JP5157286B2 - イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法 - Google Patents

イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5157286B2
JP5157286B2 JP2007173061A JP2007173061A JP5157286B2 JP 5157286 B2 JP5157286 B2 JP 5157286B2 JP 2007173061 A JP2007173061 A JP 2007173061A JP 2007173061 A JP2007173061 A JP 2007173061A JP 5157286 B2 JP5157286 B2 JP 5157286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
planting
pot
seedlings
seedling
greening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007173061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009011165A (ja
Inventor
進 高松
成 田邉
貴洋 中川
英宣 佐川
恒美 大坪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Co Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2007173061A priority Critical patent/JP5157286B2/ja
Publication of JP2009011165A publication Critical patent/JP2009011165A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5157286B2 publication Critical patent/JP5157286B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)

Description

本発明は、イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法に関する。詳細には、切土法面や盛土法面等の人工的に造成された地盤を緑化するために用いられるイネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法に関する。
送電設備工事の鉄塔敷や道路切土面及び道路盛土面を含む仮設ヤード等の建設跡地は、土砂の安定確保とともに、自然環境への配慮及び景観を良好にする目的で、緑化が実施されている。現在、その植栽による復元のためには、早期緑化・環境適用性に優れるケンタッキーブルーグラス等の外来種や、土壌の緊縛力向上・肥沃化のためハギ類等の在来種が用いられることが多いが、これらの種子は輸入品と混合して使用されている。
近年、新生物多様性国家戦略、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律及び景観緑三法等が施行されるなど、緑化に対する社会環境は変化してきている。そのため、地域固有の植生に対し攪乱を与える可能性が高い外来種を用いる緑化復元が制限されるとともに、在来種でも遺伝子レベルの攪乱への配慮が求められ、緑化復元が制限される事例も発生している。従って、生物多様性保全に寄与する、地域固有の植物である郷土種による緑化復元が求められている。
現状においては、在来イネ科草本の中で、唯一耐陰性に弱点はあるが、痩悪地に強く、耐旱性、耐暑性、耐潮性に優れ、天敵がナンバンギセルのみである、ススキ根株を使用した植栽が行われている。
ススキは在来種であり、成長株の地山保持力の強さに優れ、地下茎の発達が外来種であるセイタカアワダチソウをも駆逐する固有の強靭な生命力を有する事例が確認され、植栽としても有益性が見出されている。
しかしながら、自生しているススキ根株を移植することは、根株の採取〜仮植〜移植まで労力が必要であり(根株は大きく採取しないと成長しないため)、採取場所が限られる、採取跡地を復元する必要がある、根株の一時保管場所を確保する必要がある、など多くの課題がある。
移植以外の緑化方法として、一般的な植物では苗植栽(ポット苗移植)による方法があるが、これまでススキのポット苗移植の実績はなかった。その理由として、ススキは生態系バランスにおいて強い生物に共通する宿命的な弱点である、低発芽率に伴う成立不良を有しており、種の増殖の脆弱性を有しているためである。
特許文献1には、施肥管理不要な緑化植物栽培法として、アゾスピリラム属菌を接種した緑化植物栽培用土または緑化基盤材にススキを栽培する方法も提案されている。
そこで検討した結果、播種工での成立不良の主たる原因は、低い発芽率に起因するものではなく、混播した他の植栽や遷移する周辺植栽からの被圧障害によるものであることを解明し、ススキの発芽技術を確立した(特願2007−82875)。
特開平10−262458号公報
しかしながら、発芽したススキを移植用の苗に仕立てるには、ビニール製のポットを使用して所定の期間育成させる必要がある。ところが、この方法でポット苗を育成すると、植栽地に植え付ける際にポットから苗を取り出すため根冠を傷めてしまい、苗の活着率が低下する;ポットが廃棄物となるため、植栽地(山間部の奥地が多い)からポットを持ち帰る必要が生じる;ススキは分げつが進んで葉数が多く太く短い苗となるため、植栽地植え付け後に周辺に植生した苗の被圧障害により活着率が低下する、といった課題がある。さらに、植栽地植え付け後には、分げつが進まないため、越冬性が低下して枯死が発生するという課題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、発芽したススキの苗をポット苗として栽培し、植栽地に植栽したポット苗の活着率と越冬性を向上させる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した。ススキを法面等に植栽する際には、対象地の既存植生による被圧障害を避けることが、活着の成否を決する重要な要件である。ススキは強光性であり、ツツジなどの列植花壇の中からでも鋭く伸び、分げつを抑制しながら、その条件下に適合して生き続けることができる器用な植生もある。即ち、強光性なるが故に、細い葉茎と稈を持つことであらゆる条件下に対応する能力に長けている。そこで、苗木作成に当り、苗をできるだけ細く、高く育成することを目標とした。
また、苗の育成容器を選定するに当り、従来の樹脂製ポットでは次の欠点があり、これらを解決しなければならなかった。
a.植栽時、苗をポットから外す際に最も大切な白根(根冠)を傷める。
b.外された樹脂製ポットが廃棄物となり、また、付近に忘れ去られる例が多い。
そこで、目標とする苗を作成することと、従来の樹脂製ポットの欠点を改良するべく、以下のような構成とした。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)発芽、伸長させたススキの幼苗をピートモスで作った生分解性ポットに移植して育成した後、該育成したポット苗を、ポットごと法面に植え込み、該ポット苗の近傍に竹材又は杉木材を立て込むことを特徴とする法面の緑化方法。
(2)ポット容量が0.075〜0.15リットルの範囲であることを特徴とする前記(1)に記載の法面の緑化方法。
(3)ポット用客土材が、珪藻土、パーライト、有機資材及び発酵菌を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の法面の緑化方法。
(4)ポット用客土材が、鹿沼土、パーライト、有機資材及び発酵菌を含むことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の法面の緑化方法。
(5)有機資材が木質堆肥であることを特徴とする前記(3)又は(4)に記載の法面の緑化方法。
本発明によれば、発芽、伸長させたイネ科植物の幼苗を生分解性ポットに移植して育成するため、細く長いポット苗を育成でき、それにより、植栽地の植え付け時に根冠を傷めることなく、周辺植生による苗の被圧障害を回避することができる。また、廃棄物を発生させずに植え付けることができる。更に、植え付けた苗の近傍に木質系資材を立て込むことにより、菌根菌が増殖し、リン等の養分や水分の吸収が促進され、肥料分が乏しい地盤でも効率的に養分が吸収できるとともに乾燥に強くなることから、ススキの分げつが促進されて、枯死することなく越冬することができる。
本発明に係るイネ科植物のポット苗育成、並びにポット苗を植栽する緑化方法の工程図を、従来技術と比較して図1に示す。図1において、(A)は播種による場合、(B)は根株移植による場合、(C)は本発明の方法を採用した場合である。
従来の播種による場合(A)では、地がき工程、肥料散布工程、播種工程を採用し、緑化対象の法面に直接種子を播種し、発芽、伸長させることで緑化を図るものであるが、種子の発芽率が低い問題点があった。また、根株移植による場合(B)では、根株の採取(30cm×30cm四方)、根株の移植、根株の本植工程を採用し、予め成長した苗を植栽することで緑化を図るものであるが、根株の採取及び植栽時において上述した問題点があった。これら従来技術に対し本発明の方法では、播種、発芽、伸長させた幼苗をポットで育成し、育成したポット苗を植栽するだけで法面等を緑化することができる。以下、本発明の詳細を説明する。
図2は、種子の発芽〜ポット移植〜苗育成〜植栽までの手順を図示したものであり、1は発芽トレイ、2は生分解性ポット、3はススキの幼苗、4はポット用客土、5はススキ苗、6は植付け土壌、7は木質系資材である。
本発明に係るポット苗育成並びに緑化方法において、対象となる植物はススキである
苗育成用ポットとしては、苗をポットから外す際にススキの白根を傷めるという不具合を解消するために、植栽地にポットごと植え込んでも土壌中で分解する生分解性ポットが用いられる。中でも、軽量で生分解性が良好で、ススキの白根を傷めないという点から、木質系生分解性原料で製造されたポットが好ましい。このような苗育成用ポットは市販されているものを使用することもできる。
苗育成用ポットの容量は、育成中のススキ苗の分げつや葉数と関係があり、ポット容量が大きくなるほど分げつや葉数が多くなる。また、植栽前におけるススキ苗の分げつや葉数を抑制する方が、植栽地植え付け後の苗の被圧障害による活着率の低下を防ぐことができる。そのため、細く長い苗が育成できる容量とすることが望ましく、苗の大きさは運搬用ロットケースの既製品規格や植穴規格、労務歩掛かりに影響が大きく、0.075〜0.15リットルの範囲のものが好適である。
ポット用客土材としては、珪藻土もしくは鹿沼土、パーライト、ピートモスや木質堆肥等の有機資材及び発酵菌を含むものが好ましく用いられる。有機資材は客土材全体の30〜50質量%含まれているのがよい。パーライトは黒曜石、真珠岩、松脂岩のうちの少なくとも1種以上を用いる。客土材に配合する発酵菌としては、例えば、乳酸菌、放線菌、糸状菌、酵母等が挙げられる。発酵菌は、有機物を発酵分解することで無機元素や低分子の糖、アミノ酸などが醸成される。また、培地内部の温度或いは表面の温度を変えることができ、保温効果も有るため、季節に応じて量を調節するのがよい。発酵菌は1種を使用してもよいし、2種以上の混合物を使用してもよい。また、播種面表土の保水性および保温性を向上させるために、水蘚を配合することもできる。
本発明の方法では、培地に播種した後、発芽、伸長させた幼苗を、通常の方法により、上記の客土材が入った苗育成用ポットに移植して育成する。その後、ポット苗をポットごと法面等の植栽地に植栽することにより、法面緑化を実施することが可能になる。また、植栽に際しては、植え付けるポット苗の近傍に木質系資材を立て込むことにより、苗の生長促進を図ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(播種〜発芽〜幼苗育成)
2月下旬に、縦0.432m×横0.333m×深さ0.07mの樹脂製播種トレイ(排水穴あり)を用意し、排水調整のため、トレイ底に隙間無くキッチンペーパーを敷き詰めた発芽トレイに、表1に示す比率で配合したバーミキュライト、堆肥、珪藻土に、発酵菌を添加した培地となる混合土を入れ、ススキ種子を播種した。播種量は、2,000粒/トレイ(0.144m)とし、均一に蒔き付けた。播種面の上に水溶性紙を被せ、乾燥ストレスを防止した。水溶性紙の上には水蘚を蒔き、夜間の冷却を緩和した。トレイの蓋の部分を赤色セロファンで覆い、陽光を終日赤色セロファン紙を透過させ播種面を照射させるようにした。
試験開始後の経過日数と幼苗の平均伸長度を表2に示す。播種から46日後には、平均伸長度12cmの苗749本が育っていた。
(苗のポット移植)
苗育成用ポットとして、市販のピートモスで作った培土鉢「ジフィーポット」(直径5.5cm×高さ5.5cm,内容積約0.14リットル)を用意した。このポットは通気性が良いので根の生長が早く、育苗から定植までの代用鉢となり、そのまま定植すると土の中で分解して土に戻る性質のものである。また、ポット用客土として、表3に示す割合で混合した15種類の混合客土を用意した。
15種類の混合客土入り生分解性ポットに、発芽トレイより伸長した苗を1本毎抜き、ポットに移植した。移植の際、ほぼ同程度の伸長苗木を選別して移植した(伸長誤差±2mm以内)。
(苗の管理基準)
陽光の照射時間、給水量、通風時間を全て同等とした。1種類の客土に対し3供試体を作成し、伸長データは3供試体の平均値とした。
(試験経過)
客土別の苗の伸長度を比較した結果を表4に示す。尚、伸長度は苗の根元から最長の葉の先端までの長さを測定した(cm)。
伸長度に関しては、発酵菌を混合したケースが何れも良好であったが、特に試験No.11〜13が良好であった。葉の数に関しては試験No.11〜13が他と比較し多かったが、最大5葉に収まった。試験No.13は最大伸長44cmを記録したので、後述する原位置試験の植栽時、ポットから苗を外し、根の状態を観察した結果、ルーピング現象が見られたもののポット底の半周程度に止まっていた。このときの根の伸長は15cmに達していた。
上記の育苗試験結果から、ススキのポット苗育成に関し次のことがわかった。
(a)育苗ポットとして生分解性ポットを使用しても、苗の生育には支障なかった。
(b)ススキの分げつを抑制し、苗丈の細く長いものを生育させるためには、ポット容量は苗を育成できる最低限度の大きさが好ましく、ポットの直径及び高さは、それぞれ約4〜6cmのものが良好であり、容量に換算して0.075リットル〜0.15リットルの範囲が好ましい。ポットが小さすぎると乾燥障害を受け易く、大き過ぎると植栽用苗として運搬に不便となり、植栽歩係りの割り増しが必要となる。
(c)ポット用客土は、木質堆肥、水蘚、発酵菌を共に配合したもので、珪藻土と真珠岩を同率で配合したケース及び真珠岩と鹿沼土を混合したケースが良好であった。
(d)ススキ苗のポット移植数は、原則1本移植で良かった。
(e)発酵菌は麹菌、納豆菌などの条件的嫌気菌が適用可能であった。
(f)植栽に際し、生分解性ポットを装着したまま植穴に植え付けることが可能になった。
(原位置試験)
生分解性ポットに育てたススキ苗を、緑化計画対象地となる鉄塔立地箇所周辺に植栽した。植栽方法に関しては、活着率を高め、分げつを促進する補助材(促進材)を適用することとし、更に、その補助材適用方法によっていかなる効果が期待できるかを試験した。
試験地選定に際しては、以下の要件を基準とした。
(イ)鉄塔敷に表土があり、雑草も生えている標準的斜面(No.344東南斜面)
(ロ)鞍部型地形で、排水能が高く、半日日陰地(No.346索道掘削盛土)
(ハ)礫堆積土砂の痩悪斜面(No.347策道掘削盛土法面)
苗と補助材の配植組合せは以下の13通りで実施した。配植方法を図3に示した。
配植1−1型:ススキのみ5角形配植
配植1−2型:ススキのみ三角形配植
配植1−3型:ススキのみ接近配植
配植1−4型:ススキ1株配植
配植2−1型:孟宗竹半割材1本とススキ1株を配植
配植2−2型:孟宗竹半割材1本とススキ2株を配植
配植2−3型:孟宗竹1/4割材3本とススキ3株を接近配植
配植2−4型:孟宗竹1/4割材6本とススキ6株を接近配植
配植2−5型:孟宗竹1/4割材7本とススキ1株を接近配植
配植3−1型:杉丸太1/4割材3本とススキ1株を接近配置
配植3−2型:杉丸太1/4割材5本とススキ1株を接近配置
配植3−3型:杉丸太1本とススキ1株を接近配置
配植3−4型:杉丸太1本とススキ2株を接近配置
(試験植栽)
ポット用客土として試験No.7の土壌を用いた。この土壌は根元の太さと生長抑制の点で良好である。植栽実施に際しては、植栽までの苗木育成期間が長くあるとき、No.7の客土を適用し、短いとき急伸長が可能なNo.13の客土を適用するほうが効果的である。
試験植栽は図3に示す13パターンとし、堆肥の有無により合計26パターンの試験植栽を実施した。試験結果の精度を増すため、各パターンを2個〜3個植栽することとした。
施工方法は、周辺の草木種を刈り払い除草をした後、植栽予定地点に開口部15cm、深さ15cmの植穴を造り、堆肥適用ケースでは埋め戻し土に堆肥0.5リットルを混合して置いた。生分解性ポットを着けたままポットが隠れる程度植穴に植え込んだ。促進材を所定の数量及び形態に配置し打設した。
(経過観察)
観察頻度は、植栽時期が遅いため、ほぼ1ヶ月に1度の割合で実施した。
11月頃は生長が止まりほぼ当年の生産量が固まるので、発生桿数、新芽をカウントし、ケース毎の優劣を判断した。葉の伸長度合と出葉数、及び、桿数と芽数の合計カウント数を表5に示した。カウントした各部位は図4および図5参照。
2月は生産された養分が根に蓄積され、来るべき春に向かい白根が盛んに出てくる季節であり、白根の有無を代表ケースで比較し、傾向を把握した。
今後のススキの生産量を予測する基準となるものは、生産活動を終える晩秋における固体別の桿の数と分げつ新芽の合計数である。表5の結果から、施肥効果、促進材効果、竹材と木材の効果について、次のことが分かった。
施肥効果は、痩悪地で促進材を組合せたとき及び標準地で促進材を組合せないときは認められたが、標準地で促進材を組合せたときは施肥したもの、しないものとの比較差による明確な効果が認められなかった。
促進材効果は、半日日陰地では小さいが痩悪地では大きいことがわかった。下表6参照。また、促進材効果及び施肥効果により、痩悪地でも標準地の最大生産固体と同程度のものが得られた。
竹材と杉木材の効果を比較すると、標準地ではほぼ同等の効果が認められたが、半日日陰地及び痩悪地では杉木材の方が効果があることがわかった。下表7参照。植え付けた苗の近傍に促進材を立て込むことにより、菌根菌が増殖し、リン等の養分や水分の吸収が促進され、肥料分が乏しい地盤でも効率的に養分が吸収できることから、ススキの分げつが促進されたものと推察される。
半年を経過した時点での結果から考察すると、鉄塔敷の緑化工として検討するのであれば、対象地が物理的、化学的に多様なものであるとすれば、試験地3箇所において平均的な生産量を示したケースを採用することが望ましい。更に、移植後から優劣に差が無く、越年後も順調な生育が見込まれる地下茎であるならば、生育において多少劣勢であったとしても、コストの安い方法を選定すべきである。以上の選定条件から、促進材を適用する方法が先ず推奨される。標準値、半日日陰地、痩悪地いずれの試験地においても安定した指標を示している。
促進材の比較においては、杉木材が優勢であるが、コストにおいて孟宗竹が安いので推奨される。孟宗竹のケースでは、2−1型に比較すると、2−2型が最も安定していたが、数年後の植被率が共に100%に達する期間差は大きくないと推察される。従って、ススキ苗による緑化工仕様は2−1型が推奨される。
本発明に係るポット苗育成方法を用いれば、播種、発芽、伸長させたススキの幼苗を生分解性ポットに移植して育成することで、分げつや葉数が抑制されたススキのポット苗を得ることができる。それを、ポットごと送電鉄塔、発電所、道路などの法面や、工事で改変した場所や、土砂が流出する恐れのある場所などに植栽するので、苗の活着率が高い。また、ポット苗の近傍に木質材資材を立て込むことで分げつが促進されるので、越冬によるススキの枯死が発生するおそれが無い。よって、ススキ苗を用いた緑化工法が可能になので、その実用的価値は大である。
ススキによる法面緑化を従来法と本発明法を比較して示す工程図である。 本発明に係る苗育成方法を説明する図である。 ポット苗の植え込み方法を説明する図である。 ススキの部位を説明する図である。 ススキの分げつによる芽を説明する図である。
符号の説明
1 発芽トレイ
2 生分解性ポット
3 ススキ幼苗
4 客土材
5 ススキ苗
6 植生土壌
7 木質系資材

Claims (5)

  1. 発芽、伸長させたススキの幼苗をピートモスで作った生分解性ポットに移植して育成した後、該育成したポット苗を、ポットごと法面に植え込み、該ポット苗の近傍に竹材又は杉木材を立て込むことを特徴とする法面の緑化方法。
  2. ポット容量が0.075〜0.15リットルの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の法面の緑化方法。
  3. ポット用客土材が、珪藻土、パーライト、有機資材及び発酵菌を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の法面の緑化方法。
  4. ポット用客土材が、鹿沼土、パーライト、有機資材及び発酵菌を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の法面の緑化方法。
  5. 有機資材が木質堆肥であることを特徴とする請求項3又は4に記載の法面の緑化方法。

JP2007173061A 2007-06-29 2007-06-29 イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法 Active JP5157286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007173061A JP5157286B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007173061A JP5157286B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009011165A JP2009011165A (ja) 2009-01-22
JP5157286B2 true JP5157286B2 (ja) 2013-03-06

Family

ID=40352845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007173061A Active JP5157286B2 (ja) 2007-06-29 2007-06-29 イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5157286B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105009912A (zh) * 2015-07-31 2015-11-04 王振华 抗倒伏的香蕉种植方法

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103597995B (zh) * 2013-11-18 2015-10-21 绍兴市农业科学研究院 食用吊瓜组培苗的栽培方法
CN109089576A (zh) * 2018-08-27 2018-12-28 杭州富阳飞博科技有限公司 利用硬枝扦插繁殖榉树的工艺
CN112930898B (zh) * 2021-02-20 2023-08-22 甘肃省林业科学研究院 一种外来树种的速生培育方法
CN113455306A (zh) * 2021-07-26 2021-10-01 中煤科工集团北京土地整治与生态修复科技研究院有限公司 植被复绿方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0741A (ja) * 1993-06-18 1995-01-06 Takeda Engei Kk 親水性培土、土壌改良方法、並びに親水性培土の使用方法
JPH1014407A (ja) * 1996-06-28 1998-01-20 Toshimi Mitsui 育苗用ポット
JPH10164995A (ja) * 1996-12-12 1998-06-23 Sekisui Plastics Co Ltd 苺用育苗トレイ
JP3430026B2 (ja) * 1998-08-31 2003-07-28 住友林業株式会社 法面等の植生基盤材及び緑化工法
JP2000139113A (ja) * 1998-11-11 2000-05-23 Sumitomo Forestry Co Ltd 荒廃地の樹林化方法
JP2002194222A (ja) * 2000-12-22 2002-07-10 Minami Ito ワックス成形品
JP2002249389A (ja) * 2001-02-19 2002-09-06 Shigehisa Ishihara 施肥用材料、施肥用成形体及び施肥方法
JP4629893B2 (ja) * 2001-03-29 2011-02-09 日清製粉株式会社 土壌中の有機物の分解促進方法
JP2002335749A (ja) * 2001-05-15 2002-11-26 Obayashi Kankyo Gijutsu Kenkyusho:Kk 新規芝生運動場の施工方法
JP2005232953A (ja) * 2004-01-21 2005-09-02 Nisshoku Corp 在来多年生草本類群落の造成方法
JP2005210941A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Nippon Kankyo Service:Kk 抽水植物の植栽方法及びそれに用いる植栽容器
JP4124746B2 (ja) * 2004-02-20 2008-07-23 日本カーリット株式会社 緑化方法
JP2006034167A (ja) * 2004-07-27 2006-02-09 Hokukon Co Ltd 水生植物植栽装置
JP2006246757A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Nisshoku Corp 緑化工法および在来多年生草本類による緑化構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105009912A (zh) * 2015-07-31 2015-11-04 王振华 抗倒伏的香蕉种植方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009011165A (ja) 2009-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105052523B (zh) 一种仿野生石斛的栽培方法
KR100817043B1 (ko) 생태모델숲 조성공법
KR101383265B1 (ko) 작물의 도복 방지용 재배 방법
CN104798651A (zh) 一种红豆杉的高成活率的种植方法
CN103168594A (zh) 一种曼地亚红豆杉栽培方法
CN105284401A (zh) 一种烤烟栽培方法
JP5157286B2 (ja) イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法
CN105230432A (zh) 一种利用单芽短枝撒播扦插繁育柳树的方法
CN101161045A (zh) 一种耐荫草坪的建植方法
CN102124908B (zh) 工厂化单损伤培育腾冲红花油茶本砧嫁接苗技术
CN105493847A (zh) 一种黄荆条采种和育苗的方法
CN105519402A (zh) 一种树葡萄的扦插繁殖方法
Bonet et al. Cultivation methods of the black truffle, the most profitable mediterranean non-wood forest product; a state of the art review
CN109197192B (zh) 一种快速繁殖抗盐碱杨树的方法
CN104264652A (zh) 一种流动沙丘设置小麦活沙障的方法
CN106993501A (zh) 一种白肉枇杷果树高产栽培方法
CN107409900B (zh) 一种石漠化红裸土植被快速恢复的方法
Gupta et al. Standardization of growing media under protected environment for gerbera in mid hill of Himachal Pradesh
CN106192973A (zh) 一种石漠化治理方法
CN105850615B (zh) 一种水稻种植方法
CN104620815B (zh) 一种百喜草防治水土流失的种植方法
CN102823356A (zh) 一种种植菌草治沙的新方法
CN102659479A (zh) 一种玉米盆栽栽培基质及栽培方法
Garg Bioreclamation of sodic waste land—a case study
CN111328621A (zh) 一种樱花套种油用紫斑牡丹的种植方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120605

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120828

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121017

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5157286

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151221

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350