JP2003136935A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2003136935A JP2001333020A JP2001333020A JP2003136935A JP 2003136935 A JP2003136935 A JP 2003136935A JP 2001333020 A JP2001333020 A JP 2001333020A JP 2001333020 A JP2001333020 A JP 2001333020A JP 2003136935 A JP2003136935 A JP 2003136935A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストを高くすることなく、顔の火照りを抑
えつつウインドウの防曇性能を確保することのできる車
両用空調装置を提供する。 【解決手段】 エアコンECU10は、送風機ユニット
3、4における外気導入の率が所定値以下となった時、
車両ウインドウの防曇制御としてウインドウへの空調風
の吹出風量または吹出風速または配風割合を時間と共に
所定値まで大きくする。これにより、コストを高くする
ことなく、時間と共にウインドウへの空調風での防曇能
力を上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を
回避でき、顔の火照りも最小限に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内に吹き出す
空調風の風量や温度等の空調能力を自動制御可能な車両
用空調装置に関し、特に車両のウインドウを防曇する防
曇制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空調装置は、吹き出す
空調風の風量や温度等を制御することにより車室内を快
適な環境にすると共に、ウインドウの曇りを防止し、あ
るいはウインドウの曇りの除去を行って、運転者の視界
を確保し、安全で快適な運転を可能にすることを目的と
する。
【0003】ここで、特許登録第2933675号公報
の記載においては、ウインドウの曇りを防止するデフロ
スタ装置として、自動車用空調機に結露検知手段を組み
合わせてデフロスタ能力を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
デフロスタ能力を制御するのに結露検知手段を用いる方
法は、非常にコストが高くなってしまうという問題があ
る。また、制御における処理として単純にデフロスタ吹
出口からの吹き出し風量を多くしてデフロスタ能力を上
げると、乗員の顔が火照るという別の問題がある。
【0005】本発明は、上記従来の問題に鑑みて成され
たものであり、その目的は、コストを高くすることな
く、顔の火照りを抑えつつウインドウの防曇性能を確保
することのできる車両用空調装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では以下の技術的手段を採用する。
【0007】請求項1記載の発明では、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇
制御としてウインドウへの空調風の吹出風量または吹出
風速または配風割合を時間と共に所定値または所定割合
まで大きくすることを特徴とする。
【0008】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共にウインドウへの空調風での防曇能力を上げる
ことにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、
顔の火照りも最小限に抑えることができる。
【0009】請求項2記載の発明では、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇
制御として空気冷却手段(41)による空気冷却温度を
時間と共に所定値または所定温度差まで低くすることを
特徴とする。
【0010】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共に空気冷却手段(41)での除湿能力を上げる
ことにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、
顔の火照りも起こさない。
【0011】請求項3記載の発明では、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時、ウインドウの防曇制御
としてウインドウ加熱手段(43)の稼動率を時間と共
に所定値まで大きくすることを特徴とする。
【0012】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共にウインドウ加熱手段(43)での加熱能力を
上げることにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避
でき、顔の火照りも起こさない。
【0013】請求項4記載の発明では、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇
制御として内外気送風手段(3、4)での外気導入率を
時間と共に所定値まで大きくすることを特徴とする。
【0014】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共に外気導入率を上げて換気能力を上げることに
より乗員の呼吸等による湿度上昇を抑えて内気モード時
の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさな
い。
【0015】請求項5記載の発明では、風量割合調節手
段(24、26、34、36)で実行している吹出モー
ドを表示する吹出モード表示手段(52)を備え、空調
制御手段(10)は、内外気送風手段(3、4)におけ
る外気導入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実
行し、ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速
または配風割合、または空気冷却手段(41)による空
気冷却温度、またはウインドウ加熱手段(43)の稼動
率、または内外気送風手段(3、4)での外気導入率が
所定値に達した時、吹出モード表示手段(52)での表
示をFOOT/DEFモードとすることを特徴とする。
【0016】これにより、ウインドウへの空調風の吹出
風量または吹出風速または配風割合が多い吹出状況と吹
出モード表示とを合わせることで乗員の違和感を無くす
ことができる。また、空気冷却手段(41)による空気
冷却温度、またはウインドウ加熱手段(43)の稼動
率、または内外気送風手段(3、4)での外気導入率の
可変による防曇制御の場合でも、乗員にデフロスタ機能
も実行していることを示すことができる。
【0017】請求項6記載の発明では、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時防曇制御を実行すると共
に、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、ウ
インドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配
風割合、または空気冷却手段(41)による空気冷却温
度、またはウインドウ加熱手段(43)の稼動率、また
は内外気送風手段(3、4)での外気導入率の変更度合
を可変することを特徴とする。
【0018】これにより、ウインドウが曇り難い環境条
件の時には曇り晴らし能力を下げた防曇制御とすること
ができるため、より顔の火照りや外気臭の侵入を回避し
た快適性優先の制御か、または冷凍サイクルや加熱手段
の稼動率を抑えた省エネの制御とすることができる。
【0019】請求項7記載の発明では、空調制御手段
(10)は、風量割合調節手段(24、26、34、3
6)の設定を自動で行うオート吹出口制御モードの時
で、内外気送風手段(3、4)における外気導入の率が
所定値以下となった時に防曇制御を実行することを特徴
とする。
【0020】これにより、オート吹出口制御モードの時
には請求項1〜4の防曇制御により内気モード時の窓曇
りの危険性を回避し、マニュアルで吹出口が選択されて
いる場合には乗員の意志での選択に対応して能力は変化
させないこととなる。
【0021】請求項8記載の発明では、空調制御手段
(10)は、防曇制御を実行するか否かを乗員の操作に
て選択できる防曇制御選択手段(57)を備えたことを
特徴とする。これにより、窓曇り防止を考慮した本発明
の制御パターンと暖房能力や省エネを優先する通常の制
御パターンとを乗員が選択することができる。
【0022】請求項9記載の発明では、車室内空気を清
浄にする空気清浄手段(44)を備え、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時に外気導入率を時間と共
に増やす防曇制御を実行すると共に、空気清浄手段(4
4)の能力を時間と共に所定値まで大きくすることを特
徴とする。
【0023】これにより、外気導入率を上げたことによ
る外気臭侵入の危険性に対し、空気清浄能力も同時に上
げることによって乗員の快適性を確保できる。
【0024】請求項10記載の発明では、吹出口(2
0、23、30、33)に空調風の吹出方向を自動制御
する吹出方向制御手段(45)を備え、空調制御手段
(10)は、内外気送風手段(3、4)における外気導
入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行すると
共に、吹出方向制御手段(45)により空調風の吹出方
向を乗員外に向けたことを特徴とする。
【0025】これにより、外気導入率を上げたことによ
る外気臭侵入の危険性に対し、空調風の吹出方向を乗員
外に向けて外気臭を感じ難くすることによって乗員の快
適性を確保できる。因みに、上記各手段の括弧内の符号
は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係
を示す一例である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を、図面
に基づき説明する。
【0027】(第1実施形態)図1ないし図5は本発明
の第1実施形態を示したもので、図1はオートエアコン
システムの全体構成を示したものである。また、図2は
インストルメントパネルを示した図で、図3はエアコン
操作パネルを示した図である。
【0028】本実施形態の車両用空調装置、いわゆるカ
ーエアコンは、走行用に水冷エンジンを搭載する自動車
等の車両の、車室内を空調する空調ユニット1における
各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御手段(以下
エアコンECUという)10によって制御するように構
成されたオートエアコンシステムである。
【0029】その空調ユニット1は、車室内の運転席側
(運転席後方の後部座席を含む)空調ゾーンと、助手席
側(助手席後方の後部座席を含む)空調ゾーンとの温度
調節及び吹出口モードの変更等を、互いに独立して行う
ことが可能なエアコンユニットである。
【0030】空調ユニット1は、車両の車室内の前方に
配置された空調ダクト2を備えている。この空調ダクト
2の上流側には、内外気切替ドア3及びブロワ4とが設
けられていて内外気送風手段としての送風機ユニットと
なっている。内外気切替ドア3は、サーボモータ5等の
アクチュエータにより駆動されて内気吸込口6と外気吸
込口7との開度(いわゆる吸込口モード)を変更する吸
込口切替手段である。
【0031】ブロワ4は、ブロワ駆動回路8によって制
御されるブロワモータ(送風ファン駆動手段)9により
回転駆動されて空調ダクト2内において車室内に向かう
空気流を発生させる遠心式送風機である。尚、ブロワ4
は、後述する運転席側、助手席側の各吹出口から車室内
の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席側、助手
席側フロントウインドウの内側)に向けてそれぞれ吹き
出される空調風の吹出風量または吹出風速を変更する吹
出風量可変手段または吹出風速可変手段を構成する。
【0032】空調ダクト2の中央部には、空調ダクト2
を通過する空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポ
レータ(冷却用熱交換器)41が設けられている。ま
た、そのエバポレータ41の空気下流側には、第1、第
2空気通路11、12を通過する空気をエンジンの冷却
水と熱交換して加熱するヒータコア(加熱用熱交換器)
42が設けられている。尚、第1、第2空気通路11、
12は、仕切板14により区画されている。また、例え
ば電力を用いて走行する車両に用いられた車両用空調装
置では、エバポレータをペルチェ素子に変更しても良
い。
【0033】そのヒータコア42の空気上流側には、車
室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンとの温
度調節を互いに独立して行うための運転席側、助手席側
エアミックス(A/M)ドア15、16が設けられてい
る。そして、運転席側、助手席側A/Mドア15、16
は、サーボモータ17、18等のアクチュエータにより
駆動されて、後述する運転席側、助手席側の各吹出口か
ら車室内の運転席側、助手席側空調ゾーン(特に運転席
側、助手席側フロントウインドウの内側)に向けてそれ
ぞれ吹き出される空調風の吹出温度を変更する運転席
側、助手席側吹出温度可変手段を構成する。
【0034】ここで、本実施形態のエバポレータ41
は、冷凍サイクルの一構成部品を成すものである。冷凍
サイクルは、車両のエンジンルーム内に搭載された車両
走行用のエンジンの出力軸にベルト駆動されて、冷媒を
圧縮して吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)と、この
コンプレッサより吐出された冷媒を凝縮液化させる冷媒
凝縮器(コンデンサ)と、このコンデンサより流入した
液冷媒を気液分離する受液器(レシーバ)と、このレシ
ーバより流入した液冷媒を断熱膨張させる膨張弁(エキ
スパンション・バルブ)と、このエキスパンション・バ
ルブより流入した気液二相状態の冷媒を蒸発気化させる
上記のエバポレータ(冷媒蒸発器)とから構成されてい
る。
【0035】これらの内コンプレッサは、エアコンEC
U10により制御される電磁クラッチによって、エンジ
ンからの回転力が断続される。そして、電磁クラッチが
ONされてコンプレッサが起動することによってエバポ
レータ41が空調ダクト2内を通過する空気を冷却し除
湿することで、車室内温度が下がり、フロントウインド
ウを含むウインドウの内側が曇り難くなる。
【0036】本実施形態では、エバ後温度センサ74の
検出値であるエバ後温度(TE)と目標エバ後温度(T
EO)との比較結果に応じて出力される制御信号に基づ
き容量可変制御を行う電磁式容量可変制御弁を有する容
量可変コンプレッサが用いられている。
【0037】そして、第1空気通路11の空気下流側に
連通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2
に示したように、運転席側デフロスタ(DEF)吹出口
20、運転席側センタフェイス(FACE)吹出口2
1、運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口22及
び運転席側フット(FOOT)吹出口23が開口してい
る。
【0038】また、第2空気通路12の空気下流側に連
通する各吹出ダクトの空気下流端では、図1及び図2に
示したように、助手席側デフロスタ(DEF)吹出口3
0、助手席側センタフェイス(FACE)吹出口31、
助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口32及び助
手席側フット(FOOT)吹出口33が開口している。
【0039】尚、運転席側、助手席側DEF吹出口2
0、30は、フロントウインドウへ空調風(主に温風)
を吹き出すための吹出口を構成し、運転席側、助手席側
サイドFACE吹出口22、32は、サイドウインドウ
へ空調風(主に温風)を吹き出すための吹出口を構成す
る。
【0040】そして、第1、第2空気通路11、12内
には、車室内の運転席側と助手席側との吹出口モードの
設定を互いに独立して行う運転席側、助手席側吹出口切
替ドア24〜26、34〜36が設けられている。そし
て、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24〜26、3
4〜36は、サーボモータ28、29、38、39等の
アクチュエータにより駆動されて運転席側、助手席側の
吹出口モードをそれぞれ切り替えるモード切替ドアで、
風量割合調節手段を構成する。
【0041】ここで、運転席側、助手席側の吹出口モー
ドとしては、FACEモード、B/Lモード、FOOT
モード、FOOT/DEFモード、DEFモード等があ
る。尚、運転席側、助手席側吹出口切替ドア24、34
は、運転席側、助手席側DEF吹出口20、30を互い
に独立して開閉することが可能な運転席側、助手席側デ
フロスタドアで、それを駆動するサーボモータ28、3
8は、窓曇りまたは霜付きの防止、或いは窓曇りまたは
霜の除去に効果のある制御を行う防曇手段のアクチュエ
ータを構成する。
【0042】エアコンECU10は、本発明の空調制御
手段に相当するもので、エンジンの始動及び停止を司る
イグニッションスイッチが投入(IG・ON)された時
に、車両に搭載された車載電源であるバッテリー(図示
せず)から直流電源が供給されると演算処理や制御処理
を開始するように構成されている。エアコンECU10
には、図1及び図2に示したように、インストルメント
パネル50に一体的に設置されたエアコン操作パネル5
1上の各種操作スイッチから各スイッチ信号が入力され
るように構成されている。
【0043】そして、エアコン操作パネル51には、液
晶表示装置(LCD:液晶ディスプレイ)52、内外気
切替スイッチ53、フロントデフロスタスイッチ(以下
DEFスイッチと言う)54、リヤデフロスタ(デフォ
ッガ)スイッチ55、DUALイスッチ56、吹出口モ
ード(MODE)切替スイッチ57、ブロワ風量切替ス
イッチ58、A/Cスイッチ59、AUTOスイッチ6
0、OFFスイッチ61、運転席(DRIVER)側温
度設定スイッチ62、助手席(PASSENGER)側
温度設定スイッチ63及び低燃費向上スイッチ64等が
設置されている。
【0044】上記の内のDUALイスッチ56は、運転
席側空調ゾーン内の温度調節と助手席側空調ゾーン内の
温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度コントロ
ールを指令する左右独立制御指令手段である。また、D
EFスイッチ54は、フロントウインドウの防曇の能力
を上げるか否かを指令する空調スイッチに相当するもの
で、吹出口モード(MODE)をDEFモードに固定
(設定)するように要求するDEFモード要求手段であ
る。
【0045】MODE切替スイッチ57は、本発明の防
曇制御選択手段に相当するもので、フロントウインドウ
の防曇の能力を上げるか否かを指令する空調スイッチに
相当し、ユーザーのマニュアル操作に応じて、吹出口モ
ード(MODE)を、FACEモードまたはB/Lモー
ドまたはF/DモードまたはFOOTモードのいずれか
に固定(設定)するように要求するF/Dモード要求手
段である。
【0046】液晶ディスプレイ52には、運転席側、助
手席側空調ゾーンの設定温度を視覚表示する設定温度表
示部、吹出口モードを視覚表示する吹出口モード表示部
(吹出モード表示手段)、及びブロワ風量を視覚表示す
る風量表示部等が設けられている。尚、液晶ディスプレ
イ52に外気温表示部、吸込口モード表示部、時刻表示
部、を設けても良い。また、エアコン操作パネル51上
の各種の操作スイッチは、液晶ディスプレイ52に設け
られていても良い。
【0047】A/Cスイッチ59は、冷凍サイクルのコ
ンプレッサの起動または停止を指令する空調操作スイッ
チである。一般に、A/Cスイッチ59は、コンプレッ
サをOFFしてエンジンの回転負荷を減らすことで燃費
効率を高めるために設けられている。
【0048】運転席側温度設定スイッチ62は、運転席
側空調ゾーン内の温度を所望の温度に設定するための運
転席側温度設定手段で、アップスイッチ62aとダウン
スイッチ62bよりなる。また、助手側温度設定スイッ
チ63は、助手席側空調ゾーン内の温度を所望の温度に
設定するための運転席側温度設定手段で、アップスイッ
チ63aとダウンスイッチ63bよりなる。
【0049】更に、低燃費向上スイッチ64は、冷凍サ
イクルのコンプレッサの稼働率を下げて、低燃費及び省
動力を考慮した経済的な空調制御を行うか否かを指令す
るエコノミー(ECON)スイッチである。
【0050】また、エアコンECU10の内部には、演
算処理や制御処理を行う中央演算装置(CPU)、メモ
リ(ROMまたはEEOROM、RAM)、及びI/O
ポート(入力/出力回路)等の機能を含んで構成される
周知のマイクロコンピュータが設けられ、各種センサー
からのセンサ信号がI/OポートまたはA/D変換回路
によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータ
に入力されるように構成されている。
【0051】即ち、エアコンECU10には、車室内温
度(内気温)を検出する内気温検出手段としての内気温
センサ71、車室外温度(外気温)を検出する外気温検
出手段としての外気温センサ72、及び日射検出手段と
しての日射センサ73が接続されている。
【0052】また、エバポレータ41を通過した直後の
空気温度(以下エバ後温度TEという)を検出するエバ
後温度検出手段としてのエバ後温度センサ74、車両の
エンジン冷却水温を検出する冷却水温検出手段としての
冷却水温センサ75、車室内の相対湿度を検出する湿度
検出手段としての湿度センサ76、及び冷凍サイクルの
高圧側のレシーバとエキスパンション・バルブとの間に
取り付けられ、高圧側圧力を検出する冷媒圧力センサ7
7等が接続されている。
【0053】ここで、湿度センサ76は、内気温センサ
71と共に、運転席近傍のインストルメントパネル50
の前面に形成された凹所内に収容されている。尚、凹所
は通気口が形成された蓋体50aによって塞がれてい
る。
【0054】これらのうち内気温センサ71、外気温セ
ンサ72、エバ後温度センサ74、及び冷却水温センサ
75は、例えばサーミスタ等の感温素子が使用されてい
る。また、日射センサ73は、運転席側空調ゾーン内に
照射される日射量(日射強度)TS(Dr)を検知する
運転席側日射強度検知手段(例えばフォトダイオード)
と、助手席側空調ゾーン内に照射される日射量(日射強
度)TS(Pa)を検知する助手席側日射強度検知手段
(例えばフォトダイオード)とを有している。
【0055】次に、エアコンECU10による制御方法
を図4に基づいて説明する。ここで図4は、エアコンE
CU10の制御プログラムの一例を示したフローチャー
トである。
【0056】まず、イグニッションスイッチがONされ
てエアコンECU10に直流電源が供給されると、予め
ROMに記憶されている制御プログラム(図4のルーチ
ン)の実行が開始される。この時に、エアコンECU1
0内部のマイクロコンピュータに内蔵されたデータ処理
用メモリ(RAM)の記憶内容等の初期化を行う(ステ
ップS1)。
【0057】次に、各種データをデータ処理用メモリ
(RAM)に読み込む。即ち、エアコン操作パネル51
上の各種操作スイッチからのスイッチ信号や各種センサ
からのセンサ信号を入力する(ステップS2)。
【0058】特に、内気温センサ71の検出値である車
室内温度に対応した出力信号TR、外気温センサ72の
検出値である外気温に対応した出力信号TAM、日射セ
ンサ73の検出値である日射量に対応した出力信号TS
(Dr)、TS(Pa)、エバ後センサ74の検出値で
あるエバ後温度に対応した出力信号TE、冷却水温セン
サ75の検出値である冷却水温に対応した出力信号TW
を入力する。
【0059】次に、上記のような記憶データ及び記憶し
ている演算式に基づいて、運転席側の目標吹出温度TA
O(Dr)、及び助手席側の目標吹出温度TAO(P
a)を演算する(ステップS3)。次に、上記のステッ
プS3で求めた運転席側、助手席側の目標吹出温度TA
O(Dr)、TAO(Pa)に基づいてブロワ風量{ブ
ロワモータ9に印加するブロワ制御電圧VA(Dr)、
VA(Pa)}を演算する(ステップS4)。
【0060】実際には、上記のブロワ制御電圧VAは、
運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO(Dr)、T
AO(Pa)にそれぞれ適合したブロワ制御電圧VA
(Dr)、VA(Pa)を予め定めた特性パターンに基
づいて求めると共に、それらのブロワ制御電圧VA(D
r)、VA(Pa)を平均化処理することにより得てい
る。
【0061】次に、上記のような記憶データ及び記憶し
ている演算式に基づいて、運転席側A/Mドア15のA
/M開度SW(Dr)(%)及び助手席側A/Mドア1
6のA/M開度SW(Pa)(%)を演算する(ステッ
プS5)。運転席側、助手席側の目標吹出温度TAO
(Dr)、TAO(Pa)は上記のステップS3で求め
たものに基づく。
【0062】次に、後述する図5のルーチンが起動し
て、ウインドウ防曇制御を行う(ステップS6)。次
に、上記ステップで決定した目標エバ後温度(TEO)
とエバ後センサ74の検出値である実際のエバ後温度
(TE)とが一致するように、フィードバック制御(P
I制御)にてコンプレッサの目標吐出量を決定する(ス
テップS7)。具体的には、コンプレッサに付設された
電磁式容量制御弁の電磁ソレノイドに供給する制御電流
の目標値となるソレノイド電流(制御電流:In)を記
憶している演算式に基づいて演算する。
【0063】次に、ステップS4で決定されたブロワ制
御電流VA(Dr)、VA(Pa)となるようにブロワ
駆動回路8に制御信号を出力する(ステップS8)。次
に、ステップS5で決定されたA/M開度SW(D
r)、SW(Pa)となるようにサーボモータ17、1
8に制御信号を出力する(ステップS9)。
【0064】次に、ステップS6で決定された吹出口モ
ードとなるようにサーボモータ28、29、38、39
に制御信号を出力する(ステップS10)。次に、ステ
ップS7で決定されたソレノイド電流(制御電流:I
n)をコンプレッサに付設された電磁式容量制御弁の電
磁ソレノイドに出力する(ステップS11)。その後に
ステップS2の制御処理に戻る。
【0065】次に、エアコンECU10によるウインド
ウ防曇制御を図1ないし図5に基づいて説明する。ここ
で図5はウインドウ防曇制御を示したフローチャートで
ある。尚、これらの制御は運転席側と助手席側とで互い
に独立して成り立つように行われるため、以降の説明は
運転席側で説明する。
【0066】まず、図5のルーチンが起動すると、ステ
ップS21で吸込口モードが内気モードであるか否かを
判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリタ
ーンして当ステップS21の判定を繰り返す。そして、
内気モードが選択されてステップS21の判定結果がY
ESとなった場合にはステップS22へ進み、吹出口モ
ードがFOOT(フット)モードであるか否かを判定す
る。
【0067】そして、その判定結果がNOの場合にはリ
ターンしてステップS21の判定から繰り返す。そし
て、FOOTモードが選択されてステップS22の判定
結果もYESとなった場合にはステップS23へ進み、
FOOTモードとして乗員足下の暖房を行いつつ、ウイ
ンドウの防曇制御が行なわれる。ステップS23中のグ
ラフに、本発明を適用した防曇制御でのDEFドア24
の開度の時間的な推移を示す。
【0068】そのグラフに示すように、外気モードから
内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時に
DEFドア24の開度は通常制御時の開度に対して時間
と共に増加され、本実施形態では20分後に10%まで
増加したところで維持するように制御される。但し、本
実施形態では、ウインドウへの空調風の吹出風量を可変
するものとしてDEFドアの開度を可変した例を示した
が、防曇能力を可変するものであれば吹出風速または配
風割合を可変しても良い。
【0069】次に、本実施形態の特徴を述べる。エアコ
ンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導
入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防曇
制御としてウインドウへの空調風の吹出風量または吹出
風速または配風割合を時間と共に所定値または所定割合
まで大きくしている。
【0070】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共にウインドウへの空調風での防曇能力を上げる
ことにより内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、
顔の火照りも最小限に抑えることができる。
【0071】(第2実施形態)図6は本発明の第2実施
形態でのウインドウ防曇制御を示したフローチャートで
ある。第1実施形態(図5)と同じ形のフローチャート
で、内気モードとFOOTモードが選択されてステップ
S31、S32の判定結果がYESとなった場合のステ
ップS33の内容のみ異なる。ステップS33中のグラ
フに、本発明を適用した防曇制御でのエバポレータ41
での目標エバ後温度TEOの時間的な推移を示す。
【0072】そのグラフに示すように、外気モードから
内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時に
目標エバ後温度TEOは通常制御時の目標エバ後温度T
EOに対して時間と共に低くし、本実施形態では20分
後に−10℃まで低くしたところで維持するように制御
される。この様にしてFOOTモードとして乗員足下の
暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれる。
【0073】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、送風機ユニット3、4における外気
導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防
曇制御としてエバポレータ41による空気冷却温度を時
間と共に所定値または所定温度差まで低くしている。
【0074】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共にエバポレータ41での除湿能力を上げること
により内気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の
火照りも起こさない。
【0075】(第3実施形態)本実施形態の車両には、
ウインドウの曇りを晴らすためのウインドウ加熱手段と
して熱線43が装備されている。通常は、操作パネル5
1のDEFスイッチ54が乗員の選択により押された場
合、熱線43に通電加熱されウインドウに付いた霜を除
去したり曇りを晴らしたりすると同時に、吹出口モード
をDEFモードに設定して空調風によるウインドウの防
曇能力が上げられる。
【0076】そして、図7は本発明の第3実施形態での
ウインドウ防曇制御を示したフローチャートである。第
1、第2実施形態(図5、図6)と同じ形のフローチャ
ートで、内気モードとFOOTモードが選択されてステ
ップS41、S42の判定結果がYESとなった場合の
ステップS43の内容のみ異なる。ステップS43中の
グラフに、本発明を適用した防曇制御での熱線43の稼
動率の時間的な推移を示す。
【0077】そのグラフに示すように、外気モードから
内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時に
熱線43に通電すると共にその稼動率を時間と共に大き
くし、本実施形態では20分後に50%まで上げたとこ
ろで維持するように制御される。因みに、稼動率の可変
は、例えば図8に示すようなON−OFF比の可変で行
っても良い。この様にしてFOOTモードとして乗員足
下の暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれ
る。
【0078】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、送風機ユニット3、4における外気
導入の率が所定値以下となった時、ウインドウの防曇制
御として熱線43の稼動率を時間と共に所定値まで大き
くしている。
【0079】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共に熱線43での加熱能力を上げることにより内
気モード時の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも
起こさない。
【0080】(第4実施形態)図9は本発明の第4実施
形態でのウインドウ防曇制御を示したフローチャートで
ある。第1〜3実施形態(図5〜7)と同じ形のフロー
チャートで、内気モードとFOOTモードが選択されて
ステップS51、S52の判定結果がYESとなった場
合のステップS53の内容のみ異なる。ステップS53
中のグラフに、本発明を適用した防曇制御での送風機ユ
ニット3、4かの外気導入率の時間的な推移を示す。
【0081】そのグラフに示すように、外気モードから
内気モードへ切り替わった場合等上記条件が揃った時、
送風機ユニット3、4かの外気導入率は0%となるが、
その外気導入率を時間と共に大きくし、本実施形態では
20分後に30%まで上げたところで維持するように制
御される。この様にしてFOOTモードとして乗員足下
の暖房を行いつつ、ウインドウの防曇制御が行なわれ
る。
【0082】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、送風機ユニット3、4における外気
導入の率が所定値以下となった時、車両ウインドウの防
曇制御として送風機ユニット3、4での外気導入率を時
間と共に所定値まで大きくしている。
【0083】これにより、コストを高くすることなく、
時間と共に外気導入率を上げて換気能力を上げることに
より乗員の呼吸等による湿度上昇を抑えて内気モード時
の窓曇りの危険性を回避でき、顔の火照りも起こさな
い。
【0084】(第5実施形態)図10は本発明の第5実
施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示した
フローチャートである。概略、液晶ディスプレイ52等
による吹出モードの表示に関するもので、前述の第1〜
第4実施形態中のステップS23、S33、S43、S
53の防曇制御と同時に実行される。
【0085】まず、図10のルーチンが起動するとステ
ップS61で、ステップS23、S33、S43、S5
3で時間と共に変化したDEFドア24の開度または目
標エバ後温度または熱線43の稼動率または送風機ユニ
ット3、4での外気導入率が所定値に達したか否かを判
定する。
【0086】そして、その判定結果がNOの間はステッ
プS62へ進み、吹出モード表示はFOOTモードを表
示する。そして、所定値となってステップS61の判定
結果がYESとなった場合、ステップS63へ進み吹出
モード表示にF/D(FOOT/DEF)モードを表示
するものである。
【0087】このような本実施形態の特徴として、モー
ド切替ドア24、26、34、36で実行している吹出
モードを表示する液晶ディスプレイ52を備え、エアコ
ンECU10は、送風機ユニット3、4における外気導
入の率が所定値以下となった時に防曇制御を実行し、ウ
インドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配
風割合、またはエバポレータ41による空気冷却温度、
または熱線43の稼動率、または送風機ユニット3、4
での外気導入率が所定値に達した時、液晶ディスプレイ
52での表示をFOOT/DEFモードとしている。
【0088】これにより、ウインドウへの空調風の吹出
風量または吹出風速または配風割合が多い吹出状況と吹
出モード表示とを合わせることで乗員の違和感を無くす
ことができる。また、エバポレータ41による空気冷却
温度、または熱線43の稼動率、または送風機ユニット
3、4での外気導入率の可変による防曇制御の場合で
も、乗員にデフロスタ機能も実行していることを示すこ
とができる。
【0089】尚、ステップS61での所定値は必ずしも
時間と共に可変させて維持する値でなくとも、その途中
でのある値に達した時点で表示だけを切り替えるように
しても良い。
【0090】(第6実施形態)図11は本発明の第6実
施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示した
フローチャートである。まず、図11のルーチンが起動
すると、ステップS71で吸込口モードが内気モードで
あるか否かを判定する。次にステップS72で吹出口モ
ードがFOOTモードであるか否かを判定する。そし
て、次にステップS73で外気温TAMが0℃よりも低
いか否かを判定する。これらいずれかのステップでの判
定結果がNOの場合はリターンしてこれらのステップS
71〜S73の判定を繰り返す。
【0091】そして、内気モードでFOOTモードで外
気温TAMが0℃よりも低い場合、ステップS74へ進
み、更に外気温TAMが−5℃よりも低いか否かを判定
する。そして、判定結果がYESで外気温TAMが−5
℃よりも低くウインドウが曇り易い環境条件の場合には
ステップS75へ進み、前述の第1〜4実施形態中のス
テップS23、S33、S43、S53の防曇制御を実
施する。
【0092】また、判定結果がNOで、いわゆる外気温
TAMが0〜−5℃の範囲で、窓の曇る度合が少ない環
境条件の場合にはステップS76へ進み、曇り晴らし能
力を下げた(快適性を優先させた)弱防曇制御を実施す
るものである。図12の(a)〜(d)は、その曇り晴
らし能力を下げた制御の例を示す特性図である。
【0093】具体的に、各図中実線で示す本実施形態で
の時間と共に可変させるDEFドア24の開度、または
エバポレータ41による空気冷却温度、または熱線43
の稼動率、または送風機ユニット3、4での外気導入率
は、図中破線で示す前述の第1〜4実施形態中のステッ
プS23、S33、S43、S53での推移に対して2
0分後の変化度を半分の値で維持するように制御してい
る。
【0094】但し、先のステップS73、S74の目的
は、ウインドウが曇り易い環境条件か否かの判定である
ため、外気温TAMに限らず、例えば日射量TSまたは
車室内温度TRまたは湿度またはガラス温度等で曇り易
い・曇り難いの条件を判定しても良い。
【0095】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、送風機ユニット3、4における外気
導入の率が所定値以下となった時防曇制御を実行すると
共に、ウインドウの曇りに影響する環境条件に応じて、
ウインドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または
配風割合、またはエバポレータ41による空気冷却温
度、または熱線43の稼動率、または送風機ユニット
3、4での外気導入率の変更度合を可変している。
【0096】これにより、ウインドウが曇り難い環境条
件の時には曇り晴らし能力を下げた防曇制御とすること
ができるため、より顔の火照りや外気臭の侵入を回避し
た快適性優先の制御か、または冷凍サイクルや加熱手段
の稼動率を抑えた省エネの制御とすることができる。
【0097】(第7実施形態)図13は本発明の第7実
施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示した
フローチャートである。第1〜4実施形態(図5〜7、
図9)と同じ形のフローチャートで、ステップS82の
内容のみ異なる。
【0098】まず、図13のルーチンが起動すると、ス
テップS81で吸込口モードが内気モードであるか否か
を判定する。そして、その判定結果がNOの場合にはリ
ターンして当ステップS81の判定を繰り返す。そし
て、内気モードが選択されてステップS81の判定結果
がYESとなった場合にはステップS82へ進み、吹出
口モードがオートモードでのFOOTモードであるか否
かを判定する。
【0099】そして、その判定結果がNOの場合にはリ
ターンしてステップS81の判定から繰り返す。そし
て、オートモードでFOOTモードが選択されてステッ
プS82の判定結果もYESとなった場合にはステップ
S83へ進み、前述の第1〜4実施形態中のステップS
23、S33、S43、S53の防曇制御が行われる。
【0100】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、モード切替ドア24、26、34、
36の設定を自動で行うオート吹出口制御モードの時
で、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定
値以下となった時に防曇制御を実行している。
【0101】これにより、オート吹出口制御モードの時
には請求項1〜4の防曇制御により内気モード時の窓曇
りの危険性を回避し、マニュアルで吹出口が選択されて
いる場合には乗員の意志での選択に対応して能力は変化
させないこととなる。
【0102】(第8実施形態)図14は本発明の第8実
施形態を示したもので、防曇制御に関する制御を示した
フローチャートである。概略、第1〜4実施形態のフロ
ーチャートに対して、内気モードとFOOTモードが選
択されてステップS91、S92の判定結果がYESと
なりステップS94として前述の第1〜4実施形態中の
ステップS23、S33、S43、S53の防曇制御を
行う前に、その防曇制御を実施するか否かの判定を行う
ステップS93を設けたものである。
【0103】その防曇制御を実施するか否かの設定は、
例えば乗員がエアコン操作パネル51のMODE切替ス
イッチ57でFOOTモードを選択した後、運転席側ま
たは助手席側のアップスイッチ62a、63aまたはダ
ウンスイッチ62b、63bで選択できるようにしても
良い。
【0104】このような本実施形態の特徴として、エア
コンECU10は、防曇制御を実行するか否かを乗員の
操作にて選択できるMODE切替スイッチ57等を備え
ている。これにより、窓曇り防止を考慮した本発明の制
御パターンと暖房能力や省エネを優先する通常の制御パ
ターンとを乗員が選択することができる。
【0105】(第9実施形態)本実施形態の車両には、
車室内空気を清浄にする空気清浄手段として空気清浄器
44が装備されている。通常は、空気清浄器44本体等
に付いた運転スイッチを乗員の判断により操作すること
で、車室内空気を取り込み、浄化フィルタ等で臭気成分
を吸着除去して車室内へ戻すという空気清浄化運転がな
される。
【0106】そして、図15は本発明の第9実施形態を
示したもので、防曇制御に関する制御を示したフローチ
ャートである。第1〜4実施形態(図5〜7、図9)と
同じ形のフローチャートで、ステップS103の内容の
み異なり、実際には前述の第4実施形態中のステップS
53の防曇制御と同時に実行される。
【0107】まず、図15のルーチンが起動すると、ス
テップS101で吸込口モードが内気モードであるか否
かを判定する。そして、その判定結果がNOの場合には
リターンして当ステップS101の判定を繰り返す。そ
して、内気モードが選択されてステップS101の判定
結果がYESとなった場合にはステップS102へ進
み、吹出口モードがFOOTモードであるか否かを判定
する。
【0108】そして、その判定結果がNOの場合にはリ
ターンしてステップS101の判定から繰り返す。そし
て、FOOTモードが選択されてステップS102の判
定結果もYESとなった場合にはステップS103へ進
み、前述の第4実施形態中のステップS53の防曇制御
と同時に、外気臭対応制御として空気清浄器44の制御
が行われる。
【0109】図16は、その外気臭対応制御の例を示す
特性図である。図16の上部に第4実施形態のステップ
S53における防曇制御としての外気導入率の推移を示
す。外気モードから内気モードへ切り替わった場合等で
条件が揃った時、送風機ユニット3、4かの外気導入率
は一旦0%となり、その後外気導入率を時間と共に大き
くし、本例では20分後に30%まで上げたところで維
持するように制御している。
【0110】本実施形態では、その外気導入に合わせて
空気清浄器を稼動させ、時間と共に増加する外気導入率
に合わせて空気清浄器の稼動率(清浄能力)も時間と共
にLOからHIへと上げてゆくものである。
【0111】このような本実施形態の特徴として、車室
内空気を清浄にする空気清浄器44を備え、エアコンE
CU10は、送風機ユニット3、4における外気導入の
率が所定値以下となった時に外気導入率を時間と共に増
やす防曇制御を実行すると共に、空気清浄器44の能力
を時間と共に所定値まで大きくしている。
【0112】これにより、外気導入率を上げたことによ
る外気臭侵入の危険性に対し、空気清浄能力も同時に上
げることによって乗員の快適性を確保できる。
【0113】(第10実施形態)本実施形態の車両に
は、車室内に吹き出す空調風の吹出方向を自動で制御す
る吹出方向制御手段として、各吹出口に自動可変ルーバ
45が装備されている。通常は空調条件により、空調風
を乗員に向けたり、拡散させたり、揺動させて揺らぎを
発生させたりの制御が行われる。
【0114】そして、本実施形態は上記の第9実施形態
と同様、前述の第4実施形態中のステップS53の防曇
制御と同時に行われる外気臭対応制御の他の実施例で、
図15のフローチャートで外気臭対応制御が選択された
場合、外気臭対応制御として自動可変ルーバ45の制御
が行われる。
【0115】図17は、上部に第4実施形態のステップ
S53における防曇制御としての外気導入率の推移を示
し、その下に自動可変ルーバ45の制御を模式図で示
す。本実施形態は、外気導入率の増加に合わせて各吹出
口からの空調風の吹出方向を乗員外に向けるよう自動可
変ルーバ45を制御するものである。
【0116】このような本実施形態の特徴として、吹出
口20、23、30、33に空調風の吹出方向を自動制
御する自動可変ルーバ45を備え、エアコンECU10
は、送風機ユニット3、4における外気導入の率が所定
値以下となった時に外気導入率を時間と共に増やす防曇
制御を実行すると共に、自動可変ルーバ45により空調
風の吹出方向を乗員外に向けている。
【0117】これにより、外気導入率を上げたことによ
る外気臭侵入の危険性に対し、空調風の吹出方向を乗員
外に向けて外気臭を感じ難くすることによって乗員の快
適性を確保できる。
【0118】(その他の実施形態)上述の実施形態で
は、防曇能力を上げるための変化の推移を直線的に行っ
ているが、本発明はこれに限るものではなく、極端なも
のでなければ変化の推移は多少曲線的であっても良い。
また、段階的な変化の推移であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】オートエアコンシステムの全体構成を示した構
成図である。
【図2】車両のインストルメントパネルを示した正面図
である。
【図3】エアコン操作パネルを示した正面図である。
【図4】エアコンECUの制御プログラムを示したフロ
ーチャートである。
【図5】ウインドウの防曇制御を示したフローチャート
である(第1実施形態)。
【図6】ウインドウの防曇制御を示したフローチャート
である(第2実施形態)。
【図7】ウインドウの防曇制御を示したフローチャート
である(第3実施形態)。
【図8】熱線稼働率50%時の例を表すシーケンス図で
ある。
【図9】ウインドウの防曇制御を示したフローチャート
である(第4実施形態)。
【図10】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第5実施形態)。
【図11】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第6実施形態)。
【図12】(a)〜(d)とも図11の快適性優先処理
の例を示す特性図である(第6実施形態)。
【図13】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第7実施形態)。
【図14】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第8実施形態)。
【図15】防曇制御に関する制御を示したフローチャー
トである(第9実施形態)。
【図16】図15の外気臭対応制御の例を示す特性図で
ある(第9実施形態)。
【図17】図15の外気臭対応制御の例を示す模式図で
ある(第10実施形態)。
【符号の説明】
3、4 送風機ユニット(内外気送風手段) 10 エアコンECU(空調制御手段) 20、23、30、33 吹出口 24、26、34、36 モード切替ドア(風量割合調
節手段) 41 エバポータ(空気冷却手段) 43 熱線(ウインドウ加熱手段) 44 空気清浄器(空気清浄手段) 45 自動可変ルーバ(吹出方向制御手段) 52 液晶ディスプレイ(吹出モード表示手段) 57 MODE切替スイッチ(防曇制御選択手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外気導入から内気循環までを選択して空
    調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段
    (3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空
    調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、
    33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(2
    4、26、34、36)と、これらを制御する空調制御
    手段(10)を備えた車両用空調装置において、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時、車両ウインドウの防曇制御として前記ウインドウへ
    の空調風の吹出風量または吹出風速または配風割合を時
    間と共に所定値または所定割合まで大きくすることを特
    徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 外気導入から内気循環までを選択して空
    調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段
    (3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空
    調風を冷却する空気冷却手段(41)と、前記空気冷却
    手段(41)を通過した空調風を車室内に吹き出す各吹
    出口(20、23、30、33)からの風量割合を調節
    する風量割合調節手段(24、26、34、36)と、
    これらを制御する空調制御手段(10)を備えた車両用
    空調装置において、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時、車両ウインドウの防曇制御として前記空気冷却手段
    (41)による空気冷却温度を時間と共に所定値または
    所定温度差まで低くすることを特徴とする車両用空調装
    置。
  3. 【請求項3】 外気導入から内気循環までを選択して空
    調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段
    (3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空
    調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、
    33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(2
    4、26、34、36)と、車両ウインドウの曇りを晴
    らすためのウインドウ加熱手段(43)と、これらを制
    御する空調制御手段(10)を備えた車両用空調装置に
    おいて、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時、前記ウインドウの防曇制御として前記ウインドウ加
    熱手段(43)の稼動率を時間と共に所定値まで大きく
    することを特徴とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 外気導入から内気循環までを選択して空
    調用空気を取り込み車室内へ送風する内外気送風手段
    (3、4)と、前記内外気送風手段(3、4)からの空
    調風を車室内に吹き出す各吹出口(20、23、30、
    33)からの風量割合を調節する風量割合調節手段(2
    4、26、34、36)と、これらを制御する空調制御
    手段(10)を備えた車両用空調装置において、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時、車両ウインドウの防曇制御として前記内外気送風手
    段(3、4)での外気導入率を時間と共に所定値まで大
    きくすることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記風量割合調節手段(24、26、3
    4、36)で実行している吹出モードを表示する吹出モ
    ード表示手段(52)を備え、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時に前記防曇制御を実行し、前記ウインドウへの空調風
    の吹出風量または吹出風速または配風割合、または前記
    空気冷却手段(41)による空気冷却温度、または前記
    ウインドウ加熱手段(43)の稼動率、または前記内外
    気送風手段(3、4)での外気導入率が前記所定値に達
    した時、前記吹出モード表示手段(52)での表示をF
    OOT/DEFモードとすることを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記空調制御手段(10)は、前記内外
    気送風手段(3、4)における外気導入の率が所定値以
    下となった時前記防曇制御を実行すると共に、前記ウイ
    ンドウの曇りに影響する環境条件に応じて、前記ウイン
    ドウへの空調風の吹出風量または吹出風速または配風割
    合、または前記空気冷却手段(41)による空気冷却温
    度、または前記ウインドウ加熱手段(43)の稼動率、
    または前記内外気送風手段(3、4)での外気導入率の
    変更度合を可変することを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 前記空調制御手段(10)は、前記風量
    割合調節手段(24、26、34、36)の設定を自動
    で行うオート吹出口制御モードの時で、前記内外気送風
    手段(3、4)における外気導入の率が所定値以下とな
    った時に前記防曇制御を実行することを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装
    置。
  8. 【請求項8】 前記空調制御手段(10)は、前記防曇
    制御を実行するか否かを乗員の操作にて選択できる防曇
    制御選択手段(57)を備えたことを特徴とする請求項
    1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  9. 【請求項9】 車室内空気を清浄にする空気清浄手段
    (44)を備え、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時に外気導入率を時間と共に増やす防曇制御を実行する
    と共に、前記空気清浄手段(44)の能力を時間と共に
    所定値まで大きくすることを特徴とする請求項4に記載
    の車両用空調装置。
  10. 【請求項10】 前記吹出口(20、23、30、3
    3)に空調風の吹出方向を自動制御する吹出方向制御手
    段(45)を備え、 前記空調制御手段(10)は、前記内外気送風手段
    (3、4)における外気導入の率が所定値以下となった
    時に前記防曇制御を実行すると共に、前記吹出方向制御
    手段(45)により空調風の吹出方向を乗員外に向けた
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
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