JP4630235B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、半導体装置及びその製造技術に関し、特に、サイドウォール構造を持つMISFETを有する半導体装置及びその製造技術に適用して有効な技術に関するものである。
半導体装置に搭載される電界効果トランジスタとして、MISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor )と呼称される絶縁ゲート型電界効果トランジスタが知られている。このMISFETは、高集積化し易いという特徴を持っていることから、集積回路を構成する回路素子として広く用いられており、近年素子の微細化が加速されてきている。しかしながら、この素子の微細化にともない、MISFETでは新たな問題が種々顕在化してきている。その一つの問題として、MISFETのチャネル形成領域に働く応力が挙げられる。ゲート長が0.1μm以下の世代の超微細CMIS(相補型MIS )プロセスでは、新素材の導入やMISFETの短チャネル効果抑制等の理由から低温化が進んでいる。このことは、素子中に残留応力を残しやすい。プロセス起因の残留応力は、半導体基板の活性領域の表層部、つまりMISFETのチャネル形成領域に働く。
また、チャネル形成領域に働く応力に対するトランジスタ特性の変化については、ドレイン電流(Id)が流れる方向(ゲート長方向)と同じ向きに応力を加えた場合には、
(1)nチャネル型MISFET(以下nMISFET )のドレイン電流は圧縮応力によって減少し、引っ張り応力によって増加すること
(2)pチャネル型MISFET(以下pMISFET )のドレイン電流は圧縮応力によって増加し、引っ張り応力によって減少すること
が知られている。そのため、近年、このチャネル形成領域に働く応力を積極的に利用して、トランジスタの駆動力を向上させる技術が注目されてきている。
例えば、MISFETの形成後に層間絶縁膜を兼ねたセルフアラインコンタクト用のシリコン窒化膜(以下、ライナー窒化膜)として、 nMISFET領域には、図17(a)に示すように、チャネル形成領域に引っ張り応力を発生させる窒化膜(引っ張り応力膜)107を、 pMISFET領域には、図17(b)に示すように、チャネル形成領域に圧縮応力を発生させる窒化膜(圧縮応力膜)108をそれぞれ選択的に形成し、それによってMISFETの駆動力を向上させる方法が報告されている(非特許文献1参照)。図17(a)及び(b)において、100は半導体基板、101はゲート絶縁膜、102はゲート電極、103はエクステンション領域、104は絶縁性サイドウォール、105はソース・ドレイン領域、106はシリサイド層である。尚、図17(a)及び(b)に示すように、引っ張り応力膜107自体は収縮する一方、圧縮応力膜108自体は膨張する。
また、引っ張り応力膜及び圧縮応力膜は、それぞれの膜厚が厚いほどチャネル形成領域に発生する応力が大きくなるので、より効果的にそれぞれ nMISFET及び pMISFETの駆動力を向上させることが知られている。
特開2003−273240号公報 ピディン・セルゲイ、引っ張り/圧縮応力の窒化膜を有する歪みCMOS構造(富士通)、第68回半導体・集積回路技術シンポジウム講演、2005年6月23日、p.19〜22
しかしながら、応力膜(ストレス膜)となるライナー窒化膜を用いた従来の半導体装置及びその製造方法においてMISFETの駆動力を向上させるためにライナー窒化膜を厚く堆積した場合、以下に説明するような問題が発生する。
図18(a)〜(d)は、従来の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
まず、図18(a)に示すように、ウェル領域201が設けられた半導体基板200上にゲート絶縁膜202を介してゲート電極203を形成する。次に、ウェル領域201におけるゲート電極203の両側にエクステンション領域204を形成した後、ゲート電極203の側壁に絶縁性サイドウォール210を形成し、その後、ウェル領域201における絶縁性サイドウォール210の外側に、エクステンション領域204よりも深い接合を持つソース・ドレイン領域205を形成する。続いて、ゲート電極203の表面部及びソース・ドレイン領域205の表面部にそれぞれシリサイド層206を形成した後、ゲート電極203及び絶縁性サイドウォール210を覆うようにライナー窒化膜207を厚く、例えば隣接して形成された2つのゲート電極203間に位置する絶縁性サイドウォール210同士の間隔の1/2以上の膜厚で堆積する。
次に、図18(b)に示すように、ライナー窒化膜207の上に層間絶縁膜208を堆積する。続いて、ソース・ドレイン領域205との電気的コンタクトを取るためのホールを層間絶縁膜208及びライナー窒化膜207に形成する。具体的には、図18(c)に示すように、まず、層間絶縁膜208に、ライナー窒化膜207まで達するホール209を形成する。次に、図18(d)に示すように、ホール209がソース・ドレイン領域205表面のシリサイド層206に達するように、ホール209下側のライナー窒化膜207の除去を行う。
ところが、従来技術においては、ライナー窒化膜207の膜厚が大きい場合、特に、ゲート電極203間の間隔が狭く、図18(a)に示すように、ゲート電極203間のソース・ドレイン領域205上のライナー窒化膜207の膜厚が堆積膜厚よりも大きくなってしまうような場合には、図18(d)に示すように、ホール209形成のためのライナー窒化膜207のエッチングが途中で終わってしまい、ホール209の開口不良が発生してしまう。すなわち、ソース・ドレイン領域205との電気的コンタクトを取ることができないというコンタクト不良が生じてしまう。
前記に鑑み、本発明は、コンタクト不良を防止しつつ応力膜を用いて効果的にチャネル形成領域に応力を印加することにより、MISFETの駆動力の向上を図ることを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは、電界効果トランジスタのゲート電極部の高さを、その側面上に形成される絶縁性サイドウォールの上端の高さよりも低くすることによって、ゲート電極部上に形成される応力膜の膜厚を自己整合的に堆積膜厚よりも厚くするという発明を想到した。これにより、同じ堆積膜厚の応力膜を用いた従来の半導体装置と比べて、チャネル形成領域に働く応力を効果的に大きくすることができる。すなわち、応力膜の堆積膜厚自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制しながら、ドレイン電流を増加させることよってMISFETの駆動力を向上させることができる。
具体的には、本発明に係る半導体装置は、半導体基板における第1の領域に形成された第1導電型の第1のMIS型トランジスタを有する半導体装置であって、前記第1のMIS型トランジスタは、前記第1の領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極部と、前記第1のゲート電極部の側面上に形成された第1の絶縁性サイドウォールと、前記第1の領域における前記第1の絶縁性サイドウォールの側方に形成された第1のソース・ドレイン領域と、前記第1のゲート電極部上及び前記第1のソース・ドレイン領域上を覆うように形成された第1の応力膜とを備え、前記第1のゲート電極部の上面は、前記第1の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に形成されている第1の部分の膜厚が、前記第1の応力膜における前記第1のソース・ドレイン領域上に形成されている第2の部分の膜厚よりも厚い。
本発明の半導体装置において、前記第1のゲート電極部は、前記第1のゲート絶縁膜上に形成されたシリコンからなる第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上に形成された第1のシリサイド層とで構成されていてもよい。
本発明の半導体装置において、前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であってもよい。
本発明の半導体装置において、前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であってもよい。
本発明の半導体装置において、前記半導体基板における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備え、前記第2のMIS型トランジスタは、前記第2の領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極部と、前記第2のゲート電極部の側面上に形成された第2の絶縁性サイドウォールと、前記第2の領域における前記第2の絶縁性サイドウォールの側方に形成された第2のソース・ドレイン領域と、前記第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように形成された前記第2の応力膜とを備えていてもよい。
第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備えている場合、前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第3の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のソース・ドレイン領域上に形成されている第4の部分の膜厚よりも厚くてもよい。
第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備えている場合、前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記引っ張り応力膜から構成されていてもよい。
第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備えている場合、前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記圧縮応力膜から構成されていてもよい。
第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備えている場合、前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第2の領域における前記第2のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であってもよい。
第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備えている場合、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成されたシリコンからなる第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されていてもよい。
第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備えている場合、前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端と同等以上の高さで形成されており、前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に形成されている第1の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第3の部分の膜厚よりも厚くてもよい。この場合、前記第1の絶縁性サイドウォールの上端は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端よりも高くてもよい。また、前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記引っ張り応力膜から構成されていてもよい。また、前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記圧縮応力膜から構成されていてもよい。また、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成されたシリコンからなる第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されていてもよい。また、前記第1の絶縁性サイドウォールの上端は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端と同等の高さであってもよく、この場合には、前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記引っ張り応力膜から構成されていてもよいし、又は前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第2のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であり、前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記圧縮応力膜から構成されていてもよい。また、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成され且つシリコンからなる第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成され且つ前記第2のゲート電極と異なる他の導電性材料からなる第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極上に形成された第3のシリサイド層とで構成されていてもよく、この場合には、前記第3のゲート電極は、SiGe膜から構成されていてもよい。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板における第1の領域に形成された第1導電型の第1のMIS型トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、前記第1の領域上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、前記第1のゲート絶縁膜上に、導電膜及びゲート高調整膜を順次形成する工程(b)と、前記ゲート高調整膜及び前記導電膜をパターニングすることによって、前記第1のゲート絶縁膜上に第1のゲート電極及び第1のゲート高調整膜パターンを形成する工程(c)と、前記第1ゲート電極及び前記第1のゲート高調整膜パターンの側面上に第1の絶縁性サイドウォールを形成する工程(d)と、前記工程(d)の後に、前記第1の領域における前記第1の絶縁性サイドウォールの側方に第1のソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、前記工程(d)の後に、前記第1のゲート高調整膜パターンを除去することにより、前記第1のゲート電極上に前記第1の絶縁性サイドウォールの上部に囲まれた凹部を形成する工程(f)と、前記工程(f)の後に、少なくとも前記第1のゲート電極を有する第1のゲート電極部上及び前記第1のソース・ドレイン領域上を覆うように第1の応力膜を形成する工程(g)とを備え、前記工程(g)において、前記第1のゲート電極部の上面は、前記第1の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に形成されている第1の部分の膜厚が、前記第1の応力膜における前記第1のソース・ドレイン領域上に形成されている第2の部分の膜厚よりも厚く形成される。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記工程(f)の後で前記工程(g)の前に、前記第1のゲート電極上に第1のシリサイド層を形成する工程(h)を備え、前記工程(g)において、前記第1のゲート電極部は、前記第1のゲート電極及び前記第1のシリサイド層で構成されており、前記第1のシリサイド層の上面が前記第1の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されていてもよい。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備え、前記工程(a)は、前記第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する工程を含み、前記工程(b)は、前記第2のゲート絶縁膜上に、前記導電膜及び前記ゲート高調整膜を順次形成する工程を含み、前記工程(c)は、前記ゲート高調整膜及び前記導電膜をパターニングすることによって、前記第2のゲート絶縁膜上に第2のゲート電極及び第2のゲート高調整膜パターンを形成する工程を含み、前記工程(d)は、前記第2ゲート電極及び前記第2のゲート高調整膜パターンの側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成する工程を含み、前記工程(e)は、前記第2の領域における前記第2の絶縁性サイドウォールの側方に第2のソース・ドレイン領域を形成する工程を含み、前記工程(g)は、少なくとも前記第2のゲート電極を有する第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように第2の応力膜を形成する工程を含んでいてもよい。この場合、前記工程(f)は、前記第2のゲート高調整膜パターンを除去することにより、前記第2のゲート電極上に前記第2の絶縁性サイドウォールの上部に囲まれた凹部を形成する工程を含み、前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第2の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のソース・ドレイン領域上に形成されている第4の部分の膜厚よりも厚く形成されていてもよい。また、前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成され且つ前記第2のゲート高調整膜パターンからなる第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極上に形成された第3のシリサイド層とで構成されていてもよい。
本発明の半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備え、前記工程(a)は、前記第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する工程を含み、前記工程(b)は、前記第2のゲート絶縁膜上に、前記導電膜及び前記ゲート高調整膜を順次形成する工程を含み、前記工程(b)の後で前記工程(c)の前に、前記第2の領域上の前記ゲート高調整膜を除去する工程(h)を有し、前記工程(c)は、前記導電膜をパターニングすることによって、前記第2のゲート絶縁膜上に第2のゲート電極を形成する工程を含み、前記工程(d)は、前記第2ゲート電極の側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成する工程を含み、前記工程(e)は、前記第2の領域における前記第2の絶縁性サイドウォールの側方に第2のソース・ドレイン領域を形成する工程を含み、前記工程(g)は、少なくとも前記第2のゲート電極を有する第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように第2の応力膜を形成する工程を含んでいてもよい。
前記工程(g)が、前記第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように前記第2の応力膜を形成する工程を含む場合、前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されていてもよい。前記第2のゲート電極部が、前記第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されている場合、又は、前記第2のゲート電極部が、前記第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成され且つ前記第2のゲート高調整膜パターンからなる第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極上に形成された第3のシリサイド層とで構成されている場合、前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端と同等以上の高さで形成されており、前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に形成されている第1の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第3の部分の膜厚よりも厚くてもよい。
本発明によると、ゲート電極上に形成される応力膜の膜厚のみを選択的に堆積膜厚よりも厚くするため、同じ堆積膜厚の応力膜を用いた従来の半導体装置と比べて、チャネル形成領域に働く応力を効果的に大きくすることができる。このため、応力膜の堆積膜厚自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制しながら、ドレイン電流を増加させることによりMISFETの駆動力を向上させることができるので、高性能な半導体装置を実現することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の半導体装置は、例えば単結晶シリコンからなるp型半導体基板1を主体として構成されている。p型半導体基板1は、第1の素子形成領域及び第2の素子形成領域を有しており、この第1の素子形成領域及び第2の素子形成領域は素子間絶縁分離領域である例えば浅溝アイソレーション(STI:Shallow Trench Isolation )からなる素子分離領域4によって互いに分離されている。第1の素子形成領域にはp型ウエル領域2及びnチャネル型MISFETが形成されており、第2の素子形成領域にはn型ウエル領域3及びpチャネル型MISFETが形成されている。素子分離領域4は、p型半導体基板1に浅溝を形成し、その後、浅溝の内部に絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)を選択的に埋め込むことによって形成される。
nチャネル型MISFETは、主に、p型ウエル領域2の表面(チャネル形成領域)上にゲート絶縁膜5を介して形成されたn型ポリシリコンからなるゲート電極6nと、ゲート電極6n上に形成されたシリサイド層(以下、「ゲート上シリサイド層」と称する)12nAと、ゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるゲート電極部20nの側面上に形成された絶縁性のサイドウォールスペーサ9と、n型ソース・ドレイン領域19nと、n型ソース・ドレイン領域19nにおけるn型半導体領域10上に形成されたシリサイド層(以下、「ソースドレイン上シリサイド層」と称する)12nBとから構成されている。本明細書中において、ゲート上シリサイド層12nA(及び後述するゲート上シリサイド層12pA)並びにソースドレイン上シリサイド層12nB(及び後述するソースドレイン上シリサイド層12pB)を総称してシリサイド層12と称する。ここで、本実施形態の特徴として、nチャネル型MISFETのゲート電極部20nの高さ(つまりゲート上シリサイド層12nAの上面の高さ)は、その側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端よりも低い。言い換えると、ゲート電極部20n上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在する。また、n型ソース・ドレイン領域19nは、p型ウエル領域2におけるゲート電極6nの両側に位置するn型半導体領域(エクステンション領域)7と、p型ウエル領域2におけるサイドウォールスペーサ9の両側に位置し且つn型半導体領域7よりも深い接合を持つn型半導体領域(高濃度ソース・ドレイン領域)10とから構成されている。n型半導体領域7はゲート電極6nに対して自己整合的に形成されていると共に、n型半導体領域10はゲート電極6nの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9に対して自己整合的に形成されている。また、n型半導体領域10の不純物濃度はn型半導体領域7よりも高い。
pチャネル型MISFETは、主に、n型ウエル領域3の表面(チャネル形成領域)上にゲート絶縁膜5を介して形成されたp型ポリシリコンからなるゲート電極6pと、ゲート電極6p上に形成されたゲート上シリサイド層12pAと、ゲート電極6p及びゲート上シリサイド層12pAからなるゲート電極部20pの側面上に形成された絶縁性のサイドウォールスペーサ9と、p型ソース・ドレイン領域19pと、p型ソース・ドレイン領域19pにおけるp型半導体領域11上に形成されたソースドレイン上シリサイド層12pBとから構成されている。ここで、本実施形態の特徴として、pチャネル型MISFETのゲート電極部20pの高さ(つまりゲート上シリサイド層12pAの上面の高さ)は、その側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端よりも低い。言い換えると、ゲート電極部20p上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在する。また、pチャネル型MISFETのp型ソース・ドレイン領域19pは、n型ウエル領域3におけるゲート電極6pの両側に位置するp型半導体領域(エクステンション領域)8と、n型ウエル領域3におけるサイドウォールスペーサ9の両側に位置し且つp型半導体領域8よりも深い接合を持つp型半導体領域(高濃度ソース・ドレイン領域)11とから構成されている。p型半導体領域8はゲート電極6pに対して自己整合的に形成されていると共に、p型半導体領域11はゲート電極6pの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9に対して自己整合的に形成されている。また、p型半導体領域11の不純物濃度はp型半導体領域8よりも高い。
ゲート電極部20n及び20p、サイドウォールスペーサ9並びにソース・ドレイン領域19n及び19pの上には、引っ張り応力を発生させる絶縁膜(以下、「引っ張り応力膜」と称する)となる窒化シリコン膜13が形成されており、窒化シリコン膜13の上には例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15が形成されている。従って、ゲート電極部20n及び20pにおけるゲート上シリサイド層12nA及び12pBと層間絶縁膜15との間、サイドウォールスペーサ9と層間絶縁膜15との間、並びに、ソース・ドレイン領域19n及び19p上におけるソースドレイン上シリサイド層12nB及び12pBと層間絶縁膜15との間には、窒化シリコン膜13が形成されている。本明細書における引っ張り応力膜とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して引っ張り応力を生じさせる絶縁膜を意味する。引っ張り応力膜となる窒化シリコン膜13は例えば準常圧CVD(SA−CVD)法によって堆積される。
本実施形態においては、ゲート電極部20n及び20pの高さがサイドウォールスペーサ9の上端よりも低いので、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETのそれぞれのゲート電極部20n及び20pのゲート長方向における中央部上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、その他の領域(ソースドレイン上シリサイド層12nB及び12pBやサイドウォールスペーサ9など)上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっている。このような構造は、前述のようにゲート電極部20n及び20pの上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在すること、及びMISFETのゲート長が十分に小さいことにより実現できる。例えば、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2に対してMISFETのゲート長が十分に大きい図2に示すような場合には、ゲート電極部20nの中央部上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、ソースドレイン上シリサイド層12nB上に形成される窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2と同程度になる。一方、図1に示すように、MISFETのゲート長が十分に小さい場合には、窒化シリコン膜13のカバレッジ(段差被覆性)と、ゲート電極部20n及び20pの上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することとに起因して、ゲート電極部20n及び20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1が堆積膜厚t2と比べて大きい構造が自己整合的に得られる。具体的には、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2が、p型半導体基板1における活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上であると、言い換えると、MISFETの最小ゲート長が窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2の2倍以下の長さであると、ゲート電極部20n及び20p上のリセスが窒化シリコン膜13で完全に埋まるので、ゲート電極部20n及び20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1が堆積膜厚t2と比べて確実に大きくなる。
以上の構成により、ゲート電極部20n及び20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1のみを選択的に堆積膜厚t2よりも厚くすることができるので、同じ堆積膜厚の応力膜を用いた従来構造(ゲート電極上にサイドウォールスペーサの上部に囲まれたリセスが存在しない構造)と比べて、p型半導体基板1における活性領域(チャネル形成領域)に発生する応力を効果的に大きくすることができる。このため、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制しながら、ドレイン電流を増加させることによりnチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができるので、高性能な半導体装置を実現することができる。このとき、ゲート長の方向が半導体基板1におけるシリコンの<100>方向に沿うようにゲート電極6n及び6pを配置することが望ましい。このようにゲート電極6n及び6pのゲート長方向を<100>方向に合わせた場合、nチャネル型MISFETにおいては、窒化シリコン膜13からなる引っ張り応力膜によって駆動力が向上するのに対して、pチャネル型MISFETにおいては窒化シリコン膜13からなる引っ張り応力膜によって駆動力はほとんど影響を受けず、駆動力の低下を従来よりも抑制することができる。
尚、第1の実施形態は、窒化シリコン膜13が引っ張り応力膜であるため、nチャネル型MISFETの駆動力の向上に有効である。また、第1の実施形態において、窒化シリコン膜13に代えて、他の種類の引っ張り応力膜を用いてもよい。
以下、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図3(a)〜(e)は第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、例えば単結晶シリコンからなるp型半導体基板(以下、単にp型基板と呼ぶ)1を準備し、その後、p型基板1にp型ウエル領域2及びn型ウエル領域3をそれぞれ選択的に形成する。次に、p型基板1に、第1の素子形成領域(活性領域)と第2の素子形成領域(活性領域)とに区画するための領域として、素子分離領域4を形成する。この素子分離領域4は、p型基板1に浅溝(例えば300nm 程度の深さの溝)を形成した後、p型基板1上に例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD(Chemical Vapor Deposition )法によって形成し、その後、当該絶縁膜が前記浅溝の内部のみに残るようにCMP(化学的機械研磨:Chemical Mechanical Poliching )法によって平坦化を行うことによって形成される。
次に、熱処理を施すことによって、p型基板1の素子形成領域上に例えば厚さ1〜3nm程度の酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜5を形成し、その後、p型基板1上の全面に亘って例えば厚さ140nmの多結晶シリコン膜6Aを例えばCVD法によって形成する。尚、多結晶シリコン膜6Aには、抵抗値を低減すると共に空乏化を抑制するための不純物がその堆積中又は堆積後に導入される。ここで、nチャネル型MISFETのゲート電極となる多結晶シリコン膜にはn型不純物を導入し、pチャネル型MISFETのゲート電極となる多結晶シリコン膜にはp型不純物を導入することが望ましい。次に、多結晶シリコン膜6A上に、ゲートパターニング時のハードマスクとなる例えば厚さ20nmのシリコン酸化膜17をCVD法によって形成する。
次に、図3(b)に示すように、リソグラフィー工程及びエッチング工程を経て、シリコン酸化膜17をゲート電極状にパターニングした後、このパターニングされたシリコン酸化膜17をハードマスクとして、多結晶シリコン膜6Aをパターニングし、それによって第1の素子形成領域(nチャネル型MISFET形成領域)の上に例えばゲート長60nmのゲート電極6nを形成すると共に、第2の素子形成領域(pチャネル型MISFET形成領域)の上に例えばゲート長60nmのゲート電極6pを形成する。
次に、図3(c)に示すように、ゲート電極6nが形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域(エクステンション領域)7を形成する。その後、ゲート電極6pが形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域(エクステンション領域)8を形成する。n型半導体領域7の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域8の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。
次に、各素子形成領域のゲート電極6n及び6p及びパターニングされたシリコン酸化膜17の側面上に、例えばゲート長方向の膜厚が30〜60nm程度のサイドウォールスペーサ9を形成する。サイドウォールスペーサ9は、p型基板1上の全面に亘って例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法によって形成し、その後、当該絶縁膜に対してRIE(Reactive Ion Etching)等の異方性エッチングを施すことによって形成される。続いて、ゲート電極6n及びサイドウォールスペーサ9が形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域(高濃度ソース・ドレイン領域)10を形成する。その後、ゲート電極6p及びサイドウォールスペーサ9が形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域(高濃度ソース・ドレイン領域)11を形成する。n型半導体領域10の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域11の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。以上の図3(c)に示す工程において、n型半導体領域7及びn型半導体領域10からなるnチャネル型MISFETのn型ソース・ドレイン領域19nが形成されると共に、p型半導体領域8及びp型半導体領域11からなるpチャネル型MISFETのp型ソース・ドレイン領域19pが形成される。
次に、図3(d)に示すように、例えばHF溶液などを用いたウェット処理により、nチャネル型MISFET形成領域及びpチャネル型MISFET形成領域のそれぞれのゲート電極6n及び6p上に形成されたシリコン酸化膜17、並びにn型半導体領域10上及びp型半導体領域11上に形成された自然酸化膜などを除去し、それによって各ゲート電極6n及び6pの表面、n型半導体領域10表面並びにp型半導体領域11表面を露出させる。その結果、図3(d)に示すように、各ゲート電極6n及び6p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれた凹部形状を有する例えば深さ20nmのリセスが形成される。
次に、p型基板1上の全面に亘って、高融点金属膜として例えば厚さ11nmのニッケル(Ni)膜をスパッタ法によって形成し、その後、熱処理を施す。これにより、図3(e)に示すように、各MISFETのゲート電極6n及び6p中のシリコン(Si)と前記ニッケル膜中のNiとを反応させてゲート電極6n及び6pの表面に例えば厚さ25nmのゲート上シリサイド(NiSi)層12nA及び12pAを形成すると共に、半導体領域10及び11中のSiと前記ニッケル膜中のNiとを反応させて半導体領域10及び11の表面にソースドレイン上シリサイド(NiSi)層12nB及び12pBを形成する。その後、シリサイド層12が形成された領域以外に残存する未反応のニッケル膜を選択的に除去した後、熱処理を施してシリサイド層12を活性化する。これにより、ゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるnチャネル型MISFETのゲート電極部20nと、ゲート電極6p及びゲート上シリサイド層12pAからなるpチャネル型MISFETのゲート電極部20pとが形成される。このとき、ゲート電極部20n及び20pの高さ(ゲート上シリサイド層12nA及び12pAの上面の高さ)が、サイドウォールスペーサ9の上端よりも低くなるように形成することにより、ゲート電極部20n及び20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれた例えば深さ20nmのリセスが形成される。
次に、p型基板1上の全面に亘って、引っ張り応力膜となる例えば厚さ30nmの窒化シリコン膜13を例えば準常圧CVD(SA−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜13の堆積条件は、例えば高周波電力が350〜400Wであり、チャンバー内圧力が300〜350Torr(39.9〜46.55kPa )である。
本実施形態では、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つMISFETのゲート電極部20n及び20pのゲート長方向における中央部上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、ゲート電極部20n及び20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。例えばゲート電極6n及び6pのゲート長が60nmの場合、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2を30nmとする。このとき、ゲート電極部20n及び20p上におけるサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスの深さを20nmにしておけば、ゲート電極部20n及び20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は約50nmとなる。すなわち、本実施形態では、引っ張り応力を持つ窒化シリコン膜13のゲート電極部20n及び20p上での膜厚が他の領域の窒化シリコン膜13の膜厚よりも厚いことにより、MISFETのチャネル形成領域に引っ張り応力をより効果的に発生させることができ、その結果、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる。
次に、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第1の実施形態において、ゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、多結晶シリコン膜6A上にシリコン酸化膜17を形成したが、これに代えて、他の材料からなる保護膜を形成してもよい。
また、第1の実施形態においては、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果について、図4(a)〜(d)を参照しながら詳しく説明する。尚、図4(a)〜(d)において、図1及び図3(a)〜(e)に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、説明を適宜省略する。
図4(a)は、図1に示す本実施形態の半導体装置におけるnチャネル型MISFET(主に、p型ウエル領域2の表面(チャネル形成領域)上にゲート絶縁膜5を介して形成されたゲート電極6nと、ゲート電極6n上に形成されたゲート上シリサイド層12nAと、ゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるゲート電極部20nの側面上に形成されたサイドウォールスペーサ9と、n型ソース・ドレイン領域19nとから構成されている)がp型半導体基板1からなる同一活性領域上に2個隣接して形成されている様子を示している。図4(a)に示すように、p型半導体基板1上に、引っ張り応力を発生させる窒化シリコン膜13を形成した後、図4(b)に示すように、窒化シリコン膜13の上に例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15を形成する。その後、nチャネル型MISFETのn型ソース・ドレイン領域19nとなるn型半導体領域10との電気的コンタクトを取るためのホールを層間絶縁膜15及び窒化シリコン膜13に形成する。具体的には、図4(c)に示すように、まず、層間絶縁膜15に、窒化シリコン膜13をエッチングストッパー膜として窒化シリコン膜13まで達するホール18を形成する。次に、図4(d)に示すように、ホール18がn型半導体領域10表面のソースドレイン上シリサイド層12に達するように、ホール18下側の窒化シリコン膜13の除去を行う。ここで、本実施形態においては、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2がコンタクト不良を防止できる厚さに抑制されている。具体的には、ゲート電極6n間の間隔が狭い場合にも、図4(a)に示すように、ゲート電極6n間のn型半導体領域10上の窒化シリコン膜13の膜厚が堆積膜厚よりも大きくなることはない。従って、図4(d)に示すように、ホール18形成のための窒化シリコン膜13のエッチングを確実に行うことができるので、ホール18の開口不良が発生することはない。すなわち、n型半導体領域10との電気的コンタクトを取ることができないというコンタクト不良を防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。
図5は、第2の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。尚、図5において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第2の実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図5に示すように、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETのそれぞれと層間絶縁膜15との間には、応力膜として、p型半導体基板1の活性領域(特に各MISFETのチャネル形成領域)に引っ張り応力を発生させる窒化シリコン膜13に代えて、当該チャネル形成領域に圧縮応力を発生させる絶縁膜(以下、「圧縮応力膜」と称する)となる窒化シリコン膜14が形成されていることである。ここで、窒化シリコン膜14は例えば高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法によって堆積される。第1の実施形態においては、引っ張り応力を発生させる窒化シリコン膜13によってnチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができたが、第2の実施形態においては、圧縮応力を発生させる窒化シリコン膜14によってpチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる。このとき、ゲート長方向が半導体基板1におけるシリコンの<110>方向に沿うようにゲート電極6n及び6pを配置することが望ましい。これにより、pチャネル型MISFETにおいては、窒化シリコン膜14からなる圧縮応力膜によって駆動力を向上させることができる。
また、第2の実施形態によると、ゲート電極部20n及び20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1のみを選択的に堆積膜厚t2よりも厚くしているので、同じ堆積膜厚の応力膜を用いた従来構造(ゲート電極部上にサイドウォールスペーサの上部に囲まれたリセスが存在しない構造)と比べて、p型半導体基板1の活性領域(チャネル形成領域)に発生する応力を効果的に大きくすることができる。このため、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制しながら、ドレイン電流を増加させることによりpチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができるので、高性能な半導体装置を実現することができる。
尚、第2の実施形態において、窒化シリコン膜14に代えて、他の種類の圧縮応力膜を用いてもよい。
以下、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図6(a)〜(e)は第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。尚、図6(a)〜(e)において、図3(a)〜(e)に示す第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。また、第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法が第1の実施形態と異なっている点は、応力膜の堆積方法のみである。
第2の実施形態においては、図3(a)〜(e)に示す第1の実施形態と同様に図6(a)〜(e)に示すように、シリサイド層12の形成まで行う。その後、p型基板1上の全面に亘って、圧縮応力膜となる例えば厚さ30nmの窒化シリコン膜14を例えば高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜14の堆積条件は、例えば高周波電力が600〜700Wであり、チャンバー内圧力が5〜10Torr(665〜1330Pa)である。尚、本明細書における圧縮応力膜とは、ゲート電極下に位置するチャネル領域のゲート長方向に対して圧縮応力を生じさせる絶縁膜を意味する。
本実施形態では、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つMISFETのゲート電極部20n及び20pの中央部上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、ゲート電極部20n及び20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。すなわち、本実施形態では、圧縮応力を持つ窒化シリコン膜14のゲート電極部20n及び20p上での膜厚が他の領域の窒化シリコン膜14の膜厚よりも厚いことにより、MISFETのチャネル形成領域に圧縮応力をより効果的に発生させることができ、その結果、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる。
次に、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第2の実施形態において、ゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、多結晶シリコン膜6A上にシリコン酸化膜17を形成したが、これに代えて、他の材料からなる保護膜を形成してもよい。
また、第2の実施形態においては、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果については、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の場合と同様である。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態は、第1の実施形態の変形例に相当し、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させ、なおかつpチャネル型MISFETの駆動力の劣化を抑制することを目的としている。
図7は、第3の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。尚、図7において、図1に示す第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第3の実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図7に示すように、pチャネル型MISFETのゲート電極6p及びゲート上シリサイド層12pAからなるゲート電極部20pの高さが、その側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さと同等以上であることである。すなわち、pチャネル型MISFETのゲート上シリサイド層12pA上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは存在しない。
このような本実施形態の構造においては、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、第1の実施形態と同様に、その他の領域に位置する窒化シリコン膜13の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっているのに対して、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1aは、堆積膜厚t2とほぼ同じ膜厚になっている。
すなわち、第3の実施形態によると、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜13(MISFETのチャネル形成領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜)の膜厚を第1の実施形態と比べて薄くすることにより、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に発生する引っ張り応力を第1の実施形態と比べて弱めることができる。従って、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させつつ、pチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
以下、第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図8(a)〜(f)は第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。尚、図8(a)〜(f)において、図3(a)〜(e)に示す第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第3の実施形態においては、まず、図3(a)に示す第1の実施形態と同様に図8(a)に示すように、多結晶シリコン膜6A上に、ゲートパターニング時のハードマスクとなるシリコン酸化膜17を形成する工程まで行う。
次に、図8(b)に示すように、nチャネル型MISFET形成領域をレジストマスク(図示省略)によって覆った状態で、pチャネル型MISFET形成領域上に位置するシリコン酸化膜17を選択的にエッチングして除去し、その後、前記レジストマスクを除去する。
次に、図8(c)に示すように、リソグラフィー工程及びエッチング工程を経て、nチャネル型MISFET形成領域上に位置するシリコン酸化膜17及び多結晶シリコン膜6A並びにpチャネル型MISFET形成領域上に位置する多結晶シリコン膜6Aをパターニングし、それによって第1の素子形成領域(nチャネル型MISFET形成領域)の上にゲート電極6nを形成すると共に、第2の素子形成領域(pチャネル型MISFET形成領域)の上にゲート電極6pを形成する。ここで、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6n上にはシリコン酸化膜17が残存している。
次に、図8(d)に示すように、ゲート電極6nが形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域(エクステンション領域)7を形成する。その後、ゲート電極6pが形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域(エクステンション領域)8を形成する。n型半導体領域7の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域8の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。
次に、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6n及びその上に残存するシリコン酸化膜17の側面上並びにpチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6pの側面上に、例えばゲート長方向の膜厚が30〜60nm程度のサイドウォールスペーサ9を形成する。サイドウォールスペーサ9は、p型基板1上の全面に亘って例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法によって形成し、その後、当該絶縁膜に対してRIE等の異方性エッチングを施すことによって形成される。続いて、ゲート電極6n及びサイドウォールスペーサ9が形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域10を形成する。その後、ゲート電極6p及びサイドウォールスペーサ9が形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域11を形成する。n型半導体領域10の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域11の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。以上の図8(d)に示す工程において、n型半導体領域7及びn型半導体領域10からなるnチャネル型MISFETのn型ソース・ドレイン領域19nが形成されると共に、p型半導体領域8及びp型半導体領域11からなるpチャネル型MISFETのp型ソース・ドレイン領域19pが形成される。
次に、図8(e)に示すように、例えばHF溶液などを用いたウェット処理により、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6n上に形成されたシリコン酸化膜17、並びにn型半導体領域10上及びp型半導体領域11上に形成された自然酸化膜などを除去し、それによって各ゲート電極6n及び6pの表面、n型半導体領域10表面並びにp型半導体領域11表面を露出させる。その結果、図8(e)に示すように、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6n上のみにサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが形成される。言い換えると、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6p上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは形成されない。
次に、p型基板1上の全面に亘って、高融点金属膜として例えばニッケル(Ni)膜をスパッタ法によって形成し、その後、熱処理を施す。これにより、図8(f)に示すように、各MISFETのゲート電極6n及び6p中のシリコン(Si)と前記ニッケル膜中のNiとを反応させて各ゲート電極6n及び6pの表面にゲート上シリサイド(NiSi)層12nA及び12pAを形成すると共に、半導体領域10及び11中のSiと前記ニッケル膜中のNiとを反応させて半導体領域10及び11の表面にソースドレイン上シリサイド(NiSi)層12nB及び12pBを形成する。その後、シリサイド層12が形成された領域以外に残存する未反応のニッケル膜を選択的に除去した後、熱処理を施してシリサイド層12を活性化する。
次に、p型基板1上の全面に亘って、引っ張り応力を持つ例えば厚さ30nmの窒化シリコン膜13を例えば準常圧CVD(SA−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜13の堆積条件は、例えば高周波電力が350〜400Wであり、チャンバー内圧力が300〜350Torr(39.9〜46.55kPa )である。
本実施形態では、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つnチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、ゲート電極部20n上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。一方、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1aは、ゲート電極部20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在しないので、堆積膜厚t2と同等になる。このような構造により、本実施形態においては、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く引っ張り応力を、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く引っ張り応力よりも大きくすることができる。その結果、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる上に、pチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
次に、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第3の実施形態において、ゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、多結晶シリコン膜6A上にシリコン酸化膜17を形成したが、これに代えて、他の材料からなる保護膜を形成してもよい。
また、第3の実施形態においては、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果については、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の場合と同様である。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態は、第2の実施形態の変形例に相当し、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させ、なおかつnチャネル型MISFETの駆動力の劣化を抑制することを目的としている。
図9は、第4の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。尚、図9において、図5に示す第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第4の実施形態が第2の実施形態と異なっている点は、図9に示すように、nチャネル型MISFETのゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるゲート電極部20nの高さが、その側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さと同等であることである。すなわち、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは存在しない。
このような本実施形態の構造においては、pチャネル型MISFETのゲート電極6pとゲート上シリサイド層12pAからなるゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、第2の実施形態と同様に、その他の領域に位置する窒化シリコン膜14の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっているのに対して、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1aは、堆積膜厚t2とほぼ同じ膜厚になっている。
すなわち、第4の実施形態によると、nチャネル型MISFETのゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜14(MISFETのチャネル形成領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜)の膜厚を第2の実施形態と比べて薄くすることにより、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に発生する圧縮応力を第2の実施形態と比べて弱めることができる。従って、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させつつ、nチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
以下、第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図10(a)〜(f)は第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。尚、図10(a)〜(f)において、図6(a)〜(e)に示す第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第4の実施形態においては、まず、図6(a)に示す第2の実施形態と同様に図10(a)に示すように、多結晶シリコン膜6A上に、ゲートパターニング時のハードマスクとなるシリコン酸化膜17を形成する工程まで行う。
次に、図10(b)に示すように、pチャネル型MISFET形成領域をレジストマスク(図示省略)によって覆った状態で、nチャネル型MISFET形成領域上に位置するシリコン酸化膜17を選択的にエッチングして除去し、その後、前記レジストマスクを除去する。
次に、図10(c)に示すように、リソグラフィー工程及びエッチング工程を経て、nチャネル型MISFET形成領域上に位置する多結晶シリコン膜6A並びにpチャネル型MISFET形成領域上に位置するシリコン酸化膜17及び多結晶シリコン膜6Aをパターニングし、それによってnチャネル型MISFET形成領域及びpチャネル型MISFET形成領域のそれぞれの上にゲート電極6n及び6pを形成する。ここで、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6p上にはシリコン酸化膜17が残存している。
次に、図10(d)に示すように、ゲート電極6nが形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域(エクステンション領域)7を形成する。その後、ゲート電極6pが形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域(エクステンション領域)8を形成する。n型半導体領域7の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域8の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。
次に、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6nの側面上並びにpチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6p及びその上に残存するシリコン酸化膜17の側面上に、例えばゲート長方向の膜厚が30〜60nm程度のサイドウォールスペーサ9を形成する。サイドウォールスペーサ9は、p型基板1上の全面に亘って例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法によって形成し、その後、当該絶縁膜に対してRIE等の異方性エッチングを施すことによって形成される。続いて、ゲート電極6n及びサイドウォールスペーサ9が形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域10を形成する。その後、ゲート電極6p及びサイドウォールスペーサ9が形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域11を形成する。n型半導体領域10の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域11の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。以上の図10(d)に示す工程において、n型半導体領域7及びn型半導体領域10からなるnチャネル型MISFETのn型ソース・ドレイン領域19nが形成されると共に、p型半導体領域8及びp型半導体領域11からなるpチャネル型MISFETのp型ソース・ドレイン領域19pが形成される。
次に、図10(e)に示すように、例えばHF溶液などを用いたウェット処理により、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6p上に形成されたシリコン酸化膜17、並びにn型半導体領域10上及びp型半導体領域11上に形成された自然酸化膜などを除去し、それによって各ゲート電極6n及び6pの表面、n型半導体領域10表面並びにp型半導体領域11表面を露出させる。その結果、図10(e)に示すように、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6p上のみにサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが形成される。言い換えると、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極6n上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは形成されない。
次に、p型基板1上の全面に亘って、高融点金属膜として例えばニッケル(Ni)膜をスパッタ法によって形成し、その後、熱処理を施す。これにより、図10(f)に示すように、各MISFETのゲート電極6n及び6p中のシリコン(Si)と前記ニッケル膜中のNiとを反応させて各ゲート電極6n及び6pの表面にゲート上シリサイド(NiSi)層12nA及び12pAを形成すると共に、半導体領域10及び11中のSiと前記ニッケル膜中のNiとを反応させて半導体領域10及び11の表面にソースドレイン上シリサイド(NiSi)層12nB及び12pBを形成する。その後、シリサイド層12が形成された領域以外に残存する未反応のニッケル膜を選択的に除去した後、熱処理を施してシリサイド層12を活性化する。これにより、ゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるnチャネル型MISFETのゲート電極部20nと、ゲート電極6p及びゲート上シリサイド層12pAからなるpチャネル型MISFETのゲート電極部20pとが形成される。
次に、p型基板1上の全面に亘って、圧縮応力を持つ窒化シリコン膜14を例えば高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜14の堆積条件は、例えば高周波電力が600〜700Wであり、チャンバー内圧力が5〜10Torr(665〜1330Pa)である。
本実施形態では、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つpチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、当該ゲート電極部20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。一方、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1aは、当該ゲート電極部20n上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在しないので、堆積膜厚t2と同等になる。このような構造により、本実施形態においては、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く圧縮応力を、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く圧縮応力よりも大きくすることができる。その結果、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる上に、nチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
次に、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第4の実施形態において、ゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、多結晶シリコン膜6A上にシリコン酸化膜17を形成したが、これに代えて、他の材料からなる絶縁膜を形成してもよい。
また、第4の実施形態においては、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果については、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の場合と同様である。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態は、第1の実施形態及び第2の実施形態の変形例に相当し、nチャネル型MISFET形成領域とpチャネル型MISFET形成領域とで互いに異なる応力膜(例えばライナー窒化膜)を用いることにより、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETの両方の駆動力を向上させることを目的としている。
図11は、第5の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。尚、図11において、図1に示す第1の実施形態及び図5に示す第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
図11に示すように、本実施形態の半導体装置においても、第1の実施形態と同様に、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETのそれぞれのゲート電極部20n及び20pの高さは、各ゲート電極部20n及び20pの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端よりも低い。言い換えると、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETのそれぞれのゲート電極部20n及び20p上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図11に示すように、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n及びn型半導体領域10(ソースドレイン上シリサイド層12nB)と層間絶縁膜15との間には、引っ張り応力膜となる窒化シリコン膜13が形成されている一方、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p及びp型半導体領域11(ソースドレイン上シリサイド層12pB)と層間絶縁膜15との間には、圧縮応力膜となる窒化シリコン膜14が形成されていることである。
このような本実施形態の構造においては、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、第1の実施形態と同様に、その他の領域(例えばソースドレイン上シリサイド層12nB及び12pB)上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっている。また、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、第2の実施形態と同様に、その他の領域に位置する窒化シリコン膜14の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっている。従って、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に発生する引っ張り応力を選択的に強めることができると共に、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に発生する圧縮応力を選択的に強めることができるので、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETの両方の駆動力を向上させることができる。
以下、第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図12(a)〜(f)は第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。尚、図12(a)〜(f)において、図3(a)〜(e)に示す第1の実施形態及び図6(a)〜(e)に示す第2の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第5の実施形態においては、まず、図3(a)〜(e)に示す第1の実施形態と同様の方法によって、図12(a)に示すように、nチャネル型MISFET、pチャネル型MISFET及びシリサイド層12の形成まで行う。ここで、nチャネル型MISFET及びpチャネル型MISFETのそれぞれのゲート電極部20n及び20p上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在する。
次に、図12(b)に示すように、p型基板1上の全面に亘って、引っ張り応力膜となる窒化シリコン膜13を例えば準常圧CVD(SA−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜13の堆積条件は、例えば高周波電力が350〜400Wであり、チャンバー内圧力が300〜350Torr(39.9〜46.55kPa )である。
本実施形態では、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つnチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、当該ゲート電極部20n上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。
次に、図12(c)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、窒化シリコン膜13上にnチャネル型MISFET形成領域を覆うレジストパターン21を形成した後、当該レジストパターン21をマスクとして、窒化シリコン膜13に対してエッチングを行う。これにより、nチャネル型MISFET形成領域のみを窒化シリコン膜13によって選択的に覆う。言い換えると、pチャネル型MISFET形成領域上に位置する窒化シリコン膜13を選択的に除去する。このように形成された窒化シリコン膜13によって、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域のみに選択的に引っ張り応力を発生させることができる。その結果、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる。
次に、図12(d)に示すように、レジストパターン21を除去した後、図12(e)に示すように、p型基板1上の全面に亘って、圧縮応力膜となる窒化シリコン膜14を例えば高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜14の堆積条件は、例えば高周波電力が600〜700Wであり、チャンバー内圧力が5〜10Torr(665〜1330Pa)である。
本実施形態では、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つpチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、当該ゲート電極部20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。
次に、図12(f)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、窒化シリコン膜14上にpチャネル型MISFET形成領域を覆うレジストパターン22を形成した後、当該レジストパターン22をマスクとして、窒化シリコン膜14に対してエッチングを行う。これにより、pチャネル型MISFET形成領域のみを窒化シリコン膜14によって選択的に覆う。言い換えると、nチャネル型MISFET形成領域上に位置する窒化シリコン膜14を選択的に除去する。このように形成された窒化シリコン膜14によって、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域のみに選択的に圧縮応力を発生させることができる。その結果、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる。
次に、図示は省略しているが、レジストパターン22を除去した後、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第5の実施形態において、ゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、多結晶シリコン膜6A上にシリコン酸化膜17を形成したが、これに代えて、他の材料からなる絶縁膜を形成してもよい。
また、第5の実施形態においては、窒化シリコン膜13及び14の堆積膜厚t2(窒化シリコン膜13と窒化シリコン膜14とで異なっていてもよい)自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果については、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の場合と同様である。
(第6の実施形態)
以下、本発明の第6の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態は、第3の実施形態の変形例に相当し、nチャネル型MISFETのゲート電極部上にサイドウォールスペーサに囲まれたリセス(凹部)を形成するためにシリコンゲルマニウム(以下、SiGe)膜を用いること、及びpチャネル型MISFETのゲート電極が多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造を有していることを特徴としている。このように、pチャネル型MISFETのゲート電極を多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造によって構成することにより、pチャネル型MISFETのSファクタ(Sパラメータ)を向上させることができる。
図13は、第6の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。尚、図13において、図7に示す第3の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第6の実施形態が第3の実施形態と異なっている点は、図13に示すように、pチャネル型MISFETの第1のゲート電極6pとなる多結晶シリコン膜上に、第2のゲート電極16pとなるSiGe膜が形成されていること、つまりpチャネル型MISFETのゲート電極が多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造を有すること、及びそれによって第1のゲート電極6p、第2のゲート電極16p及びゲート上シリサイド層12pAからなるゲート電極部20pの高さが、その側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さと同等以上であることである。すなわち、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは存在しない。これに対して、nチャネル型MISFETの第1のゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるゲート電極部20n上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在している。尚、pチャネル型MISFETのゲート電極部20pの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さと、nチャネル型MISFETのゲート電極部20nの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さとは同等である。
このような本実施形態の構造においては、第3の実施形態と同様に、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、その他の領域(例えばソースドレイン上シリサイド層12nB及び12pB)上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっているのに対して、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1aは、堆積膜厚t2とほぼ同じ膜厚になっている。
すなわち、第6の実施形態によると、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜13(MISFETのチャネル形成領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜)の膜厚を第1の実施形態と比べて薄くすることにより、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に発生する引っ張り応力を第1の実施形態と比べて弱めることができる。従って、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させつつ、pチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
また、第6の実施形態によると、pチャネル型MISFETのゲート電極を多結晶シリコン膜(第1のゲート電極6)とSiGe膜(第2のゲート電極16)との2層構造によって構成することにより、多結晶シリコン膜単層のゲート電極を用いる場合と比較してより低い基板不純物濃度で同等の閾値電圧を実現することが可能となるので、pチャネル型MISFETのSファクタを向上させることができる。
以下、第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図14(a)〜(e)は第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。尚、図14(a)〜(e)において、図8(a)〜(f)に示す第3の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
まず、図14(a)に示すように、例えば単結晶シリコンからなるp型半導体基板1(以下、単にp型基板と呼ぶ)を準備し、その後、p型基板1の主面にp型ウエル領域2及びn型ウエル領域3をそれぞれ選択的に形成する。このとき、n型ウェル領域3の不純物濃度を、第1〜第5の実施形態と比較して低く設定する。次に、例えば第1の実施形態と同様の方法により、素子分離領域4及びゲート絶縁膜5を形成した後、p型基板1上の全面に、第1のゲート電極となる例えば厚さ120nmの多結晶シリコン膜6Aを例えばCVD法によって形成する。その後、多結晶シリコン膜6A上に、第2のゲート電極となる例えば厚さ20nmのSiGe膜16Aを堆積する。
次に、図14(b)に示すように、リソグラフィー工程及びエッチング工程を経て、SiGe膜16A及び多結晶シリコン膜6Aをパターニングし、それによってnチャネル型MISFET形成領域及びpチャネル型MISFET形成領域のそれぞれの上に第1のゲート電極6nと第2のゲート電極16nとの積層構造及び第1のゲート電極6pと第2のゲート電極16pとの積層構造を形成する。
次に、図14(c)に示すように、第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16nが形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域(エクステンション領域)7を形成する。その後、第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16pが形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域(エクステンション領域)8を形成する。n型半導体領域7の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域8の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。
次に、nチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16nの側面上並びにpチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16pの側面上に、例えばゲート長方向の膜厚が30〜60nm程度のサイドウォールスペーサ9を形成する。サイドウォールスペーサ9は、p型基板1上の全面に亘って例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法によって形成し、その後、当該絶縁膜に対してRIE等の異方性エッチングを施すことによって形成される。続いて、第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16n並びにサイドウォールスペーサ9が形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域10を形成する。その後、第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16p並びにサイドウォールスペーサ9が形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域11を形成する。n型半導体領域10の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域11の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。以上の図14(c)に示す工程において、n型半導体領域7及びn型半導体領域10からなるnチャネル型MISFETのn型ソース・ドレイン領域19nが形成されると共に、p型半導体領域8及びp型半導体領域11からなるpチャネル型MISFETのp型ソース・ドレイン領域19pが形成される。
次に、図14(d)に示すように、例えばリソグラフィー工程により形成されたレジストマスク(図示省略)によってpチャネル型MISFET形成領域を保護しながら、例えばフッ硝酸を用いてnチャネル型MISFETの第2のゲート電極(SiGe膜)16nを選択的に除去する。その結果、図14(d)に示すように、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極(第1のゲート電極6nの単層構造)上のみに、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが形成される。言い換えると、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極(第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16pの積層構造)上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは形成されない。
次に、p型基板1上の全面に亘って、高融点金属膜として例えばニッケル(Ni)膜をスパッタ法によって形成し、その後、熱処理を施す。これにより、図14(e)に示すように、nチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6n及びpチャネル型MISFET形成領域の第2のゲート電極16pのそれぞれに含まれるシリコン(Si)と前記ニッケル膜中のNiとを反応させてnチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6n及びpチャネル型MISFET形成領域の第2のゲート電極16pのそれぞれの表面にゲート上シリサイド(NiSi)層12nA及び12pAを形成すると共に、半導体領域10及び11中のSiと前記ニッケル膜中のNiとを反応させて半導体領域10及び11の表面にソースドレイン上シリサイド(NiSi)層12nB及び12pBを形成する。その後、シリサイド層12が形成された領域以外に残存する未反応のニッケル膜を選択的に除去した後、熱処理を施してシリサイド層12を活性化する。これにより、第1のゲート電極6n及びゲート上シリサイド層12nAからなるnチャネル型MISFETのゲート電極部20nと、第1のゲート電極6p、第2のゲート電極16p及びゲート上シリサイド層12pAからなるpチャネル型MISFETのゲート電極部20pが形成される。
次に、p型基板1上の全面に亘って、引っ張り応力を持つ窒化シリコン膜13を例えば準常圧CVD(SA−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜13の堆積条件は、例えば高周波電力が350〜400Wであり、チャンバー内圧力が300〜350Torr(39.9〜46.55kPa )である。
本実施形態では、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つnチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1は、当該ゲート電極部20n上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。一方、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜13の膜厚t1aは、当該ゲート電極部20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在しないので、堆積膜厚t2と同等になる。このような構造により、本実施形態においては、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く引っ張り応力を、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く引っ張り応力よりも大きくすることができる。その結果、nチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる上に、pチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
次に、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第6の実施形態において、第1のゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、第2のゲート電極16n及び16pの材料としてSiGe膜16Aを用いたが、これに代えて、第1のゲート電極6n及び6pの材料と異なる他の導電性材料を用いてもよい。また、pチャネル型MISFETのゲート電極構造として、多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造を用いたが、これに代えて、3層以上の積層構造を用いてもよい。この場合、nチャネル型MISFETのゲート電極構造として、pチャネル型MISFETのゲート電極よりも低い多層構造を用いてもよい。
また、第6の実施形態においては、窒化シリコン膜13の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果については、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の場合と同様である。
(第7の実施形態)
以下、本発明の第7の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について、最小ゲート長が0.1μm以下の相補型MISFETを有する半導体装置に本発明を適用した場合を例として、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態は、第4の実施形態の変形例に相当し、pチャネル型MISFETのゲート電極部上にサイドウォールスペーサに囲まれたリセス(凹部)を形成するためにシリコンゲルマニウム(以下、SiGe)膜を用いること、及びnチャネル型MISFETのゲート電極が多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造を有していることを特徴としている。このように、nチャネル型MISFETのゲート電極を多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造によって構成することにより、nチャネル型MISFETのSファクタ(Sパラメータ)を向上させることができる。
図15は、第7の実施形態に係る半導体装置の概略構成を示す断面図である。尚、図15において、図9に示す第4の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
第7の実施形態が第4の実施形態と異なっている点は、図15に示すように、nチャネル型MISFETの第1のゲート電極6nとなる多結晶シリコン膜上に、第2のゲート電極16nとなるSiGe膜が形成されていること、つまりnチャネル型MISFETのゲート電極が多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造を有すること、及びそれによって第1のゲート電極6n、第2のゲート電極16n及びゲート上シリサイド層12nAからなるゲート電極部20nの高さが、その側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さと同等以上であることである。すなわち、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは存在しない。これに対して、pチャネル型MISFETの第1のゲート電極6p及びゲート上シリサイド層12pAからなるゲート電極部20p上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在している。尚、pチャネル型MISFETのゲート電極部20pの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さと、nチャネル型MISFETのゲート電極部20nの側面上に設けられたサイドウォールスペーサ9の上端の高さとは同等である。
このような本実施形態の構造においては、第4の実施形態と同様に、pチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、その他の領域(例えばソースドレイン上シリサイド層12nB及び12pB)上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚(堆積膜厚t2)よりも厚くなっているのに対して、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1aは、堆積膜厚t2とほぼ同じ膜厚になっている。
すなわち、第7の実施形態によると、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜14(MISFETのチャネル形成領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜)の膜厚を第2の実施形態と比べて薄くすることにより、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に発生する圧縮応力を第2の実施形態と比べて弱めることができる。従って、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させつつ、nチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
また、第7の実施形態によると、nチャネル型MISFETのゲート電極を多結晶シリコン膜(第1のゲート電極6n)とSiGe膜(第2のゲート電極16n)との2層構造によって構成することにより、多結晶シリコン膜単層のゲート電極を用いる場合と比較してより低い基板不純物濃度で同等の閾値電圧を実現することが可能となるので、nチャネル型MISFETのSファクタを向上させることができる。
以下、第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
図16(a)〜(e)は第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。尚、図16(a)〜(e)において、図10(a)〜(f)に示す第4の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を適宜省略する。
まず、図16(a)に示すように、例えば単結晶シリコンからなるp型半導体基板1(以下、単にp型基板と呼ぶ)を準備し、その後、p型基板1の主面にp型ウエル領域2及びn型ウエル領域3をそれぞれ選択的に形成する。このとき、p型ウェル領域2の不純物濃度を、第1〜第5の実施形態と比較して低く設定する。次に、例えば第2の実施形態と同様の方法により、素子分離領域4及びゲート絶縁膜5を形成した後、p型基板1上の全面に亘って第1のゲート電極となる例えば厚さ120nmの多結晶シリコン膜6Aを例えばCVD法によって形成する。その後、多結晶シリコン膜6A上に、第2のゲート電極となる例えば厚さ20nmのSiGe膜16Aを堆積する。
次に、図16(b)に示すように、リソグラフィー工程及びエッチング工程を経て、SiGe膜16A及び多結晶シリコン膜6Aをパターニングし、それによってnチャネル型MISFET形成領域及びpチャネル型MISFET形成領域のそれぞれの上に第1のゲート電極6nと第2のゲート電極16nとの積層構造及び第1のゲート電極6pと第2のゲート電極16pとの積層構造を形成する。
次に、図16(c)に示すように、第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16nが形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域(エクステンション領域)7を形成する。その後、第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16pが形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域(エクステンション領域)8を形成する。n型半導体領域7の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域8の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。
次に、nチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16nの側面上並びにpチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16pの側面上に、例えばゲート長方向の膜厚が30〜60nm程度のサイドウォールスペーサ9を形成する。サイドウォールスペーサ9は、p型基板1上の全面に亘って例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法によって形成し、その後、当該絶縁膜に対してRIE等の異方性エッチングを施すことによって形成される。続いて、第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16n並びにサイドウォールスペーサ9が形成されていないp型ウエル領域2の部分にn型不純物として例えば砒素(As)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のn型半導体領域10を形成する。その後、第1のゲート電極6p及び第2のゲート電極16p並びにサイドウォールスペーサ9が形成されていないn型ウエル領域3の部分にp型不純物として例えば二フッ化ボロン(BF)をイオン打込み法によって選択的に導入し、それによって一対のp型半導体領域11を形成する。n型半導体領域10の形成は、pチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。また、p型半導体領域11の形成は、nチャネル型MISFET形成領域をフォトレジストマスクによって覆った状態で行なう。以上の図16(c)に示す工程において、n型半導体領域7及びn型半導体領域10からなるnチャネル型MISFETのn型ソース・ドレイン領域19nが形成されると共に、p型半導体領域8及びp型半導体領域11からなるpチャネル型MISFETのp型ソース・ドレイン領域19pが形成される。
次に、図16(d)に示すように、例えばリソグラフィー工程により形成されたレジストマスク(図示省略)によってnチャネル型MISFET形成領域を保護しながら、例えばフッ硝酸を用いてpチャネル型MISFETの第2のゲート電極(SiGe膜)16pを選択的に除去する。その結果、図16(d)に示すように、pチャネル型MISFET形成領域のゲート電極(第1のゲート電極6pの単層構造)上のみに、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが形成される。言い換えると、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極(第1のゲート電極6n及び第2のゲート電極16nの積層構造)上には、サイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスは形成されない。
次に、p型基板1上の全面に亘って、高融点金属膜として例えばニッケル(Ni)膜をスパッタ法によって形成し、その後、熱処理を施す。これにより、図16(e)に示すように、nチャネル型MISFET形成領域の第2のゲート電極16n及びpチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6pのそれぞれに含まれるシリコン(Si)と前記ニッケル膜中のNiとを反応させてnチャネル型MISFET形成領域の第2のゲート電極16n及びpチャネル型MISFET形成領域の第1のゲート電極6pのそれぞれの表面にゲート上シリサイド(NiSi)層12nA及び12pAを形成すると共に、半導体領域10及び11中のSiと前記ニッケル膜中のNiとを反応させて半導体領域10及び11の表面にソースドレイン上シリサイド(NiSi)層12nB及び12pBを形成する。その後、シリサイド層12が形成された領域以外に残存する未反応のニッケル膜を選択的に除去した後、熱処理を施してシリサイド層12を活性化する。これにより、第1のゲート電極6n、第2のゲート電極16n及びゲート上シリサイド層12nAからなるnチャネル型MISFETのゲート電極部20nと、第1のゲート電極6p及びゲート上シリサイド層12pAからなるpチャネル型MISFETのゲート電極部20pが形成される。
次に、p型基板1上の全面に亘って、圧縮応力を持つ窒化シリコン膜14を例えば高密度プラズマCVD(HDP−CVD)法によって形成する。窒化シリコン膜14の堆積条件は、例えば高周波電力が600〜700Wであり、チャンバー内圧力が5〜10Torr(665〜1330Pa)である。
本実施形態では、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2を、活性領域上に形成されるMISFETの最小ゲート長の半分以上に設定する。この場合、最小ゲート長を持つpチャネル型MISFETのゲート電極部20p上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1は、当該ゲート電極部20p上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在することによって、自己整合的に堆積膜厚t2よりも厚くなる。一方、nチャネル型MISFETのゲート電極部20n上に位置する窒化シリコン膜14の膜厚t1aは、当該ゲート電極部20n上にサイドウォールスペーサ9の上部に囲まれたリセスが存在しないので、堆積膜厚t2と同等になる。このような構造により、本実施形態においては、pチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く圧縮応力を、nチャネル型MISFETのチャネル形成領域に働く圧縮応力よりも大きくすることができる。その結果、pチャネル型MISFETの駆動力を向上させることができる上に、nチャネル型MISFETの駆動力の低下を抑制することができる。
次に、p型基板1上の全面に亘って、例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜15をプラズマCVD法によって形成し、その後、層間絶縁膜15の表面をCMP法によって平坦化する。その後、図示はしていないが、公知の技術を用いてコンタクト孔やメタル配線層等を形成することによって本実施形態の半導体装置が完成する。
尚、第7の実施形態において、第1のゲート電極6n及び6pの材料として多結晶シリコン膜6Aを用いたが、これに代えて、他の導電性材料を用いてもよい。また、第2のゲート電極16n及び16pの材料としてSiGe膜16Aを用いたが、これに代えて、第1のゲート電極6の材料と異なる他の導電性材料を用いてもよい。また、nチャネル型MISFETのゲート電極構造として、多結晶シリコン膜とSiGe膜との2層構造を用いたが、これに代えて、3層以上の積層構造を用いてもよい。この場合、pチャネル型MISFETのゲート電極構造として、pチャネル型MISFETのゲート電極よりも低い多層構造を用いてもよい。
また、第7の実施形態においては、窒化シリコン膜14の堆積膜厚t2自体についてはコンタクト不良を防止できる厚さに抑制することができるが、その効果については、図4(a)〜(d)に示す第1の実施形態の場合と同様である。
以上、本願発明者らによってなされた発明を、前記各実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、半導体装置及びその製造技術に関し、特に、サイドウォール構造を持つMISFETを有する半導体装置及びその製造技術に適用した場合には、コンタクト不良を防止しつつMISFETの駆動力を向上させることにより高性能な半導体装置を実現できるという効果が得られ、非常に有用である。
図1は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図2は応力膜の堆積膜厚に対してMISFETのゲート長が十分に大きい比較例に係る半導体装置の断面図である。 図3(a)〜(e)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図4(a)〜(d)は本発明の第1の実施形態の効果を説明するための図である。 図5は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図6(a)〜(e)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図7は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図8(a)〜(f)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図9は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図10(a)〜(f)は本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図11は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図12(a)〜(f)は本発明の第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図13は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図14(a)〜(e)は本発明の第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図15は本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図16(a)〜(e)は本発明の第7の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。 図17(a)はチャネル形成領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜を形成した場合の様子を示す図であり、図17(b)はチャネル形成領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜を形成した場合の様子を示す図である。 図18(a)〜(d)は従来の半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
符号の説明
1 p型半導体基板
2 p型ウエル領域
3 n型ウエル領域
4 素子分離領域
5 ゲート絶縁膜
6n ゲート電極(第1のゲート電極)
6p ゲート電極(第1のゲート電極)
6A 多結晶シリコン膜
7 n型半導体領域
8 p型半導体領域
9 サイドウォールスペーサ
10 n型半導体領域
11 p型半導体領域
12 シリサイド層
12nA ゲート上シリサイド層
12nB ソースドレイン上シリサイド層
12pA ゲート上シリサイド層
12pB ソースドレイン上シリサイド層
13 窒化シリコン膜(引っ張り応力膜)
14 窒化シリコン膜(圧縮応力膜)
15 層間絶縁膜
16n 第2のゲート電極
16p 第2のゲート電極
16A SiGe膜
17 シリコン酸化膜
18 ホール
19n n型ソース・ドレイン領域
19p p型ソース・ドレイン領域
20n ゲート電極部
20p ゲート電極部
21 レジストパターン
22 レジストパターン

Claims (28)

  1. 半導体基板における第1の領域に形成され、且つゲート長が0.1μm以下である第1導電型の第1のMIS型トランジスタを有する半導体装置であって、
    前記第1のMIS型トランジスタは、
    前記第1の領域上に形成された第1のゲート絶縁膜と、
    前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極部と、
    前記第1のゲート電極部の側面上に形成された第1の絶縁性サイドウォールと、
    前記第1の領域における前記第1の絶縁性サイドウォールの側方に形成された第1のソース・ドレイン領域と、
    前記第1のゲート電極部上及び前記第1のソース・ドレイン領域上を覆うように形成された第1の応力膜とを備え、
    前記第1のゲート電極部の上面は、前記第1の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、
    前記第1のゲート電極部上には、前記第1の絶縁性サイドウォールの上部に囲まれたリセスが存在しており、
    前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に前記リセスを埋め込むように形成されている第1の部分の膜厚が、前記第1の応力膜における前記第1のソース・ドレイン領域上及び前記第1の絶縁性サイドウォール上に形成されている第2の部分の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1のゲート電極部は、前記第1のゲート絶縁膜上に形成されたシリコンからなる第1のゲート電極と、前記第1のゲート電極上に形成された第1のシリサイド層とで構成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1又2に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1又2に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1又は2に記載の半導体装置において、
    前記半導体基板における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備え、
    前記第2のMIS型トランジスタは、
    前記第2の領域上に形成された第2のゲート絶縁膜と、
    前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極部と、
    前記第2のゲート電極部の側面上に形成された第2の絶縁性サイドウォールと、
    前記第2の領域における前記第2の絶縁性サイドウォールの側方に形成された第2のソース・ドレイン領域と、
    前記第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように形成された第2の応力膜とを備えていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置において、
    前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、
    前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第3の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のソース・ドレイン領域上に形成されている第4の部分の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項5又6に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記引っ張り応力膜からなることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項5又6に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記圧縮応力膜からなることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項5又6に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第2の領域における前記第2のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項5〜9のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成されたシリコンからなる第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項5に記載の半導体装置において、
    前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端と同等以上の高さで形成されており、
    前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に形成されている第1の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第3の部分の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11に記載の半導体装置において、
    前記第1の絶縁性サイドウォールの上端は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端よりも高いことを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項11又12に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記引っ張り応力膜からなることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項11又12に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記圧縮応力膜からなることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項11〜14のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成されたシリコンからなる第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されていることを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項11に記載の半導体装置において、
    前記第1の絶縁性サイドウォールの上端は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端と同等の高さであることを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項16に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に引っ張り応力を発生させる引っ張り応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記引っ張り応力膜からなることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項16に記載の半導体装置において、
    前記第1のMIS型トランジスタは、pチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第2のMIS型トランジスタは、nチャネル型MIS型トランジスタであり、
    前記第1の応力膜は、前記第1の領域における前記第1のゲート電極部下に位置するチャネル領域に圧縮応力を発生させる圧縮応力膜であり、
    前記第2の応力膜は、前記第1の応力膜と同じ前記圧縮応力膜からなることを特徴とする半導体装置。
  19. 請求項11、16〜18のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成され且つシリコンからなる第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成され且つ前記第2のゲート電極と異なる他の導電性材料からなる第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極上に形成された第3のシリサイド層とで構成されていることを特徴とする半導体装置。
  20. 請求項19に記載の半導体装置において、
    前記第3のゲート電極は、SiGe膜からなることを特徴とする半導体装置。
  21. 半導体基板における第1の領域に形成され、且つゲート長が0.1μm以下である第1導電型の第1のMIS型トランジスタを有する半導体装置の製造方法であって、
    前記第1の領域上に第1のゲート絶縁膜を形成する工程(a)と、
    前記第1のゲート絶縁膜上に、導電膜及びゲート高調整膜を順次形成する工程(b)と、
    前記ゲート高調整膜及び前記導電膜をパターニングすることによって、前記第1のゲート絶縁膜上に第1のゲート電極及び第1のゲート高調整膜パターンを形成する工程(c)と、
    前記第1ゲート電極及び前記第1のゲート高調整膜パターンの側面上に第1の絶縁性サイドウォールを形成する工程(d)と、
    前記工程(d)の後に、前記第1の領域における前記第1の絶縁性サイドウォールの側方に第1のソース・ドレイン領域を形成する工程(e)と、
    前記工程(d)の後に、前記第1のゲート高調整膜パターンを除去することにより、前記第1のゲート電極上に前記第1の絶縁性サイドウォールの上部に囲まれたリセスを形成する工程(f)と、
    前記工程(f)の後に、少なくとも前記第1のゲート電極を有する第1のゲート電極部上及び前記第1のソース・ドレイン領域上を覆うように第1の応力膜を形成する工程(g)とを備え、
    前記工程(g)において、前記第1のゲート電極部の上面は、前記第1の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に前記リセスを埋め込むように形成されている第1の部分の膜厚が、前記第1の応力膜における前記第1のソース・ドレイン領域上及び前記第1の絶縁性サイドウォール上に形成されている第2の部分の膜厚よりも厚く形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 請求項21に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(f)の後で前記工程(g)の前に、前記第1のゲート電極上に第1のシリサイド層を形成する工程(h)を備え、
    前記工程(g)において、前記第1のゲート電極部は、前記第1のゲート電極及び前記第1のシリサイド層で構成されており、前記第1のシリサイド層の上面が前記第1の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  23. 請求項21又は22に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備え、
    前記工程(a)は、前記第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記第2のゲート絶縁膜上に、前記導電膜及び前記ゲート高調整膜を順次形成する工程を含み、
    前記工程(c)は、前記ゲート高調整膜及び前記導電膜をパターニングすることによって、前記第2のゲート絶縁膜上に第2のゲート電極及び第2のゲート高調整膜パターンを形成する工程を含み、
    前記工程(d)は、前記第2ゲート電極及び前記第2のゲート高調整膜パターンの側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成する工程を含み、
    前記工程(e)は、前記第2の領域における前記第2の絶縁性サイドウォールの側方に第2のソース・ドレイン領域を形成する工程を含み、
    前記工程(g)は、少なくとも前記第2のゲート電極を有する第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように第2の応力膜を形成する工程を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  24. 請求項23に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(f)は、前記第2のゲート高調整膜パターンを除去することにより、前記第2のゲート電極上に前記第2の絶縁性サイドウォールの上部に囲まれたリセスを形成する工程を含み、
    前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端よりも低く形成されており、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のソース・ドレイン領域上に形成されている第4の部分の膜厚よりも厚く形成されることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  25. 請求項21又は22に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記半導体装置は、前記半導体基板における第2の領域に形成された第2導電型の第2のMIS型トランジスタをさらに備え、
    前記工程(a)は、前記第2の領域上に第2のゲート絶縁膜を形成する工程を含み、
    前記工程(b)は、前記第2のゲート絶縁膜上に、前記導電膜及び前記ゲート高調整膜を順次形成する工程を含み、
    前記工程(b)の後で前記工程(c)の前に、前記第2の領域上の前記ゲート高調整膜を除去する工程(h)を有し、
    前記工程(c)は、前記導電膜をパターニングすることによって、前記第2のゲート絶縁膜上に第2のゲート電極を形成する工程を含み、
    前記工程(d)は、前記第2ゲート電極の側面上に第2の絶縁性サイドウォールを形成する工程を含み、
    前記工程(e)は、前記第2の領域における前記第2の絶縁性サイドウォールの側方に第2のソース・ドレイン領域を形成する工程を含み、
    前記工程(g)は、少なくとも前記第2のゲート電極を有する第2のゲート電極部上及び前記第2のソース・ドレイン領域上を覆うように第2の応力膜を形成する工程を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  26. 請求項23又は25に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成された第2のシリサイド層とで構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  27. 請求項23に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部は、前記第2のゲート電極と、前記第2のゲート電極上に形成され且つ前記第2のゲート高調整膜パターンからなる第3のゲート電極と、前記第3のゲート電極上に形成された第3のシリサイド層とで構成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  28. 請求項26又は27に記載の半導体装置の製造方法において、
    前記工程(g)において、前記第2のゲート電極部の上面は、前記第2の絶縁性サイドウォールの上端と同等以上の高さで形成されており、
    前記第1の応力膜における前記第1のゲート電極部上に形成されている第1の部分の膜厚が、前記第2の応力膜における前記第2のゲート電極部上に形成されている第3の部分の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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