JPH0741A - 親水性培土、土壌改良方法、並びに親水性培土の使用方法 - Google Patents

親水性培土、土壌改良方法、並びに親水性培土の使用方法

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JPH0741A
JPH0741A JP5172649A JP17264993A JPH0741A JP H0741 A JPH0741 A JP H0741A JP 5172649 A JP5172649 A JP 5172649A JP 17264993 A JP17264993 A JP 17264993A JP H0741 A JPH0741 A JP H0741A
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JP
Japan
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soil
hydrophilic
medium
bark
shredded
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JP5172649A
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Inventor
Hisashi Obayashi
久 大林
Yasuhiro Matsumura
康弘 松村
Jun Harano
純 原野
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Takeda Garden Product Co Ltd
Original Assignee
Takeda Garden Product Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】乾燥後に親水性が低下する人工培土成分を有す
る培土に、シリカを親水材として含有させた親水性培
土。この親水性培土は、土壌改良や植物栽培用培地等の
各種用途に使用することができる。 【効果】人工培土成分が一旦乾燥しても、優れた親水性
(通水性や吸水性)を維持できる。また、シリカは栽培
した植物の生育性や発芽性を阻害することもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親水性培土、土壌改良
方法、並びに親水性培土の使用方法に関し、詳しくは、
人工培土成分が一旦乾燥しても、十分な親水性を維持で
きると同時に、栽培する植物の生育を阻害しないものに
関する。
【0002】
【従来技術】従来、培土としてピートモス、水ゴケ等の
人工培土成分を含むものが知られており、これらは、農
業、園芸、土木等の分野において、広く用いられてい
る。このピートモス等の人工培土成分は、一度乾燥する
と、変質して疎水性を帯び、その後繰り返し灌水をして
も、親水性が回復せず、通水性や吸水性等、培土として
の必要な機能を喪失する。このため、このような人工培
土成分を含む培土には、ゼオライト、ラジオライト、高
分子保水剤等の保水剤が添加され、親水性の回復が図ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ゼオライト等は、その
保水能力が小さいため、人工培土成分が一旦乾燥する
と、十分な親水性を維持できない。
【0004】本発明の課題は、親水性培土、土壌改良方
法、並びに親水性培土の使用方法において、人工培土成
分が一旦乾燥しても、十分な親水性を維持できると同時
に、栽培する植物の生育を阻害しないものを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(第1発明〜第9発明)第1発明〜第9発明はいずれも
親水性培土に関する。そして、第1発明は、乾燥後に親
水性が低下する人工培土成分を有する培土に、シリカを
親水材として含有させた親水性培土に関する。シリカ
は、結晶性シリカ・無定型シリカのいずれであってもよ
いが、親水性の観点からすると、多孔質のものや、微粒
子状のものが望ましい。
【0006】シリカの粒径は特に限定されないが、約
0.001μm〜50μmが好ましい。その理由は次の
通りである。すなわち、粒径が0.001μm未満であ
ると、粉立ちがかなり大きくなり、製造面や安全衛生上
の問題を伴うのであまり好ましくない。また、粒径が5
0μmを越えると、粉立ちは抑えられるものの、粒径が
50μm未満の同一量のシリカ粒子よりも粒子数が少な
くなって、その総表面積がかなり小さくなり、より効果
的な親水性を得られない場合があるのであまり好ましく
ない。これに対し、シリカの粒径が0.001μm〜5
0μmの場合には、粉立ちの抑制と親水性のバランスが
適度であるため好ましい。
【0007】また、シリカの粒径は約0.005μm〜
20μmがより好ましい。その理由は、上記した粉立ち
の抑制と親水性のバランスが最も良好であり、実用的価
値が最も高いからである。
【0008】シリカの配合量は特に限定されないが、シ
リカを含む親水性培土の全重量中におけるシリカの重量
割合を、0.05w/w%〜30w/w%とするのが好
ましい。その理由は次の通りである。すなわち、配合量
が0.05w/w%未満では適度な親水性が得られない
ことがあり、あまり好ましくない。また、配合量が30
w/w%を越えても、親水性の大きな向上は見られず、
シリカの配合過多によってコストアップとなるため、あ
まり好ましくない。これに対し、シリカの配合量が0.
05w/w%〜30w/w%の場合には、親水性とコス
トのバランスが適度であるため好ましい。
【0009】また、シリカの配合量は、親水性培土全量
に対し、0.1w/w%〜10w/w%とするのがより
好ましい。その理由は、上記した親水性とコストのバラ
ンスが最も良好であり、実用的価値が最も高いからであ
る。
【0010】シリカの具体的商品名としては、徳山曹達
株式会社製のトクシールGU−N(登録商標)、トクシ
ールP(登録商標)、トクシールU(登録商標)、日本
シリカ工業株式会社製のニップシールNS−K(登録商
標)、ニップシールNS−T(登録商標)、ニップシー
ルNA(登録商標)、日本アエロジル株式会社製のアエ
ロジル200(登録商標)、アエロジル130(登録商
標)、アエロジル380(登録商標)等を挙げることが
できる。
【0011】人工培土成分には、スギ・ヒノキ・ヒバの
寸断物、ピートモス、水ゴケ、バーク堆肥、バーミキュ
ライト、パーライト等を例示することができる。また、
このような人工培土成分と天然培土成分とを混合して用
いてもよい。天然培土成分としては、黒土、真砂土、鹿
沼土等を例示することができる。
【0012】第2発明は、第1発明のシリカが結晶性シ
リカ及び/又は無定型シリカである親水性培土に関す
る。第3発明は、第1発明または第2発明のシリカが粒
径0.001μm〜50μmである親水性培土に関す
る。第4発明は、第1発明または第2発明のシリカが粒
径0.005μm〜20μmである親水性培土に関す
る。
【0013】第5発明は、第1発明〜第4発明の人工培
土成分に、界面活性剤を付着させた親水性培土に関す
る。界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イ
オン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のいずれを用
いてもよいが、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面
活性剤を用いることが望ましい。
【0014】陽イオン性界面活性剤としては、ラウリル
トリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチル
アンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモ
ニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムク
ロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムク
ロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアン
モニウムクロライド、ステアリルヒドロキシエチルジメ
チルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジ
ルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピル
ジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロ
イルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニ
ウムパークロレート等が挙げられる。
【0015】陰イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテルサルフェートアンモ
ニウム塩、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテ
ルサルフェートアンモニウム塩、ポリオキシエチレンジ
スチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム
塩、ポリオキシエチレン合成アルコールサルフェートア
ンモニウム塩等を挙げることができ、具体的商品名とし
ては、松本油脂株式会社製のRY−321、335、3
33、334等を挙げることができる。
【0016】非イオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンビスアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
スチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリエチ
レングリコーネオレエート等を挙げることができ、その
具体的商品名としては、松本油脂株式会社製のペネロー
ルNP−2、ペネロールBNP−20、ペネロールSP
−18、アクチノールOL−6、アクチノールCS−1
0、ブリアンO−200、微生物分離型界面活性剤であ
る松本油脂株式会社製のシルバンT−20、シルバンT
−60、シルバンT−80、ハイマールF−3、ハイマ
ールF−5、ハイマールF−7、ハイマールF−9等を
挙げることができるが、微生物分離型を用いることが好
ましい。
【0017】第6発明は、第1発明〜第5発明におい
て、肥料を含有させた親水性培土に関する。肥料として
は、硝酸カリ、尿素、リン酸1カリ、リン酸1アンモ
ン、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、ホウ酸、硫酸
銅、硫酸亜鉛、モリブデン酸ナトリウム、鉄等を挙げる
ことができる。
【0018】第7発明は、第1発明〜第6発明におい
て、人工培土成分が、スギ・ヒノキ・ヒバから選択され
る一種または二種以上の樹木の寸断物を有する親水性培
土に関する。スギには、学名Cryptomeria japonicaの
他、その変種を含む。ヒノキには、学名Chamaecyparis
obtusaの他、その変種を含む。ヒバには、学名Thujopsi
sdolabrata Sieb.etZuccの他、その変種を含む。
【0019】樹木の寸断物とは、樹木の木質部(幹や
枝)を任意に寸断した各種形態の寸断物、例えば、木質
部の樹皮を細切りして得られる樹皮細切り物、木質部の
樹皮を破砕して得られる樹皮チップ、木質部を樹皮ごと
細切りして得られる樹皮含有木質細切り物、木質部を樹
皮ごと破砕して得られる樹皮含有木質チップ、樹皮を除
いた木質部を細切りして得られる木質細切り物、樹皮を
除いた木質部を破砕して得られる木質チップ等の各種寸
断形態うちから選択される単一形態または二種以上の複
合形態のものをいう。
【0020】各種細切り物とは、好ましくは、直径0.
1mm〜5mm、長さ10mm〜100mm(より好ま
しくは直径0.5mm〜2mm、長さ30mm〜50m
m)程度のものをいう。また、各種チップとは、好まし
くは、長さ10mm〜50mm、幅5mm〜30mm、
厚さ5mm〜30mm(より好ましくは長さ20mm〜
30mm、幅10mm〜20mm、厚さ10mm〜20
mm)程度のものをいう。尚、上記各種細切り物または
各種チップの寸法はあくまでも好ましい数値に過ぎず、
この数値に限定されるものではない。
【0021】第8発明は、第7発明の樹木の寸断物が、
木質部の樹皮を細切りして得られる樹皮細切り物、木質
部の樹皮を破砕して得られる樹皮チップ、木質部を樹皮
ごと細切りして得られる樹皮含有木質細切り物、木質部
を樹皮ごと破砕して得られる樹皮含有木質チップのうち
から選択される、単一形態または二種以上の複合形態で
ある親水性培土に関する。
【0022】第9発明は、第7発明または第8発明の樹
木の寸断物が、糞尿との混合発酵体である親水性培土に
関する。
【0023】糞尿は、牛・馬・豚・鶏等の家畜の糞尿、
人の糞尿のいずれであってもよい。発酵は、自然発酵に
よって行う他、好気性、嫌気性、通性の微生物や肥料を
添加して発酵促進させてもよい。これらの微生物として
は、硝酸化成菌、放線菌、光合成細菌、酵素、ストレプ
トマイセス・サーモフィラス、ストレプトマイセス・レ
クタス、ストレプトマイセス・ビオラセオラバン、スト
レプトマイセス・サーモフスクス、サーモスポラフス
カ、クリトピラス・ピンシタス、クリトピラステレウ
ス、フミコラ・インソレンス、セルモナス・フォーリ
ア、ミクソコ、クス・エキシグアス、ケトミウム・サー
モファイル、マイセリア・ステリリア等を例示すること
ができる。また、肥料としては、チッソ肥料、リン酸肥
料、カリ肥料、配合肥料、化成肥料、尿素、硫安、塩
安、過リン酸石灰、硫酸カリ、塩化カリ等を例示するこ
とができる。
【0024】(第10発明〜第12発明)第10発明〜
第12発明は、いずれも土壌改良方法に関する。そし
て、第10発明は、第1発明〜第9発明の親水性培土を
土壌に混入する土壌改良方法に関する。第11発明は、
第10発明の土壌が、人工培土・天然培土・砂のうちか
ら選択される単一土壌または二種以上の複合土壌である
土壌改良方法に関する。第12発明は、第10発明の土
壌が、競馬場ダートの砂である土壌改良方法に関する。
人工培土としては、スギ・ヒノキ・ヒバの樹木の寸断
物、ピートモス、バーク堆肥、バーミキュライト、パー
ライト等を例示することができる。また、天然培土とし
ては、黒土、真砂土、鹿沼土等を例示することができ
る。
【0025】(第13発明〜第18発明)第13発明〜
第18発明は、いずれも親水性培土の使用方法に関す
る。そして、第13発明は、第1発明〜第9発明の親水
性培土を植物栽培用培地として用いる親水性培土の使用
方法に関する。第14発明は、第1発明〜第9発明の人
工培土を芝生植え付け用培地として用いる親水性培土の
使用方法に関する。第15発明は、第14発明の芝生植
え付け用培地の使用場所が、庭園、公園、グラウンド、
競馬場馬場、屋上庭園のいずれかである親水性培土の使
用方法に関する。
【0026】第16発明は、第13発明の植物栽培用培
地の使用形態が、養液栽培用培地、トピアリー用培地、
ハンガーバスケット用培地、登攀補助材用培地、育苗用
培地、底面吸水用培地、仮植用培地、コンテナー用培
地、イネ育苗用培地、セル成型苗用培地のいずれかであ
る親水性培土の使用方法に関する。第17発明は、第1
発明〜第9発明の親水性培土を傾斜地用土壌として用い
る親水性培土の使用方法に関する。第18発明は、第1
発明〜第9発明の親水性培土をマルチ材として用いる親
水性培土の使用方法に関する。
【0027】
【発明の作用及び効果】第1発明〜第18発明の親水性
培土、土壌改良方法、並びに親水性培土の使用方法によ
れば、次の一般的作用効果を得ることができる。すなわ
ち、表1及び表2から明らかなように、人工培土成分が
一旦乾燥しても、優れた親水性(通水性や吸水性)を維
持できる。また、表3及び表4から明らかなように、栽
培した植物の生育性や発芽率を阻害することもない。
【0028】また、特に、下記の発明では、上記の一般
的作用効果に加え、次のような特有の作用効果を奏す
る。すなわち、第3発明の親水性培土では、シリカの粒
径が0.1μm〜50μmであるため、粉立ちの抑制と
親水性のバランスが適度に得られる。第4発明の親水性
培土では、シリカの粒径が0.005μm〜20μmで
あるため、粉立ちの抑制と親水性のバランスが最も良好
であり、実用的価値が最も高い。
【0029】第5発明の親水性培土では、界面活性剤に
よる親水補助機能で親水性が一層高まる。第6発明の親
水性培土では、肥料により植物の生育性が高まる。第7
発明及び第8発明の親水性培土では、スギ等の樹木の寸
断物のバクテリア分解性が小さく、アンモニア窒素濃度
の経時変化が小さいので、施肥過多による濃度障害を低
減でき、肉やせを低減できる。また、スギ等の樹木の寸
断物の成分の機能により、植物育成の促進、雑草成長の
抑制、病原菌の抑制、害虫の生存や自然発生の抑制等を
積極的に図ることができる。また、第9発明の親水性培
土では、スギ等の樹木の寸断物を発酵させたものを用い
ることにより植物の生育性が高まる。
【0030】また、特に第7発明〜第9発明の親水性培
土を用いて第12発明の競馬場ダートの土壌改良方法を
行うと、スギ等の樹木の寸断物の機能により、競馬場ダ
ートからスタートする競走馬のひずめのめり込みが少な
くなり、競走馬が脚を痛めることが少なくなる。また、
特に第7発明〜第9発明の親水性培土を第14発明の芝
生植え付け用培地として用いると、スギ等の樹木の寸断
物の機能により、芝生は、根長、根層厚、草丈等におい
て良好な生育結果が得られるうえ、芝生に発生しやすい
メヒシバその他の雑草の成長の抑制、芝生の病原菌に対
する抑制、芝生に発生しやすいコガネムシ等の害虫の生
存の抑制、芝生に発生しやすいコガネムシ等の害虫の自
然発生の抑制を確実に行うことができる。
【0031】また、特に第7発明〜第9発明の親水性培
土を芝生植え付け用培地として用い、その使用場所が第
14発明の競馬場馬場である場合、スギ等の樹木の寸断
物の機能により、これに植えた芝生は、引き抜き強度が
高く、芝生の上を競走馬が走っても剥がれにくい。ま
た、透水性に優れるため、水はけがよく、雨天時でも良
好な馬場を維持できる。
【0032】また、特に、第7発明〜第9発明の親水性
培土をそれぞれ第16発明〜第18発明の各所用途に使
用した場合、スギ等の樹木の寸断物の機能により、次の
ような特有の作用効果が得られる。養液栽培用培地とし
て使用した場合、養液栽培されたトマト、キュウリ、メ
ロン等の植物は、草丈、葉数において良好な生育結果が
得られ、またミニトマト、トマト、アムスメロン等果実
の糖度が向上し、またアオミドロの発生を抑止できると
ともに悪臭も防止でき、また養液栽培で生育させたトマ
ト等の植物を同質の栽培用培地に植え替えた場合には、
草丈、葉数、根長において良好な生育結果が継続して得
られ、またトマト青枯病、トマト疫病、キュウリつる割
り病等の病害が抑制され、またセンチュウ類等の害虫の
発生を抑制できる。
【0033】更に、トピアリー用培地として使用した場
合、造形したトピアリーの形状が長期間にわたって維持
でき、またハンガーバスケット用培地として使用した場
合、この培地を収容したハンガーバスケットを軽量にで
き、ハンガーバスケットを壁等に容易に掛けることがで
き、また登攀補助材用培地として使用した場合、登攀補
助材への植物の活着が良好になる。また、育苗用培地と
して使用した場合、メロン等の植物を鉢上げする際の欠
株を防止でき、また底面吸水用培地として使用した場
合、ラン、シクラメン、セントポーリア等、根腐りしや
すい植物の根腐りを防止できる。
【0034】更に、仮植用培地として使用した場合、根
への定着率が高く、移植時に脱落がなく、根巻きが不要
となり、またコンテナー栽培用培地としての使用の場
合、水切りがよいため、余分の水を与えずに済み、また
ミカン、ブドウ等の果実の糖度を高めることができ、ま
たイネ育苗用培地としての使用の場合、イネの立枯れ
病、根腐れ病等の病害を防除でき、またセル成型苗用培
地としての使用の場合、ハクサイ等の立枯れ病の発病度
を抑制できる。
【0035】更に、傾斜地用土壌として使用した場合、
金網ネットを用いなくても、傾斜地に対する定着性に優
れ、ずれ落ちがなく、また耐雨性にも優れる。更に、マ
ルチ材として使用した場合、メヒシバ等の雑草の発生を
抑制できる。マルチ材とは、植物の根を保温する等の目
的で、土壌表面に敷設するものをいう。
【0036】
【実施例】
(実施例1)スギの樹皮を樹皮剥離機で剥ぎ、これを切
削し、長さ10mm〜100mm、直径0.1mm〜5
mm程度の大きさの樹皮細切り物を得た。ヒノキの樹皮
を同様に処理し、同程度の大きさの樹皮細切り物を得
た。そして、スギの樹皮細切り物とヒノキの樹皮細切り
物とを容量比8:2の比率で混合して人工培土成分を得
た。この人工培土成分97.4重量部をポニーミキサー
で撹拌しながら、トクシールPを2.5重量部均一に添
加した。そして、ハイマールF−9と尿素を溶解させた
水溶液を人工培土成分に噴霧し、人工培土成分にハイマ
ールF−9と尿素とを付着させて親水性培土を得た。こ
れを実施例1とする。水溶液の濃度及びその噴霧量は、
ハイマールF−9と尿素ハイマールがそれぞれ0.05
重量部となるように設定した。尚、実施例1〜実施例1
1で用いるシリカは、いずれもその粒径が0.001μ
m〜50μmの範囲内のものである。
【0037】(実施例2)実施例1で得たスギの樹皮細
切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比9:1の比率
で混合して人工培土成分を得た。この人工培土成分9
7.9重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、トクシ
ールGU−Nを2.0重量部均一に添加した。そして、
実施例1と同様にして、ハイマールF−7と尿素とがそ
れぞれ0.05重量部となるように人工培土成分に水溶
液を噴霧して、親水性培土を得た。これを実施例2とす
る。
【0038】(実施例3)実施例1で得たスギの樹皮細
切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比9:1の比率
で混合して人工培土成分を得た。この人工培土成分9
8.9重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、トクシ
ールPを1.0重量部均一に添加した。そして、実施例
1と同様、ハイマールF−9と尿素とがそれぞれ0.0
5重量部となるように人工培土成分に水溶液を噴霧し
て、親水性培土を得た。これを実施例3とする。
【0039】(実施例4)実施例1で得たスギの樹皮細
切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比8:2の比率
で混合して人工培土成分を得た。この人工培土成分9
9.4重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、アエロ
ジル200を0.5重量部均一に添加した。そして、実
施例1と同様、ハイマールF−9と尿素とがそれぞれ
0.05重量部となるように人工培土成分に水溶液を噴
霧して、親水性培土を得た。これを実施例4とする。
【0040】(実施例5)真砂土・ピートモス・バーク
堆肥を容量比6:2:2の比率で混合して培土成分を得
た。真砂土は天然培土成分であり、ピートモスとバーク
堆肥は人工培土成分である。この培土成分97.4重量
部をポニーミキサーで撹拌しながら、ニップシールNS
−Kを2.5重量部均一に添加した。そして、実施例2
と同様、ハイマールF−7と尿素とがそれぞれ0.05
重量部となるように培土成分に水溶液を噴霧して、親水
性培土を得た。これを実施例5とする。
【0041】(実施例6)黒土・ピートモス・バーミキ
ュライトを容量比6:2:2の比率で混合して培土成分
を得た。黒土は天然培土成分であり、ピートモスとバー
ミキュライトは人工培土成分である。この培土成分9
8.9重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、トクシ
ールGU−Nを1.0重量部均一に添加した。そして、
実施例2と同様、ハイマールF−7と尿素とがそれぞれ
0.05重量部となるように培土成分に水溶液を噴霧し
て、親水性培土を得た。これを実施例6とする。
【0042】(実施例7)黒土・ピートモス・バーク堆
肥を容量比6:3:1の比率で混合して培土成分を得
た。黒土は天然培土成分であり、ピートモスとバーク堆
肥は人工培土成分である。この培土成分98.4重量部
をポニーミキサーで撹拌しながら、ニップシールNS−
Tを1.5重量部均一に添加した。そして、実施例2と
同様、ハイマールF−7と尿素とがそれぞれ0.05重
量部となるように培土成分に水溶液を噴霧して、親水性
培土を得た。これを実施例7とする。
【0043】(実施例8)黒土・ピートモス・バーミキ
ュライトを容量比5:3:2の比率で混合して培土成分
を得た。黒土は天然培土成分であり、ピートモスとバー
ミキュライトは人工培土成分である。この培土成分9
8.4重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、トクシ
ールUを1.5重量部均一に添加した。そして、実施例
2と同様、ハイマールF−7と尿素とがそれぞれ0.0
5重量部となるように培土成分に水溶液を噴霧して、親
水性培土を得た。これを実施例8とする。
【0044】(実施例9)実施例1で得たスギの樹皮細
切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比9:1の比率
で混合して人工培土成分を得た。そして、この人工培土
成分69.5重量部に天然培土成分である黒土29.6
重量部を混合してポニーミキサーで撹拌しながら、アエ
ロジル130を0.8重量部均一に添加した。そして、
実施例2ど同様、ハイマールF−7と尿素とがそれぞれ
0.05重量部となるように培土成分に水溶液を噴霧し
て、親水性培土を得た。これを実施例9とする。
【0045】(実施例10)黒土・ピートモス・バーク
堆肥を容量比6:2:2の比率で混合して培土成分を得
た。黒土は天然培土成分であり、ピートモスとバーク堆
肥人工培土成分である。この培土成分99.5重量部を
ポニーミキサーで撹拌しながら、ニップシールNS−K
を0.4重量部均一に添加した。そして、実施例2と同
様、ハイマールF−7と尿素とがそれぞれ0.05重量
部となるように培土成分に水溶液を噴霧して、親水性培
土を得た。これを実施例10とする。
【0046】(実施例11)実施例1で得たスギの樹皮
細切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比9:1の比
率で混合して人工培土成分を得た。この人工培土成分9
6.74重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、トク
シールGU−Nを0.25重量部均一に添加した。そし
て、尿素が0.05重量部となるように人工培土成分に
水溶液を噴霧して、親水性培土を得た。界面活性剤は添
加しなかった。これを実施例11とする。
【0047】(実施例12)実施例1で得たスギの樹皮
細切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比8:2の比
率で混合して人工培土成分を得た。この人工培土成分9
7.9重量部をポニーミキサーで撹拌しながら天然シリ
カサンドを0.4重量部均一に添加した。そして、実施
例2と同様、ハイマールF−7と尿素がそれぞれ0.0
5重量部となるように人工培土成分に水溶液を噴霧して
親水性培土を得た。これを実施例12とする。この天然
シリカサンドの粒径は100μm〜800μmである。
【0048】(比較例1)ピートモス・バーク堆肥・パ
ーライト・バーミキュライトを容量比3:4:2:1の
比率で混合して人工培土成分を得た。この人工培土成分
99.3重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、アク
アキープ(住友精工株式会社製)を0.6重量部均一に
添加した。そして、実施例1と同様、ハイマールF−9
と尿素とがそれぞれ0.05重量部となるように人工培
土成分に水溶液を噴霧して、培土を得た。これを比較例
1とする。
【0049】(比較例2)実施例1で得たスギの樹皮細
切り物とヒノキの樹皮細切り物とを容量比9:1の比率
で混合して人工培土成分を得た。そして、この人工培土
成分99.7重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、
ゼオライト(日東粉化工業株式会社製)を0.2重量部
均一に添加した。そして、実施例2と同様、ハイマール
F−7と尿素とがそれぞれ0.05重量部となるように
培土成分に水溶液を噴霧して、親水性培土を得た。これ
を比較例2とする。
【0050】(比較例3)真砂土・ピートモス・バーミ
キュライトを容量比5:3:2の比率で混合して培土成
分を得た。真砂土は天然培土成分、ピートモスとバーミ
キュライトは人工培土成分である。この培土成分98.
9重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、PQポリマ
ーBL−100(大阪有機化学工業株式会社製)を1.
0重量部均一に添加した。そして、実施例1と同様、ハ
イマールF−9と尿素とがそれぞれ0.05重量部とな
るように培土成分に水溶液を噴霧して、培土を得た。こ
れを比較例3とする。
【0051】(比較例4)黒土・ピートモス・バーミキ
ュライトを容量比5:3:2の比率で混合して培土成分
を得た。黒土は天然培土成分、ピートモスとバーミキュ
ライトは人工培土成分である。この培土成分99.45
重量部をポニーミキサーで撹拌しながら、ラジオライト
F(昭和化学工業株式会社製)を0.5重量部均一に添
加した。そして、実施例2と同様、ハイマールF−7と
尿素とがそれぞれ0.05重量部となるように培土成分
に水溶液を噴霧して、培土を得た。これを比較例4とす
る。
【0052】(比較例5)鹿沼土・ピートモス・バーク
堆肥を容量比5:3:2の比率で混合して培土成分を得
た。鹿沼土は天然培土成分、ピートモスとバーク堆肥は
人工培土成分である。この培土成分99.7重量部をポ
ニーミキサーで撹拌しながら、ラジオライト♯200
(昭和化学工業株式会社製)を0.2重量部均一に添加
した。そして、実施例2と同様、ハイマールF−7と尿
素とがそれぞれ0.05重量部となるように培土成分に
水溶液を噴霧して、培土を得た。これを比較例5とす
る。
【0053】《試験例1》各実施例に係る親水性培土の
通水性を調べた。試験方法は次の通りである。プラスチ
ック製5号鉢に実施例1〜12及び比較例1〜5の培土
各300gを詰め、70゜Cの恒温槽で72時間乾燥さ
せた。乾燥後、水道水300ccを培土の表面から灌水
して30分放置し、鉢の深さ6cm(全体の1/2の深
さ)の箇所に水が到達しているかどうかを調べた。判定
は、水が到達しているものを有効、水が到達していない
ものを無効とした。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】表1の結果から明らかなように、乾燥後に
親水性が低下する人工培土成分を有する培土に、シリカ
を親水材として含有させると、乾燥後も有効な通水性が
得られることがわかる。
【0056】《試験例2》各実施例に係る親水性培土の
吸水性を調べた。試験方法は次の通りである。プラスチ
ック製5号鉢に実施例1〜12及び比較例1〜5の培土
各300gを詰め、70゜Cの恒温槽で72時間乾燥さ
せた。乾燥後、水道水200ccを培土の表面から灌水
し、その吸水率を測定した。結果を表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】表2の結果から明らかなように、乾燥後に
親水性が低下する人工培土成分を有する培土に、シリカ
を親水材として含有させると、乾燥後も有効な吸水性が
得られることがわかる。
【0059】《試験例3》各実施例に係る親水性培土が
植物の生育性に影響を及ぼすがどうかについて調べた。
試験方法は次の通りである。プラスチック製5号鉢に実
施例1〜12及び比較例1〜5の培土各300gを詰
め、70゜Cの恒温槽で72時間乾燥させた。乾燥後、
ミニバラとトマトの苗を植え、3日に1度の割合で、水
道水300ccを灌水し、その生育状況を調べた。結果
を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】表3の結果から明らかなように、シリカを
親水材として含有させても、植物の生育を阻害しないこ
とがわかる。
【0062】《試験例4》各実施例に係る親水性培土が
植物の発芽性に影響を及ぼすかどうかについて調べた。
試験方法は次の通りである。プラスチック製5号鉢に実
施例1〜12及び比較例1〜5の培土各300gを詰
め、70゜Cの恒温槽で72時間乾燥させた。乾燥後、
カブとコマツナとブロッコリーの種を播種し、水道水3
00ccを灌水し、その発芽率を調べた。結果を表4に
示す。
【0063】
【表4】
【0064】表4の結果から明らかなように、シリカを
親水材として含有させても、植物の発芽を阻害しないこ
とがわかる。
【0065】(他の実施例及び試験例)上記のように各
種実施例及び試験例を挙げたが、本発明の内容は上記実
施例に限定されるものではない。すなわち、上記実施例
1〜12は、スギ・ヒノキの樹皮の細切物、ピートモ
ス、バーク堆肥、バーミキュライト等の人工培土成分、
並びに、黒土、真砂土等の天然培土成分を各種の割合で
混合し、これにシリカを親水材として添加した配合例で
あり、各種試験例により良好な結果を得たが、この実施
例1〜12及びその試験例は、実際に配合し、試験を行
ったものの1部でしかない。このため、実際に配合し、
試験を行ったものも他の実施例及び試験例として挙げて
おく。
【0066】すなわち、スギ・ヒノキ・ヒバのうちから
選択される一種または二種以上の樹木の寸断物を用い、
この寸断物が樹皮細切り物、樹皮チップ、樹皮含有細切
り物、樹皮含有木質チップ、木質細切り片、木質チップ
のうちから選択される単一形態または二種以上の複合形
態となる全ての場合につき、実施例1〜4と同様の配合
を行い、上記同様の試験を行ったところ、いずれも実施
例1〜4と同様の結果が得られた。この場合、異種樹木
の混合比率は、二者混合の場合、9:1、8:2、7:
3、6:4、5:5の容量比率とし、三者混合の場合、
7:2:1の容量比率とした。
【0067】また、スギ・ヒノキ・ヒバのうちから選択
される一種または二種以上の樹木の寸断物を用いた全て
の実施例につき、樹木の寸断物に糞尿を混合させて発酵
させたものを人工培土成分とし、上記同様の試験を行っ
たところ、いずれも実施例1〜4と同様の結果が得られ
た。発酵の具体的方法は、次の通りである。すなわち、
樹木の寸断物を牛の敷きワラ代用品にし、10日間にわ
たり、牛が排出した糞尿とともに牛に踏ませた。寸断物
と糞尿の混合比率は、乾性重量による重量比率で、1
0:1程度とした。その後、これを堆肥発酵舎に移動さ
せ、好気性微生物と尿素と硫安とを微量添加し、30゜
C〜80゜Cの温度で3カ月間発酵させた。切り返し
は、週1回の割合で行った。そして、完熟の状態で半年
間経過させ、これを人工培土成分とした。
【0068】尚、スギ・ヒノキ・ヒバのうちから選択さ
れる一種または二種以上の樹木の寸断物を用いた実施例
に関し、植物の成長促進性の試験を行ったところ、その
有効な順位は次の通りであった。すなわち、第1位は、
樹木の寸断物が、樹皮細切り物、樹皮チップのうちから
選択される単一形態または二種以上の複合形態の発酵体
である場合。第2位は、樹木の寸断物が、樹皮含有細切
り物、樹皮含有木質チップのうちから選択される単一形
態または二種以上の複合形態の発酵体である場合。第3
位は、樹木の寸断物が、木質細切り片、木質チップのう
ちから選択される単一形態または二種以上の複合形態の
発酵体である場合。第4位は、樹木の寸断物が、樹皮細
切り物、樹皮チップのうちから選択される単一形態また
は二種以上の複合形態の非発酵体である場合。第5位
は、樹木の寸断物が、樹皮含有細切り物、樹皮含有木質
チップのうちから選択される単一形態または二種以上の
複合形態の非発酵体である場合。第6位は、樹木の寸断
物が、木質細切り片、木質チップのうちから選択される
単一形態または二種以上の複合形態の非発酵体である場
合。
【0069】更に、ピートモスや水ゴケについても他の
配合を行い、試験を行ったので、これらも他の実施例及
び試験例として挙げておく。 (実施例13)ピートモス97.4重量部をポニーミキ
サーで撹拌しながら、トクシールGU−Nを2.5重量
部均一に添加した。そして、実施例1と同様にして、ハ
イマールF−9と尿素とがそれぞれ0.05重量部とな
るようにピートモスに水溶液を噴霧して親水性培土を得
た。これを実施例13とする。
【0070】(実施例14)水ゴケ95.9重量部をポ
ニーミキサーで撹拌しながらトクシールPを4.0重量
部均一に添加した。そして、実施例1と同様にして、ハ
イマールF−9と尿素とがそれぞれ0.05重量部とな
るように水ゴケに水溶液を噴霧して、親水性培土を得
た。これを実施例14とする。これら実施例13・14
に関し、前記同様の試験を行ったところ、通水性及び吸
水性、植物の生育性及び発芽率のいずれにおいても実施
例1〜12とほぼ同等の結果が得られた。
【0071】また、人工培土成分にシリカを添加せず、
界面活性剤を添加したものもある程度有効な結果が得ら
れるため、これを参考例として挙げておく。 (参考例1)ピートモス99.9重量部をポニーミキサ
ーに撹拌しながら実施例2と同様にしてハイマールF−
7と尿素とがそれぞれ0.05重量部となるようにピー
トモスに水溶液を噴霧して、親水性培土を得た。これを
参考例1とする。
【0072】(参考例2)水ゴケ99.9重量部をポニ
ーミキサーに撹拌しながら実施例2と同様にしてハイマ
ールF−7と尿素とがそれぞれ0.05重量部となるよ
うに水ゴケに水溶液を噴霧して、親水性培土を得た。こ
れを参考例2とする。この参考例1及び参考例2につい
て前記同様の試験を行ったところ、通水性及び吸水性に
関しては、実施例1〜12よりは劣るものの、前記比較
例1〜5よりも良好な結果が得られた。また、植物の生
育性及び発芽率に関しては、実施例1〜12と同等程度
で、比較例1〜5よりも良好な結果が得られた。
【0073】また、上記実施例1〜14及び参考例1・
2の各親水性培土は、そのままの状態で、前記問題を解
決する手段の欄に記載した各種用途に用いることができ
るが、特に、固形の養液栽培用培地や登攀用培地として
用いる場合には、その成型法の一例として、次のような
ものを挙げることができる。すなわち、親水性培土15
重量部に酢酸ビニルエマルジョン樹脂(樹脂分50重量
%)85重量部をミキサーで撹拌しながら混合し、この
混合物を型枠に投入し、16時間自然乾燥させた後、脱
型する。この場合、酢酸ビニルエマルジョン樹脂に代え
て、ウレタンエマルジョン樹脂、アクリルエマルジョン
樹脂、合成ゴムエマルジョン樹脂を用いてもよい。ま
た、デンプン、CMC(カルボキシメチルセルロース)
のナトリウム塩を配合して、接着性を強固にしてもよ
い。また、熱可塑性樹脂(例えばポリエレチン、ポリ酢
酸ビニル)の粉末を人工培土に混合して加熱した後、冷
却して成型品を得てもよい。
【0074】また、寒天質の育苗用培地として用いる場
合には、その成型法の一例として、親水性培土を寒天に
5容量程度%混入するものを挙げることができる。ま
た、セル成型苗用培地として用いる場合には、フェザー
ミルで粉砕し、ポニーミキサーで充分混合しておくのが
望ましい。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥後に親水性が低下する人工培土成分
    を有する培土に、シリカを親水材として含有させた親水
    性培土。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシリカが結晶性シリカ
    及び/又は無定型シリカである親水性培土。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のシリカ
    が粒径0.001μm〜50μmである親水性培土。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載のシリカ
    が粒径0.005μm〜20μmである親水性培土。
  5. 【請求項5】 人工培土成分に界面活性剤を付着させた
    請求項1乃至請求項4に記載の親水性培土。
  6. 【請求項6】 肥料を含有させた、請求項1乃至請求項
    5に記載の親水性培土。
  7. 【請求項7】 人工培土成分が、スギ・ヒノキ・ヒバの
    うちから選択される一種または二種以上の樹木の寸断物
    を有する、請求項1乃至請求項6に記載の親水性培土。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の樹木の寸断物が、木質
    部の樹皮を細切りして得られる樹皮細切り物、木質部の
    樹皮を破砕して得られる樹皮チップ、木質部を樹皮ごと
    細切りして得られる樹皮含有木質細切り物、木質部を樹
    皮ごと破砕して得られる樹皮含有木質チップのうちから
    選択される、単一形態または二種以上の複合形態である
    親水性培土。
  9. 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の樹木の
    寸断物が、糞尿との混合発酵体である親水性培土。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9に記載の親水性
    培土を、土壌に混入する土壌改良方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の土壌が、人工培土
    ・天然培土・砂のうちから選択される単一土壌または二
    種以上の複合土壌である土壌改良方法。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の土壌が、競馬場ダ
    ートの砂である土壌改良方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至請求項9に記載の親水性
    培土を、植物栽培用培地として用いる、親水性培土の使
    用方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至請求項9に記載の親水性
    培土を、芝生植え付け用培地として用いる、親水性培土
    の使用方法。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の芝生植え付け用培
    地の使用場所が、庭園、公園、グラウンド、競馬場馬
    場、屋上庭園のいずれかである親水性培土の使用方法。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載の植物栽培用培地の
    使用形態が、養液栽培用培地、トピアリー用培地、ハン
    ガーバスケット用培地、登攀補助材用培地、育苗用培
    地、底面吸水用培地、仮植用培地、コンテナー用培地、
    イネ育苗用培地、セル成型苗用培地のいずれかである親
    水性培土の使用方法。
  17. 【請求項17】 請求項1乃至請求項9に記載の親水性
    培土を、傾斜地用土壌として用いる親水性培土の使用方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至請求項9に記載の親水性
    培土を、マルチ材として用いる、親水性培土の使用方
    法。
JP5172649A 1993-06-18 1993-06-18 親水性培土、土壌改良方法、並びに親水性培土の使用方法 Pending JPH0741A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007176766A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Shinso Green:Kk 芝生育成肥料及び芝生の育成方法
JP2009011165A (ja) * 2007-06-29 2009-01-22 Tokyo Electric Power Co Inc:The イネ科植物のポット苗育成方法並びに緑化方法
JP2018117590A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 大建工業株式会社 木質培土の製造方法

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