JP2000264767A - 有機質肥料の製造方法 - Google Patents

有機質肥料の製造方法

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JP2000264767A
JP2000264767A JP11077525A JP7752599A JP2000264767A JP 2000264767 A JP2000264767 A JP 2000264767A JP 11077525 A JP11077525 A JP 11077525A JP 7752599 A JP7752599 A JP 7752599A JP 2000264767 A JP2000264767 A JP 2000264767A
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weight
calcium silicate
organic
fermentation
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Kiwamu Shiiba
究 椎葉
Takeshi Kanzaki
健 神前
Kenzo Okada
憲三 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、木質残渣
等の有機系廃棄物を、特別の空気接触装置等を使用する
ことなく、特定の微生物資材や消石灰等を添加しなくて
も、又は被発酵原料の水分含量、pH、C/N比の調整
等を行わなくても、簡単な工程及び操作で短期間で発酵
させて、肥効性に優れる有機質肥料を製造する方法、そ
のため発酵促進材の提供。 【解決手段】 被発酵原料に、アラビノキシラン含量が
10重量%以上である有機物(A)と珪酸カルシウム
(B)を、有機物(A):珪酸カルシウム(B)=5
0:50〜95:5の重量比で添加して発酵させる有機
質肥料の製造方法、並びに前記有機物(A)と珪酸カル
シウム(B)を有機物(A):珪酸カルシウム(B)=
50:50〜95:5の重量比で混合した混合物よりな
る発酵促進材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被発酵原料を発酵
させて有機質肥料を製造する方法、前記発酵方法により
得られる有機質肥料、および有機質肥料の製造に有効に
用い得る発酵促進材に関する。より詳細には、本発明
は、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥、木質残渣などの
有機系材料を被発酵原料として用いて、極めて簡単な工
程で且つ短い期間で、肥効性に優れる良質の有機質肥料
を製造する方法、それにより得られる有機質肥料および
該有機質肥料の製造に有効に用いられる発酵促進材に関
する。
【0002】
【従来の技術】これまで多用されてきた化成肥料は、即
効性はあるものの濃度障害による植物の成育不良や枯
れ、連用による土やせ、環境汚染等の問題を生じてい
る。そこで、鶏糞、豚糞、牛糞等の動物由来の排泄物、
一般家庭や食品工場などから排出される食品残渣、活性
汚泥などの有機系被発酵原料を発酵させて堆肥化し、そ
れを土壌に散布することにより、化成肥料の前記した欠
点を解消し、地力を増強しながら植物を育てることが近
年広く行われるようになっている。前記有機系被発酵原
料は、発酵促進材や発酵補助材などを加えずにそれ単独
でも発酵させることができるが、水分含量が多く、通気
性が悪くて嫌気性になり、発酵が円滑に進行しないこと
から、オガクズ、麦かん、稲藁、落葉などの植物系有機
物を混合して水分含量を調整して発酵させる方法が一般
に採用されている。しかしながら、オガクズなどの植物
系有機物は、難分解性成分を多く含み分解に時間がかか
るため、該植物系有機物を配合して発酵を行うと、堆肥
化に長期間を要する(一般に3〜6カ月)。しかも、植
物系有機物中に含まれるリグニン成分の分解により生ず
るフェノール性の酸性物質が植物の生育阻害をもたらす
ことがある。
【0003】また、いったん発酵させて得られた堆肥、
いわゆる“戻し堆肥”や、バーミキュライトやケイソウ
土などの鉱物を用いて、C/N比調整、水分量調整、p
H調整などを行って畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥な
どの有機系被発酵原料の発酵を行う方法も知られてい
る。この方法は、植物系有機物を加える上記した方法に
比べて、堆肥化に要する時間が短く、且つフェノール性
の酸性物質の生成も少ないことから、良質の堆肥が得ら
れることが多いが、それでも発酵に2カ月近くを要し、
しかも被発酵原料のC/N比調整、水分量調整、pH調
整などが必要であり繁雑で手間がかかる。
【0004】さらに、有機質廃棄物にトバモライトまた
はゾノトライトから選ばれる人工珪酸カルシウムの粉粒
体を混合し、その混合物と空気とを強制的に接触させ強
制発酵させて半熟発酵物とし、それを自然発酵させて完
熟発酵物として有機質廃棄物を堆肥化する方法が提案さ
れている(特公平5−73718号公報)。しかしなが
ら、この方法による場合は、有機質廃棄物と人工珪酸カ
ルシウムとの混合物に空気を吹き込むための多孔板や撹
拌羽根などを備えた強制発酵装置を用いて強制発酵する
ことが必要であり、そのため工程面および装置面で複雑
になり、手間およびコストがかかる。しかも、この方法
では、有機質廃棄物と人工珪酸カルシウムとの混合物の
水分含量を50〜60重量%に調整して発酵を行ってい
るため、有機質廃棄物100kgに対して通常30〜5
0kgもの多量の人工珪酸カルシウムを混合する必要が
ある。その結果、費用と作業の負担が大きく、しかも人
工珪酸カルシウムが分解されずに堆肥中に残留するた
め、堆肥化の重要な目的の1つである有機質廃棄物の容
量や重量の減少率が低くなり、有機質廃棄物の減量が円
滑に行われない。
【0005】また、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥な
どの有機系被発酵原料は、水分含量が多く、しかも種々
の成分が混ざっていてそのpHも不安定であることか
ら、そこに含まれる微生物フローラ(微生物叢)のバラ
ンスが偏りがちであり、発酵に有効に働く有用微生物群
が増殖しにくい。特に、雰囲気温度が低い冬場には発酵
がなかなか進行せず、堆肥化に一層長い発酵期間が必要
である。かかる点から、本発明者らは、そのような有機
系被発酵原料を短期間で発酵させて堆肥化することを目
的として、小麦フスマなどのようなアラビノキシラン含
量が20重量%以上である有機物100重量部に対し
て、消石灰1〜3重量部、フミン酸3〜10重量部およ
び微生物資材5〜20重量部の割合で配合した発酵促進
材、該発酵促進材を用いる有機質肥料の製造方法を開発
して先に提案した(特開平8−198694号公報)。
さらに、本発明者らは、畜産排泄物および/または活性
汚泥からなる被発酵原料の水分含量を55〜65重量
%、pHを7.0〜8.5およびC/N比を20以下に
調整し、該調整された被発酵原料100重量部に対し
て、小麦フスマを主体としこれに消石灰など配合した発
酵助剤を25〜50重量部の割合で加えて発酵させて有
機質肥料を製造する方法を開発して先に出願した(特開
平9−48685号公報)。
【0006】本発明者らによる上記した発明は、畜産排
泄物、食品残渣、活性汚泥などのような水分含量の多い
有機系被発酵原料を従来よりも短い期間で発酵させて肥
効性に優れる有機質肥料にすることができるという長所
を有する。しかしながら、これらの方法のうち、前者の
方法は、特定の微生物資材を使用する必要があり、また
消石灰を用いていることにより被発酵原料のpHが高く
なって悪臭の原因であるアンモニアが多く発生すること
があり、かかる点での改良の余地がある。また、後者の
方法は、有機系被発酵原料の水分含量、pH、C/N比
の調整が必要なため作業性上および経済性の点でこれら
の点での改良の余地があることが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、畜舎
などから発生する動物性の畜産排泄物、食品産業や一般
家庭などから排出される食品残渣、産業廃棄物処理用の
酸化槽による曝気処理後や下水処理後に発生する活性汚
泥、木質残渣などの有機系廃棄物を、空気と常に接触さ
せるための特別の装置を要せずに、また特定の微生物資
材や消石灰などを添加しなくても、さらには被発酵原料
の水分含量、pH、C/N比の特別な調整などを行わな
くても、簡単な工程および操作で、短い期間で発酵させ
て、肥効性に優れる良質の有機質肥料に変えることので
きる方法およびそのための発酵促進材を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、畜産排泄物、食品残
渣、活性汚泥、木質残渣などの有機系の被発酵原料に対
して、アラビノキシラン含量が10重量%以上である有
機物および珪酸カルシウムとを特定の配合比で添加して
発酵させると、肥効性に優れる良質の有機質肥料が、空
気と常に接触させるための特別の装置を要することな
く、しかも特定の微生物資材や消石灰などを用いなくて
も、さらには被発酵原料の水分含量、pH、C/N比の
特別な調整などを行わなくても、極めて簡単な工程およ
び操作で短期間で得られることを見出して本発明を完成
した。
【0009】すなわち、本発明は、(1) 被発酵原料
に、アラビノキシラン含量が10重量%以上である有機
物(A)および珪酸カルシウム(B)を、有機物
(A):珪酸カルシウム(B)=50:50〜95:5
の重量比で添加して発酵させることを特徴とする有機質
肥料の製造方法である。
【0010】そして、本発明は、(2) 被発酵原料1
00重量部に対して、有機物(A)および珪酸カルシウ
ム(B)を合計で0.5〜20重量部の割合で添加する
前記(1)に記載の堆肥化方法を好ましい態様として包
含する。
【0011】さらに、本発明は、(3) 前記(1)ま
たは(2)の方法により製造された有機質肥料;およ
び、(4) アラビノキシラン含量が10重量%以上で
ある有機物(A)および珪酸カルシウム(B)を、有機
物(A):珪酸カルシウム(B)=50:50〜95:
5の重量比で混合した混合物よりなることを特徴とする
発酵促進材;である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で用いる被発酵原料の種類は特に制限され
ず、堆肥化(発酵)が可能な有機系の肥料原料であれば
いずれも使用可能である。被発酵原料の例としては、各
種の畜産排泄物、各種の食品残渣、活性汚泥、木質残渣
(モミガラ、バーク、おが屑、木の葉、草、樹木チップ
など)などを挙げることができ、これらは単独で使用し
てもまたは2種以上を混合して使用してもよい。そのう
ちでも、本発明の方法は、従来その取り扱いが苦慮され
てきた畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥などの水分含量
が多く且つ悪臭発生の多い有機質廃棄物の堆肥化に有効
である。本発明で使用する被発酵原料は、必要に応じ
て、さらに炭酸塩、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウムなどを含有していてもよい。
【0013】本発明で用いる上記の有機物(A)は、ア
ラビノキシラン含量が10重量%以上の有機物であれば
いずれも使用でき、そのうちでもアラビノキシラン含量
が20重量%以上の有機物が好ましく用いられる。アラ
ビノキシラン含量が10重量%未満の有機物を用いる
と、上記した被発酵原料を短期間に円滑に発酵させて堆
肥化することができない。本発明で好ましく用いられる
有機物(A)の具体例としては、小麦フスマ(アラビノ
キシラン含量:通常約25〜40重量%)、小麦末粉
(同約15〜25重量%)、米ヌカ(同約20〜45重
量%)、グルテンフィード(同約20〜40重量%)、
ビール粕(同約20〜40重量%)、トウモロコシ外皮
(同約25〜45重量%)などを挙げることができ、こ
れらは単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよ
い。
【0014】本発明で用いる珪酸カルシウム(B)とし
ては、シリカなどの珪酸質原料と石灰、セメントなどの
石灰質原料を混合して水性スラリーを調製し、この水性
スラリーを高圧高温の水蒸気を用いて養生して得られる
多孔質の珪酸カルシウムが好ましく用いられる。このよ
うな多孔質の珪酸カルシウムとしては、例えば、ALC
(軽量コンクリート)粉状体、トベルモライト、ゾノト
ライトなどを挙げることができる。本発明では1種類の
珪酸カルシウムを用いても、または2種以上の珪酸カル
シウムを併用してもよい。
【0015】被発酵原料の発酵に当たっては、アラビノ
キシラン含量が10重量%以上である有機物(A)およ
び珪酸カルシウム(B)を、有機物(A):珪酸カルシ
ウム(B)=50:50〜95:5の重量比で用いるこ
とが必要であり、60:40〜80:20の重量比で用
いることが好ましい。有機物(A)と珪酸カルシウム
(B)の合計重量に基づいて、有機物(A)の使用割合
が50重量%よりも少ない場合[珪酸カルシウム(B)
の使用割合が50重量%よりも多い場合]、または有機
物(A)の使用割合が95重量%を超える場合[珪酸カ
ルシウム(B)の使用割合が5重量%未満である場合]
は、いずれも、発酵温度が被発酵原料の堆肥化に有効な
温度(通常30〜50℃)にまで上昇せず堆肥化が困難
であったり、または堆肥化に長い時間を要するようにな
る。
【0016】有機物(A)および珪酸カルシウム(B)
を上記した50:50〜95:5の範囲内の重量比で用
いる限りは、(i)有機物(A)および珪酸カルシウム
(B)を前記の割合で予め混合して混合物を調製してお
き、その混合物を被発酵原料に添加し全成分を均一に混
合して発酵を行う方法;または、(ii)有機物(A)と
珪酸カルシウム(B)を個別に被発酵原料に添加した後
に全成分をよく混合して発酵を行う方法;のいずれもを
採用して発酵を行ってもよい。
【0017】特に、前記した(i)の方法で用いる、有
機物(A)と珪酸カルシウム(B)を50:50〜9
5:5の重量比で予め混合してなる混合物は、そのまま
で発酵促進材として保存、流通、販売することができ
る。この発酵促進材を使用する場合は、それを畜産排泄
物、食品残渣、活性汚泥、木質残渣などの被発酵原料に
添加し均一に混合するだけで、発酵が速やかに進行し、
該被発酵原料が短期間で堆肥化されて、肥効性に優れる
有機質肥料を極めて簡単に且つ短期間に製造することが
できる。
【0018】被発酵原料の堆肥化に当たっては、被発酵
原料(乾燥処理を特別に施していない水分を含有したま
まの被発酵原料)100重量部に対して、有機物(A)
および珪酸カルシウム(B)を両者の合計で0.5〜2
0重量部の割合で添加することが好ましく、5〜10重
量部の割合で添加することがより好ましい。被発酵原料
の乾物重量では、被発酵原料(乾物換算)100重量部
に対して、有機物(A)および珪酸カルシウム(B)を
両者の合計で1〜100重量部の割合で添加することが
好ましく、5〜20重量部の割合で添加することがより
好ましい。
【0019】有機質肥料を製造する際の発酵条件は特に
制限されず、有機物(A)と珪酸カルシウム(B)の両
者を上記した重量比で用いて被発酵原料に均一に添加
し、全成分を均一に混合し、その混合物をときどき撹拌
(切り返し)して好気性条件下に発酵させることによっ
て、肥効性に優れる高品質の有機質肥料を短期間(通常
15〜30日程度)で円滑に製造することができる。有
機質肥料製造時の前記した撹拌(切り返し)は通常5〜
7日に1回程度の割合で行えば十分である。これにより
得られる本発明の有機質肥料は、悪臭や異臭が少なく、
被発酵原料の分解が進んでいて、一般に、細粒状を呈し
ているため、取り扱い性に優れており、野菜類、稲や麦
を代表とする穀類用植物、草花、果樹、樹木などの植物
用の肥料として有用である。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下
の例において、被発酵原料および得られた有機質肥料の
水分含量の測定、発酵時(有機質肥料の製造時)の最高
温度と最高温度に達した時間の測定、およびコマツナの
発芽率の測定および生育度の評価は、下記のようにして
行った。
【0021】[被発酵原料または有機質肥料の水分含量
の測定]被発酵原料または得られた有機質肥料を、水分
含量測定用のアルミニウム缶に約5g秤量し、135℃
で2時間乾燥させる。乾燥による水分の減少率を、水分
含量とし測定した。
【0022】[発酵時(有機質肥料の製造時)の最高温
度と最高温度に達した時間の測定]発酵時の堆積層の上
部から約20cmの場所に温度センサーを差し込み、温
度記録計(安立計器社製「温度コレクターAM700
2」)により温度を経時的に測定して、最高温度と、最
高温度に達した時間(発酵開始から最高温度に達するま
でに要した時間)を求めた。
【0023】[コマツナの生育度の評価]以下の実施例
および比較例で得られた有機質肥料を使用して、コマツ
ナに対する生育試験を次のようにして行ってその生育度
を評価した。すなわち、有機質肥料1gに対し水30m
lを加え、撹拌後、60℃で3時間放置する。次いで、
濾紙(東洋濾紙No.5)を使用して濾過を行って得ら
れた濾液2mlを、濾紙(東洋濾紙No.2)2枚を敷
いたシャーレに入れ、コマツナの種子約30粒をまき、
25℃の恒温室内で培養する。培養は4日間行い、コナ
ツナの生育度を下記の表1に示した評価基準に従って5
名のパネラーに点数評価してもらい、その平均値を採っ
た。
【0024】
【表1】
【0025】《実施例1》 (1) 被発酵原料(生鶏糞)に添加する有機物とし
て、小麦フスマ(アラビノキシラン含量28重量%)、
小麦末粉(同14重量%)、トウモロコシ外皮(同27
重量%)およびオガクズ(同0重量%)を準備した。ま
た、珪酸カルシウムとして、小野田エーエルシー社製の
人工珪酸カルシウム粉末「エスカリュウ」(商品名)を
準備した。 (2) 生鶏糞(水分含量65重量%)12kgに対し
て、前記(1)で準備した小麦フスマ、小麦末粉、トウ
モロコシ外皮、オガクズおよび/または上記(1)で準
備した珪酸カルシウムを下記の表2に示す量で添加した
後、均一に混合し、混合物を発泡スチロール製容器(内
容積:縦×横×深さ=30cm×50cm×35cm)
に約30cmの厚さに充填し、それを5℃の恒温槽内に
放置して発酵させた。発泡スチロール製容器に前記混合
物を充填した時点を発酵開始時点として、発酵中の温度
を継時的に測定して、発酵時の最高温度と該最高温度に
達するまでの時間を測定したところ、下記の表2に示す
とおりであった。
【0026】
【表2】
【0027】上記の表2の結果から、被発酵原料(生鶏
糞)に対して、アラビノキシラン含量が10重量%以上
である有機物(小麦フスマ、小麦末粉またはトウモロコ
シ外皮)と珪酸カルシウムを、上記した50:50〜9
5:5の範囲内の重量比で添加して発酵を行った実験番
号3〜5の場合は、発酵開始から150時間以内に最高
温度が発酵に適する30〜50℃の範囲内の温度に達
し、被発酵原料の堆肥化が短期間に円滑に行われたこと
がわかる。
【0028】それに対して、被発酵原料(生鶏糞)に対
して珪酸カルシウムのみを添加した実験番号1、並びに
被発酵原料(生鶏糞)に対して珪酸カルシウムとアラビ
ノキシラン含量が5重量%であるオガクズを添加した実
験番号6の場合は、最高温度がそれぞれ10℃または1
3℃にしかならず、発酵が事実上殆ど行われず、被発酵
原料の堆肥化(有機質肥料の製造)が困難であったこと
がわかる。
【0029】また、実験番号2では被発酵原料(生鶏
糞)に対して珪酸カルシウムとアラビノキシラン含量が
10重量%以上の有機物(小麦フスマ)を添加している
ものの有機物(小麦フスマ)の配合量の方が珪酸カルシ
ウムの配合量よりも少なくて、本発明で規定する50:
50〜95:5の重量比の範囲から外れているために、
また実験番号7では珪酸カルシウムを添加せずに小麦フ
スマのみを添加しているために、発酵時の最高温度が1
9℃にしかならず、発酵が短期間に速やかに行われない
ことがわかる。
【0030】《実施例2》 (1) 実施例1で用いたのと同じ小麦フスマと珪酸カ
ルシウムを2:1の重量比で混合して発酵促進材を予め
調製した。 (2) 上記(1)で調製した発酵促進材を、鶏糞とバ
ークを1:10の重量比で混合した被発酵原料(水分含
量65重量%)に対して、下記の表3に示す割合で添加
した後、均一に混合し、混合物を実施例1の(2)と同
様にして発泡スチロール製容器に入れて発酵させて、発
酵中の温度を継時的に測定して、発酵時の最高温度と該
最高温度に達するまでの時間を測定したところ、下記の
表3に示すとおりであった。
【0031】
【表3】
【0032】上記の表3の結果から、被発酵原料(生鶏
糞)に対して、アラビノキシラン含量が10重量%以上
である有機物と珪酸カルシウムを添加して発酵を行わせ
るに当たっては、被発酵原料100重量部に対して、ア
ラビノキシラン含量が10重量%以上である有機物と珪
酸カルシウムを両者の合計で0.5〜20重量部の割合
で添加すると、短時間のうちにその最高温度が発酵に適
する30〜50℃の範囲内になること、特に5〜10重
量部の割合で添加することがより好ましいことがわか
る。
【0033】《実施例3》 (1) モミガラと牛糞を、モミガラ:牛糞=1:2の
重量比で混合して被発酵原料(水分含量64重量%)を
予め調製した。 (2) 実施例1で使用したのと同じ小麦フスマ(アラ
ビノキシラン含量28重量%)と実施例1で使用したの
と同じ珪酸カルシウムを、小麦フスマ:珪酸カルシウム
=3:1の重量比で混合して発酵促進材を予め調製し
た。 (3) 上記(1)で調製した被発酵原料54000k
gに対して、上記(2)で調製した発酵促進材2000
kgを混合し、混合物を高さ約5mの屋根付の堆積舎に
堆積し、5日に1度の割合で切り返しを行いながら、室
温下に30日間発酵させて有機質肥料(水分含量45重
量%)を製造した。 (4) 上記(3)で得られた有機質肥料を用いて、前
記した方法でコマツナの発芽率の測定および生育度の評
価を行ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0034】《比較例1》 (1) 発酵促進材を添加せずに、実施例3の(1)で
調製した被発酵原料のみを用いて、実施例3の(3)と
同様にして高さ約5mの屋根付の堆積舎に堆積し、5日
に1度の割合で切り返しを行いながら、室温下に30日
間発酵させて有機質肥料(水分含量60重量%)を製造
した。 (2) 上記(1)で得られた有機質肥料を用いて、前
記した方法でコマツナの発芽率の測定および生育度の評
価を行ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0035】
【表4】
【0036】上記の表4の結果から、本発明の発酵促進
材を添加して被発酵原料の発酵を行うと、肥効性に優れ
る完熟した有機質肥料が、簡単に且つ短期間で得られる
ことがわかる。
【0037】《実施例4》 (1) 下水処理により発生した活性汚泥と発酵済汚泥
(戻し堆肥)を、活性汚泥:戻し堆肥=1:7の重量比
で混合して被発酵原料(水分含量45重量%)を予め調
製した。 (2) 米ヌカ(アラビノキシラン含量23重量%)と
実施例1で使用したのと同じ珪酸カルシウムを、米ヌ
カ:珪酸カルシウム=4:1の重量比で混合して発酵促
進材を予め調製した。 (3) 上記(1)で調製した被発酵原料130tに対
して、上記(2)で調製した発酵促進材2tを混合し、
混合物を堆積発酵(高さ3m)させて、1週間に1回の
割合で撹拌切り返しを行って、室温下で28日間発酵さ
せて有機質肥料(水分含量35重量%)を製造した。 (4) 上記(3)で得られた有機質肥料を用いて、前
記した方法でコマツナの発芽率の測定および生育度の評
価を行ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0038】《比較例1》 (1) 発酵促進材を添加せずに、実施例4の(1)で
調製した被発酵原料のみを用いて、実施例3の(3)と
同様にして堆積発酵させて、1週間に1回の割合で撹拌
切り返しを行って、室温下で28日間発酵させて有機質
肥料(水分含量40重量%)を製造した。 (2) 上記(1)で得られた有機質肥料を用いて、前
記した方法でコマツナの発芽率の測定および生育度の評
価を行ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0039】
【表5】
【0040】上記の表5の結果から、本発明の発酵促進
材を添加して被発酵原料の発酵を行うと、肥効性に優れ
る完熟した有機質肥料を、簡単に且つ短期間で製造でき
ることがわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明による場合は、畜舎などから発生
する動物性の畜産排泄物、食品産業や一般家庭などから
排出される食品残渣、産業廃棄物処理用の酸化槽による
曝気処理後や下水処理後に発生する活性汚泥、木質残渣
などの有機系廃棄物を、空気と常に接触させるための特
別の装置を要することなく、また特定の微生物資材や消
石灰などを添加しなくても、さらには被発酵原料の水分
含量、pH、C/N比の調整などを行わなくても、簡単
な工程および操作で、短期間で発酵させて、肥効性に優
れる良質の有機質肥料に変えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 憲三 茨城県つくば市大字大久保13番 日清製粉 株式会社つくば研究所内 Fターム(参考) 4H061 AA02 CC36 CC41 CC42 CC51 CC55 DD20 EE12 EE61 FF08 GG49 HH42 KK01 KK02 KK03 KK07 LL26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被発酵原料に、アラビノキシラン含量が
    10重量%以上である有機物(A)および珪酸カルシウ
    ム(B)を、有機物(A):珪酸カルシウム(B)=5
    0:50〜95:5の重量比で添加して発酵させること
    を特徴とする有機質肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】 被発酵原料100重量部に対して、有機
    物(A)および珪酸カルシウム(B)を合計で0.5〜
    20重量部の割合で添加する請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の方法により製造され
    た有機質肥料。
  4. 【請求項4】 アラビノキシラン含量が10重量%以上
    である有機物(A)および珪酸カルシウム(B)を、有
    機物(A):珪酸カルシウム(B)=50:50〜9
    5:5の重量比で混合した混合物よりなることを特徴と
    する発酵促進材。
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