JP4629893B2 - 土壌中の有機物の分解促進方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作土土壌に含まれる有機物の分解促進方法に関する。より詳細には、本発明は、農産物を収穫した後に残留する切り株、根っこ、葉、茎などの植物残渣や雑草、木材屑などが残留する収穫後の田畑、牧草地、法面などの土壌、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥などの有機系廃棄物から製造された未完熟堆肥などを投入した土壌などにおいて、土壌上や土壌中に残留したりして含まれている前記有機物を、土壌中に鋤き込むと共に土壌中で速やかに分解させて、植物の栽培や生育に適した土壌環境を短い期間に形成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
農作物を栽培したり収穫した後の田畑には、種々の植物残渣が残留する。例えば、キャベツや白菜などを栽培した畑では、収穫後に食用に適さない外側の葉っぱや根などが多量に残留する。芋類を栽培した畑では、芋のつる、葉っぱ、茎などが多量に残留する。また、稲を刈り取った後の水田には、稲藁、稲稈などが多量に残留する。
さらに、市場価格の暴落、病気の発生、生育不全などによって、農作物の出荷ができなくなった場合には、栽培した農作物は収穫されずにそのまま田畑に残される。また、田畑以外の緑地でも、種々の草木や木材くずなどが残留したり、発生する。
【0003】
田畑や緑地などで発生した上記した植物性の種々の有機物(植物発生材)は、そのまま緑肥として耕運機などを用いて土壌中に鋤き込み、土壌中で分解させることが従来から行われている。
しかしながら、植物性の有機物は、難分解性成分を多く含み、その分解に時間がかかるだけでなく、リグニン成分の分解により生じるフェノール性の酸性物質が植物の生育阻害を及ぼすことがある。このため、植物性の有機物は土壌中に鋤き込んでも、作物の生育に悪影響を与えないように十分に分解して無毒化するのに長時間を必要とし(一般に3〜6カ月)、場合によっては長い分解期間中に土壌が嫌気的条件になって作物などの生育障害を生じたり、臭気や有害ガスを発生することがある。
【0004】
また、植物の栽培に当たっては、従来化成肥料が多用されてきた。しかし、化成肥料は、即効性であるものの、濃度障害による植物の生育不良や枯れ、連用による土壌のやせ、環境汚染などの問題があり、かかる点から、近年有機質原料を発酵させた有機肥料が注目されるようになっている。
有機質肥料は、通常、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、植物発生材などの有機質原料を、一度に集めて堆積して発酵させたり、発酵処理機械により堆肥化することにより製造されている。しかしながら、有機質肥料の製造に当たっては、原料の集積場所や発酵するための場所の確保が必要であり、しかも集積や発酵に労力や時間を要する。そのため、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、植物発生材などの有機質原料を堆肥化せずに、そのまま田畑や緑地に直接投入し、そこで発酵・堆肥化することが望ましいが、それらの原料を田畑や緑地に直接投入することは、植物の生育障害を招くことが多く、また環境汚染や環境衛生などの面からも現実には実施できず、法律でも規制されている。
【0005】
そこで、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、植物発生材などの有機質原料を、そのまま直接土壌に投入せずに、ある程度発酵させて(一次発酵させて)、植物の生育に対する悪影響を低減してから田畑や緑地などの土壌に投入することも従来から行われている。しかしながら、この場合にも、未完熟状態で投入されるために、場合によっては土壌が嫌気的条件になって植物生育阻害を招いたり、また臭気や有害ガスが発生するという問題が発生する場合がある。
【0006】
要するに、田畑や緑地などで発生した植物性の有機物をそのまま土壌中に鋤き込む場合、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、植物発生材などの有機質原料を用いた未完熟堆肥を田畑や緑地などの土壌に投入して鋤き込む場合のいずれにおいても、土壌中での有機物の分解が緩やかで次の植付けまでに十分に分解していないことが多く、そのため、農作物を植えた後でも有機物の分解が進行して土壌中の微生物が異常に繁殖し、土壌中の酸素や窒素が急激に消費され、作物の生育に障害が生ずる場合がある。さらに、土壌中に鋤き込んだ有機物が十分に分解していないと、畑地の場合は、植え付けた植物の根を傷つけるなどの問題も生じ易く、水田の場合は水面に未分解の稲藁等が漂い、幼稲を傷つけたり、硫化水素やメルカプタン系の有害ガスなどが噴き出し、作物の生育に障害が出る場合もある。そして、いずれの場合も、植物の健全な生育の妨げになり、収穫量の減少や、品質の低下を招く。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、田畑や緑地などの土壌で発生した植物性の有機物(例えば、土壌に残留した作物などの茎、根、葉、雑草、木屑など)、土壌に投入された有機系廃棄物や未完熟堆肥などのような有機物を、土壌中に鋤き込み、土壌中で速やかに分解させて、土壌に作付けされた植物を傷つけたり、植物の生育障害を生ずることなく、植物を健全に生育させて、品質の向上や収穫量の増加などを図ることのできる方法およびそのための材を提供することである。
さらに、本発明の目的は、田畑や緑地などの土壌で発生した植物性の有機物、土壌に投入された有機系廃棄物や未完熟堆肥などのような有機物などを、土壌中に鋤き込んで、好気的条件下で、硫化水素やメルカプタン系の有害ガスを発生することなく、速やかに且つ良好に分解させることのできる方法およびそのための材を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく本発明者らは鋭意検討を重ねてきた。その結果、田畑や緑地などの土壌で発生した植物性の有機物(例えば、土壌に残留した作物などの茎、根、葉、雑草、木屑などの植物発生材)、土壌に投入された有機系廃棄物や未完熟堆肥などのような有機物を、土壌中に鋤き込んで土壌中で分解させる際に、有機物の分解を促進する分解補助材を散布して有機物を鋤き込むと、土壌中に鋤き込まれた有機物が短期間に良好に分解されるという知見を得た。そして、そのような知見に基づいて、植物の生育実験を実際に行った結果、分解補助材を散布して有機物を土壌中に鋤き込むと、作物の生育障害が防げること、土壌中に鋤き込まれた有機物が短期間に分解されて植え付けた植物の根を傷つけることがなくなり、さらには水田に植えた幼稲の未分解の稲藁等による損傷が防止され、また硫化水素やメルカプタン系の有害ガスの発生を抑え、作物が健全に生育し、作物の収穫量の低減を防止できることを見出した。
【0009】
そして、本発明者らは、有機物を土壌中に鋤き込む際に散布する分解補助材としては、小麦フスマおよび/または末粉から主としてなる有機質材料が極めて有効であることを見出した。なかでも、小麦フスマおよび/または末粉を50質量%以上の割合で含有し、さらに腐植酸、有機質材料を資化する耐熱性菌、珪酸カルシウム、焼却灰、およびアルカリ性金属化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する有機質材料が好ましく、特に小麦フスマおよび/または末粉と共に腐植酸および前記耐熱性菌を少なくとも含有するpH6.0〜9.0の有機質材料がより適していること、また分解補助材は粉末状またはペレット状にして用いるのが好ましいことを見出した。
さらに、本発明者らは、分解補助材を散布しながら有機物を土壌中に鋤き込む前記方法は、地表から20cmの深さまでに含まれる有機物量が1質量%以上である作土土壌に対して特に有効であること、分解補助材の散布量は、作土土壌1m2当たり20〜2000gが好適であることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、
(1) 地表から20cmの深さまでに含まれる有機物量が0.5質量%以上である有機物を含む作土土壌に、小麦フスマを50質量%以上の割合で含有する有機系分解補助材を顆粒状またはペレット状にして、土壌1m 2 当り20〜2000gの割合で散布し、当該有機系分解補助材を有機物と共に作土土壌中に鋤き込んで、土壌中の有機物を好気的条件下で分解することを特徴とする作土土壌に含まれる有機物の分解促進方法である。
【0011】
そして、本発明は、
(2) 有機系分解補助材が、さらに腐植酸、有機質材料を資化する耐熱性菌、珪酸カルシウム、焼却灰、およびアルカリ性金属化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する前記(1)の分解促進方法;および、
(3) 耐熱性菌が、80℃の温度で10分間処理後に、55℃の温度で生存可能な菌である前記(2)の分解促進方法;
を好ましい態様として包含する。
【0012】
さらに、本発明は、
(4) 有機系分解補助材のpHが6.0〜9.0である前記(1)〜(3)のいずれかの分解促進方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明における「有機物を含む作土土壌」とは、農作物やその他の植物に由来する材、例えば植物の茎、根、葉、実(果実)、種、花、植物自体、木屑などの植物に由来する有機物(植物発生材);畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、その他の有機系廃棄物やそられからなる未完熟堆肥や完熟堆肥などの有機物の少なくとも一つを土壌上および/または土壌中に含む田畑、緑地、牧草地、法面などにおける作土土壌をいう。
本発明の分解促進方法は、前記したような作土土壌のうち、地表から20cmの深さまでに含まれる有機物量が0.5質量%以上の作土土壌に対して特に有効である。
【0014】
有機系分解補助材(以下単に「分解補助材」ということがある)に用いる小麦フスマは、周知のように小麦粒の外皮であり、小麦製粉時の副産物として得られる。
小麦フスマは、ヘミセルロース成分を高含量(35重量%程度)で含んでおり、該ヘミセルロースはアラビノース側鎖を多く有するアラビノキシランを含んでいる点を特徴とする。そのため、小麦フスマは、アラビノキシランを分解できる微生物を選択的に増殖させることができ、かかる点から有機物の分解補助材として有効に働く。同様の成分を有するものとして、米糠、グルテンフィードなどがあるが、これらに比べて、小麦フスマはアラビノキシラン分解性微生物の増殖作用が大きい。その理由としては、小麦粉および末粉は、C/N比が15付近であり且つ含水率が低く(15重量%以下)、且つ土壌中で酸素の存在する空隙をつくりやすい形状をしていることが考えられる。
【0015】
分解補助材は、分解補助材の全質量に基づいて、小麦フスマを50質量%以上の割合で含有しており、70質量%以上の割合で含有していることが好ましい。小麦フスマの含有量が50質量%未満であると、土壌に鋤き込む有機物の分解が促進されにくくなる。
【0016】
さらに、本発明で用いる分解補助材は、分解補助材の全質量に基づいて小麦フスマを50質量%以上の割合で含有すると共に、腐植酸、有機質材料を資化する耐熱性菌、珪酸カルシウム、焼却灰、およびアルカリ性金属化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、特に腐植酸および有機質材料を資化する耐熱性菌を少なくとも含有することがより好ましい。
【0017】
有機質材料を資化する耐熱性菌としては、小麦フスマから主としてなる分解補助材および土壌中に鋤き込まれた有機物を資化することができ、且つ80℃の温度で10分間処理した後でも55℃の温度で生存可能な菌が好ましく用いられる。そのような耐熱性菌の例としては、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)などのバチルス属微生物、サーモアクチノミセス・ブルガリス(Thermoactinomyces vulgaris)、サーモモノスポーラ・カーバラ(Thermomonospora curvara)などの好温・好熱性の放線菌、フミコーラ・インソレンス(Humicola insokens)、タラロマイセス・デユポンティ(Talaromyces dupontii)などの好熱性の糸状菌などを挙げることができる。本発明で用いる分解補助材は、これらの耐熱性菌の1種または2種以上を含有することができる。前記した耐熱性菌は、微生物製剤等として市販されており、市販のものをそのまま用いてもよい。また、場合によっては、前記した耐熱性菌を培養増殖して用いてもよい。これらの耐熱性菌の多くは、小麦フスマを分解する能力が高く、且つ有機物を高温で分解する能力に優れている。
【0018】
分解補助材は、土壌に鋤き込まれた植物発生材やその他の有機物並びに分解補助材の主成分をなす小麦フスマを短期間に分解し得る点から、分解補助材1g中に前記した耐熱性菌を105CFU(Colony Forming Unit)以上の割合で含有していることが好ましく、106CFU以上の割合で含有していることがより好ましい。但し、有機物を鋤き込む土壌中に前記した耐熱性菌が既に存在する場合は、分解補助材中に耐熱性菌を含有させることは必要でないか、または分解補助材中での耐熱性菌の含有量を前記よりも低減することができる。
ここで、本発明でいう耐熱性菌の前記したCFUの値は、分解補助材を55℃の高温槽内で標準寒天培地を用いて48時間培養したときの、コロニー数をいい、その具体的な内容については以下の実施例の項に記載するとおりである。
【0019】
また、分解補助材は、腐植酸を含有していることが好ましい。腐植酸としては、石炭化度の低い泥炭、亜炭などの若年炭類に含まれるアルカリ可溶の不定形高分子有機酸、および該不定形高分子有機酸を硝酸で酸化分解して得られるニトロフミン酸およびその塩類などが挙げられる。また、分解補助材は、フミン酸の代わりに、泥炭、亜炭等の若年炭などのフミン酸を含有する物質を腐植酸として使用してもよい。そのうちでも、泥炭、亜炭などの若年炭類をそのまま使用せずに、それらから分離されたフミン酸や、ニトロフミン酸、またはその塩類を用いるのが、少量の使用量で有機物の分解に有用な微生物の増殖を行うことができるので望ましい。
分解補助材における腐植酸の含有量は、小麦フスマ100質量部に対して、0〜10質量部であることが好ましく、2〜5質量部であることがより好ましい。分解補助材が、腐植酸を前記量で含有することにより、土壌中に鋤き込まれた有機物並びに小麦フスマの分解を良好に促進することができる。分解補助材における腐植酸の含有量が10質量部を超えると、有機物の分解生成物の肥効性が低くなり、植物の生育促進効果が低くなることがある。
【0020】
さらに、分解補助材は、小麦フスマ、および場合により耐熱性菌および/または腐植酸と共に、珪酸カルシウム、焼却灰、およびアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩(酸化カリウム、酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなど)、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩(酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)などのアルカリ性金属化合物から選ばれる少なくとも1種を含有していることが、土壌中に鋤き込まれた有機物や小麦フスマの分解促進などの点から好ましい。
その場合の珪酸カルシウムの含有量は、小麦フスマ100質量部に対して、0〜20質量部であることが好ましい。また、焼却灰の含有量は、小麦フスマ100質量部に対して0〜20質量部であることが好ましい。アルカリ性金属化合物の含有量は、分解補助材のpHを6.0〜9.0、特に7.0〜8.5にする量であることが好ましい。分解補助材のpHが6.0〜9.0、特に7.0〜8.5であると、土壌中に鋤き込まれた有機物の分解促進が良好に行われる。
特に、本発明では、分解補助材として、小麦フスマを50質量%以上の量で含むと共に、少なくとも、上記した耐熱性菌を分解補助材1g当たり105CFU以上の量で含有し、および腐植酸を小麦フスマ100質量部に対して2〜5質量部の割合で含み、且つpHが6.0〜9.0、特に7.0〜8.5の分解補助材が好ましく用いられる。
【0021】
本発明で用いる分解補助材は、必要に応じて、バーミキュライト、パーライト、ケイソウ土、トウモロコシ外皮、オガクズ、バークを40質量%以下、好ましくは20質量%以下の割合で含有していてもよい。
【0022】
本発明で用いる分解補助材は、ペレット状または顆粒状であり、そのため取り扱い性、土壌への散布性が良好である。ペレット状の分解補助材は、分解補助材用の原料を混合し、ペレットマシーンなどによりペレット化することにより製造することができる。また、顆粒状の分解補助材は、分解補助材用の原料を混合し、造粒することにより製造できる。
ペレット状または顆粒状の分解補助材の粒径は特に制限されないが、一般に、3μm〜5mmの粒径であることが、取り扱い性、散布性などの点から好ましい。
【0023】
有機物を含む土壌への分解補助材の散布方法は特に制限されず、土壌表面にほぼ平均して散布しても、または有機物の存在量の多い土壌部分に多く散布してもよい。散布手段も特に制限されず、例えば、ブロッドキャスターを使用して散布することができる。
また、分解補助材を散布する土壌の種類としては、地表から20cmの深さまでに含まれる有機物量が0.5質量%以上の作土土壌が有効である。その際の作土土壌としては、田畑、牧場やその他の緑地、法面などを挙げることができる。
土壌への分解補助材の散布量は、上記した作土土壌では、有機物の分解促進効果の点から、作土土壌1m2(作土土壌約140kg)当たり、20〜2000gの割合で散布する。
【0024】
分解補助材を土壌に散布するのと同時に又は散布した後に、有機物を含む土壌を耕運機などを用いて耕して、有機物を土壌中に鋤き込む。分解補助材を散布した後は、耕うんして土壌中をできるだけ好気的条件に保つのが好ましく、そのため耕うん回数が多いほど有機物の分解促進効果は高くなるが、通常、1週間に1回程度の耕うんで十分である。分解補助材の散布は最初の耕うん時のみ行っても、または2回目の以降の耕うん時にさらに散布してもよく、そのうちでも初回の方が分解期間の短縮の点から好ましい。
【0025】
土壌中に鋤き込まれた有機物の分解程度の判定は種々の方法で行うことができるが、以下の実施例の項に記載する「コマツナ生育度」で判定する場合は、その評点が4以上になった時点で、有機物の分解が円滑に終了していると判定することができる。
【0026】
【実施例】
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例において、分解補助材中の耐熱性菌数の測定は下記のようにして行った。また、分解補助材のpHは、分解補助材を製造するための成分の混合直後のpHを測定した。
【0027】
[分解補助材中の耐熱性菌数の測定]
分解補助材試料1gを滅菌水9mlで混釈し、その後、微生物菌数に応じて希釈する(平板希釈法)。次いで80℃で10分間保温した後、標準寒天培地(栄研化学製「パールコア」)に塗沫し、55℃の恒温槽内で2日間培養した後、培地上のコロニー数を数えて、分解補助材1g当たりの耐熱性菌数を求めた。
【0028】
《試験例1》(試験区)
畑地で、収穫しなかったキャベツを畑地に鋤き込むことが広く行われており、この試験例1では、それを想定して以下の試験を行った。
(1)分解補助材の製造:
小麦フスマ940g、フミン酸20g、消石灰10gおよび炭酸カルシウム10gを混合し、さらに前記混合物1g当たり耐熱性菌(バチルス・ズブチルス)を106CFUの割合で添加し(この混合物のpH8.5)、それをペレットマシーンを用いて約50℃でペレット化して、平均粒径が約4mmの分解補助材ペレットを製造した。
(2)作土土壌における有機物の分解試験:
畑地の作土土壌3kgに、有機物として千切りキャベツ600g(作土土壌に対して20質量%)および上記(i)で製造した分解補助材ペレット30gを混合し(作土土壌に対して1質量%)、ワグネルポットに入れ、室内(温度約25℃)に放置し、1週間に1度の割合でサンプリングおよび撹拌を行って、撹拌後の土壌の一部を採取して、以下のようにしてコマツナの生育試験を行ったところ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0029】
[コマツナ生育試験]
採取した土壌1gに対し水30mlを加え、撹拌後、60℃で3時間放置する。次いで、濾紙(東洋濾紙No.5)を使用して濾過を行い、濾液の2mlを濾紙(東洋濾紙No.2)2枚を敷いたシャーレに入れ、コマツナの種子約30粒をまき、25℃の恒温室内で培養する。培養は4日間行い、コナツナの生育度を下記の表1に示した評価基準に従って5名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採った。
【0030】
【表1】
【0031】
《試験例2》(対照区)[作土土壌中での有機物の分解試験]:
畑地の作土土壌3kgに、分解補助材ペレットを使用せずに、有機物として千切りキャベツ600g(作土土壌に対して20質量%)のみを混合し(作土土壌に対して1質量%)、ワグネルポットに入れ、室内(温度約25℃)に放置し、1週間に1度の割合でサンプリングおよび撹拌を行って、撹拌後の土壌の一部を採取して、試験例1(試験区)と同様にしてコマツナの生育試験を行ったところ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0032】
《試験例3》(参考区):
分解補助材ペレットおよび千切りキャベツのいずれをも鋤き込まずに、畑地の作土土壌3kgのみをワグネルポットに入れ、室内(温度約25℃)に放置し、1週間に1度の割合でサンプリングおよび撹拌を行って、撹拌後の土壌の一部を採取して、試験例1(試験区)と同様にしてコマツナの生育試験を行ったところ、下記の表2に示すとおりの結果であった。
【0033】
【表2】
【0034】
上記の表2に見るように、有機物(キャベツの千切り)を作土土壌に鋤き込んで分解させるに当たって分解補助材を用いている試験例1(試験区)では、キャベツの鋤き込み2週間後の土壌で、コマツナの生育度が健全な発育を示す4に回復している。このことは、キャベツ(有機物)を土壌中に鋤き込むに当たって小麦フスマから主としてなる分解補助材を用いると、有機物が土壌中で速やかに分解されて、植物の生育阻害を招く環境が早期に解消されることを示している。
しかも、試験例1(試験区)では、キャベツ(有機物)の鋤き込み4週間後および6週間後の土壌では、キャベツ(有機物)を鋤き込まなかった試験例3(参考区)の土壌よりもコマツナの生育度が高くなっている。このことは、分解補助材の使用下に土壌中で速やかに分解されたキャベツ(有機物)の分解物が、植物に対する有用な肥料として機能していることを示している。
【0035】
一方、分解補助材を用いずに、キャベツ(有機物)のみを土壌中に鋤き込んだ試験例2(対照区)では、キャベツの鋤き込み2週間後の土壌では、コマツナが生育度が2.5であり生育阻害を生じており、しかもキャベツの鋤き込み4週間後の土壌でもコマツナの生育度が3であって、コマツナは健全に生育しない。このことは、土壌中に単にキャベツ(有機物)を鋤き込むだけでは、鋤き込み4週間後でも十分に分解しておらず、土壌環境が植物の生育不全を招く不良な状態になっていることを示している。
【0036】
上記の試験例1〜3の結果から、有機物を土壌中に鋤き込むに当たって、小麦フスマを主体とする分解補助材を土壌中に一緒に鋤き込むと、有機物が土壌中で速やかに分解されて、土壌が植物の生育阻害を生じない良好な環境に速やかに回復し、しかも土壌中で速やかに分解された有機物の分解物は植物の肥料として働き、植物の生育を促進することがわかる。
【0037】
《実施例1》
(1) 小麦フスマ60質量部、フミン酸30質量部、消石灰2質量部および炭酸カルシウム5質量部の割合で混合してなる混合物に、耐熱性菌(バチルス・ズブチルス)を混合物1g当たり106CFUの割合で添加し(この混合物のpH8.5)、それをペレットマシーンを用いて50℃でペレット化して、平均粒径が約3.5mmの分解補助材ペレットを製造した。
(2) 作土土壌に、その1000m2当たり、一次発酵した未完熟鶏糞堆肥を5000kgの割合で投入すると共に上記(1)で製造した分解補助材ペレットを20kgの割合(20g/m2)で散布し、次いでロータリー式耕運機により耕し、さら地状態で10日間放置した後、多数の移植穴を有するビニールフィルム(ビニール製マルチ)を付け、そのマルチ穴にキュウリの幼苗を定植した。
(3) その後、キュウリを通常の栽培方法で栽培して生育させたところ、結実前に枯死した苗はなく、キュウリの生育は健全であり、すべての苗で結実した。
【0038】
《比較例1》
(1) 実施例1と同じ時期に、実施例1に隣接する作土土壌に、その1000m2当たり、一次発酵した未完熟鶏糞堆肥を5000kgの割合で投入し、次いでロータリー式耕運機により耕し、さら地状態で10日間放置した後、多数の移植穴を有するビニールフィルム(ビニール製マルチ)を付け、そのマルチ穴にキュウリの幼苗を定植した。
(2) その後、キュウリを通常の栽培方法で栽培して生育させたところ、結実前に30%の苗が枯死した。枯死の原因は不明であるが、土壌の臭いから硫化水素ガスが発生したものと推測される。
(3) この比較例1において、枯死しなかった苗1本当たりのキュウリの収穫量は、実施例1における苗1本当たりのキュウリの収穫量の約77質量%であり、枯死しなかった苗1本当たりのキュウリの収穫量は、実施例1に比べて大幅に少なかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明の方法による場合は、有機物の分解時に土壌中での微生物の異常繁殖が防止されて、土壌中の酸素や窒素の急激な消費が防止され、作物の生育障害を防ぐことができる。
しかも、土壌中に鋤き込まれた有機物が、短期間に分解されて植え付けた植物の根を傷つけることがなくなり、さらには水田に植えた幼稲の未分解の稲藁等による損傷が防止され、また硫化水素やメルカプタン系の有害ガスが噴き出しがなくなり、土壌中で速やかに且つ十分に分解された有機物が、肥料として働くために、作物が健全に生育し、作物の収穫量の増加や品質の向上を図ることができる。
しかも、本発明の方法による場合は、土壌中に鋤き込まれた有機物が速やかに分解することから、次の作物の定植を早くすることができる。
特に、有機物を土壌中に鋤き込む際に散布する分解補助材として、小麦フスマを50質量%以上の割合で含有し、場合によりさらに腐植酸、有機質材料を資化する耐熱性菌、珪酸カルシウム、焼却灰、およびアルカリ性金属化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する有機質材料を用いると、土壌中での有機物の分解がより十分に且つ速やかに行われ、植物の生育に一層適する土壌環境が早期に形成される。
Claims (4)
- 地表から20cmの深さまでに含まれる有機物量が0.5質量%以上である有機物を含む作土土壌に、小麦フスマを50質量%以上の割合で含有する有機系分解補助材を顆粒状またはペレット状にして、土壌1m 2 当り20〜2000gの割合で散布し、当該有機系分解補助材を有機物と共に作土土壌中に鋤き込んで、土壌中の有機物を好気的条件下で分解することを特徴とする作土土壌に含まれる有機物の分解促進方法。
- 有機系分解補助材が、さらに腐植酸、有機質材料を資化する耐熱性菌、珪酸カルシウム、焼却灰、およびアルカリ性金属化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の分解促進方法。
- 耐熱性菌が、80℃の温度で10分間処理後に、55℃の温度で生存可能な菌である請求項2に記載の分解促進方法。
- 有機系分解補助材のpHが6.0〜9.0である請求項1〜3のいずれか1項に記載の分解促進方法。
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