JP2015048895A - 車両システム - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチ操作部材の操作とは無関係にエンジンの再始動要求が生じた場合に、その要求に伴いエンジンを速やかに始動する。
【解決手段】車両システムは、ドライバによる操作に応じてギアの切り替えを行う変速機20と、ドライバによるクラッチペダル14の操作に応じてエンジン10と変速機20との間の動力の伝達及び遮断を行うクラッチ装置12とを備える。ECU30は、エンジン10の運転中に所定の自動停止条件が成立した場合にエンジン10を自動停止し、該自動停止の後に所定の再始動条件が成立した場合にエンジン10を再始動するアイドルストップ制御を実施する。また、車両システムには、クラッチペダル14がクラッチ装置12を動力伝達状態とする操作状態であるときの変速機20のギアインを禁止するシフトロック機構29を備える。
【選択図】図1
【解決手段】車両システムは、ドライバによる操作に応じてギアの切り替えを行う変速機20と、ドライバによるクラッチペダル14の操作に応じてエンジン10と変速機20との間の動力の伝達及び遮断を行うクラッチ装置12とを備える。ECU30は、エンジン10の運転中に所定の自動停止条件が成立した場合にエンジン10を自動停止し、該自動停止の後に所定の再始動条件が成立した場合にエンジン10を再始動するアイドルストップ制御を実施する。また、車両システムには、クラッチペダル14がクラッチ装置12を動力伝達状態とする操作状態であるときの変速機20のギアインを禁止するシフトロック機構29を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両システムに関し、詳しくは、手動式変速機を備える車両のアイドルストップ制御の技術に関する。
従来、アイドル運転時に所定の自動停止条件が成立するとエンジンを自動停止させるとともに、エンジンの自動停止後、所定の再始動条件が成立するとエンジンを再始動させる、いわゆるアイドルストップ制御を実施する技術が知られている。このアイドルストップ制御によれば、エンジンの燃費低減等の効果が得られるものとなっている。所定の自動停止条件及び再始動条件としては、ドライバによるアクセル操作やブレーキ操作といった停車又は発進のための動作に関するもののほか、エンジン始動装置としてのスタータに電力供給するバッテリが所定の充電量以下であること、エアコンが起動されたこと等が含まれる。
手動変速機(マニュアルトランスミッション)を備える自動車(マニュアル車)のアイドルストップ制御技術として、従来、エンジン自動停止中にクラッチペダルの踏み込み操作を行うことで再始動条件が成立し、その再始動条件の成立に伴いエンジンを再始動させる技術がある。当該技術では、クラッチペダルの踏み込み操作をドライバによるエンジン始動要求として捉えることにより、エンジンの再始動タイミングの適正化を図るようにしている。
また、別の技術としては、エンジン自動停止中において、バッテリ状態に基づきエンジン再始動要求が生じた場合でも、クラッチ装置が動力伝達状態にあり、かつシフトポジションが走行ポジションにあるときにはスタータの作動を禁止することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、エンジン始動に伴い、スタータに過剰な負担が作用したりドライバに与えるショックが発生したりすることを回避するようにしている。
しかしながら、上記特許文献1では、バッテリ状態に基づくエンジン再始動要求が発生した場合にもエンジンの再始動が許容されないため、その後、クラッチペダルの踏み込み操作が生じたことに伴いエンジンを始動しようとした場合に、エンジンを始動できない可能性が生じる。かといって、クラッチ装置が動力伝達状態にあり、かつシフトポジションが走行ポジションにある状態でのエンジン再始動を許容してしまうと、スタータの負荷が過大になったりショックが発生したりしてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、クラッチ操作部材の操作とは無関係にエンジンの再始動要求が生じた場合に、その要求に伴いエンジンを速やかに始動可能な車両システムを提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
本発明は、ドライバによる操作に応じてギアの切り替えを行う変速機(20)と、ドライバによるクラッチ操作部材(14)の操作に応じてエンジン(10)と前記変速機との間の動力の伝達及び遮断を行うクラッチ手段(12)とを備え、前記エンジンの運転中に所定の自動停止条件が成立した場合に前記エンジンを自動停止し、該自動停止の後に所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動する自動停止始動制御が実施される車両に適用される車両システムに関する。請求項1に記載の発明は、前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力伝達状態とする操作状態であるときの前記変速機のギアインを禁止するシフトロック機構(29)を備えることを特徴とする。
上記の車両システムにはシフトロック機構が設けられており、このシフトロック機構によって、クラッチ操作部材によりクラッチ手段が動力伝達状態となっているときの変速機のギアインが禁止される。そのため、例えばエンジンを自動停止させる際に、ドライバがクラッチ操作部材を操作せずに(クラッチ手段を動力伝達状態としたまま)変速機のギアインを行おうとしても、そのギアイン操作が禁止される。したがって、例えばクラッチ操作部材によりクラッチ手段が動力伝達状態とされていることを自動停止条件に含み、クラッチ手段が動力伝達状態から動力遮断状態にされたことを再始動条件に含む場合に、エンジンが自動停止している期間では、クラッチ操作部材によりクラッチ手段の動力伝達状態が維持されている限り、変速機の中立状態が維持される。したがって、クラッチ操作部材の操作とは無関係にエンジン再始動要求が生じた場合に、その再始動要求に伴いエンジンを始動しても、変速機がギアイン状態である場合のエンジン始動時に生じる不都合が発生せず、よって再始動要求に伴い速やかにエンジン始動することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、エンジンと手動式変速機(マニュアルトランスミッション)とを搭載した車両に具体化している。その車両システムの全体概略図を図1に示す。
図1において、エンジン10は、例えば多気筒ガソリンエンジンであり、図示は省略するが、気筒ごとに燃料噴射弁と点火装置(イグナイタ等)とを備えている。エンジン10の出力軸(クランク軸)11には、クラッチ装置12を介して変速機20が接続されている。また、エンジン10には、エンジン始動時にエンジン10に初期回転を付与する始動装置としてのスタータ13が設けられている。スタータ13は、図示しないバッテリから電力供給されて駆動する。なお、エンジン10はガソリンエンジンに限定されず、ディーゼルエンジンであってもよい。
クラッチ装置12は、エンジン出力軸11に接続されたエンジン10側の円板12a(フライホイール等)と、インプットシャフト21に接続された変速機20側の円板12b(クラッチディスク等)とを備えており、ドライバによるクラッチペダル14の踏込み操作又は踏込みの解除操作により、両円板12a,12b同士が接触及び離間のいずれかの状態に切り替えられるようになっている。詳しくは、ドライバによりクラッチペダル14が踏み込まれると、両円板12a,12bが相互に離れてエンジン10から変速機20への動力が遮断され、その踏込み操作が解除されると、両円板12a,12bが相互に接触してエンジン10から変速機20に動力が伝達される。クラッチペダル14には、クラッチペダル14の操作状態を検出するクラッチ検出手段としてクラッチセンサ33が設けられている。クラッチセンサ33は、クラッチペダル14の操作状態としてクラッチペダル14の踏込み操作量を検出する。これにより、クラッチ装置12が動力伝達状態であるか、それとも動力遮断状態であるかを検出可能となっている。
変速機20は、ドライバによるシフト装置15の手動操作により変速比が切り替えられるマニュアルトランスミッションである。変速機20では、シフト装置15にて選択されるシフト位置に応じた変速比により、インプットシャフト21の回転がアウトプットシャフト22の回転に変換される。アウトプットシャフト22には、ディファレンシャルギア16やドライブシャフト17等を介して車輪(駆動輪)18が接続されている。
変速機20について詳しくは、図2に示すように、アウトプットシャフト22とカウンターシャフト23とが平行に配置されており、これら2本のシャフト22,23のそれぞれに、一対の前進ギア24が常時噛み合った状態で複数段配置されている。ただし、アウトプットシャフト22上のギアは空転可能な状態で取り付けられている。本実施形態の変速機20は4速式であり、1速ギア24a〜4速ギア24dを備えている。ギア25は後進ギアである。
アウトプットシャフト22上にはスリーブ26が設けられており、スリーブ26がギアと噛み合うことによって、ギアをアウトプットシャフト22上に固定可能になっている。また、スリーブ26で固定された一対のギアのみがシャフト22とともに回転することにより、その変速比でカウンターシャフト23からアウトプットシャフト22に回転を伝達可能となっている。なお、本実施形態では、スリーブ26として、1速ギア24a又は2速ギア24bをシャフトに固定するための第1スリーブと、3速ギア24c又は4速ギア24dをシャフトに固定するための第2スリーブとが設けられている。
変速機20には更に、アウトプットシャフト22の軸方向にスリーブ26を移動させるためのシフトフォーク27が設けられている。シフトフォーク27はシフトフォークシャフト28に取り付けられており、シフトフォークシャフト28は、ドライバによるシフト装置15の手動操作に連動してシャフト28の軸方向に移動可能になっている。本実施形態では、2本のシフトフォークシャフト28が設けられており、それぞれのシャフトに、第1スリーブを軸方向に移動可能なシフトフォーク又は第2スリーブを軸方向に移動可能なシフトフォークが取り付けられている。したがって、ドライバは、シフト装置15の手動操作により、複数のシフトフォークシャフト28の中から1本を選択するとともに、必要なギアとスリーブ26とを噛み合わせることにより所望の変速比を選択可能になっている。なお、スリーブ26がいずれのギアにも噛み合っていない状態がニュートラルの状態(中立状態)である。
変速機20には、変速機20のギアインを制限するシフトロック機構29が設けられている。このシフトロック機構29は、クラッチペダル14が踏み込まれていない状態での変速機20のギアインを禁止して中立状態を保持するための機構である。本実施形態では、ECU30からの制御信号(ロック信号/ロック解除信号)に基づいて、シフトロック機構29の作動を制御する。
具体的には、シフトロック機構29は、ECUからロック信号を入力することにより、変速機20のギアインを禁止し、ロック解除信号を入力することにより、変速機20のギアインを許容する。変速機20のギアインを禁止/許容する構成としては、例えばロック信号/ロック解除信号に応じて作動状態が切り替わるロックピンを設け、そのロックピンの作動状態の切り替えによって変速機20のギアインを禁止/許容する構成とする。このとき、ロック信号に基づいてロックピンを突出させることにより、ドライバによるシフト装置15の操作を制限し、ロック解除信号に基づいてロックピンを退避させることにより、ドライバによるシフト装置15の操作を許容するようにする。あるいは、シフトフォーク27に対してロックピンが突出又は退避することにより、変速機20のギアインを禁止/許容する構成としてもよい。また、ロック信号/ロック解除信号に応じて作動状態を切り替え可能なクラッチ機構を設け、ロック信号の入力時において、シフト装置15の操作力をシフトフォークシャフト28に伝達させないようにする構成等としてもよい。
ECU30は、周知のマイクロコンピュータ等を備えてなる電子制御装置(制御手段)であり、本システムに設けられている各種センサの検出結果等に基づいて、燃料噴射弁による燃料噴射量制御及び点火装置による点火制御などの各種エンジン制御や、スタータ13の駆動制御を実施する。センサ類について詳しくは、ECU30には、上述したセンサのほか、アクセル操作部材としてのアクセルペダル(図示略)の踏込み操作量を検出するアクセルセンサ31、ブレーキペダル(図示略)の踏込み操作量を検出するブレーキセンサ32、車速を検出する車速センサ34、シフト装置15のシフト位置を検出するシフト位置センサ35等が接続されており、これら各センサの検出信号がECU30に逐次入力されるようになっている。その他、本システムには回転速度センサや負荷センサ(エアフロメータ、吸気圧センサ)等も設けられているが、図示は省略している。
次に、上記のシステム構成において実施されるアイドルストップ制御について詳述する。アイドルストップ制御は、概略として、エンジン10のアイドル運転時に所定の自動停止条件が成立するとエンジン10を自動停止させるとともに、エンジン10の自動停止後、所定の再始動条件が成立するとエンジン10を再始動させるものである。自動停止条件としては、例えばアクセル操作量が0になったこと(アイドル状態になったこと)、シフト位置がニュートラル位置であること、及びクラッチペダル14の踏み込み操作が行われていないこと(クラッチ踏み込み量がゼロであること)を含む。またその他、車速条件として車速が所定値以下まで低下したことを含んでいてもよい。エンジン再始動条件としては、ドライバの走行意思に基づく再始動条件として、クラッチペダル14の踏込み操作が行われたことを含む。また、車両状態に基づく再始動条件として、バッテリの充電量が所定値以下となったこと、エアコン(図示略)が起動されたこと、ブレーキ負圧が所定値以下になったこと等を含む。
更に、本システムのアイドルストップ制御では、エンジン自動停止中におけるエンジン10の再始動を禁止する再始動禁止条件が設定されている。具体的には、エンジン自動停止中において、クラッチペダル14の踏み込み操作が行われていないこと(クラッチ装置12が動力伝達状態であること)、及び変速機20がギアインの状態となっていることの2つの要件を満たす場合のエンジン再始動を禁止している。この2つの要件を満たす場合には、エンジン10の動力が駆動輪18に伝達可能となっており、この状態でエンジン10を始動すると、スタータ13の駆動負荷が過大となったり、車両ショックが発生したりするおそれがあるからである。したがって、この2つの要件を満たす場合には、エンジン自動停止中に車両状態に基づく再始動条件が成立した場合にも、エンジン10が始動されないこととなる。
ここで、本システムにはシフトロック機構29が設けられており、このシフトロック機構29により、クラッチペダル14が踏み込まれていない状態での変速機20のギアインが禁止される。したがって、エンジン自動停止後において、例えば車両停止状態を安全に維持するためにドライバが変速機20のギアを入れる動作の際に、ドライバがクラッチ踏み込み操作を行わずにギアインしようとしたときにはその操作が制限される。これにより、エンジン10が自動停止されている期間では、クラッチペダル14の踏み込み解除の状態が維持されている限り、変速機20の中立状態が維持される。したがって、エンジン自動停止中に、車両状態に基づくエンジン再始動要求が生じた場合には、その要求に伴い速やかにエンジン10を再始動することが可能となる。
次に、本実施形態のアイドルストップ制御の処理手順について、図3及び図4のフローチャートを用いて説明する。まずは、エンジン自動停止制御を図3のフローチャートに基づいて説明する。この処理は、ECU30のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図3において、ステップS101では、アクセル踏み込み量がゼロになったことに伴いエンジン回転速度がアイドル回転速度NIDL以下になったか否かを判定する。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、シフト位置がニュートラル位置か否かを判定する。また、ステップS103では、クラッチペダル14の踏み込み操作が解除された状態か否かを判定する。そして、シフト位置がニュートラル位置であり、かつクラッチ踏み込み操作が解除された状態であると判定された場合にはステップS104へ進み、その他の自動停止条件が成立しているか否かを判定する。ステップS104で肯定判定されると、ステップS105へ進み、燃料噴射弁による燃料噴射及び点火装置による点火を停止し、エンジン10を自動停止させる。また、ステップS106では、シフトロック機構29に対してロック信号を出力する。これにより、シフトロック機構29が作動し、ドライバのシフト装置15の操作に基づく変速機20のギアイン(前進ギア及び後進ギア)の選択が禁止される。
次に、エンジン再始動制御の処理手順を図4のフローチャートを用いて説明する。この処理は、ECU30のマイコンにより所定周期毎に実行される。
図4において、ステップS201では、アイドルストップ制御によるエンジン10の自動停止中か否かを判定する(自動停止判定手段)。エンジン自動停止中の場合にはステップS202へ進み、クラッチペダル14の踏み込み操作が行われたか否かを判定する。クラッチ踏み込み操作があった場合には、ステップS203へ進み、シフトロック機構29に対してロック解除信号を出力する。これにより、シフトロック機構29による変速機20のギアイン禁止が解除される。その後、ステップS207へ進み、スタータ13を駆動するとともにエンジン10の燃焼を再開し、エンジン10を自動始動させる。
エンジン自動停止中において、クラッチ踏み込み操作がない場合には、ステップS204〜S206へ進み、ドライバの意思に基づかないエンジン再始動要求(車両状態に基づくエンジン再始動要求)が発生したか否かを判定する。詳しくは、ステップS204では、バッテリの充電量が所定量以下になったか否かを判定し、ステップS205では、ブレーキ負圧が所定負圧まで低下したか否かを判定し、ステップS206では、エアコンが起動されたか否かを判定する。そして、ステップS204〜S206の全てで否定判定された場合には、エンジン10を再始動させることなくそのまま本ルーチンを終了する。
一方、ステップS204〜S206の少なくともいずれかで肯定判定された場合には、ステップS207へ進み、スタータ13によりエンジン10に初期回転を付与するとともに、エンジン10の燃焼を再開する。これにより、エンジン10が自動始動される。なお、車両状態に基づくエンジン再始動要求に伴いエンジン10の自動始動を行った場合には、その後、クラッチ踏み込み操作があった時点でシフトロック機構29に対してロック解除信号を出力し、シフトロック機構29によるギアイン禁止を解除する処理を行う。
次に、本実施形態のアイドルストップ制御の具体的態様について、図5のタイムチャートを用いて説明する。なお、図5中、(a)はアクセルペダルのオンオフの推移、(b)は車速の推移、(c)はクラッチペダル14のオンオフの推移、(d)は変速機20のギアイン状態/ニュートラル状態の切り替えの推移、(e)はエンジン10の運転/自動停止の推移、(f)はシフトロック機構29に対するロック信号(ON)/ロック解除信号(OFF)の推移をそれぞれ示す。また、図5(e)中、実線は、エンジン自動停止中にクラッチペダル14の踏み込み操作が行われた場合(ドライバの意思に基づくエンジン再始動要求があった場合)を示し、一点鎖線は、バッテリの充電量が所定値以下となった場合(車両状態に基づくエンジン再始動要求があった場合)を示す。(a)〜(d)、(f)の実線は、ドライバの意思に基づくエンジン再始動要求があった場合、車両状態に基づくエンジン再始動要求があった場合で共通である。
図5では、アクセル踏み込み操作の解除に伴いエンジン10がアイドル運転状態になった場合を考える。この場合、変速機20が、ギアインの状態からニュートラルの状態に切り替えられ(t11)、かつクラッチ踏み込み操作が解除された状態となることにより、エンジン10が自動停止される。なお、本実施形態では、車速がゼロになった場合を自動停止条件に含んでいる。したがって、車両が停止した後のタイミングt12でエンジン10が自動停止される。また、エンジン10が自動停止されると、シフトロック機構29により変速機20のギアインが制限される。
エンジン自動停止中にクラッチペダル14の踏み込み操作が行われた場合には、その踏み込み操作があったタイミングt14で、シフトロック機構29によるギアイン禁止が解除されるとともに、(e)に実線で示すように、エンジン10が再始動される。このとき、クラッチ踏み込み操作に連動してギアイン禁止が解除されることから、ドライバの意思に基づくエンジン再始動時において、ドライバのシフト装置15の手動操作による変速機20のギアインを円滑に行うことが可能となる。
また、エンジン自動停止中にバッテリ充電量の低下に伴いエンジン再始動要求が生じた場合には、(e)に一点鎖線で示すように、その要求タイミングt13でエンジン10が始動される。本システムでは、エンジン自動停止の期間(t12以降)では、シフトロック機構29によって、クラッチ踏み込み操作が行われていない状態でのギアインが制限されている。したがって、バッテリ低下の判定がなされたタイミングt13では、変速機20のギアはニュートラルの状態が維持されている。これにより、バッテリ低下に起因する再始動要求に伴い、エンジン10を直ちに始動させた場合にも、エンジン10からの動力は駆動輪18へ伝達されず、よって、エンジン再始動時においてスタータ13の負荷が過大となったり車両ショックが発生したりすることが抑制される。
以上詳述した本実施形態によれば、次の優れた効果が得られる。
本システムにはシフトロック機構29が設けられており、このシフトロック機構29により、クラッチペダル14の踏み込みが解除されている状態での変速機20のギアインが禁止される。そのため、エンジン10を自動停止させる際に、ドライバがクラッチペダル14の踏み込み操作を行わずに変速機20のギアインを行おうとしても、そのギアイン操作が禁止される。したがって、アイドルストップ制御において、クラッチペダル14が踏み込み操作されていないことを自動停止条件に含み、クラッチペダル14が踏み込み操作されていない状態から踏み込み操作された状態になったことを再始動条件に含む場合に、エンジン10が自動停止している期間では、クラッチペダル14が踏み込み操作されていない状態が維持されている限り、変速機20の中立状態が維持される。したがって、車両状態に基づきエンジン再始動要求が生じた場合に、その再始動要求に伴いエンジン10を始動しても、変速機20がギアイン状態である場合のエンジン始動時に生じる不都合が発生しない。これにより、車両状態に基づきエンジン再始動要求が生じた場合に、その再始動要求に伴い速やかにエンジン始動することができる。
ECU30からの制御信号(ロック信号/ロック解除信号)に基づいて、シフトロック機構29の作動を制御する構成としたため、クラッチペダル14の踏み込みが解除されている場合において所望の期間だけ変速機20のギアインを禁止することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
・エンジン10の停止要求があった場合に、その停止要求が、ドライバによるエンジン10の始動スイッチ(イグニッションスイッチ)の操作に基づくもの(ドライバ停止要求)か、それとも自動停止条件の成立に基づくもの(自動停止要求)かを判定し、その判定結果に基づいて、シフトロック機構29によるギアインを禁止又は許容する構成とする。具体的には、図6のフローチャートに示すように、ステップS301でエンジン10の停止要求ありと判定された場合、続いて、その停止要求が自動停止要求であるか否かを判定する(S302、要求判定手段)。自動停止要求であると判定された場合には、クラッチペダル14の踏み込み操作が解除されている期間において、シフトロック機構29によって変速機20のギアインを禁止する(S303)。これに対し、エンジン10の停止要求が、ドライバの始動スイッチのオフ操作に基づくものである場合には、ステップS304へ進み、クラッチペダル14の踏み込み操作の有無に関わらず、シフトロック機構29により変速機20のギアインを許容する。ドライバが始動スイッチのオフ操作によりエンジン10を停止させる際、安全に停車させておくために、ギアを入れた状態でエンジン停止させることがある。このとき、上記構成によれば、クラッチペダル14の踏み込み操作をわざわざ行わなくても、停車のためのギアイン操作を実施可能とすることができる。
・エンジン10の運転中では、クラッチペダル14の踏み込み操作の有無に関わらず、シフトロック機構29による変速機20のギアイン禁止を実施しない構成とする。ドライバによっては、クラッチペダル14の踏み込み操作を行わずにギアの変更が行われることがあるが、上記構成とすることにより、こうしたドライバの操作を許容しつつ、エンジン自動停止中などのように、クラッチペダル14の踏み込み解除されている場合のギアインを禁止する必要があるときには変速機20のギアインを禁止することができる。
・上記実施形態では、ECU30からの制御信号(ロック信号/ロック解除信号)に基づいてシフトロック機構29の作動を制御することにより、クラッチペダル14の踏込みの解除操作が行われている状態での変速機20のギアインを禁止する構成とした。これに対し、本実施形態では、クラッチペダル14の操作状態に連動して変速機20のギアインが許容又は禁止される機械的な機構を設け、当該機構により、クラッチペダル14の踏込みが解除されている状態での変速機20のギアインを禁止する構成とする。具体的には、例えばシフトロック機構29について、ロックピンの突出/退避の切り替えによって変速機20のギアインを禁止/許容する構成とするとともに、クラッチペダル14の踏込み解除操作/踏込み操作に連動して、ロックピンの突出/退避の切り替えが行われるようにする。クラッチペダル14の操作状態に連動してロックピンを作動可能とする構成は特に限定しないが、例えば図7に示すように、クラッチペダル14とロックピンとをワイヤ29a等で連結し、クラッチペダル14の踏み込みが解除されている状態においてロックピンを突出させ、クラッチペダル14が踏み込まれている状態においてロックピンを退避させる構成とする。
10…エンジン、12…クラッチ装置(クラッチ手段)、14…クラッチペダル(クラッチ操作部材)、15…シフト装置、20…変速機、24…前進ギア、25…後進ギア、29…シフトロック機構、30…ECU(ロック制御手段、自動停止判定手段、要求判定手段)、33…クラッチセンサ(クラッチ検出手段)、35…シフト位置センサ。
Claims (4)
- ドライバによる操作に応じてギアの切り替えを行う変速機(20)と、ドライバによるクラッチ操作部材(14)の操作に応じてエンジン(10)と前記変速機との間の動力の伝達及び遮断を行うクラッチ手段(12)とを備え、前記エンジンの運転中に所定の自動停止条件が成立した場合に前記エンジンを自動停止し、該自動停止の後に所定の再始動条件が成立した場合に前記エンジンを再始動する自動停止始動制御が実施される車両に適用され、
前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力伝達状態とする操作状態であるときの前記変速機のギアインを禁止するシフトロック機構(29)を備えることを特徴とする車両システム。 - 前記クラッチ操作部材の操作状態を検出するクラッチ検出手段(33)と、
前記クラッチ検出手段により前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力伝達状態とする操作状態であると判定された場合に前記変速機のギアインを禁止し、該クラッチ検出手段により前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力遮断状態とする操作状態であると判定された場合に前記変速機のギアインの禁止を解除するように、前記シフトロック機構の作動を制御するロック制御手段と、を備える請求項1に記載の車両システム。 - 前記自動停止条件として、前記変速機のギアが中立状態となっていること及び前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力伝達状態とする操作状態であることを含み、
前記エンジンが、前記自動停止条件の成立に伴う自動停止中か否かを判定する自動停止判定手段を備え、
前記ロック制御手段は、前記自動停止判定手段により前記エンジンが自動停止中であると判定され、かつ前記クラッチ検出手段により前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力伝達状態とする操作状態であると判定された場合に、前記シフトロック機構により前記変速機のギアインを禁止する請求項2に記載の車両システム。 - 前記エンジンの停止要求があった場合に、その停止要求が、前記自動停止条件の成立に基づく自動停止要求か、それともドライバによる前記エンジンの始動スイッチの操作に基づくドライバ停止要求かを判定する要求判定手段を備え、
前記ロック制御手段は、前記要求判定手段により前記停止要求が前記自動停止要求であると判定された場合に、前記シフトロック機構により、前記クラッチ操作部材が前記クラッチ手段を動力伝達状態とする操作状態であるときの前記変速機のギアインを禁止し、該要求判定手段により前記停止要求が前記ドライバ停止要求であると判定された場合に、前記クラッチ操作部材の操作状態に関わらず、前記シフトロック機構による前記変速機のギアインの禁止を実施しない請求項2又は3のいずれか一項に記載の車両システム。
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