JP4624857B2 - 車両制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、バイワイヤシステムを備えた車両制御システムに関する。
車両制御の分野では、車両状態を変化させるアクチュエータを車両搭乗者の指令に従ってバイワイヤ制御回路により電気的に制御するようにしたバイワイヤシステムが提案されている。例えば、車両搭乗者の指令に従ってエンジンのスロットル開度を変化させるドライブバイワイヤシステム(特許文献1参照)や、指令に従って自動変速機のレンジを変化させるシフトバイワイヤシステム(特許文献2参照)、指令に従って車両の転舵輪の転舵角を変化させるステアバイワイヤシステム(特許文献3参照)が、それである。
特開2005−133624号公報 特開2004−230952号公報 特開2004−268754号公報
上記ドライブバイワイヤシステムでは、バイワイヤ制御回路の異常によりアクチュエータが車両搭乗者の意思(以下、「車両搭乗者の意思」を単に「搭乗者意思」という)に反するスロットル開度を実現したとしても、エンジンの機械的機構により最小限のスロットル開度を確保して突然のエンジンストールを防止することができる。
一方、上記シフトバイワイヤシステムでは、バイワイヤ制御回路の異常によってアクチュエータが自動変速機のレンジを搭乗者意思に反するレンジに固定してしまうと、その意思に反した状態のまま車両が走行するおそれがある。また、同様に上記ステアバイワイヤシステムでは、バイワイヤ制御回路の異常によってアクチュエータが転舵輪の転舵角を車両搭乗者の意思に反する角度に固定してしまうと、その状態のまま車両が走行するおそれがある。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、異常時に車両を安全に保つ車両制御システムを提供することにある。
請求項1に記載の発明においてバイワイヤシステムを監視する監視制御手段は、複数のバイワイヤ制御回路から個別に受信する回路情報に基づいて正常なバイワイヤ制御回路と異常なバイワイヤ制御回路とを識別するので、当該識別を正確に行うことができる。
また、請求項1に記載の発明の許否手段は、上記識別を行った監視制御手段から制御指令を受けて、正常なバイワイヤ制御回路によるアクチュエータ制御を許可すると共に異常なバイワイヤ制御回路によるアクチュエータ制御を禁止する。それ故、異常なバイワイヤ制御回路がアクチュエータを制御したために搭乗者意思に反する車両状態が実現される事態を回避しつつ、正常なバイワイヤ制御回路によるアクチュエータ制御によって搭乗者意思に従う車両状態を正しく実現することができる。
また、請求項1に記載の発明では、異常が発生したバイワイヤ制御回路とは別の制御回路からなる正常な監視制御手段が許否手段へ制御指令を与えて許否手段に上記アクチュエータ制御の許否作動を実施させるので、当該許否作動の信頼性が高くなる。
このような請求項1に記載の発明によれば、バイワイヤ制御回路の異常により搭乗者意思に反し車両状態が変化することを防止して、車両を安全に保つことができる。
なお、請求項1に記載の発明においてバイワイヤシステムは、自動変速機のレンジを変化させるレンジ切替機構を機械的に駆動するよう回転するアクチュエータが、レンジの変更指令に従ってバイワイヤ制御回路により電気的に制御されるシフトバイワイヤシステムである。このような発明によれば、バイワイヤ制御回路の異常により自動変速機のレンジが搭乗者意思に反するレンジに固定されることを防止して、車両を安全に保つことができる。
また、請求項1に記載の発明の監視制御手段は、バイワイヤシステムの監視において基準となる基準情報であって自身で取得した基準情報と、各バイワイヤ制御回路から受信した回路情報とを対比することにより、それら各バイワイヤ制御回路の正異常を判定する。このように正異常の判定対象要素と正異常の判定実施要素とで各別に取得された複数の情報を対比することによって、正異常の判定精度が高くなる。
また、請求項1に記載の発明によると、回路情報及び基準情報は、変更指令に基づいて目標とされる車両状態を表した目標状態情報を含むので、回路情報中の目標状態情報と基準情報中の目標状態情報との不一致はバイワイヤ制御回路の異常を示す一指標となる。したがって、監視制御手段は、各回路情報中の目標状態情報と基準情報中の目標状態情報とを対比により、異常なバイワイヤ制御回路を確実に見つけ出すことができる。
さらに、請求項1に記載の発明では、前記目標状態情報は、少なくともアクチュエータの目標回転方向を含む。そして、監視制御手段は、前記目標回転方向を含む回路情報及び基準情報に基づいて各バイワイヤ制御回路の正異常を判定し、正常であると判定したバイワイヤ制御回路がアクチュエータを制御するよう、前記制御指令を出力する。
請求項2に記載の発明の許否手段は、監視制御手段から制御指令を受けて、異常なバイワイヤ制御回路とアクチュエータとの間を電気的に遮断するので、当該異常なバイワイヤ制御回路によるアクチュエータ制御を確実に止めることができる。
請求項3に記載の発明の各バイワイヤ制御回路は、アクチュエータにおいて駆動力を個別に発生して車両状態を変化させる複数の駆動部のうち対応する駆動部を個別の通電経路を通じて制御する。したがって、任意の駆動部に異常が生じた場合でも、残りの正常な駆動部により車両状態を変化させることができるので、アクチュエータの信頼性が高いものとなる。
請求項4に記載の発明のバイワイヤ制御回路は、複数の駆動部のうち対応する駆動部の異常を検出した場合に、当該異常駆動部を表す異常情報を監視制御手段へ送信するので、監視制御手段は異常駆動部の存在を確認することができる。しかも監視制御手段は、異常情報が表す異常駆動部の制御を禁止する制御指令を許否手段へ与えるので、バイワイヤ制御回路からの制御指令とは異なる作動を異常駆動部が実施したために搭乗者意思に反する車両状態が実現される事態を回避することができる。
請求項5に記載の発明の各バイワイヤ制御回路は、アクチュエータにおいて駆動力を個別に発生して車両状態を変化させる、互いに同じ複数の駆動部を制御対象とする。したがって、任意の駆動部に異常が生じた場合でも、残りの正常な駆動部により車両状態を変化させることができるので、アクチュエータの信頼性が高いものとなる。
請求項6に記載の発明のバイワイヤ制御回路は、複数の駆動部並びにそれら駆動部へ通電するための複数の通電経路からなる複数の通電駆動系のうち少なくとも一つの通電駆動系の異常を検出した場合に、当該異常通電駆動系を表す異常情報を監視制御手段へ送信するので、監視制御手段は異常通電駆動系の存在を確認することができる。しかも監視制御手段は、受信した異常情報が表す異常通電駆動系を通じた駆動部の制御を禁止する制御指令を許否手段へ与えるので、バイワイヤ制御回路からの制御指令とは異なる作動を異常通電駆動系の駆動部が実施したために搭乗者意思に反する車両状態が実現される事態を回避することができる。
請求項7に記載の発明のバイワイヤ制御回路は、複数の駆動部並びにそれら駆動部へ通電するための複数の通電経路からなる複数の通電駆動系のうち少なくとも一つの通電駆動系の異常を検出した場合に、当該異常通電駆動系を表す異常情報を他のバイワイヤ制御回路へ送信する。これにより各バイワイヤ制御回路は、自身が通電に使用する通電駆動系の異常のみならず、他のバイワイヤ制御回路が通電に使用する通電駆動系の異常も確認することができる。さらに請求項7に記載のバイワイヤ制御回路は、自身で取得した異常情報と他のバイワイヤ制御回路から受信した異常情報とに基づいて、使用を許可する通電駆動系を判定し、当該許可通電駆動系の判定結果を監視制御手段へ送信する。そして監視制御手段は、その判定結果が表す許可通電駆動系を通じた駆動部制御のうち正常なバイワイヤ制御回路による制御を許可すると共に、複数の駆動部の制御のうち当該許可制御以外の制御を禁止する。これにより、異常なバイワイヤ制御回路による駆動部制御も、異常な通電駆動系を通じた駆動部制御も共に実施されなくなるので、高い信頼性並びに高い車両安全性を獲得することができる。
請求項に記載の発明では、車両搭乗者により変更指令が入力されて当該変更指令に応じた信号を出力する指令入力手段に対し、複数のバイワイヤ制御回路及び監視制御手段が並列接続される。これにより、各バイワイヤ制御回路及び監視制御手段はいずれも指令入力手段からその出力信号を直接的に受けて、車両搭乗者の指令に基づく目標状態情報を正確に取得することができる。また、そのような直接的な信号受信を実現する各バイワイヤ制御回路及び監視制御手段は、指令入力手段からの出力信号を他の制御回路を介して受ける場合に比べ、目標状態情報の取得処理を迅速に行うことができる。したがって、請求項7に記載の発明によると、バイワイヤ制御回路の異常時には、当該異常を素早く見つけ出してアクチュエータの許否作動を速やかに実施することができる。
バイワイヤ制御回路が、他のバイワイヤ制御回路及び監視制御手段から受信する回路情報及び基準情報の双方と、自身で取得する回路情報との不一致を確認した場合には、当該不一致を確認したバイワイヤ制御回路の異常である可能性が高い。そこで、請求項に記載の発明の各バイワイヤ制御回路は、他のバイワイヤ制御回路及び監視制御手段から受信する回路情報及び基準情報の双方と、自身で取得する回路情報との不一致を確認した場合に、アクチュエータの制御を中止する。このような発明によれば、バイワイヤ制御回路自身によるアクチュエータ制御の中止作用と、許否手段によるアクチュエータ制御の禁止作用とが相俟って、回路異常に起因する搭乗者意思に反した車両状態変化を確実に防止することができる。
監視制御手段は、例えば請求項10記載の発明の如く、車両のエンジンを電気的に制御するエンジン制御回路を含んでいてもよい。そして、この構成において監視制御手段は、例えば請求項11に記載の発明の如く、バイワイヤシステムの監視により当該システムの異常を確認した場合に、燃料噴射装置による燃料噴射量の制御や、電子スロットルシステムによるスロットル開度(エンジンの吸入空気量)の調整によりエンジンを制御して、エンジントルクを低下又はエンジンを停止させるものであってもよい。こうしたエンジントルクの低下又はエンジンの停止によって走行中の車両はスローダウンするので、バイワイヤシステムの異常時には車両安全が十分に確保される。
尚、例えば「エンジン」は、内燃機関であってもよいし、電動モータであってもよいし、内燃機関及び電動モータ等を組み合わせたハイブリッドエンジンであってもよい。
また、監視制御手段は、例えば請求項12に記載の発明の如く、車両の自動変速機において締結する摩擦要素を切り替える切替手段を電気的に制御する自動変速機制御回路を含んでいてもよい。そして、この構成において監視制御手段は、例えば請求項13に記載の発明の如く、バイワイヤシステムの監視により当該システムの異常を確認した場合に、切替手段を制御して中立レンジを実現する、即ちエンジンで発生した駆動力を車輪に伝達しない状態を実現するものであってもよい。かかる摩擦要素の締結によって搭乗者意思に反する走行レンジは実現されなくなるので、バイワイヤシステムの異常時には車両を停止させて車両安全を十分に確保することができる。
さらにまた、監視制御手段は、例えば請求項14に記載の発明の如く、車両のブレーキを作動させる作動手段を電気的に制御するブレーキ制御回路を含んでいてもよい。そして、この構成において監視制御手段は、例えば請求項15に記載の発明の如く、バイワイヤシステムの監視により当該システムの異常を確認した場合に、作動手段を制御して車両のブレーキを作動させるものであってもよい。こうしたブレーキの作動によって走行中の車両はスローダウンするので、バイワイヤシステムの異常時には車両安全が十分に確保される。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の説明では、「電子制御ユニット」を「ECU」と略記する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態による車両制御システム1を示している。車両に搭載される車両制御システム1は、自動変速制御システム2、シフトバイワイヤシステム3、エンジン制御システム4、通知装置5等から構成されている。
自動変速制御システム2及びエンジン制御システム4はそれぞれ一つのECU10,11を有し、シフトバイワイヤシステム3は二つのECU12,13を有している。これら各システム2〜4のECU10〜13は、マイクロコンピュータを主体に構成された電気回路であり、車内LAN回線17を介して電気的又は光学的に相互接続されている。尚、以下の説明では、「自動変速制御システム2のECU10」を「自動変速機ECU10」、「シフトバイワイヤシステム3のECU12,13」を「バイワイヤECU12,13」、「エンジン制御システム4のECU11」を「エンジンECU11」という。
自動変速制御システム2は、車両の自動変速機20を油圧により駆動して当該自動変速機20のレンジ及び変速段を変化させる油圧回路21を備えている。自動変速機20には、走行レンジとしての前進(D)レンジ及び後進(R)レンジ、非走行レンジとしての駐車(P)レンジ及び中立(N)レンジ等が用意されており、油圧回路21のマニュアル弁22は、スプールの移動位置に応じたレンジを実現する。また、自動変速機20は、いずれかのレンジで締結する複数の摩擦要素を備えており、それら各摩擦要素は、油圧回路21においてそれぞれ対応する電磁弁23の出力油圧に従って駆動される。ここで、油圧回路21において複数の電磁弁23等の電装品は自動変速機ECU10に電気的に接続されている。これにより自動変速機ECU10は、各電磁弁23の出力油圧を電気的に制御することで、締結する摩擦要素を切り替える。また特に本実施形態では、マニュアル弁22の位置に依ることなく所定の電磁弁23の出力油圧によってその対応摩擦要素の締結状態を切替制御してNレンジを実現する構成を、油圧回路21に採用している。以下の説明では、マニュアル弁22の位置に依ることなく電磁弁23の制御により摩擦要素の締結状態を制御してNレンジを実現する制御を、「Nレンジ制御」という。
シフトバイワイヤシステム3は、自動変速制御システム2のマニュアル弁22を駆動するアクチュエータ30及び変換機構31を備えている。電磁駆動式のアクチュエータ30は、電動モータ32、減速機構33、回転角センサ34等から構成されている。電動モータ32は、その出力軸に回転駆動力を個別に発生する二つの駆動部35,36を有しており、アクチュエータ30の信頼性が高められている。ここで各駆動部35,36は、回転方向に配列された複数のコイルを結線してなる構成であり、それぞれ対応するバイワイヤECU12,13からの通電に従って励磁され、それにより回転駆動力を発生する。減速機構33は、電動モータ32の出力軸に発生した回転駆動力を増大して変換機構31側へ出力する。変換機構31は、減速機構33から出力された回転駆動力を直線駆動力に変換してマニュアル弁22の位置を制御する。以上により、自動変速機20のレンジを電動モータ32の回転角度に応じて制御することができる。
回転角センサ34、変換機構31のレンジセンサ39及び車両のレンジセレクタ37のセレクタセンサ38は、双方のバイワイヤECU12,13に電気的に接続されている。ここで、回転角センサ34は例えばロータリエンコーダ等から構成されており、電動モータ32の出力軸の回転角を検出してその検出信号を各バイワイヤECU12,13へと出力する。上述したように自動変速機20のレンジは電動モータ32の回転角度に応じて変化するので、この回転角センサ34により検出される回転角は、自動変速機20で実現される実レンジを間接的に表している。レンジセンサ39は、例えば変換機構31の入力軸の回転角、変換機構31の出力軸又はマニュアル弁22のスプールの移動位置等に基づいて実レンジを検出し、その検出信号を各バイワイヤECU12,13へ出力する。セレクタセンサ38は、レバー式、ボタン式等のレンジセレクタ37を車両搭乗者が操作することにより入力されたレンジの指令値を検出し、その検出信号を各バイワイヤECU12,13へ出力する。このように各センサ34,39,38から検出信号を受信する各バイワイヤECU12,13は、それらの検出信号に基づいて対応駆動部35,36への通電制御を個別に実施可能となっている。尚、本実施形態においてセレクタセンサ38は自動変速機ECU10にも電気的に接続されており、当該自動変速機ECU10はセレクタセンサ38の検出信号を直接的に受信する。一方、回転角センサ34及びレンジセンサ39の検出信号について自動変速機ECU10は、車内LAN回線17を通じてバイワイヤECU12,13の一方又は双方から受信する。
シフトバイワイヤシステム3はさらに、複数のフリップフロップ等からなるスイッチング装置40を備えている。スイッチング装置40は、各バイワイヤECU12,13とその対応駆動部35,36との間を繋ぐ通電経路41,42に跨って設けられており、各通電経路41,42を個別に開閉する。したがって、スイッチング装置40は、通電経路41,42を閉結することで当該経路両端側のバイワイヤECU12,13と駆動部35,36とを電気的に接続し、バイワイヤECU12,13による駆動部35,36への通電制御を許可する。また一方、スイッチング装置40は、通電経路41,42を開放することで当該経路両端側のバイワイヤECU12,13と駆動部35,36との間を電気的に遮断し、バイワイヤECU12,13による駆動部35,36への通電制御を禁止する。尚、各通電経路41,42は、駆動部35,36の相数(コイル端子数)に応じた本数の配線から構成されており、例えば本実施形態のスイッチング装置40は、各通電経路41,42をなす全配線を同時に開閉可能な構成を有している。
また、スイッチング装置40には、自動変速機ECU10が電気的に接続されている。これにより自動変速機ECU10は、スイッチング装置40による通電経路41,42の開閉を電気的に制御する。したがって、自動変速機ECU10は、通電経路41,42の閉結制御指令又は開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることによって、各バイワイヤECU12,13による駆動部35,36への通電制御を許可又は禁止することができる。
尚、図1に示すように本実施形態では、シフトバイワイヤシステム3の構成要素12,13,30,31,40をそれぞれ別体化することによって、車両におけるそれら構成要素の配置自由度を高めている。これに対して、例えば図2に示すように各バイワイヤECU12,13とアクチュエータ30とスイッチング装置40とを同一の筐体48に収容する等して一体化してもよいし、図3に示すように各バイワイヤECU12,13とスイッチング装置40とを同一の筐体49に収容する等して一体化してもよい。このようにシフトバイワイヤシステム3の複数の構成要素を一体化することによって、それら構成要素の車両への組付性が向上する。
図1に示すように、エンジン制御システム4を構成するエンジンECU11は、車両のエンジン50のスロットル装置51及び燃料噴射弁52、並びに車両のアクセル装置53に電気的に接続されている。ここでスロットル装置51は、エンジン50の吸気通路におけるスロットル開度を調整する。燃料噴射弁52は、エンジン50の吸気管又は気筒への燃料噴射量を調整する。アクセル装置53は、車両のアクセルペダルの操作量を表す信号をエンジンECU11へ出力する。このような構成によりエンジンECU11は、車両搭乗者によるアクセルペダルの操作に従ってスロットル装置51及び燃料噴射弁52を電気的に制御し、それによってエンジントルクを調整する。また、エンジンECU11は、スロットル装置51及び燃料噴射弁52をアクセルペダルの操作に依らずに制御する自動制御機能も有している。
通知装置5は、車内LAN回線17に電気的に又は光学的に接続されている。通知装置5は、車内LAN回線17に接続された他の電装品から指令を受信し、当該指令に従って所定の車両状態を車両搭乗者へ通知する。尚、車両状態の通知は、例えば車両のインストルメントパネル上の表示によって行ってもよいし、車両のスピーカから音声を発することによって行ってもよいし、それら表示及び音声の双方によって行ってもよい。
次に、自動変速機20のレンジを変更するために第一バイワイヤECU12が実施する第一変更制御フローについて説明する。この第一変更制御フローは、車両のイグニションスイッチが車両搭乗者によりオンされることで開始し、当該イグニションスイッチが車両搭乗者によりオフされることで終了する。
図4に示す第一変更制御フローのステップS11において第一バイワイヤECU12は、第一駆動部35の異常を検出したか否かを判定する。このとき第一バイワイヤECU12は、例えば自動変速機ECU10への制御指令により通電経路41の閉結制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第一駆動部35への通電状況等に基づき当該駆動部35の異常を判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS12において、異常駆動部が第一駆動部35であることを表す第一異常情報を自動変速機ECU10へ送信する。
ステップS11において否定判定がなされた場合、又はステップS12の実行終了後に第一バイワイヤECU12は、ステップS13において、車両搭乗者によるレンジ変更指令の有無をセレクタセンサ38の検出信号に基づいて判定する。その結果、否定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS11を再実行する。一方、ステップS13において肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS14において、レンジ変更の許否を判定する。このとき本実施形態の第一バイワイヤECU12は、車両が停止状態にあると共に車両のブレーキが作動状態にあることを例えば車速、ブレーキ状態等の検出信号に基づいて確認した場合に、レンジ変更の許可判定を下し、そうでない場合にレンジ変更の禁止判定を下す。
ステップS14において肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS15において、自動変速機ECU10に自身を監視させるための第一回路情報を取得する。具体的に第一回路情報は、ステップS15の実行現在の実レンジ、ステップS13で確認されたレンジ変更指令に従う目標レンジ、並びに電動モータ32の目標回転方向(以下、「電動モータ32の目標回転方向」を単に「目標回転方向」という)を含んでいる。ここで実レンジは、回転角センサ34及びレンジセンサ39の検出信号に基づいて取得され、目標レンジは、セレクタセンサ38の検出信号に基づいて取得される。また、目標回転方向は、そのようにして取得された実レンジ及び目標レンジに基づいて取得される。
第一バイワイヤECU12は、ステップS15で取得した第一回路情報を、続くステップS16において第二バイワイヤECU13及び自動変速機ECU10へと送信する。この後、ステップS17において、第二バイワイヤECU13及び自動変速機ECU10からそれぞれ第二回路情報及び基準情報を設定時間内に受信したか否かを判定する。ここで、第二バイワイヤECU13からの受信が待たれる第二回路情報は、後述する第二変更制御フローのステップS35において第二バイワイヤECU13により取得される実レンジ、目標レンジ及び目標回転方向を含むものである。また、自動変速機ECU10からの受信が待たれる基準情報は、後述する監視制御フローのステップS61において自動変速機ECU10により取得される実レンジ、目標レンジ及び目標回転方向を含むものである。
ステップS17において否定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS11を再実行する。一方、ステップS17において肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS18,S19の判定処理を実行する。具体的にステップS18において第一バイワイヤECU12は、ステップS15で取得の第一回路情報とステップS17で受信の第二回路情報とを対比させ、それらの情報が完全に一致するか否かを判定する。また、ステップS19において第一バイワイヤECU12は、ステップS15で取得の第一回路情報とステップS17で受信の基準情報とを対比させ、それらの情報が完全に一致するか否かを判定する。尚、本実施形態において情報の完全一致とは、対比対象情報中の実レンジ同士が一致し、且つ対比対象情報中の目標レンジ同士が一致し、且つ対比対象情報中の目標回転方向同士が一致することをいう。
ステップS18,S19のいずれかにおいて肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS20において、実レンジが目標レンジと一致するように第一駆動部35への通電をフィードバック制御することでレンジ変更を実現した後、ステップS11を再実行する。一方、ステップS18,S19の双方において否定判定がなされた場合、即ち第一回路情報が第二回路情報及び基準情報の双方と不一致である場合に第一バイワイヤECU12は、自身に異常があるとして、ステップS21において通知装置5を制御して異常の発生を車両搭乗者へ通知する。
以上、ステップS14において肯定判定がなされた場合のフローを説明した。これに対してステップS14で否定判定がなされた場合、即ちレンジ変更の禁止判定が下された場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS22において通知装置5を制御することで、車両状態がレンジの変更禁止状態にあることを車両搭乗者へ通知する。
次に、自動変速機20のレンジを変更するために第二バイワイヤECU13が実施する第二変更制御フローについて説明する。この第二変更制御フローは、第一変更制御フローと同様、イグニションスイッチのオン及びオフに伴って、開始及び終了する。
図5に示すように、第二変更制御フローにおいて第二バイワイヤECU13は、「第一駆動部35」及び「第一異常情報」がそれぞれ「第二駆動部36」及び「第二異常情報」へ変わる点、並びに「第一バイワイヤECU12」と「第二バイワイヤECU13」との関係及び「第一回路情報」と「第二回路情報」との関係が逆になる点等を除き、第一変更制御フローのステップS11〜S22に準じた内容のステップS31〜S42を実行する。
次に、シフトバイワイヤシステム3を監視するために自動変速機ECU10が実施する監視制御フローについて説明する。この監視フローは、第一変更制御フローと同様、イグニションスイッチのオン及びオフに伴って、開始及び終了する。尚、以下の説明では、「第一バイワイヤECU12よる第一駆動部35への通電制御」及び「第二バイワイヤECU13よる第二駆動部36への通電制御」を、それぞれ「第一駆動部制御」及び「第二駆動部制御」というものとする。
図6に示す監視制御フローのステップS51において自動変速機ECU10は、第一バイワイヤECU12から第一異常情報を受信したか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS52において第一通電経路41の開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第一駆動部制御を禁止する。また、続くステップS53において自動変速機ECU10は、通知装置5を制御して異常の発生を車両搭乗者へ通知する。さらに、続くステップS54において自動変速機ECU10は、スロットル装置51及び燃料噴射弁52によるエンジントルクの低下をエンジンECU11へ指令する。尚、ステップS54では、例えばエンジン回転数がアイドル回転数程度又はそれより大きな設定回転数以下となるように、またあるいはエンジン50が停止するようにエンジントルクを低下させる。
ステップS51において否定判定がなされた場合、又はステップS54の実行終了後に自動変速機ECU10は、ステップS55において、第二バイワイヤECU13から第二異常情報を受信したか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS56において第二通電経路42の開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第二駆動部制御を禁止する。また、続いて自動変速機ECU10は、上記ステップS53,S54に準ずる内容のステップS57,S58を実行する。
ステップS55において否定判定がなされた場合、又はステップS58の実行終了後に自動変速機ECU10は、図7に示すようにステップS59において、車両搭乗者によるレンジ変更指令の有無をセレクタセンサ38の検出信号に基づいて判定する。その結果、否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS51を再実行する。一方、ステップS59において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、第一変更制御フローのステップS14に準ずる内容のステップS60を実行する。
ステップS60において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS61において、シフトバイワイヤシステム3を監視する上で基準となる基準情報を取得する。具体的に基準情報は、ステップS61の実行現在の実レンジ、ステップS59で確認されたレンジ変更指令に従う目標レンジ、並びに目標回転方向を含んでいる。ここで実レンジ、目標レンジ及び目標回転方向は、第一変更制御フローのステップS15の場合と同様にして取得される。
自動変速機ECU10は、ステップS61において取得した基準情報を、続くステップS62において第一及び第二バイワイヤECU12,13へと送信する。この後、ステップS63において、第一及び第二バイワイヤECU12,13からそれぞれ第一及び第二回路情報を設定時間内に受信したか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS51を再実行する。一方、ステップS63において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS64において、ステップS61で取得の基準情報とステップS63で受信の第一回路情報とを対比させ、それらの情報が完全に一致するか否かを判定する。
ステップS64において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、第一バイワイヤECU12が正常であるとして、ステップS65において第一通電経路41の閉結制御指令をスイッチング装置40へ与えて第一駆動部制御を許可する。尚、このとき本実施形態の自動変速機ECU10は、第二通電経路42の開放制御指令をスイッチング装置40へ与えて第二駆動部制御を禁止するようにもなっている。そしてこの後、ステップS66において自動変速機ECU10は、ステップS61で取得の基準情報とステップS63で受信の第二回路情報とを対比させ、それらの情報が完全に一致するか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、第二バイワイヤECU13に異常があるとして第二駆動部制御を禁止したまま、上記ステップS53,S54に準ずる内容のステップS67,S68を実行し、その後、ステップS51を再実行する。一方、ステップS66において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS67,S68を実行することなく、ステップS51を再実行する。
ステップS64で肯定判定がなされた場合のフローは上述した通りであるが、ステップS64で否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、上記ステップS66に準ずる内容のステップS69を実行する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、第二バイワイヤECU13は正常であるが、第一バイワイヤECU12に異常があるとして、ステップS70において第一通電経路41の開放制御指令及び第二通電経路42の閉結制御指令をスイッチング装置40へ与えて第一及び第二駆動部制御をそれぞれ禁止及び許可する。また、続いて自動変速機ECU10は、上記ステップS53,S54に準ずる内容のステップS71,S72を実行した後、ステップS51を再実行する。一方、ステップS69において否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS73において、ステップS63で受信の第一回路情報と第二回路情報とを対比させ、それらの情報が完全に一致するか否かを判定する。
ステップS73において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、自身に異常があるとして、上記ステップS53に準ずる内容のステップS74を実行した後、ステップS51を再実行する。一方、ステップS73において否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、バイワイヤECU12,13の双方に異常があるとして、上記ステップS53に準ずる内容のステップS75を実行した後、ステップS76を実行する。このステップS76において自動変速機ECU10は、Nレンジ制御の対応電磁弁23を直接的に制御することで、Nレンジ制御を実施する。それと共に自動変速機ECU10は、スロットル装置51及び燃料噴射弁52によるエンジントルクの低下をエンジンECU11へ指令する。
以上、ステップS60において肯定判定がなされた場合のフローを説明した。これに対して否定判定がなされた場合、即ちレンジ変更の禁止判定が下された場合に自動変速機ECU10は、第一変更制御フローのステップS22に準ずる内容のステップS77を実行する。
ここまで説明した第一実施形態によると、二つのバイワイヤECU12,13のうち正常なバイワイヤECUと異常なバイワイヤECUとを自動変速機ECU10が識別する。ここで正異常の識別は、基準情報として自動変速機ECU10が判断した実レンジ、目標レンジ及び目標回転方向と、回路情報として各バイワイヤECU12,13が判断した実レンジ、目標レンジ及び目標回転方向との対比によって行われる。故に自動変速機ECU10は、各バイワイヤECU12,13の判断が自身の判断と相異する事象を捉えることによって、それらECU10,12,13の異常を正しく識別することができる。しかも、異常の識別後に自動変速機ECU10はスイッチング装置40を電気的に制御することによって、正常なバイワイヤECUによる駆動部制御を許容すると共に異常なバイワイヤECUによる駆動部制御を禁止することができる。故に、そうした許否作動が実施される第一実施形態によれば、異常なバイワイヤECUによる駆動部制御の結果、搭乗者意思に反するレンジが実現される事態を回避しつつ、正常なバイワイヤECUによる駆動部制御によって搭乗者意思に従うレンジを設定することができる。
また、自動変速機ECU10は、二つの駆動部35,36のうち異常が発生した異常駆動部を、各バイワイヤECU12,13から受信する異常情報に基づいて識別することができる。しかも、異常駆動部の識別後に自動変速機ECU10はスイッチング装置40を電気的に制御することによって、異常駆動部の制御を禁止することができる。したがって、異常駆動部が制御指令とは異なる作動を実施して搭乗者意思に反するレンジが実現される事態が回避され得る。
さらにまた、自動変速機ECU10は、バイワイヤECU12,13及び駆動部35,36のいずれかの異常を確認した場合にエンジントルクの低下作動を実施する。したがって、車両走行中においてシステム3の構成要素12,13,35,36のいずれかに異常が発生した場合には、車両をスローダウンさせることができる。また、自動変速機ECU10は、バイワイヤECU12,13の双方の異常を確認した場合には、エンジントルクの低下作動に加えてNレンジ制御を実施する。したがって、車両走行中においてバイワイヤECU12,13が共に故障した場合には、搭乗者意思に反するレンジ変化を招くことなく車両を停止させることができる。
そして、以上説明した許否作動等の異常時処置は、異常なシステム3のECU12,13とは別回路である正常なECU10の制御に従って実施されることとなるので、当該異常時処置の信頼性が高い。
さらに、第一実施形態において第一バイワイヤECU12は、第二バイワイヤECU13及び自動変速機ECU10から受信する第二回路情報及び基準情報の双方と、自身で取得した第一回路情報との不一致を確認した場合に、第一変更制御フローのステップS20を実行しない。また同様に第二バイワイヤECU13は、第一バイワイヤECU12及び自動変速機ECU10から受信する第一回路情報及び基準情報の双方と、自身で取得した第二回路情報との不一致を確認した場合に、第二変更制御フローのステップS40を実行しない。即ち各バイワイヤECU12,13は、自身の取得情報が他の二者の取得情報と異なる場合に、レンジ変更を実現するための駆動部制御を自身で中止することとなるので、バイワイヤECU12,13の異常によって搭乗者意思に反するレンジが実現される事態を回避することができる。
このように第一実施形態によれば、シフトバイワイヤシステム3の異常時には、搭乗者意思に反してレンジが変化することを防止し、さらに必要に応じて車両走行を抑制することができるので、車両安全を十分に保つことができる。
加えて第一実施形態では、車両搭乗者によりレンジ変更指令が入力されて当該変更指令に応じた信号を出力するセレクタセンサ38が、バイワイヤECU12,13の双方と自動変速機ECU10とに接続されている。即ち第一実施形態では、セレクタセンサ38に対してECU10,12,13が並列接続されていると考えることができる。したがって、自動変速機ECU10は監視制御フローのステップS61において、また第一バイワイヤECU12は第一変更制御フローのステップS15において、さらに第二バイワイヤECU13は第二変更制御フローのステップS35において、目標レンジを正確且つ迅速に取得することができる。故にシフトバイワイヤシステム3の異常時には、異常を素早く確認して上述の許否作動等の適切な処置を施すことができる。また、異常確認に要する時間が短縮することで、システム3の正常時には、レンジ変更指令に対するレスポンスが速くなり、車両搭乗者に良好なレンジ変更フィーリングを与えることができる。しかも、セレクタセンサ38から検出信号を直接的に受信するバイワイヤECU12,13は、自動変速機ECU10の故障時に当該ECU10に依ることなくアクチュエータ30を制御してレンジ変更を実現することが可能となる。
以上、第一実施形態では、自動変速機20のレンジが特許請求の範囲に記載の「車両状態」に相当し、バイワイヤECU12,13が特許請求の範囲に記載の「複数のバイワイヤ制御回路」に相当し、スイッチング装置40が特許請求の範囲に記載の「許否手段」に相当している。また、第一実施形態では、エンジンECU11及び自動変速機ECU10がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「バイワイヤ制御回路とは別の制御回路」に相当し、それらECU11,10が共同して特許請求の範囲に記載の「監視制御手段」を構成している。さらに第一実施形態では、エンジンECU11が特許請求の範囲に記載の「エンジン制御回路」に相当し、自動変速機ECU10が特許請求の範囲に記載の「自動変速機制御回路」に相当している。またさらに第一実施形態では、セレクタセンサ38を有するレンジセレクタ37が特許請求の範囲に記載の「指令入力手段」に相当し、複数の電磁弁23が特許請求の範囲に記載の「切替手段」に相当し、マニュアル弁22が特許請求の範囲に記載の「レンジ切替機構」に相当している。
(第二実施形態)
図8に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第二実施形態では、ブレーキ制御システム100が設けられている。このブレーキ制御システム100のECU101は、マイクロコンピュータを主体に構成されて車内LAN回線17に電気的又は光学的に接続されている。ブレーキ制御システム100のブレーキ作動装置102は、車両のブレーキ操作部材に機械的又は電気的に接続されており、車両搭乗者によるブレーキ操作部材の操作に従って車両のブレーキを作動させる。さらにブレーキ作動装置102はECU101にも電気的に接続されており、当該ECU101の電気的制御に従うことで、ブレーキ操作部材の操作に依らないブレーキ作動を実現することができる。尚、以下の説明では、「ブレーキ制御システム100のECU101」を「ブレーキECU101」という。
こうした構成の第二実施形態では、自動変速機ECU10が図9及び図10に示す如き監視制御フローを実施する。具体的に自動変速機ECU10は、本実施形態に特徴的なステップS104,S108,S118,S122,S126を除いて第一実施形態に準ずる内容となるステップS101〜S127を実行する。ここで、ステップS104,S108,S118,S122における自動変速機ECU10は、エンジントルクの低下をエンジンECU11へ指令することに加え、ブレーキ作動装置102によるブレーキの作動をブレーキECU101へ指令する。また、ステップS126における自動変速機ECU10は、Nレンジ制御の対応電磁弁23を制御してNレンジ制御を実施すると共に、エンジントルクの低下をエンジンECU11へ指令することに加え、ブレーキの作動をブレーキECU101へ指令する。
このように第二実施形態によると、シフトバイワイヤシステム3の異常を確認した自動変速機ECU10は、エンジントルクの低下に加え、あるいはエンジントルクの低下及びNレンジ制御の実施に加えてブレーキを作動させる。したがって、車両走行中に異常が発生した場合には、車両を確実にスローダウンさせてその安全をより高度に保つことができる。
以上、第二実施形態では、自動変速機ECU10、エンジンECU11及びブレーキECU101がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「バイワイヤ制御回路とは別の制御回路」に相当し、それらECU10,11,101が共同して特許請求の範囲に記載の「監視制御手段」を構成している。また、第二実施形態では、ブレーキ作動装置102が特許請求の範囲に記載の「作動手段」に相当し、ブレーキECU101が特許請求の範囲に記載の「ブレーキ制御回路」に相当している。
(第三実施形態)
図11に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第三実施形態では、自動変速機ECU10の代わりにエンジンECU11がスイッチング装置40に電気的に接続されており、当該エンジンECU11は、スイッチング装置40による通電経路41,42の開閉を電気的に制御する。したがって、エンジンECU11は、通電経路41,42の閉結制御指令又は開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることにより、第一、第二駆動部制御を許可又は禁止することができる。
こうした構成の第三実施形態において第一及び第二バイワイヤECU12,13は、図12(第一変更制御フローの例)に示すように「自動変速機ECU10」が「エンジンECU11」へ変わる点を除いて、第一実施形態に準ずる内容の第一及び第二変更制御フローをそれぞれ実施する。
また、第三実施形態では、図13及び図14に示す如き監視制御フローをエンジンECU11が実施する。具体的にエンジンECU11は、本実施形態に特徴的なステップS154,S158,S168,S172,S176を除いて第一実施形態に準ずる内容となるステップS151〜S177を実行する。ここで、ステップS154,S158,S168,S172におけるエンジンECU11は、エンジン50のスロットル装置51及び燃料噴射弁52を直接的に制御してエンジントルクを低下させる。また、ステップS176におけるエンジンECU11は、電磁弁23によるNレンジ制御の実施を自動変速機ECU10へ指令すると共に、エンジン50を制御してエンジントルクを低下させる。
このような第三実施形態によれば、シフトバイワイヤシステム3の異常を確認した各ECU11〜13の制御に従って適切な異常時処置が施されることとなるので、車両安全を高度に保つことができる。
さらに、車両の動力源となるエンジンの制御用ECUは一般に車速、ブレーキ状態等の車両状態情報を取り込んでおり、故にエンジンECU11も、そうした車両状態情報を例えば監視制御フローのステップS160等において利用することができる。したがって、車両状態情報を取得するための電気回路等の追加によって招かれるコストアップを防止することができる。
(第四実施形態)
図15に示すように、本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第四実施形態では、マイクロコンピュータを主体に構成されて車両を統合的に制御する統合ECU200が車内LAN回線17に電気的又は光学的に接続されている。
第四実施形態ではさらに、自動変速機ECU10の代わりに統合ECU200がスイッチング装置40に電気的に接続されており、当該統合ECU200は、スイッチング装置40による通電経路41,42の開閉を電気的に制御する。したがって、統合ECU200は、通電経路41,42の閉結制御指令又は開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることで第一、第二駆動部制御を許可又は禁止することができる。
以上説明した構成の第四実施形態において第一及び第二バイワイヤECU12,13は、図16(第一変更制御フローの例)に示すように「自動変速機ECU10」が「統合ECU200」へ変わる点を除いて、第一実施形態に準ずる内容の第一及び第二変更制御フローをそれぞれ実施する。
また、第四実施形態では、監視制御フローを統合ECU200が実施する。具体的に統合ECU200は、第一実施形態のステップS51〜S75,S77に準ずる内容のステップS201〜S225,S227を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS226を実行する。そこで以下では、ステップS209〜S227を示した図17を参照しつつステップS226について説明し、他のステップの説明及びステップS201〜S208の図示については省略する。
ステップS226において統合ECU200は、電磁弁23によるNレンジ制御の実施を自動変速機ECU10へ指令すると共に、エンジントルクの低下をエンジンECU11へ指令する。
このような第四実施形態によれば、シフトバイワイヤシステム3の異常を確認した各ECU200,12,13の制御に従って適切な異常時処置が施されることとなるので、車両安全を高度に保つことができる。
以上、第四実施形態では、統合ECU200、自動変速機ECU10及びエンジンECU11がそれぞれ特許請求の範囲に記載の「バイワイヤ制御回路とは別の制御回路」に相当し、それらECU200,10,11が共同して特許請求の範囲に記載の「監視制御手段」を構成している。
(第五実施形態)
図18に示すように、本発明の第五実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第五実施形態では、セレクタセンサ38がバイワイヤECU12,13に接続されておらず、自動変速機ECU10のみに接続されている。即ち、ECU10,12が車内LAN回線17を介して相互接続されている第四実施形態では、セレクタセンサ38に対してECU10,12がこの順で直列接続されていると考えることができる。また同様に、ECU10,13が車内LAN回線17を介して相互接続されている第四実施形態では、セレクタセンサ38に対してECU10,13がこの順で直列接続されていると考えることができる。
こうした構成の第五実施形態では、第一変更制御フローのステップS13,S15,S20において第一バイワイヤECU12が、自動変速機ECU10を通じてセレクタセンサ38から受信する検出信号を利用する。また同様に、第二変更制御フローのステップS33,S35,S40において第二バイワイヤECU13が、自動変速機ECU10を通じてセレクタセンサ38から受信する検出信号を利用する。したがって、第五実施形態によれば、第一実施形態と同様にして車両安全を保つことができる。
(第六実施形態)
図19に示すように、本発明の第六実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第六実施形態では、電動モータ32に駆動部が一つだけ設けられている。この駆動部250には、各バイワイヤECU12,13が個別の通電経路41,42を介して電気的に接続されており、それら各バイワイヤECU12,13は同一の駆動部250への通電制御を個別に実施可能となっている。
こうした構成の第六実施形態では、第一バイワイヤECU12が図20に示す如き第一変更制御フローを実施する。具体的に第一バイワイヤECU12は、第一実施形態のステップS13〜S19,S21,S22に準ずる内容のステップS231〜S237,S239,S240を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS238を実行する。即ち、ステップS238において第一バイワイヤECU12は、実レンジが目標レンジと一致するように駆動部250への通電をフィードバック制御してレンジ変更を実現した後、ステップS231を再実行する。
また同様に第六実施形態では、図21に示すように第二バイワイヤECU13が第二変更制御フローとして、第一実施形態のステップS33〜S39,S41,S42に準ずる内容のステップS251〜S257,S259,S260を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS258を実行する。即ち、ステップS258において第二バイワイヤECU13は、実レンジが目標レンジと一致するように駆動部250への通電をフィードバック制御してレンジ変更を実現する。
さらに第六実施形態では、自動変速機ECU10が図22に示す如き監視制御フローを実施する。具体的に自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS59〜S64,S66〜S69,S71〜S77に準ずる内容のステップS271〜S276,S278〜S281,S283〜S289を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS277,S282を実行する。
即ち、ステップS277において自動変速機ECU10は、第一通電経路41の閉結制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第一バイワイヤECU12による駆動部250の制御を許可する。尚、このとき本実施形態の自動変速機ECU10は、第二通電経路42の開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第二バイワイヤECU13による駆動部250の制御を禁止するようにもなっている。
また、ステップS282において自動変速機ECU10は、第一通電経路41の開放制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第一バイワイヤECU12による駆動部250の制御を禁止する。それと共に自動変速機ECU10は、第二通電経路42の閉結制御指令をスイッチング装置40へ与えることで、第二バイワイヤECU13による駆動部250の制御を許可する。
このような第六実施形態によれば、シフトバイワイヤシステム3の異常を確認した自動変速機ECU10の制御に従って適切な異常時処置が施されることとなるので、車両安全を高度に保つことができる。
(第七実施形態)
図23に示すように、本発明の第七実施形態は第三実施形態の変形例であり、第三実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第七実施形態では、車両制御システム1にステアバイワイヤシステム300が設けられている。
ステアバイワイヤシステム300は、車両の転舵輪310を転舵方向において駆動するアクチュエータ311を備えている。このアクチュエータ311は電磁駆動式であり、電動モータ312、回転角センサ313、出力機構314等から構成されている。電動モータ312は、第一実施形態の電動モータ32の場合と同様に構成された二つの駆動部317,318を有し、それら各駆動部317,318への通電によって回転駆動力を出力軸に発生する。アクチュエータ311は、この電動モータ312の出力軸に発生した回転駆動力を出力機構314から車両の操舵出力系316を介して転舵輪310へと伝達する。したがって、転舵輪310の転舵角は電動モータ312の回転角度に応じて変化する。
また、ステアバイワイヤシステム300は、マイクロコンピュータを主体に構成された二つのECU320,321を備えている。各ECU320,321は、車内LAN回線17に電気的又は光学的に接続されていると共に、回転角センサ313及び車両のハンドル角センサ324に電気的に接続されている。ここで回転角センサ313は、電動モータ312の出力軸の回転角を検出してその検出信号を各ECU320,321へ出力する。上述したように転舵輪310の転舵角は電動モータ312の回転角度に応じて変化するので、この回転角センサ313により検出される回転角は、車両において実現される実転舵角を間接的に表している。ハンドル角センサ324は、車両のステアリングハンドル322を車両搭乗者が操作することによって入力されたハンドル角を検出し、その検出信号を各ECU320,321へ出力する。このように各センサ313,324から検出信号を受信する各ECU320,321は、それらの検出信号に基づいて対応駆動部317,318への通電制御を個別に実施可能となっている。尚、本実施形態においてハンドル角センサ324はエンジンECU11にも電気的に接続されており、当該ECU11はハンドル角センサ324の検出信号を直接的に受信する。一方、回転角センサ313の検出信号についてエンジンECU11は、車内LAN回線17を通じてECU320,321の一方又は双方から受信する。
以下の説明では、「ステアバイワイヤシステム300のECU320,321」を「バイワイヤECU320,321という。
さらにステアバイワイヤシステム300は、スイッチング装置330を備えている。このスイッチング装置330は、各バイワイヤECU320,321とその対応駆動部317,318との間を繋ぐ通電経路331,332に跨って設けられる点を除き、第三実施形態のスイッチング装置40と同様に構成されている。したがって、スイッチング装置330は、第一及び第二通電経路331,332の閉結制御指令又は開放制御指令をエンジンECU11から与えられることで、各バイワイヤECU320,321による駆動部317,318への通電制御を許可又は禁止する。尚、以下の説明では、「第一バイワイヤECU320よる第一駆動部317への通電制御」を「第一駆動部制御」といい、「第二バイワイヤECU321よる第二駆動部318への通電制御」を「第二駆動部制御」という。
さて、第七実施形態では、転舵輪310の転舵角を変更するために第一バイワイヤECU320が、図24に示す如き第一変更制御フローを実施する。具体的に第一バイワイヤECU320は、第三実施形態のステップS131,S132に準ずる内容のステップS301,S302を実行する。
ステップS301において否定判定がなされた場合、又はステップS302の実行終了後に第一バイワイヤECU320は、ステップS303において、車両搭乗者による転舵角変更指令の有無をハンドル角センサ324の検出信号に基づいて判定する。その結果、否定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU320は、ステップS301を再実行する。一方、ステップS303において肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU320は、ステップS304において、自動変速機ECU10に自身を監視させるための第一回路情報を取得する。具体的に本実施形態の第一回路情報は、ステップS304の実行現在の実転舵角、ステップS303で確認された転舵角変更指令によって決まる目標転舵角、並びに電動モータ312の目標回転方向(以下、「電動モータ312の目標回転方向」を「目標回転方向」という)を含んでいる。ここで実転舵角は、回転角センサ313の検出信号に基づいて取得され、目標転舵角は、ハンドル角センサ324の検出信号に基づいて取得される。また、目標回転方向は、そのようにして取得された実転舵角及び目標転舵角に基づいて取得される。
ステップS304に続くステップS304,S305は、第三実施形態のステップS135,S136に準ずる内容である。そして、ステップS305に続くステップS306において第一バイワイヤECU320は、第二バイワイヤECU321及びエンジンECU11からそれぞれ第二回路情報及び基準情報を設定時間内に受信したか否かを判定する。ここで、第二バイワイヤECU321からの受信が待たれる第二回路情報は、後述する第二変更制御フローのステップS324において第二バイワイヤECU321により取得される実転舵角、目標転舵角及び目標回転方向を含むものである。また、エンジンECU11からの受信が待たれる基準情報は、後述する監視制御フローのステップS360においてエンジンECU11により取得される実転舵角、目標転舵角及び目標回転方向を含むものである。
ステップS306以降のステップS307〜S310のうち、ステップS307,S308,S310は、第三実施形態のステップS138,S139,S141に準ずる内容であり、ステップS309は第三実施形態のステップS140と異なっている。即ち、ステップS309において第一バイワイヤECU320は、実転舵角が目標転舵角と一致するように第一駆動部317への通電をフィードバック制御して転舵角変更を実現した後、ステップS301を再実行する。
以上説明した第一変更制御フローの実施に加えて第七実施形態では、転舵輪310の転舵角を変更するために第二バイワイヤECU321が、図25に示す如き第二変更制御フローを実施する。具体的に第二バイワイヤECU321は、「第一駆動部317」及び「第一異常情報」がそれぞれ「第二駆動部318」及び「第二異常情報」へ変わる点、並びに「第一バイワイヤECU320」と「第二バイワイヤECU321」との関係及び「第一回路情報」と「第二回路情報」との関係が逆になる点等を除き、第一変更制御フローのステップS301〜S310に準じた内容のステップS321〜S330を実行する。
さらに第七実施形態では、ステアバイワイヤシステム300を監視するための監視制御フローをエンジンECU11が実施する。具体的にエンジンECU11は、第三実施形態のS151〜S158,S162〜176に準ずる内容のステップS351〜S358,S361〜S375を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS359,S360を実行する。そこで以下では、ステップS359〜S375を示した図26を参照しつつステップS359,S360について説明し、他のステップの説明及びステップS351〜S358の図示については省略する。
ステップS359においてエンジンECU11は、車両搭乗者による転舵角変更指令の有無をハンドル角センサ324の検出信号に基づいて判定する。その結果、否定判定がなされた場合にエンジンECU11は、ステップS351を再実行する。一方、ステップS359において肯定判定がなされた場合にエンジンECU11は、ステップS360において、ステアバイワイヤシステム300を監視する上で基準となる基準情報を取得する。具体的に本実施形態の基準情報は、ステップS360の実行現在の実転舵角、ステップS359で確認された転舵角変更指令によって決まる目標転舵角、並びに目標回転方向を含んでいる。ここで実転舵角、目標転舵角及び目標回転方向は、第一変更制御フローのステップS304の場合と同様にして取得される。
以上説明した第七実施形態によれば、ステアバイワイヤシステム300の異常を確認した各ECU11〜13の制御に従って適切な異常時処置が施されることとなるので、搭乗者意思に反する転舵角の変化を防止して車両安全を高度に保つことができる。
以上、第七実施形態では、転舵輪310の転舵角が特許請求の範囲に記載の「車両状態に相当し、バイワイヤECU320,321が特許請求の範囲に記載の「複数のバイワイヤ制御回路」に相当し、スイッチング装置330が特許請求の範囲に記載の「許否手段」に相当している。また、第七実施形態では、ハンドル角センサ324を有するステアリングハンドル322が特許請求の範囲に記載の「指令入力手段」に相当し、操舵出力系316が特許請求の範囲に記載の「転舵角変化手段」に相当している。
(第八実施形態)
図27に示すように、本発明の第八実施形態は第一実施形態の変形例であり、第一実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付すことで説明を省略する。
第八実施形態では、スイッチング装置400と各駆動部35,36との間を電気的に接続する接続路401,402、スイッチング装置400と第一バイワイヤECU12との間を電気的に接続する接続路403,404、並びにスイッチング装置400と第二バイワイヤECU13との間を電気的に接続する接続路405,406が設けられている。
また、スイッチング装置400は自動変速機ECU10に電気的に制御されており、当該ECU10から受ける制御指令に従って、接続路401と接続路403,405と間における電気的接続、遮断の切替、並びに接続路402と接続路404,406と間における電気的接続、遮断の切替を実施する。したがって、図28(a)の如く接続路401と接続路403とが接続されるときには、第一バイワイヤECU12から第一駆動部35への第一通電経路410が形成され、さらにこのとき第一バイワイヤECU12は、第一駆動部35及び第一通電経路410からなる第一通電駆動系411の異常を確認することができる。また、図28(a)の如く接続路402と接続路404とが接続されるときには、第一バイワイヤECU12から第二駆動部36への第二通電経路412が形成され、さらにこのとき第一バイワイヤECU12は、第二駆動部36及び第二通電経路412からなる第二通電駆動系413の異常を確認することができる。一方、図28(b)の如く接続路401と接続路405とが接続されるときには、第二バイワイヤECU13から第一駆動部35への第三通電経路414が形成され、さらにこのとき第二バイワイヤECU13は、第一駆動部35及び第三通電経路414からなる第三通電駆動系415の異常を確認することができる。また、図28(b)の如く接続路402と接続路406とが接続されるときには、第二バイワイヤECU13から第二駆動部36への第四通電経路416が形成され、さらにこのとき第二バイワイヤECU13は、第二駆動部36及び第四通電経路416からなる第四通電駆動系417の異常を確認することができる。
こうした構成の第八実施形態では、第一バイワイヤECU12が図29及び図30に示す如き第一変更制御フローを実施する。具体的に第一バイワイヤECU12は、図29に示すステップS401において、第一通電駆動系411の異常を検出したか否かを判定する。このとき第一バイワイヤECU12は、自動変速機ECU10への制御指令により接続路401,403の接続指令をスイッチング装置400へ与えることで、例えば通電状況等に基づき第一通電駆動系411の異常を判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS402において、異常通電駆動系が第一通電駆動系411であることを表す第一異常情報を第二バイワイヤECU13及び自動変速機ECU10へ送信する。
ステップS401において否定判定がなされた場合、又はステップS402の実行終了後に第一バイワイヤECU12は、ステップS403において、第二通電駆動系413の異常を検出したか否かを判定する。このとき第一バイワイヤECU12は、自動変速機ECU10への制御指令により接続路402,404の接続指令をスイッチング装置400へ与えることで、例えば通電状況等に基づき第二通電駆動系413の異常を判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に第一バイワイヤECU12は、ステップS404において、異常通電駆動系が第二通電駆動系413であることを表す第二異常情報を第二バイワイヤECU13及び自動変速機ECU10へ送信する。
ステップS403において否定判定がなされた場合、又はステップS404の実行終了後に第一バイワイヤECU12は、第一実施形態のS13〜S19,S21,S22に準ずる内容のステップS405〜S411,S415,S416を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS412〜S414を実行する。
即ち、図30に示すステップS412において第一バイワイヤECU12は、ステップS401,S403の判定結果並びに後述する第二変更制御フローのステップS422,S424の実行により第二バイワイヤECU13から受信する第三及び第四異常情報の有無に基づいて、使用を許可する通電駆動系(以下、「使用を許可する通電駆動系」を「許可通電駆動系」という)を判定する。具体的に、図31に示すように第一バイワイヤECU12は、第一及び第二通電駆動系411,413が正常である場合に、それら第一及び第二通電駆動系411,413が許可通電駆動系である判定する。また、第一及び第四通電駆動系411,417が正常であり且つ第二通電駆動系413が異常である場合には、第一及び第四通電駆動系411,417が許可通電駆動系であると判定する。第一通電駆動系411が正常であり且つ第二及び第四通電駆動系413,417が異常である場合には、第一通電駆動系411が許可通電駆動系であると判定する。第一通電駆動系411が異常であり且つ第二及び第三通電駆動系413,415が正常である場合には、第二及び第三通電駆動系413,415が許可通電駆動系であると判定する。第一及び第三通電駆動系411,415が異常であり且つ第二通電駆動系413が正常である場合には、第二通電駆動系413が許可通電駆動系であると判定する。第一及び第二通電駆動系411,413が異常である場合には、許可通電駆動系はなしと判定する。
このようなステップS412による許可通電駆動系の判定結果を第一バイワイヤECU12は、ステップS413において自動変速機ECU10へと送信する。さらに、続くステップS414において第一バイワイヤECU12は、ステップS412で判定された許可通電駆動系が第一及び第二通電駆動系411,413の少なくとも一方である場合に、第一及び第二通電駆動系411,413のうち当該許可通電駆動系として判定された系をなす駆動部への通電をフィードバック制御することで、実レンジを目標レンジと一致させるレンジ変更を実現する。
以上、第八実施形態において、第一バイワイヤECU12が実施する第一変更制御フローについて説明したが、次に、第二バイワイヤECU13が実施する図32及び図33に示す如き第二変更制御フローについて説明する。
図32に示すステップS421において第二バイワイヤECU13は、第三通電駆動系415の異常を検出したか否かを判定する。このとき第二バイワイヤECU13は、自動変速機ECU10への制御指令により接続路401,405の接続指令をスイッチング装置400へ与えることで、例えば通電状況等に基づき第三通電駆動系415の異常を判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に第二バイワイヤECU13は、ステップS422において、異常通電駆動系が第三通電駆動系415であることを表す第三異常情報を第一バイワイヤECU12及び自動変速機ECU10へ送信する。
ステップS421において否定判定がなされた場合、又はステップS422の実行終了後に第二バイワイヤECU13は、ステップS423において、第四通電駆動系417の異常を検出したか否かを判定する。このとき第二バイワイヤECU13は、自動変速機ECU10への制御指令により接続路402,406の接続指令をスイッチング装置400へ与えることで、例えば通電状況等に基づき第四通電駆動系417の異常を判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に第二バイワイヤECU13は、ステップS424において、異常通電駆動系が第四通電駆動系417であることを表す第四異常情報を第一バイワイヤECU12及び自動変速機ECU10へ送信する。
ステップS423において否定判定がなされた場合、又はステップS424の実行終了後に第二バイワイヤECU13は、第一実施形態のS33〜S39,S41,S42に準ずる内容のステップS425〜S431,S435,S436を実行すると共に、本実施形態に特徴的なステップS432〜S434を実行する。
即ち、図33に示すステップS432において第二バイワイヤECU13は、ステップS421,S423の判定結果並びに第一変更制御フローのステップS402,S404の実行により第一バイワイヤECU12から受信する第一及び第三異常情報の有無に基づいて、通電駆動系を判定する。具体的に、図34に示すように第二バイワイヤECU13は第一及び第二通電駆動系411,413が正常である場合に、許可通電駆動系はなしと判定する。また、第一及び第四通電駆動系411,417が正常であり且つ第二通電駆動系413が異常である場合には、第一及び第四通電駆動系411,417が許可通電駆動系であると判定する。第一通電駆動系411が正常であり且つ第二及び第四通電駆動系413,417が異常である場合には、許可通電駆動系はなしと判定する。第一通電駆動系411が異常であり且つ第二及び第三通電駆動系413,415が正常である場合には、第二及び第三通電駆動系413,415が許可通電駆動系であると判定する。第一及び第二通電駆動系411,413が異常であり且つ第三及び第四通電駆動系415,417が正常である場合には、第三及び第四通電駆動系415,417が許可通電駆動系であると判定する。第一、第二及び第四通電駆動系411,413,417が異常であり且つ第三通電駆動系415が正常である場合には、第三通電駆動系415が許可通電駆動系であると判定する。第一〜第三通電駆動系411,413,415が異常であり且つ第四通電駆動系417が正常である場合には、第四通電駆動系417が許可通電駆動系であると判定する。第一、第三及び第四通電駆動系411,415が異常である場合には、許可通電駆動系はなしと判定する。
このようなステップS432による許可通電駆動系の判定結果を第二バイワイヤECU13は、ステップS433において自動変速機ECU10へと送信する。さらに、続くステップS434において第二バイワイヤECU13は、許可通電駆動系が第三及び第四通電駆動系415,417の少なくとも一方である場合に、当該少なくとも一方の通電駆動系をなす駆動部への通電をフィードバック制御することで、実レンジを目標レンジと一致させるレンジ変更を実現する。
以上、第八実施形態において、第二バイワイヤECU13が実施する第二変更制御フローについて説明したが、次に、自動変速機ECU10が実施する図35及び図36に示す如き監視制御フローについて説明する。
図35に示すステップS441において自動変速機ECU10は、第一バイワイヤECU12から第一異常情報を受信したか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS442において接続路401,403間の遮断並びに接続路401,405の接続指令をスイッチング装置400へ与えることで、使用を禁止する通電駆動系(以下、「使用を禁止する通電駆動系」を「禁止通電駆動系」という)として第一通電駆動系411を設定すると共に、許可通電駆動系として第三通電駆動系415を設定する。続いて自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS53,S54に準ずる内容のステップS443,S444を実行した後、ステップS445を実行する。このステップS445において自動変速機ECU10は、第二バイワイヤECU13から第三異常情報を受信したか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、接続路401,403間の遮断並びに接続路401,405間の遮断指令をスイッチング装置400へ与えることで、第一及び第三通電駆動系411,415を共に禁止通電駆動系として設定した後、第一実施形態のステップS53,S54に準ずる内容のステップS447,S448を実行する。
ステップS441,S445において否定判定がなされた場合、又はステップS448の実行終了後に自動変速機ECU10は、ステップS449において、第一バイワイヤECU12から第二異常情報を受信したか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS450において接続路402,404間の遮断並びに接続路402,406の接続指令をスイッチング装置400へ与えることで、禁止通電駆動系として第二通電駆動系413を設定すると共に、許可通電駆動系として第四通電駆動系417を設定する。続いて自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS53,S54に準ずる内容のステップS451,S452を実行した後、ステップS53を実行する。このステップS453において自動変速機ECU10は、第二バイワイヤECU13から第四異常情報を受信したか否かを判定する。その結果、肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、接続路402,404間の遮断並びに接続路402,406間の遮断指令をスイッチング装置400へ与えることで、第二及び第四通電駆動系413,417を共に禁止通電駆動系として設定した後、第一実施形態のステップS53,S54に準ずる内容のステップS455,456を実行する。
ステップS449,S453において否定判定がなされた場合、又はステップS456の実行終了後に自動変速機ECU10は、図36に示すように、第一実施形態のS59〜S64に準ずる内容のステップS457〜S462を実行する。そして、ステップS462において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS463において、ステップS459で取得の基準情報とステップS461で受信の第二回路情報とを対比させ、それらの情報が完全に一致するか否かを判定する。
ステップS463において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS464において、本ステップの実行開始までに又は本ステップの実行開始から設定時間内に正常な各バイワイヤECU12,13から許可通電駆動系の判定結果を共に受信したか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS441を再実行する。
ステップS464において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS465において、正常な各バイワイヤECU12,13から受信した許可通電駆動系の判定結果の論理和を採り、それらバイワイヤECU12,13の少なくとも一方が許可通電駆動系であると判定した通電駆動系を選択する。さらにステップS465では、選択された通電駆動系を形成するのに必要な接続路の接続、並びに非選択の通電駆動系を形成するのに必要な接続路間の遮断指令をスイッチング装置400へ与えることで、選択された通電駆動系をなす駆動部の制御を許可すると共に、非選択の通電駆動系をなす駆動部の制御を禁止する。例えばバイワイヤECU12,13の双方が判定した許可通電駆動系が第二及び第三通電駆動系413,415である場合、接続路402,404の接続、接続路401,405の接続、接続路401,403間の遮断並びに接続路402,406間の遮断指令をスイッチング装置400へ与える。したがって、この場合には、第二通電駆動系413を使用した第一バイワイヤECU12による第二駆動部36の制御と、第三通電駆動系415を使用した第二バイワイヤECU13による第一駆動部35の制御とが許可される。それと共に、第一通電駆動系411を使用した第一バイワイヤECU12による第一駆動部35の制御と、第四通電駆動系417を使用した第二バイワイヤECU13による第二駆動部36の制御とが禁止される。
ステップS463で肯定判定がなされた場合のフローは上述した通りであるが、ステップS463で否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS466を実行する。このステップS466において自動変速機ECU10は、本ステップの実行開始までに又は本ステップの実行開始から設定時間内に正常な第一バイワイヤECU12から許可通電駆動系の判定結果を受信したか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS441を再実行する。
ステップS464において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS467において、正常な第一バイワイヤECU12から受信した許可通電駆動系の判定結果が表す通電駆動系のうち当該第一バイワイヤECU12に繋がるものを選択する。さらにステップS467では、選択された通電駆動系を形成するのに必要な接続路の接続、並びに非選択の通電駆動系を形成するのに必要な接続路間の遮断指令をスイッチング装置400へ与えることで、選択された通電駆動系をなす駆動部の第一バイワイヤECU12による制御を許可すると共に、非選択の通電駆動系をなす駆動部の制御を禁止する。尚、このようなステップS467の後、自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS53,S54に準ずる内容のステップS468,469を実行する。
以上、ステップS462で肯定判定がなされた場合のフローについて説明したが、ステップS462において否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、上記ステップS463に準ずる内容のステップS470を実行する。このステップS470において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS471において、本ステップの実行開始までに又は本ステップの実行開始から設定時間内に第二バイワイヤECU13から許可通電駆動系の判定結果を受信したか否かを判定する。その結果、否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS441を再実行する。
ステップS471において肯定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、ステップS472において、正常な第二バイワイヤECU13から受信した許可通電駆動系の判定結果が表す通電駆動系のうち当該第二バイワイヤECU13に繋がるものを選択する。さらにステップS472では、選択された通電駆動系を形成するのに必要な接続路の接続、並びに非選択の通電駆動系を形成するのに必要な接続路間の遮断指令をスイッチング装置400へ与えることで、選択された通電駆動系をなす駆動部の第二バイワイヤECU13による制御を許可すると共に、非選択の通電駆動系をなす駆動部の制御を禁止する。尚、このようなステップS472の後、自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS53,S54に準ずる内容のステップS473,474を実行する。
さて、ステップS470で肯定判定がなされた場合のフローは上述した通りであるが、ステップS470で否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS73〜S76に準ずる内容のステップS475〜S478を実行する。
またここまで、ステップS458で肯定判定がなされた場合のフローについて説明したが、ステップS458において否定判定がなされた場合に自動変速機ECU10は、第一実施形態のステップS77に準ずる内容のステップS479を実行する。
以上説明したように第八実施形態によると、自動変速機ECU10は、四種類の通電駆動系411,413,415,416のうち異常が発生した通電駆動系を、各バイワイヤECU12,13から受信する四種類の異常情報に基づいて識別することができる。さらに、その識別後に自動変速機ECU10はスイッチング装置400を電気的に制御することによって、異常な通電駆動系を使用した駆動部制御を禁止することができる。したがって、異常な通電駆動系の駆動部は、対応するバイワイヤECUからの制御指令とは異なる誤作動を起こすことがなく、故にそうした誤作動の結果、搭乗者意思に反するレンジが実現されるような事態が回避され得る。
また、第八実施形態によると、各バイワイヤECU12,13は、他方のバイワイヤECUから受信する異常情報に基づいて、当該他方のバイワイヤECUが通電に使用する二種類の通電駆動系の正異常を確認することができる。さらに各バイワイヤECU12,13は、かくして確認された通電駆動系の正異常と、自身が通電に使用する二種類の通電駆動系の正異常とを加味することで、許可通電駆動系の判定を正確に行うことができる。しかも、その判定結果を受けた自動変速ECU10は、実施を許可する駆動部制御を、許可通電駆動系を通じた駆動部制御のうち正常なバイワイヤECUによる制御に限定することができる。したがって、異常なバイワイヤECUによる駆動部制御も、異常な通電駆動系を通じた駆動部制御も共に実施されなくなるので、高い信頼性並びに高い車両安全性を獲得することができる。
このように第八実施形態によれば、シフトバイワイヤシステム3の異常時には、搭乗者意思に反してレンジが変化することを防止することができ、また第一実施形態と同様に必要に応じた車両走行抑制を実現することができるので、車両安全が十分に保たれる。
以上、第八実施形態では、スイッチング装置400が特許請求の範囲に記載の「許否手段」に相当している。
ここまで本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
具体的に第一〜第八実施形態では、電動モータ32,312を有するアクチュエータ30,311以外の電磁駆動式アクチュエータ、例えば電磁弁等を有するアクチュエータを用いてもよい。また、第一〜第五、第七実施形態では、アクチュエータ30,311において電動モータの三つ以上の駆動部がそれぞれ対応するECU(バイワイヤ制御回路)に個別の通電経路を介して接続される構成を採用し、それら駆動部の対応ECUによる制御をスイッチング装置40,330により許可又は禁止してもよい。さらにまた、第六実施形態では, アクチュエータ30において電動モータの一つの駆動部が三つ以上のECU(バイワイヤ制御回路)に個別の通電経路を介して接続される構成を採用し、当該駆動部の各ECUによる制御をスイッチング装置40により許可又は禁止してもよい。加えてまた、第八実施形態では、アクチュエータ30電動モータの三つ以上の駆動部と同数のECU(バイワイヤ制御回路)とにスイッチング装置400が接続される構成を採用し、それら駆動部の各ECUによる制御をスイッチング装置400により許可又は禁止してもよい。
さらに第一〜第八実施形態では、監視制御フローにおいてエンジントルクの低下作動を実施しなくてもよい。また、第三〜第八実施形態では、第二実施形態のブレーキ制御システム100を設け、監視制御フローにおいてエンジントルクの低下作動等と共にブレーキ作動を追加的に実施してもよい。さらにまた、第七実施形態では、自動変速機ECU10によって監視制御フローを実施可能な第一実施形態に準じた構成を採用してもよいし、統合ECU200によって監視制御フローを実施可能な第四実施形態に準じた構成を採用してもよい。加えてまた、第八実施形態では、エンジンECU11によって監視制御フローを実施可能な第三実施形態に準じた構成を採用してもよいし、統合ECU200によって監視制御フローを実施可能な第四実施形態に準じた構成を採用してもよい。
またさらに第一〜第七実施形態では、監視制御フローの判定ステップS66,S116,S166,S206,S278,S365,S465の後にECU10,11,200から送信させた許可指令を受けて、第一バイワイヤECU12,320が第一変更制御フローのレンジ又は転舵角の変更ステップS20,S140,S190,S238,S328,S414を実行するようにしてもよい。同様に第一〜第八実施形態では、監視制御フローの判定ステップS66,S116,S166,S206,S278,S365,S465の後にECU10,11,200から送信させた許可指令を受けて、第二バイワイヤECU13,321が第二変更制御フローのレンジ又は転舵角の変更ステップS40,S258,S329,S434を実行するようにしてもよい。
加えて第一〜第五、第七実施形態では、監視制御フローの判定ステップS66,S116,S166,S206,S365の後に、第二通電経路42の閉制御指令をスイッチング装置40へ与えて第二駆動部制御を許可するステップを追加してもよい。同様に第六実施形態では、監視制御フローの判定ステップS278の後に、第二通電経路42の閉制御指令をスイッチング装置40へ与えて第二バイワイヤECU13による駆動部制御を許可するステップを追加してもよい。
また加えて第一〜第五、第七実施形態では、各変更制御フローの異常の検出ステップS11,S31,S131,S181,S301,S321及び異常情報の送信ステップS12,S32,S132,S182,S302,S322と、監視制御フローの異常情報受信時の処理ステップS51〜S58,S101〜S108,S151〜S158,S201〜S208,S351〜S358を実行しなくてもよい。また、第一〜第五、第七実施形態では、監視制御フローの異常の通知ステップS53,S103,S153,S203,S353を第一変更制御フローのステップS11,S131,S181,S301の肯定判定後に実行すると共に、監視制御フローの異常の通知ステップS57,S107,S157,S207,S357を第二変更制御フローのステップS31,S321の肯定判定後に実行してもよい。
さらに加えて第一〜第五実施形態では、各変更制御フローの異常情報の送信ステップS12,S32,S132,S182を実行しないで、ECU10,11がその対応駆動部35,36から受信する監視情報(例えばコイル電流)に基づき異常検出するステップを、監視制御フローの異常の検出ステップS11,S31,S131,S181の代わりに実行してもよい。同様に第七実施形態では、各変更制御フローの異常情報の送信ステップS302,S322を実行しないで、ECU320,321がその対応駆動部317,318から受信する監視情報に基づき異常検出するステップを、監視制御フローの異常の検出ステップS301,S321の代わりに実行してもよい。
またさらに加えて第二〜第八実施形態では、図2及び図3に示す第一実施形態の変形例に準じて、バイワイヤシステム3,300の特定の構成要素同士を一体化してもよい。また、第二〜第四、第六〜第八実施形態では、第五実施形態に準じて監視制御フローの実施ECU10,11,200のみにセレクタセンサ38が接続される構成を採用してもよい。さらにまた、第七実施形態では、第一〜第六、第八実施形態に準ずるシフトバイワイヤシステム3を追加し、当該システム3の監視制御フローを追加的に実施してもよい。この場合、各システム300,3で変更制御フローを実施するECUは同一、相異のいずれであってもよく、また各システム300,3で監視制御フローを実施するECUは同一、相異のいずれであってもよい。
第一実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第一実施形態の変形例によるシフトバイワイヤシステムを示すブロック図である。 第一実施形態の変形例によるシフトバイワイヤシステムを示すブロック図である。 第一実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 第一実施形態による第二変更制御フローを示すフローチャートである。 第一実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第一実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第二実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第二実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第二実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第三実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第三実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 第三実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第三実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第四実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第四実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 第四実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第五実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第六実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第六実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 第六実施形態による第二変更制御フローを示すフローチャートである。 第六実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第七実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第七実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 第七実施形態による第二変更制御フローを示すフローチャートである。 第七実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第八実施形態による車両制御システムを示すブロック図である。 第八実施形態による車両制御システムの作動例を説明するためのブロック図である。 第八実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 第八実施形態による第一変更制御フローを示すフローチャートである。 図30に示すステップS412の判定処理について説明するための模式図である。 第八実施形態による第二変更制御フローを示すフローチャートである。 第八実施形態による第二変更制御フローを示すフローチャートである。 図33に示すステップS432の判定処理について説明するための模式図である。 第八実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。 第八実施形態による監視制御フローを示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両制御システム、2 自動変速制御システム、3 シフトバイワイヤシステム(バイワイヤシステム)、4 エンジン制御システム、5 通知装置、10 自動変速機ECU(バイワイヤ制御回路とは別の制御回路、監視制御手段、自動変速機制御回路)、11 エンジンECU(バイワイヤ制御回路とは別の制御回路、監視制御手段、エンジン制御回路)、12 第一バイワイヤECU(バイワイヤ制御回路)、13 第二バイワイヤECU(バイワイヤ制御回路)、17 車内LAN回線、20 自動変速機、21 油圧回路、22 マニュアル弁(レンジ切替機構)、23 電磁弁(切替手段)、30 アクチュエータ、32 電動モータ、34 回転角センサ、35 第一駆動部(駆動部)、36 第二駆動部(駆動部)、37 レンジセレクタ(指令入力手段)、38 セレクタセンサ(指令入力手段)、39 レンジセンサ、40 スイッチング装置(許否手段)、41 第一通電経路(通電経路)、42 第二通電経路(通電経路)、48,49 筐体、50 エンジン、51 スロットル装置、52 燃料噴射弁、100 ブレーキ制御システム、101 ブレーキECU(バイワイヤ制御回路とは別の制御回路、監視制御手段、ブレーキ制御回路)、102 ブレーキ作動装置(作動手段)、152 通電経路、200 統合ECU(バイワイヤ制御回路とは別の制御回路、監視制御手段)、250 駆動部、300 ステアバイワイヤシステム(バイワイヤシステム)、310 転舵輪、311 アクチュエータ、312 電動モータ、313 回転角センサ、316 操舵出力系(転舵角変化手段)、317 第一駆動部(駆動部)、318 第二駆動部(駆動部)、320 第一バイワイヤECU(バイワイヤ制御回路)、321 第二バイワイヤECU(バイワイヤ制御回路)、322 ステアリングハンドル(指令入力手段)、324 ハンドル角センサ(指令入力手段)、330 スイッチング装置(許否手段)、331 第一通電経路(通電経路)、332 第二通電経路(通電経路)、400 スイッチング装置(許否手段)、401,402,403,404,405,406 接続路、410 第一通電経路(通電経路)、411 第一通電駆動系(通電駆動系)、412 第二通電経路(通電経路)、413 第二通電駆動系(通電駆動系)、414 第三通電経路(通電経路)、415 第三通電駆動系(通電駆動系)、416 第四通電経路(通電経路)、417 第四通電駆動系(通電駆動系)

Claims (15)

  1. 車両状態を変化させるアクチュエータ、並びに車両搭乗者による車両状態の変更指令に従って前記アクチュエータを電気的に制御する複数のバイワイヤ制御回路を有するバイワイヤシステムと、
    前記複数のバイワイヤ制御回路とは別の制御回路からなり、前記バイワイヤシステムを監視する監視制御手段であって、前記複数のバイワイヤ制御回路から個別に受信する回路情報に基づいて正常なバイワイヤ制御回路と異常なバイワイヤ制御回路とを識別する監視制御手段と、
    前記監視制御手段から制御指令を受けて、前記正常なバイワイヤ制御回路による前記アクチュエータの制御を許可すると共に前記異常なバイワイヤ制御回路による前記アクチュエータの制御を禁止する許否手段と、を備え、
    前記バイワイヤシステムは、車両の自動変速機のレンジを変化させるレンジ切替機構を機械的に駆動するよう回転する前記アクチュエータ、並びに前記レンジの変更指令に従って前記アクチュエータの回転を電気的に制御する前記複数のバイワイヤ制御回路を備えたシフトバイワイヤシステムであって、
    前記監視制御手段は、前記バイワイヤシステムの監視において基準となる基準情報を取得し、当該基準情報と、前記各バイワイヤ制御回路から受信した回路情報とを対比することにより、それら各バイワイヤ制御回路の正異常を判定し、
    前記回路情報及び前記基準情報は、前記変更指令に基づいて目標とされる車両状態を表した目標状態情報を含み、
    前記目標状態情報は、少なくとも前記アクチュエータの目標回転方向を含み、
    前記監視制御手段は、前記目標回転方向を含む前記回路情報及び前記基準情報に基づいて前記各バイワイヤ制御回路の正異常を判定し、正常であると判定したバイワイヤ制御回路が前記アクチュエータを制御するよう、前記制御指令を出力することを特徴とする車両制御システム。
  2. 前記許否手段は、前記監視制御手段から制御指令を受けて、前記異常なバイワイヤ制御回路と前記アクチュエータとの間を電気的に遮断することを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
  3. 前記アクチュエータは、駆動力を個別に発生して車両状態を変化させる複数の駆動部を有し、
    前記各バイワイヤ制御回路は、前記複数の駆動部のうち対応する駆動部を個別の通電経路を通じて制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御システム。
  4. 前記バイワイヤ制御回路は、前記複数の駆動部のうち対応する駆動部の異常を検出した場合に、当該異常駆動部を表す異常情報を前記監視制御手段へ送信し、
    前記監視制御手段は、前記バイワイヤ制御回路から受信した前記異常情報が表す異常駆動部の制御を禁止する制御指令を前記許否手段へ与えることを特徴とする請求項3に記載の車両制御システム。
  5. 前記アクチュエータは、駆動力を個別に発生して車両状態を変化させる複数の駆動部を有し、
    前記各バイワイヤ制御回路は、互いに同じ前記複数の駆動部を制御対象とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両制御システム。
  6. 前記バイワイヤ制御回路は、前記複数の駆動部並びにそれら駆動部へ通電するための複数の通電経路からなる複数の通電駆動系のうち少なくとも一つの通電駆動系の異常を検出した場合に、当該異常通電駆動系を表す異常情報を前記監視制御手段へ送信し、
    前記監視制御手段は、前記バイワイヤ制御回路から受信した前記異常情報が表す異常通電駆動系を通じた駆動部の制御を禁止する制御指令を前記許否手段へ与えることを特徴とする請求項5に記載の車両制御システム。
  7. 前記バイワイヤ制御回路は、前記複数の駆動部並びにそれら駆動部へ通電するための複数の通電経路からなる複数の通電駆動系のうち少なくとも一つの通電駆動系の異常を検出した場合に、当該異常通電駆動系を表す異常情報を他のバイワイヤ制御回路へ送信し、
    且つ前記前記バイワイヤ制御回路は、自身で取得した前記異常情報と他のバイワイヤ制御回路から受信した前記異常情報とに基づいて、使用を許可する前記通電駆動系を判定し、当該許可通電駆動系の判定結果を前記監視制御手段へ送信し、
    前記監視制御手段は、前記バイワイヤ制御回路から受信した前記判定結果が表す許可通電駆動系を通じた駆動部の制御のうち前記正常なバイワイヤ制御回路による制御を許可すると共に、前記複数の駆動部の制御のうち当該許可制御以外の制御を禁止することを特徴とする請求項5又は6に記載の車両制御システム。
  8. 車両搭乗者により前記変更指令が入力されて当該変更指令に応じた信号を出力する指令入力手段に対し、前記複数のバイワイヤ制御回路及び前記監視制御手段が並列接続されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  9. 前記各バイワイヤ制御回路は、他のバイワイヤ制御回路から受信する前記回路情報及び前記監視制御手段から受信する前記基準情報の双方と、自身で取得した前記回路情報との不一致を確認した場合に、前記アクチュエータの制御を中止することを特徴とする請求項のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  10. 前記監視制御手段は、車両のエンジンを電気的に制御するエンジン制御回路を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  11. 前記監視制御手段は、前記バイワイヤシステムの監視により当該システムの異常を確認した場合に、前記エンジンを制御してエンジントルクを低下又は当該エンジンを停止させることを特徴とする請求項10に記載の車両制御システム。
  12. 前記監視制御手段は、車両の自動変速機において締結する摩擦要素を切り替える切替手段を電気的に制御する自動変速機制御回路を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  13. 前記監視制御手段は、前記バイワイヤシステムの監視により当該システムの異常を確認した場合に、前記切替手段を制御して中立レンジを実現することを特徴とする請求項12に記載に車両制御システム。
  14. 前記監視制御手段は、車両のブレーキを作動させる作動手段を電気的に制御するブレーキ制御回路を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の車両制御システム。
  15. 前記監視制御手段は、前記バイワイヤシステムの監視により当該システムの異常を確認した場合に、前記作動手段を制御して前記ブレーキを作動させることを特徴とする請求項14に記載に車両制御システム。
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