JP4463951B2 - 発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多量の水分を含む糞尿、魚滓、肉滓、野菜屑又は台所屑等、若しくは水分を多く含まない加工食品残滓又はパン屑等の発酵処理に際し、被発酵処理物の水分調節及び菌種調整を行なう菌体を担持する水分調整材料に関するものであり、農業用・魚業用・畜産用の微生物資材分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
製紙・パルプ工場で発生する流出微細パルプ残滓(以下パルプ残滓と標記)については、従来セルロース繊維質による土壌改良効果は注目されている。一方、水分を多量に含む糞尿等の発酵処理を行なうに際し、籾殻、衾、米糠、藁等により、発酵に適する水分に調整し野積発酵等の方法がある。しかしながら、加えた籾殻、衾、米糠、藁等に含まれる有機質、特にリグニン等の発酵処理に長時間を要し、結果的には、糞尿等の速やかな発酵処理を実現していない。
【0003】
この問題に関し、無機質乾燥品を水分調節材料として使用することにより発酵処理時間を短縮する方法が提案され、水分調節材料として一部利用されている。しかしながら、無機質乾燥品を水分調節材料として使用する場合、充分な発酵処理温度と時間を得るために、配合処方を含めた注意深い発酵処理管理が必要とされる。
【0004】
更に無機質乾燥品を得るために、加熱焼却処理等を行なう必要があると同時に、無機質の追加使用は、発酵処理完成品の減容減量化には寄与しないところでもある。
【0005】
一方、糞尿等水分を多量に含む要処理物資は相当量に達し、食品残滓等についても発酵減容処理が望まれている現状である。水分調節材料を使用する発酵減容処理は、燃料使用量を最小と出来るのみならず、過大な排水処理を必要としない利便性があり、安価で取扱いを容易とする天然セルロース系水分調節材料の安定供給に係る開発が望まれている。
【0006】
発酵補助資材として、酵素を含む微生物資材が上市されている。しかしながら、一般的にその構成内容は明確にされておらず、天然セルロース資材、特にパルプ残滓との合理的な組合せ技術の開発も望まれている。循環型社会の構築が模索され法的整備も進められている現況で、合理的な発酵処理方法の開発は注目されるところであるが、このような要求を充たす微生物資材としての水分調節材料の開発はなされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、多量の水分を含む糞尿、魚滓、肉滓、野菜屑又は台所屑等、若しくは水分を多く含まない加工食品残滓又はパン屑等の発酵処理に際し、リグニン等の発酵処理に長時間を有さず、過大な排水処理も必要とせず、発酵処理完成品の減容減量化を実現し、かつ、安価で取扱いが容易な処理材料である発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料(以下、土壌菌担持水分調節材料と称することもある。)及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
請求項1記載の発明は、(1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、(2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキであり、かつ、(1)、(2)及び(3)はいずれも、微細孔を備えた天然セルロースを含有する水分含量45〜80重量%である脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料である。
【0009】
該菌体を担持させる支持体は被発酵処理物の水分調節材料としても優れた素材であることを要する。この天然素材系水分調節材料としてのセルロース系資材の採用は一般的に想定されうる。しかし本発明では、微細孔を備えた天然セルロースを含有する脱水ケーキを用いるところに特色がある。微細孔を備えた天然セルロースを含有する脱水ケーキは、(1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、(2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキを利用することができる。菌を担持させる支持体は発酵分解処理に際しては、易分解可能な形態、すなわち微細であり多数の細孔を有し、更にセルロース体はダメージを受けていることが好ましく、多量に安定供給し得る必要があり、微細孔を備えた天然セルロースは最適である。
【0010】
このような微細孔を備えた天然セルロースとして、例えば、製紙・パルプ工場で発生する流出微細パルプ残滓が特に好ましい。このパルプ残滓は、構成するパルプ繊維が微細であると同時に、原料木材に含まれるリグニンのほとんどはパルプ繊維と分離され、機械的ダメージも強く受けている。また、無数の細孔を形成している。したがって土壌微生物による影響を受けやすく、菌担持体としても利用しやすい形態をなしている。この細孔も菌体を担持する空間として利用することができる。更にパルプ残滓安定供給可能な物資であり、水分調節材料として使用することができる。なお、本発明では、このような微細孔を備えた天然セルロースを含有していることが重要であり、その他不純物が多少含まれても本発明の効果を阻害するわけではない。
【0011】
また、本発明による水分調節材料を構成するセルロース系資材の土壌微生物による分解は、減容の観点からも重要となる。該セルロース体の土壌微生物による分解環境としては高温環境・ある程度の酸度・分解菌の栄養源を必要とする。本発明では、該セルロース体が発酵処理物の水分調節に使用されるものである限り、分解菌の始動栄養源としては、被水分調節物資から補給されるであろうし、結果的に酸度も調節される。但し、低pH値に達する場合も想定される。
【0012】
したがって、採用する土壌微生物の特性としては、ヒートショックが有効に該微生物に機作すること、及び、低pH値についても該微生物に対し機作することが好ましく、初期使用菌体については精製されていることが好ましい。
【0013】
本発明では、芽胞形成細菌、特に土壌菌であるBacillus.Coagulans 及び/または Bacillus.Circulans(以降、B.Coagulans、B.Circulans菌体と標記する。)の高温度領域でのセルロースに対する作用及び芽胞の耐熱性とPH特性に着目し、微細孔を備えた天然セルロース、特にパルプ残滓に該菌体を担持させることとしている。好温菌としては芽胞非形成菌も自然界には多数存在するが、これらの土壌菌を選択したのは、セルロース分解環境である高温度領域に対する耐久性およびグラム染色特性の観点から芽胞形成細菌の利用は有利であり、更には好気性細菌が好ましいからである。
【0014】
細菌を問わず自然界に生息する微生物には、有害性を持つ菌体は多数存在する。Bacillus属についても例外ではなく、Bacillus.Anthracisは著名である。一方、有益な菌体利用技術も蓄積されている。Bacillus.Subtilisの納豆菌としての利用、排水処理用菌体としての利用、を挙げることができる。
【0015】
これらの菌体の利用は、芽胞形成機能および発芽機構までを有効に且つ理論的に利用したものとは言い難いきらいはあるが、利用に際しては菌体を特定しなければならないことを示唆するものである。本発明では、B.Coagulans菌体とB.Circulans菌体との両方について微細孔を備えた天然セルロースに担持させても、あるいは、どちらか一方を担持させてもよい。
【0016】
油脂の分解に際しては、既に排水処理等でも使用されているB.Subtilisを利用できる。本発明は、B.Subtilisの併用により制限されるものではなく、B.Coagulans、B.Circulans菌体の少なくとも一方を必須とするものである。
【0017】
ところで、製紙・パルプ工場で使用するほとんどの用水は、河川水に依存している。したがって、河川水由来の微生物の多くは、該工場の工程水中に存在し、結果的に流出微細パルプに付着している。地下水を含む場合は同様に地下水に由来する微生物は付着する。さらには、空中や使用資材等に由来する微生物についても同様である。
【0018】
本発明では、これら微生物相の構成により制限されるものではなく、B.Coagulans、B.Circulans菌体の少なくとも一方を必須とするものである。そして、その菌体の濃度を高めること、若しくは、確実に担持させるものであり、更には該水分調節材料の保存性の確保は、広範囲の地域での発酵処理を可能とするものである。
【0019】
B.Coagulans、B.Circulans菌体は、脱水ケーキに接種する。脱水処理前に菌体を接種する場合、菌体の混合は容易であるが、必然的に菌体は相当量流出し、菌体費用増加及び再使用清澄水配管等のスライム発生を助長するからである。脱水処理の程度は脱水ケーキの取扱可能な水分とすることが好ましい。脱水ケーキ水分を45%未満まで脱水した場合、強固な塊状となり、その後の処理、例えば攪拌混合処理若しくは粒径調製等に支障をきたし、破砕設備費用・動力費用増加等を招く結果となる。
【0020】
脱水ケーキ水分が80%を超える場合、ベルトコンベアー等の搬送に支障をきたすとともに、その後の加熱処理等に際し燃料費用増加となる。したがって、(実施例1)に示すように塊として取扱える水分量、すなわち水分量として45〜80重量%に調整し、原料とすることが好ましい。水分調節材料の形状として、綿状若しくは粒状・塊状・棒状・粘土状となすが、本発明はこれらの形状に制限されるものではない。
【0021】
このように、パルプ残滓等からなる脱水ケーキにB.Coagulans、B.Circulans菌体を攪拌混合し該菌体を接種し、水分調節材料を構成する方法は、簡易であり、更には攪拌混合の段階で該水分調節材料のサイズ調整も可能であり、合理的である。但し、本方法による水分調節材料は、水分45%以上と高水分であるので、該水分調節材料の保存期間は2〜3日以内程度である。この期間を超えて保存した場合、保存環境条件にもよるが、カビ発生が確認されている。
【0022】
したがって、水分を45%以上で保存する場合には真空包装等の対応が必要であるが、作業量の増加若しくは費用増加等の実務面から好ましくない。むしろ、天日・風乾状態での保存は合理的である。更には、加熱処理と天日・風乾処理の組合せも有効である。
【0023】
以上のことから本発明の土壌菌担持水分調節材料は、微生物の特性を充分活かしながら、微細孔を備えた天然セルロース、特にパルプ残滓を経済的な方法で調整し、水分調節材料とし、広範囲の発酵処理に対応することができる。
【0024】
請求項2記載の発明は、(1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、(2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキであり、かつ、(1)、(2)及び(3)はいずれも、微細孔を備えた天然セルロースを含有する最終水分含量15重量%を超え45重量%未満である脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料である。
【0025】
本発明の製造方法としては、例えば請求項3、4、または5記載の土壌菌担持水分調節材料の製造方法において、さらに該土壌菌担持水分調節材料の最終水分を、15重量%を超え45重量%未満に調製する方法が挙げられる。本発明により、特に該水分調節材料の保存性の確保すること、及び広範囲の地域での発酵処理を可能とすることができる。
【0026】
(実施例10)に示すように、B.Coagulans、B.Circulans菌体については、55℃以上、80℃条件下で生育が確認されており、芽胞はヒートショックを受けている。しかしながら、被加熱材料物の最終水分が高い場合、環境中の雑菌により加熱前の状態に近づいてゆく。したがって、同時に被加熱材料物の乾燥処理を行なう方法が妥当である。なお、真空包装等の非乾燥処理保存は実務的には適さないが制限されるものではない。
【0027】
被加熱材料物の材料温度として55℃以上、80℃以下で加熱・乾燥処理を行なう場合、生物活性がほとんど認められない水分、すなわち最終水分15%以下に低下させる場合には、長時間を要する。しかしながら、該土壌菌担持水分調節材料の最終水分を、15重量%を超え45重量%未満に調製した場合は、微生物汚染被害は改善され保存性は向上する。さらに好ましくは最終水分を、15重量%を超え30%重量以下に調整すると最終水分30重量%を超える場合と比較し、微生物汚染被害は改善され保存性は向上する。
【0028】
また、上記の最終水分を有する水分調節材料をローカルマテリアルとして取扱う場合には、充分な保存性であり、更には、最終水分を15%以下とした場合と比較し、水分吸収スピードにおいて優れる。水分調節材料により発酵処理を行なった場合、加熱処理をしない本発明の水分調節材料による発酵処理と比較し、ほぼ同等の結果が得られる。
【0029】
請求項3記載の発明は、(1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、(2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキであり、かつ、(1)、(2)及び(3)はいずれも、微細孔を備えた天然セルロースを含有する最終水分含量3〜15重量%である脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料である。
【0030】
本発明の製造方法としては、例えば請求項3、4、または5記載の土壌菌担持水分調節材料の製造方法において、さらに該土壌菌担持水分調節材料の最終水分を、3〜15重量%に調製する方法が挙げられる。本発明により、特に該水分調節材料の十分な保存性の確保すること、及びさらに広範囲の地域での発酵処理を可能とすることができる。
【0031】
15重量%を超え45重量%未満の水分範囲では保管環境条件にもよるが、1週間を超える保管はカビ発生等を誘発してしまう。したがって、これ以上の長期保管を必要とする水分調節材料の最終水分は15%以下が好ましい。下限水分含量については最小風乾水分であり、本発明の水分調節材料の最小風乾水分は3%である。最終水分を3%未満に調整した場合、自然吸湿により3%以上となる。したがって、特に長期保管を必要とする場合において本発明による水分調節材料最終水分は、3〜15重量%に調製されていることが好ましい。
【0032】
最終水分を3〜15重量%に調製した本発明による水分調節材料に担持されたB.Coagulans、B.Circulans菌体は、該水分調節材料が処理用として使用された時点で、増殖または発芽する必要がある。加熱処理に際し、被加熱材料物の温度を55℃以上、80℃以下の範囲で処理し、最終水分を3%〜15重量%とした場合、即時の水分吸収性能は低下するが、加熱・乾燥処理を行なわない本発明による水分調節材料による発酵処理と比較し、ほぼ同等の結果が得られる。
【0033】
請求項4記載の発明は、(1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、(2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキを回収し、水分含量45〜80重量%に調整し、該脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を接種し、該土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法である。
【0034】
本発明の製造方法により、請求項1記載の土壌菌担持水分調節材料を製造することができる。本発明では、B.Coagulans、B.Circulans菌体を、脱水ケーキに接種することに特色がある。脱水処理前に菌体を接種する場合、菌体の混合は容易であるが、必然的に菌体は相当量流出し、菌体費用増加及び再使用清澄水配管等のスライム発生を助長するからである。なお、製紙・パルプ工場で発生する流出微細パルプ残滓又は汚泥を用いること、水分含量を45〜80重量%に調整すること、及びBacillus Coagulans及び/またはBacillus Circulansなる土壌菌を用いることの意義は請求項1の発明と同様である。
【0035】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法において、さらに55〜80℃で加熱処理したことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法である。
【0036】
被水分調節物資は、様々な雑菌を本来的に含んでいる。したがって、発酵処理に対し補助的に行なう加熱処理ではなく、様々な雑菌を死滅させるために水分調節発酵処理の何れかの段階で強制的加熱殺菌処理は必要である。加熱処理方法については、個別の使用方法により、更には目的に応じた合理的な手段方法を採用することになるが、水分調節材料製造段階で加熱処理を講ずることが合理的である場合もある。
【0037】
さらに加熱処理による水分調節材料の保存性改善も重要な課題となる場合がある。このように加熱処理を行なうに際しては、加熱温度範囲を規定し、目的に応じた最終水分に調整し、水分調節材料を調整する。
【0038】
B.Coagulans、B.Circulans菌体の濃度を高めることを目的とする場合、脱水ケーキの水分を目的に応じて調整し、該菌体を接種し、その後加熱処理を行ない、水分調節材料とすることにより目的を達成することができる。加熱処理を行なうに際し、被加熱材料物を55℃以上に加熱することにより、B.Coagulans、B.Circulans菌体以外の常在菌の多くを死滅させることができる。
【0039】
請求項6記載の発明は、請求項4記載の発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法において、さらに80℃を超え250℃以下で加熱処理し、80℃以下に冷却した後、前記土壌菌を接種し、該土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法である。
【0040】
例えば、水分調節材料の最終水分を15%未満とするに際し、被加熱物の温度を80℃以下で行なうことは、長時間を要する。加熱時間を短縮し、過大設備投資費用と補修費用を軽減するために、加熱温度を高める方法が効果的である。但し、被加熱材料物の加熱温度の上限は、天然セルロース素材として使用する微細パルプ原料の熱破壊温度、すなわち250℃である。
【0041】
被加熱材料物温度として80℃を超え250℃以下で処理する場合、B.Coagulans、B.Circulans菌体の好ましい接種方法は下記の通りである。
【0042】
天然セルロース素材として使用する微細パルプ原料は、リグニンのほとんどが分離され、更には機械的ダメージを強く受けている。しかし微生物によるセルロース分解発酵には、ある程度時間を要する。そこでセルロース分解発酵時間の短縮化を図るためには、高温であることが必要である。したがって、水分を45%以上、80%以下に調整された脱水ケーキにB.Coagulans、B.Circulans菌体を接種し、その後の加熱処理により、該菌体が加熱により死滅するまでの時間は、セルロース分解を促進すること、すなわち接種微生物等の栄養供給の観点から非常に有効な時間となる。
【0043】
セルロースの熱安定性能は優れていることは周知である。したがって、被加熱材料物温度として250℃を上限に加熱した場合、セルロース体の孔隙に担持された芽胞は少なからず死滅しているし、菌体も熱ダメージを受けている。したがって、脱水ケーキにB.Coagulans、B.Circulans菌体を接種し、80℃を超え250℃以下で加熱処理を行ない、その後の冷却処理工程中、該被加熱材料物温度が80℃以下の状態で再度、B.Coagulans、B.Circulans菌体を接種することにより、確実にB.Coagulans、B.Circulans菌体を担持させることができる。
【0044】
この方法により、該水分調節材料最終水分が3〜15重量%の状態であっても、B.Coagulans、B.Circulans菌体を再接種するので、前述の水分調節材料と同等の微生物処理性能を示すことができる。
【0045】
本発明では被加熱材料物を80℃を超え250℃以下の温度範囲で加熱処理するので、燃料費用及び菌体接種の追加等の不利な面を有するが、該水分調節材料の最終水分を15%以下とすることにより保存性に優れ、広範囲への移動・保管を可能とする。
【0047】
脱水ケーキを急激に加熱することにより、パルプ残滓に付着した臭気、例えば活性汚泥処理を経た場合の嫌気発酵臭等を短時間で軽減することができる。活性汚泥処理物等は、天然セルロース素材供給源として有望であるが、放置すると短時間で嫌気発酵が進行し、特有の臭気を発生する。したがって、速やかに焼却処理がなされるのが一般的であるが、本発明によれば、ほぼ無臭で処理可能であり、天然セルロース資材供給源として有効に活用し得るものとなる。
【0048】
さらに例えば牛糞処理を目的とする場合で被発酵処理物自体の発酵処理に必要な時間が長い場合等については、脱水ケーキに該菌体を接種することなく、加熱処理終了後に該菌体を接種する方法は、作業工程の簡略化になり、有効な形態である。
【0049】
なお、本発明においても被加熱材料物を、80℃を超え、250℃以下の温度範囲で加熱処理するので、燃料費用等の不利な面を有するが、該水分調節材料の最終水分を15%以下とすることにより保存性に優れ、広範囲への移動・保管を可能とする。
【発明の実施の形態】
【0050】
本発明の水分調節材料は、B.Coagulans、B.Circulans菌体とパルプ残滓とで構成し、必要により加熱処理を行なう。天日風乾処理の採用も有効である。B.coagulans、B.circulans菌体として、「SURUGA(駿河)−001A」及び/または「SURUGA(駿河)−001B」(工業技術院生命工学工業技術研究所FERM P− 17807)なる土壌菌を使用する。該菌体は、精製レベルも優れ、菌種同定についても明確にされている為、関する膨大な知見を利用することができる。したがって、その使用は本発明を完成させる上で有効な形態となる。
【0051】
パルプ残滓については、クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓を使用することができる。これらのパルプ残滓は、パルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理等を経て、脱水ケーキとして回収される。一方、清澄水の一部は、再使用される。
【0052】
セルロース体は、前記工程以外からも排出される。例えばヤンソンノット滓、移送コンベア落下物、ヤード仮置品等を挙げることができるが、本発明はこれらの混合使用等に制限されるものではなく、製紙・パルプ工場で発生するパルプ残滓の使用を構成要件とするものである。
【0053】
脱水処理により水分を調整した脱水ケーキとB.Coagulans、B.Circulans菌体を攪拌混合機により混合し、該菌体を接種する。本発明は攪拌混合方式、加熱方式、若しくは加熱・乾燥方式に制限されるものではないが、一例として横置攪拌混合機として、キルンに代表されるドラム回転式攪拌機、攪拌翼回転型ドラム固定式攪拌機、組合せ式攪拌機、混練機等を使用できる。縦置攪拌混合機としては、攪拌翼回転型ドラム固定式、スメアリング機構付属型等を使用できる。
【0054】
加熱設備として、直火加熱型、間接加熱型、気流型、振動型、電気加熱型、高周波加熱型、遠赤外加熱型も使用でき、攪拌混合と乾燥を付属させた設備も当然使用できる。本発明はこれらの設備に制限されるものではない。
【0055】
脱水ケーキの微生物担持量は、(実施例2)に示すように相当量の担持が可能である。但し、測定方法として、希釈法による寒天培地でのコロニー発生数でカウントしており、芽胞数をカウントしている可能性も高いが、一般土壌とほぼ同等であると評価し得る。芽胞と水分の馴染みが良好である事は周知であり、脱水ケーキの保持する水分は芽胞を担持するに充分なものといえる。
【0056】
脱水ケーキの乾燥方法として、天日・風乾処理も有力である。微細セルロースパルプは、その乾燥に相当量の燃料を必要とする。したがって、土場やビニールハウスで天日乾燥することにより、最終水分を3%以上45%未満とすることができる。最終水分を45%未満となるように調製した場合、該水分調製材料は(実施例1)に示すように強固な塊となり、完成品の保管及び取扱いは格段に容易となる。
【0057】
水分調節材料を天日・風乾処理を行なう場合、散布厚さを薄くすることにより、微生物汚染被害を抑制しつつ、乾燥することができる。したがって、天日・風乾処理のみでも水分を3%に調整することができる。加熱処理の前処理若しくは後処理として併用する方法も経済性に優れる。更に、被加熱材料物温度を80℃以下に冷却し、菌体を接種する工程の前処理又は後処理として併用することも有効である。但し、本発明は、天日・風乾処理を組み入れることを規定するものではなく、当然に制限されるものではなく、更には設備又は冶工具により制限されるものではない。
【0058】
尚、本発明において、水分は含まれる水分重量を該物資の有姿重量で除した重量%割合で標記する。
【0059】
【実施例】
脱水ケーキサンプルとしては、▲1▼抄紙工程から発生する排水を凝集沈殿にて捕集し、脱水処理した脱水ケーキ、▲2▼故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、▲3▼クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキ、の3種類を使用した。
【0060】
(実施例1)脱水ケーキの取扱い性
3種類の脱水ケーキサンプルについて、水分を変化させて、取扱い容易性を評価した結果、何れのサンプルについても、水分45%以上、80%以下の範囲内で、水分調節材料用原料として取扱い可能となる。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004463951
【0061】
(実施例2)脱水ケーキの菌体担持量
サンプルNo-▲1▼、No-▲2▼、No-▲3▼を、無菌水中に加え、往復振とう器で10分間攪拌混合し、10倍希釈法により希釈を行ない、YG培地にてコロニーを形成させ計数した。いずれのサンプルにおいても、1g絶乾重量あたり、10〜10個であった。
【0062】
(実施例3)乾燥脱水ケーキの菌体担持量
サンプルNo-▲1▼、No-▲2▼、No-▲3▼を、デスク型造粒機で直径5mm長さ10mmに成形加工を行ない、水分3%に乾燥調整し、121℃30分間蒸気加熱滅菌処理を行ない試料とした。この試料に、菌体を振りかけ、振とう機で払い落とし、(実施例2)に準じ計数した。その結果いずれのサンプルについても10〜10個であった。
【0063】
(実施例4)鶏糞発酵処理
鶏糞処理を目的とする場合、特にブロイラー糞として採取される場合、水分量は一般的に50%以下である。したがって製紙工程で発生する流出微細パルプ脱水ケーキ水分は60%以上、80%以下の範囲に脱水調整し、B.Coagulans、B.Circulans菌体を攪拌混合し、該菌体を接種する。若しくはB.Coagulans、B.Circulans菌体を攪拌混合し、その後、該水分を60%以上、80%以下の範囲に調整することにより、処理に適する水分調節材料とすることができる。
【0064】
ブロイラー糞は肥育完了後の鶏舎表土として比較的乾燥状態で排出され、鶏糞そのものは発酵用助剤として広く利用されているが、その臭気に多少問題がある。したがって、水分調節材料の水分は高めに調整されることにより、初期臭気の改善も同時に可能となる。
【0065】
本実施例では脱水ケーキサンプルNo‐▲1▼〜▲3▼にB.Coagulans、B.Circulans菌体の菌数として、サンプル絶乾1g重量あたり、(1/5000)×(10〜10個)となるように接種し、常温にて、4時間攪拌混合を行ない水分調節材料を調整した。この水分調節材料をブロイラー糞と同一重量割合で混合攪拌を行ない、混合物の水分を55±5%に調整し14日間の発酵処理を行なった。発酵温度は3日経過後に70℃を超え、発酵処理完了品は、ほぼ無臭であり、水分は45±5%となった。
【0066】
(実施例5)牛糞発酵処理
牛糞尿処理を目的とする場合、その糞尿水分は90%前後と高水分被処理物である。したがって脱水ケーキ水分は、45%〜55%の範囲に脱水調整されていることが好ましい。B.Coagulans、B.Circulans菌体接種の方法は前記に準じて行ない、処理用の水分調整材料とすることができる。
【0067】
牛糞尿は、乳牛と肥育牛に大別できる。該糞尿の共通する特徴として、その水分量が、他の家畜糞尿と比較し相当の高水分であること、及び難発酵処理物資であるが、排出された時点では、ほとんど臭気を発生しないことである。臭気については、粗飼料によるところが大きいと推察されるが、嫌気状態での保存は臭気発生の原因となる。
【0068】
したがって、速やかに、本発明による水分調節材料により水分調整を行なうことにより、ほぼ無臭の状態で堆肥化することができる。
脱水ケーキサンプルNo‐▲1▼を使用し、実施例4で調整した水分調節材料により、表2の配合により牛糞尿の水分調節を行ない60日間発酵処理を行なった。牛糞尿として、黒毛和種の繋留牛舎発生糞尿を使用し、切返しは、堆積30日経過後に1回実施した。窒素分補給は行なわずに、発酵温度及び臭気発生の有無を観察し、結果を図1に示した。
【0069】
【表2】
Figure 0004463951
なお、図1記載の実施例5−1、5−2、5−3、5−4の牛糞尿と使用した水分調節材料の配合重量割合は、表2による。発酵到達温度は、やや低めであるが、堆積量の増加、鶏糞の併用若しくは、数日間の強制加熱で充分に対応できるものである。
【0070】
図1は、従来半年以上の堆積を必要としていた牛糞尿発酵処理が、数ヶ月で完結できることを示すものである。尚、糞尿に籾殻、衾、おが屑等が多量に含まれる場合、強制加熱若しくは発酵助剤として鶏糞の併用が好ましい。これらが含まれない場合、本発明による水分調節材料のみで発酵処理は可能である。更に、多量に排出される牛糞尿の一括処理に際し、該水分調節材料の乾燥処理による軽量化も有効である。
【0071】
(実施例6)豚糞発酵処理
豚糞尿の水分は、鶏糞と牛糞尿水分の中間的水分範囲であるが、豚舎掃除用水の問題もあり、脱水ケーキ水分は、45%〜65%の範囲に脱水調整されていることが好ましい。豚糞尿堆肥は、従来臭気にやや問題を残している。本発明による該水分調整材料による発酵処理品は、臭気が軽減される特徴を有する。
【0072】
脱水ケーキサンプルNo‐▲2▼を使用し、(実施例4)に準じて水分調節材料を調整し、豚糞の水分調節を行ない、14日間の発酵試験を行なった。使用した水分調節材料の水分は55%であり、豚糞に配合し、全体の水分が65%となるように調節し、常温で発酵処理に供した。堆積3日経過後に高温発酵開始が認められ、最高発酵温度71℃が得られた。臭気発生も少なく、水分は45%に減少した。
【0073】
(実施例7)野菜屑発酵処理
家畜糞尿以外に農業分野における野菜屑処理も重要な課題である。余剰作物の処理又は病害被害作物の適性処理を目的とする場合、脱水ケーキ水分は、45%〜80%の範囲で調整し、B.Coagulans、B.Circulans菌体を接種し水分調節材料とする。該被水分調節物資は、その水分は高いものであるが、鮮度維持期間は、その水分は内包されており発酵段階で放出される。
【0074】
したがって、該水分調節材料は、放出される水分を適性に吸収し、好気発酵を維持する。発酵処理段階で適切な加熱処理を行なうことも合理的であるが、この場合、急激に水分が放出されるため、本発明による水分調節材料の添加は特に必要である。野菜屑と同様に、初期においては水分を内包しているが、発酵開始とともに多量の水分を放出する魚処理残滓があるからである。
【0075】
脱水ケーキサンプルNo‐▲3▼を使用し、(実施例4)に準じて水分調節材料を調整し、野菜屑の水分調節を行ない、6時間の加熱発酵試験を行なった。使用した水分調節材料の水分は85%である。水分調節材料と野菜屑を同量加え、加熱型攪拌混合機にて、被加熱材料物の温度を55℃〜65℃の範囲となる条件で発酵処理をおこなった。野菜の種類にもよるが、6時間経過後の水分は、30%〜45%であった。発酵処理完成品は、粒状で得られた。
【0076】
(実施例8)魚処理残滓発酵処理
魚処理残滓は放置された場合、急激に発酵が開始し液状化する。したがって、残滓発生と同時程度に水分調節材料を加え加熱消臭処理を行なう方法が好ましいが、現実的には加熱処理前に液状化は進行し臭気を発生する。脱水ケーキ水分としては、取扱い可能な水分範囲、すなわち45%〜80%の範囲に調整し、(実施例4)に準じ、処理用水分調節材料を調整する。
【0077】
魚処理残滓の処理の場合、発生する液状化物は魚血及び魚油を含むが、本方法による水分調節材料を使用した場合、水分調節材料そのものの水分が高い場合についても、液だれを改善することができる。セルロース系素材の特質として、親水性であると同時に親油性を兼ね備えていることに由来するものであり、本発明による水分調節材料が広範囲の発酵処理に適用しうるところである。
【0078】
脱水ケーキサンプルNo‐▲1▼を使用し、(実施例4)に準じて水分調節材料を調整し、魚処理残滓の水分調節を行ない、発酵処理を行なった。使用した水分調節材料の水分は、65%である。水分調節材料と魚処理残滓を同量加え、常温で12時間攪拌混合しながら、発酵処理を行ない、その後、6時間の加熱発酵処理をおこなった。常温発酵12時間経過後、ほぼ無臭に近い状況となり、液垂れは発生していない。加熱発酵処理は(実施例8)に準じ行なった。最終完成品の水分は30%〜35%である。
【0079】
(実施例9)動物脂身発酵処理
動物性脂身として、枝肉解体処理工程を経て店頭陳列までの間に多量に発生する。この脂身が消費者に好まれない最近の傾向による。この脂身処理の場合についても、脱水ケーキ水分は、45%〜80%に調整された脱水ケーキを使用し、魚処理残滓の処理と同様に水分調節材料を調整し処理することができる。油脂分を放出した脂身は、小さなスポンジ状となり、土壌菌の分解を受け易い形状となる。
【0080】
脱水ケーキサンプルNo‐▲3▼を使用し、(実施例4)に準じて水分調節材料を調整し、動物脂身の水分調節を行ない、発酵処理を行なった。使用した水分調節材料の水分は、75%〜80%である。水分調節材料と動物脂身を同量加え、(実施例8)に準じて、6時間の加熱発酵処理をおこなった。無臭に近い状況となり、油脂分は充分に吸収発酵され、油感はほとんどない。最終完成品の水分は30%〜35%である。
【0081】
(実施例10)B.Coagulans、B.Circulans菌体生育条件日本食品分析センターによる検体の生菌数測定結果は、表3のとおりであり、55℃での生育は確認されている。
【0082】
【表3】
Figure 0004463951
【0083】
(実施例11)
加工食品残滓、家庭生ごみ、調理済み残滓等、多くの食品関係残滓が発生し、発酵減容処理が注目されている。これらの残滓に含まれる塩分除去については、合理的な方法は開発されていない状況であり、発酵処理品の農業分野への利用には課題を残すものであるが、本発明による水分調節材料を使用することにより、経済的に減容処理は可能となる。身近な被処理物資であるので、加熱殺菌処理併用が望まれるところでもある。
【0084】
脱水ケーキサンプルNo‐▲3▼を使用し、(実施例4)に準じて水分調節材料を調整し、スクラップ麺の水分調節を行ない、6時間の加熱発酵試験を行なった。使用した水分調節材料の水分は70%である。水分調節材料とスクラップ麺を同量加え、加熱型攪拌混合機にて、被加熱材料物の温度を55℃〜65℃の範囲となる条件で2時間発酵処理を行ない、その後、被加熱材料物温度を145℃として、乾燥処理を行なった。完成品は、フレーク状で得られた。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1記載の発明によれば、微細であり多数の細孔を有し、更にダメージを受けている微細孔を備えた天然セルロースを菌担持体として利用しているため、土壌菌を高濃度で担持することができ、かつ、土壌菌による分解も比較的スムーズに行なわれるため減容しやすく、施肥作業量等を軽減する。したがって本発明による水分調節材料を使用した発酵処理完成品の利用は、有機質施肥作物及び園芸植物の安定供給にも寄与しうるものである。さらに本発明の土壌菌担持水分調節材料は、安価、多量、及び安定に供給することができるという利点がある。
【0086】
本発明は芽胞形成細菌、好気性細菌であるB.Coagulans、B.Circulans菌体を利用するものであり、セルロース分解環境である高温度領域に対する耐久性を有し、芽胞形成細菌であるため扱いやすかった。
【0087】
該菌体の担持体として、天然セルロース系素材である、パルプ残滓を利用することにより、水分調節のみならず油脂分吸着調節も可能であった。
【0088】
本発明では、水分含量を45〜80重量%に調整したため、綿状若しくは粒状・塊状・棒状・粘土状等の塊で扱うことができ、扱いやすい。
【0089】
以上のことから本発明の土壌菌担持水分調節材料は、微生物の特性を充分活かしながら、微細孔を備えた天然セルロース、特にパルプ残滓を経済的な方法で調整し、水分調節材料とし、広範囲の発酵処理に対応することができた。
【0090】
請求項2記載の発明では、それほど長時間の乾燥処理を要さずに保存性を確保することができ、かつ、水分調節材料の発酵処理性能は、非加熱水分調節材料と同等の発酵処理性能を有することができた。したがって、広範囲の被処理物に対し短時間で適性な発酵処理を可能とすると同時に、広範囲の地域への移動若しくは多量の保管を可能とすることができた。また、最終水分を15%以下とした場合と比較し、水分吸収スピードにおいて優れていた。
【0091】
請求項3記載の発明により、水分調節材料の十分な保存性の確保すること、及びさらに広範囲の地域での発酵処理を可能とすることができる。特に1週間以上の保管を可能とすることができた。なお、加熱・乾燥処理を行なわない本発明による水分調節材料による発酵処理と比較し、ほぼ同等の結果が得られた。
【0092】
請求項4記載の発明により、脱水ケーキに菌体接種するに際し、流出を最小限に抑え、菌体費用増加及び再使用清澄水配管等のスライム発生を防止することができた。また、水分調節材料の製造段階で、菌体を接種しておくことにより、水分調節処理段階で、均質な菌種を構成することができた。このことにより、発酵段階への速やかな移行が実現できた。
【0093】
請求項5記載の発明により、被水分調節物資中の様々な雑菌、すなあち、B.Coagulans、B.Circulans菌体以外の常在菌の多くを死滅させることができ、併せて、加熱処理による水分調節材料の保存性改善も行うことができた。
【0094】
請求項6記載の発明により、加熱時間を短縮し、過大設備投資費用と補修費用を軽減することができた。さらに高温で処理するため、セルロース分解発酵を短時間で行うことができた。
【0095】
本発明では、被加熱材料物温度が80℃以下の状態で再度、B.Coagulans、B.Circulans菌体を接種することにより、確実にB.Coagulans、B.Circulans菌体を担持させることができた。したがって、非加熱処理の水分調節材料と同等の微生物処理性能を示すことができた。
【0096】
本発明では被加熱材料物を80℃を超え250℃以下の温度範囲で加熱処理するので、燃料費用及び菌体接種の追加等の不利な面を有するが、該水分調節材料の最終水分を15%以下とすることにより保存性に優れ、広範囲への移動・保管を可能とする。
【0097】
また、脱水ケーキを急激に加熱することにより、パルプ残滓に付着した臭気、例えば活性汚泥処理を経た場合の嫌気発酵臭等を短時間で軽減することができ、焼却処理も不用とすることができた。
【0098】
さらに例えば牛糞処理を目的とする場合で被発酵処理物自体の発酵処理に必要な時間が長い場合等については、脱水ケーキに該菌体を接種することなく、加熱処理終了後に該菌体を接種する方法は、作業工程の簡略化を行うことができた。
【0099】
なお、本発明においても被加熱材料物を、80℃を超え、250℃以下の温度範囲で加熱処理するので、燃料費用等の不利な面を有するが、該水分調節材料の最終水分を15%以下とすることにより保存性に優れ、広範囲への移動・保管を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水分調節材料と牛糞尿との配合割合を変えたときの牛糞尿発酵処理の評価結果を示す図である。

Claims (6)

  1. (1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、
    (2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、
    又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキ
    であり、かつ、(1)、(2)及び(3)はいずれも、微細孔を備えた天然セルロースを含有する水分含量45〜80重量%である脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料。
  2. (1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、
    (2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、
    又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキ
    であり、かつ、(1)、(2)及び(3)はいずれも、微細孔を備えた天然セルロースを含有する最終水分含量15重量%を超え45重量%未満である脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料。
  3. (1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、
    (2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、
    又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキ
    であり、かつ、(1)、(2)及び(3)はいずれも、微細孔を備えた天然セルロースを含有する最終水分含量3〜15重量%である脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料。
  4. (1)クラフトパルプ製造工程、グランドパルプ製造工程、故紙パルプ製造工程、製紙工程から発生する微細パルプ残滓をパルプ製造工程、パルプ抄取工程、紙抄取工程でのワイヤーメッシュ通過流下物として凝集処理・脱水処理を経て回収される脱水ケーキ、
    (2)故紙脱墨工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理後、脱水処理した脱水ケーキ、
    又は(3)クラフトパルプ製造工程排水、グランドパルプ製造工程排水及び抄紙工程排水の混合排水を活性汚泥処理した後、脱水処理した脱水ケーキを回収し、水分含量を45〜80重量%に調整し、該脱水ケーキにバチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)及び/またはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学技術研究所FERM P−17807)なる土壌菌を接種し、該土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法。
  5. 請求項4記載の発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法において、さらに55〜80℃で加熱処理したことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法。
  6. 請求項4記載の発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法において、さらに80℃を超え250℃以下で加熱処理し、80℃以下に冷却した後、前記土壌菌を接種し、該土壌菌を担持させたことを特徴とする発酵処理用の土壌菌担持水分調節材料の製造方法。
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