JP2009190527A - 車両仕様判定方法および車両仕様判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】2種類のブレーキ踏み込み検出回路のいずれかが搭載される車両においてブレーキペダルが踏み込まれたか否かを正確に判定することができる車両仕様判定方法および装置を提供する。
【解決手段】ブレーキペダル2が踏み込まれたときにブレーキ踏み込み検出回路6(7)からローレベルの信号が出力される第1仕様と、ハイレベルの信号が出力される第2仕様とのいずれかの仕様を有する車両10の仕様を判定する方法において、アクセルペダルが踏み込まれ、かつ車両10が動き出したときに、ブレーキ踏み込み検出回路6(7)のレベルが、ハイレベルのときに車両10の仕様が第1仕様であると判定し、ローレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定ステップと、その判定した仕様とブレーキ踏み込み検出回路6(7)からの信号とを基に、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断ステップとを備えたものである。
【選択図】図2
【解決手段】ブレーキペダル2が踏み込まれたときにブレーキ踏み込み検出回路6(7)からローレベルの信号が出力される第1仕様と、ハイレベルの信号が出力される第2仕様とのいずれかの仕様を有する車両10の仕様を判定する方法において、アクセルペダルが踏み込まれ、かつ車両10が動き出したときに、ブレーキ踏み込み検出回路6(7)のレベルが、ハイレベルのときに車両10の仕様が第1仕様であると判定し、ローレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定ステップと、その判定した仕様とブレーキ踏み込み検出回路6(7)からの信号とを基に、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断ステップとを備えたものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、2種類の仕様のブレーキ踏み込み検出回路のうちのいずれか一方が搭載される車両にて、その車両の仕様を判定する方法および装置に関するものである。
従来、車両に搭載される電子制御装置が行う制御には、ブレーキペダルが踏み込まれたか否かに基づいて行われるものがある。その制御において、ブレーキペダルの踏み込みを電子制御装置に認識させるために、ブレーキペダルに連動して信号を出力するブレーキ踏み込み検出回路が設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。
このようなブレーキ踏み込み検出回路として、例えば、図4(a)および(b)に示すように、車両側にブレーキスイッチ回路81(または91)を設け、そのブレーキスイッチ回路81(91)を、電子制御装置82(92)に接続して構成したものがある。
ここで、ブレーキスイッチ回路81(91)の仕様には、車両側の仕様により、異なるA仕様とB仕様とがある。
図4(a)に示すように、A車(A仕様の車両)のブレーキスイッチ回路81は、グランド83に接続されたライン84をブレーキスイッチ85を介して電子制御装置82に接続して構成される。このA車では、ブレーキペダルを踏むとブレーキスイッチ85がONになり、ブレーキスイッチ回路81がGNDレベルになる。
他方、図4(b)に示すように、B車のブレーキスイッチ回路91は、バッテリー93に接続されたライン94をブレーキスイッチ95を介して電子制御装置92に接続して構成される。このB車では、ブレーキペダルを踏むとブレーキスイッチ95がONになり、ブレーキスイッチ回路91がバッテリーレベルになる。
このようなA車とB車とが混在する場合、電子制御装置82(92)は、入力回路86(96)の異なる2種類のハードウェアを用意する必要がある。
図4(a)に示すように、A車の電子制御装置82の入力回路86では、CPU87が電源88にライン89で接続され、そのライン89がブレーキスイッチ回路81に接続される。
他方、図4(b)に示すように、B車の電子制御装置92の入力回路96では、CPU97がグランド98にライン99で接続され、そのライン99がブレーキスイッチ回路91に接続される。
これら入力回路86、96と同様に、電子制御装置82、92のソフトウェアも、A車とB車とでそれぞれ用意しなければならない。
A車のソフトウェアは、ブレーキスイッチ回路81がGNDレベルの場合、ブレーキONと判定し、GNDレベルでない場合、ブレーキOFFと判定する。これに対して、B車のソフトウェアは、ブレーキスイッチ回路91がGNDレベルの場合、ブレーキOFFと判定し、GNDレベルでない場合、ブレーキONと判定する。
しかしながら、上述したブレーキ踏み込み検出回路には以下のような問題があった。
上述したように、A車のハードウェア86とB車のハードウェア96とに対応したソフトウェアをそれぞれ用意する必要があることから、ソフトウェアの管理負担が増大し、生産効率の悪化を招いていた。
さらに、A車のソフトウェアとB車のソフトウェアとでは、ブレーキスイッチ回路81(91)がGNDレベルのときに、ブレーキON・OFFについて逆の判定をすることから、ハードウェアとソフトウェアとが正しい組合せでなければ、車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを正常に判定できないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、仕様が異なる2種類のブレーキ踏み込み検出回路のうちのいずれか一方が搭載される車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを正確に判定することができる車両仕様判定方法および装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、ブレーキペダルが踏み込まれたときにブレーキ踏み込み検出回路からローレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにハイレベルの信号が出力される第1仕様と、上記ブレーキペダルが踏み込まれたときに上記ブレーキ踏み込み検出回路からハイレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにローレベルの信号が出力される第2仕様とのうちのいずれか一方の仕様を有する車両の仕様を判定する方法において、上記車両のアクセルペダルが踏み込まれ、かつ上記車両が動き出したときに、上記ブレーキ踏み込み検出回路から出力される信号のレベルを検出すると共に、その検出したレベルが、上記ハイレベルのときに上記車両の仕様が第1仕様であると判定し、上記ローレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定ステップと、上記仕様判定ステップにて判定した仕様と上記ブレーキ踏み込み検出回路からの出力信号とを基に、上記車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断ステップとを備えたものである。
好ましくは、上記仕様判定ステップは、所定の制御周期ごとに上記車両の車速を検出すると共に、その検出した車速を前車速として記憶する車速検出ステップと、上記車速検出ステップで検出した車速が、上記車両が実質的に停車しているとみなせるような所定車速を超え、かつ前の制御周期で記憶した前車速が上記所定車速以下のときに、上記車両が動き出したと判断する動き出し判断ステップとを有するものである。
好ましくは、上記仕様判定ステップで判定した仕様を記憶する仕様記憶ステップを備え、上記仕様記憶ステップにより上記車両の仕様を記憶した後は、上記仕様判定ステップを省略して、上記踏み込み判断ステップを実行するものである。
上記目的を達成するために本発明は、ブレーキペダルが踏み込まれたときにブレーキ踏み込み検出回路からローレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにハイレベルの信号が出力される第1仕様と、上記ブレーキペダルが踏み込まれたときに上記ブレーキ踏み込み検出回路からハイレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにローレベルの信号が出力される第2仕様とのうちのいずれか一方の仕様を有する車両の仕様を判定する装置において、上記車両のアクセルペダルが踏み込まれ、かつ上記車両が動き出したときに、上記ブレーキ踏み込み検出回路から出力される信号のレベルを検出すると共に、その検出したレベルが、上記ハイレベルのときに上記車両の仕様が第1仕様であると判定し、上記ローレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定手段と、上記仕様判定手段により判定された仕様と上記ブレーキ踏み込み検出回路からの出力信号とを基に、上記車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断手段とを備えたものである。
好ましくは、上記仕様判定手段は、上記アクセルペダルの踏み込みを検出するアクセルペダル検出手段と、所定の制御周期ごとに上記車両の車速を検出する車速検出手段と、その車速検出手段により検出された車速を前車速として記憶する前車速記憶手段と、上記車速検出手段により検出された車速が、上記車両が実質的に停車しているとみなせるような所定車速を超え、かつ上記前車速記憶手段により前の制御周期で記憶された前車速が上記所定車速以下のときに、上記車両が動き出したと判断する動き出し判断手段とを有するものである。
好ましくは、上記仕様判定手段により判定された仕様を記憶する仕様記憶手段を備え、上記仕様記憶手段により上記車両の仕様が記憶された後は、上記仕様判定手段の作動を省略して上記踏み込み判断手段による上記ブレーキペダルが踏み込み判断が行われるものである。
本発明によれば、仕様が異なる2種類のブレーキ踏み込み検出回路のうちのいずれか一方が搭載される車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを正確に判定することができるという優れた効果を発揮するものである。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
本実施形態の車両仕様判定装置は、例えば、トラックなど車両に適用される。
まず、図3に基づき、本実施形態の車両仕様判定装置が適用される車両について説明する。
図3に示すように、車両10は、エンジン11と、そのエンジン11の出力を駆動輪に伝達するための動力伝達装置(図例では、クラッチ12および変速機13)と、それらエンジン11、クラッチ12および変速機13などを手動操作するための操作手段14と、エンジン11、クラッチ12および変速機13などを自動制御するための電子制御装置15と、その電子制御装置15などに電力を供給するバッテリー16とを備える。また、車両10には、サービスブレーキやパーキングブレーキなどの図示しない制動装置が設けられる。
操作手段14は、エンジン11を操作するためのアクセルペダル8、サービスブレーキ(図示せず)を制動操作するためのブレーキペダル2や、クラッチ12を断接操作するためのクラッチペダル、変速機13を変速操作するためのシフトレバー(図示せず)などから構成される。
電子制御装置15は、各種の車両制御を実行するためのCPU3(処理手段)と、各データを記憶するためのメモリ4(記憶手段)とを有する。メモリ4には、後述する車両仕様判定のためのソフトウェアや、車両仕様判定済みフラグ、車両仕様データなどが収容される。
電子制御装置15は、エンジン11のインジェクタ111や、クラッチ12の図示しないアクチュエータおよび変速機13のアクチュエータに接続され、それらインジェクタ111およびアクチュエータに制御信号を出力する。電子制御装置15は、例えば、インジェクタ111の燃料噴射量および噴射時期や、クラッチ12の断接、変速機13の変速などを制御する。
電子制御装置15には、車速を検出するための車速センサ5(車速検出手段)、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ112や、変速機13のギヤポジションセンサ(図示せず)などの各種センサが接続され、それらセンサからの検出信号が入力される。
電子制御装置15には、上述したアクセルペダル8やブレーキペダル2などの操作手段14の操作量が入力される。
より具体的には、アクセルペダル8と電子制御装置15との間に、アクセルペダル8の踏み込み量を検出するアクセルペダル回路9(アクセルペダル検出手段)が設けられ、そのアクセルペダル回路9からアクセルペダル8の踏み込み量(アクセルペダル開度)を示すアクセルペダル信号がCPU3に入力される。
また、ブレーキペダル2と電子制御装置15との間に、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを検出するブレーキ踏み込み検出回路6、7(6は後述するA仕様の回路、7はB仕様の回路を示す)が設けられ、そのブレーキ踏み込み検出回路6(7)から出力されたブレーキスイッチ信号がCPU3に入力される。
ブレーキスイッチ信号は、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かに対応して、ハイレベル(図例ではバッテリーレベル)と、そのハイレベルよりも低電位のローレベル(図例ではGNDレベル)とでレベルが切り替えられる。
ここで、ブレーキ踏み込み検出回路6(7)には、ブレーキペダル2が踏み込まれたときのブレーキスイッチ信号のレベルが相反する第1仕様(以下、A仕様という)と第2仕様(以下、B仕様という)とがある。
よって、本実施形態の車両10には、A仕様のブレーキ踏み込み検出回路6が搭載されるA仕様の車両(A車)と、B仕様のブレーキ踏み込み検出回路7が搭載されるB仕様の車両(B車)とがある。
図1(a)に基づき、A車のブレーキ踏み込み検出回路6について説明する。
A仕様のブレーキ踏み込み検出回路6は、電子制御装置15内の入力回路61と、車両10のブレーキペダル2側に設けられたブレーキスイッチ回路62とで構成される。
入力回路61は、CPU3の入力部を電子制御装置15内の電源63に接続するHライン64を有し、そのHライン64が電子制御装置15の入力ポート151を介してブレーキスイッチ回路62の後述する検出ライン65に接続される。
電源63は、例えば、車両10のバッテリー16と同じレベルの電位を供する定電圧電源からなる。Hライン64には、CPU3に入力されるブレーキスイッチ信号のレベルを調節するためのプルアップ抵抗66が設けられる。
ブレーキスイッチ回路62は、外部のグランド67を電子制御装置15の入力ポート151に接続する検出ライン65を有し、その検出ライン65に、ブレーキペダル2に連動して断接作動するブレーキスイッチ21が設けられる。
ブレーキスイッチ21は、ブレーキペダル2が踏み込まれたときにON(オン)、踏み込まれていないときにOFF(オフ)となる。
このA仕様のブレーキ踏み込み検出回路6では、ブレーキスイッチ回路62のレベルが入力回路61を介してブレーキスイッチ信号としてCPU3に入力される。そのブレーキスイッチ信号は、ブレーキスイッチ21がOFFのとき、バッテリーレベルであり、ブレーキペダル2が踏み込まれてブレーキスイッチ21がONになるとGNDレベルになる。
次に図1(b)に基づき、B車のブレーキ踏み込み検出回路7について説明する。なお、図1(a)と同様の要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
B仕様のブレーキ踏み込み検出回路7は、A仕様のブレーキ踏み込み検出回路6と同様に、入力回路71と、ブレーキスイッチ回路72とで構成される。
入力回路71は、CPU3の入力部を電子制御装置15内のグランド73に接続するLライン74を有し、そのLライン74が電子制御装置15の入力ポート151を介してブレーキスイッチ回路72の後述する検出ライン75に接続される。Lライン74には、ブレーキスイッチ信号のレベルを調節するためのプルダウン抵抗76が設けられる。
ブレーキスイッチ回路72は、電子制御装置15の入力ポート151を外部の電源(バッテリー16)に接続する検出ライン75を有し、その検出ライン75に、A仕様と同様に動作するブレーキスイッチ21が設けられる。
このB仕様のブレーキ踏み込み検出回路7では、CPU3に入力されるブレーキスイッチ信号は、ブレーキペダル2が踏み込まれていないときにGNDレベルであり、ブレーキペダル2が踏み込まれるとバッテリーレベルになる。
図3に戻り、本実施形態の車両(A車およびB車)には、車両(ブレーキ踏み込み検出回路)の仕様を判定するための車両仕様判定装置1が設けられる。
その車両仕様判定装置1は、車両10のアクセルペダル8が踏み込まれ、かつ車両10が動き出したときに、ブレーキ踏み込み検出回路6(7)から出力される信号のレベルを検出すると共に、その検出したレベルが、バッテリーレベルのときに車両10の仕様が第1仕様であると判定し、GNDレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定手段と、その仕様判定手段が判定した仕様を記憶する仕様記憶手段4と、仕様判定手段により判定された仕様とブレーキ踏み込み検出回路6(7)からの出力信号とを基に、車両10のブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断手段3とを備える。
その仕様判定手段は、アクセルペダル回路9と、車速センサ5と、その車速センサ5により検出された車速を前車速として記憶する前車速記憶手段4と、車速センサ5の検出車速が所定車速を超え、かつ前車速記憶手段4により前の制御周期で記憶された前車速が所定車速以下のときに、車両10が動き出したと判断する動き出し判断手段3とを有する。
本実施形態では、仕様判定手段と踏み込み判断手段と動き出し判断手段とがCPU3により構成され、前車速記憶手段と仕様記憶手段がメモリ4により構成される。また、所定車速は、実質的に車両10が停止しているとみなせるような車速に設定される。
詳しくは後述するが、CPU3は、メモリ4に車両10の仕様が記憶された後、仕様判定手段としての作動を省略して、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを判断する。
次に、本実施形態の車両仕様判定装置による車両仕様判定方法について説明する。
本実施形態では、車両仕様を自動で学習する制御を、ブレーキペダル2の踏み込みを判断するソフトウェアに組み込むことで、A車用ハードウェア6、B車用ハードウェア7のどちらにも適合するソフトウェアを用意した。
そのソフトウェアにより電子制御装置15が実行する車両仕様判定方法によれば、まず、工場などにて車両10が完成した後、アクセルペダル8の踏み込みを検出し、かつ車両10の動き出し(車速0から車速>0)を検出したときに、そのときのブレーキ踏み込み検出回路6(7)のレベルをモニタする。
アクセルペダル8の踏み込みにより車両10が動き出したということは、ブレーキペダル2を踏み込んでいないとみなすことができるので、これにより、車両仕様を判断することができる。
そこで、本実施形態では、モニタするブレーキ踏み込み検出回路6(7)のレベルが、バッテリーレベルのときに車両10の仕様がA仕様であると判定し、GNDレベルのときにB仕様であると判定する(仕様判定ステップ)。
車両仕様判定成立後は、仕様判定ステップにて判定した仕様とブレーキ踏み込み検出回路6(7)からの出力信号とを基に、車両10のブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを判断する(踏み込み判断ステップ)。
これにより、A車とB車とにそれぞれに適したブレーキスイッチ21の判定が可能となり、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを正確に判定することができる。
また、本実施形態では、判定した車両仕様を記憶し、以後は記憶した車両仕様を呼び出すことで、一度、車両仕様判定成立後、二度と車両仕様判定を行わないものとした。
次に、図2のフローチャートに基づき、本実施形態に係る車両仕様判定方法の一例を説明する。図2のフローは、電子制御装置15のCPU3により所定の制御周期で実行される。
ステップS1では、CPU3は、車両10の仕様が既に判定されている否かを判断する。具体的には、CPU3は、車両仕様判定済みフラグがONか否かを判断する。車両仕様判定済みフラグは、初期値がOFFであり、後述するステップS8にて車両仕様判定が終了(成立)したときにONに設定される。
ステップS1で、車両仕様がまだ判定されていないと判断された場合、車両仕様を判定するために、ステップS2からステップS8が行われる。ステップS2からステップS8は、例えば、工場にて車両10が組立られた後の最初の発進の際などに行われる。
ステップS2では、CPU3は、アクセルペダル8が踏み込まれているか否かを、アクセルペダル回路9から入力されるアクセルペダル信号を基に判断する。
ステップS3およびステップS4では、CPU3は、車両10が動き出したか否かを判断する。
本実施形態のCPU3は、所定の制御周期ごとに車速センサ5により車両10の車速を検出すると共に、その検出した車速を前車速としてメモリ4に記憶し(車速検出ステップ)、車速センサ5の検出車速が所定車速を超え、かつ前の制御周期でメモリ4に記憶した前車速が所定車速以下のときに、車両10が動き出したと判断する(動き出し判断ステップ)。
図例では、所定車速がゼロに設定される。CPU3は、ステップS3にて、車速センサ5により検出された車速がゼロを超えるか否か判断し、ステップS4にて、前の制御周期でメモリ4に記憶した前車速がゼロか否か判断する。
なお、車速センサ5の出力にノイズが含まれる場合などには、所定車速を、ゼロよりも大きく、実質的に車両10が停止しているとみなせるような車速(例えば、約3km/h)に設定してもよい。
以上のステップS2からステップS4により、アクセルペダル8の踏み込みにより車両10が発進したか否かが判断され、ブレーキペダル2が踏み込まれていないか否かが判断される。なお、ステップS2からステップS4は、図例以外の任意の順で実行することができる。
ステップS2からステップS4で、ブレーキペダル2が踏み込まれていないと判断した場合、CPU3は、ステップS5にてブレーキ踏み込み検出回路6(7)からのブレーキスイッチ信号のレベルを基に仕様を判定し、その判定した仕様をステップS6またはステップS7にてメモリ4に車両仕様データとして記憶する(仕様記憶ステップ)。
具体的には、ステップ5で、ブレーキ踏み込み検出回路6(7)のブレーキスイッチ回路62(72)のレベルがGNDレベル(図2ではLo)の場合、CPU3は、車両10の車両仕様がB仕様であると判定して、その判定したB仕様をステップS6でメモリ4に車両仕様データとして記憶する。
他方、ステップ5で、ブレーキスイッチ回路62(72)のレベルがGNDレベルでない場合(バッテリーレベルの場合)、CPU3は、車両10がA仕様であると判定して、その判定したA仕様をステップS7でメモリ4に記憶する。
ステップS6またはステップS7の後、CPU3は、そのCPU3が搭載された車両10の仕様が判定済みであることを記憶するために、ステップS8で、車両仕様判定済みフラグをONにする。メモリ4の車両仕様判定済みフラグおよび車両仕様データは、基本的には、一度設定された後は、エンジン停止後などもそのまま保持される。
以上のステップS2からステップS8により、車両仕様が判定、記憶される。
次に、ステップS9からステップS14では、記憶した車両仕様を基に、ブレーキペダル2が踏み込まれているか否かの判断が行われる。具体的には、CPU3は、ブレーキペダル2が踏み込まれているか否か(ブレーキスイッチ22がONかOFFか)というハードウェアの状態を、ブレーキONかブレーキOFFかというCPU3内の状態(変数)に変換する。
ステップS9からステップS14は、例えば、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを制御条件とした所定の車両制御を実行する際に行われる。
所定の車両制御としては、様々な制御が考えられ、例えば、車両10の停車中(車速ゼロ、エンジン回転数がアイドル回転数)にブレーキペダル2が踏み込まれたとき(ブレーキON)にエンジン11を停止(インジェクタ111の燃料噴射を停止)し、ブレーキペダル2が離されたとき(ブレーキOFF)にエンジン11を再始動するアイドリングストップアンドスタート制御が考えられる。
ここで、本実施形態ではステップS8で車両仕様判定済みフラグをONにすることから、ステップS6およびステップS7(仕様記憶ステップ)で車両10の仕様が記憶された後は、ステップS1の次に、ステップS2からステップS8(仕様判定ステップ)を省略して、ステップS9が実行される。
ステップS9では、CPU3は、ステップS6またはステップS7で記憶したメモリ4の車両仕様データがA仕様か否かを判断する。
ステップS9で車両仕様がA仕様の場合、CPU3は、ステップS10でブレーキスイッチ回路62がGNDレベル(図2ではLo)か否かを判断し、GNDレベルのときブレーキON(ステップS11)、GNDレベルでないときブレーキOFF(ステップS12)と判断する。
ステップS9で車両仕様がA仕様でない場合(車両仕様がB仕様の場合)、CPU3は、ステップS13でブレーキスイッチ回路72がGNDレベルか否か判断し、GNDレベルのときブレーキOFF(ステップS14)、GNDレベルでないときブレーキON(ステップS11)と判断する。
これより、CPU3は、車両仕様に拘わらず、ブレーキペダル2が踏み込まれているときは、ブレーキONと認識し(ステップS11)、踏み込まれていないときは、ブレーキOFFと認識する(ステップS12およびステップS14)。
以上のフローによりブレーキONかブレーキOFFかを判断した後、その判断結果がCPU3などによる所定の車両制御に使用される。
このように、本実施形態では、仕様が異なる2種類(A仕様、B仕様)のブレーキ踏み込み検出回路6(7)のうちのいずれか一方が搭載された車両10において、ブレーキペダル2が踏み込まれたか否かを正確に判断することができる。
すなわち、本実施形態では、車両仕様判定の際に、ブレーキペダル2が踏み込まれていないことを、アクセルペダル8の踏み込みによる車両10の動き出しにより確認しているため、車両仕様判定を確実に行うことができる。
さらに、判定した各車両仕様ごとにブレーキON/OFFの判断を行うことで(ステップS13、S14)、ブレーキ踏み込み検出回路(ハードウェア)の違いをソフトウェアで吸収することが可能となる。
その結果、ブレーキペダル2の踏み込みを判断するソフトウェアを、A仕様とB仕様とで共通化して1種類にすることができ、車両仕様ごとにソフトウェアを用意する場合に発生するハードウェアとの組合せミスによる作動不良を防ぐことが可能となった。また、ソフトウェアの管理負担を低減させることができ、生産効率を向上させることができる。
その他にも、本実施形態では、車両仕様の判定をCPU3に自動で行わせることができる。すなわち、車両仕様を判定する前には、CPU3はブレーキペダル2が踏み込まれているか否かをブレーキ踏み込み検出回路6(7)の入力から判断することができない。そのため、CPU3に車両仕様の判定を自動で行わせようとすると、ブレーキ踏み込み検出回路6(7)の入力以外からブレーキペダル2の状態を検出しなければならない。本実施形態では、アクセルペダルの踏み込みと車両の動き出しとから、ブレーキペダル2の状態を検出することで、CPU3に車両仕様の判定を自動で行わせることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、様々な変形例や応用例が考えられるものである。
例えば、所定の車両制御としては、車両の停車中にブレーキペダル2が踏まれているときだけ(CPU3がブレーキONを確認したときだけ)変速機13の変速(例えば、ニュートラルから発進段への変速)を許可する危険防止制御や、坂道でブレーキペダル2が踏まれて車両が減速、停車したときに、サービスブレーキに設けられたブレーキ力を保持するためのHSAバルブを駆動して、停車後にブレーキペダル2が離されてもブレーキ力を保持する坂道発進補助制御などが考えられる。
1 車両仕様判定装置
2 ブレーキペダル
3 CPU(仕様判定手段、踏み込み判断手段、動き出し判断手段)
4 メモリ(前車速記憶手段、仕様記憶手段)
5 車速センサ(車速検出手段)
6、7 ブレーキ踏み込み検出回路
8 アクセルペダル
9 アクセルペダル回路(アクセルペダル検出手段)
10 車両
2 ブレーキペダル
3 CPU(仕様判定手段、踏み込み判断手段、動き出し判断手段)
4 メモリ(前車速記憶手段、仕様記憶手段)
5 車速センサ(車速検出手段)
6、7 ブレーキ踏み込み検出回路
8 アクセルペダル
9 アクセルペダル回路(アクセルペダル検出手段)
10 車両
Claims (6)
- ブレーキペダルが踏み込まれたときにブレーキ踏み込み検出回路からローレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにハイレベルの信号が出力される第1仕様と、上記ブレーキペダルが踏み込まれたときに上記ブレーキ踏み込み検出回路からハイレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにローレベルの信号が出力される第2仕様とのうちのいずれか一方の仕様を有する車両の仕様を判定する方法において、
上記車両のアクセルペダルが踏み込まれ、かつ上記車両が動き出したときに、上記ブレーキ踏み込み検出回路から出力される信号のレベルを検出すると共に、その検出したレベルが、上記ハイレベルのときに上記車両の仕様が第1仕様であると判定し、上記ローレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定ステップと、
上記仕様判定ステップにて判定した仕様と上記ブレーキ踏み込み検出回路からの出力信号とを基に、上記車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断ステップとを備えたことを特徴とする車両仕様判定方法。 - 上記仕様判定ステップは、所定の制御周期ごとに上記車両の車速を検出すると共に、その検出した車速を前車速として記憶する車速検出ステップと、
上記車速検出ステップで検出した車速が、上記車両が実質的に停車しているとみなせるような所定車速を超え、かつ前の制御周期で記憶した前車速が上記所定車速以下のときに、上記車両が動き出したと判断する動き出し判断ステップとを有する請求項1記載の車両仕様判定方法。 - 上記仕様判定ステップで判定した仕様を記憶する仕様記憶ステップを備え、
上記仕様記憶ステップにより上記車両の仕様を記憶した後は、上記仕様判定ステップを省略して、上記踏み込み判断ステップを実行する請求項1または2記載の車両仕様判定方法。 - ブレーキペダルが踏み込まれたときにブレーキ踏み込み検出回路からローレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにハイレベルの信号が出力される第1仕様と、上記ブレーキペダルが踏み込まれたときに上記ブレーキ踏み込み検出回路からハイレベルの信号が出力され、踏み込まれていないときにローレベルの信号が出力される第2仕様とのうちのいずれか一方の仕様を有する車両の仕様を判定する装置において、
上記車両のアクセルペダルが踏み込まれ、かつ上記車両が動き出したときに、上記ブレーキ踏み込み検出回路から出力される信号のレベルを検出すると共に、その検出したレベルが、上記ハイレベルのときに上記車両の仕様が第1仕様であると判定し、上記ローレベルのときに第2仕様であると判定する仕様判定手段と、
上記仕様判定手段により判定された仕様と上記ブレーキ踏み込み検出回路からの出力信号とを基に、上記車両のブレーキペダルが踏み込まれたか否かを判断する踏み込み判断手段とを備えたことを特徴とする車両仕様判定装置。 - 上記仕様判定手段は、上記アクセルペダルの踏み込みを検出するアクセルペダル検出手段と、所定の制御周期ごとに上記車両の車速を検出する車速検出手段と、その車速検出手段により検出された車速を前車速として記憶する前車速記憶手段と、上記車速検出手段により検出された車速が、上記車両が実質的に停車しているとみなせるような所定車速を超え、かつ上記前車速記憶手段により前の制御周期で記憶された前車速が上記所定車速以下のときに、上記車両が動き出したと判断する動き出し判断手段とを有する請求項4記載の車両仕様判定装置。
- 上記仕様判定手段により判定された仕様を記憶する仕様記憶手段を備え、
上記仕様記憶手段により上記車両の仕様が記憶された後は、上記仕様判定手段の作動を省略して上記踏み込み判断手段による上記ブレーキペダルが踏み込み判断が行われる請求項4または5記載の車両仕様判定装置。
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JP2008032164A JP2009190527A (ja) | 2008-02-13 | 2008-02-13 | 車両仕様判定方法および車両仕様判定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011213282A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Hitachi Ltd | ブレーキノイズカットシステム |
JP2014040156A (ja) * | 2012-08-22 | 2014-03-06 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両用制御装置 |
-
2008
- 2008-02-13 JP JP2008032164A patent/JP2009190527A/ja active Pending
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