JP2015040200A - (2s,5s)−5−ヒドロキシ−2−ピペリジンカルボン酸の製造方法並びにその製造中間体及びその製造方法 - Google Patents

(2s,5s)−5−ヒドロキシ−2−ピペリジンカルボン酸の製造方法並びにその製造中間体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より安全性が高く、かつ、安価な原料を用いる5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体、5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体の合成法を提供すること。【解決手段】下記式[I]で示される化合物から、工程(1)〜(9)[ただし、工程(4)〜(7)においては、工程(4)及び(5)、又は工程(6)及び(7)のいずれか]を経て、下記式[X]で示される化合物を製造する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、(2S,5S)−5−ヒドロキシ−2−ピペリジンカルボン酸(「cis−5−ヒドロキシ−2−ピペリジンカルボン酸」、「cis−5−ヒドロキシピぺコリン酸」とも呼ばれる)の中間体である5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体や光学活性5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体の新規製造方法並びにその製造中間体及びその製造方法に関するものである。
光学活性5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体(後述するMEZME等)や光学活性5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体(後述するKZME等)は、医薬中間体(2S,5S)−5−ヒドロキシ−2−ピペリジンカルボン酸(OPA)等の原料として重要である。
Figure 2015040200
MEZME、KZMEの製造方法としては、それぞれ、非特許文献1、非特許文献2に記載の方法が知られている。非特許文献1に記載の方法では、L−アリシンエチレンアセタールを出発物質として、N−カルボニル化を行い、カルボン酸のメチル化を行い、保護されたアミノ酸を得る。環化−除去シークエンスにより、テトラヒドロピリジンを得る。エポキシ化により、5−ヒドロキシ−ピぺコリン酸誘導体である(2S,5R,6RS)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸メチルを得る。非特許文献2に記載の方法では、D−グルタミン酸を出発物質として、α−アミノ基の選択的保護により、オキサゾリジノンを形成し、開環反応によりα−エステルを得る。脱水後、ジアゾメタンと反応させることでジアゾケトンを得る。N−H結合を閉環し、保護された5−オキソピぺコリン酸を得る。立体特異的還元により、cis−5−ヒドロキシ−D−ピぺコリン酸エステルを得る。
Peter N. M. Botman,; F. Jan Dommerholt,; Rene de Gelder,; Quirinus B. Broxterman,; Hans E. Schoemaker,; Floris P. J. T. Rutjes,; Richard H. Blaauw Org. Lett., Vol. 6, No. 26, 2004 Shirude, P. S.; Kumar, V. A.; Ganesh, K. N. Tetrahedron 2004, 9485.
非特許文献1に記載の製造方法では、原料となるアミノ酸の合成が困難であり、さらに、この製造方法ではトランス体のみ得られるので、所望のシス体(OPA)を取得するためには水酸基の立体反転が必要となるという課題があった。
非特許文献2に記載の製造方法では、爆発性があり、かつ、高価なジアゾメタンを用いるため、安全性が低く、かつ、原料が高価となるという課題があった。
そこで、本発明は、より安全性が高く、かつ、安価な原料を用いる、MEZME等の5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体やKZME等の5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体の立体選択的な合成法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、Strecker反応及び選択的なケトン化を用いれば、危険性が低く、かつ、安価な原料を用いてKZME等の合成反応を進行させることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
<1>
(1)式[I]:
Figure 2015040200
で示される化合物を酸処理することにより得られる4−ヒドロキシアルデヒドと、(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミンと、シアン化アルカリ金属塩と、酸とを反応させることにより、
式[II]:
Figure 2015040200
[式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(2)式[II]で示される化合物又はその塩を、過酸化水素水、及びアルカリ金属塩で水和することにより、
式[III]:
Figure 2015040200
[式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(3)式[III]で示される化合物又はその塩を、貴金属触媒、及び還元剤で脱フェネチル化することにより、
式[IV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(4)式[IV]で示される化合物又はその塩を、アルコールの存在下、酸、又はハロゲン化物で処理して、化合物[IV]又はその塩におけるアミド基をエステル基へ変換し、カルボキシル基を保護することにより、
式[V]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(5)式[V]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより、
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(6)式[IV]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより、
式[VII]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(7)式[VII]で示される化合物又はその塩を、アルコールの存在下、酸、又はハロゲン化物で処理して、化合物[VII]又はその塩におけるアミド基をエステル基へ変換し、カルボキシル基を保護することにより、
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(8)式[VI]で示される化合物又はその塩における一級水酸基を酸化剤で処理することより酸化し、さらに、酸で処理して脱水することにより、
式[VIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(9)式[VIII]で示される化合物又はその塩を、酸化剤で処理して、化合物[VIII]又はその塩における二重結合を酸化することにより
式[X]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、R4は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
を含む(ただし、前記工程(4)〜(7)においては、工程(4)及び(5)、又は工程(6)及び(7)のいずれかを含む)、
式[X]で示される化合物又はその塩を製造する方法。
<2>
(10)<1>に記載の製造方法により得られた式[X]で示される化合物又はその塩と、酸とを反応させることにより、化合物[X]又はその塩における保護された水酸基(R4O基)を脱離させ、さらにケトン化することにより、
式[IX]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
<3>
(15)<2>に記載の製造方法により得られた式[IX]で示される化合物又はその塩におけるカルボニル基を、NaBH4で処理して還元することにより、
式[XVI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(16)式[XVI]で示される化合物又はその塩におけるカルボキシル基の保護基(R2基)を、アルカリ金属水酸化物の存在下、加水分解して、脱保護することにより、
式[XIV]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(17)式[XIV]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基の保護基(R3基)を、Pd/Cの存在下、水素、又は、酸により脱保護することにより、
式[XV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
を含む、
式[XV]で示される化合物又はその塩を製造する方法。
<4>
(11)<1>に記載の製造方法により得られた式[X]で示される化合物又はその塩における、アミノ基の保護基(R3基)および保護された水酸基(R4O基)を、還元剤の存在下、酸、又は、アルカリにより、除去することにより、
式[XI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(12)式[XI]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより
式[XII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(13)式[XII]で示される化合物又はその塩を、トリフェニルフォスフィン、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、および蟻酸で処理することにより、化合物[XII]又はその塩における水酸基の立体を反転させ、該水酸基を保護することにより、
式[XIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
(14)式[XIII]で示される化合物又はその塩における水酸基の保護基(R6基)、およびカルボキシル基の保護基(R2基)を、塩基の存在下、脱保護することにより
式[XIV]:
Figure 2015040200
[式中、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物を製造する工程、
(17)式[XIV]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基の保護基(R5基)を、Pd/Cの存在下、水素、又は、酸により脱保護することにより
式[XV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を製造する工程、
を含む、
式[XV]で示される化合物又はその塩を製造する方法。
<5>
式[IV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩。
<6>
式[VII]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
で示される化合物。
<7>
式[V]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
で示される化合物又はその塩。
<8>
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩。
<9>
式[XII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩。
<10>
式[XIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩。
本発明の製造方法によれば、用いる原料の安全性が高く、かつ、安価であり、さらには、目的とする化学反応のみを高立体選択的に進行させるため、目的とするMEZME等の5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体やKZME等の5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体化合物を、安全に、安価で効率よく製造することができる。
5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体(MEZME等)、及び5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体(KZME等)の合成スキームを示す図である。さらに、MEZME等、KZME等からの(2S,5S)−5−ヒドロキシ−2−ピペリジンカルボン酸(OPA)の合成スキームについても示す。
本明細書において用いた略号を説明する。
DHP:ジヒドロピラン(化合物[I])
PANI:(2S)−6−ヒドロキシ−2−{[(S)−1−フェニルエチル]アミノ}
ヘキサンニトリル(化合物[II]において、R1=Meの化合物)
PAD:(2S)−6−ヒドロキシ−2−{[(S)−1−フェニルエチル]アミノ}ヘキサンアミド(化合物[III]において、R1=Meの化合物の塩)
AD:(1S)−1−アミノカルボニル−5−ヒドロキシペンタン−1−アミニウム=クロリド(化合物[IV]の塩)
ZAD:(2S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6−ヒドロキシヘキサン酸アミド(化合物[VII]において、R3=Cbzの化合物)
HME:(1S)−5−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニルペンタン−1−アミニウム=クロリド(化合物[V]において、R2=Meの化合物の塩)
ZME:(2S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6−ヒドロキシヘキサン酸メチル(化合物[VI]において、R2=Me,R3=Cbzの化合物)
DZME:(2S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロピリジン−2−カルボン酸メチル(化合物[VIII]において、R2=Me,R3=Cbzの化合物)
MEZME:(2S,5R、6RS)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸メチル(化合物[X]において、R2=Me,R3=Cbz,R4=Me,の化合物)
TME:(2S,5R)−5−ヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸メチル塩酸塩(化合物[XI]において、R2=Meの化合物,の塩)
TZME:(2S,5R)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸メチル(化合物[XII]において、R2=Me,R5=Cbzの化合物)
CFZME:(2S,5S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ホルミルオキシピペリジン−2−カルボン酸メチル(化合物[XIII]において、R2=Me,R5=Cbz,R4=CHO,の化合物)
KZME:(2S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−オキソピペリジン−2−カルボン酸メチル(化合物[IX]において、R2=Me,R3=Cbzの化合物)
AZME:(2S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸メチル(化合物[XVI]において、R2=Me,R3=Cbz,の化合物)
ZOPA:(2S,5S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸(化合物[XIV]において、R3=Cbz,の化合物)
OPA:(2S,5S)−5−ヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸(化合物[XV])
以下、本発明につき詳細に説明する。
(1)製造方法
本発明の5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体(MEZME等)を製造する方法は、下記工程(1)〜(9)を含む。ただし、工程(4)〜(7)においては、工程(4)及び(5)、又は工程(6)及び(7)のいずれかを含む。
また、本発明は、さらに工程(10)を有する、5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体(KZME等)を製造する方法に関する。
本発明の製造方法に用いる、化合物及び試薬等の多くは市販されており、市販されたものを用いることができる。また、通常の有機化学手法を用いて、合成することも可能である。
<工程(1)>
本発明の、工程(1)を有する化合物[II]を製造する方法は、次のとおりである。
式[I]:
Figure 2015040200
で示される化合物を酸処理することにより得られる4−ヒドロキシアルデヒドと、(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミンと、シアン化アルカリ金属塩と、酸とを反応させる
ことを特徴とする、
式[II]:
Figure 2015040200
[式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[II]は、例えば、以下のようにして得ることができる。まず、化合物[I](4−ジヒドロ−2H−ピラン)を、酸処理により、水和・開環して4−ヒドロキシアルデヒドへと変換し、この酸性溶液をアルカリ水溶液で中和する。次に、この中和した水溶液に(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミン、及びシアン化アルカリ金属塩を加えた後、酸を加えて、好ましくは、有機溶媒中で反応することにより製造することができる。
化合物[I]は、公知化合物であり、市販のものを用いることもできるし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。
化合物[I]を活性化するためには、酸の濃度は、通常0.1M〜12M、使用量は好ましくは化合物[I]に対して0.1V/W〜50V/Wであり、また、通常0.5M〜2.0M、使用量は好ましくは0.5V/W〜10V/Wである。
ここで、1V/Wとは、対象化合物1gに対して、溶液1mLを示す。本明細書中において、以下同様である。
酸の種類としては、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸等が挙げられる。
アルカリ水溶液としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。その濃度は、0.1%〜50%であることが好ましく、中でも、水酸化ナトリウムの10%〜30%溶液を酸と等量用いることが特に好ましい。
(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミンとしては、好ましくはアルキル基の炭素数1〜2である(S)−1−メチルベンジルアミン、(S)−1−エチルベンジルアミンであり、より好ましくは(S)−1−メチルベンジルアミンである。
(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミンの使用量は、原料である化合物[I]に対して、好ましくは1.0モル比〜2.0モル比であり、より好ましくは、1.0〜1.4モル比であり、1.0モル比であることが特に好ましい。
シアン化アルカリ金属塩としては、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム等が用いられ、好ましくは、シアン化ナトリウム、シアン化カリウムである。
シアン化アルカリ金属塩の使用量は、化合物[I]に対して、好ましくは1.0〜2.0モル比であり、より好ましくは、1.0モル比〜1.4モル比であり、1.0モル比で
あることが特に好ましい。
(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミン及びシアン化アルカリ金属塩と共に用いる酸としては、化合物[I]の活性化に使用する酸の濃度、及び使用量と同様である。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、化合物[I]に対して、通常0.001V/W〜100V/W、好ましくは、0.1V/W〜2V/Wとする。
反応温度は、特に制限はないが、通常−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜25℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.5時間〜336時間、好ましくは1時間〜240時間である。
式[II]で示される化合物、又はその塩における、塩の種類としては、特に限定されないが、塩酸塩、硫酸塩、アルキルカルボン酸塩、アリールカルボン酸塩、アラルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
なお、以下に示す本発明の化合物の塩における塩の種類も、上記と同様である。
1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示し、好ましくは炭素数1以上2以下のアルキル基を示す。
<工程(2)>
本発明の、工程(2)を有する化合物[III]を製造する方法は、次のとおりである。
式[II]:
Figure 2015040200
[式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
で示される化合物又はその塩を、過酸化水素水、及びアルカリ金属塩で水和する
ことを特徴とする、
式[III]:
Figure 2015040200
[式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[III]は、化合物[II]を、過酸化水素水及びアルカリ金属塩で水和することにより得ることができる。
過酸化水素水の使用量は、化合物[II]に対して、通常1.0モル比〜10.0モル比、好ましくは1.0モル比〜5.0モル比である。
アルカリ金属塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、好ましくは炭酸カリウムである。
アルカリ金属塩の使用量は、化合物[II]に対して、通常0.01モル比〜10.0モル比、好ましくは、0.05モル比〜0.5モル比である。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、塩化メチレン、クロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキサイド等が挙げられるが、好ましくはジメチルスルホキサイドである。
反応溶媒の使用量は、化合物[II]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは、1.0V/W〜10V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−30℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.5時間〜72時間、好ましくは1時間〜10時間である。
1は、式[II]で示される化合物におけるR1と同様である。
<工程(3)>
本発明の、工程(3)を有する化合物[IV]を製造する方法は、次のとおりである。
式[III]:
Figure 2015040200
[式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
で示される化合物又はその塩を、貴金属触媒、及び還元剤で脱フェネチル化する
ことを特徴とする、
式[IV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[IV]は、化合物[III]を、貴金属触媒、及び還元剤で脱フェネチル化することにより得ることができる。より具体的には、化合物[III]を、貴金属触媒の存在下、さらに、(i)酸の存在下又は非存在下において、水素の圧力を特定の範囲とした水素含有雰囲気下とすることで還元するか(但し、酸の存在下で行なうことが好ましい。)、あるいは、(ii)還元剤を共存させることで、化合物[III]を脱フェネチル化することができる。(i)の場合において、還元剤は水素である。
貴金属触媒としては、活性炭、アルミナ等に担持されたパラジウム、白金、ロジウム、イリジウム、ルテニウム金属等が用いられる。
貴金属触媒の使用量は、化合物[III]に対して、通常0.00001モル比〜1.0モル比、好ましくは、0.001モル比〜0.20モル比である。
酸としては、塩酸、硫酸、酢酸、燐酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。酸の濃度は、通常0.01M〜10M、使用量は、化合物[III]に対して、通常0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
水素含有雰囲気の、水素の圧力としては、通常0.1メガパスカル(MPa)〜100MPa、好ましくは、1MPa〜10MPaである。
還元剤としては、上記特定の範囲の圧力の水素含有雰囲気における水素、蟻酸、蟻酸アンモニウム、蟻酸トリエチルアミン塩等が挙げられる。
還元剤の使用量は、化合物[III]に対して、通常1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
反応溶媒としては、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル等の単独又は混合溶媒を用いることができる。
反応溶媒の使用量は、化合物[III]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは1.0V/W〜10V/Wである。
反応温度としては、特に制限はないが、通常0℃〜200℃、好ましくは、20℃〜120℃である。
反応時間は、特に制限はないが、0.5時間〜72時間、好ましくは、2時間〜48時間である。
<工程(4)>
本発明の、工程(4)を有する化合物[V]を製造する方法は、次のとおりである。
式[IV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を、アルコールの存在下、酸、又はハロゲン化物で処理して、化合物[IV]又はその塩におけるアミド基をエステル基へ変換し、カルボキシル基を保護する
ことを特徴とする
式[V]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[V]は、化合物[IV]をアルコール(ROH)溶媒中、塩酸、硫酸等の酸、又は塩化チオニル等のハロゲン化物を作用させることにより得ることができる。
アルコール(ROH)の種類は、Rが炭素数1以上10以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であるアルコールが挙げられる。
すなわち、上記カルボキシル基の保護基R2は、Rが示すアルキル基である。
酸の濃度は、通常0.01M〜10M、使用量は、化合物[IV]に対して、通常0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
ハロゲン化物の使用量は、化合物[IV]に対して、通常1モル比〜100モル比であり、好ましくは、1.0モル比〜10モル比である。
アルコール(ROH)の使用量は、化合物[IV]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜10V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−20℃〜100℃、好ましくは、5℃〜60℃である。
反応時間は、特に制限はないが、0.5時間〜72時間、好ましくは、1時間〜20時間である。
<工程(5)>
本発明の、工程(5)を有する化合物[VI]又はその塩を製造する方法は、次のとおりである。
式[V]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
で示される化合物におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護する
ことを特徴とする
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物を製造する方法。
化合物[VI]は、化合物[V]のアミノ基を保護することにより得ることができる。
上記アミノ基の保護基R3としては、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、フタロイル基等が挙げられる。塩基の存在下、ベンジルオキシカルボニルクロリド、N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド、ジt−ブトキシカルボニル、フタル酸無水物等と化合物[V]を反応させることにより、化合物[VI]を得ることができる。
塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物[V]に対して、通常1モル比〜100モル比、好ましくは1モル比〜10モル比である。
反応溶媒は、水、酢酸エチル、トルエン、THF、アセトンを単独又は混合して用いることができる。
反応溶媒の使用量は、化合物[V]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜10V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−20℃〜100℃、好ましくは5℃〜50℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.1時間〜72時間、好ましくは、0.5時間〜24時間である。
上記カルボキシル基の保護基は、式[V]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2と同様である。
<工程(6)>
本発明の、工程(6)を有する化合物[VII]又はその塩を製造する方法は、次のとおりである。
式[IV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護する
ことを特徴とする
式[VII]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
で示される化合物を製造する方法。
化合物[VII]は、化合物[IV]のアミノ基を保護することにより得ることができる。
上記アミノ基の保護基としては、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、フタロイル基等が挙げられる。塩基の存在下、ベンジルオキシカルボニルクロリド、N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド、ジt−ブトキシカルボニル、フタル酸無水物等と、化合物[IV]を反応させることにより、化合物[VII]は得ることができる。
塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量は、化合物[IV]に対して、通常1モル比〜1
00モル比、好ましくは1モル比〜10モル比である。
反応溶媒としては、水、酢酸エチル、トルエン、THF、アセトンを単独又は混合して用いることができる。
反応溶媒の使用量は、化合物[IV]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは3.0V/W〜10V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−20℃〜100℃、好ましくは、5℃〜50℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.1時間〜72時間、好ましくは、0.5時間〜24時間である。
<工程(7)>
本発明の、工程(7)を有する化合物[VI]を製造する方法は、次のとおりである。
式[VII]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
で示される化合物又はその塩を、アルコールの存在下、酸、又はハロゲン化物で処理して、化合物[VII]又はその塩におけるアミド基をエステル基へ変換し、カルボキシル基を保護する
ことを特徴とする、
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物を製造する方法。
化合物[VI]は、アルコール(ROH)溶媒中で、化合物[VII]を塩酸、硫酸等の酸、又は、塩化チオニル等のハロゲン化物に作用させることにより得ることができる。
アルコール(ROH)の種類は、Rが炭素数1以上12以下のアルキル基であるアルコール等が挙げられる。すなわち、上記カルボキシル基の保護基R2は、Rが示すアルキル基である。
酸の濃度は、通常0.01M〜10M、使用量は、化合物[VII]に対して、通常0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
ハロゲン化物の使用量は、化合物[VII]に対して、通常1モル比〜100モル比であり、好ましくは、1.0モル比〜10モル比である。
アルコール(ROH)の使用量は、化合物[VII]に対して、通常1.0V/W〜100
V/W、好ましくは3.0V/W〜10V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−20℃〜100℃、好ましくは5℃〜60℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.5時間〜72時間、好ましくは1時間〜20時間である。
上記カルボキシル基の保護基及びアミノ基の保護基は、式[V]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2及び式[VI]で示される化合物におけるアミノ基の保護基R3と同様である。
<工程(8)>
本発明の、工程(8)を有する化合物[VIII]を製造する方法は、次のとおりである。
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩における一級水酸基を酸化剤で処理することより酸化し、さらに、酸で処理することにより脱水する
ことを特徴とする、
式[VIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物を製造する方法。
化合物[VIII]は、化合物[VI]の一級水酸基を酸化剤で処理することより酸化し、さらに、酸を加えて処理することにより脱水することにより得ることができる。
酸化剤としては、三酸化イオウピリジン錯体とジメチルスルホキシドとトリアルキルアミン、塩化オキサリルとジメチルスルホキシドとトリアルキルアミン、ジシクロヘキシルカルボジイミドとジメチルスルホキシドと燐酸、塩素とジメチルスルホキシドとトリアルキルアミン等が挙げられる。
酸化剤の使用量は、化合物[VI]に対して、通常1モル比〜100モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
反応溶媒としては、塩化メチレン、トルエン、酢酸エチル等を用いる場合や無溶媒の場合があり、いずれも使用できる。
反応溶媒の使用量は、化合物[VI]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは3.0V/W〜10V/Wとしてもよいし、あるいは、反応溶媒を使用しなくてもよい。
反応温度は、特に制限はないが、通常−100℃〜100℃、好ましくは、−78℃〜70℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.1時間〜72時間、好ましくは、0.5時間〜24時間である。
酸としては、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
酸の濃度は、通常0.01M〜10M、使用量は、化合物[VI]に対して、通常0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
脱水反応の溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、クロロベンゼン、酢酸エチル等が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物[VI]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは3.0V/W〜30V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜150℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.1時間〜72時間、好ましくは、0.5時間〜5時間である。
上記カルボキシル基の保護基及びアミノ基の保護基は、式[VI]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2及びアミノ基の保護基R3と同様である。
<工程(9)>
本発明の、工程(9)を有する化合物[X]を製造する方法は、次のとおりである。
式[VIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を、酸化剤で処理して、化合物[VIII]又はその塩における炭素二重結合を酸化する
ことを特徴とする
式[X]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、R4は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物を製造する方法。
上記水酸基の保護基R4としては、炭素数1〜12のアルキル基、アラルキル基、アリール基等が挙げられる。
化合物[X]は、化合物[VIII]における炭素二重結合を酸化剤で処理することにより酸化することにより得ることができる。
酸化剤としては、ペルオキシ一硫酸カリウム、m−クロロ過安息香酸、過酢酸等が挙げられる。
酸化剤の使用量は、化合物[VIII]に対して、通常1モル比〜100モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
反応溶媒としては、メタノール、塩化メチレン、酢酸エチル等を用いることができる。
反応溶媒の使用量は、化合物[VIII]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜30V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−78℃〜100℃、好ましくは、−10℃〜40℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.1時間〜96時間、好ましくは、0.5時間〜48時間である。
上記カルボキシル基の保護基及びアミノ基の保護基は、式[VIII]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2及びアミノ基の保護基R3と同様である。
<工程(10)>
本発明の、工程(10)を有する化合物[IX]を製造する方法は、次のとおりである。
式[X]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、R4は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩と、酸とを反応させることにより、化合物[X]又はその塩における保護された水酸基(R4O基)を脱離させ、さらにケトン化することにより、
式[IX]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
脱離、ケトン化を行なう際に用いる酸としては、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。
酸の濃度は、通常0.001M〜10M、使用量は、化合物[X]に対して、通常0.1
モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
ケトン化を行なう際の溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、クロロベンゼン、酢酸エチル等が挙げられる。
溶媒の使用量は、化合物[X]に対して、通常1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜30V/Wである。
反応温度は、特に制限はないが、通常−30℃〜200℃、好ましくは、0℃〜150℃である。
反応時間は、特に制限はないが、通常0.1時間〜72時間、好ましくは、0.5時間〜5時間である。
上記カルボキシル基の保護基及びアミノ基の保護基は、式[X]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2及びアミノ基の保護基R3と同様である。
<化合物[I]からの化合物[IX]の合成ルート>
本発明の5−ヒドロキシ−6−メトキシピペリジン−2−カルボン酸誘導体(MEZME等)及び5−オキソピペリジン−2−カルボン酸誘導体(KZME等)を製造する方法の合成スキームを、図1に示す。
まず、原料である化合物[I]から、工程(1)〜(3)を経由して化合物[IV]を合成する。
化合物[IV]から化合物[VI]の合成ルートには、以下の2通りのルートが含まれる。
ルート1では、化合物[V]を製造する工程(4)及び化合物[VI]を製造する工程(5)を経由して、化合物[VI]を合成する。
ルート2では、化合物[VII]を製造する工程(6)及び化合物[VI]を製造する工程(7)を経由して化合物[VI]を合成する。
化合物[VI]から、工程(8)及び(9)を経由して化合物[X]を合成する。
化合物[X]から、工程(10)を経由して化合物[IX]を合成する。
MEZME等からOPAの合成は、後述する方法により合成を行うことができる。
KZME等からOPAの合成は、後述する方法の他、公知の方法によっても合成を行うことができる(Tetrahedron Lett. 1988, 29, 2231)。
本発明のMEZME等からOPAを製造する方法は、下記工程(11)〜(14)及び(17)を含む。
<工程(11)>
本発明の、工程(11)を有する化合物[XI]を製造する方法は、次のとおりである。
式[X]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、R4は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩における、アミノ基の保護基(R3基)および保護された水酸基(R4O基)を、還元剤の存在下、酸、又は、アルカリにより、除去することにより、
式[XI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[XI]は化合物[X]を還元することにより得る。
還元剤としては、パラジウム炭素触媒存在下水素、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシボラン、トリエチルシランなどが挙げられる。
貴金属触媒の使用量は、化合物[X]に対して、通常0.00001モル比〜1.0モル比、好ましくは、0.001モル比〜0.20モル比である。
還元剤の使用量は、化合物[X]に対して、通常1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
水素含有雰囲気の、水素の圧力としては、通常0.1メガパスカル(MPa)〜100MPa、好ましくは、1MPa〜10MPaである。
反応溶媒としては、メタノール、塩化メチレン、酢酸エチル、塩化メチレンなどが挙げられる。
反応溶媒の使用量は、化合物[X]に対して、1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜30V/Wを用いる。
必要に応じて、酸の存在下で本反応を行なってもよい。酸としては、塩酸、硫酸、酢酸などが挙げられる。酸の使用量は、化合物[X]に対して、通常 0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
反応温度は、通常−78℃〜100℃、好ましくは−10℃〜40℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜96時間、好ましくは0.5時間〜48時間である。
上記カルボキシル基の保護基は、式[X]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2と同様である。
<工程(12)>
本発明の、工程(12)を有する化合物[XII]を製造する方法は、次のとおりである。
式[XI]
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより
式[XII]
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[XII]は、化合物[XI]のアミノ基を保護することにより得る。
保護基としては、ベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、フタロイル基などが挙げられる。
化合物[XI]を、塩基存在下、ベンジルオキシカルボニルクロリド、N-(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド、ジt−ブトキシカルボニル、フタル酸無水物等と反応させることにより得られる。
塩基としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。塩基の使用量は、化合物[XI]に対して、通常1モル比〜100モル比、好ましくは1モル比〜10モル比である。
反応溶媒は、水、酢酸エチル、トルエン、アセトンおよびテトラヒドロフラン(THF)からなる群から選ばれる一種以上を単独又は混合して用いることができる。
反応溶媒の使用量は、化合物[XI]に対して、1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜10V/W用いる。
反応温度は、通常−20℃〜100℃、好ましくは5℃〜50℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜72時間、好ましくは、0.5時間〜24時間である。
上記カルボキシル基の保護基は、式[XI]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2と同様である。
<工程(13)>
本発明の、工程(13)を有する化合物[XIII]を製造する方法は、次のとおりである。式[XII]
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を、トリフェニルフォスフィン、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、および蟻酸で処理することにより、化合物[XII]又はその塩における水酸基の立体を反転させ、該水酸基を保護することにより、
式[XIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[XIII]は、化合物[XII]の水酸基を反転することにより得る。
上記水酸基の保護基R6としては、ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、ハロゲン基、ニトロ基、エステル基で置換していても良いベンゾイル基等が挙げられる。
反転化剤としては、光延試薬と、トリフェニルフォスフィンと、酸との組み合わせなどが挙げられる。
光延試薬としては、アゾジカルボン酸ジイソプロピルが好ましい。
酸としては、蟻酸、酢酸、安息香酸などが挙げられ、中でも蟻酸が好ましい。
光延試薬の使用量は、化合物[XII]に対して、通常1モル比〜10モル比であり、好ましくは、1モル比〜5モル比である。
トリフェニルフォスフィンの使用量は、化合物[XII]に対して、通常1モル比〜10モル比であり、好ましくは、1モル比〜5モル比である。
酸の濃度は、通常0.01M〜10M、酸の使用量は、化合物[XII]に対して、通常0.1モル比〜5モル比、好ましくは0.5モル比〜3モル比である。
反応溶媒は、酢酸エチル、トルエン、およびテトラヒドロフラン(THF)からなる群から選ばれる一種以上を単独又は混合して用いることができる。
反応溶媒の使用量は、化合物[XII]に対して、1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜10V/W用いる。
反応温度は、通常−100℃〜100℃、好ましくは−30℃〜30℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜72時間、好ましくは0.5時間〜24時間である。
上記カルボキシル基の保護基及びアミノ基の保護基は、式[XII]で示される化合物におけるカルボキシル基の保護基R2及びアミノ基の保護基R5と同様である。
<工程(14)>
本発明の、工程(14)を有する化合物[XIV]を製造する方法は、次のとおりである。
式[XIII]
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩における水酸基の保護基(R6基)、およびカルボキシル基の保護基(R2基)を、塩基の存在下、脱保護することにより
式[XIV]:
Figure 2015040200
[式中、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物を製造する方法。
化合物[XIV]は、化合物[XIII]を塩基又は酸で加水分解することにより得る。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられ、中でも水酸化ナトリウムが好ましい。
塩基の使用量は、化合物[XIII]に対して、通常 0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
塩基の中和に使用する酸としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物などが挙げられ、中でも水酸化ナトリウムが好ましい。
酸の使用量は、化合物[XIII]に対して、通常 0.1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜100モル比である。
反応溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、および水からなる群から選ばれる一種以上を単独又は混合して用いる。
反応溶媒の使用量は、化合物[XIII]に対して、1.0V/W〜100V/W、好ましくは、3.0V/W〜10V/W用いる。
反応温度は、通常−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜40℃である。
反応時間は、通常0.1時間〜72時間、好ましくは0.5時間〜24時間である。
上記アミノ基の保護基は、式[XIII]で示される化合物におけるアミノ基の保護基R5と同様である。
<工程(17)>
本発明の、工程(17)を有する化合物[XV]を製造する方法は、次のとおりである。
式[XIV]:
Figure 2015040200
[式中、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩におけるアミノ基の保護基(R5基)を脱保護することにより
式[XV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を製造する方法。
化合物[XV]は化合物[XIV]のアミノ基を、還元剤により脱保護することにより得る。
還元剤としては、パラジウム炭素触媒存在下水素、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシボラン、トリエチルシランなどが挙げられる。
貴金属触媒の使用量は、化合物[XIV]に対して、通常0.0001モル比〜1モル比、好ましくは、0.005モル比〜0.1モル比である。
還元剤の使用量は、化合物[XIV]に対して、通常1モル比〜1000モル比であり、好ましくは、1モル比〜10モル比である。
水素含有雰囲気の、水素の圧力としては、通常0.05メガパスカル(MPa)〜10MPa
、好ましくは、0.1MPa〜1MPaである。
反応溶媒としては、メタノール、塩化メチレン、酢酸エチル、塩化メチレンなどが挙げられる。
反応溶媒の使用量は、化合物[XIV]に対して、0.5V/W〜100V/W、好ましくは、2V/W〜20V/Wを用いる。
必要に応じて、酸の存在下で本反応を行なってもよい。酸としては、塩酸、硫酸、酢酸などが挙げられる。酸の濃度は、通常0.01M〜5M、酸の使用量は、化合物[XIV]に対して、通常0.1モル比〜100モル比、好ましくは1モル比〜10モル比である。
<工程(15)〜(17)>
OPAは、上述の工程(11)、(12)、(13)、(14)、および(17)を有する方法により製造されることが好ましいが、以下の方法によっても製造することができる。
すなわち、本発明のKZME等から、OPAを製造する方法は、下記工程(15)〜(17)を含む。
なお、工程(15)〜(17)は、公知の方法であり、公知の条件、手法等に基づき、行うことができる。
<工程(15)>
本発明の、工程(15)を有する化合物[XVI]を製造する方法は、次のとおりである。
式[IX]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩におけるカルボニル基を、NaBH4で処理して還元することにより、
式[XVI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する。
<工程(16)>
本発明の、工程(16)を有する化合物[XIV]を製造する方法は、次のとおりである。
式[XVI]で示される化合物又はその塩におけるカルボキシル基の保護基(R2基)を、アルカリ金属水酸化物の存在下、加水分解して、脱保護することにより、
式[XIV]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩を製造する。
<工程(17)>
本発明の、工程(17)を有する化合物[XV]を製造する方法は、次のとおりである。
式[XIV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩におけるアミノ基の保護基(R3基)を、Pd/Cの存在下、水素、又は、酸により脱保護することにより、
式[XV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩を製造する。
上記工程で得られる化合物[I]〜[XVI]は、次工程に使用する前に、通常の濾過、抽出、クロマトグラフィー及び晶析等の方法で精製することもできる。さらに、通常の方法で濃縮、洗浄等を行うこともできる。
抽出及び/又は晶析に用いる溶媒は特に限定されないが、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;エチルエーテル、プロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;水等が挙げられる。これらから選ばれる複数の溶媒を任意の割合に混合して用いてもよい。反応溶媒をそのまま、又は別の溶媒を追加して抽出及び/又は晶析を行うことが、操作短縮と溶媒使用量削減の観点から好ましい。
(2)新規化合物
本発明は、新規化合物[IV]〜[VII],[XII],[XIII]に関する。すなわち、本発明の新規化合物は、以下に示す化合物である。
本発明の新規化合物は、本発明の製造方法により製造することができる。また、本明細
書により、その構造が明らかになったため、通常の有機化学手法を用いて、合成することも可能である。
式[IV]:
Figure 2015040200
で示される化合物又はその塩。
上記化合物は、(1S)−1−アミノカルボニル−5−ヒドロキシペンタン−1−アミニウムクロリド(AD)である。
式[VII]:
Figure 2015040200
[式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
で示される化合物。
上記化合物[VII]において、R3=Cbzの化合物は、(2S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6−ヒドロキシヘキサン酸アミド(ZAD)である。
ここで、アミノ基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるアミノ基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、アミノ基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
式[V]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
で示される化合物又はその塩。
上記化合物[V]において、R2=Meの化合物の塩は、(1S)−5−ヒドロキシ−1−メトキシカルボニルペンタン−1−アミニウムクロリド(HME)である。
ここで、カルボキシル基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるカルボキシル基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、カルボキシル基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
式[VI]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物。
上記化合物[VI]において、R2=Me,R3=Cbzの化合物は、(2S)−2−(ベンジルオキシカルボニルアミノ)−6−ヒドロキシヘキサン酸メチル(ZME)である。
ここで、アミノ基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるアミノ基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、アミノ基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
ここで、カルボキシル基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるカルボキシル基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、カルボキシル基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
式[XII]
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩。
上記化合物[XII]において、R2=Me,R5=Cbzの化合物は、(2S,5R)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ヒドロキシピペリジン−2−カルボン酸メチル(TZME)である。
ここで、アミノ基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるアミノ基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、アミノ基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
ここで、カルボキシル基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるカルボキシル基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、カルボキシル基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
式[XIII]:
Figure 2015040200
[式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
で示される化合物又はその塩。
上記化合物[XIII]において、R2=Me,R5=Cbz,R4=CHO,の化合物は、(2S,5S)−1−(ベンジルオキシカルボニル)−5−ホルミルオキシピペリジン−2
−カルボン酸メチル(CFZME)である。
ここで、アミノ基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるアミノ基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、アミノ基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
ここで、カルボキシル基の保護基は、有機化学分野において、通常使用されるカルボキシル基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、カルボキシル基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
ここで、水酸基の保護基は、有機化学分野において、通常使用される水酸基の保護基であってよい。また、通常の有機化学手法により、水酸基の保護基を脱保護した化合物も本発明の範囲に属する。
本発明の新規化合物[IV]〜[VII],[XII],[XIII]は、MEZME、KZME等の原料として、有用である。
MEZME、KZME等は、医薬中間体OPA等の原料として、有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。
[実施例1]工程(1)
Figure 2015040200
濃塩酸(62.5mL、0.71mol)と水(750mL)を混合した溶液へ、DHP(250g、3mol)を15分間かけて滴下することにより、DHPの酸処理を行ない、4−ヒドロキシペンタナールを得た。この時、内温が21℃から38℃まで上昇した。
その後、20%水酸化ナトリウム水溶液(141.5g、0.71mol)を30℃〜33℃で加えてpH10.5とし、さらに、そこに5%塩酸水(0.89g)を加えてpH7.9となるように調整した。そこに、(S)−1−メチルベンジルアミン((S)−(+)−1−フェニルエチルアミン(PEA))(360.1g、3mol)を19℃〜23℃で加え、さらに、シアン化ナトリウム(NaCN)(145.72g、3mol)も同温度で加えて45分間攪拌した。その後、濃塩酸(309.6g)を5℃〜18℃で1時間30分かけて滴下した。
濃塩酸の滴下終了から5時間経過後、反応液にメタノール(250mL)加えて15℃〜16℃で100時間攪拌した。反応終了後、反応液に塩化メチレン(500mL)を加えて分液した。有機層を、順次、1N水酸化ナトリウム水溶液(250mL)、水(250mL)を用いて洗浄し、洗浄後の有機層に硫酸ナトリウム(Na2SO4)(125g)を加えて濾過した。得られた濾過液を減圧濃縮することにより目的物であるPANIを無色オイルとして得た。
本実施例のPANIの収量は、771.35g、deは74.2%であった。
エーテル/ヘキサンから再結晶することにより単一異性体(2S,1’S)体が取得できていることを確認した。
単一異性体(2S,1’S)体の物性を測定した結果を以下に示す。
融点: 59.1℃.
IR測定結果: νmax: 3323, 2226 cm-1.
1H-NMR測定結果: δ: 7.20-7.46 (m, 5H); 4.09 (q, J = 6.7Hz, 1H), 3.55-3.77 (m,
2H), 3.17 (t, J = 6.8Hz, 1H), 1.67-1.90 (m, 2H), 1.40-1.67 (m, 4H), 1.45 (brs, 2H), 1.39 (d, J = 6.7Hz, 3H).
なお、ここで得られた無色オイルは、さらに精製することなく次の工程(実施例2)で用いることができる。
[実施例2]工程(2)
Figure 2015040200
実施例1で得られたPANI(771.35g)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(1035mL)に溶かして、炭酸カリウム(57.5g)を加えた後、34.5%過酸化水素水(H22)(585.9g)を17℃〜37℃で4時間かけて滴下した。滴下終了後、水(1035mL)を加えて30分間攪拌後、水層(1035mL)と、クロロホルム層(2070mL)とに分液した。なお、水層は、クロロホルム2070mLを用いて3回抽出を行なった。クロロホルム層を合わせてPADのクロロホルム溶液を得た(13514g)。得られた溶液のうち、6761gに硫酸マグネシウム(MgSO4)を65g加えて1時間攪拌した後、濾過を行なった。得られた固体を、クロロホルム200mL加えて洗浄した。洗浄後の濾過液に、25.6%塩酸を含むメタノール(213.4g)を9℃〜16℃で30分間かけて滴下した。滴下終了後、10℃で1時間15分間攪拌後、析出晶を濾過し、アセトン(345mL)を加えて洗浄し、その後、40℃で減圧乾燥することにより粗PADを得た。
得られた粗PADの収量は、342.81g(80%:DHPからの収率)であり、deは、61.8%であった。
得られた粗PADのうち336.3gを取り、そこに、メタノール(403mL)を加えた。30分間かけて65℃まで昇温し、同温で50分間攪拌した。その後、3時間40分間かけて13℃まで攪拌冷却し、PADを析出させた。得られた析出晶の濾過を行ない、さらに、アセトン(166mL)を加えて洗浄後、40℃で減圧乾燥を行なうことにより、PADを得た。このようにして精製されたPADを実施例3で用いた。
本実施例におけるPADの収量は、228.87g(68.1%:粗PADからの収率)であり、deは97.3%であった。
フリー体の物性を測定した結果を以下に示す。
融点: 74.5℃.
IR測定結果: νmax: 1674 cm-1.
1H-NMR測定結果: δ: 7.18-7.40 (m, 5H), 6.89 (brs, 1H), 5.81 (brs, 1H), 3.68 (q, J = 6.6Hz, 1H), 3.56 (t, J = 5.8Hz, 1H), 2.86 (dd, J = 5.8, 7.1Hz, 1H), 2.40 (brs, 2H), 1.20-1.74 (m, 6H).
[実施例3]工程(3)
Figure 2015040200
実施例2で得られたPAD(110g)と、パラジウム炭素(Pd−C、Pd content:4.93%,water:51.3%、4.1g)と、メタノール(660mL)と、濃塩酸(45.8g)との混合物を、オートクレーブ中、水素含有雰囲気下(水素の圧力は、0.9MPaとした。)、70℃の条件下で9時間接触還元を行なった。反応終了後、活性炭(セラケム株式会社製雪A、15g)によりプレコートして、濾過を行なった。濾取した固体はメタノール110mlで2回洗浄した。
上記洗浄に用いた母洗液を減圧濃縮し、濃縮残渣に2−プロパノール(100mL)を加えて50℃で3時間攪拌後、10℃まで3時間かけて冷却しながら攪拌した。得られた懸濁液を濾過した後、40℃で8時間減圧乾燥することによりADを得た。
本実施例の収量は、72.44g、収率は90.3%であった。また、得られたADの融点は、179.6℃であった
[実施例4]工程(4)
Figure 2015040200
メタノール(MeOH)(1190mL)に、塩化チオニル(SOCl2)(116.3g)を0℃〜4℃で1時間20分間かけて滴下した。ここに、実施例3で得られたAD(119g)を同温で添加し20分間攪拌した後、53℃〜54℃で8時間攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、得られた濃縮残渣に2−プロパノール(600mL)を加えて濾過した。得られた固体を2−プロパノール(360mL)で洗浄した。母洗液を減圧濃縮することによりHMEを無色オイルとして得た。
本実施例の収量は、143.1gであった。
[実施例5]工程(5)
Figure 2015040200
実施例4で得られたHME(139.6g)を、水(568mL)とアセトン(56.8mL)との混合液に溶かし、そこに、5℃〜9℃で炭酸ナトリウム(134.8g)を加えて40分間攪拌した。ここに、ベンジルオキシカルボニルクロリド(Cbz−Cl)(119.3g)を5℃〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間30分間かけて22℃まで昇温しながら攪拌した。得られた反応液に水(250mL)を加えてトルエン抽出を行なった(375mL,250mL、376mL)。トルエン抽出液を合わせて水洗した(75mL)。得られたトルエン溶液を減圧濃縮することによりZMEを無色オイルとして得た。
本実施例の収量は、260.61g(含量:46.668%、正味の目的物:121.62g)であり、収率は64.75%であった。
[実施例6]工程(6)
Figure 2015040200
実施例3で得られたAD(500mg,2.73mmol)を、水とアセトンとの混合液(3.5mL)に溶かし、さらに、そこへ5℃〜9℃で炭酸ナトリウム(580mg,5.47mmol)を加えて40分間攪拌した。ここに、ベンジルオキシカルボニルクロリド(Cbz−Cl)(512mg,3mmol)を5℃〜10℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間かけて25℃まで昇温後、2時間30分攪拌した。ベンジルオキシカルボニルクロリド(47mg,0.273mmol)を5℃〜10℃でさらに加えて、25℃で4時間30分間攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮し、濃縮残渣に水を加え、結晶を析出させた。析出された結晶を濾取した後、ジイソプロピルエーテルで洗浄することによりZADを得た。
本実施例の収量は、583mgであり、収率は76%であった。
[実施例7]工程(7)
Figure 2015040200
実施例6で得られたZAD(50.2mg)を,メタノール(MeOH)(0.5mL)に懸濁し、6℃で塩化チオニル(SOCl2)(19.6μL)を加え、室温にて46.5時間攪拌した。得られた反応液を減圧濃縮することによりZMEを無色オイルとして得た。
本実施例の収量は、48.87mgであり、収率は92.4%であった。
[実施例8]工程(8)
Figure 2015040200
実施例7で得られたZME(2.92g)を、トリエチルアミン(6.2g)を含有するジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」と称する。)(5mL)溶液に入れた。得られた溶液に、さらに、30〜40℃でピリジン三硫化硫黄コンプレックス(4.19g)を含有するDMSO(13mL)溶液を、2.5時間かけて滴下した。反応終了後、塩化メチレン(13mL)および水(18mL)を加えて分液した。水層を塩化メチレン(13mL)で抽出した。抽出に用いた塩化メチレン溶液を合わせて、10%クエン酸水溶液(40mL)で3回、および水(5mL)で1回洗浄後、MgSO4上で乾燥し、減圧濃縮することにより酸化生成物を得た。得られた酸化生成物を、トルエン(30.8mL)及びジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と称する。)(407μL)へ溶解して、そこに、パラトルエンスルホン酸1水和物(200mg)を加えて2時間加熱還流した。得られた反応液に酢酸エチル(31mL)を加えて、重曹水(31mL)で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムNa2SO4(12.3g)で乾燥し、濾過した後、減圧濃縮を行なった。得られた濃縮残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:トルエン→トルエン:酢酸エチル=19:1→トルエン:酢酸エチル=9:1)で精製することによりDZMEを無色オイルとして得た。
本実施例の収量は1.695gであり、収率は62.3%であった。
得られたDZMEの物性を測定した結果を以下に示す。
1H-NMR測定結果: δ: 7.32-7.38 (m, 5H), 6.54 and 6.35 (d, J = 8.4Hz, 1H), 5.17-5.25 (m, 2H), 4.86-4.97 (m, 2H), 3.65 and 3.74 (s, 3H), 2.31-2.38 (m, 1H), 1.85-2.00 (m, 3H).
なお、本実施例では、実施例7で得られたZMEを用いたが、実施例5により得られたZMEを用いても同様にしてDZMEを得ることができる。
[実施例9]工程(9)、および工程(10)
Figure 2015040200
実施例8で得られたDZME(502mg)を、メタノール(6.6mL)に溶かし、23℃で炭酸水素ナトリウムNaHCO3(230mg)と、ペルオキシ一硫酸カリウム(商品名OXONE)(1.45g)とを加えて、23℃〜27℃で12時間攪拌した。さらに、ペルオキシ一硫酸カリウム(118.2mg)を追加して、24℃で5時間攪拌した。得られた反応液に塩化メチレン(10mL)及び重曹水(7mL)を加えてセライ
ト濾過を行なった。濾液を25%食塩水(9mL)で洗浄した後、硫酸ナトリウムNa2SO4(7.12g)上で乾燥し、減圧濃縮することにより、MEZMEを得た(収量 590mg)。
得られたMEZMEをクロロホルム(50mL)で溶解し、そこに、パラトルエンスルホン酸一水和物(35mg)を加えて63℃まで45分間かけて昇温した。室温まで冷却した後、重曹水で洗浄後、硫酸ナトリウムNa2SO4上で乾燥し、減圧濃縮を行なった。濃縮残渣をシリカゲルプレートで精製(展開液:酢酸エチル:ヘキサン=2:1→1.4:1)することによりKZMEを無色オイルとして得た。
本実施例の収量は、331.1mgであり、収率は、62.3%であった。
[参考例1]
Figure 2015040200
実施例8で得られたDZME(507.8mg)を塩化メチレンに溶かし、0℃でメタクロロ過安息香酸(以下、「mCPBA」と称する。)(純度73%、153.1mg)を加えた。10分間後、mCPBA(73%,143.1mg)を加えた。6分間後、mCPBA(73%,172.6mg)を追加し、さらに6分間後、mCPBA(73%,98.4mg)を追加した。次いで、そこに、塩化メチレン(15mL)を追加して、2%硫酸水素ナトリウムNaHSO3(4mL)、重曹水(4mL)でそれぞれ洗浄し、さらに水(15mL)で3回洗浄した。得られた有機層を、硫酸ナトリウムNa2SO4(10g)で乾燥した後、減圧濃縮を行なった。得られた濃縮残渣をクロロホルム(50mL)に溶解して、そこに、パラトルエンスルホン酸一水和物(35mg)を加えて、63℃まで50分間かけて昇温した。室温まで冷却した後、水で洗浄し、硫酸ナトリウムNa2SO4上で乾燥した後、減圧濃縮を行なった。濃縮残渣をシリカゲルプレートで精製(展開液:酢酸エチル:ヘキサン=2:1→1.4:1)することによりKZMEを無色オイルとして得た。
本実施例の収量は、311.9mgであり、収率は58.0%であった。
得られたKZMEの物性を測定した結果を以下に示す。
1H-NMR測定結果: δ: 7.26-7.38 (m, 5H), 4.70-5.21 (m, 3H), 4.35-4.50 and 3.90-4.02 (m, 1H), 3.55-3.80 (m, 3H), 2.05-2.60 (m, 3H).
MS m/z: 292 [M+1]+.
[実施例10]工程(11)
Figure 2015040200
実施例9で得られたMEZME(100g)をメタノール(500mL)に溶かし、そこに、パラジウム炭素(Pd担持量5%。以下、「5%Pd-C」と称する。水分含有量50%。26.3g)および25%HClを含有するメタノール(45.1g)を加え、室温で水素添加を行なった(反応条件は、水素圧0.9MPa、反応時間 5時間とした)。得られた反応液に、5%Pd-C(水分含有量50%, 13.2g)を追加で添加して、室温で、再度、水素添加を行なった(反応条件は、水素圧0.9MPa、反応時間 5時間とした)。反応終了後、反応液を濾過して、触媒であるPd-Cをメタノール(100mL)で洗浄した。得られた濾過液および洗浄液を合わせて減圧濃縮を行なった。濃縮残渣にイソプロピルアルコール(以下、「IPA」と称する。)(200mL)を加えて10℃で攪拌し、結晶化して析出した結晶を濾過して、さらに、IPA(20mL)で洗浄後、減圧乾燥することによりTMEを得た(収量25.4g)。
[実施例11]工程(12)
Figure 2015040200
実施例10で得られたTME(5g)を水(25mL)およびアセトン(2.5mL)に溶かし、Na2CO3(5.69g)を5℃で加えた後、ベンジルオキシカルボニルクロニド(CbzCl)(4.58g)を5〜10℃で1時間かけて滴下した。反応液を同温で1時間、室温で3時間攪拌した。その後、反応液に農塩酸を加えて中和した後、減圧濃縮を行なった。得られた生成物を、酢酸エチル(25mL)で2回抽出した。抽出液を合わせて、飽和重曹水で洗浄後、MgSO4上で乾燥させた後、減圧濃縮することによりTZMEを得た(収量7.53g)。
[実施例12]工程(13)及び(14)
Figure 2015040200
実施例11で得られたTZME(118mg)とトリフェニルフォスフィン(PPh3)(264mg)と蟻酸(46.3mg)とをトルエンに加えた。得られたトルエン溶液(0.59mL)に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)(203mg)を含有するトルエン溶液(0.36mL)を5〜10℃で加え、室温で6.5時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮した。濃縮残渣をメタノール(0.9mL)に溶解して、17%NaOH水溶液(0.28mL)加えて室温で2時間攪拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮し、濃縮残渣に水を加えて溶解し、クロロホルム(5mL)で洗浄した。得られた水溶液に濃塩酸を加えて酸性とし、得られた生成物を酢酸エチル(10mL)で抽出した。得られた抽出液を、水で洗浄し、MgSO上で乾燥後、減圧濃縮することによりZOPAを得た(収量90.7mg)。
[製造例1]工程(15)
Figure 2015040200
実施例9で得られたKZME(400.8mg、1.375mmol)をエタノール(7.5mL)に溶かし、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)(78.3mg、2.069mmol)を0℃で15分間かけて添加した。得られた反応液を同温で3時間攪拌した後、反応液の減圧濃縮を行なった。濃縮残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解し、10%塩化アンモニウム水溶液で洗浄後、さらに20%食塩水洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムNa2SO4(1g)で乾燥した後、減圧濃縮することによりAZMEを無色オイルとして得た。
本製造例の収量は、307.9mgであり、収率は、76.55%であった。
[製造例2]工程(16)
Figure 2015040200
製造例1で得られたAZME(111.4g)を、メタノール(224mL)と水(112mL)との混合液に溶かし、そこに、30%水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液(50.9g(38mL))を3℃〜6℃で20分間かけて滴下した。室温まで1時間かけて昇温し、室温でさらに1時間攪拌した。30%水酸化ナトリウム水溶液(9.58mL)を10℃〜11℃で追加して、室温で1時間攪拌し、得られた反応液を減圧濃縮した。濃縮残渣に水(112mL)を加えて、トルエン56mlで3回洗浄した。さらに、この水層を塩化メチレン56mlで4回洗浄した。得られた水溶液に濃塩酸(45mL)を加えた後、得られた生成物を酢酸エチルで2回抽出した(酢酸エチルの使用量は、1回目336mL、2回目224mLとした)。1回目と2回目の抽出液を合わせ、水56mlで2回洗浄した。有機層に、硫酸マグネシウムMgSO4(20g)を加えて乾燥した後、減圧濃縮することによりZOPAを無色オイルとして得た。
本製造例の収量は、54.72gであった。
[製造例3]
Figure 2015040200
製造例2で得られたZOPA(502.6mg)を、メタノール(7.5mL)と水(7.5mL)との混合溶媒に溶かし、そこに、パラジウム炭素Pd−C(Pd content:5.06%,water:58.4%)(147.3mg)を加えて、水素圧0.2MPa、55℃〜61℃で8時間攪拌した。反応終了後、反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮することによりOPAを得た。
収量は、263.8mgであった。

Claims (10)

  1. (1)式[I]:
    Figure 2015040200
    で示される化合物を酸処理することにより得られる4−ヒドロキシアルデヒドと、(S)−1−C1-6アルキルベンジルアミンと、シアン化アルカリ金属塩と、酸とを反応させることにより、
    式[II]:
    Figure 2015040200
    [式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (2)式[II]で示される化合物又はその塩を、過酸化水素水、及びアルカリ金属塩で水和することにより、
    式[III]:
    Figure 2015040200
    [式中、R1は、炭素数1以上6以下のアルキル基を示す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (3)式[III]で示される化合物又はその塩を、貴金属触媒、及び還元剤で脱フェネチル化することにより、
    式[IV]:
    Figure 2015040200
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (4)式[IV]で示される化合物又はその塩を、アルコールの存在下、酸、又はハロゲン化物で処理して、化合物[IV]又はその塩におけるアミド基をエステル基へ変換し、カルボキシル基を保護することにより、
    式[V]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (5)式[V]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより、
    式[VI]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (6)式[IV]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより、
    式[VII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (7)式[VII]で示される化合物又はその塩を、アルコールの存在下、酸、又はハロゲン化物で処理して、化合物[VII]又はその塩におけるアミド基をエステル基へ変換し、カルボキシル基を保護することにより、
    式[VI]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (8)式[VI]で示される化合物又はその塩における一級水酸基を酸化剤で処理することより酸化し、さらに、酸で処理して脱水することにより、
    式[VIII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (9)式[VIII]で示される化合物又はその塩を、酸化剤で処理して、化合物[VIII]又はその塩における二重結合を酸化することにより
    式[X]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、R4は水酸基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    を含む(ただし、前記工程(4)〜(7)においては、工程(4)及び(5)、又は工程(6)及び(7)のいずれかを含む)、
    式[X]で示される化合物又はその塩を製造する方法。
  2. (10)請求項1に記載の製造方法により得られた式[X]で示される化合物又はその塩と、酸とを反応させることにより、化合物[X]又はその塩における保護された水酸基(R4O基)を脱離させ、さらにケトン化することにより、
    式[IX]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する方法。
  3. (15)請求項2に記載の製造方法により得られた式[IX]で示される化合物又はその塩におけるカルボニル基を、NaBH4で処理して還元することにより、
    式[XVI]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (16)式[XVI]で示される化合物又はその塩におけるカルボキシル基の保護基(R2基)を、アルカリ金属水酸化物の存在下、加水分解して、脱保護することにより、
    式[XIV]:
    Figure 2015040200
    [式中、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (17)式[XIV]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基の保護基(R3基)を、Pd/Cの存在下、水素、又は、酸により脱保護することにより、
    式[XV]:
    Figure 2015040200
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    を含む、
    式[XV]で示される化合物又はその塩を製造する方法。
  4. (11)請求項1に記載の製造方法により得られた式[X]で示される化合物又はその塩における、アミノ基の保護基(R3基)および保護された水酸基(R4O基)を、還元剤の
    存在下、酸、又は、アルカリにより、除去することにより、
    式[XI]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (12)式[XI]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基を、塩基の存在下、保護することにより
    式[XII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (13)式[XII]で示される化合物又はその塩を、トリフェニルフォスフィン、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、および蟻酸で処理することにより、化合物[XII]又はその塩における水酸基の立体を反転させ、該水酸基を保護することにより、
    式[XIII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    (14)式[XIII]で示される化合物又はその塩における水酸基の保護基(R6基)、およびカルボキシル基の保護基(R2基)を、塩基の存在下、脱保護することにより
    式[XIV]:
    Figure 2015040200
    [式中、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物を製造する工程、
    (17)式[XIV]で示される化合物又はその塩におけるアミノ基の保護基(R5基)を、Pd/Cの存在下、水素、又は、酸により脱保護することにより
    式[XV]:
    Figure 2015040200
    で示される化合物又はその塩を製造する工程、
    を含む、
    式[XV]で示される化合物又はその塩を製造する方法。
  5. 式[IV]:
    Figure 2015040200
    で示される化合物又はその塩。
  6. 式[VII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R3はアミノ基の保護基を表す。]
    で示される化合物。
  7. 式[V]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を表す。]
    で示される化合物又はその塩。
  8. 式[VI]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R3はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩。
  9. 式[XII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩。
  10. 式[XIII]:
    Figure 2015040200
    [式中、R2はカルボキシル基の保護基を、R5はアミノ基の保護基を、R6は水酸基の保護基を、表す。]
    で示される化合物又はその塩。
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WO2020203727A1 (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 日本マイクロバイオファーマ株式会社 シス-5-ヒドロキシ-2-ピペリジンカルボン酸の結晶及びその製造方法

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