JP4631262B2 - (シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、医薬や農薬原料として有用な(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を製造する方法に関する。
(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体は、医薬品や農薬の原料として有用な化合物である。この一般的な製造法として、(A)(トランス)−N−アセチル−4−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロリンメチルエステルを加水分解し、次いで水酸化ナトリウムで加熱処理する方法(例えば非特許文献1参照)
Figure 0004631262
(B)(トランス)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルとジシクロヘキシルカルボジイミドを反応させ、次いでギ酸との反応によりギ酸エステルを製造し、これを加水分解する方法(例えば非特許文献2参照)
Figure 0004631262
(C)(トランス)−N−ベンゾイル−4−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロリンメチルエステルを水酸化ナトリウムで処理してカルボン酸を晶析・ろ過して単離し、次いで炭酸カリウムで加熱処理してプロリンラクトンを晶析・ろ過して単離し、これをメタノールで処理することにより(シス)−N−ベンゾイル−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルを得る方法(例えば特許文献1参照)
Figure 0004631262
等が知られている。
ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー(J.Chem.Soc.)429−432頁、1945年 バイオサイエンス・バイオテクノロジー・アンド・バイオケミストリー(Biosci.Biotech.Biochem.)59巻、6号、1161−1162頁、1995年 特公平8−32677号公報(実施例1)
前記(A)の(トランス)−N−アセチル−4−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロリンメチルエステルを加水分解し、次いで水酸化ナトリウムで加熱処理する方法は、アセチル保護基の加水分解反応が副反応として併発してしまうため、収率が低く、工業的な製法とはいえない。(B)の(トランス)−N−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルとジシクロヘキシルカルボジイミドを反応させ、次いでギ酸との反応によりギ酸エステルを製造し、これを加水分解する方法は、反応収率も高く、優れた方法であるが、ジシクロヘキシルカルボジイミドが高価であり、工業的な製法として問題がある。(C)の(トランス)−N−ベンゾイル−4−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロリンメチルエステルを水酸化ナトリウムで処理してカルボン酸を晶析・ろ過して単離し、次いで炭酸カリウムで処理してプロリンラクトンを晶析・ろ過して単離し、これをメタノールで処理することにより(シス)−N−ベンゾイル−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルを得る方法は、安価な原料から製造できる点は優れているが、窒素保護基の加水分解を抑制する目的で中間生成物を単離する操作を2回行っており、非常に煩雑な操作を必要とすることから、工業的な製造法とするためには問題がある。従って、安価な原料から、簡便な操作によって高純度の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を製造する、工業的に有利な方法が望まれていた。
本発明者らは前記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体を原料に用い、塩基性化合物水溶液中で反応させて、(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を得る際、塩基性化合物の添加量、および反応温度を適切にコントロールすることにより、煩雑な単離操作を必要とせずに、一段の反応操作で高純度(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式(1)

Figure 0004631262
(式中、R1 は、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基のいずれかを示す。またXはハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキルスルホニルオキシル基のいずれかを示す。)で表される(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体から下記一般式(2)
Figure 0004631262
(式中、R1 は、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基のいずれかを示す。)で表される(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を製造する際、(1)塩基性化合物を添加して50〜120℃の反応温度させる工程、次いで(2)反応液の温度を0〜40℃に低下させて塩基性化合物を再度添加する工程を経由することを特徴とする、高純度(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を製造する方法である。
本発明によれば、(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体を加水分解するときに、(1)塩基性化合物を添加して高温で反応させ、次いで(2)反応液の温度を下げてから塩基性化合物を再度添加するという2段階の操作を経由することにより、医薬中間体として有用な(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を高純度、かつ簡便に製造することができる。
本発明を具体的に述べる。原料の一般式(1)で表される(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体としては、以下記載の化合物を包含するが、これらの化合物に限定されるものではない。

Figure 0004631262
また、光学活性な(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体であるL体(2S、4R体)、D体(2R、4S体)も同様に使用することができる。
反応は、(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体を水で希釈して実施することが好ましい。このとき反応に関与しない他の有機溶媒が混在していても問題ない。
反応に使用する塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属水酸化物が挙げられるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム等のアルカリ金属炭酸水素塩であり、特に好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムである。これらは水溶液や固体のままで反応に供給することもできるが、水溶液として滴下する方が操作も簡便であり、好ましい。塩基性化合物水溶液の濃度は特に規定しないが、5〜50%水溶液が使用できる。
塩基性化合物の総添加量は、原料である(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体に対して0.5〜5.0モル倍量であるが、好ましくは1.0〜3.0モル倍量、より好ましくは1.5〜2.8モル倍量である。
塩基性化合物は、複数回に分割して添加するが、操作の簡便性を考慮して、2回に分割して添加する方法が望ましい。1回目の塩基性化合物添加量は、原料に対して0.5〜2.5モル倍量が好ましく、より好ましくは、1.0〜2.0モル倍量である。この反応液は50〜120℃で撹拌するが、より好ましい反応温度は60℃〜110℃である。塩基性化合物の存在量が過剰であり、かつ、高温の状態では、窒素原子上の置換基が脱離して、生成物の収率は低下する。反応時間は(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体や塩基性化合物の種類、反応液濃度、反応温度によって異なるが、通常は1〜20時間である。反応の終了は、HPLC等の分析により、原料である(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体の消失を確認することが好ましい。この反応液を0〜40℃に冷却し、2回目以降の塩基性化合物の添加を行う。このとき0.2〜2.0モル倍量の塩基性化合物を添加するのが好ましく、より好ましくは0.5〜1.5モル倍量である。2回目以降の塩基性化合物の添加を行うときの温度は、10℃〜30℃がより好ましい。このように、2回目以降の塩基性化合物の添加を0〜40℃で行うことにより、窒素原子上の置換基が脱離した副生物の少ない、高純度の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体が、中間体を単離することなく、簡便な操作で製造できる。
反応終了後、生成物の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を単離する。このとき、上記製造法で得られた(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体は、窒素原子上の置換基が脱離した不純物が少ないため、通常の方法が採用できる。例えば、室温まで冷却してから硫酸、塩酸等の無機酸を添加し、(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を遊離状態にしたのち、有機溶媒で抽出する方法である。得られた(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の溶液は、必要に応じて、濃縮や蒸留、もしくは晶析を行うことにより、より純度の高い製品を得ることができる。特に有機溶媒中で再結晶操作を行うことにより、少量副生する(トランス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体や、窒素原子上の置換基が脱離した不純物を取り除くことが可能である。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル、トルエン等の芳香族炭化水素が好ましく使用できる。さらに好ましくはメタノール、エタノール、1−ブタノール、酢酸、シクロペンチルメチルエーテルである。これらの溶媒は、単独で用いてもよいが、水、もしくは他の有機溶媒との混合物であっても構わない。
以下、実施例で詳しく説明するが、本発明はこの範囲に限定されるものではない。なお、実施例において、反応液の組成分析や晶析品の化学純度分析はHPLCのarea%で算出した。分析条件は対象物によって異なるため一律には記載できないが、代表例として(トランス)−N−ベンジルオキシカルボニル(以下Zと略す)−4−ヒドロキシプロリン、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンのHPLC分析条件を記載する。
カラム :CAPCELL PAK C18(SG120)
5μm 150mm*4.6mmφ(資生堂)
移動相 :A:リン酸水 (pH2.20) B;アセトニトリル
A/B = 80/20(10分)−10分 → 45/55(25分)
流量 :1.0ml/min.
検出器 :UV 210nm
温度 :40℃
保持時間: 5.8分 (トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリン
7.8分 (シス)−Z−4−ヒドロキシプロリン
15.5分 (トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンメチルエステル
21.1分 (トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチ ルエステル
また、実施例で使用した試薬は、特に注記のない限り市販の試薬1級グレード品を使用した。なお、シクロペンチルメチルエーテル(以下CPMEと略す)は日本ゼオン株式会社の製品を使用した。
参考例1 (トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの製造法
攪拌機、滴下ロート、ジムロート、温度計、pHメーターを装着した2000mlの4口フラスコに、L−ヒドロキシプロリン65.6g(0.5モル)、水酸化ナトリウム20.7g(0.52モル)、水350gを仕込み、室温にて撹拌した。pHを11.5〜12.0に保ちながら、ベンジルオキシカルボニルクロリド89.6g(0.53モル)と48%水酸化ナトリウム水溶液43.81gを交互に滴下した。滴下終了後1.5時間撹拌したのちトルエン153gを加え、分液してトルエン層を除去した。水層にCPME300gを加え、撹拌しながら95%硫酸31.8gを加えた。撹拌を停止し、分液して水層を除去したのち、40kPaで減圧濃縮を行った。留出液の水層を分液除去し、上層をフラスコに戻して再度減圧濃縮を行い、(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンを含むCPME溶液306gを得た((トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンとして37.6重量%、115g含有)。
参考例2 (トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルの製造法
参考例1で製造された(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンのCPME溶液306g((トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンとして37.6重量%、115g含有)にメタノール160g(5.0モル)、95%硫酸5.16g(0.05モル)を加えた。45〜50℃に昇温して5時間撹拌したのち、炭酸ナトリウム7.95g(0.08モル)を加え0.5時間撹拌したのち、40kPaで減圧濃縮して過剰のメタノールを除去した。この濃縮液にCPME200g、水100gを加え撹拌し、水層を分液除去したのち、CPME層を24kPaで減圧濃縮した。留出液の水層を分液除去し、上層をフラスコに戻して再度減圧濃縮を行い、(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルを含むCPME溶液311gを得た。
参考例3 (トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルの製造法
参考例2で製造された(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンメチルエステルのCPME溶液311gにCPME156g、トリエチルアミン67g(0.63モル)を加え、20〜25℃で撹拌しながらメタンスルホニルクロリド68.7g(0.60モル)を滴下した。室温にて2時間撹拌したのち、10%食塩水150gを加え、水層を分液除去した。CPME層を27kPaで減圧濃縮し、(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液197gを得た。
実施例1 (シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの製造法
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液87.8g(0.22モル)に水263.4g、48%水酸化ナトリウム水溶液27.8g(0.33モル)を加え、80〜85℃で4時間撹拌した。この反応液を20〜25℃に冷却し、48%水酸化ナトリウム水溶液14.8g(0.18モル)を加え、20〜25℃で2時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は89%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは2.7%、ベンジルアルコールは3.2%であった。この反応液にトルエン153gを加え、分液してトルエン層を除去した。水層にCPME393gを加え、撹拌しながら95%硫酸17.4gを加えた。撹拌を停止し、分液して水層を除去したのち、20kPaで減圧濃縮を行った。65℃で濃縮液に種晶を入れ、20℃までゆっくりと冷却し、析出した結晶を遠心ろ過し、減圧乾燥して、薄黄色の(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリン39.1g(0.15モル、L−ヒドロキシプロリンから66.4%の収率)を得た。
実施例2
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液9.9g(0.025モル)に水29.9g、48%水酸化ナトリウム水溶液3.1g(0.038モル)を加え、80〜85℃で6時間撹拌した。この反応液を20〜25℃に冷却し、48%水酸化ナトリウム水溶液0.6g(0.008モル)を加え、20〜25℃で4時間、さらに60〜65℃で4時間撹拌した。この反応液を20〜25℃に冷却し、48%水酸化ナトリウム水溶液1.1g(0.013モル)を加え、20〜25℃で2時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は90%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは3.2%、ベンジルアルコールは3.3%であった。
実施例3
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液9.9g(0.025モル)に水32.1g、48%水酸化ナトリウム水溶液3.1g(0.038モル)を加え、100〜105℃で6時間撹拌した。この反応液を40〜45℃に冷却し、48%水酸化ナトリウム水溶液0.4g(0.005モル)を加え、40〜45℃で2時間、さらに60〜65℃で4時間撹拌した。この反応液を20〜25℃に冷却し、48%水酸化ナトリウム水溶液2.1g(0.025モル)を加え、20〜25℃で3時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は90%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは3.3%、ベンジルアルコールは3.3%であった。
比較例1
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液9.9g(0.025モル)に水29.6g、48%水酸化ナトリウム水溶液4.2g(0.05モル)を加え、60〜65℃で11時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は75%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは3.8%、ベンジルアルコールは6.3%であった。
比較例2
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液9.9g(0.025モル)に水29.9g、48%水酸化ナトリウム水溶液3.2g(0.038モル)を加え、60〜65℃で11時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は70%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは3.2%、ベンジルアルコールは3.0%であった。
比較例3
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液9.9g(0.025モル)に水29.9g、48%水酸化ナトリウム水溶液4.2g(0.05モル)を加え、80〜85℃で10時間撹拌した。この反応液にさらに48%水酸化ナトリウム水溶液0.4g(0.005モル)を加え、80〜85℃で3.5時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は79%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは3.6%、ベンジルアルコールは8.3%であった。
比較例4
参考例3で製造された(トランス)−Z−4−メタンスルホニルオキシプロリンメチルエステルのCPME溶液9.9g(0.025モル)に水30.2g、炭酸水素ナトリウム4.2g(0.050モル)を加え、60〜65℃で8時間撹拌した。反応終了後、HPLCで分析した結果、(シス)−Z−4−ヒドロキシプロリンの収率は60%であり、副生する(トランス)−Z−4−ヒドロキシプロリンは1.1%、ベンジルアルコールは1.1%であった。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0004631262
本発明により製造された(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体は、医薬や農薬原料として有用であるが、その応用範囲は、これらに限られるものではない

Claims (8)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004631262
    (式中、R1、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基、R 2 は炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラルキル基のいずれかを示す。またXはハロゲン原子、炭素数が1〜6のアルキルスルホニルオキシル基のいずれかを示す。)で表される(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体から下記一般式(2)
    Figure 0004631262
    (式中、R1、アリールカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、炭素数が1〜6のアルキルスルホニル基のいずれかを示す。)で表される(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体を製造する際、(1)塩基性化合物を添加して50〜120℃の反応温度で反応させる工程、次いで(2)反応液の温度を0〜40℃に低下させて塩基性化合物を再度添加する工程を経由することを特徴とする(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  2. 一般式(1)、および一般式(2)のR1がアラルキルオキシカルボニル基であることを特徴とする請求項1記載の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  3. 一般式(1)、および一般式(2)のR1がベンジルオキシカルボニル基であることを特徴とする請求項1記載の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  4. 1回目の塩基性化合物添加量が、一般式(1)で表される(トランス)−4−ヒドロキシプロリンエステル誘導体に対して0.5〜2.5モル倍量であり、2回目以降の塩基性化合物添加量が0.2〜2.0モル倍量であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  5. 1回目の塩基性化合物添加時の反応温度が60℃〜110℃であり、2回目以降の塩基性化合物添加時の反応温度が10℃〜30℃であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項記載の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  6. 塩基性化合物がアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩、アルカリ土類金属水酸化物のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  7. 一般式(1)のXが炭素数が1〜6のアルキルスルホニルオキシル基である請求項1〜6のいずれか1項記載の(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
  8. 一般式(1)、および一般式(2)が光学活性体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の光学活性(シス)−4−ヒドロキシプロリン誘導体の製造法。
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