JP4629286B2 - 無人搬送車 - Google Patents
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Description
本発明は、半導体製造工場のステーション間で、半導体ウエハを自動搬送・移載する無人搬送車に関し、詳しくは、該無人搬送車に搭載したウエハを一時収納するバッファカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、塵挨の発生が問題となる半導体製造工場では、半導体ウエハを移載・搬送するために、スカラーアーム式のロボットアームと、ウエハを一時収納するバッファカセットとを搭載した無人搬送車を自動走行させる技術が知られている。
この無人搬送車によってウエハが搬送されるのであるが、まず、無人搬送車を自動倉庫前に移動させ、そして、該自動倉庫からロボットアームでウエハを1枚ずつ取り出してバッファカセット内の各棚に収納していく。
このバッファカセットは、その棚が水平となるように載置されており、該棚の間にウエハを保持したロボットアームを挿入する。そして、保持していたウエハを放し、該ウエハを水平な位置姿勢でセットする。こうしてバッファカセットにウエハを1枚1枚収納していく。しかし、バッファカセットをこの状態にしたまま、無人搬送車を走行させると、ウエハが飛び出す恐れがある。無人搬送車は、前後両方向に走行するようになっており、特に、始動時や停止時は、その速度の変化が大きいため、飛び出す可能性も高い。
【0003】
そこで、バッファカセットを斜めに傾けて、挿入口側を斜上方へ向けるということが行われている。
具体的構成を説明すると、車体本体上面に基部フレームを設けて、該基部フレームの上にバッファカセットを配設する。このとき、バッファカセットは基部フレームに対して回動自在に取り付ける。また、基部フレームには、バッファカセットを回動させるアクチュエータを内設するとともに、該バッファカセットの水平姿勢及び傾斜姿勢を規定するストッパ機構を配設する。
以上の構成で、無人搬送車を走行させる際には、アクチュエータを作動させてバッファカセットをその水平姿勢から傾斜姿勢へ移行させる。このように、走行中は、バッファカセットの入口が上方となるように傾斜させておき、カセット内部のウエハが飛び出さないようにしておく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記基部フレームの内部にはアクチュエータの作動等で塵挨が溜まっており、バッファカセットを傾斜させると、該バッファカセットと基部フレームとの間に隙間ができて、該基部フレーム内部が露出されてしまう。また、このときは走行時でもあるため、該基部フレーム内部に外の空気が流れ込み、そうすると、該塵挨は該基部フレーム内部から飛散され巻き上げられることになる。
この走行時だけではなく、無人搬送車を停止させた後、該バッファカセットを元の水平状態に戻すときにも、基部フレーム内部の塵挨は風圧で外へ舞い散ることとなる。
このような塵挨の飛散は好ましくないものであり、特に、高いクリーン度が要求される半導体製造工場においてはなおさらである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
すなわち、請求項1記載の如く、ウエハを移載する移載装置と、ウエハを一時収納するバッファカセットと、該バッファカセットを支持するべース部材と、該ベース部材の下方に配置され該ベース部材を傾動させる傾動手段とを備え、前記傾動手段を作動させて前記ベース部材及び前記バッファカセットを水平姿勢又は傾斜姿勢に移行可能とした無人搬送車において、第一カバーを搬送車本体に設けて、前記バッファカセットが水平姿勢にあるときに位置する前記傾動手段を覆うとともに、第二カバーを前記ベース部材に設けて、前記バッファカセットが傾斜姿勢にあるときに前記第一カバーと前記ベース部材との隙間を覆うように構成する。
【0007】
そして、請求項2記載の如く、前記ベース部材の揺動中心は該ベース部材の一端寄りに配置させるとともに、前記第二カバーは、そのベース部材の他端側に設けられる部分が、同じ側に配置される前記第一カバーの部分に対して、前記バッファカセットが水平姿勢にあるときに平行となる、平板状の第一の部分と、同じ側に配置される前記第一カバーの部分に対して、前記バッファカセットが傾斜姿勢にあるときに平行となる、平板状の第二の部分と、を含むように構成し、また、前記ベース部材の揺動中心から前記第一の部分までの距離よりも、該ベース部材の揺動中心から前記第二の部分までの距離が短くなるように構成する。
【0008】
また、請求項3記載の如く、前記傾動手段を、車体本体の取付部に取り付けて構成したアクチュエータで構成し、前記ベース部材に固定したブラケットを該アクチュエータに回動自在に支持させ、前記取付部の周辺には第一カバー内の空気を逃がす逃がし孔を設ける。
【0009】
【発明の実施の形態】
これより、本発明の実施の一形態を、図面を参照しながら説明する。
図1はクリーンルーム内の無人搬送車1の様子を示す斜視図、図2は無人搬送車1の側面断面図、図3はバッファカセット5の側面断面図であり、同図(a)はバッファカセット5の水平姿勢を、同図(b)は傾斜姿勢を、それぞれ示す。
図4は移動カバーの形状を説明した側面図である。
【0010】
まず、無人搬送車1の全体構成について説明する。
以下の説明では、図1における矢視F方向を前方として、各構造体の前後左右位置を説明する。また、その他の図面における各構造体の前後左右位置も図1に準ずるものとする。
【0011】
図1に示すように、無人搬送車1は、走行レール20・20上を自動走行する有軌道台車であり、車体本体2が走行輪9・9・9・9により支持され、該走行輪9・9・9・9はそのそれぞれに対応した駆動モータ8・8・8・8(図2)で駆動させることで、走行レール20・20上を四輪駆動で走行させている。
尚、本実施の形態では、スリップを減らす為に全ての走行輪9・9・9・9に駆動を伝えるようにしており、各走行輪9・9・9・9にはそれぞれ駆動モータ8・8・8・8が取り付けられているが、全ての走行輪9・9・9・9に駆動を伝達する機構は、これに限定することなく、他の機構でもよい。また、駆動輪は車体前後にそれぞれ設けられていれば、4輪に限らず、その数は限定しない。
【0012】
前記走行レール20・20に沿って、処理装置21・21・・・やストッカ22が並べて配設され、該ストッカ22上に複数のカセット23・23・・・が所定間隔を空けて並設されている。各カセット23・23・・・は、その開口を走行レール20・20側へ向けて配置され、該カセット23内には上下に多数段の棚が設けられ、各棚にウエハ10・10・・・が水平に収納されている。
本実施の形態では、ストッカ22を平置型のストッカとしているが、カセット23の搬出入口と、多数の棚と、棚と搬出入口との間でカセット23を移載するスタッカークレーンとを備えた自動倉庫であっても良い。
【0013】
図2に示すように、前記無人搬送車1の車体本体2には、その中央にウエハ10・10・・・を移載する移載装置3が配設され、その前後に、ウエハ10・10・・・の方向及び中心位置を揃える姿勢合わせ装置4と、ウエハ10・10・・・を収納するバッファカセット5とが配設されている。
【0014】
次に、前記移載装置3について説明する。
移載装置3は、移載アーム30M・30S、基台38、ターンテーブル39等から成り、基台38は車体本体2中央に埋設され、該基台38上にターンテーブル39が枢設され、該ターンテーブル39上に一対の移載アーム30M・30Sが取り付けられている。
【0015】
前記基台38は昇降可能に構成され、また、前記ターンテーブル39は該基台38に対して相対回転可能に構成されている。
前記移載アーム30M(30S)は、移載ハンド31と、第1アーム32と、第2アーム33とでリンク機構が組まれたスカラーアーム式のロボットハンドであり、サーボモータ等から成るアクチュエータにより屈折自在に構成されている。
【0016】
次に、前記姿勢合わせ装置4について説明する。
姿勢合わせ装置4は、ケーシング40、載置台41、オリフラセンサ42・42、オプティカルキャラクタリーダ(以下「OCR」)43等から成り、該ケーシング40は移載装置3側が開口して、その入口付近には2組のオリフラセンサ42・42が配設され、それぞれ天井面に受光器42a、床面に投光器42bを埋設して構成されている。この2組のオリフラセンサ42・42は、外側(ケーシング40の開口入口側)のオリフラセンサ42で12インチのウエハ10のオリフラ位置(又はノッチ位置)を検出し、内側(ケーシング40の開口奥側)のオリフラセンサ42で8インチのウエハ10Sのオリフラ位置(又はノッチ位置)を検出するように構成されている。
【0017】
なお、12インチウエハ10用のオリフラセンサ42と、8インチウエハ10用のオリフラセンサ42の配置は、載置台41の回転中心から8インチウエハ10用のオリフラセンサ42へ向けての延長線上で、ウエハ10の縁部が検出可能な位置に、12インチウエハ10用のオリフラセンサ42を配置するようにしてもよい。あるいは、8インチウエハ10用のオリフラセンサ42からの延長線上ではなく、90°ずらした直交する方向で、ウエハ10の縁部が検出可能な位置に、12インチウエハ10用のオリフラセンサ42を配置するようにしてもよい。
【0018】
また、ケーシング40の開口の床面、奥側にはOCR43が埋設され、該ケーシング40内に、IDマークの付された面を下側にしてウエハ10をセットし、該IDマーク11を該OCR43で読み取る構成とする。尚、IDマークの面を上側にしてウエハ10をセットしてもよく、この場合、OCR43はケーシング40の開口の天井面、奥側に配置し、あるいは、作業過程でウエハ10の盤面が上下入れ替わることも考慮して、図2に示すように、ケーシング40の開口の天井面、及び床面の奥側に、上下一対のOCR43・43を配置する構成することが好ましい。
【0019】
また、ケーシング40の開口の床面には、ウエハ10を載置する載置台41が設けられている。該載置台41は円盤状の形状で、その回転中心には吸着孔が設けられ、該吸着孔から同心円状、並びに放射線状に複数の吸着溝が設けられている。この構成で、ウエハ10を載置台41上に載置した状態で吸着孔からエアポンプで吸引することによってウエハ10を吸着・保持し、載置台41を回転させたときに、ウエハ10が遠心力で位置ズレしないようにしている。
【0020】
次に、前記バッファカセット5について説明する。
図2及び図3に示すように、バッファカセット5は、その入口を前方(移載装置3側)へ向けて可動ベース部材50上に固定され、該可動ベース部材50は車体本体2より立設された基部フレーム(図外)上に配置されている。該バッファカセット5内には上下に多数段の棚が設けられ、この棚にウエハ10・10・・・が収納される。
【0021】
詳しくは、該棚はバッファカセット5内の左右内側面から若干の幅だけ突出されるのみであって、ウエハ10の両端下面を支持するだけである。各段の棚の間口の左右幅はウエハ10の直径よりも適宜のマージンをもってやや広く形成されているので、ウエハ10を吸着保持する移載ハンド31が多少横方向へブレていても、あるいは、ウエハ10の回転中心と移載ハンド31の中心(左右中心)とが一致しないまま保持されていたとしても、該棚の間口からウエハ10を挿し込むことが可能である。
各段の棚の間口はウエハ10の直径よりもやや広く形成され、バッファカセット5の左右内側面は、入口側は互いに平行とする一方、奥側は「V」字状に徐々に狭めた形状とされている。この構成により、バッファカセット5が後述する機構により奥側が下となる傾斜姿勢とされたときには、ウエハ10はその自重によって奥側へ滑り落ちるとともに、その両側は前記「V」字状の部分に案内される。この結果、ウエハ10が最奥部まで落ち込んだときには、各ウエハ10の回転中心がバッファカセット5の左右中心と一致する位置で綺麗に揃うことになる。
【0022】
前記可動ベース部材50下面の後端側寄りの位置には、その揺動中心としての回動支点軸56が横設され、該回動支点軸56は、搬送車本体上面に設けられた図示しない基部フレームの後部に軸支されている。バッファカセット5下方における車体本体2には傾動手段たるエアシリンダ52が揺動可能に埋設され、そのシリンダロッド52aは前記基部フレーム内に突出し、該シリンダロッド52a上端は、可動ベース部材50下面に固定したブラケット53に回動自在に連結される。
前記エアシリンダ52の周囲には、エアシリンダ52の直径より充分大きい直径の逃がし孔2bが設けられ、車体本体2下面へと連通されている。
【0023】
この逃がし孔2bは、エアシリンダ52の揺動を許容するとともに、詳しくは後述するが、可動ベース部材50の傾動により生じる空気を車体本体2下方へと逃がす働きをする。なお、逃がし孔2bは、エアシリンダ52の周囲に1つ設けてもよく、ストッパ機構54F・54Bが取り付けられている面の前面に渡って複数設けてもよい。
【0024】
このエアシリンダ52を作動させてシリンダロッド52aを進退させることによって、ブラケット53を介して可動ベース部材50が上昇/下降され、これによりバッファカセット5の可動ベース部材50を該回動支点軸56まわりに上下に傾動させることができる。
【0025】
なお、空気によって作動する該エアシリンダ52をアクチュエータとして採用することで、バッファカセット5内に収納されるウエハ10・10・・・に振動が極力伝わらないようにしたいという要請に配慮している。即ち、無人搬送車1から処理装置21へ移載の際、常にウエハ10・10・・・の向きを一定にして受け渡し、検査処理の迅速化が図られているのであるが、そのために姿勢合わせ装置4でウエハ10・10・・・のIDマークを読み取るとともに、ウエハ10・10・・・のオリフラ位置(又はノッチ位置)を一定方向に揃え、その揃えた状態のままウエハをバッファカセット5内に収納しているのである。このようにいったん揃えたウエハ10・10・・・が位置ズレしたり回転してしまわないように、エアシリンダ52の空気バネの如き作用によって車両走行中に発生する振動を緩衝させているのである。
【0026】
また、基部フレームの内側にあっては、その前部位置、並びに後部位置にストッパ機構54F・54Bが設けられて、バッファカセット5の水平姿勢及び傾斜姿勢を規定している。本実施例において「水平姿勢」とは、図3(a)に示すように、ウエハ10・10・・・を載置する棚が水平となるときのバッファカセット5の位置姿勢を言い、「傾斜姿勢」とは、同図(b)に示すように、該棚の入口側(前方)が上方へ傾いたときの位置姿勢を言う。
【0027】
バッファカセット5の入口付近にはストッパロッド55が設けられ、該入口を挟んで配置される上下のフレームの左端位置から中央位置にかけて溝部が形成されて、該溝部にストッパロッド55の上下端が挿入され、該溝部に沿ってストッパロッド55が移動可能となっている。
無人搬送車1の停止状態においては該ストッパロッド55はバッファカセット5の入口の左端位置にある。無人搬送車1を走行させる際には(前述の如くバッファカセット5を傾斜させるとともに)、該ストッパロッド55をバッファカセット5の入口の中央位置までスライドさせてウエハ10・10・・・の端部に接触させて保持し、ウエハ10・10・・・の飛び出しを確実に防止する。
【0028】
図3(a)(b)に示すように、回動支点軸56を支持する前記基部フレームの周囲(前後左右)は、第一カバーたる固定カバー51で覆われている。基部フレームの後面を覆う該固定カバー51の部分は、その上部を階段状に後方へ膨出させて膨出部51bとし、バッファカセット5を図3(b)の傾斜姿勢としたときに可動ベース部材50の後端下部が固定カバー51と干渉しないようにしている。
【0029】
また、可動ベース部材50の前面及び左右側面には第二カバーたる移動カバー57が設けられて、前記固定カバー51内に向けて垂下される。そして、この該移動カバー57の、可動ベース部材50の遊端側(回動支点軸56から遠い側)である前面に配置される部分57aは、可動ベース部材50が水平姿勢のときに、前側固定カバー51aに対して図3(a)の如く平行となる第一の部分57a1と、可動ベース部材50が傾斜姿勢のときに前側固定カバー51aに対して図3(b)の如く平行となる第二の部分57a2とを含むように、側面視で一箇所だけ緩やかに折曲させた形状に構成している。
【0030】
そして、回動支点軸56から該第一の部分57a1までの距離(図4に示す距離L1)よりも、該回動支点軸56から該第二の部分57a2までの距離(L2)が短くなるように構成している(L1>L2)。これによって、移動カバー57の前面配置部分57aにおいて折曲させている箇所(第一の部分57a1と第二の部分57a2とが連続している箇所)が、バッファカセット5を水平姿勢から傾斜姿勢(あるいはその逆)へ移行させる際に、固定カバー50aの内面とぶつからないようにすることができる。
ただし、該回動支点軸56から該第二の部分57a2までの距離L2があまりに短くなると、バッファカセット5の傾斜姿勢時において可動ベース部材50前面の部分における移動カバー57aと固定カバー51aとの間にできる隙間が大きくなってしまう。従って、該回動支点軸56から該第二の部分57a2までの距離L2を短くさせる量は、前記折曲させている箇所が固定カバー50aの内面と干渉しない範囲で、できるだけ小さく設定するようにする。
【0031】
もっとも、該移動カバー57の前面配置部分57aを、該回動支点軸56を円弧中心とした円弧面に形成するのが望ましいが、技術的に難しく、製造コストも増大する。
この点本実施例では、上述したように移動カバー57の前面配置部分57aを折り曲げて、平板状の第一の部分57a1と平板状の第二の部分57a2とを形成する簡易な形状としたので、その製造コストや製造コストを減少させることができる。
【0032】
このように固定カバー51と移動カバー57とを設けることで、搬送前にバッファカセット5を傾斜姿勢に移行させる際に、可動ベース部材50下方に溜まっている塵挨の外部への放散を効果的に防ぐことができる。また、停車してバッファカセット5を元の水平状態に移行させるに伴って可動ベース部材50下方空間の空気は圧縮され高圧状態が生じることとなるが、それによっても塵挨は、移動カバー57aと固定カバー51aとの隙間から上方へ噴出して飛散することは殆どなく、エアシリンダ52の周囲に設けた逃がし孔2bから車体本体2下方へと送られる。その後、該塵挨は、無人搬送車1の軌道に沿って部屋の床面に設けられた排気ファンによって室外へと排出される。この排気ファンは、クリーンルーム内の各所で発生した塵挨を室外へ排出するものであり、該軌道に沿って複数設けられている。
このようにして、本発明では、エアシリンダ52で発生した塵挨を巻き上げさせることなく効果的に除去しているのである。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。
すなわち、請求項1のように、ウエハを移載する移載装置と、ウエハを一時収納するバッファカセットと、該バッファカセットを支持するべース部材と、該ベース部材の下方に配置され該ベース部材を傾動させる傾動手段とを備え、前記傾動手段を作動させて前記ベース部材及び前記バッファカセットを水平姿勢又は傾斜姿勢に移行可能とした無人搬送車において、第一カバーを搬送車本体に設けて、前記バッファカセットが水平姿勢にあるときに位置する前記傾動手段を覆うとともに、第二カバーを前記ベース部材に設けて、前記バッファカセットが傾斜姿勢にあるときに前記第一カバーと前記ベース部材との隙間を覆うように構成したので、
バッファカセットが水平姿勢及び傾斜姿勢のいずれであっても、ベース部材下方の空間の周囲は第一カバー(あるいは第一カバー及び第二カバー)によって覆われることとなる。従って、特にバッファカセットを傾斜姿勢としながら無人搬送車を走行させる際においても、ベース部材下方の空間(傾動手段の周囲の空間)は露出されず、そこに溜まっている塵挨が外へ放散されるのを防ぐことができる。
【0034】
請求項2のように、前記ベース部材の揺動中心は該ベース部材の一端寄りに配置させるとともに、前記第二カバーは、そのベース部材の他端側に設けられる部分が、同じ側に配置される前記第一カバーの部分に対して、前記バッファカセットが水平姿勢にあるときに平行となる、平板状の第一の部分と、同じ側に配置される前記第一カバーの部分に対して、前記バッファカセットが傾斜姿勢にあるときに平行となる、平板状の第二の部分と、を含むように構成し、また、前記ベース部材の揺動中心から前記第一の部分までの距離よりも、該ベース部材の揺動中心から前記第二の部分までの距離が短いように構成することで、
第一カバーと第二カバーとの間の隙間を比較的狭くすることができ、傾動手段周囲で発生した塵挨の外への飛散を防止する効果は十分である。また、平板を折り曲げたシンプルな形状であるので、該第二カバーの製作も(ベース部材の揺動中心を円弧中心とした円弧面に形成したような形状に比べて)容易になる。
また、第二カバーの前面部分において、揺動中心から第一の部分までの距離よりも、該揺動中心から該第二の部分までの距離が短くなるから、第二カバーの前面部分の折曲箇所(第一の部分と第二の部分とが連続している箇所)が、バッファカセットを水平姿勢から傾斜姿勢(あるいはその逆)へ移行させる際に、第一カバーの内面とぶつからないようにすることができる。
【0035】
また、請求項3のように、前記傾動手段を、車体本体の取付部に取り付けて構成したアクチュエータで構成し、前記ベース部材に固定したブラケットを該アクチュエータに回動自在に支持させ、前記取付部の周辺には第一カバー内の空気を逃がす逃がし孔を設けたことで、
ベース部材を傾斜状態から水平状態へ移行させるときに、ベース部材の下方部分(傾動手段の周囲)の空気は圧縮されて高圧が発生することとなるが、その高圧によっても、塵挨は、第一カバーと第二カバーとの隙間から飛散されたり巻き上げられたりすることなく、逃がし孔から車体本体下方へと送出される。塵挨を排出させる排気ファンは通例は部屋の床面(即ち、逃がし孔の下方)に設置されているので、塵挨は合理的かつ効果的に室外へと排出され除去されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリーンルーム内の無人搬送車1の様子を示す斜視図。
【図2】無人搬送車1の側面断面図。
【図3】バッファカセット5の側面断面図。(a)は水平状態にあるバッファカセット5を示し、(b)は傾斜状態にあるバッファカセット5を示す。
【図4】移動カバーの形状を説明した側面図。
【符号の説明】
1 無人搬送車
2 車体本体
2b 逃がし孔
5 バッファカセット
10 ウエハ
50 ベース部材
51 固定カバー(第一カバー)
51a 固定カバーの前面部分
57 移動カバー(第二カバー)
57a 移動カバーの前面部分
57a1 第一の部分
57a2 第二の部分
52 エアシリンダ(傾動手段)
56 回動支点軸(揺動支点)
Claims (3)
- ウエハを移載する移載装置と、ウエハを一時収納するバッファカセットと、該バッファカセットを支持するべース部材と、該ベース部材の下方に配置され該ベース部材を傾動させる傾動手段とを備え、前記傾動手段を作動させて前記ベース部材及び前記バッファカセットを水平姿勢又は傾斜姿勢に移行可能とした無人搬送車において、
第一カバーを搬送車本体に設けて、前記バッファカセットが水平姿勢にあるときに位置する前記傾動手段を覆うとともに、
第二カバーを前記ベース部材に設けて、前記バッファカセットが傾斜姿勢にあるときに前記第一カバーと前記ベース部材との隙間を覆うように構成したことを特徴とする、
無人搬送車。 - 請求項1に記載の無人搬送車において、
前記ベース部材の揺動中心は該ベース部材の一端寄りに配置させるとともに、
前記第二カバーは、そのベース部材の他端側に設けられる部分が、
・同じ側に配置される前記第一カバーの部分に対して、前記バッファカセットが水平姿勢にあるときに平行となる、平板状の第一の部分と、
・同じ側に配置される前記第一カバーの部分に対して、前記バッファカセットが傾斜姿勢にあるときに平行となる、平板状の第二の部分と、
を含むように構成し、また、
前記ベース部材の揺動中心から前記第一の部分までの距離よりも、該ベース部材の揺動中心から前記第二の部分までの距離が短いことを特徴とする、
無人搬送車。 - 請求項2に記載の無人搬送車において、
前記傾動手段を、車体本体の取付部に取り付けて構成したアクチュエータで構成し、
前記ベース部材に固定したブラケットを該アクチュエータに回動自在に支持させ、
前記取付部の周辺には前記第一カバー内の空気を逃がす逃がし孔を設けたことを特徴とする、
無人搬送車。
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