JP4626025B2 - 車両用接近危険度検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、障害物に対する自車両の接近危険度を検出する車両用接近危険度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用接近危険度検出装置としては、例えば特開平5−20600号公報に記載されたものが知られている。同公報に記載された装置は、障害物(例えば、先行車両)に対して運転者が感じる接近危険度と相関関係を有する物理量(接近危険性指標)として、障害物に対する視野角の変化率を検出している。そして、この検出された視野角の変化率の大きさに応じて接近危険度を検出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、運転者の感覚を表す接近危険度は、単一の物理量(障害物に対する視野角の変化率)のみによって一義的に表しうるものではなく、そのときの状態(車両状態)によっては、その他の物理量(接近危険性指標)との相関関係が支配的になることが出願人らによって確認されている。従って、このような場合、上述の装置では、運転者の感覚に不適合な態様で接近危険度が検出されることとなる。
【0004】
本発明の目的は、運転者の感覚に適合する態様で接近危険度を検出することができる車両用接近危険度検出装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、障害物に対する接近危険度との相関を有する物理量である接近危険性指標として、前記障害物に対する視野角の変化率及び該障害物に対する車間時間を検出する接近危険性指標検出手段と、自車両の速度及び自車両と前記障害物との相対距離を検出する車両状態検出手段と、前記検出された前記自車両の速度及び前記障害物との相対距離に基づき前記検出された前記障害物に対する前記視野角の変化率又は前記車間時間を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択する接近危険性指標選択手段と、前記選択された接近危険性指標に基づき前記障害物に対する接近危険度を検出する接近危険度検出手段とを備え、前記接近危険性指標選択手段は、前記自車両の速度が第1車速V1以上であって第1車速V1より大きい第2車速V2以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が第1相対距離D1以上であって第1相対距離D1より大きい第2相対距離D2以下である場合に、前記障害物に対する前記視野角の変化率を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択するとともに、前記自車両の速度が前記第2車速V2以上であって第2車速V2より大きい第3車速V3以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が前記第2相対距離D2以上であって第2相対距離D2より大きい第3相対距離D3以下である場合にも、前記障害物に対する前記視野角の変化率を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択することを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用接近危険度検出装置において、前記接近危険性指標選択手段は、前記自車両の速度が前記第1車速V1以上であって前記第2車速V2以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が前記第1相対距離D1より小さい又は前記第2相対距離D2より大きい場合に、前記障害物に対する前記車間時間を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択するとともに、前記自車両の速度が前記第2車速V2以上であって前記第3車速V3以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が前記第2相対距離D2より小さい又は前記第3相対距離D3より大きい場合にも、前記障害物に対する前記車間時間を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択することを要旨とする。
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用接近危険度検出装置において、前記検出された接近危険度を運転者に報知する接近危険度報知手段を備えたことを要旨とする。
【0009】
(作用)
一般に、障害物(例えば、先行車両)に対して運転者が感じる接近危険度は、同接近危険度と相関関係を有する物理量である接近危険性指標の大きさに応じて定量的に扱われている。このような接近危険度と相関関係を有する物理量である接近危険性指標としては種々のものが知られている。そして、これら接近危険性指標のなかで接近危険度との相関関係がより支配的になるものは、そのときの車両状態(自車両の走行状態若しくは自車両と障害物との相対状態)に応じて異なることが出願人らによって確認されている。
【0010】
請求項に記載の発明によれば、上記車両状態(自車両の速度及び自車両と障害物との相対距離)に基づき障害物に対する視野角の変化率又は車間時間が障害物に対する実際の接近危険性指標として選択される。従って、上記車両状態に基づき障害物に対する視野角の変化率及び車間時間のうち接近危険度との相関関係がより支配的な接近危険性指標を選択し、選択された接近危険性指標に基づき上記障害物に対する接近危険度を検出することで、同接近危険度は運転者の感覚により適合する態様で検出される。
【0011】
請求項に記載の発明によれば、検出された接近危険度は好適に運転者に報知される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1は、本実施形態の概略構成図である。同図に示されるように、この車両用接近危険度検出装置1は、接近危険性指標検出手段及び車両状態検出手段を構成するレーザーレーダーセンサ2、接近危険性指標検出手段及び車両状態検出手段を構成して車両3の走行速度(車速)を検出する車速センサ4、接近危険度報知手段としての表示ランプ5及び接近警報ブザー6、並びにコントローラ7を備えている。
【0013】
上記レーザーレーダーセンサ2は、車両3の前部に設けられているもので、自車両3の前方にレーザーを照射し、図2に示される前方の障害物S(例えば、先行車両のリフレクター)に反射したレーザーが戻ってくるまでの時間等を検出する。そして、レーザーレーダーセンサ2は、この検出された時間等に基づき前方の障害物の有無、障害物Sとの相対距離D及び相対速度Vrを演算して上記コントローラ7に出力する。
【0014】
上記車速センサ4は、運転席正面のダッシュボードに組み込まれたスピードメータ(速度計)に車速を表示するための既存のセンサを併用したものであって、例えばトランスミッション(図示略)のアウトプットシャフト後部に取り付けられている。この車速センサ4は、トランスミッションの回転速度に基づき図2に示される車速Vを検出して上記コントローラ7に出力する。尚、車速センサからの車速情報は車輪速センサからのセンサ情報でもよい。
【0015】
表示ランプ5は、例えば運転席正面のダッシュボードに組み込まれており、複数(例えば、24個)の連なるLED(Light Emitting Diode)ランプからなっている。この表示ランプ5は、コントローラ7からの制御信号に応じて所要数のLEDランプが点灯される。
【0016】
接近警報ブザー6は、例えば運転席正面のダッシュボードに内装されており、コントローラ7からの制御信号に応じて警報音が発生される。
上記コントローラ7は、例えばインストルメントパネル内部に設けられており、上記レーザーレーダーセンサ2及び車速センサ4において検出された障害物Sに対する相対距離D、相対速度Vr及び車速V等をメモリに格納する。コントローラ7は、これら相対距離D、相対速度Vr及び車速V等に基づき接近危険度を検出する。そして、コントローラ7は、検出された接近危険度に応じて上記表示ランプ5(LEDランプ)を点灯し、あるいは接近警報ブザー6から警報音を発生する。
【0017】
次に、図3を参照して接近危険度と相関関係を有する物理量である接近危険性指標と車両状態との関係を説明する。本実施形態では、図2に示すように、接近危険性指標として障害物Sに対する視野角θの変化率(視野角変化率θ’)及び同障害物Sに対する車間時間を採用する。なお、視野角変化率θ’とは、例えば視野に占める前方の障害物Sの像の大きさの変化率である。この視野角変化率θ’は、
視野角変化率θ’=W・Vr/(D^2+(W^2/4))
と表される(文献Dave Lamble,Matti Laakso and Heikki Summala.1999,Detection thresholds in car following situations and peripheral vision:implications for positioning of visually demanding in-car displays,Ergonomics,Vol.42,No.6,807-815.参照)。
【0018】
ここで、Wは、前方の障害物Sの幅(例えば、先行車両の車幅)である(図2参照)。この幅Wは、例えば普通車の平均的な車幅である固有の値に設定されている。また、相対距離D及び相対速度Vrは上述の検出値である。
【0019】
一方、車間時間とは、前方の障害物Sにどれくらいの時間で衝突するかの感覚を表すものである。この車間時間は、
車間時間=D/Vr
と表される。相対距離D及び相対車速Vrは上述の検出値である。
【0020】
また、本実施形態では、車両状態として自車両3の走行状態である車速V及び自車両3と障害物Sとの相対状態である相対距離Dを採用する。
図3は、各車両状態(車速V及び相対距離D)に対して接近危険度との相関関係がより支配的である側の接近危険性指標を示すマップである。換言すると、運転者が感じる接近危険度はそのときの車両状態(車速V及び相対距離D)に応じて関係する接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)が切り替わっている。従って、図3のマップは、各車両状態(車速V及び相対距離D)に対するこの切り替わりの領域を区分したものである。このマップは、上記コントローラ7のメモリ(ROM)に格納されている。
【0021】
同図において、領域Aに属する車両状態(車速V及び相対距離D)にあるときには、視野角変化率θ’が接近危険度に対して最も相関が強い指標となる。従って、領域Aに属する車両状態にあるときには、そのときの視野角変化率θ’に基づき接近危険度を検出する。
【0022】
一方、領域A以外に属する車両状態にあるときには、車間時間が接近危険度に対して最も相関が強い指標となる。従って、領域A以外に属する車両状態にあるときには、そのときの車間時間に基づき危険度を検出する。
【0023】
次に、上述のマップの作成にあたって、各車両状態における各接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)と接近危険度との相関関係の強さを求めた実験の概要について説明する。本実施形態では、運転者が感じる接近危険度に比例する物理量として、運転者がブレーキペダル操作を開始した時点でのブレーキペダルの操作速度を採用した。これは、例えば自車両3の走行中に先行車両が減速して停止するような状況を仮定すると、運転者が感じる接近危険度はブレーキペダル操作を開始した時点でのブレーキペダルの操作速度との因果関係が強いと考えられるためである。このブレーキペダルの操作速度は、例えばブレーキペダルにペダルストロークセンサを設け、このペダルストロークセンサにより検出されるストローク量の単位時間当たりの変化量を演算することで検出した。
【0024】
そして、例えば市街地での通常走行における各車両状態(車速V及び相対距離D)において、各接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)それぞれ及び上記ブレーキペダルの操作速度(接近危険度)のデータを実験的に収集するとともに、それら収集データを周知の統計分析方法(相関分析方法)にて解析することで、その相関関係の強さを検出した結果、各車両状態(車速V及び相対距離D)に対してブレーキペダルの操作速度(即ち、接近危険度)と最も相関が強い接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)を決定し、図3に示されるマップが作成されている。
【0025】
次に、各接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)に対する接近危険度の大きさを定量的に表すための解析態様について図4に基づき説明する。なお、図4(a)は、接近危険性指標(視野角変化率θ’又は車間時間)に対する度数分布及び累積度数分布の概略図である。また、図4(b)は、図4(a)の累積度数分布を正規化した分布に近似される関数を表すグラフである。従って、本実施形態では、そのときの車両状態(車速V及び相対距離D)の範囲が決まれば、上記グラフを用いることで検出された接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)に対する接近危険度を一義的に決定するようにした。
【0026】
ここで、図4(a)の累積度数分布を正規化した分布に近似される関数について説明する。本実施形態では、累積度数分布を正規化した場合の特性に類似する関数として、ロジスティック関数を採用する。また、度数分布のピークに対してその両側は非対称であることから、同ピークに対する各側(図4(b)の左側及び右側)のロジスティック関数にはそれぞれ異なる係数を設定する。
【0027】
具体的には、まず、図4(a)の度数分布に基づき、ピークのときの接近危険性指標の指標値XMを決定する。そして、上記指標値XMとの大小関係により異なる係数α1,α2,β1,β2を用いて場合分けし、接近危険度Yを接近危険性指標Xのロジスティック関数としてそれぞれ、
Y=1/(1+exp(−α1(X−β1)) (X≦XM)
Y=1/(1+exp(−α2(X−β2)) (X>XM)
と表す。これら関数は、X=XMにおいて連続であるとして、
β1=β2=XM
と設定する。
【0028】
次に、図4(a)の累積度数分布に基づき、累積度数がそれぞれ全度数の10%及び90%を占めるときの接近危険性指標の各指標値X10,X90を決定する。そして、ピークに対する各側のロジスティック関数がそれぞれ上記指標値X10,X90に対する値(接近危険度)、すなわち値0.1及び値0.9を満たすと仮定して、
0.1=1/(1+exp(−α1(X10−XM))
0.9=1/(1+exp(−α2(X90−XM))
とする。上記各式を計算することにより、各係数α1,α2がそれぞれ求められる。
【0029】
なお、接近危険度Yを算出する上記した2式は、視野角変化率θ’と車間時間でそれぞれの係数α1,α2を用いて、視野角変化率θ’と車間時間で2組求まり、指標値Xを代入することにより、接近危険度Yが算出できる。また、上記係数α1,α2の符号は、接近危険性指標と主観的危険感度の相関係数との符号が一致するように設定する。例えば、車間時間の場合は負の値に設定する。
【0030】
以上により、指標値XMとの大小関係によりそれぞれ異なる係数α1,α2,β1,β2を有するロジスティック関数が決定される。そして、接近危険性指標に対する接近危険度をこれらロジスティック関数を用いて近似的に扱うことで、各状態での接近危険度は値「0」から値「1」までの実数値に変換される。すなわち、運転者が感じる接近危険度は、この変換された実数値を用いることで定量的に扱われる。ちなみに、接近危険度が値「1」であるときが必ずしも接触(衝突)する物理的な限界値を表すものではない。従って、この接近危険度は、例えば安全に停止できる走行状況のばらつきの範囲内で表されている。
【0031】
なお、各車両状態(車速V及び相対距離D)の範囲における指標値XM及び係数α1,α2,β1,β2の値(ロジスティック関数)は、各危険性指標(視野角変化率θ’及び車間時間)ごとに上記コントローラ7のメモリ(ROM)に格納されている。従って、そのときの車両状態(車速V及び相対距離D)の範囲が決まれば、対応する危険性指標に対する上記指標値XM及び係数α1,α2,β1,β2の値(ロジスティック関数)を読み込むことで、同接近危険性指標に対する接近危険度が演算・検出される。
【0032】
次に、図5を参照してコントローラ7による接近危険度の検出態様について説明する。なおこの処理は、所定時間ごとの定時割り込み処理によりに実行される。
【0033】
処理がこのルーチンに移行すると、コントローラ7は、ステップ101において、車速Vを車速センサ4から入力して相対距離D及び相対速度Vrを算出し、メモリに記憶させたものを読み込みステップ102に移行する。
【0034】
ステップ102においてコントローラ7は、前記レーザーレーダーセンサ2の検出結果に基づき、車両3の前方に障害物Sがあるか否かを判断する。そして、前方に障害物Sがないと判断されると、コントローラ7はその後の処理を一旦終了する。
【0035】
また、ステップ102において車両3の前方に障害物Sがあると判断されると、コントローラ7はステップ103に移行する。そして、図3のマップに基づき、このときの車速V及び相対距離Dに対応する状態が領域Aに属するか否かを判断する。
【0036】
ここで、このときの車速V及び相対距離Dに対応する状態が領域Aに属すると判断されるとコントローラ7は、接近危険度との相関関係がより支配的である接近危険性指標は視野角変化率θ’であると判定してステップ104に移行する。そして、ステップ104においてコントローラ7は、上記相対距離D及び相対速度Vrに基づき視野角の変化率を演算する。
【0037】
次いで、ステップ105に移行してコントローラ7は、視野角変化率θ’の指標値Xから、視野角変化率θ’のロジスティック関数を用いて、接近危険度Yを算出する。
【0038】
一方、ステップ103において、このときの車速V及び相対距離Dに対応する状態が領域Aに属しないと判断されるとコントローラ7は、接近危険度との相関関係がより支配的である接近危険性指標は車間時間であると判定してステップ106に移行する。そして、ステップ106においてコントローラ7は、上記速度V及び相対距離Dに基づき車間時間を演算する。
【0039】
次いで、ステップ107に移行してコントローラ7は、車間時間の指標値Xから、車間時間のロジスティック関数を用いて、接近危険度Yを算出する。
上記接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)に基づき接近危険度を演算・検出したコントローラ7は、ステップ108に移行し、接近危険度を運転者に報知してその後の処理を一旦終了する。具体的には、コントローラ7は、上記検出された接近危険度の大きさに応じて前記表示ランプ5に制御信号を出力し、同表示ランプ5のLEDランプを所要数だけ点灯する。また、接近危険度の値に対して所定しきい値を設定し、検出された接近危険度が同しきい値を超えた場合にコントローラ7は、前記接近警報ブザー6に制御信号を出力し、同接近警報ブザー6から警報音を発生させてもよい。
【0040】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、車両状態(車速V及び相対距離D)に基づき複数の接近危険性指標(視野角変化率θ’及び車間時間)のなかで接近危険度との相関関係がより支配的な接近危険性指標を選択し、選択された接近危険性指標(視野角変化率θ’若しくは車間時間)に基づき障害物Sに対する接近危険度を検出した。従って、運転者の感覚により適合する態様で接近危険度を検出することができる。
【0041】
(2)本実施形態では、検出された接近危険度を表示ランプ5及び接近警報ブザー6にて好適に運転者に報知することができる。
(3)本実施形態では、検出された接近危険度の大きさに応じて表示ランプ5のLEDランプを所要数だけ点灯するようにした。従って、そのときの接近危険度を段階的に表示することでより好適に運転者に報知することができる。
【0042】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。このような変更をしても、前記実施形態の効果と同様の効果が得られるようになる。
【0043】
・前記実施形態においては、検出された接近危険度の大きさに応じて表示ランプ5のLEDランプを所要数だけ点灯するようにした。これに対して、接近危険度に対して所定しきい値を設定し、検出された接近危険度が同しきい値を超えた場合に表示ランプ5のLEDランプを全て点灯するようにしてもよい。この場合、表示ランプ5は単一のランプであってもよい。
【0044】
・前記実施形態においては、表示ランプ5を用いて検出された接近危険度を運転者に報知するようにした。このような報知は、例えばナビゲーションシステム等のモニタ画面に表示するようにして行ってもよい。
【0045】
・前記実施形態においては、接近危険度に対して所定しきい値を設定し、検出された接近危険度が同しきい値を超えた場合に接近警報ブザー6から警報音を発生するようにした。これに対して、例えば検出された接近危険度の大きさに応じて接近警報ブザー6からの警報音の大きさ(デシベル)を変更するようにしてもよい。
【0046】
・前記実施形態においては、検出された接近危険度に応じて表示ランプ5及び接近警報ブザー6を併用して運転者に報知するようにした。これに対して、表示ランプ5又は接近警報ブザー6のいずれか一方のみを用いて運転者に報知するようにしてもよい。
【0047】
・前記実施形態における車両状態は、車速V及び相対距離Dとしたが、その他の物理量を採用してもよい。
・前記実施形態における接近危険性指標は、視野角の変化率及び車間時間としたが、その他の物理量を採用してもよい。
【0048】
・前記実施形態における障害物Sとしては、例えば先行車両や駐車車両、あるいは前方から後退してくる車両であってもよい。
・前記実施形態においては、車両3の前方の障害物S(例えば、先行車両)に対して接近危険度を検出する場合を説明した。これに対して、車両3の後部に同様のレーザーレーダーセンサを設け、同車両3の後方の障害物(例えば、後方車両)に対して接近危険度を検出するようにしてもよい。また、車両3の側部に同様のレーザーレーダーセンサを設け、同車両3の側方の障害物に対して接近危険度を検出するようにしてもよい。また、この場合、接近危険度を検出するには、ミリ波レーダーや画像等により検出するようにしてもよい。
【0049】
・前記実施形態においては、接近危険性指標に対する接近危険度を定量的に求めるために、ロジスティック関数を用いた近似法を採用したが、その他の関数を用いた近似法を採用してもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、運転者の感覚に適合する態様で接近危険度を検出することができる。
【0051】
請求項に記載の発明によれば、検出された接近危険度を好適に運転者に報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す概略図。
【図2】自車両及び障害物の状態を示す略図。
【図3】車速及び車間距離に対して接近危険度との相関関係が支配的になる側の接近危険性指標の領域を示すマップ。
【図4】接近危険性指標に基づく接近危険度の演算態様を説明する説明図。
【図5】同実施形態の接近危険度の検出態様を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 車両用接近危険度検出装置
2 接近危険性指標検出手段及び車両状態検出手段を構成するレーザーレーダーセンサ
3 車両(自車両)
4 接近危険性指標検出手段及び車両状態検出手段を構成する車速センサ
5 接近危険度報知手段としての表示ランプ
6 接接近危険度報知手段としての近警報ブザー
7 コントローラ

Claims (3)

  1. 障害物に対する接近危険度との相関を有する物理量である接近危険性指標として、前記障害物に対する視野角の変化率及び該障害物に対する車間時間を検出する接近危険性指標検出手段と、
    自車両の速度及び自車両と前記障害物との相対距離を検出する車両状態検出手段と、
    前記検出された前記自車両の速度及び前記障害物との相対距離に基づき前記検出された前記障害物に対する前記視野角の変化率又は前記車間時間を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択する接近危険性指標選択手段と、
    前記選択された接近危険性指標に基づき前記障害物に対する接近危険度を検出する接近危険度検出手段とを備え
    前記接近危険性指標選択手段は、
    前記自車両の速度が第1車速V1以上であって第1車速V1より大きい第2車速V2以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が第1相対距離D1以上であって第1相対距離D1より大きい第2相対距離D2以下である場合に、前記障害物に対する前記視野角の変化率を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択するとともに、
    前記自車両の速度が前記第2車速V2以上であって第2車速V2より大きい第3車速V3以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が前記第2相対距離D2以上であって第2相対距離D2より大きい第3相対距離D3以下である場合にも、前記障害物に対する前記視野角の変化率を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択することを特徴とする車両用接近危険度検出装置。
  2. 請求項1に記載の車両用接近危険度検出装置において、
    前記接近危険性指標選択手段は、
    前記自車両の速度が前記第1車速V1以上であって前記第2車速V2以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が前記第1相対距離D1より小さい又は前記第2相対距離D2より大きい場合に、前記障害物に対する前記車間時間を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択するとともに、
    前記自車両の速度が前記第2車速V2以上であって前記第3車速V3以下であり、且つ、前記障害物との相対距離が前記第2相対距離D2より小さい又は前記第3相対距離D3より大きい場合にも、前記障害物に対する前記車間時間を前記障害物に対する実際の接近危険性指標として選択することを特徴とする車両用接近危険度検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用接近危険度検出装置において、
    前記検出された接近危険度を運転者に報知する接近危険度報知手段を備えたことを特徴とする車両用接近危険度検出装置。
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