JP2006151098A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】デュアルエアコンを搭載した車両でリアエアコンを作動させた場合、外気温度や日射量によっては、フロント窓ガラスに曇りが発生したり、乗員に顔火照りが起こることがあった。
【解決手段】車両用空調装置はフロントエアコン60、リアエアコン80及び制御装置35を備える。フロントエアコンはフロントデフロスタ吹出口28a及びフロントフット吹出口28cを有するフロント用空調ダクト10と、フロント用空調ダクト内に収容されたフロント用ヒータコア24とを含む。リアエアコンはリアフット吹出口84bを有するリア用空調ダクト82と、リア用空調ダクト内に収容されたリア用ヒータコア86とを含む。フロントエアコンはフットモード又はフットデフロスタモードに切換え可能で、リアエアコンはフットモードを設定可能である。制御装置は、フロントエアコン及びリアエアコンを作動させるデュアル運転時、フロントエアコンのフットデフロストモード領域を拡大し、フロント窓ガラスの曇りを防止する。
【選択図】図1
【解決手段】車両用空調装置はフロントエアコン60、リアエアコン80及び制御装置35を備える。フロントエアコンはフロントデフロスタ吹出口28a及びフロントフット吹出口28cを有するフロント用空調ダクト10と、フロント用空調ダクト内に収容されたフロント用ヒータコア24とを含む。リアエアコンはリアフット吹出口84bを有するリア用空調ダクト82と、リア用空調ダクト内に収容されたリア用ヒータコア86とを含む。フロントエアコンはフットモード又はフットデフロスタモードに切換え可能で、リアエアコンはフットモードを設定可能である。制御装置は、フロントエアコン及びリアエアコンを作動させるデュアル運転時、フロントエアコンのフットデフロストモード領域を拡大し、フロント窓ガラスの曇りを防止する。
【選択図】図1
Description
本発明は車両用空調装置、特にフロントエアコン及びリアエアコンを備える車両用空調装置に関する。より詳細には、フロントエアコン及びリアエアコンの作動時に、フロント窓ガラスの曇り防止及び乗員の顔火照りの防止を図る車両用空調装置に関する。
車両の空調装置は、諸条件に応じて最適の吹出モードが選択されるようになっている。例えば、車両が冬季、寒冷地走行時はフットモードを選択して車室内を暖房し、大半の暖気を乗員の足元に吹き出し、残りの暖気をフロント窓ガラスの内面に吹き出す。一方、フロント窓ガラスの外面は温度が低い冷気にさらされ、しかも走行により空気が衝突し、温度が低くなる。フロント窓ガラスの内面と外面との温度差により、内面に曇りが発生する。
フロント窓ガラスの曇りを防止するため、諸条件を考慮して、フットモードを、フット吹出口とデフロスタ吹出口とを併用して空気を吹出すフットデフロスタモードに切り換える。フットデフロスタモードでは、暖気を乗員の足元に吹き出すとともに、フロント窓ガラスにも吹き出す。
従来の車両用空調装置(特許文献1参照)では、フロント窓ガラスの曇りを防止するために、外気温、日射量及び車速等を検出し、すべての条件を満たした場合、目標吹出温度(TAO)が曇り線図上のどのポイントにあるかを判断し、フットモード又はフットデフロスタモードを選択している。但し、所定値以上の日射量がある場合、日射により窓ガラス温度が上昇し窓曇りは発生し難いと判断し、フットデフロスタモードをフットモードに切り換えている。
特開2002−370521号公報
上記従来例は1つの空調装置(シングルエアコン)が搭載された車両を対象にしている。しかし、ワンボックス車のように2つの空調装置(デュアルエアコン:フロントエアコン及びリアエアコンを備える空調装置の全体を指す)が搭載された車両に上記制御を応用した場合、フロントエアコンをフットデフロスタモードからフットモードに切り換えても曇りが防止できるとは限らない。即ち、リアエアコンはフットモード時に室内の内気を吸い込み加熱した後室内に吹き出しているが、内気は乗員が吐いた息を含む等のため多くの湿気を含んでいる。特に、外気温度が低く(低外気温で)、車両が高速で走行している時(高車速時)は冷たい風が強くフロントガラスに衝突するので、窓の曇りを生じやすい。
この場合、リアエアコンを作動させると、内気循環の湿った空気がフット吹出口から吹き出され、車両後方から前方に向かって流れる。この湿った空気はフロントエアコンのフット吹出口から吹き出した暖かい空気に巻き上げられる。しかも、リアエアコンのフット吹出口からの風は、湿った空気を車室内の上部を通して車両前席の方向へ流す。この結果、湿った空気が車室前方の窓ガラスに到達し易くなる。また、デュアル運転時はシングル運転時と異なり、日射量がある程度あってもフロントガラスが曇り易い。
なお、上記従来例の制御から単純に日射有無の判定を除去することも考えられる。しかし、その場合、モードの選択が外気温及び車速によって決まり、例えば外気温が0℃付近で日射量が多いときフロントエアコンがフットデフロスタモードとなり、車室内の上部、特に乗員の上半身又は顔面に向けて温風が過剰に供給される。この結果、顔火照りが発生し、乗員に不快感を与えてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、デュアルエアコンを搭載した車両でフロントエアコンと同時にリアエアコンを作動させた場合でも、フロント窓ガラスに曇りが発生し難く、しかも乗員に顔火照りが起こり難い車両用空調装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者は、フロント窓ガラスの曇り防止のためのフロントエアコンのフットデフロスタモードからフットモードへの切換え、及びフットモードでの乗員の火照りのおそれを検討した。本発明による車両用空調装置は、請求項1に記載したように、(1) フロント窓ガラスに空気を吹き出すフロントデフロスタ吹出口及びフロントシートに座った乗員の足下に空気を吹き出すフロントフット吹出口を有するフロント用空調ダクトと、フロント用空調ダクト内に収容されたフロント用ヒータコアとを含むフロントエアコンと、(2) リアシートに座った乗員の足下に空気を吹き出すリアフット吹出口を有するリア用空調ダクトと、リア用空調ダクト内に収容されたリア用ヒータコアとを含むリアエアコンと、(3) フロントエアコン及びリアエアコンを制御する制御装置とを備える。
フロントエアコンは、フット吹出口から主に空気を吹き出すフットモード、又はフットモードに比較してデフロスタ吹出口から吹き出す風量を増加させるか又はフットモードの状態に加えてデフロスタ吹出口からも空気を吹出させるフットデフロスタモードに切換え可能である。リアエアコンは、リアフット吹出口から空気を吹き出すフットモードを設定可能である。デュアル運転時、フロントエアコンのフットデフロスタモード領域を拡大してフロント窓ガラスの曇りを防止する。
本発明にかかる車両用空調装置によれば、フロントエアコンのフットデフロスタモード領域を拡大したので、シングル運転時よりもフロント窓ガラスが曇り易いデュアル運転時でも、フロント窓ガラスの曇りが防止される。請求項2及び3の車両用空調装置によれば、フロントエアコンのフットモードとフットデフロスタモードとの間の切換えを車速すなわち車両の走行速度及び外気温度に基づき行なうので、フロント窓ガラスの曇りがより確実に防止できる。
請求項4、5及び6の車両用空調装置によれば、フットデフロスタモード領域を拡げた結果、背反として起こり得る乗員の顔火照りの発生する領域を明確にし、車室内外の状態がその領域に入るとフットモードに切り換える。その結果、フットモードではデフロスタ吹出口からの空気の吹出量が減るか又は遮断され、フット吹出口からの空気の吹き出し量が多くなり、乗員の顔火照りが防止できる。
請求項7の車両用空調装置によれば、制御装置が暫定的にフロントエアコン及びリアエアコンのフットモードを選択するメインルーチンと、最終的にフロントエアコンのフットデフロスタモード又はフットモードを選択するサブルーチンとを実行するので、的確な制御が可能となる。請求項8の車両用空調装置によれば、制御装置はリアエアコンの送風機のオン・オフに基づきシングル運転又はデュアル運転を選択するので、リアエアコンの切換えと運転方式とが対応し、空調装置の作動が的確になる。
本発明の車両用空調装置はフロントエアコン、リアエアコン及び制御装置を備える。つまりデュアルエアコンに適用可能である。
(イ)フロントエアコン
フロントエアコンは、空気の吸入口及び吹出口を備えた空調ダクト内に蒸発器及びヒータコア等が収容された構成を採用できる。フロントエアコンは、フット吹出口及びデフロスタ吹出口からの吹出空気を暖風又は温風とする暖房手段を備えて構成されることができ、暖房手段として例えばヒータコアが用いられる。フロントエアコンは、吹出空気を冷風とするか冷房手段をさらに備え、冷房手段として冷凍サイクルの室内熱交換としての蒸発器を用いることができる。
フロントエアコンは、空気の吸入口及び吹出口を備えた空調ダクト内に蒸発器及びヒータコア等が収容された構成を採用できる。フロントエアコンは、フット吹出口及びデフロスタ吹出口からの吹出空気を暖風又は温風とする暖房手段を備えて構成されることができ、暖房手段として例えばヒータコアが用いられる。フロントエアコンは、吹出空気を冷風とするか冷房手段をさらに備え、冷房手段として冷凍サイクルの室内熱交換としての蒸発器を用いることができる。
フロントエアコンの吹出口として少なくともフット吹出口及びデフロスタ吹出口を含み、フットモードでは、フット吹出口から前席の乗員の足下に多量の空気を吹き出す。フットモードでは、少量の空気をデフロスタ吹出口からフロント窓ガラスに吹き出すことができ、デフロスタ吹出口からの吹出しを遮断しても良い。フットデフロスタモードでは、フットモード時に比べてフット吹出口から吹き出す空気量を減らし、デフロスタ吹出口から吹き出す空気量を増やすことができる。またフットデフロスタモードでは、フットモードでは遮断されていたデフロスタ吹出口からの吹出しを、行う構成としても良い。蒸発器は熱交換により空気を冷風に換え、ヒータコアは熱交換により空気を暖風(温風)に変える。
(ロ)リアエアコン
リアエアコンの空調ダクトは、少なくとも後席の乗員の足元に開口するフット吹出口を備え、蒸発器及びヒータコア等を収容して構成されることができる。リアエアコンは、少なくともフット吹出口からの吹出空気の温度を暖風とする暖房手段を備えて構成され、暖房手段として例えばヒータコアが用いられる。
リアエアコンの空調ダクトは、少なくとも後席の乗員の足元に開口するフット吹出口を備え、蒸発器及びヒータコア等を収容して構成されることができる。リアエアコンは、少なくともフット吹出口からの吹出空気の温度を暖風とする暖房手段を備えて構成され、暖房手段として例えばヒータコアが用いられる。
(ハ)制御装置
2つの制御部を含む制御装置でフロントエアコンとリアエアコンとを別々に制御しても良いが、1つの制御部でフロントエアコン及びリアエアコンの両方を制御することが望ましい。以下、後者について説明する。制御装置は、車両の各部分の状態を感知する感知部(センサ)と、フロントエアコン及びリアエアコンの送風機やモードドア等を作動させる駆動部と、感知部からの信号に基づき駆動部の作動を制御する制御部とを含む。ここで感知部とは水温センサ、外気センサ、開度センサ、日射センサ、車速センサ等である。また、駆動部とは送風機用モータ、エアミックスドア用モータ、モードドア用モータ等である。
2つの制御部を含む制御装置でフロントエアコンとリアエアコンとを別々に制御しても良いが、1つの制御部でフロントエアコン及びリアエアコンの両方を制御することが望ましい。以下、後者について説明する。制御装置は、車両の各部分の状態を感知する感知部(センサ)と、フロントエアコン及びリアエアコンの送風機やモードドア等を作動させる駆動部と、感知部からの信号に基づき駆動部の作動を制御する制御部とを含む。ここで感知部とは水温センサ、外気センサ、開度センサ、日射センサ、車速センサ等である。また、駆動部とは送風機用モータ、エアミックスドア用モータ、モードドア用モータ等である。
制御装置は、デュアル運転時車速及び外気温度に基づき、フロントエアコンのフットモードとフットデフロスタモードとを切り換える切換制御におけるフットデフロスタモードの領域が広くなるように切り換える。例えば、切換手段における切換特性を規定する関数又はマップ上におけるフットデフロスタモードが占める範囲を拡大する。その際、車速が速く、外気温度が低い程切換え温度を高くする。
制御装置は、デュアル運転時にフロントエアコンがフットデフロスタモードでリアエアコンがフットモードのとき、外気温度及び日射量に基づき、乗員の顔火照りの発生を判定する。例えば、外気温度と日射量とに基づいて、乗員の顔火照りを生じることが懸念されるような空調状態であるか否かを判定し、その懸念を判定すると、フロントエアコンの吹出モードをフットモードとする。比較的高い第1外気温度(例えば0℃付近)での比較的多い第1日射量ではフロントエアコンのフットモードを、比較的低い第2外気温度(例えば−20℃付近)での比較的少ない第2日射量ではフットデフロスタモードを選択する。
また、制御装置はメインルーチン及びサブルーチンを実行することが望ましい。メインルーチンは感知部の信号から必要吹出温度と呼ばれる値であるTAOを算出し、フロントエアコンの内外気モードを決定し、フロントエアコン及び/又はリアエアコンをフットモードに暫定的に決定し、ドアを駆動する。必要吹出温度TAOは、例えば、車室内を設定温度に温度制御するために必要とされる吹出口からの吹出空気温度として、車室温度、設定温度、外気温度、蒸発器後空気温度、日射量などの感知部による検出信号を変数として、予め定められた関数に感知部による検出信号を与えて求めることができる。
サブルーチンは暫定的に決定されたフロントエアコンのフットモードをウォームアップ、車速、曇り限界温度線図上のTAOの位置、外気温度、フロントエアコン/リアエアコンの作動、顔火照りの発生に基づき、最終的にフットモード又はフットデフロスタモードに決定する。なお、制御装置は、リアエアコンの送風機の作動・非作動に応じて、デュアル運転又はシングル運転を選択することができる。シングル運転時、日射量の多少に基づきフットモード又はフットデフロスタモードを選択する。
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
(構成)
装置全体を示す図1に示すように、車両用空調装置は前方空調装置としてのフロントエアコン60と、後方空調装置としてのリアエアコン80と、制御装置35とを含む。
装置全体を示す図1に示すように、車両用空調装置は前方空調装置としてのフロントエアコン60と、後方空調装置としてのリアエアコン80と、制御装置35とを含む。
(イ)フロント用空調ケース、ヒータコア
図1及び図2において、フロントエアコン60の空調ケース10は吸入口13a等及び吹出口28a等を備え、蒸発器21やヒータコア24を収容している。空調ケース10の上流端に設けられた内外気切替箱11の内部の内外気切替ドア12により内気吸入口13aと外気吸入口13bとを開閉し、車室内の空気(内気)又は車室外の空気(外気)を切替え導入する。内外気切替ドア12はサーボモータ14で駆動されるようになっている。
図1及び図2において、フロントエアコン60の空調ケース10は吸入口13a等及び吹出口28a等を備え、蒸発器21やヒータコア24を収容している。空調ケース10の上流端に設けられた内外気切替箱11の内部の内外気切替ドア12により内気吸入口13aと外気吸入口13bとを開閉し、車室内の空気(内気)又は車室外の空気(外気)を切替え導入する。内外気切替ドア12はサーボモータ14で駆動されるようになっている。
内外気切替箱11の下流側に配置された送風機16のケ一ス17内に遠心式送風ファン19が収納され、駆動用モータ18で回転駆動される。送風機16の下流側に蒸発器21が配置され、エンジン(図示せず)で駆動される圧縮機22から冷媒が圧送される。蒸発器21の下流側に温水式ヒータコア24が配置され、その側方にバイパス通路25が形成されている。蒸発器21とヒータコア24との間にエアミックスドア26が回動可能に配置され、ヒータコア24を通過する空気とバイパス通路25を通過する空気との風量割合を調節することにより、車室内への吹出空気の温度を調節する。エアミックスドア26はサーボモータ27で駆動されるようになっている。
空調ケース10の下流端部に、インパネに開口するデフロスタ吹出口28a、フェイス吹出口28b及び前席のフロアに開口するフット吹出口28cが形成され、何れも回動自在な板状のモードドアにより開閉されている。モードドアはサーボモータ29により駆動され、フェイスモード、バイレベルモード、フットモードフットデフロスタモード及びデフロスタモードの何れか一つを選択可能である。
フットモードでは、全開したフット吹出口28cから主に乗員の下半身に空気を吹き出し、少し開いたデフロスタ吹出口28aからフロント窓ガラスに少量の空気を吹き出す。フットデフロスタモードでは、フットモードに比較してフット吹出口28cからの吹出風量を減少させ、デフロスタ吹出口28aからの吹出風量を増加させる。サーボモータ14,27及び29等の作動は後述する電子制御装置(ECU)35により制御される。
(ロ)リアエアコン
図1において、リアエアコン80の空調ケース82はルーフに開口するフェイス吹出口84a及びフロアに開口するフット吹出口84bを備えるが、デフロスタ吹出口は備えていない。蒸発器85及びヒータコア86を収容している。但し、圧縮機22はフロントエアコン60と共用している。送風ファン、エアミックスドア、吹出モードドアを開閉する(何れも不図示)ドアは次述する電子制御装置35により制御される。
図1において、リアエアコン80の空調ケース82はルーフに開口するフェイス吹出口84a及びフロアに開口するフット吹出口84bを備えるが、デフロスタ吹出口は備えていない。蒸発器85及びヒータコア86を収容している。但し、圧縮機22はフロントエアコン60と共用している。送風ファン、エアミックスドア、吹出モードドアを開閉する(何れも不図示)ドアは次述する電子制御装置35により制御される。
(ハ)電子制御装置
図1において、マイコンを含む電子制御装置35に、各種センサ26、27・・で検出した信号が入力される。センサとしては温水温度Twを検出する水温センサ36、内気温Trを検出する内気センサ37、外気温Tamを検出する外気センサ38、日射量Tsを検出する日射センサ39、蒸発器21の冷却度としての蒸発器21の吹出温度Teを検出する温度センサ41、エアミックスドア26の実際の開度θを検出する開度センサ42、車速SPDを検出する車速センサ43、車室内湿度(相対湿度)RHを検出する湿度センサ44等がある。
図1において、マイコンを含む電子制御装置35に、各種センサ26、27・・で検出した信号が入力される。センサとしては温水温度Twを検出する水温センサ36、内気温Trを検出する内気センサ37、外気温Tamを検出する外気センサ38、日射量Tsを検出する日射センサ39、蒸発器21の冷却度としての蒸発器21の吹出温度Teを検出する温度センサ41、エアミックスドア26の実際の開度θを検出する開度センサ42、車速SPDを検出する車速センサ43、車室内湿度(相対湿度)RHを検出する湿度センサ44等がある。
操作パネル46に、乗員により手動操作される各種操作部材(スイッチ)47、48・・が備えられている。操作部材としては温度設定信号Tsetを発生する温度設定スイッチ47、送風機16の風量切替信号を発生する風量スイッチ48、内外気切替信号を発生する内外気切替スイッチ49、吹出モード信号を発生する吹出モードスイッチ51、圧縮機22の電磁クラッチ56のオン−オフ信号を発生するエアコンスイッチ(A/C)52、空調の自動制御モードを設定するオートスイッチ(AUTO)53等がある。これらスイッチの操作信号も電子制御装置35に入力されている。
(作用)
電子制御装置35によるフロントエアコン60及びリアエアコン80のメイン制御プロセスを図3のフローチャートに示す。図3の制御ルーチンは、イグニッションスイッチのオンにより電子制御装置35に電源が供給された状態で、空調操作パネルのオートスイッチ53が投入されるとスタートする。以下、センサ36等の信号を読み込みTAOを算出し、TAOに基づきエアミックスドア26の開度、送風ファン18の風量、内外気モード及び吹出モードを決定する。
電子制御装置35によるフロントエアコン60及びリアエアコン80のメイン制御プロセスを図3のフローチャートに示す。図3の制御ルーチンは、イグニッションスイッチのオンにより電子制御装置35に電源が供給された状態で、空調操作パネルのオートスイッチ53が投入されるとスタートする。以下、センサ36等の信号を読み込みTAOを算出し、TAOに基づきエアミックスドア26の開度、送風ファン18の風量、内外気モード及び吹出モードを決定する。
a.メインルーチン
ステップS1でフラグ、タイマなどが初期化され、ステップS2でセンサ36,37・・からの検出信号、パネル46のスイッチ47,48・・・からの操作信号等を読み込む。ステップS3で下記数式1に基づき、車室内へ吹き出す空調空気の目標吹出温度TAOを算出する。このTAOは車室内の温度を温度設定スイッチ47で設定した設定温度Tsetに維持するために必要な吹出温度である。
ステップS1でフラグ、タイマなどが初期化され、ステップS2でセンサ36,37・・からの検出信号、パネル46のスイッチ47,48・・・からの操作信号等を読み込む。ステップS3で下記数式1に基づき、車室内へ吹き出す空調空気の目標吹出温度TAOを算出する。このTAOは車室内の温度を温度設定スイッチ47で設定した設定温度Tsetに維持するために必要な吹出温度である。
Tr:内気センサ37で検出される内気温
Tam:外気センサ38で検出される外気温
Ts:日射センサ39で検出される日射量
Kset、Kr、Kam,Ks:制御ゲイン C:補正用定数
次に、ステップS4で下記数式2に基づきエアミックスドア26の目標開度SWを算出する。
Tam:外気センサ38で検出される外気温
Ts:日射センサ39で検出される日射量
Kset、Kr、Kam,Ks:制御ゲイン C:補正用定数
次に、ステップS4で下記数式2に基づきエアミックスドア26の目標開度SWを算出する。
Te:蒸発器温度センサ41により検出される蒸発器21の吹出温度
Tw:水温センサ36により検出されるヒータコア24の温水温度
ステップS5で上記TAOに基づき、図5(a)(b)のマップを利用して、送風ファン16による送風空気の目標風量BLWを算出する。図5(a)は基本制御のマップを示し、目標風量がTAOの高温側(暖房側)及び低温側(冷房側)で大きく、TAOの中間温度域で小さくなっている。
Tw:水温センサ36により検出されるヒータコア24の温水温度
ステップS5で上記TAOに基づき、図5(a)(b)のマップを利用して、送風ファン16による送風空気の目標風量BLWを算出する。図5(a)は基本制御のマップを示し、目標風量がTAOの高温側(暖房側)及び低温側(冷房側)で大きく、TAOの中間温度域で小さくなっている。
これに対して、図5(b)はウォームアップ制御のマップを示し、ウォームアップ制御はヒータコア24の温水温度Twが低い冬季暖房始動時における冷風の吹出しを防止するために実行される。温水温度Twが第1所定温度Tw1(例えば57℃)よりも低いときは送風機16を停止させ、Twが第1所定温度Tw1を超えると送風機16を最低風量Loで起動させる。温水温度Twが第2所定温度Tw2(例えば60℃)に上昇すると、送風機16の風量を最高風量Hiに上昇させる。TwがTw2よりも高くなるとウォームアップ制御を終了し、図5(a)の基本制御に移行する。
ステップS6でTAOに応じてフロントエアコン60の内外気モードを決定する。この内外気モードではTAOが低温側から高温側へ上昇するにつれて、全内気モード→内外気混入モード→全外気モードと、又は全内気モード→全外気モードと切替え設定する。次に、ステップS7でTAOに応じて吹出モードを決定する。
b.サブルーチン
ステップS7でフロントエアコン60及びリアエアコン80のフットモードが選択された場合は、その詳細を図4に示すサブルーチンに進む。なお、これは仮の決定であり、フロントエアコン60がフットモード又はフットデフロスタモードは後述するステップS10で最終決定される。
ステップS7でフロントエアコン60及びリアエアコン80のフットモードが選択された場合は、その詳細を図4に示すサブルーチンに進む。なお、これは仮の決定であり、フロントエアコン60がフットモード又はフットデフロスタモードは後述するステップS10で最終決定される。
サブルーチンではフロントエアコン60及びリアエアコン80が過渡(ウォームアップ)状態か定常状態かを判定し、ウォームアップ状態の場合は、外気温度及び日射量を判定して吹出モードを決定する。この判定は、フロントエアコン60及びリアエアコン80が作動していれば両方について行い、フロントエアコン60のみが作動していればフロントエアコン60について行う。これに対して、定常状態の場合は、外気温度、車速、目標吹出温度TAOが曇り線図上のどのポイントにあるかを判定してフロントエアコン60及びリアエアコン80の吹出モードを決定する。
c.ウォームアップ状態
具体的には、図8(a)に示すように、水温Twが第1所定温度Tw1(例えば57℃)よりも低いときはウォームアップ時と判定し、図8(c)に示すマップを用いてステップS17で低外気温かどうか判定する。ウォームアップ状態とは、フロントエアコン60及びリアエアコン80が作動していれば両方の状態を意味し、フロントエアコン60のみが作動していればフロントエアコン60の状態を意味する。その際、図8(c)に示すように外気温度の上昇時にTamがTam2(例えば0℃)を超えるとNO、外気温度の下降時にTamがTam1(例えば−1℃)を超えるとYESになる。
具体的には、図8(a)に示すように、水温Twが第1所定温度Tw1(例えば57℃)よりも低いときはウォームアップ時と判定し、図8(c)に示すマップを用いてステップS17で低外気温かどうか判定する。ウォームアップ状態とは、フロントエアコン60及びリアエアコン80が作動していれば両方の状態を意味し、フロントエアコン60のみが作動していればフロントエアコン60の状態を意味する。その際、図8(c)に示すように外気温度の上昇時にTamがTam2(例えば0℃)を超えるとNO、外気温度の下降時にTamがTam1(例えば−1℃)を超えるとYESになる。
次に、図8(d)に示すマップを用いてステップS18で低日射がどうか判定する。その際、図8(d)に示すように、日射量Tsの増加時にTsがd+2(例えば350W/m2)を超えるとNO、日射量の減少時にTsがd(例えば210W/m2)を下回るYESになる。ステップS17及び18での判定がともにYESのとき、即ち低外気温で低日射のとき、ステップS25でフロントエアコン60がフットデフロスタモードに切り換わる。なお、リアエアコン80がフットモードで作動していればそのままにする。また、ステップS17又は18での判定がNOのとき、ステップS20でフットモードが維持される。
d.定常状態
水温Tsが第2所定温度Tw2(例えば60℃)よりも高いときはウォームアップ制御が終了し定常状態に移行したと判定し、基本制御を行う。定常状態とは、フロントエアコン60及びリアエアコン80が作動していれば両方の状態を意味し、フロントエアコン60のみが作動していればフロントエアコン60の状態を意味する。定常状態では、ステップS11での判定がNOとなるのでシーケンスがステップS12に進み、車速SPDが所定値以上かどうかを判定する。
水温Tsが第2所定温度Tw2(例えば60℃)よりも高いときはウォームアップ制御が終了し定常状態に移行したと判定し、基本制御を行う。定常状態とは、フロントエアコン60及びリアエアコン80が作動していれば両方の状態を意味し、フロントエアコン60のみが作動していればフロントエアコン60の状態を意味する。定常状態では、ステップS11での判定がNOとなるのでシーケンスがステップS12に進み、車速SPDが所定値以上かどうかを判定する。
具体的には図8(b)に示すように、増速時に車速SPDが第2所定値SP2(例えば30km/h程度)よりも高いときは所定値以上(YES)とし、減速時に第1所定値SP1(例えば20km/h程度)よりも低いときは所定値以下(NO)とする。判定がYESのときはステップS13に進み、図9に示す曇り線図に基づき、TAOが曇り限界温度よりも低いかどうかを判定する。判定がNOの場合は曇りが発生しないのでステップS20に進み、フロントエアコン60のフットモードを維持する。
図9は外気温度に対するTAOの変化(TAOの曇り限界温度)を、車速及び車室内湿度をパラメータとして表示したものである。定常状態を示す図5(a)のマップでTAOが所定温度T1よりも高温側の範囲はフットモードの設定域であり、この設定域では送風機16からの車室内への風量が増加し、フロント窓ガラス温度を上昇させるので防曇上問題ない。よって、ステップS13での判定はNOとなり、ステップS20に進み、フロントエアコン60のフットモードを維持する。
車速が高くなるほど窓ガラス温度を低下させ曇り域が拡大するので、TAOの曇り限界温度は車速の上昇につれて高くなる。図9において曇り限界温度は、Aで示す車速100km/hの場合が最も高く、Bで示す車速70km/hの場合が中程度で、Cで示す車速40km/hの場合が最も低い。また、外気温が低くなるほどフロント窓ガラス温度を低下させ、曇り域を拡大する。従って、何れの車速A、B及びCでも、TAOの曇り限界温度は外気温が低下するにつれて(図9の左方にすすむにつれて)高くなっている。
ここでは、車速と外気温とで決定されるTAOの曇り限界温度を、更に車室内湿度で補正している。車速が100km/h,70km/h及び40km/hの全ての場合において、破線、実線及び一点鎖線はそれぞれ車室内湿度が40%(基準湿度)時、20%(低湿度)時、及び60%(高湿度)時における曇り限界温度である。車速の速遅に関わらず、高湿度の場合がTAOが最も高く、低湿度の場合が最も低く、基準湿度の場合は中程度になっている。低湿度時の曇り限界温度と基準湿度時の曇り限界温度と高湿度時の曇り限界温度との差(補正量)は、外気温が低下する程、増加するように設定している。
車速が100km/h,70km/h及び40km/hの場合において、TAOの曇り限界温度より低温側(図9の下方)の領域がフロント窓ガラス曇り域となり、高温側の領域がフロント窓ガラス晴れ域となる。例えば、車速が70km/hの場合を示すBの上方b1が窓ガラス晴れ領域で、下方b2が窓ガラス曇り領域である。
ステップS13で図9に基づきTAOが対応する車速の曇り限界温度より低いか(曇り域にあるか)どうか判定する。
具体的には、図6においてフットモードでのTAOの上昇時は、モード切替温度B4(例えば43℃)を上回ると曇るおそれが大きいのでフットデフロスタモードに切り換わり、フットデフロスタモードでのTAOの下降時は温度B3を下回ると曇るおそれが小さいのでフットモードに切り換わる。切替温度B3、B4は外気温度、車速及び日射量等に関係なく予め決める。
フットモードでのTAOの下降時は温度aを下回ると曇るおそれが大きいのでフットデフロスタモードに切り換わり、フットデフロスタモードでの上昇時は温度b=a+4を上回ると曇るおそれが小さいのでフットモードに切り換わる。温度aは下記数式3で求める。
bはaに4を加えた値であり(b=a+4)、リアエアコン80のヒータコア86のオフ時はb=0,d=3とし、オン時はb=5,d=5とする。但し、a≧B4である。
Xは図7(a)から求め、例えば車速40Km/hのときX=−1とする。Yは図7(b)から求め、例えば車速40Km/hのときY=45とする。更に、Zは図7(c)から求め、例えば湿度RH1のときZ=Z2とする。ステップS13での判定がYESの場合はステップS14に進み、NOの場合は曇りが発生しないのでステップS20でフットモードを維持する。
このように、フットモードからフットデフロスタモードに切り換わるタイミング(aで表示)、及びフットデフロスタドアモードからフットモードに切り換わるタイミング(bで表示)を車速と外気温とで決めている。外気温が低く車速が速いほど曇り易いので、aの値は、外気温及び車速を考慮したことによりこれらを考慮しない場合に比べて大きくなる。その結果、フットモードが狭く、フットデフロスタモードが広くなり、フロント窓ガラスの曇りを防止できる確率が高められる。
ステップS14での判定は具体的には、図8(c)に示すように、降温時に外気温Tamが第1所定温度Tam1(例えば、−1℃)を下回るとは低外気温(YES)とし、ステップS15に進む。昇温時に外気温Tamが第2所定温度Tam2(例えば0℃)を上回ると低外気温でない(NO)とし、ステップS20でフットモードを維持する。
e.次に、エアコンがデュアル運転かシングル運転かを判定するために、ステップS15で図10(a)に示すようにリアエアコン80の送風機(リアブロワ)スイッチのオン/オフを検知する。前者の場合は顔火照りが発生するおそれがある。
e−1.シングル運転
シングル運動とは、フロントエアコン60のみ運転させることを言う。シングル運転の場合、ステップS18で日射量の高低を判定し、NO(高日射)の場合は曇りがないのでステップS20でフロントエアコン60のフットモードを維持する。一方、YES(低日射)の場合は曇りがあるのでステップS25でフットデフロスタモードを選択する。
e−2.デュアル運転
デュアル運転とは、フロントエアコン60及びリアエアコン80の両方を作動させることを言う。ステップS15での判定がデュアル運転の場合、フロントエアコン60のフット吹出口28cとともに、リアエアコン80のフット吹出口84bから湿度の高い空気が吹き出しているので、例え高日射でも曇り易い。しかし、直ちにフットデフロスタモードにせず、外気温と日射量とに基づきフットデフロスタモードで顔火照りが発生するか否かを判定し、一定の場合にのみフットデフロスタモードに切り換える。
e−1.シングル運転
シングル運動とは、フロントエアコン60のみ運転させることを言う。シングル運転の場合、ステップS18で日射量の高低を判定し、NO(高日射)の場合は曇りがないのでステップS20でフロントエアコン60のフットモードを維持する。一方、YES(低日射)の場合は曇りがあるのでステップS25でフットデフロスタモードを選択する。
e−2.デュアル運転
デュアル運転とは、フロントエアコン60及びリアエアコン80の両方を作動させることを言う。ステップS15での判定がデュアル運転の場合、フロントエアコン60のフット吹出口28cとともに、リアエアコン80のフット吹出口84bから湿度の高い空気が吹き出しているので、例え高日射でも曇り易い。しかし、直ちにフットデフロスタモードにせず、外気温と日射量とに基づきフットデフロスタモードで顔火照りが発生するか否かを判定し、一定の場合にのみフットデフロスタモードに切り換える。
即ち、図11の顔火照りマップに示すように、フットデフロスタモード時、顔火照りは外気温が高く日射量が少ないほど発生し易く、外気温が低く日射量が多いほど発生し難い傾向がある。従って、外気温が0℃付近でフットデフロスタモードに切り換えると、比較的低い日射量(400W/m2程度)でも顔火照りが発生する。一方、外気温が−20℃付近では、日射量が比較的多い(800W/m2程度)場合でも顔火照りは発生しない。
そこで、顔火照りの発生の有無の判定方法として、図10(b)に示す外気温度Tamと、図10(c)に示す日射量Tsとを比較する。詳述すると、図10(b)に示すように、外気温度Tamの上昇時は所定値を上回る毎にTの値を小さくし、下降時は所定値を下回る毎にTの値を大きくする。例えばTam1が0℃、Tam3が−5℃、Tam5が−20℃である。こうして、外気温度の高低をランク付けする。また、図10(c)に示すように、日射量Tsの増加時は所定値を上回る毎にSの値を大きくし、減少時は所定値を下回る毎にSの値を小さくする。例えばTs1が280W/m2、Ts3が560W/m2である。こうして、日射量の多少をランク付けする。
比較結果を図10(d)で判定し、ステップS16でフロントエアコン60をフットモードからフットデフロスタモードに変更しても顔火照りが発生しない領域かどうか判定する。その際、TからSを減じた値TamTsを導入し、TamTs=T−Sとする。TamTsが0.5を下回るときは高温、高日射なのでステップS16での判定をNOとし、ステップS20でフットモードを維持する。1.0を上回るときは低温、低日射なのでステップS16での判定がYESとなり、ステップS25でフットデフロスタモードに切り換える。
以上の説明から分かるように、シングル運転でもデュアル運転でも、ステップS8で暫定的にフロントエアコン60及びリアエアコン80のフットモードが選択され、ステップS12、S13及びS14の判定の結果曇りが発生しない限り、ステップS20で最終的にフットモードが維持される。また、デュアル運転時にステップS16での判定の結果顔火照りが発生するときもフットモードが維持される。
これに対して、ステップS25でフットデフロスタモードが選択されるのは以下の3つに大別される。第1に、ウォームアップ時(ステップS11がYES)に、低外気温(ステップS17がYES)しかも低日射(ステップS18がYES)の場合である。この場合にフットデフロスタモードを選択するのは、ヒータコア24の温水温度が低いため空気の吹出温度が低くなり、しかも空気の吹出風量が少ないためにフロント窓ガラスが曇り易いためである。
第2に、定常状態(ステップS11がNO)、車速が所定値以上(ステップS12がYES)、TAOが曇り限界温度よりも低い(ステップS13がYES)、低外気温で(ステップS14がYES)、フロントエアコンのみ作動するシングル運転(ステップS15がNO)で、しかも低日射(ステップS18がYES)の場合である。フットデフロスタモードにするのは、シングル運転でも低外気温等のためフロント窓ガラスが曇り易いからである。
第3に、定常状態(ステップS11がNO)、車速が所定値以上(ステップS12がYES)、TAOが曇り限界温度よりも低い(ステップS13がYES)、低外気温で(ステップS14がYES)、フロントエアコン60及びリアエアコン80が作動するデュアル運転(S15がYES)で、フットデフロスタモードにしても顔火照りが発生しない(ステップS16がYES)場合である。これにより曇りの発生及び顔火照りの発生が防止される。なお、第3のデュアル運転では第2のシングル運転での低日射の代わりに、外気温と日射量とで決まる顔火照りを考慮しているのは、デュアル運転時、高日射では、外気温が0℃では顔火照りが発生するが、−20℃では発生しないからである。
次に、図3に戻って、ステップS21で蒸発器21の目標吹出温度TEOと実際吹出温度Teとを比較して、圧縮機22の作動の断続(オン−オフ)を決定する。実際吹出温度Teが目標吹出温度TEOよりも低くなると圧縮機22を停止状態とし、TeがTEOよりも高くなると圧縮機22を作動状態とする。
ステップS22において、上記各ステップS3,4,5,6,7・・10,11で演算された各種制御値を各サーボモータ19,27及び29に出力して空調制御を行う。詳述すると、サーボモータ14はステップS6の内外気モードが得られるように内外気切替ドア12の操作位置を制御する。また、サーボモータ29はステップS7,S10の吹出モードが得られるように吹出モードドアの操作位置を制御する。
サーボモータ27は、エアミックスドア26の開度センサ42により検出される実際のドア開度θがステップS4で求めた目標開度SWと一致するように、エアミックスドア26の開度を制御する。サーボモータ19はステップS5で求めた目標風量BLWが得られるように回転数が制御される。電磁クラッチ56は、実際吹出温度TeがS21で求めた目標吹出温度TEOとなるように圧縮機22の作動をオン−オフ制御する。
(効果)
この実施例によれば、以下の効果が得られる。第1に、デュアル運転時のフロント窓ガラスの曇り防止と乗員の快適性維持とが両立できる。即ち、フロント窓ガラスの曇り防止に関し、ステップS15でリアブロワのオン・オフを判定する前にステップS12からS14で曇りの発生を判定している。
この実施例によれば、以下の効果が得られる。第1に、デュアル運転時のフロント窓ガラスの曇り防止と乗員の快適性維持とが両立できる。即ち、フロント窓ガラスの曇り防止に関し、ステップS15でリアブロワのオン・オフを判定する前にステップS12からS14で曇りの発生を判定している。
また、乗員の快適性の維持に関し、デュアル運転時にフロントエアコン60のフットデフロスタモードで乗員に顔火照りが発生するときは、フロントエアコン60をフットモードに切り換える。その結果、デフロスタ吹出口28aからの空気の吹き出し量が減り、フット吹出口28cからの空気の吹き出し量が多くなる。ここで、ステップS16は外気温のみでなく、図10(b)(c)及び(d)のグラフ、及び図11のマップをもとに顔火照りの有無を判定している。その上で、図6において外気温が0℃付近では、日射量が少なくてもフットデフロスタモードでは顔火照りが生ずるので、フットモードに切り換えている。
第2に、フロントエアコン60のフットモード又はフットデフロスタモードの選択(切換え)が的確である。その理由はサブルーチンのステップS11でウォームアップ状態と定常状態とを区別していること、また図9の曇り限界線図においてTAOを湿度で補正していること、等による。
第3に、モード選択のための制御が簡単になる。図3のメインルーチンのステップS8で暫定的にフロントエアコン60及びリアエアコン80のフットモードを選択し、図4のサブルーチンではフットモードが適当でない特定の場合にのみフロントエアコン60をフットデフロスタモードに切り換えるからである。なお、シングル運転時もフロント窓ガラスの曇りが防止されることは言うまでもない(図4のステップS18参照)。
10:フロント空調ダクト 21:フロント蒸発器
24:フロントヒータコア 28a:フロントデフロスタ吹出口
28c:フロントフット吹出口 14,19,29:駆動用モータ
35:フロント用制御部 60:フロントエアコン
80:リアエアコン 81:リア空調ダクト
85:リア蒸発器 86:リアヒータコア
84b:リアフット吹出口
24:フロントヒータコア 28a:フロントデフロスタ吹出口
28c:フロントフット吹出口 14,19,29:駆動用モータ
35:フロント用制御部 60:フロントエアコン
80:リアエアコン 81:リア空調ダクト
85:リア蒸発器 86:リアヒータコア
84b:リアフット吹出口
Claims (8)
- フロント窓ガラスに空気を吹き出すフロントデフロスタ吹出口(28a)、及びフロントシートに座った乗員の足下に空気を吹き出すフロントフット吹出口(28c)を有するフロント用空調ダクト(10)と、該フロント用空調ダクト内に収容されたフロント用ヒータコア(24)とを含むフロントエアコン(60)と、
リアシートに座った乗員の足下に空気を吹き出すリアフット吹出口(84b)を有するリア用空調ダクト(82)と、該リア用空調ダクト内に収容されたリア用ヒータコア(86)とを含むリアエアコン(80)と、
前記フロントエアコン及び前記リアエアコンを制御する制御装置(35)とを備え、
前記フロントエアコンはフットモード又はフットデフロスタモードに切換え可能で、前記リアエアコンはフットモードを設定可能で、
前記制御装置は、前記フロントエアコン及び前記リアエアコンを作動させるデュアル運転時、該フロントエアコンのフットデフロストモード領域を拡大し、フロント窓ガラスの曇りを防止することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記制御装置は、前記フロントエアコンのフットデフロスタモードからフットモード、及びフットモードからフットデフロスタモードへの切換え温度を、車速及び外気温度に基づき決定する請求項1に記載の車両用空調装置。
- 車速が速く、外気温度が低い程、前記切換え温度を高く設定する請求項2に記載の車両用空調装置。
- 前記制御装置は、前記デュアル運転時、前記フロントエアコンのフットデフロスタモードで乗員に顔火照りが発生するときは、該フロントエアコンをフットモードに切り換える請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記制御装置は、フットデフロスタモードにおける外気温度及び日射量に基づき、前記乗員の顔火照りの発生を判定する請求項4に記載の車両用空調装置。
- 比較的高い第1外気温度での比較的多い第1日射量では前記フロントエアコンのフットモードを、比較的低い第2外気温度での比較的少ない第2日射量では該フロントエアコンのフットデフロスタモードを選択する請求項5に記載の車両用空調装置。
- 前記制御装置は、目標吹出温度を算出し前記フロントエアコン及び/又は前記リアエアコンを暫定的にフットモードに設定するメインルーチンと、
前記フロントエアコンのフットモードを車速、曇り限界温度線図上の目標吹出温度の位置、外気温度、顔火照りの発生に基づきフットモード又はフットデフロスタモードに決定するサブルーチンとを実行する請求項6に記載の車両用空調装置。 - 前記制御装置は、前記リアエアコンの送風機の作動・非作動に応じて、前記デュアル運転、又はフロントエアコンのみ作動させるシングル運転を選択する請求項1に記載の車両用空調装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004342280A JP2006151098A (ja) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | 車両用空調装置 |
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JP2004342280A JP2006151098A (ja) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | 車両用空調装置 |
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JP2004342280A Pending JP2006151098A (ja) | 2004-11-26 | 2004-11-26 | 車両用空調装置 |
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JP (1) | JP2006151098A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009154697A (ja) * | 2007-12-26 | 2009-07-16 | Calsonic Kansei Corp | バッテリ温度管理装置 |
US10717339B2 (en) | 2018-03-21 | 2020-07-21 | Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. | Start and stop blower map based on sunload to improve fuel economy |
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US10974570B2 (en) | 2018-04-19 | 2021-04-13 | Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America, Inc. | Limit for compressor speed based on inverter temperature for air conditioner in vehicle |
-
2004
- 2004-11-26 JP JP2004342280A patent/JP2006151098A/ja active Pending
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