JP4643203B2 - 牛糞を発酵・分解・処理する微生物、及びこれを用いた牛糞の処理方法 - Google Patents

牛糞を発酵・分解・処理する微生物、及びこれを用いた牛糞の処理方法 Download PDF

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Description

この発明は、牛の飼育場から大量に排出される牛糞の効率的に処理する微生物及びこれを用いた牛糞を処理する方法に関する。
家畜の糞尿、家庭、企業及び公共施設、更にはその他の動物飼育設備等から排出される各種の有機廃棄物を微生物の作用を利用して処理する方法、そのような処理施設から排出される汚泥等をコンポスト化する方法、家畜糞尿を脱臭、処理する装置などについては各種の方法が多数提案されている。
本発明者も先に有機性廃液又は生物性汚泥に含まれるデンプン又は蛋白質を効率的に分解する微生物として、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−18014及びバチルス・サブチリスFERM P−18015を発明し、特許出願を行った。
糞尿等の水分含量の高い有機性廃棄物は、有機物を微生物の作用により処理、消化した後、固液分離し固体部分はコンポストとして利用し、液体部分は必要に応じて更に浄化して、河川等に放流されている。それらの処理設備は大型となるため、処理設備費及び濾過助剤、電力その他の補助材料費、人件費等を含めて運転、処理には高い費用を必要としている。
そのうち、牛糞については、それが特に粘稠物を多量に含有しているため、諸物質、空気、微生物が内部まで浸透することが妨げられる。そのために、表面の処理には成功するものの、一般の有機性廃棄物と異なり、発酵処理の終了した部分から水分と粘調物の一部が下方に流れ出て周辺を汚染する。一方、内部を含む牛糞全体にわたっての微生物による完全な処理は殆ど成功していない。牛糞が発酵処理が出来難い所以である。そのため、敷き藁やおが屑などを併用しながら、大型の攪拌機を用いて切り返しを行ったり、化学物質からなる脱臭剤と共に脱臭するのみであったり、段差を利用して複数設置大型の処理層により段階的に分解、乾燥して処理する方法、強制的に固液分離して、固形部を加熱乃至天日乾燥してコンポスト化する方法など多種多様の試みがなされているが、大抵は未解決のままであり、高度に無臭化、コンポスト化、肥料化には未だ到達し得ていないのが実状である。
又、生牛糞の塊は攪拌によっては壊れがたく、この塊は多量に水分を含み内部は嫌気性であるため発酵しがたく堆肥化を阻害し、効率の良い牛糞堆肥化の第2の阻害要因である。又、悪臭発生の原因となり大きな社会問題を引き起こしている。更に、牛糞には多くの昆虫、特にダニ類が多数存在し、これらが牛糞の第二次公害とも云える公害源となっている。又、牛糞には雑草の種子が含まれていて、輸入飼料を通した帰化植物侵入経路の一つと言われ大きな問題となって来ている。
特開2003−83 特開2000−263097 特開2002−113486 特開2001―286884
牛糞を効率よく無臭化、堆肥化する微生物、この微生物を含む牛糞を効率よく無臭化、堆肥化するための微生物製剤、及びこの微生物製剤を用いて牛糞を効率よく無臭化、堆肥化する方法を提供する。併せて、牛糞が再生産する昆虫、特にダニ類の発生を抑え、輸入飼料を通した帰化植物侵入経路の一つとなっている牛糞中の雑草の種子の発芽抑制をも図れる技術を提供する。
又、本菌株を含め、植物性油脂及びアンモニア源の存在下に牛糞を分解・処理する能力を有するバチルス属菌株バチルス・サブチリス、バチルス・シューリンゲンシス又はバチルス・メガテリウムの1種又は2種以上とそば殻、おが屑、木材チップなどから調製した牛糞処理用微生物製剤を、植物性油脂とアンモニア源と共に牛糞に加えて発酵させ、発酵期間中に間歇的に切り返しを行うことにより、従来不成功に終わっていた牛糞の無臭化と完全堆肥化が可能となることを見出した。又、この方法を実施するに当たって、極めて牛糞を効率よく無臭化、堆肥化する微生物として、新菌株バチルス・メガテリウムIBTU−1(FERM P−20160)を見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成した。
本発明によって、従来容易には無臭化、肥料化が困難であり、その処理に大きな設備とコストを要しながら効果的な処理がなされることなく、悪臭を発する大きな公害源のひとつであった大量の牛糞が、短時間で、極めて簡単、且つ安価な方法によってほぼ完璧に無臭化されると共に、有用な肥料化も可能となったのである。使用する細菌類の分解性が高いため牛糞内部まで良く発酵し、存在する粘調物を発酵分解して1週間程度或いはそれ以内に牛糞塊が壊れ始め、10日乃至2週間程度で発酵が終了する。この発酵・処理を終えた牛糞発酵処理物中には牛糞に含まれていた雑草の種子は最早発芽していないという極めて有益な効果も齎される。更に、この発酵・処理を終えた牛糞発酵処理物中にはダニなどの昆虫の生存が認められないという効果も有る。
本発明の実施にとって有用な微生物としては、植物性油脂及びアンモニア源の存在下に牛糞を分解・処理する能力を有するバチルス属の菌株、バチルス・サブチリス、バチルス・シューリンゲンシス又はバチルス・メガテリウムがあげられ、その具体的な菌株としてはバチルス・シューリンゲンシスFERM P−19220(Bacillus
thuringiensis FERM P−19220)、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−19221(Bacillus
thuringiensis FERM P−19221)、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−18014(Bacillus
thuringiensis FERM P−18014)、バチルス・サブチリスFERM P−19222(Bacillus
subtilis FERM P−19222)、バチルス・サブチリスFERM P−18015(Bacillus
subtilis FERM P−18015)、又はバチルス・メガテリウムIBTU−1(FERM P−20160)(Bacillus
megatherium IBTU−1(FERM P−20160)があげられる。バチルス・メガテリウムIBTU−1(FERM P−20160)は、本発明において用いられる新菌株であり、平成16年8月11日独立行政法人産業技術総合研究所 微生物寄託センターに寄託番号(FERM P−20160)として寄託されている。
本発明の実施に当たっては、これら植物性油脂及びアンモニア源の存在下に牛糞を分解・処理する能力を有するバチルス属の菌株を適当な栄養培地で培養した培養物そのものを、植物油脂、アンモニア源と共に牛糞に加えて用いることも出来るが、これら植物性油脂及びアンモニア源の存在下に牛糞を分解・処理する能力を有するバチルス属の菌株の1種又は2種以上の培養物を、籾殻、そば殻、木屑、木材チップなどと混合して調製した牛糞処理用微生物製剤の形で用いるのがより便利である。
この微生物製剤の調製法の1例としては、これらの微生物菌株の1種又は2種以上をニュートリエントブロス−グルコース(食塩0.5%を含む)等からなる液体培地(500ml)で培養し、この培養物を遠心分離して菌体を集め、各菌株を混合する。一方、そば殻10Lに菜種油200ml、水500ml、ペプトン50gを加えて良くかき混ぜ、これに菌体混合物を混ぜて、発泡スチロール等の容器に入れて好気的に約20℃で3日間程培養する。培養物を切り返し、同条件にて更に3日間程度培養して、本発明の微生物製剤とする。本発明の実施に当たっては、上記菌株を培養、遠心分離して得た菌体混合物そのものでも使用可能であるが、上記の如くして調製した微生物製剤の形で使用するのが便利である。
本発明において用いられる植物性油脂としては、食用、化粧用等に用いられるグリセリン脂肪酸エステル系の油脂であればよく、特にレストランや食堂の厨房から排出される食用廃油を使用すれば、環境保護上も一石二鳥である。
これらの植物性油脂の使用量は、水分65〜85%程度の通常の牛糞に対し、0.5乃至5%程度、より好ましくは1−3%容量程度を初発時に全量又は発酵の途中に牛糞の温度が40℃以下に低下したとき、或いは切り返しを行うときに補充添加して用いる。
本発明において用いられるアンモニア源としては、アンモニア水又はアンモニウム塩類、例えば塩化アンモニウム、酢酸アンモニウム、更にはペプトン、脱脂乳、カゼイン、ニュートリエントブロスなどの有機栄養物であっても良い。これらは、塩類の場合固体状のものであってもよいが、通常10〜30%程度の水溶液を牛糞に振り掛ける方法が扱い易い。但し、ペプトンなど有機栄養物においては粉末状で使用する。その使用量は、塩類においては20%溶液を0.1―1%容量程度、有機栄養物においては粉末で0.01〜0.5%、より好ましくは、0.03%−0.16%容量程度を用いる。
本発明が適用される牛糞は、通常の牛糞、例えば牛舎から掻い出された敷き藁を含む新鮮な牛糞、牛舎から排出されて集積された牛糞など特に制限はなく、牛糞一般に適用される。天日等で乾燥されたものでもよい。発酵に当たっては、牛糞に種菌、アンモニア源及び植物油を添加してよく混合して発酵させる。途中1〜3日置きに底部までよく攪拌、切り返しをするのが好ましい。この攪拌によって、底部に牛糞特有の粘稠物質が未発酵のまま残留していることが見出されたときには、悪臭の発生する前に上下攪拌して発酵乾燥した部位と混合し、通気性を良くすることが望ましい。発酵が停止した時は食用油とともに、アンモニウム源を適宜追加するとよい。
以下本発明を実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
微生物製剤の調製
ニュートリエントブロス−グルコース(食塩0.5%を含む)からなる液体培地(2.5L)に下記の各菌株を個別に攪拌しながら10日間以上培養し、この培養物を遠心分離して菌体を集め、各菌株を混合した。一方、そば殻10Lに水600ml、菜種油200ml、ミクニ株式会社製ペプトン50gを加えてよくかき混ぜ、これに上に得た菌体混合物を混ぜて、発泡スチロールの容器に入れて好気的に20℃にて3日間培養した。培養物を切り返し、同条件で3日間培養して微生物製剤を調製した。この微生物製剤を等量(重量)のそば殻と混ぜて、種菌とした。
微生物菌株:
バチルス・シューリンゲンシスFERM P−19220)
バチルス・シューリンゲンシスFERM P−19221
バチルス・シューリンゲンシスFERM P−18014
バチルス・サブチリスFERM P−19222
バチルス・サブチリスFERM P−18015
バチルス・メガテリウムIBTU-1(FERM P−20160)
平成15年5月3日〜同5月15日、外気温12−26℃での試験
信州大学農場から採取した黒毛和牛の牛糞18L(水分含量79%)、種菌6Lの混合物、信州大学農学部生協食堂から供与された廃食用油300ml、ペプトン30gを魚や野菜保冷用発泡スチロール製容器に入れ、蓋と容器の間に1cm程度の隙間を作って屋外に放置した。
2日目に内部温度は38〜48℃に上昇した。3〜5日目に内部温度が60〜71℃に上昇した。その間悪臭は発生しなかった。6日目に悪臭が感じられたので、攪拌したところ、底部に粘稠物が未発酵のまま堆積していたので、全体を攪拌した。このときの牛糞の水分含量は、56.5%であった。
6日及び7日目に牛糞の温度は50〜58℃であり、牛糞の固まり内部に菌体が生育して白くなっており、大きな固まりは砕けており、小さなものも、握ると容易に壊れた。容器の底に少量の未分解粘稠物が堆積していた。又、固まりの周辺にも未分解の粘稠物が幾分認められたので十分に上下を攪拌混合した。
8日目の牛糞の内部温度は28〜34℃、水分含量54.4%であった。9日目に廃食用油200ml、ペプトン5gを加え、十分に攪拌した。10〜11日目に、牛糞内部温度は、62〜68℃に上昇、11日目に底部をよく攪拌した。未分解粘稠物は、殆ど見かけられなくなり、12日目で発酵を終了した。内部温度は28〜38℃であった。堆肥化の末期に生じる特有の臭いが感じられたので、20%塩化アンモニウム20mlを振りかけ、攪拌すると悪臭は消失した。3時間後、土の臭いが感じられた。12〜13日目の内部温度は20〜36℃となり、14日目で20℃付近に落ちつき、堆肥化が完了した。牛糞は、破砕した内部、表面共に白く菌体で覆われ、細菌がよく繁殖していた。水分含量54.5%、雑草種子の発芽も、ダニなどの昆虫の生存も認められなかった。
参考例1
対照として、同時併行して、牛糞15L(水分含量79%)、種菌6L、廃食用油300mlを混合攪拌して、発泡スチロール容器に入れ、蓋と容器の間に1cm程の隙間を作り屋外に放置した。途中十分に攪拌した。2日目〜9日目の牛糞の発酵温度は44〜53℃であった。10日目に発酵終了した。容器底部には、牛糞の未分解粘稠物が堆積して悪臭を発しており、更に攪拌しても発酵は進行しなかった。途中悪臭があり、昆虫が集まった。牛糞の固まりは発酵しておらず、雑草種子の発芽が見られた。発酵した部分(約30%程度、塊以外で上部)の水分含量は57%であった。
参考例2
対照として、同時併行して、牛糞15L(水分含量79%)、種菌6L、20%塩化アンモニウム溶液50mlを混合攪拌して、発泡スチロール容器に入れ、蓋と容器の間に1cm程の隙間を作り、屋外に放置した。途中十分に攪拌した。発酵初日の牛糞内部温度は45℃、2日目〜5日目の牛糞の発酵温度50〜68℃に上昇したが、底部に未分解粘稠物が堆積していたので攪拌した。6〜8日目発酵温度は25〜38℃を維持した。9日目に塩化アンモニウム30mlを加えて攪拌すると、10〜12日目に発酵温度が54〜68℃に上昇したが、底部に未分解粘稠物が堆積していたので攪拌した。13日目、発酵温度は47〜54℃、14日目34〜38℃となり、15日目で発酵終了した。雑草種子の発芽は見られないが、牛糞の固まり内部は生のままで、発酵は認められなかった。又、底部の粘稠物は未発酵のまま残留しており、牛糞の固まりも多く残量、発酵した部位の水分含量は、57%であった。発酵には、植物油の存在が必要であることが理解される。
実施例2 平成15年5月3日〜同5月15日、外気温12−26℃での試験
牛糞20L(水分含量85%)、種菌6Lの混合物、食用油800ml、20%塩化アンモニウム溶液50mlを発泡スチロール製容器に入れてよく混合し、蓋と容器の間に1cm程度の隙間を作って屋外に放置した。
2日目〜6日目、内部発酵温度は58〜68℃であった。この間実施例1と同様に発酵した。底部には粘稠物が未発酵のまま堆積していたので、2日に1回全体を攪拌した。7日目、温度が28〜38℃の下降したので、廃食用油400mlと20%塩化アンモニウム液20mlを加えて放置した。この時点では底部には未だ粘稠物が未発酵のまま堆積していた。
8〜10日目、内部発酵温度は55〜58℃に上昇した。底部に堆積していた粘稠物は消失した。11日目に内部温度は25〜35℃となり、発酵は終了した。このときの堆肥の水分含量は56%であった。実施例1に比べ、発酵期間はやや長かったが、最高温度はやや低かった。牛糞の固まりは、内部まで菌体の生育が白く見られ、大きな固まりは小さく砕け、粘稠物は見られなかった。雑草種子の発芽も見られなかった。
12日目以降3日間、温度は20〜30℃付近で持続し、発酵期間中を通して悪臭は感じられなかった。
実施例3
塩化アンモニウムを酢酸アンモニウムに替えて、実施例2と同様に牛糞を処理して、実施例2とほぼ同様の結果を得た。発酵期間中、時々酢酸臭が僅かに感じられた。
参考例3 平成15年4月8日〜同4月23日までの試験、外気温:5−16℃
牛糞15L(水分含量76%)、食用油300ml、ペプトン30gを発泡スチロール製容器に入れてよく混合し、蓋と容器の間に1cm程度の隙間を作って屋外に放置した。
2日目〜3日目、内部発酵温度は37〜47℃であった。4〜5日目に内部発酵温度は57〜65℃に上昇した。悪臭が感じられ、昆虫が集まってきた。6日目に内部発酵温度は32〜37℃、7日目に20℃に低下した。8日目に廃食用油200mlとペプトン4gを加え、よく攪拌したところ、9〜10日目に内部発酵温度は42〜52℃に上昇したが、11日目に発酵終了した。
牛糞表面には発芽した雑草があり、牛糞内部は、菌体の生育は見られず、牛糞の固まりはそのままであり、底部には未分解粘稠物が残留しており、水分含量は、発酵した部分は58%、牛糞の固まりの内部は72%であり、部位によってまちまちであった。
実施例4
参考例2と併行して、牛糞10L(水分含量76%)と種菌5Lとを発泡スチロール製容器に入れてよく混合し、蓋と容器の間に1cm程度の隙間を作って屋外に放置した。
2日目〜9日目、内部発酵温度は25〜33℃であった。10日目には内部発酵温度は17〜19℃となり、発酵は終了した。この間、2回攪拌したが、固まりの部分は表面に菌体の生育が認められるが、内部は全く発酵していなかった。
13日目に廃食用油200mlとペプトン20gを加えると発酵が始まり、14〜16日目に発酵して、内部牛糞温度は50〜55℃に上昇した。
この結果から明らかなように、種菌だけでは牛糞は僅かに発酵されるのみであるが、植物油とアンモニア源の存在によって、牛糞が見事に堆肥化されることが分かる。
上記の説明から明らかなように、本発明によって、一般の有機性廃棄物とは異なり、従来牛糞に含まれる粘稠物質のために微生物の生育が妨げられ、発酵、分解、堆肥化が進まなかった牛糞についても、極めて効率よく、且つ安価な方法で発酵、分解、堆肥化を進めることが出来る。この発明は、従来の大規模な設備を備えた牛糞の処理施設にもそのまま適用することが出来る。

Claims (2)

  1. 牛糞に、植物性油脂及びアンモニア源、並びにバチルス・シューリンゲンシスFERM P−19220(Bacillus
    thuringiensis FERM P−19220)、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−19221(Bacillus
    thuringiensis FERM P−19221)、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−18014(Bacillus
    thuringiensis FERM P−18014)、バチルス・サブチリスFERM P−19222(Bacillus
    subtilis FERM P−19222)、バチルス・サブチリスFERM P−18015(Bacillus
    subtilis FERM P−18015)、及びバチルス・メガテリウムIBTU−1(FERM P−20160)(Bacillus megatherium IBTU−1(FERM P−20160)からなる微生物群から選ばれた1種又は2種以上の微生物の培養物を添加し、間歇的に切り返し又はアンモニア源の添加を行いながら発酵させることを特徴とする牛糞を分解して堆肥化する方法。
  2. 牛糞に、植物性油脂及びアンモニア源、並びにバチルス・シューリンゲンシスFERM P−19220(Bacillus
    thuringiensis FERM P−19220)、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−19221(Bacillus
    thuringiensis FERM P−19221)、バチルス・シューリンゲンシスFERM P−18014(Bacillus
    thuringiensis FERM P−18014)、バチルス・サブチリスFERM P−19222(Bacillus
    subtilis FERM P−19222)、バチルス・サブチリスFERM P−18015(Bacillus
    subtilis FERM P−18015)、及びバチルス・メガテリウムIBTU−1(FERM P−20160)(Bacillus megatherium IBTU−1(FERM P−20160)からなる微生物群から選ばれた1種又は2種以上の微生物の培養物を添加し、間歇的に切り返し又はアンモニア源の添加を行いながら発酵させることを特徴とする牛糞を分解・処理して無臭化する方法。
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