JP6059440B2 - スタータモータ制御装置 - Google Patents
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Description
従来、このような機能を実現するため、シフトレバー等のレンジ選択操作部と機械的に連動するインヒビタスイッチをスタータモータ回路に挿入し、パーキング(P)レンジ、ニュートラル(N)レンジなどの非走行レンジにおいてのみスタータモータに通電を可能としたものが広く普及している。
さらに、このようなアイドルストップシステムとともに、レンジ選択操作部と変速機との機械的な接続を廃止し、電気的な信号によって各レンジの切替を行うシフトバイワイヤシステムを用いることが知られている。
また、シフトバイワイヤに関する従来技術として、特許文献2には、シフトバイワイヤ式の変速制御装置において、シフトセレクトスイッチによってシフト位置を検出してアクチュエータ等の制御を行うことが記載されている。
この場合、上述したようなインヒビタスイッチが存在すると、前進レンジではスタータモータへの通電が不可能となるため、通常始動時と同じ回路によってスタータモータへ電力供給することができない。
これに対し、特許文献1に記載された技術のように、アイドルストップ制御状態からのスタータ駆動のために、通常のスタータ駆動回路をバイパスした別系統の回路やこれを開閉するスイッチ、リレー等を設けた場合には、部品点数が増加して装置の構成が複雑となり、コストも高くなってしまう。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成によってスタータモータ駆動の許可、禁止を車両の状態に応じて切替可能なスタータモータ制御装置を提供することである。
請求項1に係る発明は、エンジンをクランキングするスタータモータへの電力供給を行う電力供給回路に設けられドライバによるエンジン始動操作に応じて開閉されるスタータリレーと、前記ドライバが自動変速機のレンジ選択操作を行うレンジ選択操作部において現在選択されているレンジを検出するレンジ検出操作部と、前記電力供給回路の途中に前記スタータリレーと直列に設けられたインヒビタリレーと、前記レンジ検出操作部によるレンジ検出結果に基づいて前記インヒビタリレーを開閉するインヒビタリレー制御部とを備え、前記インヒビタリレー制御部は、車両の停車時に自動的にエンジンの停止及び再始動を行うアイドルストップ制御の実行、非実行に関する情報を保持し、前記アイドルストップ制御の実行時においてエンジンを再始動する場合には、前記レンジ選択操作部により走行レンジが選択されている場合に前記インヒビタリレーを閉じて前記スタータモータの駆動を許可するとともに、前記アイドルストップ制御の非実行時において前記走行レンジが選択されている場合に前記インヒビタリレーを開いて前記スタータモータの駆動を禁止することを特徴とするスタータモータ制御装置である。
これによれば、レンジ検出結果に基づいて開閉されるインヒビタリレーをスタータリレーと直接に設けることによって、レンジ選択操作部と機械的に連動するインヒビタスイッチやこれをバイパスする回路等を設けることなく、簡単な構成によってスタータモータ駆動の許可、禁止を車両の状態に応じて切替可能なスタータモータ制御装置を提供することができる。
これによれば、インヒビタリレーとしてノーマルクローズリレーを用いることによって、低電圧時等に接点が開いてスタータモータの駆動ができなくなることを防止でき、信頼性を向上できる。
実施例のスタータモータ制御装置は、例えば、乗用車等の自動車に搭載され、エンジンの出力を変速する無段変速機(CVT)とともに用いられるものである。
図1は、実施例のスタータモータ制御装置を含むトランスミッション制御システムの模式的ブロック図である。
なお、図1において、実線は信号等の伝達経路を示し、破線は電力の供給経路を示している。
CVT制御ユニット10は、CVTの変速制御や、図示しないロックアップクラッチの制御等を行うものである。
Pレンジスイッチ11は、ドライバがシフト操作を行う図示しないシフト操作部に設けられ、シフト操作部においてPレンジを選択する操作が行われたことを検出するスイッチである。
ブレーキスイッチ12は、ドライバによるブレーキ操作の有無を検出するものであって、ドライバが図示しないブレーキペダルを操作した際にオンされるスイッチである。
シフタセンサ13は、シフト操作部において、ドライバがD(前進)、N(中立)、R(後退)のどのレンジを選択したかを検出するスイッチである。
バックランプリレー14は、Rレンジが選択された場合に、車両後方のバックランプを点灯させるものである。
なお、Pレンジスイッチ11及びシフタセンサ13の出力は、シフトバイワイヤ制御ユニット20にも伝達されている。
シフトバイワイヤ制御ユニット20は、CPU等の情報処理装置、ROMやRAM等の記憶装置、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバス等を有して構成されている。
セカンダリリニアソレノイドL1は、図示しないオイルポンプから供給される油圧を調圧して、レンジ切替装置に供給するものである。
FRクラッチリニアソレノイドL2、第1DNRソレノイドS1、第2DNRソレノイドS2は、それぞれ前進クラッチ、後退クラッチに印加される油圧を切り替えるスプールバルブに油圧を供給し、これらを制御するものである。
このインヒビタリレー30を含むスタータモータ制御装置の回路構成については、後に詳しく説明する。
エンジン制御ユニット40は、図示しないエンジン及びその補機類を統括的に制御するものである。
挙動制御ユニット50は、アンダーステア、オーバーステア等の車両挙動の発生に応じて、左右輪に制動力差を与えてこれらの挙動を抑制する方向のモーメントを発生する車両挙動制御や、アンチロックブレーキ制御を行なうものである。
スタータリレー70は、ドライバによるイグニッションスイッチS(図2参照)の操作等に応じて、バッテリBからスタータモータMへ電力を供給するものである。
図2は、実施例のスタータモータ制御装置の回路構成を示す図である。
図2は、通常時(ISS制御の非実行時)におけるスタータモータ駆動時の状態を示し、スタータモータMに電力を供給する回路を太線の破線で図示している(後述する図3において同じ)。
スタータリレー70は、第1リレー71、第2リレー72、カットリレー73を有して構成されている。
スタータモータMは、バッテリBから電力供給を受けることによって、ピニオンギヤを繰り出して図示しないフライホイールの外周縁部に設けられたギヤ部に係合させる第1の動作、及び、ピニオンギヤを回転させてフライホイールを回転させ、フライホイールに固定されたクランクシャフトを回転駆動(クランキング)する第2の動作を行うものである。
第1リレー71は、エンジン制御ユニット40からの制御電流に応じて開閉されるとともに、非通電時に開、通電時に閉とされるノーマルオープンリレーである。
第2リレー72は、エンジン制御ユニット40からの制御電流に応じて開閉されるとともに、非通電時に開、通電時に閉とされるノーマルオープンリレーである。
カットリレー73は、エンジン制御ユニット40からの制御電流に応じて開閉されるとともに、非通電時に閉、通電時に開とされるノーマルクローズリレーである。
インヒビタリレー30は、CVT制御ユニット10からの制御電流に応じて開閉されるとともに、非通電時に閉、通電時に開とされるノーマルクローズリレーである。
また、CVT制御ユニット10は、ISS制御ユニット60とCAN通信システムを介して通信し、ISS制御の実行、非実行に関する情報を保持している。
一方、ISS制御の非実行時でありかつ走行レンジ(Dレンジ、Rレンジ)が選択された状態においては、インヒビタリレー30に通電し、インヒビタリレー30を開いてスタータモータMの駆動を不可能とする。
なお、上述した実施例と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図3は、比較例のスタータモータ制御装置の回路構成を示す図である。
比較例のスタータモータ制御装置は、実施例におけるインヒビタリレー30に代えて、以下説明するインヒビタスイッチ80、ISS用スタータリレー90等を設けたものである。
インヒビタスイッチ80は、バッテリBからスタータモータMに電力を供給して第1の動作を行わせる回路に、第1リレー71及びカットリレー73と直列に設けられている。
そこで、比較例においては、スタータリレー70及びインヒビタスイッチ80をバイパスしてバッテリBからスタータモータMに電力を供給する回路を設けて、ここにISS制御ユニット60によって制御されるISS用スタータリレー90を設けている。
ISS用スタータリレー90は、スタータリレー70の第1リレー71、第2リレー72、カットリレー73と実質的に同様の第1リレー91、第2リレー92、カットリレー93等を備えている。
これに対し、実施例においては、単一のインヒビタリレー30をCVT制御ユニット10からの制御電流で開閉して、ISS制御非実行時かつDレンジ又はRレンジ時のスタータモータMの駆動を禁止することによって、構造の簡素化、部品点数の低減、コストの低下を図ることができかつアイドルストップシステムも成立させることができる。
また、インヒビタリレー30として非通電時に閉となるノーマルクローズリレーを用いたことによって、スタータモータMの駆動等に起因する低電圧時に回路が開いてエンジンの始動に不具合が生じることを防止できる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)スタータモータ制御装置の回路構成は、上述した実施例に限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施例ではインヒビタリレーとしてノーマルクローズリレーを用いているが、例えばコンデンサ(キャパシタ)やカットリレー等を用いて、低電圧時にも誤作動を生じずかつエンジン完爆後直ちにスタータモータ駆動を停止できるよう配慮がなされていれば、ノーマルオープンリレーを用いる構成とすることもできる。
(2)実施例はアイドルストップシステム搭載車に適用されるものであったが、アイドルストップシステム非搭載車にも本発明は適用することができる。
また、変速機としてCVTを有する車両に限らず、例えばプラネタリギヤ式のステップATや、DCT、AMTなどを有する車両にも適用することができる。
10 CVT制御ユニット 11 Pレンジスイッチ
12 ブレーキスイッチ 13 シフタセンサ
14 バックランプリレー 20 シフトバイワイヤ制御ユニット
21 Pロックシステム 30 インヒビタリレー
40 エンジン制御ユニット 50 挙動制御ユニット
60 アイドルストップシステム制御ユニット
70 スタータリレー 71 第1リレー
72 第2リレー 73 カットリレー
80 インヒビタスイッチ
90 ISS用スタータリレー 91 第1リレー
92 第2リレー 93 カットリレー
C CAN通信システム B バッテリ
M スタータモータ
Claims (2)
- エンジンをクランキングするスタータモータへの電力供給を行う電力供給回路に設けられドライバによるエンジン始動操作に応じて開閉されるスタータリレーと、
前記ドライバが自動変速機のレンジ選択操作を行うレンジ選択操作部において現在選択されているレンジを検出するレンジ検出操作部と、
前記電力供給回路の途中に前記スタータリレーと直列に設けられたインヒビタリレーと、
前記レンジ検出操作部によるレンジ検出結果に基づいて前記インヒビタリレーを開閉するインヒビタリレー制御部とを備え、
前記インヒビタリレー制御部は、車両の停車時に自動的にエンジンの停止及び再始動を行うアイドルストップ制御の実行、非実行に関する情報を保持し、前記アイドルストップ制御の実行時においてエンジンを再始動する場合には、前記レンジ選択操作部により走行レンジが選択されている場合に前記インヒビタリレーを閉じて前記スタータモータの駆動を許可するとともに、前記アイドルストップ制御の非実行時において前記走行レンジが選択されている場合に前記インヒビタリレーを開いて前記スタータモータの駆動を禁止すること
を特徴とするスタータモータ制御装置。 - 前記インヒビタリレーが非通電時に接点を閉とするノーマルクローズリレーであること
を特徴とする請求項1に記載のスタータモータ制御装置。
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