JP4625652B2 - 2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

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本発明は医薬品や光機能性高分子等の機能性高分子材料の原料等に幅広く利用される2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルの製造方法に関する。
2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルは、医薬品や光機能性高分子の原料等に幅広く利用される有用な化合物である。従来、1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンを原料とし、アルコールおよび一酸化炭素との反応で2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルを製造する方法としては、(1)パラジウム触媒、三級アミンを用いる方法(特許文献1および非特許文献1)、および(2)パラジウム触媒、三級アミン、ナトリウムアルコキシドまたは水素化ナトリウムを用いる方法(非特許文献2)が開示されている。
特開昭58−154529号公報
Journal of Molecular Catalysis A:Chemical,143巻,287295ページ,1999年 第27回フッ素化学討論会要旨集,6465ページおよび142143ページ,2003年
しかしながら、(1)の方法では、三級アルコールがほとんど反応しないこと、および2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルの他に3−アルコキシ−2−ぺルフルオロアルキルプロピオン酸エステルが副成する点で工業的製法としては問題があるものであった。また、(2)の方法では、三級アルコールであるtert−ブチルアルコールを用いても2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルが得られるものの、やはり3−アルコキシ−2−ぺルフルオロアルキルプロピオン酸エステルが副成する点で工業的製法としては問題があるものであった。
本発明者等は、これらの問題点を改善するために鋭意検討した結果、一般式R−OHで表されるアルコール(式中Rは置換していてもよい炭素数1〜15からなるアルキル基、置換していてもよいフェニル基、または置換していてもよいナフチル基を表す。)と、一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンとを、三級アミンまたは複素芳香族アミン、パラジウム触媒の存在下、一酸化炭素の加圧下で反応させる際に、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、及び溶媒としてのエステル類を用いることを必須条件とすることにより、高い収率で一般式(1)で表される2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルが製造でき、なおかつ3−アルコキシ−2−ぺルフルオロアルキルプロピオン酸エステルの副成が抑制され、2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルの選択性を向上させることを見出し、本発明を完成させるに至った。以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、一般式R−OHで表されるアルコール(式中Rは置換していてもよい炭素数1〜15からなるアルキル基、置換していてもよいフェニル基、または置換していてもよいナフチル基を表す。)と、一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテン(式中Rfは炭素数1〜20からなるペルフルオロアルキル基を表す。)を、一般式RN(式中R、RおよびRは同一または相異なる炭素数1〜8からなるアルキル基を示す。)の三級アミンまたは炭素数5〜9からなる複素芳香族アミンの存在下および一酸化炭素ガス加圧下で、下記一般式(1)で表される2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルを製造する方法において、パラジウム触媒、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、溶媒として一般式RCOORで示されるエステル類(一般式中のR、Rは同一または相異なる炭素数1〜8からなる置換していてもよいアルキル基、または置換していてもよいフェニル基を示す。)の存在を必須条件として反応を行うことを特徴とする2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルの製造方法である。
Figure 0004625652
本発明におけるR−OHで表されるアルコールのRは置換していてもよい炭素数1〜15からなるアルキル基、または置換していてもよいフェニル基またはナフチル基を表す。
が炭素数1〜15からなるアルキル基は、直鎖、分岐、環式のいずれでもよく、R−OHで表されるアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノール、2‐ペンタノール、3‐ペンタノール、シクロペンタノール、1‐メチルシクロペンタノール、1‐エチルシクロペンタノール、1‐プロピルシクロペンタノール、1‐ブチルシクロペンタノール、1‐シクロペンチルメタノール、シクロペンチルエタノール、2‐シクロペンチルエタノール、1‐シクロペンチルプロパノール、2‐シクロペンチルプロパノール、3‐シクロペンチルプロパノール、1‐シクロペンチルブタノール、2‐シクロペンチルブタノール、3‐シクロペンチルブタノール、4‐シクロペンチルブタノール、ヘキサノール、2‐ヘキサノール、3‐ヘキサノール、シクロヘキサノール、1‐メチルシクロヘキサノール、1‐エチルシクロヘキサノール、1‐プロピルシクロヘキサノール、1‐ブチルシクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、1‐シクロヘキシルエタノール、2‐シクロヘキシルエタノール、1‐シクロヘキシルプロパノール、2‐シクロヘキシルプロパノール、3‐シクロヘキシルプロパノール、1‐シクロヘキシルブタノール、2‐シクロヘキシルブタノール、3‐シクロヘキシルブタノール、4‐シクロヘキシルブタノール、ヘプタノール、2‐ヘプタノール、3‐ヘプタノール、4‐ヘプタノール、シクロヘプタノール、オクタノール、2‐オクタノール、3‐オクタノール、4‐オクタノール、シクロオクタノール、ノナノール、2‐ノナノール、3‐ノナノール、4‐ノナノール、5‐ノナノール、シクロノナノール、デカノール、2‐デカノール、3‐デカノール、4‐デカノール、5‐デカノール、シクロデカノール、1−アダマンタノール、2‐アダマンタノール、3,5‐ジメチル‐1‐アダマンタノール、2‐エチル‐2‐アダマンタノール、2‐メチル‐2‐アダマンタノール、2‐ブチル‐2‐アダマンタノール、2−(アダマンタン−1−イル)エタノール、1−アダマンタンメタノール、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−オール、2−エチニルアダマンタン−2−オール、3−メチル−1−アダマンタノール、(3−メチルアダマンタン−1−イル)メタノール、3,5,7−トリメチルアダマンタン−1−イルメタノール、1−ノルボルナノール、2‐ノルボルナノール、1,3,3−トリメチル−2−ノルボルナノール、2−メチル−2−ノルボルナノール、2−ノルボルニルメタノール、2−(ノルボルナン−2−イル)エタノール、ビシクロ[3,1,0]ヘキサン−2−オール、1,3,3−トリメチルビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−オール、2,6,6−トリメチルビシクロ[3,1,1]ヘプタン−3−オール、6,6−ジメチルビシクロ[3,1,1]ヘプタン−2−メタノール、4−ペンチルビシクロ[2,2,2]オクタン−1−オール、2,2,7,7−テトラメチルトリシクロ[6,2,1,01,6]ウンデカン−6−オール等を例示することができる。
また、これらのアルコールのアルキル基はハロゲン原子、水酸基、(炭素数1〜8からなるアルコキシ)カルボニル基、炭素数2〜8からなるアルコキシ基、炭素数1〜8からなるアルケニル基、炭素数2〜8からなるアルキニル基、フェニル基等で一個以上置換されていてもよく、具体的には2,2,2‐トリフルオロエタノール、2,2,2‐トリクロロエタノール、2−(3−ブロモアダマンタン−1−イル)エタノール、2−(2,2−ジフルオロアダマンタン−1−イル)エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3‐アダマンタンジオール、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)−アダマンタン−2−オール、2−(3−(2−ヒドロキシエチル)アダマンタン−1−イル)エタノール、2−(3−ヒドロキシメチルアダマンタン−1−イル)エタノール、2‐ブテン‐1,4‐ジオール、2‐ブチン‐1,4‐ジオール、アリルアルコール、メタリルアルコール、クロチルアルコール、3‐ブテン‐1‐オール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、2−フェニルアダマンタン−2−オール等を例示することができる。例えば光機能性高分子の原料としては、性能の点でtert−ブチルアルコール、1−アダマンタノールが好ましい。
がフェニル基またはナフチル基で表されるアルコールとしては、フェノール、1‐ナフトール、2‐ナフトールを例示することができる。また、これらのフェニル基およびナフチル基は炭素数1〜4からなるアルキル基、ハロゲン原子、水酸基、(炭素数1〜4からなるアルコキシ)カルボニル基、炭素数1〜8からなるアルコキシ基、炭素数2〜4からなるアルケニル基、炭素数2〜8からなるアルキニル基、ニトロ基、アセチルアミノ基、ベンジルオキシ基、ベンジル基等で一個以上置換されていてもよく、具体的には2‐メチルフェノール、3‐メチルフェノール、4‐メチルフェノール、2‐エチルフェノール、3‐エチルフェノール、4‐エチルフェノール、2‐プロピルフェノール、3‐プロピルフェノール、4‐プロピルフェノール、2‐イソプロピルフェノール、3‐イソプロピルフェノール、4‐イソプロピルフェノール、2‐ブチルフェノール、3‐ブチルフェノール、4‐ブチルフェノール、2‐イソブチルフェノール、3‐イソブチルフェノール、4‐イソブチルフェノール、2‐tert‐ブチルフェノール、3‐tert‐ブチルフェノール、4‐tert‐ブチルフェノール、3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2‐フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4‐フルオロフェノール、2,3‐ジフルオロフェノール、2,4‐ジフルオロフェノール、3,4‐ジフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2‐クロロフェノール、3‐クロロフェノール、4‐クロロフェノール、2,3‐ジクロロフェノール、2,4‐ジクロロフェノール、3,4‐ジクロロフェノール、ペンタクロロフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、2‐ヒドロキシ安息香酸メチル、3‐ヒドロキシ安息香酸メチル、4‐ヒドロキシ安息香酸メチル、2‐ヒドロキシ安息香酸エチル、3‐ヒドロキシ安息香酸エチル、4‐ヒドロキシ安息香酸エチル、2‐メトキシフェノール、3‐メトキシフェノール、4‐メトキシフェノール、2‐ニトロフェノール、3‐ニトロフェノール、4‐ニトロフェノール、N−(2‐ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−(3‐ヒドロキシフェニル)アセトアミド、N−(4‐ヒドロキシフェニル)アセトアミド、2‐ベンジルオキシフェノール、3‐ベンジルオキシフェノール、4‐ベンジルオキシフェノール、2‐ベンジルフェノール、3‐ベンジルフェノール、4‐ベンジルフェノール、1−メチル−2−ナフトール、2−メチル−1−ナフトール、4−クロロ−1−ナフトール、2,4−ジクロロ−1−ナフトール、3−メトキシ−2−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール、6−メトキシ−2−ナフトール、7−メトキシ−2−ナフトール、2−ニトロ−1−ナフトール、2,4−ジニトロ−1−ナフトール等を例示することができる。
アルコールの使用量は、原料である一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンに対し、0.1倍当量から大過剰でよく、収率、選択率の点から1倍当量から大過剰が好ましく、また1〜2倍当量でも十分に反応は進行する。
本発明で用いる一般式CHBr−CHBr−Rfまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンのペルフルオロアルキル基Rfは、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖、分岐鎖、または環状のフッ化アルキル基である。フッ化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロ−sec−ブチル基、ペルフルオロ−tert−ブチル基、ペルフルオロイソペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフルオロオクチル基、ペルフルオロデシル基等が例示できる。これらの中で原料入手が容易な点でトリフルオロメチル基が好ましい。
本発明で用いられる三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリぺプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、エチルイソプロピルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジエチルプロピルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、キヌクリジン等を挙げることができ、好ましくは、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン等を挙げることができる。さらに好ましくは、トリエチルアミンを挙げることができる。
本発明で用いられる複素芳香族アミンとしては、ピリジン、キノリン、イソキノリン等を挙げることができる。
三級アミンまたは複素芳香族アミンの使用量は、原料である一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンに対し、0.1倍当量から大過剰でもよいが、収率、選択率の点でCHBr−CHBr−Rfを用いる場合はこれに対して2倍当量から大過剰がよく、また2〜4倍当量でも十分に反応は進行する。また、CH=CBr−Rfを用いる場合はこれに対して1倍当量から大過剰がよく、また1〜2倍当量でも十分に反応は進行する。
本発明の方法において、反応は一酸化炭素加圧下で実施される。一酸化炭素圧は通常1〜200気圧の範囲から選ばれるが、収率および安全性、経済性等から5〜50気圧程度が好ましい。
本発明で用いるパラジウム触媒として用いるパラジウム化合物としては、例えば、パラジウム黒、パラジウムスポンジ等の金属パラジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、硫酸パラジウム、シアン化パラジウム、アリルパラジウムクロリドダイマー、パラジウムアセチルアセトナート等のパラジウム塩、ナトリウムヘキサクロロパラデート、カリウムヘキサクロロパラデート、ナトリウムテトラクロロパラデート、カリウムテトラクロロパラデート、カリウムテトラブロモパラデート、硼フッ化テトラ(アセトニトリル)パラジウム、アンモニウムテトラクロロパラデート、アンモニウムヘキサクロロパラデート、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、硝酸テトラアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラデート、ジクロロジピリジンパラジウム、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(フェナントロリン)パラジウム、硝酸(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム、硝酸ジフェナントロリンパラジウム、硝酸ビス(テトラメチルフェナントロリン)パラジウム等のパラジウム錯塩または錯化合物、また三級ホスフィンを配位子とするジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム、ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等のパラジウム錯体を例示することができる。目的生成物の収率が良い点で、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、塩化パラジウムが好ましい。
また、これらの金属パラジウム、パラジウム錯塩または錯化合物、およびパラジウム錯体を、適当な担体に担持して用いることもできる。担持パラジウム化合物としては、例えばパラジウム/アルミナ、パラジウム/シリカ、パラジウム/マグネシア、パラジウム/ジルコニア、パラジウム/Y型ゼオライト、パラジウム/A型ゼオライト、パラジウム/X型ゼオライト、パラジウム/モルデナイト、パラジウム/ZSM−5、パラジウム/ヒドロキシアパタイト、パラジウム/ハイドロタルサイト、パラジウム/4フッ化ケイ雲母、パラジウム/炭素、パラジウム/硫酸バリウム、パラジウム/炭酸バリウム、パラジウム/炭酸カルシウム、ポリエチレン−ポリスチレン樹脂固定化ジ−μ−クロロビス[(η−アリル)パラジウム]、ポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等を例示することができる。生成物の収率が良く、また再使用可能な点で、ポリスチレン−ポリエチレン樹脂固定化ジ−μ−クロロビス[(η−アリル)パラジウム]、ポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の使用量は、原料である一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンに対し、0.01〜10モル%、より好ましくは0.2〜1モル%である。
上記したパラジウム触媒には、さらにホスフィン化合物を加えても良い。ホスフィン化合物としては三級ホスフィンが好ましく、例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ‐tert‐ブチルホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、トリス(2−ヒドロキシエチル)ホスフィン、トリス(3−ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(2‐シアノエチル)ホスフィン、(+)‐1,2‐ビス[(2R,5R)‐2,5‐ジエチルホスホラノ]エタン、トリアリルホスフィン、トリアミルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、イソプロピルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、イソブチルジフェニルホスフィン、tert‐ブチルジフェニルホスフィン、9,9‐ジメチル‐4,5‐ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、2‐(ジフェニルホスフィノ)‐2’‐(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)‐(+)‐2‐(ジフェニルホスフィノ)‐2’‐メトキシ‐1,1’‐ビナフチル、(‐)‐1,2−ビス[(2R,5R)‐2,5‐ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(+)‐1,2‐ビス[(2S,5S)‐2,5‐ジメチルホスホラノ]ベンゼン、(‐)‐1,2‐ビス((2R,5R)‐2,5‐ジエチルホスホラノ)ベンゼン、(+)‐1,2‐ビス[(2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ]ベンゼン、1,1’‐ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、(‐)‐1,1’‐ビス[(2S,4S)‐2,4‐ジエチルホスホタノ]フェロセン、(R)‐(‐)‐1‐[(S)‐2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、(+)‐1,2‐ビス[(2R,5R)‐2,5‐ジ‐イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(‐)‐1,2‐ビス[(2S,5S)‐2,5‐ジ−イソプロピルホスホラノ]ベンゼン、(±)‐2‐(ジ‐tert‐ブチルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル、2‐(ジ‐tert‐ブチルホスフィノ)ビフェニル、2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)‐2’‐メチルビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2‐ビス(ジペンタフルオロフェニルホスフィノ)エタン、1,3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(2R,3R)‐(‐)‐2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプタ‐5‐エン、(2S,3S)‐(+)−2,3‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐ビシクロ[2.2.1]ヘプタ‐5‐エン、(2S,3S)‐(‐)‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、cis‐1,2‐ビス((ジフェニルホスフィノ)エチレン、ビス(2‐ジフェニルホスフィノエチル)フェニルホスフィン、(2S,4S)‐(‐)‐2,4−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、(2R,4R)‐(‐)‐2,4‐1,4‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、R‐(+)‐1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、(2S,3S)‐(+)‐1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)‐2,3‐O‐イソプロピリデン‐2,3‐ブタンジオール、トリ(2−フリル)ホスフィン、トリ(1‐ナフチル)ホスフィン、トリス[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリス(3‐クロロフェニル)ホスフィン,トリス(4‐クロロフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3‐フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(4‐フルオロフェニル)ホスフィン、トリス(2‐メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3‐メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4‐メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホスフィン、トリス[4‐(ペルフルオロへキシル)フェニル]ホスフィン、トリス(2‐チエニル)ホスフィン、トリス(m‐トリル)ホスフィン、トリス(o‐トリル)ホスフィン、トリス(p‐トリル)ホスフィン、トリス(4‐トリフルオロメチルフェニル)ホスフィン、トリ(2,5‐キシリル)ホスフィン、トリ(3,5‐キシリル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(2,4,6‐トリメトキシフェニル)ホスフィン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(R)‐(+)‐2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル、(S)‐(‐)‐2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル、(±)‐2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル、2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐1,1’‐ビフェニル、(S)‐(+)‐4,12‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐[2.2]‐パラシクロファン、(R)‐(‐)‐4,12‐ビス(ジフェニルホスフィノ)‐[2.2]‐パラシクロファン、1,1’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、(R)‐(+)‐2,2’−ビス(ジ‐p‐トリルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル、(S)‐(−)‐2,2’‐ビス(ジ‐p‐トリルホスフィノ)‐1,1’‐ビナフチル、ビス(2‐メトキシフェニル)フェニルホスフィン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、(1R,2R)‐(+)‐1,2‐ジアミノシクロヘキサン‐N,N’‐ビス(2’‐ジフェニルホスフィノベンゾイル)、(1S,2S)‐(+)‐1,2‐ジアミノシクロヘキサン‐N,N’‐ビス(2’‐ジフェニルホスフィノベンゾイル)、(±)−1,2‐ジアミノシクロヘキサン‐N,N’‐ビス(2’‐ジフェニルホスフィノベンゾイル)、(1S,2S)‐(‐)‐1,2‐ジアミノシクロヘキサン−N,N’−ビス(2‐ジフェニルホスフィノ‐1‐ナフトイル)、(1R,2R)‐(+)‐1,2‐ジアミノシクロヘキサン‐N,N’‐ビス(2‐ジフェニルホスフィノ‐1‐ナフトイル)、(±)‐ジアミノシクロヘキサン‐N,N’‐ビス(2‐ジフェニルホスフィノ‐1‐ナフトイル)、9,9−ジメチル‐4,5‐ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン、トリス(3,5‐ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、ビス(2‐ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、(R)‐(‐)‐1‐[(S)‐2‐(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジフェニルホスフィン、(R)‐(‐)‐1‐[(S)‐2‐(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ‐tert‐ブチルホスフィン、(R)‐(‐)‐1‐[(S)‐2‐(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルジシクロヘキシルホスフィン、ビス(p‐スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二カリウム塩、2‐ジシクロヘキシルホスフィノ‐2’‐(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル、2‐(ジフェニルホスフィノ)‐2’‐(N,N‐ジメチルアミノ)ビフェニル、(R)‐(+)‐2‐(ジフェニルホスフィノ)‐2’‐メトキシ‐1,1’‐ビナフチル、(S)‐(‐)‐1‐(2‐ジフェニルホスフィノ‐1‐ナフチル)イソキノリン、トリス(2‐シアノエチル)ホスフィン、トリス(トリメチルシリル)ホスフィンを挙げることができ、生成物の収率が良い点で、トリフェニルホスフィンが好ましい。
三級ホスフィンの使用量は、パラジウム触媒に対して1〜50000モル%、好ましくは10〜5000モル%、さらに好ましくは100〜500モル%である。
本発明の方法において必須成分として用いるアルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムの炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、水酸化物、水素化物、アミド塩、アルコキシド等が例示できる。なかでも生成物の収率が良い点で、炭酸塩が望ましく、特に炭酸リチウム、炭酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩の使用量は、パラジウム触媒の0.01〜1000モル%、好ましくは1〜100モル%である。
本発明の方法において必須成分として用いる溶媒のRCOORで表されるエステル溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−tert−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸シクロペンチル、酢酸ネオペンチル、酢酸へキシル、酢酸シクロへキシル、酢酸イソへキシル、酢酸へプチル、酢酸イソへプチル、酢酸オクチル、酢酸シクロオクチル、酢酸ノニル、酢酸シクロノニル、酢酸デシル、酢酸シクロデシル、酢酸フェニル、酢酸トリル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸イソプロピル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソブチル、プロピオン酸ペンチル、プロピオン酸シクロペンチル、プロピオン酸ネオペンチル、プロピオン酸へキシル、プロピオン酸シクロへキシル、プロピオン酸イソへキシル、プロピオン酸へプチル、プロピオン酸イソへプチル、プロピオン酸オクチル、プロピオン酸シクロオクチル、プロピオン酸ノニル、プロピオン酸シクロノニル、プロピオン酸デシル、プロピオン酸シクロデシル、プロピオン酸フェニル、プロピオン酸トリル等を挙げることができ、好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−tert−ブチルがよく、収率の点で、酢酸エチル、酢酸イソプロピルがさらに好ましい。
上記の溶媒の使用量は、原料である一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテン1mmolに対し、0.05〜50mL、望ましくは0.5〜5mLである。
以上のように本発明は、一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテンと一般式R−OHで表されるアルコールとを、三級アミンまたは複素芳香族アミン、パラジウム触媒の存在下、一酸化炭素加圧下における反応において、必須成分としてアルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、RCOORで表されるエステル類を溶媒として用いることにより、温和な条件下で、高い収率で一般式(1)で表される2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルが製造でき、なおかつ3−アルコキシ−2−ぺルフルオロアルキルプロピオン酸エステルの副成を抑制し、2−ぺルフルオロアルキルアクリル酸エステルの選択性が向上する。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実施例1
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で5時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率84%で、3−tert−ブトキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルが収率2%しか副生していないことを確認した。
実施例2
塩化パラジウム0.006g(0.032mmol)、トリフェニルホスフィン0.017g(0.064mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で5時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率86%で、3−tert−ブトキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルが収率2%しか副生していないことを確認した。
実施例3
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸イソプロピル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で15時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルを収率94%で、3−tert−ブトキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルが収率2%しか副生していないことを確認した。
実施例4
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸シクロヘキシル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100 ℃で15時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率84%で、3−tert−ブトキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルが収率2%しか副生していないことを確認した。
実施例5
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、ベンジルアルコール1.90g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で5時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸ベンジルが収率84%で、3−ベンジルオキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸ベンジルが収率2%しか副生していないことを確認した。
実施例6
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、1−アダマンタノール2.95g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で5時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−1−アダマンチルが収率90%で生成し、3−(1−アダマンチルオキシ)−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−1−アダマンチルの生成は確認されなかった。
実施例7
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、2−メチル−2−アダマンタノール2.92g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で5時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−2−メチル−2−アダマンチルが収率92%で生成し、3−(2−メチル−2−アダマンチルオキシ)−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−2−メチル−2−アダマンチルの生成は確認されなかった。
実施例8
ポリスチレン−ポリエチレン樹脂固定化ジ−μ−クロロビス[(η−アリル)パラジウム]0.24g(パラジウム0.08mmol)、トリフェニルホスフィン0.084g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で15時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率80%で生成していることを確認した。3−tert−ブチル−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルは生成しなかった。
反応終了後、ろ別したポリスチレン−ポリエチレン樹脂固定化ジ−μ−クロロビス[(η−アリル)パラジウム]を水、アセトン、エーテルの順で洗浄し減圧乾燥したところ、回収された重量は反応前と同じ0.24gであった。これにさらにトリフェニルホスフィン0.084g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で15時間加熱攪拌した。反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率77%で生成し、3−tert−ブチル−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルは生成しなかった。
同様にポリエチレン−ポリスチレン樹脂固定化ジ−μ−クロロビス[(η−アリル)パラジウム]をろ過して回収・乾燥・反応の操作を再度繰り返したところ、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率77%で生成し、3−tert−ブチル−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルは生成しなかった。
実施例9
ポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム1.1428g(0.08mmol)、トリフェニルホスフィン0.084g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で15時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率77%で生成し、3−tert−ブチル−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルは生成しなかった。
反応終了後、ろ別したポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを水、アセトン、エーテルの順で洗浄し減圧乾燥したところ、回収された重量は反応前と同じ1.1428gであった。これにさらにトリフェニルホスフィン0.084g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒の酢酸エチル16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で15時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率75%で、3−tert−ブチル−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルは生成しなかった。
同様にポリスチレン樹脂固定化テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムをろ別して回収・乾燥・反応の操作を再度繰り返したところ、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率76%で生成し、3−tert−ブチル−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルは生成しなかった。
比較例1
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.022g(0.032mmol)、1,2−ジブロモ−3,3,3−トリフルオロプロパン4.10g(16mmol)、tert−ブチルアルコール1.30g(17.6mmol)、トリエチルアミン3.60g(35.2mmol)、炭酸リチウム0.118g(1.6mmol)および溶媒のテトラヒドロフラン16mLを120mLのオートクレーブに入れ、10気圧の一酸化炭素圧下100℃で5時間加熱攪拌した。
反応終了後、テトラデカンを内部基準とする反応混合物のGC分析により、2−トリフルオロメチルアクリル酸−tert−ブチルが収率69%で、3−tert−ブトキシ−2−トリフルオロメチルプロピオン酸−tert−ブチルが収率9%で副生量が多いことを確認した。

Claims (4)

  1. 一般式R−OHで表されるアルコール(式中Rは置換していてもよい炭素数1〜15からなるアルキル基、置換していてもよいフェニル基、または置換していてもよいナフチル基を表す。)と、一般式CHBr−CHBr−Rfで表される1,2−ジブロモ−1−ペルフルオロアルキルエタンまたは一般式CH=CBr−Rfで表される1−ブロモ−1−ペルフルオロアルキルエテン(式中Rfは炭素数1〜20からなるペルフルオロアルキル基を表す。)を、一般式RN(式中R、RおよびRは同一または相異なる炭素数1〜8からなるアルキル基を示す。)の三級アミンまたは炭素数5〜9からなる複素芳香族アミン、パラジウム触媒の存在下、および一酸化炭素ガス加圧下で反応させて、下記一般式(1)
    Figure 0004625652
    [式中、Rは置換していてもよい炭素数1〜15からなるアルキル基、置換していてもよいフェニル基、または置換していてもよいナフチル基を表し、Rfは炭素数1〜20からなるペルフルオロアルキル基を表す。]で表される2−ペルフルオロアルキルアクリル酸エステル製造する方法において、アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩、及び溶媒として一般式RCOORで示されるエステル類(一般式中のR、Rは同一または相異なる炭素数1〜8からなる置換していてもよいアルキル基、または置換していてもよいフェニル基を示す。)の存在を必須条件として反応を行うことを特徴とする2−ペルフルオロアルキルアクリル酸エステルの製造方法。
  2. アルカリ金属塩及び/またはアルカリ土類金属塩が、アルカリ金属炭酸塩及び/またはアルカリ土類金属炭酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. アルカリ金属炭酸塩が炭酸リチウム及び/または炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 溶媒として用いる一般式RCOORで示されるエステル類が、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、または酢酸−tert−ブチルであることを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の製造方法。
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