0050】
そして、ステップ140においてT≧β1であり、且つ、ステップ142においてT≦β2であると判定された場合には、暖房起動時の急速暖房の要請も冷房起動時の急速冷房の要請もない場合であるので、ステップ144へ進み、通常の制御を行うために、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr を運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr とし、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs を助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とする。
【0051】
また、ステップ140において、T<β1であると判定された場合には、ステップ146へ進んで、急速暖房の要請を示すフラグ(Warmup Flag)をたて(Warmup Flag=1 とする)、ステップ148において、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とを比較し、TsetDr >TsetAs であると判定された場合には、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr と助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs とに運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr を割り当て(ステップ150)、起動時の過渡時制御を解除するための解除用設定温度TsetCancel として助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs を割り当てる(ステップ152)。また、ステップ148において、TsetDr ≦TsetAs であると判定された場合には、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr と助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs とに助手席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetAs を割り当て(ステップ154)、起動時の過渡時制御を解除するための解除用設定温度TsetCancel として運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr を割り当てる(ステップ156)。
【0052】
これに対し、ステップ142において、T>β2であると判定された場合には、ステップ158へ進んで、急速冷房の要請を示すフラグ(Cooldown Flag)をたて(Cooldown Flag=1 とする)、ステップ160において、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とを比較し、TsetDr <TsetAs であると判定された場合には、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr と助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs とに運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr を割り当て(ステップ162)、起動時の過渡時制御を解除するための解除用設定温度TsetCancel として助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs を割り当てる(ステップ164)。また、ステップ160において、TsetDr ≧TsetAs であると判定された場合には、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr と助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs とに助手席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetAs を割り当て(ステップ166)、起動時の過渡時制御を解除するための解除用設定温度TsetCancel として運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr を割り当てる(ステップ168)。
【0053】
以上の運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr 、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs 、及び起動時の過渡時制御を解除する解除用設定温度TsetCancel が決定された後に、図9に示されるように、ステップ170において、Warmup Flag が1にセットされて急速暖房の過渡時制御の要請があるか否かを判定し、また、ステップ172において、Cooldown Flag が1にセットされて急速冷房の過渡時制御の要請があるか否かを判定する。
【0054】
ステップ170において、急速暖房の過渡時制御の要請があると判定された場合には、ステップ174において、解除用設定温度TsetCancel と車室内温度Trとの差が所定値γ1の範囲内に達したか否かを判定し、γ1の範囲内に達していないと判定された場合であれば、暖房起動制御を継続すべくステップ180、182へ進む。また、ステップ172において、急速冷房の過渡時制御の要請があると判定された場合には、ステップ176において、解除用設定温度TsetCancel と車室内温度Trとの差が所定値γ2の範囲内に達したか否かを判定し、γ2の範囲内に達していないと判定された場合であれば、冷房起動制御を継続すべくステップ180、182へ進む。
【0055】
ステップ180においては、ファン制御用仮総合信号を演算するもので、車室内温度Tr、制御用外気温度TaD、制御用運転席側日射補正量QSDDr、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr をパラメータとして運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' を下記の数7式に基づいて演算し、車室内温度Tr、制御用外気温度TaD、制御用助手席側日射補正量QSDAs、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs をパラメータとして助手席側ファン制御用仮総合信号TBLAs' を下記の数8式に基づいて演算する。ここで、KAは外気ゲイン、Ksは日射ゲイン、KDr は運転席側設定ゲイン、KAs は助手席側設定ゲインであり、TBLDr' 及びTBLAs' は、それぞれTBLsetDr 、TBLsetAs が大きくなるほど小さな値となり、また小さくなるほど大きな値となる。
【0056】
【数7】
【0057】
【数8】
【0058】
ステップ182においては、ステップ180のファン制御用仮総合信号に基づいてファン制御用総合信号TBLを演算するもので、ステップ180で演算された運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' に対して、助手席側ファン制御用仮総合信号TBLAs' と運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' との差に補正ゲインE1を乗じて形成された補正項を付加して運転席側ファン制御用総合信号TBLDrを下記の数9式に基づいて演算し、また、ステップ180で演算された助手席側ファン制御用仮総合信号TBLAs' に対して、このTBLAs' と運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' との差に補正ゲインE2を乗じた補正項を付加して助手席側ファン制御用総合信号TBLAsを下記の数10式に基づいて演算する。ここで、補正ゲインE1,E2は、図4に示す前記処理により設定されたものであり、これらのファン制御用総合信号TBLDr,TBLAsは、その値が大きいほど冷房時制御の要請が大きい場合であることを、また、小さいほど暖房時制御の要請が大きい場合であることを示している。
【0059】
【数9】
【0060】
【数10】
【0061】
また、ステップ182において、運転席側ファン制御用総合信号TBLDrと助手席側ファン制御用総合信号TBLAsとから最終的なファン制御用総合信号TBLを下記の数11式に基づいて演算する。そして、このファン制御用総合信号TBLに基づき、前記図5の特性が得られるように、送風機7の目標風量(モータへの印加電圧)が設定され、この目標風量となるように送風機7の送風量が調節される。
【0062】
【数11】
【0063】
したがって、暖房起動時においては、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度のうち、大きい方の設定温度と、車室内温度Tr、制御用外気温度TaDなどの車室内外の熱負荷情報から運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' と助手席側ファン制御用仮総合信号TBLAs' とを演算し、これらの仮総合信号に基づいてファン制御用平均総合信号TBLが演算されるので、暖房起動時におけるファン制御用総合信号TBLは、それぞれの側の設定温度を反映させて算出されたファン制御用総合信号よりも小さな値となり、送風機7の目標風量(モータ6への印加電圧)を大きくして送風機7の送風量を増大させることができるようになる。
【0064】
また、冷房起動時においては、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度のうち、小さい方の設定温度と、車室内温度Tr、制御用外気温度TaDなどの車室内外の熱負荷情報から運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' と助手席側ファン制御用仮総合信号TBLAs' とを演算し、これらの仮総合信号に基づいてファン制御用平均総合信号TBLが演算されるので、冷房起動時におけるファン制御用総合信号TBLは、それぞれの側の設定温度を反映させて算出されたファン制御用総合信号TBLよりも大きな値となり、送風機7の目標風量(モータ6への印加電圧)を大きくして送風機7の送風量を増大させることができるようになる。
【0065】
以上の起動時制御に対し、ステップ170において、急速暖房の過渡時制御の要請がないと判定され、且つ、ステップ172において、急速冷房の過渡時制御の要請がないと判定された場合、即ち、ステップ140においてT≧β1であると判定され、且つ、ステップ142においてT≦β2であると判定されてステップ144の設定がなされた場合には、通常制御を実行すべくステップ180、182へそのまま進み、ステップ180において、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度と車室内温度Tr、制御用外気温度TaDなどの車室内外の熱負荷情報から運転席側ファン制御用仮総合信号TBLDr' を演算し、助手席側温度設定器46によって設定された設定温度と車室内温度Tr、制御用外気温度TaDなどの車室内外の熱負荷情報から助手席側ファン制御用仮総合信号TBLAs' を演算し、また、ステップ182において、これらの仮総合信号に基づいてファン制御用平均総合信号TBLが演算される。
【0066】
ところで、急速暖房の過渡時制御が行われている場合に、ステップ174において、解除用設定温度TsetCancel と車室内温度Trとの差が所定値γ1の範囲内に達したと判定された場合には、暖房起動制御を解除すべく図10に示されるステップ184〜194の処理がなされる。即ち、ステップ184において、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とを比較し、TsetDr >TsetAs であると判定された場合には、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr のみならず助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs に対しても運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr が割り当てられている場合であるので、ステップ186、188において、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs をTsetDr から助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs に至るまで徐々に低くくし、TBLsetAs がTsetAs に至った時点で、ステップ190へ進んで暖房起動時の急速暖房の要請を示すフラグ(Warmup Flag)をリセットする(Warmup Flag=0とする)。
【0067】
また、ステップ184において、TsetDr ≦TsetAs であると判定された場合には、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs のみならず運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr に対しても、助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs が割り当てられている場合であるので、ステップ192、194において、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr をTsetAs から運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr に至るまで徐々に低くし、TBLsetDr がTsetDr に至った時点で、ステップ190へ進んで暖房起動時の急速暖房の要請を示すフラグ(Warmup Flag)をリセットする(Warmup Flag=0とする)。
【0068】
これに対し、急速冷房の過渡時制御が行われている場合に、ステップ176において、解除用設定温度TsetCancel と車室内温度Trとの差が所定値γ2の範囲内に達したと判定された場合には、冷房起動制御を解除すべく図11に示されるステップ196〜206の処理がなされる。即ち、ステップ196において、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とを比較し、TsetDr <TsetAs であると判定された場合には、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr のみならず助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs に対しても運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr が割り当てられている場合であるので、ステップ198、200において、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs をTsetDr から助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs に至るまで徐々に高くし、TBLsetAs がTsetAs に至った時点で、ステップ202へ進んで冷房起動時の急速冷房の要請を示すフラグ(Cooldown Flag)をリセットする(Cooldown Flag=0とする)。
【0069】
また、ステップ196において、TsetDr ≧TsetAs であると判定された場合には、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs のみならず運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr に対しても、助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs が割り当てられている場合であるので、ステップ204、206において、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr をTsetAs から運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr に至るまで徐々に高くし、TBLsetDr がTsetDr に至った時点で、ステップ202へ進んで冷房起動時の急速冷房の要請を示すフラグ(Cooldown Flag)をリセットする(Cooldown Flag=0とする)。
【0070】
したがって、暖房起動時の制御は、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度のうち、小さい方の設定温度に車室内温度がTrが所定範囲内に達した時点で解除され、以後、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr を運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr とし、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs を助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とする通常の送風機制御が行われる。
【0071】
また、冷房起動時の制御においては、運転席側温度設定器45によって設定された設定温度と助手席側温度設定器46によって設定された設定温度のうち、大きい方の設定温度に車室内温度がTrが所定範囲内に達した時点で解除され、以後、運転席側送風機制御用設定温度TBLsetDr を運転席側温度設定器45によって設定された設定温度TsetDr とし、助手席側送風機制御用設定温度TBLsetAs を助手席側温度設定器46によって設定された設定温度TsetAs とする通常の送風機制御が行われる。
【0072】
以上の送風機制御により、暖房起動時と冷房起動時のそれぞれの過渡時における空調ゾーンの温度変化を概括すると、暖房起動時においては、暖房する要請が強いことから、それぞれのミックスドアはホット側へ駆動されると共に、設定温度の高い方に合わせて送風機7の送風量が大きくなり、図12(a)の太線に見られるように、それぞれの空調ゾーンの温度は急速に上昇するようになる。その後、車室内温度が低い方の設定温度と所定範囲内で一致するt1に達すると、暖房起動時の過渡時制御が解除され、送風機7の送風量は、それぞれの設定温度を加味した送風量に低下し、それぞれの空調ゾーンの温度は、このt1の時点からそれぞれの設定温度に収束又は維持するような制御が行われることとなる。即ち、設定温度が低い側の空調ゾーンに対しては、その空調ゾーンの温度が設定温度に達した後にこれを維持するように吹出温度が調節され(特性線a)、また、設定温度が高い側の空調ゾーンに対しては、その設定温度に至るまで空調ゾーンの温度がt1以前の段階よりも緩やかな割り合いで上昇していくこととなる(特性線b)。
【0073】
したがって、暖房起動時の当所から双方の総合信号を考慮して送風機7の送風量を制御する場合には、図12(b)に示されるように、起動後の早い時点(車室内温度が低い側の設定温度に到達するt1よりも前の時点)から送風量が低下し、それぞれの空調ゾーンの温度がそれぞれの設定温度に収束するまでに時間を要するものであったが、上述した制御のように、高い設定温度のみを考慮して起動する場合には、それぞれの空調ゾーンの温度が設定温度に至るまでの時間を短くすることができるようになる。
【0074】
また、暖房起動制御の解除時期を、車室内温度が高い方の設定温度に所定範囲内で一致した時期とする場合には、破線で示されるように、それぞれの空調ゾーンが高い設定温度に至るt2まで急速暖房が行われることになり、設定温度の高い側の空調ゾーンに対しては、その空調ゾーンの温度が設定温度に達した後にこれを維持するように吹出温度が調節されるようになるが(特性線c)、設定温度の低い側の空調ゾーンに対しては、その空調ゾーンの温度が、一旦、高い設定温度に達した後に低下することとなり、大きくオーバーシュートする不都合がある(特性線d)。
【0075】
これに対して、上述した本構成例によれば、車室内温度が設定温度の低い方の温度に所定範囲内で一致した場合に暖房起動制御を解除するようにしているので、設定温度に速やかに収束させつつ、上述したオーバーシュートを防止することができるようになり、急速暖房の要請に適うと共に、それぞれの空調ゾーンに対して暖房起動制御時における不快な空調感を回避することができるようになる。
【0076】
また、冷房起動時においては、冷房する要請が強いことから、それぞれのミックスドアはクール側へ駆動されると共に、設定温度の低い方に合わせて送風機の風量が大きくなり、図13(a)の太線に見られるように、それぞれの空調ゾーンの温度は急速に低下するようになる。その後、車室内温度が高い方の設定温度と所定範囲内で一致するt3に達すると、冷房起動時の過渡時制御が解除され、送風機7の送風量は、それぞれの設定温度を加味した送風量に低下することとなり、それぞれの空調ゾーンの温度は、このt3の時点からそれぞれの設定温度に収束又は維持するような制御が行われることとなる。即ち、設定温度が高い側の空調ゾーンに対しては、その空調ゾーンの温度が設定温度に達した後にこれを維持するように吹出温度が調節され(特性線e)、また、設定温度が低い側の空調ゾーンに対しては、その設定温度に至るまで空調ゾーンの温度がt3以前よりも緩やかに割り合いで低下していくこととなる(特性線f)。
【0077】
したがって、冷房起動時の当所から双方の総合信号を考慮して送風機7の送風量を制御する場合には、図13(b)に示されるように、起動後の早い時点から(車室内温度が高い側の設定温度に到達するt3よりも前の時点)から送風量が低下し、それぞれの空調ゾーンの温度がそれぞれの設定温度に収束するまでに時間がかかるものであったが、上述した制御のように、低い設定温度のみを考慮して起動する場合には、それぞれの空調ゾーンの温度が設定温度に至るまでの時間を短くすることができるようになる。
【0078】
また、冷房起動制御の解除時期を、車室内温度が低い方の設定温度に所定範囲内で一致した時期とする場合には、破線で示されるように、それぞれの空調ゾーンが低い設定温度に至るt4まで急速冷房が行われることになり、設定温度の低い側の空調ゾーンに対しては、その空調ゾーンの温度が設定温度に達した後にこれを維持するように吹出温度が調節されるようになるが(特性線g)、設定温度が高い側の空調ゾーンに対しては、その空調ゾーンの温度が、一旦、低い設定温度に達した後に上昇することとなり、大きくオーバーシュートする不都合がある(特性線h)。
【0079】
これに対して、上述した本構成例によれば、車室内温度が設定温度の高い方の温度に所定範囲内で一致した場合に冷房起動制御を解除するようにしているので、設定温度に速やかに収束させつつ、上述したオーバーシュートを防止することができるようになり、急速冷房の要請に適うと共に、それぞれの空調ゾーンに対して冷房起動制御時における不快な空調感を回避することができるようになる。
【0080】
また、それぞれの起動時における過渡時制御から通常制御への移行の際には、ステップ188、194、200、206において、温度設定器によって設定された設定温度と異なる温度が送風機制御用設定温度に割り当てられた側に対し、その送風機制御用設定温度を徐々に切り換えるようにしたので(暖房起動時においては、低い方の設定温度が割り当てられなかった送風機制御用設定温度を低い方の設定温度に徐々に戻し、冷房起動時においては、高い方の設定温度が割り当てられなかった送風機制御用設定温度を高い方の設定温度に徐々に戻すようにしたので)、過渡時制御から通常制御へのスムーズな移行を実現することができ、オーバーシュートを効果的に抑えることができるようになる。
【0081】
尚、上述の構成においては、車両の左右を独立温調する車両用空気調和装置について説明したが、車両の前後を独立温調する場合など、隣接する空調ゾーンを独立温調する場合に適した構成である。また、モードドアを左右で連動させる構成例を示したが、ミックスドアのように左右で独立に制御するようにしても、インテーク切替装置4、送風機7、エバポレータ8、ヒータコア14などを左右で別々に設けて同様の制御を行うようにしてもよい。
【0082】
また、上述の制御において、暖房起動時の過渡時制御においては、運転席側温度設定器45及び助手席側温度設定器46によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の目標温度と車室内外の熱負荷情報とに基づいて目標送風量を演算し、冷房起動時の過渡時制御においては、それぞれの目標温度のうち低い方の目標温度と車室内外の熱負荷情報とに基づいて目標送風量を演算するようにしたが、暖房起動時の過渡時制御においては、高い方の目標温度に代えてその近傍の温度を用いるようにし、高い方の目標温度に重点を置いた制御を行うようにしてもよい。同様に、冷房起動時においても、低い方の目標温度に代えてその近傍の温度を用いるようにし、低い方の目標温度に重点を置いた制御を行うようにしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、暖房起動時の過渡時制御を行う要請があると判定された場合に、第1の空調ゾーンの目標温度を設定する第1の温度設定手段によって設定された目標温度と第2の空調ゾーンの目標温度を設定する第2の温度設定手段によって設定された目標温度のうちの高い方の温度又はその近傍の温度と車室内外の熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量を制御し、冷房起動時の過渡時制御を行う要請があると判定された場合に、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうちの低い方の温度又はその近傍の温度と車室内外の熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量を制御するようにしたので、暖房起動時および冷房起動時のそれぞれにおいて、各空調ゾーンの温度を目標温度に対して速やかに収束させることができるようになる。
【0084】
また、過渡時制御を解除する要請がある場合には、過渡時制御を解除した上で第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度と車室内外の熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量を制御するようにすれば、過渡時制御から通常制御へのスムーズに移行させることができる。
【0085】
特に、暖房起動時の過渡時制御であれば、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に過渡時制御を解除し、また冷房起動時の過渡時制御であれば、第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に過渡時制御を解除し、その上で第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの温度と熱負荷検出手段によって検出された車室内外の熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう送風機の送風量を制御する構成とすれば、目標温度に到達する時間を短くすることができると共にそれぞれの空調ゾーンの温度が目標温度に対してオーバーシュートすることを極力回避することができるようになる。
【0086】
即ち、暖房起動時においては、目標温度が低い空調ゾーンに対しても空調ゾーンの温度が目標温度を大きく超えることがなくなり、また、冷房起動時においては、目標温度の高い空調ゾーンに対しても空調ゾーンの温度が目標温度を大きく下回ることがなくなる。この際、送風機の過渡時制御から通常制御への移行を徐々に行うようにすれば、オーバーシュートをより効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる車両用空気調和装置を示す図である。
【図2】図2は、コントロールユニットによる空調制御の動作例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、図2に示すステップ68の総合信号演算処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4は、総合信号演算およびに用いる定数E1、E2を演算するフローチャートである
【図5】図5は、図2に示すステップ72の送風機制御の内容を説明する特性線図である。
【図6】図6は、図2に示すステップ74のモードドア制御の内容を説明する特性線図である。
【図7】図7は、図2に示すステップ76のインテークドア制御の内容を説明する特性線図である。
【図8】図8は、図5に示すファン制御用総合信号TBLの演算処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図8に示すファン制御用総合信号TBLの演算処理の続きを示すフローチャートである。
【図10】図10は、図9のB−C間で行われる移行制御を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図9のD−E間で行われる移行制御を示すフローチャートである。
【図12】図12は、暖房起動時のそれぞれの空調ゾーンの温度変化を説明する特性線図であり、図12(a)は本発明の制御による温度変化を説明する特性線図であり、図12(b)は従来の制御による温度変化を示す特性線図である。
【図13】図13は、冷房起動時のそれぞれの空調ゾーンの温度変化を説明する特性線図であり、図13(a)は本発明の制御による温度変化を説明する特性線図であり、図13(b)は従来の制御による温度変化を示す特性線図である。
【符号の説明】
7 送風機
12 運転席側分路
13 助手席側分路
15 運転席側のミックスドア
16 助手席側のミックスドア
18a,19a デフロスト吹出口
18b,19b ベント吹出口
18c,19c フット吹出口
20a,21a デフドア
20b,21b ベントドア
20c,21c フットドア
31 室内温度センサ
32 外気温センサ
45 運転席側温度設定器
46 助手席側温度設定器
Claims (4)
- 車室内の第1の空調ゾーンに対して空調風を供給する吹出口を備えた第1の空調系と、車室内の第2の空調ゾーンに対して空調風を供給する吹出口を備えた第2の空調系とを有し、前記第1及び第2の空調系で送風機を共通にし、それぞれの空調系で前記空調風の温度を独立に変更する温度調節手段を備える車両用空気調和装置において、
前記第1の空調ゾーンの目標温度を設定する第1の温度設定手段と、
前記第2の空調ゾーンの目標温度を設定する第2の温度設定手段と、
車室内外の熱負荷情報を検出する熱負荷情報検出手段と、
起動時において過渡時制御を行う要請があるか否かを判定する過渡時制御要請判定手段と、
前記過渡時制御要請判定手段によって暖房起動時の過渡時制御を行う要請があると判定された場合に、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の目標温度又はその近傍の温度と前記熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう前記送風機の送風量を制御し、前記過渡時制御要請判定手段によって冷房起動時の過渡時制御を行う要請があると判定された場合に、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の目標温度又はその近傍の温度と前記熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるよう前記送風機の送風量を制御する過渡時送風量制御手段と、
起動時における前記過渡時制御を解除する要請があるか否かを判定する過渡時制御解除要請判定手段とを具備し、
前記過渡時制御解除要請判定手段は、前記暖房起動時の過渡時制御であれば、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち低い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に前記過渡時制御を解除する要請があると判定し、前記冷房起動時の過渡時制御であれば、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの目標温度のうち高い方の温度と車両内温度との差が所定範囲内となった場合に前記過渡時制御を解除する要請があると判定するものであることを特徴とする車両用空気調和装置。 - 前記過渡時制御解除要請判定手段によって前記過渡時制御を解除する要請があると判定された場合に、前記過渡時送風制御手段による送風量の制御を解除し、前記第1及び第2の温度設定手段によって設定されたそれぞれの温度と前記熱負荷情報検出手段によって検出された熱負荷情報とに基づいて算出された目標送風量となるように前記送風機の送風量を制御する通常送風量制御手段と
を更に具備することを特徴とする請求項1記載の車両用空気調和装置。 - 前記過渡時送風量制御手段による送風量の制御から前記通常送風量制御手段への移行は、徐々に行われることを特徴とする請求項2記載の車両用空気調和装置。
- 前記第1の空調ゾーンは運転席側の空調ゾーンであり、前記第2の空調ゾーンは助手席側の空調ゾーンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用空気調和装置。
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