JP2002255676A - 有機質肥料の製造方法 - Google Patents
有機質肥料の製造方法Info
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/78—Recycling of wood or furniture waste
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Fertilizers (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 有機質発酵原料を簡単に短期間に高い脂質分
解率で、肥効性に優れかつ脂質障害を生じない有機質肥
料に変える有機質肥料の製造方法及びそのための発酵促
進材の提供。 【解決手段】 発酵原料に、アラビノキシラン含量10
質量%以上の有機物a、珪酸カルシウムb、焼却灰c、
アルカリ性金属化合物d及び場合により小麦フスマおよ
び/または末粉、並びに有機質材料を資化する耐熱性菌
を含有する発酵助剤eを添加して発酵させる方法、成分
a〜dまたはa〜eからなる発酵促進材。
解率で、肥効性に優れかつ脂質障害を生じない有機質肥
料に変える有機質肥料の製造方法及びそのための発酵促
進材の提供。 【解決手段】 発酵原料に、アラビノキシラン含量10
質量%以上の有機物a、珪酸カルシウムb、焼却灰c、
アルカリ性金属化合物d及び場合により小麦フスマおよ
び/または末粉、並びに有機質材料を資化する耐熱性菌
を含有する発酵助剤eを添加して発酵させる方法、成分
a〜dまたはa〜eからなる発酵促進材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被発酵原料を発酵
させて有機質肥料を製造する方法、前記発酵方法により
得られる有機質肥料、および有機質肥料の製造に有効に
用い得る発酵促進材に関する。より詳細には、本発明
は、食品残渣、畜産排泄物、汚泥、木質残渣などの有機
系材料を被発酵原料として用いて、極めて簡単な工程で
且つ短い期間で、全体の分解率が高く、しかも脂質分解
率が極めて高くて、肥効性に優れ、植物に対する脂質の
酸化による生育障害を生じない、高品質の有機質肥料を
製造する方法、それにより得られる有機質肥料および該
有機質肥料の製造に有効に用いられる発酵促進材に関す
る。
させて有機質肥料を製造する方法、前記発酵方法により
得られる有機質肥料、および有機質肥料の製造に有効に
用い得る発酵促進材に関する。より詳細には、本発明
は、食品残渣、畜産排泄物、汚泥、木質残渣などの有機
系材料を被発酵原料として用いて、極めて簡単な工程で
且つ短い期間で、全体の分解率が高く、しかも脂質分解
率が極めて高くて、肥効性に優れ、植物に対する脂質の
酸化による生育障害を生じない、高品質の有機質肥料を
製造する方法、それにより得られる有機質肥料および該
有機質肥料の製造に有効に用いられる発酵促進材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで多用されてきた化成肥料は、即
効性はあるものの濃度障害による植物の成育不良や枯
れ、連用による土やせ、環境汚染等の問題を生じてい
る。そこで、鶏糞、豚糞、牛糞等の動物由来の排泄物、
一般家庭や食品工場などから排出される食品残渣、活性
汚泥などの有機系被発酵原料を発酵させて堆肥化し、そ
れを土壌に散布することにより、化成肥料の前記した欠
点を解消し、地力を増強しながら植物を育てることが近
年広く行われるようになっている。前記有機系被発酵原
料は、発酵促進材や発酵補助材などを加えずにそれ単独
でも発酵させることができるが、水分含量が多く、通気
性が悪くて嫌気性になり、発酵が円滑に進行しないこと
から、オガクズ、麦かん、稲藁、落葉などの植物系有機
物を混合して水分含量を調整して発酵させる方法が一般
に採用されている。しかしながら、オガクズなどの植物
系有機物は、難分解性成分を多く含み分解に時間がかか
るため、該植物系有機物を配合して発酵を行うと、堆肥
化に長期間を要する(一般に3〜6カ月)。しかも、植
物系有機物中に含まれるリグニン成分の分解により生ず
るフェノール性の酸性物質が植物の生育阻害をもたらす
ことがある。
効性はあるものの濃度障害による植物の成育不良や枯
れ、連用による土やせ、環境汚染等の問題を生じてい
る。そこで、鶏糞、豚糞、牛糞等の動物由来の排泄物、
一般家庭や食品工場などから排出される食品残渣、活性
汚泥などの有機系被発酵原料を発酵させて堆肥化し、そ
れを土壌に散布することにより、化成肥料の前記した欠
点を解消し、地力を増強しながら植物を育てることが近
年広く行われるようになっている。前記有機系被発酵原
料は、発酵促進材や発酵補助材などを加えずにそれ単独
でも発酵させることができるが、水分含量が多く、通気
性が悪くて嫌気性になり、発酵が円滑に進行しないこと
から、オガクズ、麦かん、稲藁、落葉などの植物系有機
物を混合して水分含量を調整して発酵させる方法が一般
に採用されている。しかしながら、オガクズなどの植物
系有機物は、難分解性成分を多く含み分解に時間がかか
るため、該植物系有機物を配合して発酵を行うと、堆肥
化に長期間を要する(一般に3〜6カ月)。しかも、植
物系有機物中に含まれるリグニン成分の分解により生ず
るフェノール性の酸性物質が植物の生育阻害をもたらす
ことがある。
【0003】また、いったん発酵させて得られた堆肥、
いわゆる“戻し堆肥”や、バーミキュライトやケイソウ
土などの鉱物を用いて、C/N比調整、水分量調整、p
H調整などを行って畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥な
どの有機系被発酵原料の発酵を行う方法も知られてい
る。この方法は、植物系有機物を加える上記した方法に
比べて、堆肥化に要する時間が短く、且つフェノール性
の酸性物質の生成も少ないことから、良質の堆肥が得ら
れることが多いが、それでも発酵に2カ月近くを要し、
しかも被発酵原料のC/N比調整、水分量調整、pH調
整などが必要であり繁雑で手間がかかる。
いわゆる“戻し堆肥”や、バーミキュライトやケイソウ
土などの鉱物を用いて、C/N比調整、水分量調整、p
H調整などを行って畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥な
どの有機系被発酵原料の発酵を行う方法も知られてい
る。この方法は、植物系有機物を加える上記した方法に
比べて、堆肥化に要する時間が短く、且つフェノール性
の酸性物質の生成も少ないことから、良質の堆肥が得ら
れることが多いが、それでも発酵に2カ月近くを要し、
しかも被発酵原料のC/N比調整、水分量調整、pH調
整などが必要であり繁雑で手間がかかる。
【0004】さらに、有機質廃棄物にトバモライトまた
はゾノトライトから選ばれる人工珪酸カルシウムの粉粒
体を混合し、その混合物と空気とを強制的に接触させ強
制発酵させて半熟発酵物とし、それを自然発酵させて完
熟発酵物として有機質廃棄物を堆肥化する方法が提案さ
れている(特公平5−73718号公報)。しかしなが
ら、この方法による場合は、有機質廃棄物と人工珪酸カ
ルシウムとの混合物に空気を吹き込むための多孔板や撹
拌羽根などを備えた強制発酵装置を用いて強制発酵する
ことが必要であり、そのため工程面および装置面で複雑
になり、手間およびコストがかかる。しかも、この方法
では、有機質廃棄物と人工珪酸カルシウムとの混合物の
水分含量を50〜60重量%に調整して発酵を行ってい
るため、有機質廃棄物100kgに対して通常30〜5
0kgもの多量の人工珪酸カルシウムを混合する必要が
ある。その結果、費用と作業の負担が大きく、しかも人
工珪酸カルシウムが分解されずに堆肥中に残留するた
め、堆肥化の重要な目的の1つである有機質廃棄物の容
量や重量の減少率が低くなり、有機質廃棄物の減量が円
滑に行われない。
はゾノトライトから選ばれる人工珪酸カルシウムの粉粒
体を混合し、その混合物と空気とを強制的に接触させ強
制発酵させて半熟発酵物とし、それを自然発酵させて完
熟発酵物として有機質廃棄物を堆肥化する方法が提案さ
れている(特公平5−73718号公報)。しかしなが
ら、この方法による場合は、有機質廃棄物と人工珪酸カ
ルシウムとの混合物に空気を吹き込むための多孔板や撹
拌羽根などを備えた強制発酵装置を用いて強制発酵する
ことが必要であり、そのため工程面および装置面で複雑
になり、手間およびコストがかかる。しかも、この方法
では、有機質廃棄物と人工珪酸カルシウムとの混合物の
水分含量を50〜60重量%に調整して発酵を行ってい
るため、有機質廃棄物100kgに対して通常30〜5
0kgもの多量の人工珪酸カルシウムを混合する必要が
ある。その結果、費用と作業の負担が大きく、しかも人
工珪酸カルシウムが分解されずに堆肥中に残留するた
め、堆肥化の重要な目的の1つである有機質廃棄物の容
量や重量の減少率が低くなり、有機質廃棄物の減量が円
滑に行われない。
【0005】また、有機質廃棄物に珪酸塩鉱物、フライ
アッシュおよび金属酸化物を混合して発酵させる方法が
提案されている(特開平7−61882号公報)。しか
し、この方法による場合は、発酵好適温度に達するまで
に長い時間がかかり、発酵が短期間に進行しないため、
有機質廃棄物の減量や堆肥化を短期間で行うことができ
ない。
アッシュおよび金属酸化物を混合して発酵させる方法が
提案されている(特開平7−61882号公報)。しか
し、この方法による場合は、発酵好適温度に達するまで
に長い時間がかかり、発酵が短期間に進行しないため、
有機質廃棄物の減量や堆肥化を短期間で行うことができ
ない。
【0006】また、畜産排泄物、食品残渣、活性汚泥な
どの被発酵原料は水分含量が多く、また食品残渣のうち
でも穀類に基づくパン類やご飯などを含む残渣は澱粉質
含量が多いことにより空気が入り込みにくく、しかも種
々の成分が混ざっていてpHも不安定であることから、
嫌気性になり易い。その結果、それらの被発酵原料に含
まれる微生物フローラ(微生物叢)のバランスが偏っ
て、好気性条件のもとで発酵に有効に働く有用微生物群
が増殖しにくい。特に、雰囲気温度が低い冬場には発酵
がなかなか進行せず、堆肥化に一層長い発酵期間が必要
である。
どの被発酵原料は水分含量が多く、また食品残渣のうち
でも穀類に基づくパン類やご飯などを含む残渣は澱粉質
含量が多いことにより空気が入り込みにくく、しかも種
々の成分が混ざっていてpHも不安定であることから、
嫌気性になり易い。その結果、それらの被発酵原料に含
まれる微生物フローラ(微生物叢)のバランスが偏っ
て、好気性条件のもとで発酵に有効に働く有用微生物群
が増殖しにくい。特に、雰囲気温度が低い冬場には発酵
がなかなか進行せず、堆肥化に一層長い発酵期間が必要
である。
【0007】かかる点から、本発明者らは、そのような
有機系被発酵原料を短期間で発酵させて堆肥化すること
を目的として、小麦フスマなどのようなアラビノキシラ
ン含量が20重量%以上である有機物100重量部に対
して、消石灰を1〜3重量部、フミン酸を3〜10重量
部および微生物資材を5〜20重量部の割合で配合した
発酵促進材、並びに該発酵促進材を用いる有機質肥料の
製造方法を開発して先に提案した(特開平8−1986
94号公報)。さらに、本発明者らは、畜産排泄物およ
び/または活性汚泥からなる被発酵原料の水分含量を5
5〜65重量%、pHを7.0〜8.5およびC/N比
を20以下に調整し、該調整された被発酵原料100重
量部に対して、小麦フスマを主体としこれに消石灰など
配合した発酵助剤を25〜50重量部の割合で加えて発
酵させて有機質肥料を製造する方法を開発して先に出願
した(特開平9−48685号公報)。
有機系被発酵原料を短期間で発酵させて堆肥化すること
を目的として、小麦フスマなどのようなアラビノキシラ
ン含量が20重量%以上である有機物100重量部に対
して、消石灰を1〜3重量部、フミン酸を3〜10重量
部および微生物資材を5〜20重量部の割合で配合した
発酵促進材、並びに該発酵促進材を用いる有機質肥料の
製造方法を開発して先に提案した(特開平8−1986
94号公報)。さらに、本発明者らは、畜産排泄物およ
び/または活性汚泥からなる被発酵原料の水分含量を5
5〜65重量%、pHを7.0〜8.5およびC/N比
を20以下に調整し、該調整された被発酵原料100重
量部に対して、小麦フスマを主体としこれに消石灰など
配合した発酵助剤を25〜50重量部の割合で加えて発
酵させて有機質肥料を製造する方法を開発して先に出願
した(特開平9−48685号公報)。
【0008】本発明者らによる上記した発明は、畜産排
泄物、食品残渣、活性汚泥などのような水分含量の多い
有機系被発酵原料を従来よりも短い期間で発酵させて肥
効性に優れる有機質肥料にすることができるという長所
を有する。しかしながら、これらの方法のうち、前者の
方法は、特定の微生物資材を使用する必要があり、また
消石灰を用いていることにより被発酵原料のpHが高く
なって悪臭の原因であるアンモニアが多く発生すること
があり、かかる点での改良の余地がある。また、後者の
方法は、有機系被発酵原料の水分含量、pH、C/N比
の調整が必要なため作業性上および経済性の点でこれら
の点での改良の余地があることが判明した。
泄物、食品残渣、活性汚泥などのような水分含量の多い
有機系被発酵原料を従来よりも短い期間で発酵させて肥
効性に優れる有機質肥料にすることができるという長所
を有する。しかしながら、これらの方法のうち、前者の
方法は、特定の微生物資材を使用する必要があり、また
消石灰を用いていることにより被発酵原料のpHが高く
なって悪臭の原因であるアンモニアが多く発生すること
があり、かかる点での改良の余地がある。また、後者の
方法は、有機系被発酵原料の水分含量、pH、C/N比
の調整が必要なため作業性上および経済性の点でこれら
の点での改良の余地があることが判明した。
【0009】さらに、本発明者らは、上記した本発明者
らによる方法を踏まえて研究を重ねて、畜産排泄物、食
品残渣、活性汚泥などのような有機系被発酵原料にアラ
ビノキシンラン含量が10質量%以上である有機物と珪
酸カルシウムを配合して有機質肥料を製造する方法をさ
らに開発して先に出願した(特開2000−26476
7号公報)。この方法により、肥効性に優れる良質の有
機質肥料を、空気と常に接触させるための特別の装置を
要せずに、また特定の微生物資材や消石灰などを添加せ
ずに、さらには被発酵原料の水分含量、pH、C/N比
の特別な調整などを行わずに、簡単な工程および操作
で、短い期間で得られるようになった。
らによる方法を踏まえて研究を重ねて、畜産排泄物、食
品残渣、活性汚泥などのような有機系被発酵原料にアラ
ビノキシンラン含量が10質量%以上である有機物と珪
酸カルシウムを配合して有機質肥料を製造する方法をさ
らに開発して先に出願した(特開2000−26476
7号公報)。この方法により、肥効性に優れる良質の有
機質肥料を、空気と常に接触させるための特別の装置を
要せずに、また特定の微生物資材や消石灰などを添加せ
ずに、さらには被発酵原料の水分含量、pH、C/N比
の特別な調整などを行わずに、簡単な工程および操作
で、短い期間で得られるようになった。
【0010】一方、植物に対する脂質障害を少なくする
ためには有機質肥料中の脂質含量を少なくすることが望
ましく、そのためには脂質分解率の高い有機質肥料を製
造する必要がある。更に、生ゴミ処理機などを用いて生
ゴミなどの有機系被発酵原料を発酵させる際に、発酵操
作をワンバッチごとに行うのではなく、生ゴミ処理機に
被発酵原料を次々投入すると共に、発酵済みの有機質肥
料を該処理機から次々と取り出し得るようにするために
は、発酵が途中で停止したり、短期間で終了せずに、長
期間にわたって高い発酵温度を維持しながら発酵を継続
させることが必要である。しかしながら、上記した従来
技術による場合は、被発酵原料中の脂質の分解率および
高い発酵温度の長期持続の点で、未だ十分に満足のゆく
ものではない。
ためには有機質肥料中の脂質含量を少なくすることが望
ましく、そのためには脂質分解率の高い有機質肥料を製
造する必要がある。更に、生ゴミ処理機などを用いて生
ゴミなどの有機系被発酵原料を発酵させる際に、発酵操
作をワンバッチごとに行うのではなく、生ゴミ処理機に
被発酵原料を次々投入すると共に、発酵済みの有機質肥
料を該処理機から次々と取り出し得るようにするために
は、発酵が途中で停止したり、短期間で終了せずに、長
期間にわたって高い発酵温度を維持しながら発酵を継続
させることが必要である。しかしながら、上記した従来
技術による場合は、被発酵原料中の脂質の分解率および
高い発酵温度の長期持続の点で、未だ十分に満足のゆく
ものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
産業や一般家庭などから排出される生ゴミ、厨芥、加工
残渣、野菜屑などのような食品残渣、畜舎などから発生
する牛糞、鶏糞、豚糞などの動物性の畜産排泄物、産業
廃棄物処理用の酸化槽による曝気処理後や下水処理後に
発生する汚泥、剪定枝、刈草、木材チップ、バーク、鋸
屑などのような木質残渣などの有機系廃棄物を、簡単な
工程および操作で、短い期間で発酵させて、全体の分解
率および脂質分解率が高くて、肥効性に優れ、しかも植
物に脂質の酸化に伴う生育障害を与えない、良質の有機
質肥料に変えることのできる方法およびそのための発酵
促進材を提供することである。さらに、本発明の目的
は、高い発酵温度を長時間にわたって維持でき、それに
よって前記した有機系廃棄物を発酵の停止や短期終了を
伴うことなく、次々と有機質肥料に変えることのでき
る、効率のよい有機質肥料の製造方法およびそのための
発酵促進材を提供することである。
産業や一般家庭などから排出される生ゴミ、厨芥、加工
残渣、野菜屑などのような食品残渣、畜舎などから発生
する牛糞、鶏糞、豚糞などの動物性の畜産排泄物、産業
廃棄物処理用の酸化槽による曝気処理後や下水処理後に
発生する汚泥、剪定枝、刈草、木材チップ、バーク、鋸
屑などのような木質残渣などの有機系廃棄物を、簡単な
工程および操作で、短い期間で発酵させて、全体の分解
率および脂質分解率が高くて、肥効性に優れ、しかも植
物に脂質の酸化に伴う生育障害を与えない、良質の有機
質肥料に変えることのできる方法およびそのための発酵
促進材を提供することである。さらに、本発明の目的
は、高い発酵温度を長時間にわたって維持でき、それに
よって前記した有機系廃棄物を発酵の停止や短期終了を
伴うことなく、次々と有機質肥料に変えることのでき
る、効率のよい有機質肥料の製造方法およびそのための
発酵促進材を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、畜産排泄物、食品残
渣、汚泥、木質残渣などの有機系の被発酵原料に対し
て、アラビノキシラン含量が10質量%以上である有機
物、珪酸カルシウム、焼却灰、並びにアルカリ性の金属
酸化物、金属水酸化物および/または炭酸塩を添加して
発酵させると、有機系廃棄物を、簡単な工程および操作
で、短期間で発酵させて、全体の分解率および脂質分解
率が高くて、肥効性に優れ、しかも脂質の酸化に伴う植
物の生育障害のない良質の有機質肥料が得られること、
しかもその際に高い発酵温度が長時間にわたって維持さ
れるため、上記の被発酵原料を次々と連続運転によって
有機質肥料に変えることが可能であることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記した有機質肥料の製造にお
いて、前記した成分と共に本発明者らが先に開発した特
定の発酵助剤を更に添加すると、発酵が一層促進され
て、発酵温度が一層高くなり、しかもその高い発酵温度
がより長時間にわたって維持されることを見出し、それ
らの知見に基づいて本発明を完成した。
本発明者らが検討を重ねた結果、畜産排泄物、食品残
渣、汚泥、木質残渣などの有機系の被発酵原料に対し
て、アラビノキシラン含量が10質量%以上である有機
物、珪酸カルシウム、焼却灰、並びにアルカリ性の金属
酸化物、金属水酸化物および/または炭酸塩を添加して
発酵させると、有機系廃棄物を、簡単な工程および操作
で、短期間で発酵させて、全体の分解率および脂質分解
率が高くて、肥効性に優れ、しかも脂質の酸化に伴う植
物の生育障害のない良質の有機質肥料が得られること、
しかもその際に高い発酵温度が長時間にわたって維持さ
れるため、上記の被発酵原料を次々と連続運転によって
有機質肥料に変えることが可能であることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記した有機質肥料の製造にお
いて、前記した成分と共に本発明者らが先に開発した特
定の発酵助剤を更に添加すると、発酵が一層促進され
て、発酵温度が一層高くなり、しかもその高い発酵温度
がより長時間にわたって維持されることを見出し、それ
らの知見に基づいて本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、(1) 被発酵原料
に、アラビノキシラン含量が10質量%以上である有機
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)、並び
にアルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ金属炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類
金属水酸化物およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれ
る少なくとも1種のアルカリ性金属化合物(d)を添加
して発酵させることを特徴とする有機質肥料の製造方法
である。
に、アラビノキシラン含量が10質量%以上である有機
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)、並び
にアルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ金属炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類
金属水酸化物およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれ
る少なくとも1種のアルカリ性金属化合物(d)を添加
して発酵させることを特徴とする有機質肥料の製造方法
である。
【0014】そして、本発明は、(2) 被発酵原料
に、アラビノキシラン含量が10質量%以上である有機
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)、アル
カリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属
炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水
酸化物およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少な
くとも1種のアルカリ性金属化合物(d)、並びに下記
の発酵助剤(e)を添加して発酵させることを特徴とする
有機質肥料の製造方法; ・発酵助剤(e): (i)小麦フスマおよび/または末粉、並びに有機質材
料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを6.0〜8.
5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよび/または末
粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量%以上の割合
で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃の温度で10分
間処理後に55℃の温度で生存可能な菌であって且つ該
耐熱性菌を発酵助材1g中、105CFU以上含有して
おり、(iv)発酵助材の全質量に基づいて腐植酸または
その誘導体の含有割合が0〜2.5質量%である発酵助
剤;である。
に、アラビノキシラン含量が10質量%以上である有機
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)、アル
カリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属
炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水
酸化物およびアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少な
くとも1種のアルカリ性金属化合物(d)、並びに下記
の発酵助剤(e)を添加して発酵させることを特徴とする
有機質肥料の製造方法; ・発酵助剤(e): (i)小麦フスマおよび/または末粉、並びに有機質材
料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを6.0〜8.
5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよび/または末
粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量%以上の割合
で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃の温度で10分
間処理後に55℃の温度で生存可能な菌であって且つ該
耐熱性菌を発酵助材1g中、105CFU以上含有して
おり、(iv)発酵助材の全質量に基づいて腐植酸または
その誘導体の含有割合が0〜2.5質量%である発酵助
剤;である。
【0015】本発明は、(3) 各成分の使用割合が、
有機物(a)100質量部に対して、珪酸カルシウム
(b)が5〜25質量部、焼却灰(c)が10〜40質
量部、アルカリ性金属化合物(d)が10〜40質量
部、および発酵助剤(e)が0〜200質量部である前
記(1)または(2)の有機質肥料の製造方法;およ
び、(4) 被発酵原料100質量部に対して、有機物
(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)およびア
ルカリ性金属化合物(d)を合計で1〜30質量部の割
合で添加し、発酵助剤(e)を0〜20質量部の割合で
添加する前記(1)〜(3)のいずれかの有機質肥料の
製造方法;を好ましい態様として包含する。
有機物(a)100質量部に対して、珪酸カルシウム
(b)が5〜25質量部、焼却灰(c)が10〜40質
量部、アルカリ性金属化合物(d)が10〜40質量
部、および発酵助剤(e)が0〜200質量部である前
記(1)または(2)の有機質肥料の製造方法;およ
び、(4) 被発酵原料100質量部に対して、有機物
(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)およびア
ルカリ性金属化合物(d)を合計で1〜30質量部の割
合で添加し、発酵助剤(e)を0〜20質量部の割合で
添加する前記(1)〜(3)のいずれかの有機質肥料の
製造方法;を好ましい態様として包含する。
【0016】そして、本発明は、(5) 前記(1)〜
(4)のいずれかの製造方法により得られた有機質肥料
である。
(4)のいずれかの製造方法により得られた有機質肥料
である。
【0017】さらに、本発明は、(6) アラビノキシ
ラン含量が10質量%以上である有機物(a)、珪酸カ
ルシウム(b)、焼却灰(c)、並びにアルカリ金属酸
化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、ア
ルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およ
びアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種
のアルカリ性金属化合物(d)を含む混合物からなるこ
とを特徴とする発酵促進材である。
ラン含量が10質量%以上である有機物(a)、珪酸カ
ルシウム(b)、焼却灰(c)、並びにアルカリ金属酸
化物、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、ア
ルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およ
びアルカリ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種
のアルカリ性金属化合物(d)を含む混合物からなるこ
とを特徴とする発酵促進材である。
【0018】そして、本発明は、(7) アラビノキシ
ラン含量が10質量%以上である有機物(a)、珪酸カ
ルシウム(b)、焼却灰(c)、アルカリ金属酸化物、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ
土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびアル
カリ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種のアル
カリ性金属化合物(d)、並びに下記の発酵助剤(e)
を含む混合物からなることを特徴とする発酵促進材; ・発酵助剤(e): (i)小麦フスマおよび/または末粉、並びに有機質材
料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを6.0〜8.
5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよび/または末
粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量%以上の割合
で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃の温度で10分
間処理後に55℃の温度で生存可能な菌であって且つ該
耐熱性菌を発酵助材1g中、105CFU以上含有して
おり、(iv)発酵助材の全質量に基づいて腐植酸または
その誘導体の含有割合が0〜2.5質量%である発酵助
剤;である。
ラン含量が10質量%以上である有機物(a)、珪酸カ
ルシウム(b)、焼却灰(c)、アルカリ金属酸化物、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ
土類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびアル
カリ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種のアル
カリ性金属化合物(d)、並びに下記の発酵助剤(e)
を含む混合物からなることを特徴とする発酵促進材; ・発酵助剤(e): (i)小麦フスマおよび/または末粉、並びに有機質材
料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを6.0〜8.
5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよび/または末
粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量%以上の割合
で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃の温度で10分
間処理後に55℃の温度で生存可能な菌であって且つ該
耐熱性菌を発酵助材1g中、105CFU以上含有して
おり、(iv)発酵助材の全質量に基づいて腐植酸または
その誘導体の含有割合が0〜2.5質量%である発酵助
剤;である。
【0019】本発明は、(8) 有機物(a)100質
量部に対して、珪酸カルシウム(b)を5〜25質量
部、焼却灰(c)を10〜40質量部、アルカリ性金属
化合物(d)を10〜40質量部、および発酵助剤
(e)を0〜200質量部の割合で含有する前記(6)
または(7)の発酵促進材を好ましい態様して包含す
る。
量部に対して、珪酸カルシウム(b)を5〜25質量
部、焼却灰(c)を10〜40質量部、アルカリ性金属
化合物(d)を10〜40質量部、および発酵助剤
(e)を0〜200質量部の割合で含有する前記(6)
または(7)の発酵促進材を好ましい態様して包含す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明で用いる被発酵原料の種類は特に制限され
ず、堆肥化(発酵)が可能な有機系の肥料原料であれば
いずれも使用可能である。被発酵原料の例としては、食
品産業や一般家庭などから排出される生ゴミ、厨芥、加
工残渣、野菜屑などのような各種食品残渣、畜舎などか
ら発生する牛糞、鶏糞、豚糞などの動物性の畜産排泄
物、産業廃棄物処理用の酸化槽による曝気処理後や下水
処理後に発生する汚泥、剪定枝、刈草、木材チップ、バ
ーク、鋸屑、モミガラ、木の葉、草などのような木質残
渣などを挙げることができ、これらは単独で使用しても
または2種以上を混合して使用してもよい。そのうちで
も、本発明の方法は、従来その取り扱いが苦慮されてき
た食品残渣、畜産排泄物、汚泥などの水分含量が多く且
つ悪臭発生の多い有機質廃棄物の堆肥化に有効である。
する。本発明で用いる被発酵原料の種類は特に制限され
ず、堆肥化(発酵)が可能な有機系の肥料原料であれば
いずれも使用可能である。被発酵原料の例としては、食
品産業や一般家庭などから排出される生ゴミ、厨芥、加
工残渣、野菜屑などのような各種食品残渣、畜舎などか
ら発生する牛糞、鶏糞、豚糞などの動物性の畜産排泄
物、産業廃棄物処理用の酸化槽による曝気処理後や下水
処理後に発生する汚泥、剪定枝、刈草、木材チップ、バ
ーク、鋸屑、モミガラ、木の葉、草などのような木質残
渣などを挙げることができ、これらは単独で使用しても
または2種以上を混合して使用してもよい。そのうちで
も、本発明の方法は、従来その取り扱いが苦慮されてき
た食品残渣、畜産排泄物、汚泥などの水分含量が多く且
つ悪臭発生の多い有機質廃棄物の堆肥化に有効である。
【0021】本発明で用いる上記の有機物(a)は、ア
ラビノキシラン含量が10質量%以上の有機物であれば
いずれも使用でき、そのうちでもアラビノキシラン含量
が20質量%以上の有機物が好ましく用いられる。アラ
ビノキシラン含量が10質量%未満の有機物を用いる
と、上記した被発酵原料を短期間に円滑に発酵させて堆
肥化することができない。本発明で好ましく用いられる
有機物(a)の具体例としては、小麦フスマ(アラビノ
キシラン含量:通常約25〜40質量%)、小麦末粉
(同約15〜25質量%)、米ヌカ(同約20〜45質
量%)、グルテンフィード(同約20〜40質量%)、
ビール粕(同約20〜40質量%)、トウモロコシ外皮
(同約25〜45質量%)などを挙げることができ、こ
れらは単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよ
い。
ラビノキシラン含量が10質量%以上の有機物であれば
いずれも使用でき、そのうちでもアラビノキシラン含量
が20質量%以上の有機物が好ましく用いられる。アラ
ビノキシラン含量が10質量%未満の有機物を用いる
と、上記した被発酵原料を短期間に円滑に発酵させて堆
肥化することができない。本発明で好ましく用いられる
有機物(a)の具体例としては、小麦フスマ(アラビノ
キシラン含量:通常約25〜40質量%)、小麦末粉
(同約15〜25質量%)、米ヌカ(同約20〜45質
量%)、グルテンフィード(同約20〜40質量%)、
ビール粕(同約20〜40質量%)、トウモロコシ外皮
(同約25〜45質量%)などを挙げることができ、こ
れらは単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよ
い。
【0022】本発明で用いる珪酸カルシウム(b)とし
ては、シリカなどの珪酸質原料と石灰、セメントなどの
石灰質原料を混合して水性スラリーを調製し、この水性
スラリーを高圧高温の水蒸気を用いて養生して得られる
多孔質の珪酸カルシウムが好ましく用いられる。このよ
うな多孔質の珪酸カルシウムとしては、例えば、ALC
(軽量コンクリート)粉状体、トベルモライト、ゾノト
ライトなどを挙げることができる。本発明では1種類の
珪酸カルシウムを用いても、または2種以上の珪酸カル
シウムを併用してもよい。
ては、シリカなどの珪酸質原料と石灰、セメントなどの
石灰質原料を混合して水性スラリーを調製し、この水性
スラリーを高圧高温の水蒸気を用いて養生して得られる
多孔質の珪酸カルシウムが好ましく用いられる。このよ
うな多孔質の珪酸カルシウムとしては、例えば、ALC
(軽量コンクリート)粉状体、トベルモライト、ゾノト
ライトなどを挙げることができる。本発明では1種類の
珪酸カルシウムを用いても、または2種以上の珪酸カル
シウムを併用してもよい。
【0023】本発明で用いる焼却灰(c)としては、微
粉炭燃焼ボイラーから集塵器により採取される微小な灰
の粒子(フライアッシュ)、微粉炭以外の被燃焼材料
(例えば汚泥、鶏糞、植物発生材などの有機資材)を燃
焼した際に採取される微細な灰の粒子(フライアッシ
ュ)や焼却残渣などを挙げることができる。本発明では
前記した焼却灰の1種または2種以上を使用することが
でき、そのうちでもフライアッシュが好ましく用いられ
る。
粉炭燃焼ボイラーから集塵器により採取される微小な灰
の粒子(フライアッシュ)、微粉炭以外の被燃焼材料
(例えば汚泥、鶏糞、植物発生材などの有機資材)を燃
焼した際に採取される微細な灰の粒子(フライアッシ
ュ)や焼却残渣などを挙げることができる。本発明では
前記した焼却灰の1種または2種以上を使用することが
でき、そのうちでもフライアッシュが好ましく用いられ
る。
【0024】本発明で用いるアルカリ性金属化合物
(d)は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の
酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルシウム、マグネシウ
ム、バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩であり、具体例としては酸化ナトリウム、酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸バリウムなどを挙げることができ、こ
れらの1種または2種以上を用いることができる。その
うちでも、アルカリ性金属化合物(d)としては、酸化
カルシウム(生石灰)および水酸化カルシウム(消石
灰)の一方または両方が、取り扱い性に優れ、しかも被
発酵原料に他の成分と共に添加したときに発酵に適した
pH環境などを発現させ易い点から好ましく用いられ
る。
(d)は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の
酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルシウム、マグネシウ
ム、バリウムなどのアルカリ土類金属の酸化物、水酸化
物、炭酸塩であり、具体例としては酸化ナトリウム、酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、酸化カルシウム、酸化マグ
ネシウム、酸化バリウム、水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、炭酸バリウムなどを挙げることができ、こ
れらの1種または2種以上を用いることができる。その
うちでも、アルカリ性金属化合物(d)としては、酸化
カルシウム(生石灰)および水酸化カルシウム(消石
灰)の一方または両方が、取り扱い性に優れ、しかも被
発酵原料に他の成分と共に添加したときに発酵に適した
pH環境などを発現させ易い点から好ましく用いられ
る。
【0025】本発明では、被発酵原料に、上記した有機
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)および
アルカリ性金属化合物(d)の4つの成分を被発酵原料
に添加して発酵を行っても、またはそれら4つの成分と
共にさらに発酵助剤(e)を添加して発酵を行ってもよ
い。有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ性金属化合物(d)および発酵助剤
(e)の5つの成分を添加して発酵を行うことが好まし
い。前記した5つの成分を添加することによって、発酵
時の最高温度への到達時間がより短くなり、しかも得ら
れる有機質肥料における全体の分解率および脂質分解率
が一層高くなる。
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)および
アルカリ性金属化合物(d)の4つの成分を被発酵原料
に添加して発酵を行っても、またはそれら4つの成分と
共にさらに発酵助剤(e)を添加して発酵を行ってもよ
い。有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ性金属化合物(d)および発酵助剤
(e)の5つの成分を添加して発酵を行うことが好まし
い。前記した5つの成分を添加することによって、発酵
時の最高温度への到達時間がより短くなり、しかも得ら
れる有機質肥料における全体の分解率および脂質分解率
が一層高くなる。
【0026】本発明で好ましく用いられる発酵助剤
(e)は、(i)小麦フスマおよび/または末粉、並び
に有機質材料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを
6.0〜8.5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよ
び/または末粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量
%以上の割合で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃
の温度で10分間処理後に55℃の温度で生存可能な菌
であって且つ該耐熱性菌を発酵助材1g中、105CF
U以上含有しており、(iv)発酵助材の全質量に基づい
て腐植酸またはその誘導体の含有割合が0〜2.5質量
%である。
(e)は、(i)小麦フスマおよび/または末粉、並び
に有機質材料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを
6.0〜8.5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよ
び/または末粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量
%以上の割合で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃
の温度で10分間処理後に55℃の温度で生存可能な菌
であって且つ該耐熱性菌を発酵助材1g中、105CF
U以上含有しており、(iv)発酵助材の全質量に基づい
て腐植酸またはその誘導体の含有割合が0〜2.5質量
%である。
【0027】発酵助剤(e)で用いる、有機質材料を資
化する上記の耐熱性菌の具体例としては、バチルス・サ
ブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス
(Bacillus cereus)、バチルス・コアギュランス(Bac
illus coagulans)、バチルス・ステアロサーモフィラ
ス(Bacillus stearothermophilus)などのバチルス属
微生物、サーモアクチノミセス・ブルガリス(Thermoac
tinomyces vulgaris)、サーモモノスポーラ・カーバラ
(Thermomonospora curvara)などの好温・好熱性の放
線菌、フミコーラ・インソレンス(Humicola insoken
s)、タラロマイセス・デユポンティ(Talaromyces dup
ontii)などの好熱性の糸状菌などを挙げることがで
き、発酵助剤(e)はこれらの耐熱性菌の1種または2
種以上を含有することができる。前記した耐熱性菌は、
80℃の温度で10分間処理後に55℃の温度で生存可
能であり且つ有機質材料に対する資化能に優れている。
化する上記の耐熱性菌の具体例としては、バチルス・サ
ブチルス(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス
(Bacillus cereus)、バチルス・コアギュランス(Bac
illus coagulans)、バチルス・ステアロサーモフィラ
ス(Bacillus stearothermophilus)などのバチルス属
微生物、サーモアクチノミセス・ブルガリス(Thermoac
tinomyces vulgaris)、サーモモノスポーラ・カーバラ
(Thermomonospora curvara)などの好温・好熱性の放
線菌、フミコーラ・インソレンス(Humicola insoken
s)、タラロマイセス・デユポンティ(Talaromyces dup
ontii)などの好熱性の糸状菌などを挙げることがで
き、発酵助剤(e)はこれらの耐熱性菌の1種または2
種以上を含有することができる。前記した耐熱性菌は、
80℃の温度で10分間処理後に55℃の温度で生存可
能であり且つ有機質材料に対する資化能に優れている。
【0028】発酵助剤(e)は、有機質材料に対する発
酵促進効果の点から、上述のように、発酵助剤(e)1
g中に前記した耐熱性菌を105CFU(Coloni
Forming Unit)以上の割合で含有してい
ることが好ましく、106CFU以上の割合で含有して
いることがより好ましい。ここで、本発明でいう耐熱性
菌の前記したCFUの値は、55℃の高温槽内で標準寒
天培地を用いて48時間培養したときの、コロニー数を
いい、その具体的な内容は以下の実施例の項に記載する
とおりである。
酵促進効果の点から、上述のように、発酵助剤(e)1
g中に前記した耐熱性菌を105CFU(Coloni
Forming Unit)以上の割合で含有してい
ることが好ましく、106CFU以上の割合で含有して
いることがより好ましい。ここで、本発明でいう耐熱性
菌の前記したCFUの値は、55℃の高温槽内で標準寒
天培地を用いて48時間培養したときの、コロニー数を
いい、その具体的な内容は以下の実施例の項に記載する
とおりである。
【0029】また、発酵助剤(e)に用いる上記腐植酸
またはその誘導体の具体例としては、石炭化度の低い泥
炭、亜炭などの若年炭類に含まれるアルカリ可溶の不定
形高分子有機酸、および該不定形高分子有機酸を硝酸で
酸化分解して得られるニトロフミン酸およびその塩類、
泥炭、亜炭等の若年炭などのフミン酸を含有する物質な
ど挙げることができる。そのうちでも、発酵助剤(e)
は、腐植酸またはその誘導体として、泥炭、亜炭などか
ら分離されたフミン酸や、ニトロフミン酸、またはその
塩類を用を含有していることが発酵促進効果などの点か
ら好ましい。発酵助剤(e)は、小麦フスマおよび/ま
たは末粉、前記した耐熱性菌並びに腐植酸またはその誘
導体を、必要に応じてpH調整剤と共に混合して、pH
が6.0〜8.5の範囲の混合物とすることにより得る
ことができる。本発明で好ましく用いる発酵助剤(e)
の詳細は、特開2000−154083号公報に記載さ
れており、該公報に記載されている「発酵促進材」が本
発明で用いる発酵助剤(e)に相当する。
またはその誘導体の具体例としては、石炭化度の低い泥
炭、亜炭などの若年炭類に含まれるアルカリ可溶の不定
形高分子有機酸、および該不定形高分子有機酸を硝酸で
酸化分解して得られるニトロフミン酸およびその塩類、
泥炭、亜炭等の若年炭などのフミン酸を含有する物質な
ど挙げることができる。そのうちでも、発酵助剤(e)
は、腐植酸またはその誘導体として、泥炭、亜炭などか
ら分離されたフミン酸や、ニトロフミン酸、またはその
塩類を用を含有していることが発酵促進効果などの点か
ら好ましい。発酵助剤(e)は、小麦フスマおよび/ま
たは末粉、前記した耐熱性菌並びに腐植酸またはその誘
導体を、必要に応じてpH調整剤と共に混合して、pH
が6.0〜8.5の範囲の混合物とすることにより得る
ことができる。本発明で好ましく用いる発酵助剤(e)
の詳細は、特開2000−154083号公報に記載さ
れており、該公報に記載されている「発酵促進材」が本
発明で用いる発酵助剤(e)に相当する。
【0030】被発酵原料を発酵させる際の各成分の使用
割合は、被発酵原料の種類や状態(水分含量、pH、そ
の他の状態)によって異なり得るが、一般には、有機物
(a)100質量部に対して、珪酸カルシウム(b)を
5〜25質量部、焼却灰(c)を10〜40質量部、ア
ルカリ性金属化合物(d)を10〜40質量部、および
発酵助剤(e)を0〜200質量部の割合で使用するこ
とが、発酵温度の上昇、最高発酵温度への到達時間の短
縮、高温の発酵温度の長時間持続、それらに伴う被発酵
原料全体の分解率および脂質分解率の向上などの点から
好ましい。各成分の割合が前記した範囲から外れると、
発酵が円滑に行われないことがある。特に、有機物
(a)100質量部に対して、珪酸カルシウム(b)を
10〜20質量部、焼却灰(c)を20〜30質量部、
アルカリ性金属化合物(d)を20〜30質量部および
発酵助剤(e)を50〜150質量部の割合で使用する
ことがより好ましい。
割合は、被発酵原料の種類や状態(水分含量、pH、そ
の他の状態)によって異なり得るが、一般には、有機物
(a)100質量部に対して、珪酸カルシウム(b)を
5〜25質量部、焼却灰(c)を10〜40質量部、ア
ルカリ性金属化合物(d)を10〜40質量部、および
発酵助剤(e)を0〜200質量部の割合で使用するこ
とが、発酵温度の上昇、最高発酵温度への到達時間の短
縮、高温の発酵温度の長時間持続、それらに伴う被発酵
原料全体の分解率および脂質分解率の向上などの点から
好ましい。各成分の割合が前記した範囲から外れると、
発酵が円滑に行われないことがある。特に、有機物
(a)100質量部に対して、珪酸カルシウム(b)を
10〜20質量部、焼却灰(c)を20〜30質量部、
アルカリ性金属化合物(d)を20〜30質量部および
発酵助剤(e)を50〜150質量部の割合で使用する
ことがより好ましい。
【0031】被発酵原料への前記した成分の添加量は、
被発酵原料の種類や状態(水分含量、pH、その他の状
態)などによって異なり得るが、一般には、被発酵原料
(水分を含有したままの被発酵原料)100質量部に対
して、有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を合計で1〜
30質量部の割合で添加し、発酵助剤(e)を0〜20
質量部の割合で添加することが、発酵温度の上昇、最高
発酵温度への到達時間の短縮、高温の発酵温度での長時
間持続、それらに伴う被発酵原料全体の分解率および脂
質分解率の向上などの点から好ましい。被発酵原料に対
する前記成分の添加量が前記した範囲から外れると、発
酵が円滑に行われないことがある。特に、被発酵原料1
00質量部に対して、有機物(a)、珪酸カルシウム
(b)、焼却灰(c)およびアルカリ性金属化合物
(d)を合計で3〜10質量部の割合で添加し、発酵助
剤(e)を1〜10質量部の割合で添加することがより
好ましい。
被発酵原料の種類や状態(水分含量、pH、その他の状
態)などによって異なり得るが、一般には、被発酵原料
(水分を含有したままの被発酵原料)100質量部に対
して、有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を合計で1〜
30質量部の割合で添加し、発酵助剤(e)を0〜20
質量部の割合で添加することが、発酵温度の上昇、最高
発酵温度への到達時間の短縮、高温の発酵温度での長時
間持続、それらに伴う被発酵原料全体の分解率および脂
質分解率の向上などの点から好ましい。被発酵原料に対
する前記成分の添加量が前記した範囲から外れると、発
酵が円滑に行われないことがある。特に、被発酵原料1
00質量部に対して、有機物(a)、珪酸カルシウム
(b)、焼却灰(c)およびアルカリ性金属化合物
(d)を合計で3〜10質量部の割合で添加し、発酵助
剤(e)を1〜10質量部の割合で添加することがより
好ましい。
【0032】本発明では、被発酵原料の発酵に当たっ
て、前記した有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼
却灰(c)、アルカリ性金属化合物(d)、発酵助剤
(e)と共に、必要に応じて、バーミキュライト、パー
ライトなどの鉱物、おが屑などを本発明の目的を阻害し
ない量で用いてもよい。
て、前記した有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼
却灰(c)、アルカリ性金属化合物(d)、発酵助剤
(e)と共に、必要に応じて、バーミキュライト、パー
ライトなどの鉱物、おが屑などを本発明の目的を阻害し
ない量で用いてもよい。
【0033】被発酵原料に前記した成分を添加するに当
たっては、例えば、 (1) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を予め混合し
て発酵助剤(e)を含まない混合物(発酵促進材)を調
製しておき、その混合物(発酵促進材)を被発酵原料に
添加し全成分を均一に混合して発酵を行う方法; (2) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を予め混合し
て発酵助剤(e)を含まない混合物(発酵促進材)を調
製しておき、その混合物(発酵促進材)と発酵助剤
(e)を被発酵原料に添加し全成分を均一に混合して発
酵を行う方法; (3) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)および発酵助
剤(e)を予め混合して発酵助剤(e)を含む混合物
(発酵促進材)を調製しておき、その混合物(発酵促進
材)を被発酵原料に添加し全成分を均一に混合して発酵
を行う方法; (4) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を個別に被発
酵原料に添加した後に全成分をよく混合して発酵を行う
方法; (5) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ性金属化合物(d)および発酵助剤
(e)を個別に被発酵原料に添加した後に全成分をよく
混合して発酵を行う方法;などの方法を採用することが
できる。
たっては、例えば、 (1) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を予め混合し
て発酵助剤(e)を含まない混合物(発酵促進材)を調
製しておき、その混合物(発酵促進材)を被発酵原料に
添加し全成分を均一に混合して発酵を行う方法; (2) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を予め混合し
て発酵助剤(e)を含まない混合物(発酵促進材)を調
製しておき、その混合物(発酵促進材)と発酵助剤
(e)を被発酵原料に添加し全成分を均一に混合して発
酵を行う方法; (3) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)および発酵助
剤(e)を予め混合して発酵助剤(e)を含む混合物
(発酵促進材)を調製しておき、その混合物(発酵促進
材)を被発酵原料に添加し全成分を均一に混合して発酵
を行う方法; (4) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)を個別に被発
酵原料に添加した後に全成分をよく混合して発酵を行う
方法; (5) 有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ性金属化合物(d)および発酵助剤
(e)を個別に被発酵原料に添加した後に全成分をよく
混合して発酵を行う方法;などの方法を採用することが
できる。
【0034】前記した(1)〜(5)のいずれの方法に
よっても、発酵が速やかに進行し、短時間のうちに高い
発酵温度に達し、該高い発酵温度が長時間にわたって維
持されるため、被発酵原料を短期間で堆肥化することが
できる。それにより得られる有機質肥料は、成分全体の
分解率および脂質分解率が高く、肥効性に優れ、しかも
植物に対する脂質の酸化に伴う生育障害を招かない。そ
の上、最高発酵温度が高く、しかも高い発酵温度での持
続時間が長いので、生ゴミ処理機などの発酵装置に被発
酵原料を次々と投入しながら発酵を行わせ、その一方で
発酵済みの有機質肥料を次々と取り出す連続運転が可能
である。
よっても、発酵が速やかに進行し、短時間のうちに高い
発酵温度に達し、該高い発酵温度が長時間にわたって維
持されるため、被発酵原料を短期間で堆肥化することが
できる。それにより得られる有機質肥料は、成分全体の
分解率および脂質分解率が高く、肥効性に優れ、しかも
植物に対する脂質の酸化に伴う生育障害を招かない。そ
の上、最高発酵温度が高く、しかも高い発酵温度での持
続時間が長いので、生ゴミ処理機などの発酵装置に被発
酵原料を次々と投入しながら発酵を行わせ、その一方で
発酵済みの有機質肥料を次々と取り出す連続運転が可能
である。
【0035】特に、前記した(1)〜(3)の方法で用
いる、有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)の混合物、ま
たは有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ性金属化合物(d)および発酵助剤
(e)の混合物は、そのままで本発明の発酵促進材とし
て保存、流通、販売することができる。該発酵促進材
は、粉末状のままであっても、またはペレットなどに成
形してもよい。本発明のこの発酵促進材を使用すると、
畜産排泄物、食品残渣、汚泥、木質残渣などの被発酵原
料に該発酵促進材を添加し均一に混合することにより、
有機質肥料を極めて簡単に製造することができる。
いる、有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)およびアルカリ性金属化合物(d)の混合物、ま
たは有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ性金属化合物(d)および発酵助剤
(e)の混合物は、そのままで本発明の発酵促進材とし
て保存、流通、販売することができる。該発酵促進材
は、粉末状のままであっても、またはペレットなどに成
形してもよい。本発明のこの発酵促進材を使用すると、
畜産排泄物、食品残渣、汚泥、木質残渣などの被発酵原
料に該発酵促進材を添加し均一に混合することにより、
有機質肥料を極めて簡単に製造することができる。
【0036】有機質肥料を製造する際の発酵条件は特に
制限されず、有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼
却灰(c)、アルカリ性金属化合物(d)および場合に
より発酵助剤(e)を被発酵原料に均一に混合し、それ
ををときどき撹拌(切り返し)して好気性条件下に発酵
させることによって、肥効性に優れ、脂質の酸化による
植物の生育障害のない、高品質の有機質肥料を短期間
(堆積式による場合に通常30〜60日程度)で円滑に
製造することができる。有機質肥料製造時の前記した撹
拌(切り返し)は通常7〜14日に1回程度の割合で行
えば十分である。発酵操作は、前記した成分を混合した
被発酵原料を屋外や床などに堆積して行うことができ
る。また、発酵リアクターや生ゴミ処理機などの発酵装
置などを用いて行ってもよく、その場合に発酵装置によ
る一次処理を24時間以内に終了させ、発酵装置から取
り出した後に二次発酵を通常7〜14日間程度行うこと
で、良質の有機質肥料を製造することができる。発酵リ
アクターや生ゴミ処理機などの装置を用いる場合はバッ
チ式または連続式のいずれで行ってもよい。また、発酵
リアクターや生ゴミ処理機などの発酵装置には、撹拌手
段や空気導入手段などを設けておくこともできる。
制限されず、有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼
却灰(c)、アルカリ性金属化合物(d)および場合に
より発酵助剤(e)を被発酵原料に均一に混合し、それ
ををときどき撹拌(切り返し)して好気性条件下に発酵
させることによって、肥効性に優れ、脂質の酸化による
植物の生育障害のない、高品質の有機質肥料を短期間
(堆積式による場合に通常30〜60日程度)で円滑に
製造することができる。有機質肥料製造時の前記した撹
拌(切り返し)は通常7〜14日に1回程度の割合で行
えば十分である。発酵操作は、前記した成分を混合した
被発酵原料を屋外や床などに堆積して行うことができ
る。また、発酵リアクターや生ゴミ処理機などの発酵装
置などを用いて行ってもよく、その場合に発酵装置によ
る一次処理を24時間以内に終了させ、発酵装置から取
り出した後に二次発酵を通常7〜14日間程度行うこと
で、良質の有機質肥料を製造することができる。発酵リ
アクターや生ゴミ処理機などの装置を用いる場合はバッ
チ式または連続式のいずれで行ってもよい。また、発酵
リアクターや生ゴミ処理機などの発酵装置には、撹拌手
段や空気導入手段などを設けておくこともできる。
【0037】本発明により得られる有機質肥料は、悪臭
や異臭が少なく、被発酵原料全体の分解が十分に進んで
いる。しかも、脂質の分解率が極めて高く、その上一般
に細粒状を呈しているため、肥効性および扱い性に優れ
ており、更には植物に対する脂質の酸化による生育障害
を招かないので、野菜類、稲や麦を代表とする穀類用植
物、草花、果樹、樹木などの植物用の肥料として極めて
有効に用いることができる。
や異臭が少なく、被発酵原料全体の分解が十分に進んで
いる。しかも、脂質の分解率が極めて高く、その上一般
に細粒状を呈しているため、肥効性および扱い性に優れ
ており、更には植物に対する脂質の酸化による生育障害
を招かないので、野菜類、稲や麦を代表とする穀類用植
物、草花、果樹、樹木などの植物用の肥料として極めて
有効に用いることができる。
【0038】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
以下の例において、被発酵原料の水分含量の測定、発酵
時(有機質肥料の製造時)の温度の測定、被発酵原料全
体の分解率と脂質分解率の算出は、下記のようにして行
った。
明するが、本発明は以下の例により何ら限定されない。
以下の例において、被発酵原料の水分含量の測定、発酵
時(有機質肥料の製造時)の温度の測定、被発酵原料全
体の分解率と脂質分解率の算出は、下記のようにして行
った。
【0039】[被発酵原料の水分含量の測定]被発酵原
料を、水分含量測定用のアルミニウム缶に約5g秤量
し、135℃で2時間乾燥させる。乾燥による水分の減
少率を、水分含量とし測定した。
料を、水分含量測定用のアルミニウム缶に約5g秤量
し、135℃で2時間乾燥させる。乾燥による水分の減
少率を、水分含量とし測定した。
【0040】[発酵時(有機質肥料の製造時)の温度の
測定]小型発酵リアクターの温度センサーにて温度を経
時的に測定して、発酵温度を経時的に測定し、発酵開始
時点、発酵開始から10時間、20時間、30時間およ
び45時間後の温度を求めた。
測定]小型発酵リアクターの温度センサーにて温度を経
時的に測定して、発酵温度を経時的に測定し、発酵開始
時点、発酵開始から10時間、20時間、30時間およ
び45時間後の温度を求めた。
【0041】[被発酵原料全体の分解率]被発酵原料の
発酵前および発酵後の重量および水分を測定して、発酵
前および発酵後の乾物重量を算出し、発酵後の乾物重量
の減少率を求めて、被発酵原料全体の分解率とした。
発酵前および発酵後の重量および水分を測定して、発酵
前および発酵後の乾物重量を算出し、発酵後の乾物重量
の減少率を求めて、被発酵原料全体の分解率とした。
【0042】[脂質分解率]発酵前または発酵後の被発
酵原料からエーテルにより脂質を抽出して脂質含有率を
測定し、被発酵原料の全体の重量とその脂質含有率から
全体の脂質量を算出し、脂質の減少率を脂質分解率とし
た。
酵原料からエーテルにより脂質を抽出して脂質含有率を
測定し、被発酵原料の全体の重量とその脂質含有率から
全体の脂質量を算出し、脂質の減少率を脂質分解率とし
た。
【0043】《参考例1》[発酵助剤(e)の製造] 小麦フスマ1000g、微生物資材(有機質材料を資化
するバチルス・サブチルス他の耐熱性菌を微生物資材1
g当たり1×108CFUの割合で含有)54g、ニト
ロフミン酸(テルナイト社製「NHA」)11gおよび
pH調整剤として炭酸カルシウム11gを均一に混合し
て、発酵助剤(e)(pH7.0、耐熱性菌5×106
/発酵助材1g)を調製した。なお、この発酵助剤
(e)の調製に用いた前記微生物資材中の耐熱性菌数
は、以下の方法により測定した。
するバチルス・サブチルス他の耐熱性菌を微生物資材1
g当たり1×108CFUの割合で含有)54g、ニト
ロフミン酸(テルナイト社製「NHA」)11gおよび
pH調整剤として炭酸カルシウム11gを均一に混合し
て、発酵助剤(e)(pH7.0、耐熱性菌5×106
/発酵助材1g)を調製した。なお、この発酵助剤
(e)の調製に用いた前記微生物資材中の耐熱性菌数
は、以下の方法により測定した。
【0044】[微生物資材中の耐熱性菌数の測定]微生
物資材1gを滅菌水9mlで混釈し、その後、微生物菌
数に応じて希釈する(平板希釈法)。次いで80℃で1
0分間保温した後、標準寒天培地(栄研化学製「パール
コア」)に塗沫し、55℃の恒温槽内で2日間培養した
後、培地上のコロニー数を数えて、微生物資材1g当た
りの耐熱性菌数を求めた。
物資材1gを滅菌水9mlで混釈し、その後、微生物菌
数に応じて希釈する(平板希釈法)。次いで80℃で1
0分間保温した後、標準寒天培地(栄研化学製「パール
コア」)に塗沫し、55℃の恒温槽内で2日間培養した
後、培地上のコロニー数を数えて、微生物資材1g当た
りの耐熱性菌数を求めた。
【0045】《実施例1》 (1) 下記の表1に示す4種類の発酵促進材〜を
準備した。 (2) パン屑を主体とする食品残渣(水分含量約60
質量%)500gに対して、上記(1)で準備した発酵
促進材〜のいずれかと、上記の参考例1で調製した
発酵助剤(e)を下記の表2に示す量で加えて均一に混
合した後、小型発酵リアクター(内容量1000ml)
に充填し、上記した方法で発酵温度を経時的に測定・記
録した。その結果は、下記の表2に示すとおりであっ
た。 (3) また、対照として、発酵促進材および発酵助剤
(e)のいずれをも加えずに、同じ食品残渣のみを発酵
リアクターに充填し、上記した方法で発酵温度を経時的
に測定・記録した。その結果は、下記の表2に示すとお
りであった。
準備した。 (2) パン屑を主体とする食品残渣(水分含量約60
質量%)500gに対して、上記(1)で準備した発酵
促進材〜のいずれかと、上記の参考例1で調製した
発酵助剤(e)を下記の表2に示す量で加えて均一に混
合した後、小型発酵リアクター(内容量1000ml)
に充填し、上記した方法で発酵温度を経時的に測定・記
録した。その結果は、下記の表2に示すとおりであっ
た。 (3) また、対照として、発酵促進材および発酵助剤
(e)のいずれをも加えずに、同じ食品残渣のみを発酵
リアクターに充填し、上記した方法で発酵温度を経時的
に測定・記録した。その結果は、下記の表2に示すとお
りであった。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】上記の表2の結果から明らかなように、実
験番号4(実施例)では、小麦フスマ、珪酸カルシウ
ム、フライアッシュおよび消石灰[アルカリ性金属化合
物(d)]からなる発酵促進材と共に発酵助剤(e)を
配合して発酵を行ったことにより、極めて短時間のうち
に高い発酵温度に達することができた。しかも、その発
酵温度が、実験番号1〜5のうちで最も高く、さらには
その高い発酵温度が長時間にわたってそのまま維持され
た。それに対して、発酵促進材および発酵助剤(e)を
何ら添加していない実験番号1(対照例)では、発酵は
何ら生じなかった。また、小麦フスマのみからなる発酵
促進材と発酵助剤(e)を配合して発酵を行った実験番
号2(比較例)と、小麦フスマと珪酸カルシウムからな
る発酵促進材と発酵助剤(e)を配合して発酵を行った
実験番号3(比較例)では、短時間のうちにかなり高い
発酵温度に達するが、高い発酵温度での維持時間が短く
て、短時間のうちに発酵温度が低下した。さらに、珪酸
カルシウム、フライアッシュおよび消石灰からなる発酵
促進材と発酵助剤(e)を配合して発酵を行った実験番
号5(比較例)では、発酵開始から45時間後に発酵温
度が漸く44.1℃に達し、発酵に長い時間がかかっ
た。
験番号4(実施例)では、小麦フスマ、珪酸カルシウ
ム、フライアッシュおよび消石灰[アルカリ性金属化合
物(d)]からなる発酵促進材と共に発酵助剤(e)を
配合して発酵を行ったことにより、極めて短時間のうち
に高い発酵温度に達することができた。しかも、その発
酵温度が、実験番号1〜5のうちで最も高く、さらには
その高い発酵温度が長時間にわたってそのまま維持され
た。それに対して、発酵促進材および発酵助剤(e)を
何ら添加していない実験番号1(対照例)では、発酵は
何ら生じなかった。また、小麦フスマのみからなる発酵
促進材と発酵助剤(e)を配合して発酵を行った実験番
号2(比較例)と、小麦フスマと珪酸カルシウムからな
る発酵促進材と発酵助剤(e)を配合して発酵を行った
実験番号3(比較例)では、短時間のうちにかなり高い
発酵温度に達するが、高い発酵温度での維持時間が短く
て、短時間のうちに発酵温度が低下した。さらに、珪酸
カルシウム、フライアッシュおよび消石灰からなる発酵
促進材と発酵助剤(e)を配合して発酵を行った実験番
号5(比較例)では、発酵開始から45時間後に発酵温
度が漸く44.1℃に達し、発酵に長い時間がかかっ
た。
【0049】《実施例2》 (1) 即席麺を主体とする食品残渣(水分含量約55
質量%)に対して、実施例1の(1)で準備したのと同
じ発酵促進材〜のいずれかと、上記の参考例1で調
製した発酵助剤(e)を、下記の表3に示す量で加えて
均一に混合した後、その約3kgを家庭用生ゴミ処理機
(松下電工株式会社製「生ごみイーターTK−40
1」)に投入して発酵させ、5日後に、発酵物の分解率
および脂質分解率を上記した方法で求めたところ、下記
の表3に示すとおりであった。 (2) また、対照として、発酵促進材および発酵助剤
(e)のいずれをも加えずに、同じ食品残渣の約3kg
を、上記(1)で用いたのと同じ家庭用生ゴミ処理機に
投入して、5日後に、投入物の分解率および脂質分解率
を上記した方法で求めたところ、下記の表3に示すとお
りであった。
質量%)に対して、実施例1の(1)で準備したのと同
じ発酵促進材〜のいずれかと、上記の参考例1で調
製した発酵助剤(e)を、下記の表3に示す量で加えて
均一に混合した後、その約3kgを家庭用生ゴミ処理機
(松下電工株式会社製「生ごみイーターTK−40
1」)に投入して発酵させ、5日後に、発酵物の分解率
および脂質分解率を上記した方法で求めたところ、下記
の表3に示すとおりであった。 (2) また、対照として、発酵促進材および発酵助剤
(e)のいずれをも加えずに、同じ食品残渣の約3kg
を、上記(1)で用いたのと同じ家庭用生ゴミ処理機に
投入して、5日後に、投入物の分解率および脂質分解率
を上記した方法で求めたところ、下記の表3に示すとお
りであった。
【0050】
【表3】
【0051】上記の表3の結果から、実験番号4(実施
例)では、小麦フスマ、珪酸カルシウム、フライアッシ
ュおよび消石灰[アルカリ性金属化合物(d)]からな
る発酵促進材と共に発酵助剤(e)を配合して発酵を行
ったことにより、食品残渣全体の分解率および脂質分解
率が、実験番号1〜3および5に比べて大幅に高くなっ
ており、特に脂質分解率が極めて高くなっている。この
ことから、生ゴミ処理機において脂質分解率が低いため
に起こる発酵停止を防ぐ効果があり、生ゴミ処理機に生
ゴミを次々に投入しても発酵を継続して実施し得ること
が期待できる。実験番号4において上記した優れた効果
が達成できた理由は明確ではないが、小麦フスマなどの
有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)お
よび消石灰などのアルカリ性金属化合物(d)を組み合
わせて被発酵原料に添加することにより、発酵環境、特
にpHが、発酵至適域であるpH6〜10(特に7〜
9)に維持されることが一因であると考えられる。
例)では、小麦フスマ、珪酸カルシウム、フライアッシ
ュおよび消石灰[アルカリ性金属化合物(d)]からな
る発酵促進材と共に発酵助剤(e)を配合して発酵を行
ったことにより、食品残渣全体の分解率および脂質分解
率が、実験番号1〜3および5に比べて大幅に高くなっ
ており、特に脂質分解率が極めて高くなっている。この
ことから、生ゴミ処理機において脂質分解率が低いため
に起こる発酵停止を防ぐ効果があり、生ゴミ処理機に生
ゴミを次々に投入しても発酵を継続して実施し得ること
が期待できる。実験番号4において上記した優れた効果
が達成できた理由は明確ではないが、小麦フスマなどの
有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)お
よび消石灰などのアルカリ性金属化合物(d)を組み合
わせて被発酵原料に添加することにより、発酵環境、特
にpHが、発酵至適域であるpH6〜10(特に7〜
9)に維持されることが一因であると考えられる。
【0052】
【発明の効果】本発明による場合は、食品残渣、畜産排
泄物、汚泥、木質残渣などの有機系廃棄物を、簡単な工
程および操作で、短い期間で発酵させて、全体の分解率
および脂質分解率が高くて、肥効性に優れ、しかも植物
に脂質の酸化による生育障害を与えない、良質の有機質
肥料を得ることができる。さらに、本発明による場合
は、高い発酵温度を長時間にわたって維持でき、それに
よって前記した有機系廃棄物を発酵の停止や短期終了を
伴うことなく、次々と有機質肥料に変えるため、被発酵
原料から有機質肥料を効率良く製造することができる。
泄物、汚泥、木質残渣などの有機系廃棄物を、簡単な工
程および操作で、短い期間で発酵させて、全体の分解率
および脂質分解率が高くて、肥効性に優れ、しかも植物
に脂質の酸化による生育障害を与えない、良質の有機質
肥料を得ることができる。さらに、本発明による場合
は、高い発酵温度を長時間にわたって維持でき、それに
よって前記した有機系廃棄物を発酵の停止や短期終了を
伴うことなく、次々と有機質肥料に変えるため、被発酵
原料から有機質肥料を効率良く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 椎葉 究 東京都千代田区神田錦町一丁目25番地 日 清製粉株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA02 AA03 BA04 CA19 CA48 CC07 CC08 CC12 4H061 AA02 CC36 CC37 CC38 CC42 CC51 CC55 CC60 EE02 EE03 EE12 EE61 EE64 EE66 EE70 FF08 GG41 GG49 HH07 HH42 KK01 KK02 KK03 KK07 LL02 LL05 LL22 LL25 LL26
Claims (8)
- 【請求項1】 被発酵原料に、アラビノキシラン含量が
10質量%以上である有機物(a)、珪酸カルシウム
(b)、焼却灰(c)、並びにアルカリ金属酸化物、ア
ルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土
類金属酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびアルカ
リ土類金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種のアルカ
リ性金属化合物(d)を添加して発酵させることを特徴
とする有機質肥料の製造方法。 - 【請求項2】 被発酵原料に、アラビノキシラン含量が
10質量%以上である有機物(a)、珪酸カルシウム
(b)、焼却灰(c)、アルカリ金属酸化物、アルカリ
金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属
酸化物、アルカリ土類金属水酸化物およびアルカリ土類
金属炭酸塩から選ばれる少なくとも1種のアルカリ性金
属化合物(d)、並びに下記の発酵助剤(e)を添加し
て発酵させることを特徴とする有機質肥料の製造方法。 ・発酵助剤(e): (i)小麦フスマおよび/または末粉、並びに有機質材
料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを6.0〜8.
5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよび/または末
粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量%以上の割合
で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃の温度で10分
間処理後に55℃の温度で生存可能な菌であって且つ該
耐熱性菌を発酵助材1g中、105CFU以上含有して
おり、(iv)発酵助材の全質量に基づいて腐植酸または
その誘導体の含有割合が0〜2.5質量%である発酵助
剤。 - 【請求項3】 各成分の使用割合が、有機物(a)10
0質量部に対して、珪酸カルシウム(b)が5〜25質
量部、焼却灰(c)が10〜40質量部、アルカリ性金
属化合物(d)が10〜40質量部、および発酵助剤
(e)が0〜200質量部である請求項1または2に記
載の有機質肥料の製造方法。 - 【請求項4】 被発酵原料100質量部に対して、有機
物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰(c)および
アルカリ性金属化合物(d)を合計で1〜30質量部の
割合で添加し、発酵助剤(e)を0〜20質量部の割合
で添加する請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機質
肥料の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載され
た製造方法により得られた有機質肥料。 - 【請求項6】 アラビノキシラン含量が10質量%以上
である有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、並びにアルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸
化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、
アルカリ土類金属水酸化物およびアルカリ土類金属炭酸
塩から選ばれる少なくとも1種のアルカリ性金属化合物
(d)を含む混合物からなることを特徴とする発酵促進
材。 - 【請求項7】 アラビノキシラン含量が10質量%以上
である有機物(a)、珪酸カルシウム(b)、焼却灰
(c)、アルカリ金属酸化物、アルカリ金属水酸化物、
アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属酸化物、アルカ
リ土類金属水酸化物およびアルカリ土類金属炭酸塩から
選ばれる少なくとも1種のアルカリ性金属化合物
(d)、並びに下記の発酵助剤(e)を含む混合物から
なることを特徴とする発酵促進材。 ・発酵助剤(e): (i)小麦フスマおよび/または末粉、並びに有機質材
料を資化する耐熱性菌を含有し且つpHを6.0〜8.
5に調整してあり、(ii)小麦フスマおよび/または末
粉を発酵助材の全質量に基づいて60質量%以上の割合
で含有し、(iii)前記耐熱性菌が80℃の温度で10分
間処理後に55℃の温度で生存可能な菌であって且つ該
耐熱性菌を発酵助材1g中、105CFU以上含有して
おり、(iv)発酵助材の全質量に基づいて腐植酸または
その誘導体の含有割合が0〜2.5質量%である発酵助
剤。 - 【請求項8】 有機物(a)100質量部に対して、珪
酸カルシウム(b)を5〜25質量部、焼却灰(c)を
10〜40質量部、アルカリ性金属化合物(d)を10
〜40質量部、および発酵助剤(e)を0〜200質量
部の割合で含有する請求項6または7に記載の発酵促進
材。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2001
- 2001-02-27 JP JP2001052585A patent/JP2002255676A/ja active Pending
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