JP4631785B2 - 金属ベース回路板及びその製造方法、実装部品、モジュール - Google Patents

金属ベース回路板及びその製造方法、実装部品、モジュール Download PDF

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Description

本発明は、各種部品を実装して用いられる金属ベース回路板及びその製造方法、部品を金属ベース回路板に実装して形成される実装部品、実装部品を回路基板に実装して形成されるモジュールに関するものである。
より詳しくは、本発明は、高熱伝導特性と低熱膨張特性を必要とする小型部品を実装する金属ベース回路板に関するものであり、特に小型部品をダイボンディングしてからワイヤーボンディングにより回路接続を行う実装部品に関するものである。
電源基板にはアルミ板や銅板を金属ベースとした金属基板が一般的に使用されているが、回路には一般的に銅が使用されている(例えば、特許文献1,2参照。)。パワーICや高輝度LED等の発熱部品を実装して使用する場合には、一般的には、直接銅回路に実装するのではなく、熱膨張特性が実装部品と同等の合金材等を接合してから部品が実装されている。
この他に、銅リードフレームを使用して、放熱特性を確保しつつ、放熱性の高い接着剤で部品を接合し、応力緩和をさせて使用するモジュールが設計されている例もある。
ところで、低α特性(低熱膨張特性)を有する銅インバー材は、シリコンとの熱膨張係数を合わせることができるので、銅インバー材をあらかじめ基板に半田実装して、この銅インバー材にシリコンを実装すれば、基板との熱膨張係数の違いを吸収することができ、クラック等が起きない。
これらの例では、発熱部品をあらかじめ回路状に形成した基板に実装する工程を経るのが一般的である。
特開2001−251037号公報 特開2005−72382号公報
しかしながら、従来は実装時の加熱及び使用前後の室温と高温での熱膨張係数の差により、反り・剥離・クラック等が問題になることが多かった。このような問題は、基板面積が大きくなる場合には、特に顕著に現れる。
また、熱膨張係数の異なる材料を接着剤で熱硬化させて一体化させることがよく行われているが、応力緩和のために弾性率の小さい、熱伝導率の良くない材料が使用されるのが一般的で、反り等の低減も可能であるが、発熱部品を搭載した際に、上記とは逆に放熱特性が悪化するという問題があり、熱膨張係数の不適合と放熱特性のバランスを保つのは非常に困難であった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができると共に高い放熱性を得ることができる金属ベース回路板及びその製造方法、実装部品、モジュールを提供することを目的とするものである。
より詳しくは、本発明は、金属ベース回路板を形成するにあたって、熱膨張係数の異なる金属材料を使用した場合であっても、これらの金属材料間の剥離を防止することができる技術を提供することを目的とするものであり、しかも前記金属ベース回路板は高い放熱特性も有しているので、特に発熱部品が実装される電源モジュールやLEDモジュール用途に好適に使用することができるものである。
本発明の請求項1に係る金属ベース回路板は、回路層1を絶縁樹脂層2で金属板3に接着して形成される金属ベース回路板4であって、回路層1の一部が絶縁樹脂層2に埋め込まれていると共に、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きいことを特徴とするものである。
また、請求項に係る発明は、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5の外周縁から金属板3側に下ろした垂線Hに対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線A上又はその外側に、金属板3の絶縁樹脂層側と反対側の底面7の外周縁が位置して成ることを特徴とするものである。
また、請求項に係る発明は、回路層1及び金属板3を平面視円形状に形成すると共に、これらを同心円状に配置して成ることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1において、回路層1の厚みが150μm以上であると共に、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5と金属板3の接着面6との間における絶縁樹脂層2の厚みが80μm以下であり、絶縁樹脂層2の熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1又は2において、絶縁樹脂層2が、平均粒径5μm以下のフィラーを60〜95質量%含有する樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、回路層1が、タングステン、タングステンを含む合金、鉄ニッケル系合金のいずれかの材料で形成されていることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、金属板3に凹凸形状を設けて放熱フィン8を形成して成ることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、絶縁樹脂層2に反射板9を設置して成ることを特徴とするものである。
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、金属板3を変形させることによって反射板10を形成して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項に係る実装部品は、請求項1乃至のいずれかに記載の金属ベース回路板4の回路層1に部品11を実装して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項に係るモジュールは、請求項に記載の実装部品19を回路基板12に実装して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項10に係る金属ベース回路板の製造方法は、成型用下プレート13の上面に設けた複数の凹部14にそれぞれ平面視円形状に形成された回路層1を配置し、これらの回路層1を覆うように、絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と金属板3をこの順に重ね、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型した後に、複数の回路層1が絶縁樹脂層2で接着された金属板3を取り出し、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きくなるように、回路層1ごとに回路層1と同心円状の平面視円形状に金属板3を打ち抜いて個片化して、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5の外周縁から金属板3側に下ろした垂線Hに対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線A上又はその外側に、金属板3の絶縁樹脂層側と反対側の底面7の外周縁が位置するように形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項11に係る金属ベース回路板の製造方法は、複数の凹部14を上面に設けて成型用下プレート13が形成されると共に、前記凹部14の開口面積よりも大きい開口面積を有する貫通穴17を前記凹部14と同数設けて穴あきプレート18が形成され、前記複数の凹部14にそれぞれ平面視円形状に形成された回路層1を配置し、各回路層1が各貫通穴17に収容されるように位置合わせを行いつつ、成型用下プレート13の上面に穴あきプレート18を重ね、各貫通穴17に絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と平面視円形状に形成された金属板3を、回路層1と金属板3とが同心円状に配置されるようにこの順に重ねて入れた後に、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型して、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5の外周縁から金属板3側に下ろした垂線Hに対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線A上又はその外側に、金属板3の絶縁樹脂層側と反対側の底面7の外周縁が位置するように形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る金属ベース回路板によれば、回路層と金属板の熱膨張係数が大きく異なっていても、回路層の一部が絶縁樹脂層に埋め込まれていることによって、熱による応力を樹脂全体で受け止めることができ、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができるものであり、また、回路層の絶縁樹脂層側の底面に比べて金属板の接着面が大きいことによって、高い放熱性を得ることができるものである。また、各種部品が実装される回路層は通常は高価な材料で形成されるが、この回路層は金属板に比べて小さいものであるため、コストを最小限に抑えることができるものである。
また、回路層の絶縁樹脂層側の底面の外周縁から金属板側に下ろした垂線に対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線上又はその外側に、金属板の絶縁樹脂層側と反対側の底面の外周縁が位置することによって、放熱効率をさらに向上させることができるものである。
また、回路層が平面視円形状に形成されていることによって、発熱前と発熱時の温度差が大きな部品を回路層に実装する場合であっても、熱による応力を低減することができるものである。
請求項に係る発明によれば、回路層の厚みが150μm以上であることによって、部品実装時の回路層のたわみの発生を防止しつつ、高い熱放散性を得ることができるものであり、また、絶縁樹脂層の厚みが80μm以下、熱伝導率が3W/mk以上であることによって、熱抵抗値を0.3℃/W以下とすることができるので、発熱を低く抑えることができるものである。
請求項に係る発明によれば、絶縁樹脂層の絶縁特性及び密着性を確保しつつ、機械特性面で熱衝撃試験における信頼性を高めることができると共に、高熱伝導率を有する絶縁樹脂層を形成することができるものである。
請求項に係る発明によれば、低熱膨張係数と高熱伝導率のバランスの非常に良い材料で回路層が形成されていることによって、部品から発生した熱を効率的に放散しつつ、部品との熱膨張係数(α)の不適合による部品のクラック・割れ・剥離等が発生するのを防止することができるものである。
請求項に係る発明によれば、放熱フィンによって、さらに高い放熱性を得ることができるものである。
請求項に係る発明によれば、部品としてLEDを回路層に実装する場合に、LEDから出る光を反射板で所望の方向に反射させることができるものである。また、金属製の反射板を用いる場合には、この反射板は絶縁樹脂層に設置されるので、絶縁信頼性を得ることができるものである。
請求項に係る発明によれば、絞り加工等による金属板の変形によって反射板を形成することにより、別に反射板を設置する必要がなくなり、部品点数を削減することができるものである。
本発明の請求項に係る実装部品によれば、回路層に実装された部品が発熱しても、回路層の一部が絶縁樹脂層に埋め込まれていることによって、熱による応力を樹脂全体で受け止めて、熱膨張係数の差を吸収することができ、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができるものであり、また、回路層に比べて金属板が大きいことによって、高い放熱性を得ることができるものである。
本発明の請求項に係るモジュールによれば、LEDモジュールやパワーIC搭載モジュール等の各種機能モジュールに仕上げることができるものである。
本発明の請求項10に係る金属ベース回路板の製造方法によれば、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができると共に高い放熱性を得ることができる金属ベース回路板を容易に得ることができるものである。
本発明の請求項11に係る金属ベース回路板の製造方法によれば、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができると共に高い放熱性を得ることができる金属ベース回路板を容易に、かつ一度に複数得ることができるものである。また、打抜き加工が伴うと剥離等が発生する可能性があるが、最初から回路板・絶縁樹脂シート・金属板を個片化して、打抜き加工を不要とすることによって、剥離等の発生の可能性を排除することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る金属ベース回路板の一例を示すものであり、この金属ベース回路板4は、回路層1を絶縁樹脂層2で金属板3に接着して形成されるものである。回路層1にはLED等の各種発熱部品11が実装される。
回路層1を形成する材料は特に限定されるものではないが、回路層1は、タングステン、タングステンを含む合金(例えば、銅タングステン合金等)、鉄ニッケル系合金のいずれかの材料で形成されていることが好ましい。これらの材料と各種発熱部品11の熱膨張係数の差は比較的小さいため、両者をダイボンディングにより接着しても、後に剥離等の問題は生じにくい。また、タングステン、タングステンを含む合金、鉄ニッケル系合金はいずれも、低熱膨張係数と高熱伝導率のバランスの非常に良い材料であり、このような材料で回路層1が形成されていることによって、他の材料を用いる場合に比べて、部品から発生した熱を効率的に放散しつつ、部品との熱膨張係数(α)の不適合による部品のクラック・割れ・剥離等が発生するのを防止することができるものである。
また、絶縁樹脂層2を形成する材料も特に限定されるものではないが、絶縁樹脂層2は、平均粒径5μm以下(下限は1μm)のアルミナ等のフィラーを60〜95質量%含有するエポキシ樹脂等の樹脂組成物の硬化物で形成されていることが好ましい。これにより、絶縁樹脂層2の絶縁特性及び密着性を確保しつつ、機械特性面で熱衝撃試験における信頼性を高めることができると共に、高熱伝導率を有する絶縁樹脂層2を形成することができるものである。しかし、フィラーの平均粒径が5μmより大きいと、絶縁樹脂層2の厚み(回路層1の絶縁樹脂層側の底面5と金属板3の接着面6との間における絶縁樹脂層2の厚みをいう。以下同じ。)を薄くして熱抵抗を小さくすることができないおそれがある。また、フィラーの含有量が60質量%より少ないと、熱伝導率を十分に高めることができないおそれがあり、逆に、フィラーの含有量が95質量%より多いと、充填が難しくなり、ボイド等が原因の耐電圧不良や密着性不良が発生し易くなる。
熱伝導率を高くするためには、フィラーの平均粒径を大きくして、充填量を高くするのが、一般的ではあるが、厚みを薄くして熱抵抗を小さくするためには、平均粒径の小さいフィラーを使用しなければならない。熱抵抗を半分にすることは、厚みを半分にすれば簡単に達成できるが、熱伝導率を倍にするためには、かなり多量のフィラーを充填しなければならず、絶縁特性や密着性を阻害する可能性が出てくる。
絶縁樹脂層2の熱膨張係数は、フィラーを高充填すればするほど、回路層1の熱膨張係数に近づけることができるので、機械特性面で熱衝撃試験における信頼性を高めることができるものである。
非常に薄い絶縁樹脂層2を形成する場合に使用するフィラーの平均粒径は絶縁樹脂層2の厚みの1/10以下であることが望ましく、1/20以下(下限は1/50)であることがより望ましい。例えば、絶縁樹脂層2の厚みが50μmである場合には、フィラーの平均粒径は5μm以下であることが望ましく、2.5μm以下であることがより望ましい。
絶縁樹脂層2にフィラーを充填すると、熱伝導率が向上するという効果以外に、熱膨張係数が低減するという効果も得られる。回路層1と金属板3の熱膨張係数を一致させるためには、フィラーを高充填することが望ましく、そのため上述のようにフィラーの含有量は60質量%以上であることが望ましい。
回路層1にはLED等の部品11が直に実装されて熱伝導経路が形成されるので、回路層1の厚みは熱伝導上非常に重要である。具体的には、回路層1の厚みは150μm以上であることが好ましく、200μm以上(上限は500μm)であることがより好ましい。このように回路層1の厚みが150μm以上であることによって、部品実装時の回路層1のたわみの発生を防止しつつ、高い熱放散性を得ることができるものである。しかし、回路層1の厚みが150μmより薄いと、部品実装時において回路層1のたわみが発生するおそれがある。
また、熱伝導率が高くて、厚みが薄い絶縁樹脂層2は熱放散性に優れている。絶縁樹脂層2を形成するための樹脂組成物を、熱伝導率が2倍の材料に設計することは難しいが、絶縁樹脂層2の厚みを半分にすることは簡単である。結局熱抵抗的にはどちらも同じ効果となる。そこで、絶縁樹脂層2の厚みは80μm以下(下限は20μm)であり、絶縁樹脂層2の熱伝導率は3W/mk以上(上限は10W/mk)であることが好ましい。これにより、熱抵抗値を0.3℃/W以下とすることができるので、非常に優れた熱放散性を得ることができ、発熱を低く抑えることができるものである。なお、絶縁機能が不要であれば、極力薄い絶縁樹脂層2とすることで、熱放散性は極大化させることが可能となる。厚み50μmの絶縁樹脂層2の耐電圧は一般的にAC5KV程度であり、低電圧での使用には十分である。厚みを100μmとして、ハイパワー電源用途に使用する場合は、熱抵抗値を同じにしようとすれば、熱伝導率は6W/mkとしなければならず、絶縁樹脂設計が非常に難しくなる。
また、金属板3も特に限定されるものではないが、銅板、アルミ板、鉄板等を用いることができる。
そして、本発明に係る金属ベース回路板にあっては、図1に示すように、回路層1の一部が絶縁樹脂層2に埋め込まれていると共に、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きい。回路層1に実装されるLED等の部品11と金属板3の熱膨張係数は通常は大きく異なっており、LED等の部品11の熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有する材料で回路層1を形成すると、この回路層1と金属板3の熱膨張係数が大きく異なることになる。しかし、図1に示すような金属ベース回路板4によれば、回路層1と金属板3の熱膨張係数が大きく異なっていても、回路層1の一部が絶縁樹脂層2に埋め込まれていることによって、熱による応力を樹脂全体で受け止めることができ、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができるものであり、また、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きいことによって、高い放熱性を得ることができるものである。また、各種部品11が実装される回路層1は通常は高価な材料で形成されるが、この回路層1は金属板3に比べて小さいものであるため、コストを最小限に抑えることができるものである。
上記のように回路層1の一部を絶縁樹脂層2に埋め込むと、回路層1の底面5のみならず回路層1の側面も絶縁樹脂層2で保持されることとなり、これにより回路層1と絶縁樹脂層2との接着強度が向上する。そのため、粗化処理が難しいタングステンのような材料で回路層1が形成されていても、高いランド強度を保持することができる。さらに、回路層1と絶縁樹脂層2の熱膨張係数が大きく異なる場合であっても、絶縁樹脂層2が回路層1の周囲を保持しているので、高い接着信頼性を有するものである。
また、LED等の部品11が実装される回路層1は金属材料で形成されるので熱伝導が良いが、これに比べて熱伝導率の一桁小さい絶縁樹脂層2への熱伝導を少しでも良くする方法としては、上述のように回路層1を絶縁樹脂層2に埋め込むことが非常に有効である。
また、回路層1に実装される部品11がシリコン等のように熱膨張係数が小さいものであって、金属板3が銅等のように熱膨張係数が大きいものである場合に、回路層1を形成する材料として銅を選択すると、前記部品11と回路層1の熱膨張係数の差が大きくなり、高温になった場合の寸法差により反りや剥離が発生し、信頼性が大幅に低下する。そこで、各種金属板3の熱膨張係数の1/3以下の熱膨張係数を有する材料で回路層1を形成するのが好ましい。これにより、前記部品11と回路層1の熱膨張係数の差が小さくなり、高温になった場合でも反りや剥離が発生しにくくなり、実装信頼性を高く得ることができる。この場合、回路層1と金属板3の熱膨張係数の差が大きくなるが、上述のように回路層1と金属板3の間に介在する絶縁樹脂層2に回路層1の一部が埋め込まれていることによって、また、金属板3に比べて回路層1が小さいことによって、高温になった場合でも反りや剥離が発生しにくくなっている。
また、図7に示すように、本発明では、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5の外周縁から金属板側に下ろした垂線Hに対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線A上又はその外側に、金属板3の絶縁樹脂層側と反対側の底面7の外周縁が位置してい。これにより、回路層1に実装される発熱部品11からの熱を効率良く移動させて放散させることができ、放熱効率をさらに向上させることができるものである。しかし、仮想線Aの内側に金属板3の底面7の外周縁が位置している場合には、放熱効率が悪化するおそれがある。また、前記垂線Hに対して60°の角度で下ろした仮想線B上又はその内側に、金属板3の底面7の外周縁が位置しているのが好ましい。これにより、無駄な材料費を抑えることができるものである。つまり、仮想線Bの外側に金属板3の底面7の外周縁が位置している場合には、金属板3が大きすぎて材料費が無駄になる。なお、金属板3が金属製のシャーシ等に接合されてさらに外部へ熱放散する構造(図示省略)を有している場合には、仮想線Aよりも外側に金属板3の底面7の外周縁が位置していると、熱放散的にもコスト的にも無駄となるので、仮想線A上に金属板3の底面7の外周縁が位置するように構造設計することが重要である。
また、回路層1及び金属板3の形状は、図1に示すように、回路層1及び金属板3を平面視円形状に形成すると共に、これらを同心円状に配置するものである。このように回路層1が平面視円形状に形成されていることによって、発熱前と発熱時の温度差が大きな部品を回路層1に実装する場合であっても、熱による応力を低減して信頼性を高く得ることができるものである。しかし、回路層1の形状が角部を有する形状であると、その角部からクラックが発生し易くなるおそれがある。
次に、上述した金属ベース回路板4を製造する方法について説明する。この製造方法には2つの方法があるので順に説明する。
まず、金属ベース回路板4を製造する第1の方法について説明する。この方法ではまず、図2(a)に示すように、成型用下プレート13の上面に設けた複数の凹部14にそれぞれ回路層1を配置する。回路層1を配置する前に、成型用下プレート13の上面(凹部14の内面も含む)にテフロン(登録商標)コーティングを行って離型性を付与しておいてもよい。また、前記凹部14の形状は、回路層1を固定できる形状であれば、特に限定されるものではない。また、図2や図3に示すように、凹部14の深さは回路層1の厚みより浅いが、このようにしているのは、回路層1の一部(成型用下プレート13の表面から突出した部分)を絶縁樹脂層2に埋め込むためである。しかし、図4に示すように、凹部14の開口縁に段部21を設けて樹脂が流入するスペースを確保しておけば、凹部14の深さは回路層1の厚みと同一又はこれより深くてもよい。前記スペースに樹脂が流入して、回路層1の一部が絶縁樹脂層2に埋め込まれるからである。
次に、図2(a)(b)に示すように、前記複数の回路層1を覆うように、絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と金属板3をこの順に重ね、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型する。ここで、絶縁樹脂シート15としては、上述した樹脂組成物を半硬化状態のシート状に成形したものを用いることができる。
その後、成型用下プレート13から成型用上プレート16を離間させ、図2(c)に示すように、複数の回路層1が絶縁樹脂層2で接着された金属板3を成型用下プレート13から取り出す。
そして、図2(d)に示すように、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きくなるように、回路層1ごとに金属板3を打ち抜いて個片化すると、図1に示すような金属ベース回路板4を得ることができる。なお、図2(d)に示すように、複数の回路層1が接着された金属板3も、金属ベース回路板4として使用することができる。
このように、上述した第1の方法によれば、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができると共に高い放熱性を得ることができる金属ベース回路板4を容易に得ることができるものである。
ところで、面積の非常に大きい回路層1と金属板3を絶縁樹脂層2で加熱して接着した後に、回路のみをエッチングしてから打抜き加工等により個片化する方法も考えられるが、この方法では次のような問題がある。すなわち、加熱硬化後の冷却時に大きな反りが生じて、回路層1と金属板3の密着性が悪い場合には、剥離するという問題があり、また、回路層1と金属板3の密着性が良い場合には、反りによって曲がっているので打抜き加工ができないという問題がある。ここで、回路層1と金属板3の間の絶縁樹脂層2が厚ければ、熱膨張係数の不整合を緩和することができるが、熱抵抗が非常に大きくなるので、発熱部品11を実装しても高い放熱性を得ることができないという問題がある。
しかし、上述した第1の方法によれば、回路層1と金属板3とは同じ大きさではなく、金属板3より回路層1を小さく形成しているので、上記のような問題は生じない。また、タングステンは、非常に表面の粗化処理が難しいので、ピール強度を向上させることは難しく、一般的には、実装用回路材料として使用することはできないと考えられているが、本発明では、粗化処理を行わなくても、ピール強度を向上させることができるので、タングステンを回路層1の材料として使用することができるのである。
また、本発明では、回路層1は、これに実装される部品11と同程度に熱膨張係数の小さい材料で形成するようにしているが、このように熱膨張係数の小さい材料は一般的には高価なものであるため、その使用量は最小限とするのが望ましい。また、みかけの寸法変化量を小さくして応力の発生を最小限にするために、熱膨張係数の小さい材料の使用量(面積)は小さくするのが望ましい。このような要望に応えるために、本発明では、低熱膨張係数の高価な材料を大きな面積のまま回路層1として使用するのではなく、図2に示すように、凹部14の大きさに応じてあらかじめ個片化しておくことによって、前記材料の浪費を抑え、安価に金属ベース回路板4を製造することができるものである。
なお、回路層1と金属板3のように熱膨張係数が異なる材料を隣接させる場合には、局部応力をなるべく低減させるために、角部のある形状を避け、なるべく丸い形状とすることが重要であるが、回路層1を打抜きによる個片化によって得る場合には、バリのない方を絶縁樹脂層2に埋め込むようにすれば、少しでもRの付いた回路層1と絶縁樹脂層2が隣接することとなり、熱衝撃試験に対する信頼性が増す。
次に、金属ベース回路板4を製造する第2の方法について説明する。この方法では、複数の凹部14を上面に設けて形成される成型用下プレート13及び下面が平滑な成型用上プレート16の他に、前記凹部14の開口面積よりも大きい開口面積を有する貫通穴17を前記凹部14と同数設けて形成される穴あきプレート18を用いる。
そしてまず、図5(a)に示すように、前記複数の凹部14にそれぞれ回路層1を配置する。回路層1を配置する前に、成型用下プレート13の上面(凹部14の内面も含む)にテフロン(登録商標)コーティングを行って離型性を付与しておいてもよい。また、前記凹部14の形状は、回路層1を固定できる形状であれば、特に限定されるものではない。また、図6に示すように、凹部14の深さは回路層1の厚みより浅いが、このようにしているのは、回路層1の一部(成型用下プレート13の表面から突出した部分)を絶縁樹脂層2に埋め込むためである。
次に、図5(b)に示すように、各回路層1が各貫通穴17に収容されるように位置合わせを行いつつ、成型用下プレート13の上面に穴あきプレート18を重ね、各貫通穴17に絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と金属板3をこの順に重ねて入れた後に、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型する。ここで、絶縁樹脂シート15としては、上述した樹脂組成物を半硬化状態のシート状に成形したものを用いることができるが、この第2の方法では、あらかじめ絶縁樹脂シート15も金属板3も共に貫通穴17の大きさに個片化してある。
そして、成型用下プレート13から成型用上プレート16を離間させると、図5(c)に示すような金属ベース回路板4を得ることができる。
このように、上述した第2の方法によれば、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができると共に高い放熱性を得ることができる金属ベース回路板4を容易に、かつ一度に複数得ることができるものである。また、上述した第1の方法のように打抜き加工が伴うと剥離等が発生する可能性があるが、最初から回路層1・絶縁樹脂シート15・金属板3を個片化しておき、後の打抜き加工を不要とすることによって、剥離等の発生の可能性を排除することができるものである。
なお、上述した第1の方法と第2の方法に共通するが、成型用下プレート13に設けた凹部14より回路層1が小さい場合には、例えば、回路層1を耐熱性接着フィルムで凹部14の中心部に仮接着しておくようにすればよい。
また、本発明に係る金属ベース回路板においては、図8に示すように、金属板3に凹凸形状を設けて放熱フィン8を形成してもよい。この放熱フィン8によって、熱を効率良く逃がすことができ、さらに高い放熱性を得ることができるものである。
また、本発明に係る金属ベース回路板においては、図9(a)に示すように、銀ペースト等の接着剤を用いて反射板9を絶縁樹脂層2に設置してもよい。このように反射板9を設置すると、部品11としてLEDを回路層1に実装する場合に、LEDから出る光を反射板で所望の方向(例えば図9中の矢印の方向)に反射させて集光することができるものである。また、部品11として紫外光を出力するLEDを回路層1に実装する場合には、この紫外光は反射板9によって絶縁樹脂層2に照射されないように反射させることができるから、紫外光による絶縁樹脂層2の劣化を防止することができるものである。万全を期すため、耐紫外光特性を有する材料を配合して絶縁樹脂層2を形成したり、反射板9を絶縁樹脂層2に接着するための接着剤として耐紫外光特性を有するものを用いたりしてもよい。また、反射板9を形成する材料は特に限定されるものではないが、金属製の反射板9を用いると、LEDから出る光を受けても劣化するおそれがない。また、このように金属製の反射板9を用いる場合には、この反射板9は絶縁樹脂層2に設置されるので、絶縁信頼性を得ることができるものである。
また、本発明に係る金属ベース回路板においては、図9(b)に示すように、金属板3を変形させることによって反射板10を形成してもよい。具体的には、例えば、外部に露出している絶縁樹脂層2の外周部を削り取るなどして除去した後、絞り加工等を行うことによって、金属板3の側面を回路層側に延出させて反射板10を形成したり、あるいは、先に絞り加工等を行うことによって、金属板3の側面を回路層側に延出させて反射板10を形成した後、この反射板10の表面に残っている絶縁樹脂層2を削り取るなどして除去したりすることができる。このように絞り加工等による金属板3の変形によって反射板10を形成することにより、別に反射板9を設置する必要がなくなり、部品点数を削減することができるものである。なお、反射率を高めるため、反射板9,10の反射面に白色印刷や銀メッキ等を行ってもよい。また、金属板3にメッキを施す場合には錆止めを行うのが望ましいが、この錆止めは、メッキを施した金属板3を150℃前後の温度で加熱し、表面に酸化皮膜を形成することによって行うことができる。
また、本発明に係る実装部品は、図9や図10に示すように、金属ベース回路板4の回路層1に各種部品11を実装することによって、製造することができる。回路層1に実装する部品11としては、例えば、LED、パワーIC等を挙げることができる。そして、上記のようにして製造される実装部品19によれば、回路層1に実装された部品11が発熱しても、回路層1の一部が絶縁樹脂層2に埋め込まれていることによって、熱による応力を樹脂全体で受け止めて、熱膨張係数の差を吸収することができ、クラック・割れ・剥離・反り等が発生するのを防止することができるものであり、また、回路層1に比べて金属板3が大きいことによって、高い放熱性を得ることができるものである。
また、本発明に係るモジュールは、図10に示すように、実装部品19を回路基板12に実装することによって、製造することができる。図10に示すモジュール20においては、実装部品19の金属板3を回路基板12に接着すると共に、部品11の端子と回路基板12のパッド22とをワイヤー23で接続してある。これは一例であるが、各種実装部品19を回路基板12に実装することによって、LEDモジュールやパワーIC搭載モジュール等の各種機能モジュール20に仕上げることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
まず、図2(a)及び図3(a)に示すように、成型用下プレート13(厚み1.0mm)の上面に設けた複数の凹部14(平面視円形状、直径2.1mm、深さ50μm)にそれぞれ回路層1を配置した。ここで、回路層1としては、タングステンで形成されているもの(平面視円形状、直径2mm、厚み150μm)を用いた。また、回路層1を配置する前に、成型用下プレート13の上面(凹部14の内面も含む)にテフロン(登録商標)コーティングを行って離型性を付与しておいた。
次に、図2(a)(b)及び図3(a)(b)に示すように、前記複数の回路層1を覆うように、絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と金属板3をこの順に重ね、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型した。ここで、絶縁樹脂シート15としては、平均粒径5μmのアルミナフィラーを91質量%含有する熱硬化性エポキシ樹脂材料を半硬化状態のシート状に成形したもの(厚み100μm)を用いた。また、金属板3としては、銅板(厚み2.0mm)を用いた。また、熱圧着成型は、次のようにして行った。まず10分間真空引きを行い、圧力5kg/cm(0.49MPa)で加圧すると共に室温から170℃まで温度を上昇させ、170℃になった時点で圧力及び温度を90分間保持した。
その後、冷却してから、成型用下プレート13から成型用上プレート16を離間させ、図2(c)及び図3(c)に示すように、複数の回路層1が絶縁樹脂層2で接着された金属板3を成型用下プレート13から取り出した。
そして、図2(d)に示すように、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きくなるように、具体的には、金属板3が平面視円形状(直径10mm)に形成されると共に回路層1及び金属板3が同心円状に配置されるように、回路層1ごとに金属板3を打ち抜いて個片化すると、図1に示すような金属ベース回路板4を得ることができた。
この金属ベース回路板4においては、図7(b)に示すように、仮想線B(垂線Hとのなす角度は60°)上に、金属板3の底面7の外周縁が位置している。
また、絶縁樹脂層2の厚みは25μmであり、絶縁樹脂層2の熱伝導率は6W/mkである。
(実施例2)
実施例1と同様にして金属ベース回路板4を得た後、図9(a)に示すように、アルミ板を成形加工して得られた反射板9を銀ペーストで前記金属ベース回路板4の絶縁樹脂層2の外周部に設置した。接着は、オーブンによって160℃で60分間加熱して銀ペーストを硬化させることによって行った。なお、絶縁樹脂層2の表面において回路層1と反射板9との間隔は250μmである。
(実施例3)
まず、図2(a)及び図4(a)に示すように、成型用下プレート13(厚み1.0mm)の上面に設けた複数の凹部14(平面視円形状、直径2.1mm、深さ200μm)にそれぞれ回路層1を配置した。ここで、凹部14の開口縁には段部21(平面視円形状、直径4mm、深さ100μm)が設けられている。回路層1としては、銅タングステン合金で形成されているもの(平面視円形状、直径2mm、厚み200μm、熱膨張係数6.4ppm/℃、熱伝導率160W/mk)を用いた。また、回路層1を配置する前に、成型用下プレート13の上面(凹部14の内面も含む)にテフロン(登録商標)コーティングを行って離型性を付与しておいた。
次に、図2(a)(b)及び図4(a)(b)に示すように、前記複数の回路層1を覆うように、絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と金属板3をこの順に重ね、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型した。ここで、絶縁樹脂シート15としては、平均粒径4μmのアルミナフィラーを85質量%含有する熱硬化性エポキシ樹脂材料を半硬化状態のシート状に成形したもの(厚み100μm)を用いた。また、金属板3としては、アルミ板(厚み2.0mm)を用いた。また、熱圧着成型は、次のようにして行った。まず10分間真空引きを行い、圧力40kg/cm(3.92MPa)で加圧すると共に室温から170℃まで温度を上昇させ、170℃になった時点で圧力及び温度を90分間保持した。
その後、冷却してから、成型用下プレート13から成型用上プレート16を離間させ、図2(c)及び図4(c)に示すように、複数の回路層1が絶縁樹脂層2で接着された金属板3を成型用下プレート13から取り出した。
そして、図2(d)に示すように、回路層1の絶縁樹脂層側の底面5に比べて金属板3の接着面6が大きくなるように、具体的には、金属板3が平面視円形状(直径10mm)に形成されると共に回路層1及び金属板3が同心円状に配置されるように、回路層1ごとに金属板3を打ち抜いて個片化すると、図1に示すような金属ベース回路板4を得ることができた。
さらに、外部に露出している絶縁樹脂層2の外周部を除去した後、絞り加工等を行うことによって、図9(b)に示すように、金属板3の側面(3mm幅)を回路層側に延出させて反射板10を形成した。この反射板10は、回路層より1mm高くなるように形成した。
また、この金属ベース回路板4においては、図7(b)に示すように、仮想線B(垂線Hとのなす角度は60°)上に、金属板3の底面7の外周縁が位置している。
また、絶縁樹脂層2の厚みは5μmであり、絶縁樹脂層2の熱伝導率は3W/mkである。
(実施例4)
まず、図5(a)及び図6(a)に示すように、複数の凹部14(平面視円形状、直径3mm、深さ275μm)にそれぞれ回路層1を配置した。ここで、回路層1としては、タングステンで形成されているもの(平面視円形状、直径3mm、厚み300μm)を用いた。また、回路層1を配置する前に、成型用下プレート13(厚み1.0mm)の上面(凹部14の内面も含む)にテフロン(登録商標)コーティングを行って離型性を付与しておいた。
次に、図5(b)及び図6(b)に示すように、各回路層1が各貫通穴17(平面視円形状、内径9mm)に収容されるように位置合わせを行いつつ、成型用下プレート13の上面に穴あきプレート18(厚み1.0mm)を重ね、各貫通穴17に絶縁樹脂層2を形成するための絶縁樹脂シート15と金属板3をこの順に重ねて入れた後に、下面が平滑な成型用上プレート16と前記成型用下プレート13で熱圧着成型した。ここで、絶縁樹脂シート15としては、平均粒径2μmのアルミナフィラーを90質量%含有する熱硬化性エポキシ樹脂材料を半硬化状態のシート状に成形したもの(厚み50μm、直径9mm)を用いた。また、金属板3としては、銅板(厚み3.0mm、直径9mm)を用いた。また、熱圧着成型は、次のようにして行った。まず10分間真空引きを行い、圧力5kg/cm(0.49MPa)で加圧すると共に室温から170℃まで温度を上昇させ、170℃になった時点で圧力及び温度を90分間保持した。
そして、成型用下プレート13から成型用上プレート16を離間させると、図5(c)に示すような金属ベース回路板4を得ることができた。さらにバレルメッキ加工により金属板の表面に銀メッキを施した。
この金属ベース回路板4においては、図7(a)に示すように、仮想線A(垂線Hとのなす角度は45°)上に、金属板3の底面7の外周縁が位置している。
また、絶縁樹脂層2の厚みは25μmであり、絶縁樹脂層2の熱伝導率は5W/mkである。
(実施例5)
金属板3として片面に凹凸形状を設けたアルミ板(厚み2.0mm)を用いるようにした以外は、実施例1と同様にして、図8に示すような放熱フィン8を形成した金属ベース回路板4を得ることができた。なお、金属板3の片面には凹凸形状が設けられているので、均一に圧力がかかるようにするために、金属板3と成型用上プレート16の間にクッション紙を挟んで熱圧着成型を行った。
この金属ベース回路板4においては、図7(b)に示すように、仮想線B(垂線Hとのなす角度は60°)上に、金属板3の底面7の外周縁が位置している。
また、絶縁樹脂層2の厚みは25μmであり、絶縁樹脂層2の熱伝導率は6W/mkである。
実施例1〜5の金属ベース回路板4の熱抵抗値を下記[表1]に示す。また、実施例1〜5の金属ベース回路板4に260℃の半田リフロー処理を行った後、回路層1と金属板3の剥離の有無を確認した。その結果も下記[表1]に示す。
Figure 0004631785
上記[表1]にみられるように、いずれの実施例のものも、熱抵抗値が小さく放熱性に優れていることが確認され、また、剥離が発生しないことも確認された。
金属ベース回路板の一例を示すものであり、(a)は斜視図、(b)は断面図、(c)は平面図である。 金属ベース回路板の製造方法の一例を示すものであり、(a)〜(d)は断面図である。 同上の一部を拡大して示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 金属ベース回路板の製造方法の他の一例の一部を拡大して示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 金属ベース回路板の製造方法の他の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 同上の一部を拡大して示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 金属ベース回路板の他の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。 金属ベース回路板の他の一例を示す断面図である。 金属ベース回路板の他の一例を示すものであり、(a)(b)は断面図である。 実装部品を回路基板に実装して形成されるモジュールの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 回路層
2 絶縁樹脂層
3 金属板
4 金属ベース回路板
5 底面
6 接着面
7 底面
8 放熱フィン
9 反射板
10 反射板
11 部品
12 回路基板
13 成型用下プレート
14 凹部
15 絶縁樹脂シート
16 成型用上プレート
17 貫通穴
18 穴あきプレート
19 実装部品
20 モジュール

Claims (11)

  1. 回路層を絶縁樹脂層で金属板に接着して形成される金属ベース回路板であって、平面視円形状に形成された回路層と平面視円形状に形成された金属板とが同心円状に配置され、回路層の一部が絶縁樹脂層に埋め込まれていると共に、回路層の絶縁樹脂層側の底面に比べて金属板の接着面が大きく、回路層の絶縁樹脂層側の底面の外周縁から金属板側に下ろした垂線に対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線上又はその外側に、金属板の絶縁樹脂層側と反対側の底面の外周縁が位置して成ることを特徴とする金属ベース回路板。
  2. 回路層の厚みが150μm以上であると共に、回路層の絶縁樹脂層側の底面と金属板の接着面との間における絶縁樹脂層の厚みが80μm以下であり、絶縁樹脂層の熱伝導率が3W/mk以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属ベース回路板。
  3. 絶縁樹脂層が、平均粒径5μm以下のフィラーを60〜95質量%含有する樹脂組成物の硬化物で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属ベース回路板。
  4. 回路層が、タングステン、タングステンを含む合金、鉄ニッケル系合金のいずれかの材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の金属ベース回路板。
  5. 金属板に凹凸形状を設けて放熱フィンを形成して成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の金属ベース回路板。
  6. 絶縁樹脂層に反射板を設置して成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の金属ベース回路板。
  7. 金属板を変形させることによって反射板を形成して成ることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の金属ベース回路板。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載の金属ベース回路板の回路層に部品を実装して成ることを特徴とする実装部品。
  9. 請求項に記載の実装部品を回路基板に実装して成ることを特徴とするモジュール。
  10. 成型用下プレートの上面に設けた複数の凹部にそれぞれ平面視円形状に形成された回路層を配置し、これらの回路層を覆うように、絶縁樹脂層を形成するための絶縁樹脂シートと金属板をこの順に重ね、下面が平滑な成型用上プレートと前記成型用下プレートで熱圧着成型した後に、複数の回路層が絶縁樹脂層で接着された金属板を取り出し、回路層の絶縁樹脂層側の底面に比べて金属板の接着面が大きくなるように、回路層ごとに回路層と同心円状の平面視円形状に金属板を打ち抜いて個片化して、回路層の絶縁樹脂層側の底面の外周縁から金属板側に下ろした垂線に対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線上又はその外側に、金属板の絶縁樹脂層側と反対側の底面の外周縁が位置するように形成することを特徴とする金属ベース回路板の製造方法。
  11. 複数の凹部を上面に設けて成型用下プレートが形成されると共に、前記凹部の開口面積よりも大きい開口面積を有する貫通穴を前記凹部と同数設けて穴あきプレートが形成され、前記複数の凹部にそれぞれ平面視円形状に形成された回路層を配置し、各回路層が各貫通穴に収容されるように位置合わせを行いつつ、成型用下プレートの上面に穴あきプレートを重ね、各貫通穴に絶縁樹脂層を形成するための絶縁樹脂シートと平面視円形状に形成された金属板を、回路層と金属板とが同心円状に配置されるようにこの順に重ねて入れた後に、下面が平滑な成型用上プレートと前記成型用下プレートで熱圧着成型して、回路層の絶縁樹脂層側の底面の外周縁から金属板側に下ろした垂線に対して外向きに45°の角度で下ろした仮想線上又はその外側に、金属板の絶縁樹脂層側と反対側の底面の外周縁が位置するように形成することを特徴とする金属ベース回路板の製造方法。
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